JP3904269B2 - エトポシド類の製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は抗腫瘍剤として広く使用されている4’−デメチル−4−エピポドフィロトキシン−β−D−エチリデングルコシド(以下エトポシドと称す)およびその化合物の官能基が保護されているものの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
後記式(1)で示される保護基を付した4’−デメチル−4−エピポドフィロトキシンと後記式(2)で示される保護基を付したグルコ−ス誘導体を三ふっ化ほう素ジアルキルエ−テル錯体を触媒として反応させ、後記式(3)官能基の保護されたエトポシド類を得る方法において溶媒としてジクロロメタン、クロロホルムのハロゲン系溶媒が好適に使用されている(特開平2−295996号、特公昭63−28438号)。また特開平2−292295号によれば該反応をジクロロメタンの他、酢酸エチル、エ−テル、アセトンまたはアセトニトリル等の溶媒中で行えることが記載されているが、実際にはジクロロエタン中での合成例があるのみである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ハロゲン系溶媒の人に対する発癌性や環境への有害性から非ハロゲン系溶媒への変換が望まれている。しかしながら本反応の場合、触媒の失活、原材料または反応生成物への溶媒の影響およびそれらの溶解性等の問題から実際に非ハロゲン系溶媒で反応を行っている例は見当たらない。本発明者等の検討によれば、非ハロゲン系溶媒中で通常使用される溶媒量で反応を行った場合、保護基を付された4’−デメチル−4−エピポドフィロトキシン式(1)の2量体が極めて大量に副生することがわかった。2量体の生成は目的物の収量の低下のみならず品質の低下を来すので極力その生成を抑える手段が望まれる。
【0004】
【発明が解決するための手段】
本発明者らは該反応に使用される溶媒として、ハロゲン系溶媒に替わる非ハロゲン系溶媒での反応を種々検討した結果、非ハロゲン系溶媒の使用量、特に非ハロゲン化脂肪族溶媒の使用量を従来のハロゲン系溶媒の場合の半分以下に減じるならば、保護基を付された4’−デメチル−4−エピポドフィロトキシンの2量体の生成が著しく抑制されることを見い出した。また、非ハロゲン化脂肪族溶媒と非ハロゲン化芳香族系溶媒との混合溶媒が該2量体の生成を抑制するために反応溶媒として優れていることを見出し本発明の完成にいたった。
【0005】
即ち、本発明は次の(1)〜(9)に関する。
(1)式(1)
【0006】
【化7】
【0007】
(式中R1 は水酸基の保護基を示す)で示される保護基を付された4’−デメチル−4−エピポドフィロトキシンと式(2)
【0008】
【化8】
【0009】
(式中R2 は水酸基の保護基を示す)で示される保護基を付されたグルコ−ス誘導体を、非ハロゲン系溶媒中かつ式(1)で示される化合物の1重量部に対して0.1〜7倍容量部の非ハロゲン化脂肪族溶媒及び脱水縮合触媒の存在下に反応させて式(3)
【0010】
【化9】
【0011】
(式中R1 ,R2 は前記と同一である)で示される官能基の保護されたエトポシドを得、必要に応じて脱保護することを特徴とするエトポシド類の製法。
【0012】
(2)式(1)
【0013】
【化10】
(式中R1 は水酸基の保護基を示す)で示される保護基を付された4′−デメチル−4−エピポドフィロトキシンと式(2)
【0014】
【化11】
【0015】
(式中R2 は水酸基の保護基を示す)で示される保護基を付されたグルコース誘導体を非ハロゲン化脂肪族溶媒と非ハロゲン化芳香族系溶媒との混合溶媒中、脱水縮合触媒を用いて反応させて式(3)
【0016】
【化12】
【0017】
(式中R1,R2 は前記と同一である)で示される官能基の保護されたエトポシドを得、必要に応じて脱保護することを特徴とするエトポシド類の製法。
(3)非ハロゲン化脂肪族溶媒がニトリル、ケトンおよびエステル化合物である(2)記載の製法。
【0018】
(4)非ハロゲン化脂肪族溶媒がニトリル化合物の場合、そのニトリル化合物の脂肪族炭化水素残基が炭素数1ないし3のアルキル基またはアルキレン基であり、ケトン化合物の場合、ケトン基の両端の脂肪族炭化水素残基が炭素数1ないし5のアルキル基またはアルキレン基であり、エステル化合物の場合は酢酸およびプロピオン酸と炭素数1ないし4のアルコ−ルとからなるエステルである(3)記載の製法。
【0019】
(5)非ハロゲン化芳香族系溶媒がベンゼンまたはその置換基が炭素数1ないし4のアルキル基またはニトロ基であり、置換基の数が1ないし3である(3)記載の製法。
【0020】
(6)非ハロゲン化脂肪族溶媒の使用量が式(1)で示される化合物1重量部に対して0.1ないし4倍容量部であり、かつ混合溶媒の総量が式(1)で示される化合物1重量部に対して1ないし10倍容量部の範囲内である(2)記載の製法。
【0021】
(7)非ハロゲン系脂肪族溶媒がアセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルからなる群から選ばれる溶媒であり、非ハロゲン化芳香族系溶媒がベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、およびニトロトルエンからなる群から選ばれる溶媒であり、脱水縮合触媒が三ふっ化ほう素ジアルキル(C=1〜4)エ−テルで、その使用量が式(1)で示される化合物に対して1ないし15当量の範囲内である(6)記載の製法。
【0022】
(8)非ハロゲン系脂肪族溶媒が(1)アセトニトリルと(2)ベンゼン、トルエンまたはキシレンとの混合溶媒で、アセトニトリルの使用量が式(1)で示される化合物1重量部に対して0.3ないし3容量部の範囲内で、かつ混合溶媒の総量が式(1)で示される化合物1重量部に対して2ないし6容量部の範囲内であり、触媒の三ふっ化ほう素ジアルキル(C=1〜4)エ−テルの使用量が式(1)で示される化合物1に対して1ないし6当量の範囲内である(7)記載の製法。
(9)式(1)の保護を付した4′−デメチル−4−エピポドフィロトキシンと式(2)の保護を付したグルコース誘導体を、非ハロゲン系有機溶媒中、脱水縮合触媒を用いて反応させ、式(3)で示される官能基の保護されたエトポシド類を得、必要に応じて脱保護し、エトポシド類を製造する方法において非ハロゲン化脂肪族溶媒がニトリル化合物であり、その使用量が式(1)の化合物1重量部に対して、1〜10倍容量部であるエトポシド類の製法。
【0023】
【発明の実施の形態】
式(1)の保護された4’−デメチル−4−エピポドフィロトキシンの水酸基の保護基R1 としては炭素数1ないし10のアシル基が好ましく、例えば低級(C1〜C6)アルキルカルボニル基、低級(C1〜C6)アルキルオキシカルボニル基、ベンゾイル基あるいはベンジルオキシカルボニル基または1ないし3のハロゲン原子等で置換された、(1)低級(C1〜C6)アルキルカルボニル基、(2)低級(C1〜C6)アルキルオキシカルボニル基、(3)ベンゾイル基あるいは(4)ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。好ましくはアセチル基または1ないし3個のハロゲン原子で置換されたアセチル基である。ここでハロゲンはふっ素、塩素または臭素等を示し、特にモノクロロアセチル基またはジクロロアセチル基が好ましい。
【0024】
式(2)の保護されたグルコ−ス誘導体の水酸基の保護基R2 はR1 であげた保護基がいずれも使用でき、例えば低級アルキルカルボニル基、ベンゾイル基あるいは低級(C1〜C6)アルキルオキシカルボニル基または1ないし3のハロゲン原子等で置換された、(1)低級(C1〜C6)アルキルカルボニル基、(2)ベンゾイル基あるいは(3)低級(C1〜C6)アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。好ましくはアセチル基または1ないし3個のハロゲン原子で置換されたアセチル基である。ここでハロゲンはふっ素、塩素または臭素等を示し、特にモノクロロアセチル基またはジクロロアセチル基が好ましい。
【0025】
反応溶媒としては、非ハロゲン系有機溶媒が用いられ、例えば非ハロゲン化脂肪族溶媒及び非ハロゲン化芳香族系溶媒の単独又は混合溶媒が用いられる。非ハロゲン化脂肪族溶媒としては非ハロゲン化脂肪族極性溶媒が好ましく、例えばニトリル、ケトン、エステル、エーテル化合物が使用され、炭素数1〜10のものが好ましい。ニトリル化合物としては、好ましくは脂肪族炭化水素残基が炭素数1ないし3のアルキル基またはアルキレン基のものが使用され、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリルまたはアクリロニトリル等が挙げられる。ケトン化合物としては、好ましくはケトン基の両端の脂肪族炭化水素残基が炭素数1ないし5のアルキル基またはアルキレン基のものが使用され、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン(2−ペンタノン)、3−ペンタノン、メチルイソブチルケトン(2−ヘキサノン)、3−ヘキサノン、メチルビニルケトンまたはエチルビニルケトン等が挙げられる。エステル化合物としては溶媒として使用できるものであれば特に限定されないが好ましくは酢酸およびプロピオン酸と炭素数1ないし4のアルコ−ルとからなるエステルであり、例えば酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルおよびプロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸2−プロピルまたはプロピオン酸ブチル等が挙げられる。非ハロゲン化芳香族系溶媒としては、好ましくはベンゼンまたはその置換基が炭素数1ないし4のアルキル基またはニトロ基であり、置換基の数が1ないし3のものが使用され、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン類、ブチルベンゼン類、キシレン、トリメチルベンゼン類、ニトロベンゼン、およびニトロトルエン類が挙げられる。
【0026】
上記の反応溶媒中、特に好ましくは、非ハロゲン化脂肪族溶媒がアセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルからなる群から選ばれる溶媒であり、非ハロゲン化芳香族系溶媒がベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、およびニトロトルエンからなる群から選ばれる溶媒であり、更に好ましくは、非ハロゲン化脂肪族溶媒がアセトニトリルであり、非ハロゲン化芳香族系溶媒がトルエンである。
【0027】
溶媒の使用量は式(1)で示される化合物1重量部に対して好ましくは0.1ないし7倍容量部、より好ましくは2ないし6倍容量部である。芳香族系溶媒と脂肪族溶媒の混合溶媒を用いる場合は、混合溶媒の総量はこの範囲よりも多くても構わないが非ハロゲン化脂肪族溶媒はこの範囲が好ましく、混合溶媒のうち非ハロゲン化脂肪族溶媒は好ましくは式(1)で示される化合物1重量部に対して0.1ないし4倍容量部、更に好ましくは0.3ないし3倍容量部含まれる。
またアセトニトリルなどのニトリル系溶媒のときは式(1)で示される化合物1重量部に対して1〜10倍容量部程度でも使用できる。
【0028】
脱水縮合触媒としては例えば三ふっ化ほう素ジアルキルエーテル錯体又はトリ(C1−C4)アルキルシリルトリフルオロメタンスルホネートなどがあげられ、三ふっ化ほう素ジアルキルエ−テル錯体は炭素数1ないし4のアルキル基からなるジアルキルエ−テル錯体を表し、ジエチルエ−テル錯体が好ましいものとして挙げられる。また、その使用量は例えば式(1)で示される化合物に対して通常は1〜15倍当量の範囲であり、1〜10倍当量が好ましく、さらに1〜6倍当量が好ましい。
【0029】
式(1)および式(2)で示される各化合物の使用量は通常式(1)で示される化合物に対して式(2)で示される化合物が1ないし5当量、好ましくは1.2ないし3当量である。
【0030】
この反応は一般的に10℃以下の低温、好ましくは0〜−30℃、より好ましくは−5〜−20℃の冷却下で行われ、反応系は出来るだけ無水状態で行われ、必要に応じてモレキュラ−シ−ブ等の乾燥剤が用いられる。
【0031】
必要に応じて、上記反応で得られた式(3)で示される反応生成物より保護基を脱離する。保護基の脱離は常法例えば加水分解、加アルコール分解などの加溶媒分解、パラジウム触媒を用いる還元反応等により行うことができ、保護基がアシル基特にハロゲノアシル基のとき、メタノ−ルまたはメタノ−ルを含有する混合非ハロゲン系溶媒中で通常の脱アシル化触媒である各種酢酸塩あるいはピリジン等塩基性物質の存在下加熱することにより容易に進行する。
【0032】
式(1)で表される化合物としては例えば下記のものがあげられる。
(1)4’−クロロアセチル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン(式(1)のR1 =−COCH2 Cl)
(2)4’−ブロモアセチル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン(式(1)のR1 =−COCH2 Br)
(3)4’−ジクロロアセチル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン(式(1)のR1 =−COCHCl2 )
(4)4’−ジブロモアセチル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン(式(1)のR1 =−COCHBr2 )
(5)4’−トリクロロアセチル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン(式(1)のR1 =−COCCl3 )
(6)4’−トリブロモアセチル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン(式(1)のR1 =−COCBr3 )
(7)4’−β,β,β−トリクロロエトキシカルボニル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン(式(1)のR1 =−COOCH2 CCl3 )
(8)4’−β,β,β−トリブロモエトキシカルボニル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン(式(1)のR1 =−COOCH2 CBr3 )
【0033】
式(2)で表される化合物としては例えば下記のものがあげられる。
(1)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−クロロアセチル−β−D−グルコピラノ−ス(式(2)のR2 =−COCH2 Cl)
(2)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−ブロモアセチル−β−D−グルコピラノ−ス(式(2)のR2 =−COCH2 Br)
(3)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−ジクロロアセチル−β−D−グルコピラノ−ス(式(2)のR2 =−COCHCl2 )
(4)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−ジブロモアセチル−β−D−グルコピラノ−ス(式(2)のR2 =−COCHBr2 )
(5)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−トリクロロアセチル−β−D−グルコピラノ−ス(式(2)のR2 =−COCCl3 )
(6)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−トリブロモアセチル−β−D−グルコピラノ−ス(式(2)のR2 =−COCBr3 )
(7)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−β,β,β−トリクロロエトキシカルボニル−β−D−グルコピラノ−ス(式(2)のR2 =−COOCH2 CCl3 )
(8)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−β,β,β−トリブロモエトキシカルボニル−β−D−グルコピラノ−ス(式(2)のR2 =−COOCH2 CBr3 )
【0034】
また両者の反応によって得られた式(3)の官能基の保護されたエトポシド類としては、それぞれ原料に対応した保護基を有するものが得られる。具体的には例えば下記のものがあげられる。
(1)4’−クロロアセチル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン−β−D−2,3−ジ−O−クロロアセチル−4,6−O−エチリデン−グルコシド(式(3)のR1 ,R2 =−COCH2 Cl)
(2)4’−ジクロロアセチル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン−β−D−2,3−ジ−O−ジクロロアセチル−4,6−O−エチリデン−グルコシド(式(3)のR1 ,R2 =−COCHCl2 )
(3)4’−トリクロロアセチル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン−β−D−2,3−ジ−O−トリクロロアセチル−4,6−O−エチリデン−グルコシド(式(3)のR1 ,R2 =−COCCl3 )
(4)4’−ブロモアセチル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン−β−D−2,3−ジ−O−ブロモアセチル−4,6−O−エチリデン−グルコシド(式(3)のR1 ,R2 =−COCH2 Br)
(5)4’−クロロアセチル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン−β−D−2,3−ジ−O−β,β,β−トリクロロエトキシカルボニル−4,6−O−エチリデン−グルコシド(式(3)のR1 =−COCH2 Cl、R2 =−COOCH2 CCl3 )
【0035】
【実施例】
次に本発明を実施例により更に具体的に説明する。
実施例1
式(2)の(3)の化合物(式(2)においてR2 =COCHCl2 )1.67gとアセトニトリル0.5mlおよびトルエン2.5mlを撹拌混合した。混合液を−10℃以下に冷却した。これに三ふっ化ほう素ジエチルエ−テル錯体0.55gを加えた。次に式(1)の(3)の化合物(式(1)においてR1 =COCHCl2 )1.00gを加え反応温度を−10℃以下に保ちながら30分間反応を続けた。ピリジン0.46gを加え反応を停止した。反応液に酢酸エチル20mlおよび水20mlを加え撹拌した後分液した。さらに水洗を2回繰り返し、式(3)の化合物(2)(式(3)においてR1 、R2 =COCHCl2 )を含む有機層を得た。有機層を高速液体クロマトグラフィ−で分析した結果、目的物である式(3)の化合物(2)に対する副成した2量体の割合は1.31%であった。
【0036】
実施例2
実施例1においてアセトニトリル0.5mlに替えてアセトン0.5mlを使用する他は全く同様の操作を行い分析した結果、目的物である式(3)の化合物(2)に対する副生した2量体の割合は6.96%であった。
【0037】
実施例3
実施例1においてアセトニトリル0.5mlに替えて酢酸エチル0.5mlを使用する他は全く同様の操作を行い分析した結果、目的物である式(3)の化合物(2)に対する副生した2量体の割合は4.13%であった。
【0038】
実施例4
実施例1においてアセトニトリル0.5mlおよびトルエン2.5mlの混合溶媒に替えて酢酸エチル単独で3mlを使用する他は全く同様の操作を行い分析した結果、目的物である式(3)の化合物(2)に対する副生した2量体の割合は11.42%であった。
【0039】
比較例1
実施例1においてアセトニトリル0.5mlおよびトルエン2.5mlの混合溶媒に替えてアセトン単独で10ml(式(1)の化合物に対し、10容量部)を使用する他は全く同様の操作を行い分析した結果、目的物である式(3)の化合物(2)に対する副生した2量体の割合は110.0%であった。
【0040】
比較例2
実施例1においてアセトニトリル0.5mlおよびトルエン2.5mlの混合溶媒に替えて酢酸エチル単独で10ml(式(1)の化合物に対し、10容量部)を使用する他は全く同様の操作を行い分析した結果、目的物である式(3)の化合物(2)に対する副生した2量体の割合は43.99%であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明によって、有害なハロゲン系溶媒を使用せずかつ副生物を抑え高収率でエトポシド類を得ることができる。
Claims (7)
- 非ハロゲン化脂肪族溶媒がニトリル、ケトンまたはエステル化合物である請求項1記載の製法。
- 非ハロゲン化脂肪族溶媒がニトリル化合物の場合、そのニトリル化合物の脂肪族炭化水素残基が炭素数1ないし3のアルキル基またはアルキレン基であり、ケトン化合物の場合、ケトン基の両端の脂肪族炭化水素残基が炭素数1ないし5のアルキル基またはアルキレン基であり、エステル化合物の場合は酢酸またはプロピオン酸と炭素数1ないし4のアルコ−ルとからなるエステルである請求項2記載の製法。
- 非ハロゲン化芳香族系溶媒がベンゼンまたはその置換基が炭素数1ないし4のアルキル基またはニトロ基であり、置換基の数が1ないし3である請求項2記載の製法。
- 非ハロゲン化脂肪族溶媒の使用量が式(1)で示される化合物1重量部に対して0.1ないし4容量部であり、かつ混合溶媒の総量が式(1)で示される化合物1重量部に対して1ないし10容量部の範囲内である請求項1記載の製法。
- 非ハロゲン化脂肪族溶媒がアセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルからなる群から選ばれる溶媒であり、非ハロゲン化芳香族系溶媒がベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、およびニトロトルエンからなる群から選ばれる溶媒であり、脱水縮合触媒が三ふっ化ほう素ジアルキル(C=1〜4)エ−テルで、その使用量が式(1)で示される化合物に対して1ないし15当量の範囲内である請求項5記載の製法。
- 非ハロゲン化脂肪族溶媒が(1)アセトニトリルと(2)トルエンとの混合溶媒で、アセトニトリルの使用量が式(1)で示される化合物1重量部に対して0.3ないし3容量部の範囲内で、かつ混合溶媒の総量が式(1)で示される化合物1重量部に対して2ないし6容量部の範囲内であり、触媒の三ふっ化ほう素ジアルキル(C1〜C4)エ−テルの使用量が式(1)で示される化合物に対して1ないし6当量の範囲内である請求項6記載の製法。
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