JP5334484B2 - ラムノシドエステル誘導体およびその製造方法 - Google Patents

ラムノシドエステル誘導体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規なラムノシドジエステル化合物、又はラムノシドトリエステル化合物等のラムノシドエステル誘導体及び該ラムノシドエステル誘導体の製造方法に関する。
ラムノシド化合物は、多糖類の合成、天然物の全合成あるいは生理活性物質の合成、さらにはコンビナトリアルライブラリー構築のための鍵化合物、近年では光学活性なイオン性液体合成の中間体として重要な化合物である。
ラムノシド化合物は、その分子内に多くの水酸基を有する。そのため、ラムノシド化合物を出発物質として、天然物あるいは生理活性物質を合成する場合、ラムノシド化合物の複数の水酸基を各々異なる置換基で保護(保護基で保護)した化合物を出発物質とすれば、反応条件を変えることで所望の保護された水酸基のみを別の置換基に変換したり、保護基を脱離することができるため、より目的とする最終化合物を高選択的に高収率で取得できる。
従来、ラムノシド化合物に存在する複数の水酸基の中から一つの水酸基を保護基導入剤によって選択的に保護する方法としては、メチル−α−L−ラムノピラノシドを五塩化モリブデン存在下、無水酢酸と反応させて3位の水酸基を選択的にアシル化する方法(例えば、非特許文献1参照)が知られている。
シンセティック コミュニケーションズ(Synthetic Communications) 36巻 1593−1599(2006年)
しかし、上記方法では、3位の水酸基を選択的に保護することが示されているだけで、その他の水酸基を保護することは示されていない。そのため、上記方法により得られる化合物を出発物質(原料)とした場合には、やはり限られた物質しか合成することができず、より多くの様々な物質を合成するためには、3位以外の水酸基に、各々異なる保護基で保護した化合物を合成することが望まれていた。具体的には、2位と4位の水酸基を異なる保護基で保護した化合物を合成することができれば、さらに多くの物質を高選択的に高収率で取得することができるため、その開発が強く望まれていた。
したがって、本発明の目的は、様々な物質の原料として使用することができる、2位、3位、4位の水酸基が異なる保護基で保護されたラムノシド化合物およびその化合物の製造方法を提供することにある。
かかる事実に鑑み、本発明者らは鋭意検討を行ったところ、3位の水酸基がアシル基、スルホニル基、又はオキシカルボニル基で保護されたラムノシドエステル化合物を、ジアルキル錫化合物、及び塩基存在下、カルボン酸ハライド、オキシカルボニルハライド、スルホン酸ハライド又はジアルキルジカーボネートの保護基導入剤の中から、ラムノシドエステル化合物の3位の水酸基を保護した保護基とは異なる保護基を導入できる保護基導入剤と反応させることで、2位の水酸基が保護された新規なラムノシドジエステル化合物が合成できることを見出した。そして、同様の条件下で、該ラムノシドジエステル化合物と、2位、及び3位の水酸基を保護した保護基とは異なる保護基を導入できる保護基導入剤と反応させることで4位が選択的に保護された新規なラムノシドトリエステル化合物が合成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(I)
Figure 0005334484
(式中、Xは、炭素数1〜8のアルキル基であり、R はアシル基であり、R はスルホニル基である。)
で示されるラムノシドジエステル化合物。
また、本発明は、下記一般式(II)
Figure 0005334484
(式中、Xは、炭素数1〜8のアルキル基であり、R はアシル基であり、R はスルホニル基であり、R はオキシカルボニル基である。)
で示されるラムノシドトリエステル化合物である。
また、本発明は、ジアルキル錫化合物、塩基の存在下で行う上記一般式(I)で示されるラムノシドジエステル化合物、及び上記一般式(II)で示されるラムノシドトリエステル化合物の製造方法である。なお、以下、上記一般式(I)で示されるラムノシドジエステル化合物、上記一般式(II)で示されるラムノシドトリエステル化合物をまとめて、ラムノシドエステル誘導体とする場合もある。
本発明によれば、有機合成上極めて有用な新規なラムノシドエステル誘導体を容易に得ることができるため、工業的利用価値は高い。
(ラムノシドエステル誘導体)
本発明のラムノシドエステル誘導体は、下記一般式(I)〜(II)で示される。
Figure 0005334484
Figure 0005334484
ここで上記一般式(I)〜(II)のXは、炭素数1〜8のアルキル基である。
炭素数1〜8のアルキル基を具体的に例示すると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
上記一般式(I)〜(II)のR、R及びRは、保護基であり、R はアシル基、R はスルホニル基、R はオキシカルボニル基である。
アシル基を具体的に例示すると、ベンゾイル基、p−トルオイル基、p−クロロベンゾイル基、p−ニトロベンゾイル基、p−tert−ブチルベンゾイル基、α−ナフトイル基、β−ナフトイル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基等を挙げることができる。
スルホニル基としては、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、p−クロロベンゼンスルホニル基、p−ニトロベンゼンスルホニル基等を挙げることができる。
オキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
上記一般式(I)〜(II)で示されるラムノシドエステル誘導体において、上記R、R及びRは、夫々異なる保護基であり、二つ以上の保護基が同一の基となることはなく、R はアシル基、R はスルホニル基、R はオキシカルボニル基である。このようにR、R及びRが、それぞれ異なる保護基であることにより、反応条件を変えることで特定の保護された水酸基のみを別の置換基に変換したり、特定の保護基のみを脱離させることができるため、本発明のラムノシドエステル誘導体は、様々な物質の原料として有効に使用することができる。
(ラムノシドジエステル化合物)
上記一般式(I)で示されるラムノシドジエステル化合物を例示すると、具体的には、1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−エチル−O−p−トルエンスルホニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−プロピル−O−p−トルエンスルホニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−オクチル−O−p−トルエンスルホニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−ベンゼンスルニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−エチル−O−ベンゼンスルホニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−プロピル−O−ベンゼンスルホニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−オクチル−O−ベンゼンスルホニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−エチル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−プロピル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−オクチル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−エチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−プロピル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−オクチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−ベンゼンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−エチル−O−ベンゼンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−プロピル−O−ベンゼンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−オクチル−O−ベンゼンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−エチル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−プロピル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−オクチル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−エチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−プロピル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−オクチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−ベンゼンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−エチル−O−ベンゼンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−プロピル−O−ベンゼンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−オクチル−O−ベンゼンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−エチル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−プロピル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−n−オクチル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、等を挙げることができる。
これらのラムノシドジエステル化合物の中でも、合成が容易という観点から、メチル−α−L−ラムノピラノシド誘導体であることが好ましく、具体的には、1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−ベンゼンスルニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−ベンゼンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−p−トルオイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−ベンゼンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、1−メチル−O−p−クロロベンゼンスルホニル−O−p−クロロベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド、等であることが好ましい。
(ラムノシドトリエステル化合物)
上記一般式(II)で示されるラムノシドトリエステル化合物の具体的な例示は行わないが、上記一般式(I)で示されるラムノシドジエステル化合物と保護基導入剤が決まれば、一義的にその化合物は決定される。
(ラムノシドエステル誘導体の同定方法)
上記一般式(I)〜(III)で示されるラムノシドエステル誘導体の構造は、下記(i)〜(iii)のいずれか二つ以上の方法により確認することができる。
(i)H−核磁気共鳴スペクトルを測定することにより、化合物中に存在する水素原子の結合様式を知ることができる。例えば、7.0〜8.0ppm付近にベンゼン環の水素のスペクトルを示す。
(ii)赤外吸収スペクトルを測定することにより、化合物の官能基に由来する特性吸収を観察することができる。例えば、3500−3600cm−1付近にO−Hの吸収スペクトルを、1720cm−1付近にC=Oの吸収スペクトルを示す。
(iii)MSスペクトルを測定し、上記一般式(I)で示されるピラノシドジエステル化合物の分子量を決定することができる。
(ラムノシドエステル誘導体の製造方法)
(ラムノシドジエステル化合物の製造方法)
次に、上記一般式(I)で示されるラムノシドジエステル化合物の製造方法について説明する。上記一般式(I)で示されるラムノシドジエステル化合物は、下記一般式(III)
Figure 0005334484
(式中、Xは、炭素数1〜8のアルキル基であり、R はアシル基である。)
で示されるラムノシドエステル化合物と、ジアルキル錫化合物、及び塩基存在下、上記一般式(III)中のRで示される保護基とは異なる保護基を導入できる保護基導入剤のスルホン酸ハライドとを反応させることによって製造することができる。なお、上記一般式(III)におけるR及びXは、上記一般式(I)におけるR及びXと同義であり、所望とする上記一般式(I)で示されるラムノシドジエステル化合物に応じて、適宜決定してやればよい。
(上記一般式(III)で示されるラムノシドエステル化合物)
本発明において、上記一般式(III)で示されるラムノシドエステル化合物は、使用するキシロシド化合物の構造、保護基導入剤の種類、使用する触媒等により、多少収率等の変化はあるが、基本的には、以下の方法により製造することができる。具体的には、下記一般式(IV)
Figure 0005334484
(式中、Xは、炭素数1〜8のアルキル基である。)
で示されるラムノシド化合物を、テトラハイドロフランのような有機溶媒中、ジメチルジクロロ錫、ジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下、ベンゾイルクロライド、等の保護基導入剤(酸ハライド化合物)と反応させることによって製造することができる。なお、上記一般式(IV)におけるXは、上記一般式(I)におけると同義であり、所望とする上記一般式(I)で示されるラムノシドジエステル化合物に応じて、適宜選定すればよい。また、上記一般式(IV)で示されるラムノシド化合物は、試薬として入手することができる。
(ジアルキル錫化合物)
本発明において、上記ジアルキル錫化合物としては、二つのアルキル基が直接錫と結合している化合物であれば、特に限定されないが、選択性の観点から、該二つのアルキル基は炭素数1〜6のアルキル基であるのが好適である。ジアルキル錫化合物の中でも、ジメチルジクロロ錫、ジメチルジブロモ錫、ジブチルジブロモ錫、ジブチル酸化錫は、高い反応収率を示すため特に好適に使用される。
本発明において、ジアルキル錫化合物の使用量は、上記一般式(IV)で示されるラムノシド化合物に対して触媒量であれば特に制限はないが、あまり量が多いと後処理工程が煩雑となり、あまり量が少ないと反応速度が著しく低下する傾向にある。そのため、通常、ジアルキル錫化合物の使用量は、ラムノシド化合物1モルに対して、好ましくは0.0001〜0.3モル、より好ましくは0.001〜0.2モルである。
(塩基)
本発明において、上記塩基としては、有機塩基及び無機塩基を何ら制限なく用いることができる。これらを具体的に例示すると、無機塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム等の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物を挙げることができる。有機塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、メチルピロリジン、エチルピロリジン等の脂肪族三級アミン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、2−N,N−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルイミダゾール等を挙げることができる。
これらの塩基の中でも特に、無機塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム等の炭酸塩、有機塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、メチルピロリジン、エチルピロリジン等の脂肪族三級アミン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン等が高い選択性と収率を示すため、好適に採用される。これらの塩基は、単独に用いてもよいし、混合して使用することもできる。特に、脂肪族三級アミンと4−N,N−ジメチルアミノピリジンとを組み合わせて使用することが好ましい。
本発明において、塩基の使用量は、特に制限はないが、あまり量が多いと後処理工程が煩雑となる上に、生成物の分解反応に寄与する可能性が高くなり、あまり量が少ないと反応の転化率が低くなる傾向にある。そのため、通常、塩基の使用量は、上記式(IV)で示されるラムノシド化合物1モルに対して、好ましくは0.1〜4モル、より好ましくは1〜3.2モルである。なお、塩基を混合して使用する場合には、塩基の合計モル数が前記範囲を満足することが好ましい。
(スルホン酸ハライド、カルボン酸ハライド、オキシカルボニルハライド又はジアルキルジカーボネートの保護基導入剤)
本発明において、スルホン酸ハライド、カルボン酸ハライド、オキシカルボニルハライド、又はジアルキルジカーボネート(以下、これらをまとめて単に「保護基導入剤」とする場合もある)は、上記一般式(III)の保護基Rの種類に応じて、何れかを使用すればよい。
これら保護基導入剤は、特に限定されないが、選択性の観点から、炭素数1〜12のカルボン酸ハライド、炭素数1〜12のスルホン酸ハライド、炭素数2〜8のオキシカルボニルハライド、又は炭素数4〜12のジアルキルジカーボネートを使用するのが好適である。好適に使用できる保護基導入剤を具体的に例示すると、カルボン酸ハライドとしては、ベンゾイルクロライド、p−トルオイルクロライド、p−クロロベンゾイルクロライド、p−ニトロベンゾイルクロライド、p−tert−ブチルベンゾイルクロライド、α−ナフトイルクロライド、β−ナフトイルクロライド、ペンタノイルクロライド、ベンゾイルブロマイド等を挙げることができる。スルホン酸ハライドとしては、ベンゼンスルホン酸クロライド、p−トルエンスルホン酸クロライド、p−クロロベンゼンスルホン酸クロライド、p−ニトロベンゼンスルホン酸クロライド、p−トルエンスルホン酸フルオライド等を挙げることができる。オキシカルボニルハライドとしては、メトキシカルボニルクロライド、エトキシカルボニルクロライド、イソプロポキシカルボニルクロライド、アリルオキシカルボニルクロライド、フェニルオキシカルボニルクロライド、ベンジルオキシカルボニルクロライド等を挙げることができる。ジアルキルジカーボネートとしては、ジメチルジカーボネート、ジエチルジカーボネート、ジ−tert−ブチルジカーボネート、ジ−tert−アミルジカーボネート等を挙げることができる。これらの中でも、ベンゾイルクロライド、p−トルオイルクロライド、p−クロロベンゾイルクロライド、p−ニトロベンゾイルクロライド、p−tert−ブチルベンゾイルクロライド、α−ナフトイルクロライド、β−ナフトイルクロライド等のカルボン酸ハライド、ベンゼンスルホン酸クロライド、p−トルエンスルホン酸クロライド、p−クロロベンゼンスルホン酸クロライド等のスルホン酸ハライド、フェニルオキシカルボニルクロライド、ベンジルオキシカルボニルクロライド等のオキシカルボニルハライド、ジ−tert−ブチルジカーボネート、ジ−tert−アミルジカーボネート等のジアルキルジカーボネートが高い反応率を示すため、特に好適に使用できる。
本発明において、保護基導入剤の使用量は、上記一般式(III)で示されるラムノシドエステル化合物の保護したい水酸基と保護基導入剤とは化学量論的に反応するため、あまり量が少ないと未反応物が多く残り収率の低下を招き、あまり量が多いと反応の選択率が低下する傾向にある。そのため、通常、保護基導入剤の使用量は、上記一般式(III)で示されるラムノシドエステル化合物1モルに対して、好ましくは0.8〜2モル、より好ましくは0.9〜1.5モルである。
(反応方法、反応条件、及び精製方法)
本発明の製造方法では、ジアルキル錫化合物、及び塩基の存在下に、上記一般式(III)で示されるラムノシドエステル化合物と保護基導入剤とを反応させるが、この時の反応方法は特に限定されず、例えば有機溶媒中でこれら化合物を混合・攪拌することにより好適に行うことができる。
本発明において、上記有機溶媒は、特に制限されるものではなく、試薬又は工業原料として入手可能な溶媒を使用することができる。具体的には、テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルシクロペンチルエーテル等のエーテル類、tert−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール等のアルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルカーボネート等のカーボネート類、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。これらの有機溶媒の中でも、特に高い収率が期待できる、テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン等のケトン類が好適に採用される。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、混合して用いても一向に差し支えない。
上記有機溶媒は、乾燥処理等の精製を行い使用してもよいし、市販のものをそのまま使用することもできる。該有機溶媒中に含まれる水分量は、特に制限はないが、基本的に水と保護基導入剤は反応するため、あまり量が多いと本発明の収率が低下する傾向にある。そのため、有機溶媒中に含まれる水分量は、本発明に使用される保護基導入剤1モルに対して、100モル以下とすることが好ましい。該有機溶媒中の水分量の下限値は、乾燥した有機溶媒を使用することもできるため、保護基導入剤1モルに対して、0モルである。
本発明において、上記有機溶媒の使用量は、特に制限はないが、あまり量が多いとバッチあたりの収量が減少するため経済的ではなく、あまり量が少ないと攪拌等に支障をきたすため、通常、反応溶媒中の上記一般式(III)で示されるラムノシドエステル化合物の濃度が好ましくは0.1〜70質量%、より好ましくは1〜60質量%となる量である。
本発明において、ジアルキル錫化合物、及び塩基の存在下に、上記一般式(III)で示されるラムノシドエステル化合物と保護基導入剤とを反応させる際の各化合物の添加順序については、ジアルキル錫化合物を反応系に添加する前に、塩基と保護基導入剤が接触しないようにすれば特に制限されるものではない。中でも、一般的に高い選択性および反応収率を獲得するという観点から、予め有機溶媒中にジアルキル錫化合物、塩基およびラムノシドエステル化合物を添加しておき、次いで保護基導入剤を徐々に該溶媒に添加する方法が好適である。
本発明において、反応温度は、上記一般式(III)で示されるラムノシドエステル化合物、塩基、及び保護基導入剤の種類によって異なるため、一概には言えないが、あまり温度が低いと反応速度が著しく小さくなり、あまり温度が高いと副反応を助長する傾向にあるため、通常、好ましくは−10〜50℃、より好ましくは0〜40℃である。
また、反応時間も、上記一般式(III)で示されるラムノシドエステル化合物、塩基、及び保護基導入剤の種類によって異なるため一概には言えないが、通常、好ましくは0.1〜100時間である。
また、反応時の圧力は、常圧、減圧、加圧の何れの状態でも実施可能であり、また、反応時の雰囲気は、空気雰囲気下、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下等の不活性気体雰囲気下の何れの状態でも実施可能である。
上記のような反応条件により上記一般式(I)で示されるラムノシドジエステル化合物を製造することができる。つまり、上記ジアルキル錫化合物、塩基の存在下、上記一般式(III)で示される特定のラムノシドエステル化合物と保護基導入剤とを上記条件下で反応させることにより、高い選択率で2位の水酸基が保護された上記一般式(I)で示されるラムノシドジエステル化合物を製造することができ、3位と4位の水酸基が保護された化合物の生成を抑制できる。
このようにして得られた上記一般式(I)で示されるラムノシドジエステル化合物は、以下の方法に従って単離精製できる。具体的には、反応終了後、希塩酸を加えて触媒を失活させた後、酢酸エチル等の水に相溶しない有機溶媒で抽出した後、有機溶媒を留去、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー等によって分離精製できる。なお、上記一般式(I)で示されたラムノシドジエステル化合物は、上記の方法で同定することができる。特に、2位の水酸基が選択的に保護されたラムノシドジエステル化合物が得られたかどうかの確認は、H−NMR測定により確認することができる。
本発明においては、上記の通り、ジアルキル錫化合物、及び塩基の存在下、ラムノシドエステル化合物と保護基導入剤とを反応させ、先ず、2位の水酸基を選択的に保護したラムノシドジエステル化合物を製造する。本発明によれば、下記に詳述するラムノシドトリエステル化合物の製造と触媒系が同じであっても、先ず2位の水酸基を選択的に保護したラムノシドジエステル化合物を製造することができる。このように特定の水酸基を順次保護することができるのは、原料となる上記一般式(III)で示されるラムノシドエステル化合物、ジアルキル錫化合物、及び塩基を使用するからである。
(ラムノシドトリエステル化合物の製造方法)
上記一般式(II)で示されるラムノシドトリエステル化合物の製造についても、上記一般式(I)で示されるラムノシドジエステルの製造方法と全く同様の反応操作を行うことで製造可能である。
即ち、上記一般式(III)で示されるラムノシドエステル化合物に代えて上記一般式(I)で示されるラムノシドジエステル化合物を用いて同様の反応を行えばよい。なお、この場合、ジアルキル錫化合物、塩基、有機溶媒量等の使用量は、上記一般式(III)で示されるラムノシドエステル化合物に代えて上記一般式(I)で示されるラムノシドジエステル化合物に対する使用量に換算してやればよい。
この操作によって、全ての水酸基が異なる保護基で保護された上記一般式(II)で示されたラムノシドトリエステル化合物が製造できる。
以下、実施例を掲げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
実施例1
30mlの茄子型フラスコに1−メチル−O−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド66mg(0.23mmol)、ジイソプロピルエチルアミン81μl(0.46mmol)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン14mg(0.11mmol)、ジメチルジクロロ錫2.6mg(0.0115mmol)、テトラハイドロフラン(以下、THFと称す。)1mlを加え、攪拌した。この混合溶液にp−トルエンスルホン酸クロライド54mg(0.28mmol)を加え、室温下48時間攪拌した。反応終了後、3%塩酸水20mlを加え、酢酸エチル20mlで三回抽出した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)したところ、白色個体を40mg取得した。
得られた白色固体の赤外吸収スペクトルを測定した結果、3534cm−1に水酸基に基づく吸収を得、1725cm−1にカルボニル基に基づく吸収を得た。さらに核磁気共鳴スペクトル(σ:ppm:テトラメチルシラン基準:重クロロホルム溶媒)を測定した結果は次の通りである。
Figure 0005334484
7.84ppmに水素原子2個分のダブレットピークを観測し(f)のベンゼン環のプロトンに相当した。7.66ppmに水素原子2個分のダブレットピークを観測し、(c)のベンゼン環のプロトンに相当した。7.57ppmに水素原子1個分のトリプレットピークを観測し、(h)のベンゼン環のプロトンに相当した。7.40ppmに水素原子2個分のトリプレットピークを観測し、(g)のベンゼン環のプロトンに相当した。6.98ppmに水素原子2個分のダブレットピークを観測し、(d)のベンゼン環のプロトンに相当した。5.20ppmに水素原子1個分のダブルダブレットピークを観測し、(i)のメチン基のプロトンに相当した。4.85−4.83ppmに水素原子1個分のマルチプレットピークを観測し、(b)のメチン基のプロトンに相当した。4.79ppmに水素原子1個分のシングレットピークを観測し、(n)のメチン基のプロトンに相当した。3.81−3.72ppmに水素2個分のマルチプレットピークを観測し、(m)および(j)のメチン基のプロトンに相当した。3.39ppmに水素原子3個分のシングレットピークを観測し、(a)のメチル基のプロトンに相当した。2.38ppmに水素原子1個分のブロードシングレットピークを観測し、(k)の水酸基のプロトンに相当した。2.17ppmに水素原子3個分のシングレットピークを観測し、(e)のメチル基のプロトンに相当した。1.36ppmに水素原子3個分のダブレットピークを観測し、(l)のメチル基のプロトンに相当した。また、マススペクトル(FAB−MS)を測定したところ、推定分子式C2124Sに水素原子1個を加えた推定分子式C2125Sに相当する計算値437.1270に対して、測定値437.1285となり、分子式の正当性を裏付けた。
上記の結果から、白色固体が、1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシドであることが明らかとなった。単離収率は、40%であった。また、この化合物の22℃の旋光度は[α] 22=+3.5(C=1.5、クロロホルム)であり、融点は127−129℃であった。
実施例2
ジイソプロピルエチルアミンに代えてジイソプロピルメチルアミンを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシドを38mg(収率38%)取得した。
実施例3
ジメチルジクロロ錫に代えて、ジブチル酸化錫を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシドを35mg(収率35%)取得した。
比較例1
ジメチルジクロロ錫を用いずに、実施例1と同様の反応を行った。その結果、1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシドを取得できなかった。
実施例4
30mlの茄子型フラスコに1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−ベンゾイル−α−L−ラムノピラノシド39mg(0.09mmol)、ジイソプロピルエチルアミン31μl(0.18mmol)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン12mg(0.10mmol)、ジメチルジクロロ錫1mg(0.0045mmol)、THF1mlを加え、攪拌した。この混合溶液にジ−tert−ブチルジカーボネート22mg(0.10mmol)を加え、室温下48時間攪拌した。反応終了後、3%塩酸水20mlを加え、酢酸エチル20mlで三回抽出した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)したところ、白色個体を23mg取得した。

得られた白色固体の赤外吸収スペクトルを測定した結果、1752cm−1および1728cm−1にカルボニル基に基づく吸収を得た。さらに核磁気共鳴スペクトル(σ:ppm:テトラメチルシラン基準:重クロロホルム溶媒)を測定した結果は次の通りである。
Figure 0005334484
7.76ppmに水素原子2個分のダブレットピークを観測し(f)のベンゼン環のプロトンに相当した。7.62ppmに水素原子2個分のダブレットピークを観測し、(c)のベンゼン環のプロトンに相当した。7.55ppmに水素原子1個分のトリプレットピークを観測し、(h)のベンゼン環のプロトンに相当した。7.36ppmに水素原子2個分のトリプレットピークを観測し、(g)のベンゼン環のプロトンに相当した。6.85ppmに水素原子2個分のダブレットピークを観測し、(d)のベンゼン環のプロトンに相当した。5.22ppmに水素原子1個分のダブルダブレットピークを観測し、(i)のメチン基のプロトンに相当した。5.00ppmに水素原子1個分のトリプレットピークを観測し、(j)のメチン基のプロトンに相当した。4.92ppmに水素原子1個分のシングレットピークを観測し、(n)のメチン基のプロトンに相当した。4.87−4.83ppmに水素原子1個分のマルチプレットピークを観測し、(b)のメチン基のプロトンに相当した。3.95−3.85ppmに水素1個分のマルチプレットピークを観測し、(m)のメチン基のプロトンに相当した。3.42ppmに水素原子3個分のシングレットピークを観測し、(a)のメチル基のプロトンに相当した。2.08ppmに水素原子3個分のシングレットピークを観測し、(e)のメチル基のプロトンに相当した。1.34ppmに水素原子9個分のシングレットピークを観測し、(k)のメチル基のプロトンに相当した。1.32ppmに水素原子3個分のダブレットピークを観測し、(l)のメチル基のプロトンに相当した。また、マススペクトル(FAB−MS)を測定したところ、推定分子式C263210Sに水素原子1個を加えた推定分子式C253310Sに相当する計算値537.1794に対して、測定値537.1776となり、分子式の正当性を裏付けた。
上記の結果から、白色生成物が、1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−ベンゾイル−O−tert−ブトキシカルボニル−α−L−ラムノピラノシドであることが明らかとなった。単離収率は、49%であった。また、この化合物の22℃の旋光度は[α] 22=+13.9(C=1.2、クロロホルム)であった。
実施例5
ジイソプロピルエチルアミンに代えてトリエチルアミンを用いた以外は実施例4と同様の操作を行った。その結果、1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−ベンゾイル−O−tert−ブトキシカルボニル−α−L−ラムノピラノシドを19mg(収率40%)取得した。
実施例6
ジメチルジクロロ錫に代えて、ジブチル酸化錫を用いた以外は実施例4と同様の操作を行った。その結果、1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−ベンゾイル−O−tert−ブトキシカルボニル−α−L−ラムノピラノシドを20mg(収率42%)取得した。
比較例2
ジメチルジクロロ錫を用いずに、実施例4と同様の反応を行った。その結果、1−メチル−O−p−トルエンスルホニル−O−p−ベンゾイル−O−tert−ブトキシカルボニル−α−L−ラムノピラノシドを取得できなかった。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 0005334484
    (式中、Xは、炭素数1〜8のアルキル基であり、R はアシル基であり、R はスルホニル基である。)
    で示されるラムノシドジエステル化合物。
  2. 下記一般式(II)
    Figure 0005334484
    (式中、Xは、炭素数1〜8のアルキル基であり、R はアシル基であり、R はスルホニル基であり、R はオキシカルボニル基である。)
    で示されるラムノシドトリエステル化合物。
  3. ジアルキル錫化合物、及び塩基の存在下、下記一般式(III)
    Figure 0005334484
    (式中、Xは、炭素数1〜8のアルキル基であり、R はアシル基である。)
    で示されるラムノシドエステル化合物と、保護基導入剤であるスルホン酸ハライドとを反応させることを特徴とする請求項1記載のラムノシドジエステル化合物の製造方法。
  4. ジアルキル錫化合物、塩基の存在下、請求項1に記載された一般式(I)で示されるラムノシドジエステル化合物と、保護基導入剤であるオキシカルボニルハライド、又はジアルキルジカーボネートとを反応させることを特徴とする請求項2記載のラムノシドトリエステル化合物の製造方法。
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