JP4952122B2 - 2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの製造方法 - Google Patents

2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は医薬の重要中間体である2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの製造方法に関する。
本発明で対象とする2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンは医薬の重要中間体である。従来の製造方法は次の3つに大別でき、代表的な文献を引用する。
(1)2,2’−アンヒドロウリジンをフッ化水素で開環フッ素化する方法(非特許文献1)、
(2)1−β−D−アラビノフラノシルウラシルの3’,5’−水酸基保護体をDAST[(C252NSF3]で脱ヒドロキシフッ素化する方法(非特許文献2)、
(3)1−β−D−アラビノフラノシルウラシルの3’,5’−水酸基保護体を有機塩基の存在下、CFSOF等のトリフルオロメタンスルホニル化剤と反応させることにより、2’−トリフレート体に変換し、次いで「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」よりなるフッ素化剤と反応させることにより、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−水酸基保護体を製造する方法(特許文献1)。
本発明に関連する技術として、2’−デオキシ−2’−フルオロアデノシンおよび2’−デオキシ−2’−フルオログアノシンの合成において、それぞれ対応する9−β−D−アラビノフラノシルアデニンの3’,5’−水酸基保護体およびN2−イソブチリル−9−β−D−アラビノフラノシルグアニンの3’,5’−水酸基保護体を水素化ナトリウムの存在下、トリフルオロメタンスルホニルクロライドと反応させることにより、それぞれ対応する2’−トリフレート体に変換し、次いでテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)と反応させる方法(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)が開示されている。
また、関連する技術として、ヒドロキシル基をフルオロ硫酸エステルに変換し、フッ素アニオンで置換する方法(非特許文献7)が報告されている。
さらに、関連する技術として、ヒドロキシル基を有する基質を、トリエチルアミン等の有機塩基と、トリエチルアミン・三フッ化水素錯体等の「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に、パーフルオロブタンスルホニルフルオリドと反応させる方法(非特許文献8)も知られている。
特開2004−323518号公報 J.Org.Chem.(米国),1964年,第29巻,第3号,p.558−564 Chem.Pharm.Bull.(日本),1994年,第42巻,第3号,p.595−598 Tetrahedron Lett.(英国),1977年,第18巻,第15号,p.1291−1294 Chem.Pharm.Bull.(日本),1981年,第29巻,第4号,p.1034−1038 J.Carbohyd.Nucl.Nucl.(英国),1980年,第7巻,第2号,p.131−140 Chem.Pharm.Bull.(日本),1981年,第29巻,第11号,p.3281−3285 Tetrahedron Lett.(英国),1996年,第37巻,第1号,p.17−20 Org. Lett.(米国),2004年,第6巻,第9号,p.1465−1468
本発明の目的は、医薬の重要中間体である2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの工業的な製造方法を提供することにある。
非特許文献1に開示された、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの製造方法では、腐食性が強いフッ化水素を高温下で過剰に用いて反応を行うため、反応器の材質に大幅な制限があった。また基質を反応溶媒で高度に希釈するため生産性が悪く、反応収率自体も低いものであった。さらに工業的な観点から見た場合、大量の取り扱いが困難なフッ化水素を使用し、また得られた生成物の精製にはカラムクロマトグラフィーを必要とするため、工業的な製造方法とは言い難いものであった。
非特許文献2の製造方法では、工業的に高価で且つ大量の取り扱いに問題のある特殊なフッ素化剤を使用する必要があり、反応収率も中程度で、工業的な製造方法とは言い難いものであった。
非特許文献3〜6に開示された、2’−デオキシ−2’−フルオロアデノシンまたは2’−デオキシ−2’−フルオログアノシンの合成方法は、ごく低い収率でしか、目的物を与えなかった。
また非特許文献3〜6に開示された、2’−トリフレート体をフッ素化し、2’−デオキシ−2’−フルオロアデノシンもしくは2’−デオキシ−2’−フルオログアノシンを得る反応は、フッ素アニオン(F-)による求核的なSN2置換反応と考えられるが、この反応においては副反応として「トリフレート基(CF3SO3 -基)の脱離反応」が競合して起こり、1’位炭素と2’位炭素が二重結合で結ばれた化合物を副生する。上記の非特許文献3における低収率の原因もこの副反応に由来する。これはフッ素アニオン(F-)による求核的なSN2置換反応に内在する本質的な問題であり、同様の問題は本発明の目的化合物2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの製造にも当てはまる。
非特許文献7の方法では、ヒドロキシ誘導体をフルオロ硫酸エステルに変換するためにイミダゾール硫酸エステルを経る必要があり、直接的なフッ素化反応ではなかった(スキーム1を参照)。
Figure 0004952122
非特許文献8の方法では、極めて安定なパーフルオロアルカンスルホン酸を有機塩基の塩として量論的に副生し、工業的な規模で本反応を実施する上で該酸の廃棄物処理が大きな問題であった。
一方、特許文献1の発明は、非特許文献8の問題以外に、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドの工業的な生産量が、パーフルオロブタンスルホニルフルオリドに比べて限られており、大量の入手が必ずしも容易ではないという問題もあった。
この様に2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンを工業的に有利に製造する方法が強く望まれていた。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、一般式[1]
Figure 0004952122
で示される1−β−D−アラビノフラノシルウラシル誘導体を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO22)と反応させることにより、一般式[2]
Figure 0004952122
で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−水酸基保護体に高収率で変換でき[式中、Rは水酸基の保護基を表す]、この様に生成した2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−水酸基保護体を、次いで脱保護化剤と反応させることにより、式[3]
Figure 0004952122
で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンを高収率で製造できることを見出し、本発明に到達した。
スルフリルフルオリドは、燻蒸剤として広く利用されているが、脱ヒドロキシフッ素化剤として利用した例は未だ報告されていない。
本発明の方法では、反応中間体であるフルオロ硫酸エステルを単離することなく、一つの反応器内でフルオロスルホニル化とフッ素置換を連続的に行うことができる。本発明の特徴は、スキーム2に示す様に、スルフリルフルオリドを用いることによりヒドロキシ誘導体をフルオロ硫酸エステルに変換でき、このフルオロスルホニル化の工程で反応系内に量論的に副生した「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」がフッ素置換のフッ素源として有効に利用できることである。またスキーム3に示す様に、「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下にフルオロスルホニル化を行うこともでき、スキーム2に示した方法に比べて、フルオロ誘導体がより高い収率および選択性で得られることも見出した。
Figure 0004952122
Figure 0004952122
本発明において脱ヒドロキシフッ素化剤として利用するスルフリルフルオリドにはヒドロキシル基との反応点が二つあるが、ヒドロキシ誘導体として、1−β−D−アラビノフラノシルウラシル誘導体を用いた場合には、二置換の硫酸エステルを殆ど与えず(スキーム4を参照)、目的とするフルオロ硫酸エステルを経てフッ素置換が良好に進行することを見出した。パーフルオロアルカンスルホニルフルオリドではこの様な問題は起こり得ず、スルフリルフルオリドが脱ヒドロキシフッ素化剤として好適に利用できることを明らかにした。
Figure 0004952122
また、一般式[1]で示される1−β−D−アラビノフラノシルウラシル誘導体からフルオロスルホニル化により変換される、フルオロ硫酸エステルが、フッ素置換において充分な脱離能を有するか否かも不明であった。これに対しても、本発明者らは、本発明のスルフリルフルオリドを用いる脱ヒドロキシフッ素化反応が、一般式[2]で示される2'−デオキシ−2'−フルオロウリジン誘導体(3’,5’−水酸基保護体)の製造方法として好適に利用できることも見出した。
さらに、本発明者らは、上記方法により製造した、一般式[2]で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−水酸基保護体を、脱保護化剤と反応させることにより、式[3]
Figure 0004952122
で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンが製造できることも見出した。
すなわち、本発明は、[発明1]〜[発明]に記載された、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンを製造する方法を提供する。
[発明1]
次の2工程を含む、式[3]で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンを製造する方法。
第1工程:一般式[1]
Figure 0004952122
で示される1−β−D−アラビノフラノシルウラシル誘導体をトリエチルアミンの存在下にスルフリルフルオリド(SO)と反応させることにより、一般式[2]
Figure 0004952122
で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−水酸基保護体を製造する工程[式中、Rは水酸基の保護基を表す]。
第2工程:第1工程により製造した、一般式[2]で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−水酸基保護体を、脱保護化剤と反応させることにより、式[3]
Figure 0004952122
で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンを製造する工程。
[発明2]
発明1において、第1工程の反応を「トリエチルアミンとフッ化水素からなる塩または錯体」を存在させて行うことを特徴とする、発明1に記載の2'−デオキシ−2'−フルオロウリジンを製造する方法。
[発明
Rで表される水酸基の保護基が、それぞれ独立に、トリチル基(トリフェニルメチル基)、テトラヒドロピラニル基(THP基)、またはテトラヒドロフラニル基(THF基)である、発明1または2に記載の2'−デオキシ−2'−フルオロウリジンを製造する方法。
なお、得られた2'−デオキシ−2'−フルオロウリジンは、その後、アセチル化体に変換し、該アセチル化体の形で再結晶精製することができ、該精製品をさらに脱アセチル化することによって、純度の高められた2'−デオキシ−2'−フルオロウリジンを得ることができる。この一連の精製工程も含めて、本発明の概念図を次のスキーム5として示す。
Figure 0004952122
本発明によれば、燻蒸剤として広く利用されているスルフリルフルオリドを脱ヒドロキシフッ素化剤として用い、医薬中間体として有用な2'−デオキシ−2'−フルオロウリジン誘導体を製造することができる。
本発明では、フルオロ硫酸を有機塩基の塩として量論的に副生するが、該酸は最終廃棄物として蛍石(CaF2)と硫酸カルシウム(CaSO)に簡便に処理することができ、工業的な規模での脱ヒドロキシフッ素化反応に極めて好適である。
また、パーフルオロアルカンスルホニルフルオリドのパーフルオロアルキル部位は、最終的には目的生成物に組み込まれるわけではなく、充分なスルホニル化能と脱離能を有するものであれば、フッ素含量が少ない方が工業的に有利であり、この様な観点から見てもスルフリルフルオリドは格段に優れている。
さらに、イミダゾール硫酸エステルを経る必要もなく、本発明では、スルフリルフルオリドを用いることにより、ヒドロキシ誘導体をフルオロ硫酸エステルに直接、変換することができる。
一方、スルフリルフルオリドを用いることにより、新たな発明の効果が見出された。パーフルオロアルカンスルホニルフルオリドを用いる脱ヒドロキシフッ素化反応では、反応終了液にパーフルオロアルカンスルホン酸と有機塩基の塩が量論的に含まれているが、該塩、特に炭素数が4以上のパーフルオロアルカンスルホン酸に由来する塩は、有機溶媒に対する溶解性が極めて高いため、有機層を水またはアルカリ水溶液で洗浄する等の、有機合成で一般的に採用されている後処理操作を実施しても、該塩を効果的に取り除くことができず、精製操作に負荷がかかるという問題点があることを知った。ところが本発明で副生するフルオロ硫酸と有機塩基の塩は極めて水溶性が高く、有機層を水またはアルカリ水溶液で洗浄することにより完全に取り除くことができ、精製操作に殆ど負荷がかからないため、工業的なフッ素化反応に極めて好適であることを見出した。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明は第1工程(スルフリルフルオリドによる脱ヒドロキシフッ素化工程)および、第2工程(脱保護化工程)からなる、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの新規製造方法である。
まず第1工程について、説明する。第1工程は、一般式[1]で示される1−β−D−アラビノフラノシルウラシル誘導体を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO22)と反応させることにより、一般式[2]で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−水酸基保護体を製造する工程である。
一般式[1]で示される1−β−D−アラビノフラノシルウラシル誘導体の水酸基の保護基Rとしては、それぞれ独立に、トリチル基(トリフェニルメチル基)、テトラヒドロピラニル基(THP基)、テトラヒドロフラニル基(THF基)等が挙げられる。その中でもテトラヒドロピラニル基(THP基)およびテトラヒドロフラニル基(THF基)が好ましく、特にテトラヒドロピラニル基(THP基)がより好ましい。一般式[1]で示される1−β−D−アラビノフラノシルウラシル誘導体は、Chem.Pharm.Bull.(日本),1994年,第42巻,第3号,p.595−598、およびKhim.Geterotsikl.Soedin.(ロシア),1996年,第7号,p.975−977を参考にして製造することができる。これらの文献の方法にならえば、3'位と5'位の水酸基を選択的に保護したものが得られる。
第1工程の反応は、上述のヒドロキシ誘導体を、有機塩基の存在下に、または有機塩基と「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に、スルフリルフルオリドと接触させ、後述する所定の温度、圧力で十分に混和することにより、達成できる。
スルフリルフルオリド(SO22)の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示される1−β−D−アラビノフラノシルウラシル誘導体1モルに対して1モル以上を使用すればよく、通常は1〜10モルが好ましく、特に1〜5モルがより好ましい。
有機塩基としては、トリエチルアミンを用いる。
有機塩基の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示される1−β−D−アラビノフラノシルウラシル誘導体1モルに対して1モル以上を使用すればよく、通常は1〜20モルが好ましく、特に1〜10モルがより好ましい。
次に、第1工程の反応に使用することができる「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」について詳細に説明する。
「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の有機塩基としては、トリエチルアミンを用いる。
「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の有機塩基とフッ化水素のモル比としては、100:1〜1:100の範囲であり、通常は50:1〜1:50の範囲が好ましく、特に25:1〜1:25の範囲がより好ましい。さらにアルドリッチ(Aldrich、2003−2004総合カタログ)から市販されている、「トリエチルアミン1モルとフッ化水素3モルからなる錯体」、および「ピリジン〜30%(〜10モル%)とフッ化水素〜70%(〜90モル%)からなる錯体」を使用するのが極めて便利である。
「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示される1−β−D−アラビノフラノシルウラシル誘導体1モルに対してフッ素アニオン(F-)として0.3モル以上を使用すればよく、通常は0.5〜50モルが好ましく、特に0.7〜25モルがより好ましい。
反応溶媒としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その中でもn−ヘプタン、トルエン、メシチレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、プロピオニトリルおよびジメチルスルホキシドが好ましく、特にトルエン、メシチレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびアセトニトリルがより好ましい。これらの反応溶媒は単独または組み合わせて使用することができる。
反応溶媒の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示される1−β−D−アラビノフラノシルウラシル誘導体1モルに対して0.1L(リットル)以上を使用すればよく、通常は0.1〜20Lが好ましく、特に0.1〜10Lがより好ましい。
温度条件としては、特に制限はないが、−100〜+100℃の範囲で行えばよく、通常は−80〜+80℃が好ましく、特に−60〜+60℃がより好ましい。スルフリルフルオリドの沸点(−49.7℃)以上の温度条件で反応を行う場合には、耐圧反応容器を使用することができる。
圧力条件としては、特に制限はないが、大気圧〜2MPaの範囲で行えばよく、通常は大気圧〜1.5MPaが好ましく、特に大気圧〜1MPaがより好ましい。従って、ステンレス鋼(SUS)またはガラス(グラスライニング)の様な材質でできた耐圧反応容器を用いて反応を行うのが好ましい。
反応時間としては、特に制限はないが、0.1〜72時間の範囲で行えばよく、基質および反応条件により異なるため、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段により、反応の進行状況を追跡して原料が殆ど消失した時点を終点とすることが好ましい。
後処理としては、特に制限はないが、通常は反応終了液を水またはアルカリ金属の無機塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム等)の水溶液に注ぎ込み、有機溶媒(例えば、トルエン、メシチレン、塩化メチレンまたは酢酸エチル等)で抽出することにより、粗生成物を得ることができる。スルフリルフルオリドから副生するフルオロ硫酸と有機塩基からなる塩、またはフルオロ硫酸のアルカリ金属塩は、水に対する分配が格段に高いため、水洗等の簡便な操作により、これらの塩を効率的に除去することができ、目的とする一般式[2]で示される2’−デオキシ−2'−フルオロウリジンの3’,5’−水酸基保護体を高い化学純度で得ることができる。また必要に応じて、活性炭処理、蒸留、再結晶等により、さらに高い化学純度に精製することができる。
次に第2工程の脱保護化工程について詳細に説明する。第2工程の脱保護化工程は、第1工程で得られた、一般式[2]で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−水酸基保護体を脱保護化剤と反応させ、式[3]で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンを製造する工程である。
脱保護化反応は脱保護化剤に酸触媒を使用することが好ましく、アルコール系の反応溶媒中で行うことが好ましい。
酸触媒としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、PPTS(ピリジニウムp−トルエンスルホネート)、10−カンファースルホン酸等の有機酸、Amberlyst H−15、Dowex 50W−X8等のイオン交換樹脂、塩酸(塩化水素)、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸が挙げられる。その中でも酢酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸(塩化水素)および硫酸が好ましく、特にp−トルエンスルホン酸および硫酸がより好ましい。
酸触媒の使用量としては、一般式[2]で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−水酸基保護体1モルに対して通常は触媒量以上使用すればよく、0.01〜100モルが好ましく、特に0.03〜50モルがより好ましい。
反応溶媒としては、アルコール系の反応溶媒を使用することが好ましく、かかる反応溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等が挙げられる。その中でもメタノール、エタノール、n−プロパノールおよびn−ブタノールが好ましく、特にメタノール、エタノールおよびn−プロパノールがより好ましい。これらの反応溶媒は単独または組み合わせて使用することができる。
反応溶媒の使用量としては、一般式[2]で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3',5'−水酸基保護体1モルに対して通常0.1L以上使用すればよく、0.1〜20Lが好ましく、特に0.1〜10Lがより好ましい。
温度条件としては、通常、−20〜+100℃であり、−10〜+80℃が好ましく、特に0〜+60℃がより好ましい。
反応時間としては、通常、0.1〜48時間であるが、基質および反応条件により異なるため、薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段により反応の進行状況を追跡して原料が殆ど消失した時点を終点とすることが好ましい。
後処理としては、特に制限はないが、通常は反応終了液に有機塩基または無機塩基を加え、アルコール系の反応溶媒を濃縮することにより、目的の式[3]で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの粗生成物を得ることができる。
上記、第1および第2工程によって、本発明の目的とする2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンが製造できる。この2’−デオキシ-2’-フルオロウリジンは、以下に述べるアセチル化体を経由する精製に付すことによって、さらに純度の高められた2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンにすることができる。次にこの精製について説明する。精製は(a)アセチル化工程、(b)再結晶精製工程、(c)脱アセチル化工程、の3つの工程によりなる。
まず、(a)の「アセチル化工程」について詳細に説明する。アセチル化工程は、上記第2工程で得られた、式[3]で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン(第2工程で得られた粗生成物でよい)を有機塩基の存在下、アセチル化剤と反応させることにより達する。
アセチル化剤としては、無水酢酸、アセチルフルオライド、アセチルクロライド、アセチルブロマイド等が挙げられる。その中でも無水酢酸、アセチルクロライドおよびアセチルブロマイドが好ましく、特に無水酢酸およびアセチルクロライドがより好ましい。
アセチル化剤の使用量としては、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン1モルに対して通常2モル以上使用すればよく、2〜20モルが好ましく、特に2〜10モルがより好ましい。
有機塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn−ブチルアミン、ジメチルラウリルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、ピリジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,4,6−トリメチルピリジン、イミダゾール、ピリミジン、ピリダジン等が挙げられる。その中でもトリエチルアミンおよびピリジンが好ましく、特にピリジンがより好ましい。
有機塩基の使用量としては、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン1モルに対して通常2モル以上使用すればよく、2〜20モルが好ましく、特に2〜10モルがより好ましい。
反応溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その中でもトルエン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリルおよびジメチルスルホキシドが好ましく、特に塩化メチレンおよびN,N−ジメチルホルムアミドがより好ましい。これらの反応溶媒は単独または組み合わせて使用することができる。またアセチル化剤と有機塩基を過剰量用いて反応溶媒を兼ね合わせることもできる。
温度条件としては、通常−20〜+100℃であり、−10〜+80℃が好ましく、特に0〜+60℃がより好ましい。
反応時間としては、通常、0.1〜48時間であるが、反応条件により異なるため、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段により反応の進行状況を追跡して原料が殆ど消失した時点を終点とすることが好ましい。
後処理としては、特に制限はないが、通常は反応終了液中の過剰に使用したアセチル化剤および有機塩基と反応溶媒を濃縮し、濃縮残査に水を加え、析出した結晶を濾過し、水、またはトルエン、塩化メチレンまたは酢酸エチル等の有機溶媒で洗浄し、真空乾燥することにより、目的の2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−ジアセチル体の粗結晶を得ることができる。
次に(b)の「再結晶精製工程」について詳細に説明する。再結晶精製工程は、「アセチル化工程」で得られた、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−ジアセチル体の粗結晶を再結晶精製することにより達する。
再結晶溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール等のアルコール系、水等が挙げられる。その中でもn−ヘキサン、n−ヘプタン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノールおよび水が好ましく、特にn−ヘプタン、アセトン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノールおよび水がより好ましい。これらの再結晶溶媒は単独または組み合わせて使用することができる。
再結晶溶媒の使用量としては、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−ジアセチル体の粗結晶1gに対して、通常1ml以上使用すればよく、1〜100mlが好ましく、特に1〜50mlがより好ましい。
本再結晶精製においては、種結晶を加えることにより円滑に且つ効率良く結晶を析出させることができる。種結晶の使用量としては、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−ジアセチル体の粗結晶1gに対して通常0.0001g以上使用すればよく、0.0001〜0.1gが好ましく、特に0.001〜0.05gがより好ましい。
温度条件としては、使用する再結晶溶媒の沸点および凝固点により適宜決めることができ、通常は約30℃から再結晶溶媒の沸点付近の温度で精製前の粗結晶を溶解し、静置下または撹拌下、徐々に降温しながら結晶を析出させ、最終的には−20℃〜室温(25℃)まで冷却する。
本再結晶精製においては、析出した結晶の化学純度が向上するため、析出した結晶を濾過等で回収することにより、高い化学純度の2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−ジアセチル体を得ることができる。また本再結晶操作を繰り返すことにより、さらに高い化学純度のものを得ることができる。また精製前の粗結晶を再結晶溶媒に溶解した溶液を活性炭処理することにより脱色することもできる。
精製時間としては、通常、0.1〜120時間であるが、精製条件により異なるため、析出した結晶の化学純度および結晶の析出量をモニター分析して高い化学純度で収率良く回収できた時点を終点とすることが好ましい。
最後に(c)の「脱アセチル化工程」について説明する。「脱アセチル化工程」は、「再結晶精製工程」で得られた、高い化学純度の2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−ジアセチル体を脱アセチル化剤と反応させることにより達する。
脱アセチル化反応は脱アセチル化剤に酸触媒または塩基を使用することが好ましく、アルコール系の反応溶媒中で行うことが好ましい。
酸触媒としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、PPTS(ピリジニウムp−トルエンスルホネート)、10−カンファースルホン酸等の有機酸、Amberlyst H−15、Dowex 50W−X8等のイオン交換樹脂、塩酸(塩化水素)、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸が挙げられる。その中でも酢酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸(塩化水素)および硫酸が好ましく、特にp−トルエンスルホン酸および塩酸(塩化水素)がより好ましい。
酸触媒の使用量としては、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−ジアセチル体の高純度品1モルに対して触媒量以上使用すればよく、通常は0.01〜100モルが好ましく、特に0.03〜50モルがより好ましい。
塩基としては、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン等の炭素数1から6の低級アルキル一級アミン、アンモニア等が挙げられる。その中でもメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミンおよびアンモニアが好ましく、特にメチルアミン、エチルアミンおよびアンモニアがより好ましい。
塩基の使用量としては、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−ジアセチル体の高純度品1モルに対して、通常2モル以上使用すればよく、2〜200モルが好ましく、特に2〜100モルがより好ましい。
反応溶媒としては、アルコール系の反応溶媒を使用することが好ましく、かかる反応溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等が挙げられる。その中でもメタノール、エタノール、n−プロパノールおよびn−ブタノールが好ましく、特にメタノール、エタノールおよびn−プロパノールがより好ましい。これらの反応溶媒は単独または組み合わせて使用することができる。
反応溶媒の使用量としては、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−ジアセチル体の高純度品1モルに対して、通常0.1L以上使用すればよく、0.1〜20Lが好ましく、特に0.1〜10Lがより好ましい。
温度条件としては、通常−20〜+100℃であり、−10〜+80℃が好ましく、特に0〜+60℃がより好ましい。使用する塩基の沸点以上の温度条件で反応を行う場合には耐圧反応容器を使用することができる。
反応時間としては、通常0.1〜120時間であるが、反応条件により異なるため、薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段により反応の進行状況を追跡して原料が殆ど消失した時点を終点とすることが好ましい。
後処理としては、特に制限はないが、通常は反応終了液中の過剰に使用した酸触媒および塩基と反応溶媒を濃縮し、高純度な白色結晶性粉末を収率良く回収することができる。必要に応じて高純度な白色結晶性粉末を活性炭処理または再結晶等の精製操作に付すことにより、目的の2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンをさらに高い化学純度で得ることができる。特に塩基としてアンモニアを使用した場合に副生するアセトアミドは再結晶精製により効率的に除くことができる。本再結晶精製は、上記(b)の「再結晶精製工程」を参考にして同様に行うことができる。この場合に、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−ジアセチル体の粗結晶を、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの高純度な白色結晶性粉末に読み替えて行う。
[実施例]
第1工程(フッ素化工程):
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
Figure 0004952122
で示される1−β−D−アラビノフラノシルウラシル誘導体12.30g(29.82mmol、1.00eq)、アセトニトリル38.0mL、トリエチルアミン18.15g(179.37mmol、6.02eq)とトリエチルアミン・三フッ化水素錯体19.30g(119.71mmol、4.01eq)を加え、内温を−40℃に冷却してスルフリルフルオリド10.00g(97.98mmol、3.29eq)をボンベより吹き込んだ。内温を室温に戻して16時間30分攪拌し、さらに40℃で5時間30分攪拌した。反応の変換率を液体クロマトグラフィーにより測定したところ99%以上であった。反応終了液を炭酸カリウムの水溶液[炭酸カリウム58.00g(419.65mmol、14.07eq)と水300.0mLから調製]に注ぎ込み、酢酸エチル300.0mLで2回抽出した。回収有機層を10%食塩水200.0mLで洗浄し、減圧下濃縮し、真空乾燥し、下記式
Figure 0004952122
で示される2'−デオキシ−2'−フルオロウリジン誘導体(3’,5’−水酸基保護体)の粗生成物12.83gを褐色の油状物質として得た。粗生成物の回収量は理論収率の重量を若干超えていた。粗生成物の選択率を液体クロマトグラフィーにより測定したところ83.2%であった。得られた2'−デオキシ−2'−フルオロウリジン誘導体(3’,5’−水酸基保護体)の粗生成物の機器データを下に示す(二つのTHP基に起因する四種のジアステレオマーを観測)。
19F−NMR(基準物質:C66,重溶媒:CDCl3),δ ppm:−43.13(dt,51.9Hz,15.4Hz),−42.50(dt,51.5Hz,15.4Hz),−37.62(dt,51.5Hz,15.0Hz),−37.55(dt,51.9Hz,15.0Hz)/トータル1F.
第2工程(脱保護化工程)、および参考例である精製工程[(a)アセチル化工程、(b)再結晶精製工程、(c)脱アセチル化工程]は、特開2004−323518号公報(特許文献1)を参考にして同様に行うことができる。

Claims (3)

  1. 次の2工程を含む、式[3]で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンを製造する方法。
    第1工程:一般式[1]
    Figure 0004952122
    で示される1−β−D−アラビノフラノシルウラシル誘導体をトリエチルアミンの存在下にスルフリルフルオリド(SO)と反応させることにより、一般式[2]
    Figure 0004952122
    で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−水酸基保護体を製造する工程[式中、Rは水酸基の保護基を表す]。
    第2工程:第1工程により製造した、一般式[2]で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの3’,5’−水酸基保護体を、脱保護化剤と反応させることにより、式[3]
    Figure 0004952122
    で示される2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンを製造する工程。
  2. 請求項1において、第1工程の反応を「トリエチルアミンとフッ化水素からなる塩または錯体」を存在させて行うことを特徴とする、請求項1に記載の2'−デオキシ−2'−フルオロウリジンを製造する方法。
  3. Rで表される水酸基の保護基が、それぞれ独立に、トリチル基(トリフェニルメチル基)、テトラヒドロピラニル基(THP基)、またはテトラヒドロフラニル基(THF基)である、請求項1または2に記載の2'−デオキシ−2'−フルオロウリジンを製造する方法。
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