JPH08269081A - 2位が置換されている3,3−ジフルオロフランの製造方法 - Google Patents

2位が置換されている3,3−ジフルオロフランの製造方法

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JPH08269081A
JPH08269081A JP8066121A JP6612196A JPH08269081A JP H08269081 A JPH08269081 A JP H08269081A JP 8066121 A JP8066121 A JP 8066121A JP 6612196 A JP6612196 A JP 6612196A JP H08269081 A JPH08269081 A JP H08269081A
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dast
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difluorofuran
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JP8066121A
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Douglas P Kjell
ダグラス・パットン・クジェル
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Eli Lilly and Co
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Eli Lilly and Co
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H19/00Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof
    • C07H19/02Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing nitrogen
    • C07H19/04Heterocyclic radicals containing only nitrogen atoms as ring hetero atom
    • C07H19/06Pyrimidine radicals

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2位が置換されている3,3−ジフルオロフ
ランの製造方法を提供する。 【解決手段】 2位が置換されている3,3−ジフルオ
ロフランは、2位が置換されているフラン−3−オン
を、触媒量のピリジンフッ化水素塩の存在下、ジエチル
アンモニウムサルファトリフルオリド(DAST)でフッ
素化することにより製造することができる。該方法は特
に、2',2'−ジフルオロヌクレオシド、とりわけ、抗
癌剤および抗ウイルス剤である、1−(2',2'−ジフル
オロ−β−D−アラビノフラノシル)シトシン(2'−デ
オキシ−2',2'−ジフルオロシチジン)(この化合物は
また、2'−デオキシ−2',2'−ジフルオロシチジンと
しても知られている)を製造するのに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、2位が置換されているフラン−
3−オンと反応するジエチルアンモニウムサルファトリ
フルオリド(DAST)を利用する、2位が置換されてい
る3,3−ジフルオロフランの製造方法に関する。とり
わけ本発明は、特に核酸塩基がシトシンのようなピリミ
ジンであるところの、2',2'−ジフルオロヌクレオシ
ドの製造に関する。
【0002】該方法により製造される特定の化合物は、
シチジンを原料とする1−(2',2'−ジフルオロ−β−
D−アラビノフラノシル)シトシン(2',2'−ジフルオ
ロシチジン)である。この化合物は、抗癌剤および抗ウ
イルス剤である。
【0003】1−(2',2'−ジフルオロ−β−D−アラ
ビノフラノシル)シトシン(2',2'−ジフルオロシチジ
ン)の合成方法は、以下の反応式(1)で示すように、
2',2'−ジフルオロ基を適当に保護されているヌクレ
オシド前駆体へ導入することである。
【0004】反応式(1)
【化3】
【0005】反応式(1)に基づく経済分析は、シチジ
ンが比較的安価な、市販されている出発原料であること
から、反応式(1)が経済的に有利であり得ることを示
す。
【0006】反応式(1)に伴い、2つの主要な問題が
ある。これらのうち第1番目の問題は、2'−および3'
−ヒドロキシル基を区別する、シチジンにとって有効な
保護方法を開発すること、またフッ素化反応後にも残存
する保護基(Pg)を供給することである。第2番目の、
もっと困難な問題は、2'−ケトヌクレオシドのC−2'
の位置でジェミナル(geminal)二フッ素化を起こすため
の、適当に穏やかで選択的な方法を見い出すことができ
るかどうかである。
【0007】Nishinoら,Tetrahedron42(7),
1995−2004(1986)により報告されている
パーアシル化、選択的な2'−脱アシル化方法は、保護
−区別の問題に取り組むのに上手く利用された。シチジ
ンの、対応する2'−ケト−3',5',N4−保護化化合物
(3)への転換は、反応式(2)で概要を示すように、
全収率53%である3つの工程で成し遂げられた。
【0008】反応式(2)
【化4】 a.o−tol−Cl(5当量)、ピリジン。 b.KOt−Bu(4当量)、THF、−78℃。 c.PDC(0.7当量)、Ac2O(3当量)、CH2Cl2
25℃、直接結晶化による位置化学的(regiochemical)
純度。 化合物(1)の選択的脱アシル化に関して報告された条
件(5当量のKOt−Bu、CH2Cl2、−20℃)[Nish
inoら,Tetrahedron42,1995−2004(1
986)]は、不満足なものであることが見い出され
た。しかし、変更された条件(4当量のKOt−Bu、T
HF、−78℃、1時間)下に2'−および3'−脱アシ
ル化ヌクレオシド(84:16)の混合物を得て、これか
ら所望の生成物である化合物(2)が収率74%および
純度>98%で単離された。
【0009】PDC/Ac2Oを用いての(2)の酸化
[Anderssonら,Carbohydrate Res.129,C1
−C3(1984)]は、所望の化合物(3)を収率8
2%で与えた。
【0010】カルボニル基のジェミナル二フッ化物への
転換に最も便利で直接的な方法は、ジアルキルアミノサ
ルファトリフルオリド試薬類の1つで処理することであ
り、このうちジエチルアナログ(DAST)が最も広範に
使用される例である[Hudlicky,「Organic Reactio
ns」,Wiley & Sons:ニューヨーク,第35巻,第
3章,513頁(1988)]。その反応を反応式
(3)で示す。
【0011】反応式(3)
【化5】
【0012】ベンゼン中、過剰のDASTを用いて化合
物(3)を25℃で70時間処理した場合、出発原料で
ある化合物(3)の大部分はそのまま回収された。もっ
と強い条件(すなわち、80℃/16時間または110
℃/16時間)下には、化合物(3)の大規模な分解が
観察された。これらの実験ではいずれも、有意量(<0.
5%)の二フッ化物化合物(4)は検出されなかった。
水で後処理した後、その反応混合物を逆相HPLCによ
りアッセイした。
【0013】関連のある実験では、過剰のジメチルアミ
ノサルファトリフルオリドを用いて2'−ヒドロキシヌ
クレオシド(2)を25℃で処理した(反応式(4))。
【0014】反応式(4)
【化6】
【0015】その結果得られた混合物中で同定された唯
一の生成物は、対応するara−シチジン化合物(5)で
あり、これは収率27%で単離された。反応式(4)で
示すように、これらの条件下、対応する2',2'−二フ
ッ化物ではなく、このC−2’−反転アルコールの形成
は、O、2'−シクロヌクレオシド中間体に強く関係
しており、これは後処理で誘導体(5)に加水分解され
る。そのようなピリミジンシクロヌクレオシドの形成
は、十分先行されている[Goodman,L.,Basic Prin
ciples in Nucleic Acid Chemistry,第1巻;Ts'
o,P.O.P.編;Academic:ニューヨーク,第2章,
177−190頁およびその参考資料(1974)を参
照]。
【0016】DASTを用いての反応式(3)における
2'−ケト化合物(3)の処理で形成することができ
る、関連のあるシクロヌクレオシド中間体は、水で後処
理する間に出発原料であるケトンを再生するであろう。
DASTに対する化合物(3)の非反応性を確認して、
反応式(5)で示す化合物(3b)を使用することによ
り、その立体障害を弱めた後、反応の失敗原因は不明で
あった。生成物の単離の不成功の起こり得る原因の1つ
は、反応式(5)で示す反応の発生であろう。DAST
処理は結果として、内部ジェミナルフルオロヒドリンエ
ーテルの形成を引き起こす。この分子は、水で後処理す
ると出発原料にまで分解されるであろうことから、最終
的な反応は観察されないであろう。
【0017】反応式(5)
【化7】
【0018】その実験では、反応式(5)の反応の証拠
は集められなかった。DASTを用いての(3b)の処
理をNMR管内で行って、その場でモニターした。後処
理するまで安定である中間体の形成が観察されなくては
ならない。実際、DASTにより覆い隠されない分子
(3b)に関するプロトンNMRシグナルにおいて、シ
フトは観察されなかった。またDAST以外の種類も19
F−NMRにおいて観察されなかった。
【0019】モデル化合物(A)と(B)、および2'
−ケト化合物(3)と(3b)との間の反応性の相違を
調査するために、半経験的計算を利用した。化合物(3
b)と化合物(A)および(B)の間の相違を酸素での
Mullikenの電荷密度により示す。
【0020】
【化8】
【0021】分子(3b)は、ケトンの酸素で著しく小
さい電荷密度を有する。フッ素化の第1段階がこの酸素
の求核的攻撃である機構を仮定すれば、この電荷の欠乏
は反応性の欠如を説明するであろう。この理論のさらな
る支持は、Bergstromら[J.Med.Chem.35,33
69(1992)]の研究室における3'−ケト誘導体
(B)の二フッ素化により与えられた。この分子は、
(A)の酸素の電子密度と類似の、酸素での電子密度を
有することが計算された。
【0022】
【化9】
【0023】カルボニル化合物を、対応する2',2'−
ジフルオロシチジンへ転換するための別の方法は、その
誘導化ジチオケタールをBrFと反応させることである
[Sondejら,J.Org.Chem.51,3508−35
13(1986)]。多くの試みにもかかわらず、我々
は、化合物(3)の、必要なエチレンまたはプロピレン
ジチオケタール中間化合物(6)への転換を起こすこと
ができなかった(反応式(6))。
【0024】反応式(6)
【化10】
【0025】BF3エーテラート、Zn(OTf)2、または
AlCl3の存在下、エタンまたはプロパンジチオールを
用いて化合物(3)を25℃で処理しても、有意な反応
は得られなかった。もっと強い条件下には、化合物
(3)の大規模な分解が観察された。いずれの場合に
も、所望の生成物は全く検出されなかった。2組の条件
下には、環開裂生成物が単離されて同定された(反応式
(7)および(8))。
【0026】反応式(7)
【化11】
【0027】反応式(8)
【化12】
【0028】重大な選択性の問題を指摘された、これら
の条件下での化合物(7)の形成およびその方法は放棄
された。
【0029】2',2'−ジフルオロシチジンを、対応す
る2'−ケトシチジンから製造するためのフッ素化方法
が必要であった。この方法には、2位が置換されている
3,3−ジフルオロフランの、ずっと短縮されて経済的
な合成としての可能性がある。問題は、フッ素化を行う
ための方法を提供することであった。
【0030】従って、本発明の目的は、DASTを用い
て2位が置換されている3,3−ジフルオロフランを生
成するための、2位が置換されているフラン−3−オン
のフッ素化方法を提供することである。本発明は特に、
1−(2',2'−ジフルオロ−3',5'−ジ−O−アセチ
ル−β−D−アラビノフラノシル)−N4−アセチルシト
シン(2',2'−ジフルオロシチジン)を製造するための
方法に関する。さらに、本発明の目的は、2',2'−ジ
フルオロシチジンを高収率で与える方法を提供すること
である。これらの、および他の目的は、以下の記述を参
照することにより、次第に明らかとなるであろう。
【0031】本発明は、2位が置換されている3,3−
ジフルオロフランの製造方法に関し、その改良点は、非
反応性有機溶媒中、2位が置換されている3,3−ジフ
ルオロフランを生成する温度で、2位がX[ここで、X
は非妨害性、非反応性置換基である]で置換されている
フラン−3−オンを触媒量のピリジンフッ化水素塩の存
在下にジエチルアンモニウムサルファトリフルオリド
(DAST)と反応させることからなる。最も好ましい溶
媒は、塩化メチレン並びにクロロホルム、および二塩化
エチレンといったようなハロゲン化溶媒である。アセト
ニトリルのようなニトリルもまた好ましい。
【0032】さらに本発明は、2',2'−ジフルオロヌ
クレオシドの製造方法であって、非反応性ハロゲン化炭
化水素溶媒中、2',2'−ジフルオロヌクレオシドを生
成する温度で、式:
【化13】 [式中、Xは非妨害性、非反応性置換基であり、またB
はNで結合する核酸塩基である]で示される2−ケトヌ
クレオシドを触媒量のピリジンフッ化水素塩の存在下に
ジエチルアンモニウムサルファトリフルオリド(DAS
T)と反応させることからなる方法に関する。
【0033】2位が置換されているフラン−3−オン
は、DASTと反応しないよう、またはある方法で分解
されないよう、保護しなければならないヒドロキシ基を
有し得る。またヌクレオシドの3'−および5'−ヒドロ
キシ基も保護しなければならない。これらの基は、その
目的のために合成有機化学で使用される基から選択され
る。化学者達は、ヒドロキシ基に有効に置くことがで
き、また反応が完了した時点で容易に取り除くことがで
きる基を選択するのに慣れている。適当な基は、Prote
ctive Groups in Organic Chemistry,McOmie編,
Plenum Press,ニューヨーク(1972)の第3章;
およびProtective Groups in Organic Synthesis,
Greene,John Wiley & Sons,ニューヨーク(19
81)の第2章といったような、標準テキストに記載さ
れている。
【0034】例えば、ヒドロキシ保護基には、ホルミ
ル、2−クロロアセチル、ベンジル、ジフェニルメチ
ル、トリフェニルメチル、4−ニトロベンジル、フェノ
キシカルボニル、t−ブチル、メトキシメチル、テトラ
ヒドロピラニル、アリル、テトラヒドロチエニル、2−
メトキシエトキシメチル、メトキシアセチル、フェノキ
シアセチル、イソブチリル、エトキシカルボニル、ベン
ジルオキシカルボニル等といったような基が包含され
る。シリル基をDASTと共に使用することはできない
が、これはDASTがこれらの基を取り除いてしまうか
らである。カルバモイル基を3'および5'の位置に使用
することができる。カルバモイル誘導体を製造するため
に、フェニルイソシアネート(R1=水素、R2=フェニ
ル)を使用することができる。類似誘導体は、ジフェニ
ルカルバモイルクロリド(R1=R2=フェニル)、ジメチ
ルカルバモイルクロリド(R1=R2=メチル)、ニトロフ
ェニルイソシアネート(R1=水素、R2=ニトロフェニ
ル)等から製造される。フェニルまたはアルキル部分
は、様々な非反応性基で置換することができる。
【0035】ヌクレオシドのB基として本明細書中で使
用するピリミジン核酸塩基は、有機化学者達に一般に知
られており、それらの合成に関して論ずる必要はない。
しかし、本発明の方法において有用であるには、選択さ
れる核酸塩基誘導体の種類により、アミノまたはヒドロ
キシ基を有する核酸塩基またはそれらの互変異性等価体
が第一級アミノ保護基(W)および/またはヒドロキシ保
護基(Z)を含むのが好ましい。該保護基は、競合反応部
位を与え得るヒドロキシまたはアミノ基をブロックす
る。該保護基を核酸塩基誘導体に結合させた後、本発明
のDASTと反応させ、その後、取り除く。核酸塩基誘
導体を保護するための手順は、Hertelの米国特許第4,
526,988号に記載されている。
【0036】ピリミジン核酸塩基誘導体にとって好まし
いアミノ保護基(W)は、t−ブトキシカルボニル、ベン
ジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカ
ルボニル、および4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル、ホルミル、アセチル並びにベンゾイルといったよう
なカルバメート;メトキシメチル、t−ブチル、ベンジ
ル、アリルおよびテトラヒドロピラニルといったような
エーテル形成基よりなる群から選択される。ピリミジン
核酸塩基誘導体にとって好ましいヒドロキシ保護基(Z)
は、ホルミル、アセチル、およびピバロイルといったよ
うな炭素環式エステルから選択される。
【0037】従って、Bは、
【化14】 [式中、R1は水素、アルキル、置換されているアルキ
ルおよびハロよりなる群から選択され;R2は水素、ア
ルキルおよびハロよりなる群から選択され;Zはヒドロ
キシ保護基であり;またWはアミノ保護基である]より
なる群から選択される核酸塩基である。
【0038】核酸塩基に保護可能な基を与える際、その
保護基自体を保護することができる。
【0039】その上、核酸塩基上のケト酸素原子をエノ
ール形に転換するのがよいことが多い。このことによ
り、核酸塩基誘導体がより芳香性となって、核酸塩基誘
導体の反応性が高まる。ケト酸素をエノール化して、そ
れらに保護基を与えるのが最も便利である。本発明の方
法の好ましい態様において、該核酸塩基誘導体は、式:
【化15】 [式中、Wはアセチルである]で示されるものである。
【0040】例えば、実施例5で示すように、化合物
1−(2',2'−ジフルオロ−β−D−アラビノフラノシ
ル)シトシン(10)は、以下に反応式(9)で示す反
応により、2'−ケトシチジンである1−(2'−ケト−
3',5'−ジ−O−アセチル−β−D−アラビノフラノ
シル)−N4−アセチルシトシン(8)をフッ素化して、
1−(2',2'−ジフルオロ−3',5'−ジ−O−アセチ
ル−β−D−アラビノフラノシル)−N4−アセチルシト
シン(9)を生成することにより製造することができ
る。
【0041】反応式(9)
【化16】
【0042】ピリジンフッ化水素塩をDAST(ジエチ
ルアンモニウムサルファトリフルオリド)に添加する
と、反応は意外にも完了するまで進行した。他の保護基
を3'並びに5'およびN4の位置に使用することができ
る。本発明は、少数の合成工程で1−(2',2'−ジフル
オロ−β−D−アラビノフラノシル)シトシンを生成す
ることができる。同様の方法が、他の2',2'−ジフル
オロヌクレオシドまたはフラン−3−オンを製造するの
に利用される。
【0043】実施例 1 反応式(10)
【化17】 この実験は、ピリジン・HF独自の触媒作用を示すこと
を意図した。以下の反応は、最適ではなく、完了するま
で行わなかった。
【0044】25mlのメートルグラス中で、2−メチル
テトラヒドロフラン−3−オン(11)(0.47ml,1
0mmol)、アニソール(1.0ml,内部標準として,Aldr
ich)およびアセトニトリル(CH3CN)(適宜加えて20
mlとする)を合わせて、反応混合物を得た。
【0045】その反応混合物にDAST(2.64ml,2
0mmol)を加えた。次いで、その混合物を4つに分け
た。
【0046】Aには何も加えなった。Bにはカリウムト
リフラート(0.26g,1.5mmol)を加えた。Cにはフ
ッ化カリウム(0.09g,1.5mmol)を加えた。Dには
ピリジン・HF(約100μl,Aldrich)を加えた。
【0047】その反応混合物を定期的にサンプリングし
て、ガスクロマトグラフィーにより分析した。ピリジン
フッ化水素塩の触媒作用は明瞭であった。例えば、18
0分後、Dは対照であるAのほぼ2倍の収率を示した
(23% 対 12.5%)。反応Cは対照と区別できなか
った。Dでは反応が全く起こらなかった。
【0048】実施例 2 この実験は、ピリジン・HFの触媒作用を示すことを意
図した。その反応は、希釈して非触媒反応を遅らせるこ
とで、その作用を見ることができる。
【0049】25mlのメートルグラス中に、2−メチル
テトラヒドロフラン−3−オン(11)(0.97ml,1
0mmol)、アニソール(1ml,内部標準として,Aldric
h)およびジクロロメタン(適宜加えて20mlとする)を加
えて、反応混合物を形成した。
【0050】その反応混合物にDAST(2.64ml,2
0mmol)を加えた。その反応混合物を4つに分けた。そ
の反応混合物に何を加えたかを表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】その反応混合物を定期的にサンプリングし
て、ガスクロマトグラフィーにより分析した。120分
後、3,3−ジフルオロヒドロフラン(12)が触媒な
しに収率25%で得られた(実施例 A)。実施例 Cで
は、その触媒条件が最適な収率(45%)を示した。実施
例 Bでは、不完全反応により低収率(40%)となっ
た。実施例 Dでは、分解により低収率(40%)となっ
た。
【0053】実施例 3 反応式(11)
【化18】 反応式(11)で示すように、3'および5'の位置をT
IPDS、すなわち3',5'−O−テトライソプロピル
ジソロキサン−1,3−ジイル基で保護する[Sabol
ら,Tet.Letters33(22),3101−310
4(1992)を参照]。
【0054】窒素雰囲気下、磁気撹拌を備えた25mlの
丸底フラスコに、3',5'−TIPDSシチジン(1
3)(600mg,12mmol,Aldrich)、ジメチルスルホ
キシド(6ml)、および無水酢酸(0.60ml)を加えた。
その反応体を4時間撹拌した(反応が完了したことをT
LCが示した)。その混合物を酢酸エチルと水との間で
分配した。有機相を水で2回洗浄し、次いでブラインで
1回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶
液を蒸発させて、2'−ケト−3',5'−TIPDSシチ
ジン(14)を得た。
【0055】精製していないTIPDSシチジン(1
4)に、THF(9ml)中の水酸化テトラブチルアンモニ
ウム(1モル)を加えた。TLCにより反応が完了した
後、その混合物を減圧下に濃縮して、残留物を得た。そ
の残留物を酢酸エチル(30ml)に加えて、MgSO4で乾
燥した。その混合物を再び蒸発させて、保護されていな
い2'−ケトシチジン(15)を得た。
【0056】精製していないケトシチジン(15)に、
酢酸エチル(9ml)、塩化アセチル(0.51ml,7.2mmo
l)、およびトリエチルアミン(1.03ml,7.2mmol)を
加えた。その混合物を一晩撹拌した。その結果得られた
溶液を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧下に蒸発さ
せて、N4,3',5'−トリアセチルシチジン(16)を
得た。
【0057】先に製造したN4,3',5'−トリアセチル
シチジン(16)(0.2g)に、ジクロロメタン(1.0m
l)、DAST(0.1ml)、およびピリジン・HF(約60
μl)を加えた。その混合物を2日撹拌した後、ストリッ
ピングして、N4,3',5'−トリアセチルゲムシタバイ
ン(17)を得た。
【0058】メタノール中のナトリウムメトキシドと反
応させることにより脱保護して、2'−デオキシ−2',
2'−ジフルオロシチジン(18)を得た。
【0059】実施例 4 ここでは、ピリジンフッ化水素塩を加えることなく、実
施例 3の手順を繰り返した。化合物(17)は形成さ
れなかった。従って、Bergstromら,J.Med.Chem.
35,3369−3372(1992)の手順は、化合
物(17)を生成するのには有効ではなかった。
【0060】実施例 54,3',5'−トリ(o−トルオイル)−2'−ケトシチジ
ン(3)からのゲムシタバインの形成 磁気撹拌を備えた10mlの丸底フラスコ中で、N4,3',
5'−トリ(o−トルオイル)−2'−ケトシチジン(3)
(反応式(3))(0.30g,0.5mmol)、ジクロロメタ
ン(1ml)、DAST(1.3ml,10mmol,Aldrich)、
およびピリジン・HF(50μl)を合わせた。そのフラ
スコをシールして、24時間撹拌した。24時間後、H
PLCは80%の反応を示した。その混合物をジクロロ
メタン(50ml)で希釈した。その結果得られた溶液を水
で3回(3×25ml)、飽和重炭酸ナトリウム(50ml)、
およびブライン(50ml)で洗浄した。有機相をMgSO4
で乾燥した。回転蒸発させて、固体0.13gを得た。
HPLC、1H−NMR、および13C−NMRは、所望
の2',2'−ジフルオロ誘導体(4)(反応式(3))が
80%、および残留物(3)が20%である固体と一致
した。その固体をメタノール(2ml)に溶解して、ナトリ
ウム(約50mg)で処理した。15分後、HPLC分析に
より、2',2'−ジフルオロシチジン(18)(反応式
(11))の形成を確認した。
【0061】上の記述は本発明を単に説明するだけのも
のであって、本発明は上記特許請求の範囲によってのみ
制限されることを意図する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2位が置換されている3,3−ジフルオ
    ロフランの製造方法であって、非反応性有機溶媒中、2
    位が置換されている3,3−ジフルオロフランを生成す
    る温度で、2位がX[ここで、Xは非妨害性、非反応性
    置換基である]で置換されているフラン−3−オンを触
    媒量のピリジンフッ化水素塩の存在下にジエチルアンモ
    ニウムサルファトリフルオリド(DAST)と反応させる
    ことからなる方法。
  2. 【請求項2】 2',2'−ジフルオロヌクレオシドの製
    造方法であって、非反応性ハロゲン化炭化水素溶媒中、
    2',2'−ジフルオロヌクレオシドを生成する温度で、
    式: 【化1】 [式中、Xは非妨害性、非反応性置換基であり、またB
    はNで結合する核酸塩基である]で示される2−ケトヌ
    クレオシドを触媒量のピリジンフッ化水素塩の存在下に
    ジエチルアンモニウムサルファトリフルオリド(DAS
    T)と反応させることからなる方法。
  3. 【請求項3】 核酸塩基が、 【化2】 [式中、R1は水素、アルキル、置換されているアルキ
    ルおよびハロよりなる群から選択され;R2は水素、ア
    ルキルおよびハロよりなる群から選択され;Zはヒドロ
    キシ保護基であり;またWはアミノ保護基である]より
    なる群から選択される請求項2に記載の方法。
JP8066121A 1995-03-24 1996-03-22 2位が置換されている3,3−ジフルオロフランの製造方法 Pending JPH08269081A (ja)

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