JP5272395B2 - 4−デオキシ−4−フルオロ−d−グルコース誘導体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医農薬中間体、特に糖尿病治療薬の重要中間体である4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体の工業的な(大量規模での生産に適した)製造方法に関する。
4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体は、医農薬中間体、特に糖尿病治療薬の重要中間体である。従来、本誘導体は3フッ化ジエチルアミノイオウ(DAST)または3フッ化[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]イオウ(BAST)を用いて合成されていた(非特許文献1、特許文献1)。しかしながら、これらの脱ヒドロキシフッ素化剤は高価であり、さらにDASTについては爆発の危険性があるため、少量スケールでの合成に限られ、工業的な製造方法として採用されることはなかった。また、反応溶媒は工業的な使用が制限されている塩化メチレンが好適に用いられ、さらに収率が中程度であり、これらの点も工業化の阻害要因になっていた。
この様に、4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体を工業的に製造することができなかった。
一方、本特許出願人は、スルフリルフルオリド(SO)と有機塩基の組み合わせによる脱ヒドロキシフッ素化反応(必要に応じて「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に本反応を行うこともできる)を開示した(特許文献2)。
国際公開2004/052903号パンフレット(特表2006−510644号公報) 国際公開2006/098444号パンフレット(特開2006−290870号公報) Journal of Organic Chemistry(米国),1983年,第48巻,p.393−395
本発明の目的は、4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体の工業的な製造方法を提供することにある。そのためには、従来技術の問題点を解決する必要があり、安価で且つ爆発の危険性がない脱ヒドロキシフッ素化剤に置き換えることが最重要課題として挙げられる。さらに、工業的な使用が制限されている塩化メチレンを用いることなく、目的物が収率良く得られる製造方法を見出すことも重要である。
本発明者らは、上記の課題を踏まえて鋭意検討した結果、特許文献2で開示した、スルフリルフルオリドと有機塩基の組み合わせによる脱ヒドロキシフッ素化反応(必要に応じて「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に本反応を行うこともできる)が、本発明の原料であるD−ガラクトース誘導体に極めて好適に適応でき、目的とする脱ヒドロキシフッ素化反応が良好に進行し、目的物である4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体が収率良く得られることを新たに見出した。本脱ヒドロキシフッ素化反応では、4位ヒドロキシル基の立体化学が反転してフッ素原子が導入されるが、この反転率が非常に高く、さらに、フルオロスルホニル化に引き続いて起こるフッ素置換において、競合するオレフィン体等の副生が少ないことも新たに明らかにした。よって、目的物との分離が難しい不純物を殆ど副生せず、簡便な精製操作で純度の高い4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体を得ることができる。
特に好適な脱ヒドロキシフッ素化剤であるスルフリルフルオリドを用いた場合、反応終了液には「フルオロ硫酸と有機塩基の塩」が量論的に含まれていることになる。本塩が目的物の粗体または製品中に残存すると、フルオロ硫酸自体の好ましくない毒性以外に、酸触媒として作用することでヒドロキシル基の保護基が外れたり、再結晶精製における回収率が低下したり、経時的な分解によりフッ素イオン濃度が増加する等の問題を引き起こす。よって、後処理において本塩を効率良く除去することが重要な課題になる。本発明者らは、特許文献2において、目的物と本塩を含む有機層を水またはアルカリ水溶液で洗浄することにより、水溶性の高い本塩が水層側に効率良く且つ選択的に移行することを見出し、有機層の水洗が本塩の有効な除去方法になることを開示した。
しかしながら、上記の除去方法においても工業化を踏まえて水またはアルカリ水溶液の使用量を削減すると、「フルオロ硫酸と有機塩基の塩」の除去効率が低下することが判明した(実施例1を参照)。特に本発明の原料であるD−ガラクトース誘導体や目的物である4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体は有機溶媒に対する溶解度が低いため、反応や後処理を通して大量の有機溶媒を用いる必要がある。この様な希釈された有機層から本塩を効率良く(水またはアルカリ水溶液の限られた量で)除去することはさらに困難であり、特許文献2で開示された除去方法を適応しても廃水の量を削減することができなかった。
そこで、本発明者らは目的物である4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体の有機溶媒に対する溶解度が低いことに着目し、反応終了液に水を加えることにより目的物が結晶として良好に析出し、「フルオロ硫酸と有機塩基の塩」は濾過後の濾液に濃縮され、回収された結晶には殆ど含まれないことを新たに見出した。本後処理操作は目的物の物性を旨く利用したものであり、後処理において廃水だけでなく廃有機溶媒の量も格段に削減でき、操作性も極めて簡便で高い生産性を可能にした(実施例2を参照)。
本発明では、脱ヒドロキシフッ素化剤としてスルフリルフルオリド以外にトリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)またはパーフルオロブタンスルホニルフルオリド(CSOF)を用いても同様の反応性が得られる。しかしながら、反応で量論的に副生する「パーフルオロアルカンスルホン酸と有機塩基の塩」はパーフルオロアルキル基の炭素数が増加するに従い脂溶性が高くなる。よって、水溶性の最も高い「フルオロ硫酸と有機塩基の塩」を副生するスルフリルフルオリドを用いることが特に好適であり、本発明の後処理におけるメリットを最大限に発揮することができる。
この様に、4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体の工業的な製造方法として極めて有用な方法を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は[発明1]から[発明8]を含み、4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体の工業的な製造方法を提供する。
[発明1]
一般式[1]
Figure 0005272395
で示されるD−ガラクトース誘導体[式中、Rはヒドロキシル基、低級アルコキシ基、低級アシルオキシ基、ハロゲン原子を表し、Rはそれぞれ独立にヒドロキシル基の保護基を表し、波線はアノマー位の立体化学がα、β、または、αとβの混合物であることを表す]を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO)、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)またはパーフルオロブタンスルホニルフルオリド(CSOF)と反応させることにより、一般式[2]
Figure 0005272395
で示される4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体[式中、Rはそれぞれ独立にヒドロキシル基の保護基を表し、Rは低級アルコキシ基、低級アシルオキシ基、ハロゲン原子を表し、波線はアノマー位の立体化学がα、β、または、αとβの混合物であることを表す]を製造する方法。
[発明2]
発明1において、系中にさらに「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」を存在させて反応を行うことを特徴とする、発明1に記載の4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体の製造方法。
[発明3]
一般式[3]
Figure 0005272395
で示されるα−D−ガラクトピラノシド誘導体を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO)またはトリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)と反応させることにより、一般式[4]
Figure 0005272395
で示される4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシド誘導体を含有する反応終了液を得、該反応終了液に水を加えて目的物を結晶として析出させ回収することを特徴とする、4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシド誘導体の製造方法。
[一般式[3]および一般式[4]中、Rはそれぞれ独立にヒドロキシル基の保護基を表し、Rは低級アルキル基を表す]
[発明4]
発明3において、系中にさらに「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」を存在させて反応を行うことを特徴とする、発明3に記載の4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシド誘導体の製造方法。
[発明5]
発明3または発明4において、反応溶媒として水と混和する有機溶媒を用い、且つ用いた反応溶媒の3分の1容量以上3倍容量以下の水を、反応終了液に加えて目的物を結晶として析出させ回収することを特徴とする、発明3または発明4に記載の4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシド誘導体の製造方法。
[発明6]
式[5]
Figure 0005272395
で示されるメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−α−D−ガラクトピラノシドをトリエチルアミンの存在下にスルフリルフルオリド(SO)と反応させることにより、式[6]
Figure 0005272395
で示されるメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシドを含有する反応終了液を得、該反応終了液に水を加えて目的物を結晶として析出させ回収することを特徴とする、メチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシドの製造方法。
[式[5]および式[6]中、Meはメチル基を表し、Bzはベンゾイル基を表す]
[発明7]
発明6において、系中にさらに「トリエチルアミンとフッ化水素からなる塩または錯体」を存在させて反応を行うことを特徴とする、発明6に記載のメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシドの製造方法。
[発明8]
発明6または発明7において、反応溶媒として水と混和する有機溶媒を用い、且つ用いた反応溶媒の3分の1容量以上3倍容量以下の水を、反応終了液に加えて目的物を結晶として析出させ回収することを特徴とする、発明6または発明7に記載のメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシドの製造方法。
本発明が従来技術に比べて有利な点を以下に述べる。
非特許文献1および特許文献1に対しては、脱ヒドロキシフッ素化剤として安価で且つ爆発の危険性がないスルフリルフルオリド、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドまたはパーフルオロブタンスルホニルフルオリドを用いることができる。特に好適なスルフリルフルオリドは燻蒸剤として広く利用されており、大量規模での入手も容易である。さらに、本発明では種々の反応溶媒を好適に用いることができるため、塩化メチレンの使用を回避でき、また目的物の収率も従来技術に比べて格段に高い。
特許文献2に対しては、開示された脱ヒドロキシフッ素化反応が本発明の原料であるD−ガラクトース誘導体に極めて好適に適応できることを新たに見出した。さらに、後処理においては廃水および廃有機溶媒の量を格段に削減でき、操作性も極めて簡便で高い生産性を可能にした。
本発明は、4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体が高い純度で収率良く得られるだけでなく、従来技術の問題点を全て解決し、工業的にも実施容易な製造方法である。
本発明の4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体の製造方法について詳細に説明する。
本発明は、一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体を有機塩基の存在下に、または有機塩基と「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下にスルフリルフルオリド(トリフルオロメタンスルホニルフルオリドまたはパーフルオロブタンスルホニルフルオリド)と反応させることによりなり、反応中間体であるフルオロ硫酸エステル(トリフルオロメタンスルホン酸エステルまたはパーフルオロブタンスルホン酸エステル)を単離することなく、一つの反応器内でフルオロスルホニル化(トリフルオロメタンスルホニル化またはパーフルオロブタンスルホニル化)とフッ素置換を連続的に行うことができる。フルオロスルホニル化(トリフルオロメタンスルホニル化またはパーフルオロブタンスルホニル化)ではヒドロキシル基の立体化学は保持され、引き続くフッ素置換では立体化学が反転する。従って、一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体からは、一般式[2]で示される4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体が得られる。
一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体のRとしては、ヒドロキシル基、炭素数1から6の直鎖または分枝のアルコキシ基、炭素数1から6の直鎖または分枝のアシルオキシ基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子が挙げられる。その中でも炭素数1から6の直鎖または分枝のアルコキシ基が好ましく、特にメトキシ基がより好ましい。Rがヒドロキシル基以外の場合は、反応の前後で変化しない(一般式[2]で示される4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体のRと同一であることを意味する)。
一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体のRとしては、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、ベンジル基等のアラルキル基等のヒドロキシル基の保護基が挙げられる。その中でもアセチル基、ベンゾイル基等のアシル基が好ましく、特にベンゾイル基がより好ましい。ヒドロキシル基の保護基はそれぞれ独立に選ぶことができ、3つ全てが異なるケース、任意の2つが同じで残り1つが異なるケース、または、3つ全てが同じケースを採ることができる。この中でも、任意の2つが同じで残り1つが異なるケース、および、3つ全てが同じケースが好ましく、特に、3つ全てが同じケースがより好ましい。Rは反応の前後で変化しない。
一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体の波線は、アノマー位の立体化学がα、β、または、αとβの混合物であることを表し、目的物である一般式[2]で示される4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体のアノマー位の立体化学に応じて適宜使い分けることができる。Rがヒドロキシル基以外の場合は、反応の前後でアノマー位の立体化学は保持されるが、Rがヒドロキシル基の場合は、フッ素原子に置換され、αとβの比が変化することがある。
一般式[2]で示される4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体のRがフッ素原子の場合は、原料である一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体のRにヒドロキシル基のものを用いて、ヒドロキシル基が反応することでフッ素原子に置換されたものもある。
一般式[3]で示されるα−D−ガラクトピラノシド誘導体のRとしては、炭素数1から6の直鎖または分枝のアルキル基が挙げられる。
一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体は、Journal of Organic Chemistry(米国),1965年,第30巻,p.2312−2317等を参考にして製造することができる。一般式[3]で示されるα−D−ガラクトピラノシド誘導体はその製造が比較的容易なことから好適な原料であり、さらに式[5]で示されるメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−α−D−ガラクトピラノシドは市販されており、大量規模での入手も容易なことから特に好適な原料である。
脱ヒドロキシフッ素化剤としては、スルフリルフルオリド(SO)、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)またはパーフルオロブタンスルホニルフルオリド(CSOF)が挙げられる。その中でもスルフリルフルオリドおよびトリフルオロメタンスルホニルフルオリドが好ましく、特にスルフリルフルオリドがより好ましい。スルフリルフルオリドはフッ素の原子経済性が高く、最終廃棄物として蛍石(CaF)に処理することができる。また、好適なスルフリルフルオリドにはヒドロキシル基との反応点が二つあるが、本発明の原料である一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体を用いても好適な反応条件を採用することにより、二置換の硫酸ジエステルを殆ど与えず(スキーム1を参照)、目的とするフルオロ硫酸エステルを経てフッ素置換が良好に進行することを新たに見出した。
Figure 0005272395
脱ヒドロキシフッ素化剤の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体1モルに対して1モル以上を使用すればよく、通常は1〜10モルが好ましく、特に1〜5モルがより好ましい(実施例4の様に大過剰使用しても特に問題ないが経済的に好ましくない)。
有機塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、ピリジン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,3,4−コリジン、2,4,5−コリジン、2,5,6−コリジン、2,4,6−コリジン、3,4,5−コリジン、3,5,6−コリジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)等が挙げられる。その中でもトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、ピリジン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,4,6−コリジンおよび3,5,6−コリジンが好ましく、特にトリエチルアミンがより好ましい。
有機塩基の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体1モルに対して1モル以上を使用すればよく、通常は1〜20モルが好ましく、特に1〜10モルがより好ましい。
発明2、発明4、発明5、発明7および発明8で用いる「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」について詳細に説明する。
本発明はスキーム2に示す様に、例えばスルフリルフルオリドを用いることにより、一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体をフルオロ硫酸エステルに変換でき、このフルオロスルホニル化の工程で反応系内に量論的に副生した「トリエチルアミンとフッ化水素からなる塩」がフッ素置換のフッ素源として有効に利用される。またスキーム3に示す様に、例えば「トリエチルアミン・三フッ化水素錯体」の存在下にフルオロスルホニル化を行うこともでき、スキーム2に示した方法に比べて、一般式[2]で示される4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体がより高い収率および選択性で得られることを新たに見出した。
Figure 0005272395
Figure 0005272395
「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の有機塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、ピリジン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,3,4−コリジン、2,4,5−コリジン、2,5,6−コリジン、2,4,6−コリジン、3,4,5−コリジン、3,5,6−コリジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)等が挙げられる。その中でもトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、ピリジン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,4,6−コリジンおよび3,5,6−コリジンが好ましく、特にトリエチルアミンがより好ましい。
「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の有機塩基とフッ化水素のモル比としては、100:1〜1:100の範囲であり、通常は50:1〜1:50の範囲が好ましく、特に25:1〜1:25の範囲がより好ましい。さらにアルドリッチ(Aldrich、2007−2008総合カタログ)から市販されている、「トリエチルアミン1モルとフッ化水素3モルからなる錯体」、または「ピリジン〜30%(〜10モル%)とフッ化水素〜70%(〜90モル%)からなる錯体」を使用するのが極めて便利である。
「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体1モルに対してフッ素アニオン(F-)として0.3モル以上を使用すればよく、通常は0.5〜50モルが好ましく、特に0.7〜25モルがより好ましい。
反応溶媒としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その中でもテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、プロピオニトリルおよびジメチルスルホキシドが好ましく、特にテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびアセトニトリルがより好ましい。これらの反応溶媒は単独または組み合わせて使用することができる。
反応溶媒の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体1モルに対して0.1L(リットル)以上を使用すればよく、通常は0.1〜20Lが好ましく、特に0.1〜10Lがより好ましい。また本発明においては、原料の一部が未溶解の状態で反応を開始することもできる。
反応温度としては、特に制限はないが、−100〜+100℃の範囲で行えばよく、通常は−80〜+80℃が好ましく、特に−60〜+60℃がより好ましい。脱ヒドロキシフッ素化剤の沸点[例えば、スルフリルフルオリドの沸点(−49.7℃)]以上の温度条件で反応を行う場合には、耐圧反応容器を用いることができる。
圧力条件としては、特に制限はないが、大気圧〜2MPaの範囲で行えばよく、通常は大気圧〜1.5MPaが好ましく、特に大気圧〜1MPaがより好ましい。従って、ステンレス鋼(SUS)またはガラス(グラスライニング)の様な材質でできた耐圧反応容器を用いて反応を行うのが好ましい。
反応時間としては、特に制限はないが、0.1〜72時間の範囲で行えばよく、原料および反応条件により異なるため、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段により、反応の進行状況を追跡して原料が殆ど消失した時点を終点とすることが好ましい。
後処理としては、特に制限はないが、通常は反応終了液を有機溶媒(例えば、トルエン、キシレン、tert−ブチルメチルエーテルまたは酢酸エチル等)で希釈し、水またはアルカリ金属の無機塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム等)の水溶液で洗浄し(「フルオロ硫酸と有機塩基の塩」の従来からの除去方法)、回収した有機層を濃縮することにより、一般式[2]で示される4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体を粗生成物として得ることができる。
しかしながら、本発明の重要な特徴である「反応終了液に水を加えて目的物を結晶として析出させ回収する」という後処理操作を採用することにより、「フルオロ硫酸(またはパーフルオロアルカンスルホン酸)と有機塩基の塩」を濾過後の濾液に効率良く濃縮することができ、本塩を殆ど含まない粗結晶を収率良く回収することができる。本発明の後処理におけるメリットを最大限に発揮させるには、反応溶媒として水との混和性が極めて良好なN,N−ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルを用い、その使用量として一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体1モルに対して0.5〜5Lを用いることが重要である。この反応溶媒と使用量の組み合わせを採用すれば、目的物が一部析出した不均一系の反応終了液に対しても好適に適用できる。
本発明の重要な特徴である上記の後処理操作について詳細に説明する。
加える水の量としては、用いた反応溶媒の容量に対して5分の1以上5倍以下を使用すればよく、通常は4分の1以上4倍以下が好ましく、特に3分の1以上3倍以下がより好ましい。「反応溶媒として水と混和する有機溶媒を用い、且つ用いた反応溶媒の3分の1容量以上3倍容量以下の水を、反応終了液に加えて目的物を結晶として析出させ回収する」という好適な組み合わせを採用することにより、高い脱塩効果と目的物の高い回収率を達成することができる。
結晶の析出方法としては、特に制限はないが、攪拌しながら結晶を析出させる方法が好ましく、特に本方法と析出した結晶の塊を粉砕する操作を組み合わせる方法がより好ましい。また必要に応じて、種結晶を加えることにより結晶が円滑に且つ効率良く析出する場合がある。
種結晶の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示されるD−ガラクトース誘導体1モルに対して0.00001モル以上を使用すればよく、通常は0.0001〜0.1モルが好ましく、特に0.0002〜0.05モルがより好ましい。
析出温度としては、−20〜+50℃の範囲で行えばよく、通常は−10〜+40℃が好ましく、特に0〜+30℃がより好ましい。
析出時間としては、特に制限はないが、0.1〜72時間の範囲で行えばよく、目的物および析出条件により異なるため、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段により、上澄み液に残存する目的物の量を追跡して結晶が殆ど析出した時点を終点とすることが好ましい。
回収方法としては、特に制限はないが、通常は析出した結晶を濾過することにより、「フルオロ硫酸(またはパーフルオロアルカンスルホン酸)と有機塩基の塩」を殆ど含まない、一般式[2]で示される4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体を粗結晶として得ることができる。得られた目的物の粗生成物または粗結晶は、必要に応じて活性炭処理、蒸留、再結晶等により高い化学純度に精製することができる。
本精製操作の内、好適な再結晶について詳細に説明する。
再結晶溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール系、水等が挙げられる。その中でもn−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、t−ブチルメチルエーテル、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、n−プロパノールおよびi−プロパノールが好ましく、特にn−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、酢酸エチルおよびi−プロパノールがより好ましい。これらの再結晶溶媒は単独または組み合わせて使用することができる。
再結晶溶媒の使用量としては、特に制限はないが、一般式[2]で示される4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体の粗生成物または粗結晶1モルに対して0.1L以上を使用すればよく、通常は0.1〜20Lが好ましく、特に0.1〜10Lがより好ましい。
再結晶精製においては、種結晶を加えることにより結晶が円滑に且つ効率良く析出する場合がある。
種結晶の使用量としては、特に制限はないが、一般式[2]で示される4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体の粗生成物または粗結晶1モルに対して0.00001モル以上を使用すればよく、通常は0.0001〜0.1モルが好ましく、特に0.0002〜0.05モルがより好ましい。
再結晶温度としては、特に制限はないが、使用する再結晶溶媒の沸点および凝固点により適宜決めればよく、通常は室温(25℃)から再結晶溶媒の沸点付近の温度で精製前の目的物を溶解させ、−30〜+60℃で結晶を析出させることが好ましい。
再結晶精製においては、析出した結晶の化学純度が向上するため、析出した結晶を濾過等で回収することにより、高い化学純度の一般式[2]で示される4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体を得ることができる。また再結晶精製を繰り返すことによりさらに高い化学純度の目的物を得ることができる。本発明においては目的物との分離が難しい不純物を殆ど副生しないため、限りなく純品(化学純度100%)に近いところまで精製することができる。
本発明においては、D−ガラクトース誘導体を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドまたはパーフルオロブタンスルホニルフルオリドと反応させることにより4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体を製造することができる(態様1)。
好ましくは、α−D−ガラクトピラノシド誘導体を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリドまたはトリフルオロメタンスルホニルフルオリドと反応させ、さらに反応終了液に水を加えて目的物を結晶として析出させ回収することにより4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシド誘導体を製造することができる。本製造方法は、その製造が比較的容易なα−D−ガラクトピラノシド誘導体を原料とすることができ、さらに脱ヒドロキシフッ素化剤としてスルフリルフルオリドまたはトリフルオロメタンスルホニルフルオリドを用いることにより本発明の後処理におけるメリットを発揮することができる。よって、これらの組み合わせが本発明の中でも好ましい態様である(態様2)。
より好ましくは、メチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−α−D−ガラクトピラノシドをトリエチルアミンの存在下にスルフリルフルオリドと反応させ、さらに反応終了液に水を加えて目的物を結晶として析出させ回収することによりメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシドを製造することができる。本製造方法は、糖尿病治療薬の極めて重要な中間体であるメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシドを直接的に製造することができ、また工業的に安価なトリエチルアミンを用いることができ、さらに脱ヒドロキシフッ素化剤としてスルフリルフルオリドを用いることにより本発明の後処理におけるメリットを最大限に発揮することができる。よって、これらの組み合わせが本発明の中でもより好ましい態様である(態様3)。
さらに、態様1は「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に反応を行うことで好適な組み合わせになり(態様4)、態様2は「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に反応を行うことでより好適な組み合わせになり(態様5)、態様3は「トリエチルアミンとフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に反応を行うことで最も好適な組み合わせになる(態様6)。
最後に工業的な製造方法としての観点も考慮すると、反応溶媒として水と混和する有機溶媒を用い、且つ用いた反応溶媒の3分の1容量以上3倍容量以下の水を、反応終了液に加えて目的物を結晶として析出させ回収することにより、態様2は工業的に実施可能な態様となり(態様7)、態様3は工業的により実施可能な態様となり(態様8)、態様5は工業的に実施容易な態様となり(態様9)、態様6は工業的により実施容易な態様となる(態様10)。
[実施例]
実施例により本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
Figure 0005272395
で示されるメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−α−D−ガラクトピラノシド400g(790mmol、1.00eq)、アセトニトリル2,000mL、トリエチルアミン200g(1,976mmol、2.50eq)とトリエチルアミン・三フッ化水素錯体63.6g(395mmol、0.50eq)を加え、内温を−20℃に冷却し、減圧下でスルフリルフルオリド(SO)125g(1,225mmol、1.55eq)をボンベより吹き込み、室温で終夜攪拌した。反応の変換率を液体クロマトグラフィーにより測定したところ99.2%であった。反応終了液を酢酸エチル1,800mLで希釈し、炭酸カリウム水溶液1,064g[炭酸カリウム164g(1,187mmol、1.50eq)と水900mLから調整]で洗浄し、有機層を回収した。水層はさらに酢酸エチル600mLで抽出した。得られた有機層を合わせ、有機層に残存する「フルオロ硫酸とトリエチルアミンの塩」が目的物に対して1モル%以下になるまで水1,200mLで4回洗浄した(4回洗浄後の塩残存量は19F−NMRにより測定したところ0.4モル%であった)。回収有機層を減圧濃縮し、トルエン1,000mLで共沸脱水することにより、下記式
Figure 0005272395
で示されるメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシドの粗結晶を477g得た。粗結晶の液体クロマトグラフィー純度は88.7%であった(4,5−オレフィン体7.1%、クロロ体0.5%、未知不純物1.8%)。粗結晶全量に、酢酸エチル1,200mLとn−ヘプタン1,600mLを加え、加熱溶解し、室温まで降温し、析出した結晶を濾過し、n−ヘプタン450mLで洗浄し、真空乾燥することにより、1回目再結晶品を330g得た。1回目再結晶品の液体クロマトグラフィー純度は98.4%であった(4,5−オレフィン体1.0%、クロロ体0.3%、未知不純物0.1%未満)。反応から1回目再結晶までのトータル収率は82%であった。1回目再結晶品全量に、酢酸エチル990mLとn−ヘプタン1,320mLを加え、加熱溶解し、室温まで降温し、析出した結晶を濾過し、n−ヘプタン400mLで洗浄し、真空乾燥することにより、2回目再結晶品を291g得た。2回目再結晶品の液体クロマトグラフィー純度は99.6%であった(4,5−オレフィン体0.1%、クロロ体0.2%、未知不純物0.1%未満)。2回目再結晶品に「フルオロ硫酸とトリエチルアミンの塩」は全く含まれていなかった。反応から2回目再結晶までのトータル収率は72%であった。得られた目的物の機器データを下に示す。
1H−NMR(基準物質:Me4Si,重溶媒:CDCl3),δ ppm:3.47(S,3H),4.32(m,1H),4.67(m,2H),4.76(dt,51.2Hz,9.4Hz,1H),5.19(m,2H),6.13(dt,14.4Hz,9.6Hz,1H),7.34−7.64(Ar−H,9H),7.95−8.13(Ar−H,6H).
19F−NMR(基準物質:C,重溶媒:CDCl),δ ppm:−35.32(dd,50.2Hz,13.7Hz,1F).
これらの機器データは非特許文献1の実験の部に記載されたものと同じであった。
[実施例2]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
Figure 0005272395
で示されるメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−α−D−ガラクトピラノシド40.0g(79.0mmol、1.00eq)、アセトニトリル158mL、トリエチルアミン20.0g(198mmol、2.51eq)とトリエチルアミン・三フッ化水素錯体6.36g(39.5mmol、0.50eq)を加え、内温を−5℃に冷却し、減圧下でスルフリルフルオリド(SO)18.3g(179mmol、2.27eq)をボンベより吹き込み、同温度で2時間攪拌し、さらに室温で終夜攪拌した。反応の変換率を液体クロマトグラフィーにより測定したところ99.7%であった。反応終了液に水237mLを加え、室温で3時間攪拌した。析出した結晶を濾過し、アセトニトリル水溶液(アセトニトリル20mLと水30mLから調整)で洗浄することにより、下記式
Figure 0005272395
で示されるメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシドの粗結晶(湿ケーキ)を47.2g得た。粗結晶(湿ケーキ)の液体クロマトグラフィー純度は90.9%であった(4,5−オレフィン体5.3%、クロロ体0.1%、未知不純物2.6%)。粗結晶(湿ケーキ)に「フルオロ硫酸とトリエチルアミンの塩」は全く含まれていなかった(塩残存量は19F−NMRにより測定した)。粗結晶(湿ケーキ)全量に、酢酸エチル120mLを加え、加熱溶解し、n−ヘプタン160mLを加え、室温まで降温し、析出した結晶を濾過し、酢酸エチルとn−ヘプタンの混合溶液(酢酸エチル15mLとn−ヘプタン20mLから調整)で洗浄し、真空乾燥することにより、1回目再結晶品を31.3g得た。1回目再結晶品(湿ケーキ)の液体クロマトグラフィー純度は98.9%であった(4,5−オレフィン体0.9%、クロロ体0.1%未満、未知不純物0.1%)。反応から1回目再結晶までのトータル収率は78%であった。1回目再結晶品31.0gに、酢酸エチル93mLとn−ヘプタン124mlを加え、加熱溶解し、室温まで降温し、析出した結晶を濾過し、n−ヘプタンで洗浄し、真空乾燥することにより、2回目再結晶品を27.6g得た。2回目再結晶品(湿ケーキ)の液体クロマトグラフィー純度は99.8%(4,5−オレフィン体0.1%、クロロ体0.1%未満、未知不純物0.1%未満)であった。反応から2回目再結晶までのトータル収率は69%であった。得られた目的物の機器データは実施例1と同じであった。
この様に、実施例1と実施例2の反応自体は共に良好に進行しているが、後処理の比較をテーブル1に纏めるが、操作性、廃棄物量および脱塩効率の全ての点において実施例2の方が格段に優位である。
Figure 0005272395
[実施例3]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
Figure 0005272395
で示されるメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−α−D−ガラクトピラノシド507mg(1.001mmol、1.00eq)、アセトニトリル1mLとトリエチルアミン202mg(1.996mmol、1.99eq)を加え、内温を−78℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)304mg(1.999mmol、2.00eq)をボンベより吹き込み、室温で終夜攪拌した。反応終了液を酢酸エチルで希釈し、炭酸カリウム水溶液で洗浄し、有機層を回収した。回収有機層を減圧濃縮することにより、下記式
Figure 0005272395
で示されるメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシドの粗生成物を610mg得た。粗生成物の1H−NMRおよび19F−NMRより目的物が主生成物として含まれていることを確認した(実施例1の機器データとの比較により)。
[実施例4]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
Figure 0005272395
で示されるメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−α−D−ガラクトピラノシド300mg(0.592mmol、1.00eq)、アセトニトリル0.6mL、トリエチルアミン240mg(2.372mmol、4.01eq)とトリエチルアミン・三フッ化水素錯体95.5mg(0.592mmol、1.00eq)を加え、内温を−78℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)2,090mg(13.744mmol、23.22eq)をボンベより吹き込み、室温で終夜攪拌した。反応終了液を酢酸エチルで希釈し、炭酸カリウム水溶液で洗浄し、有機層を回収した。回収有機層を減圧濃縮することにより、下記式
Figure 0005272395
で示されるメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシドの粗生成物を492mg得た。粗生成物の1H−NMRおよび19F−NMRより目的物が主生成物として含まれていることを確認した(実施例1の機器データとの比較により)。

Claims (9)

  1. 一般式[1]
    Figure 0005272395
    で示されるD−ガラクトース誘導体[式中、Rはヒドロキシル基、炭素数1から6の直鎖または分枝のアルコキシ基、炭素数1から6の直鎖または分枝のアシルオキシ基、フッ素、塩素または臭素を表し、Rはそれぞれ独立にアセチル基、ベンゾイル基またはベンジル基を表し、波線はアノマー位の立体化学がα、β、または、αとβの混合物であることを表す]を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO)、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)またはパーフルオロブタンスルホニルフルオリド(CSOF)と反応させることにより、一般式[2]
    Figure 0005272395
    で示される4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体を含有する反応終了液を得、該反応終了液に水を加えて目的物を結晶として析出させ回収することを特徴とする、4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体の製造方法。
    [式中、Rはそれぞれ独立にアセチル基、ベンゾイル基またはベンジル基を表し、R炭素数1から6の直鎖または分枝のアルコキシ基、炭素数1から6の直鎖または分枝のアシルオキシ基、フッ素、塩素または臭素を表し、波線はアノマー位の立体化学がα、β、または、αとβの混合物であることを表す]
  2. 請求項1において、系中にさらに「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」を存在させて反応を行うことを特徴とする、請求項1に記載の4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2において、反応溶媒として水と混和する有機溶媒を用い、且つ用いた反応溶媒の3分の1容量以上3倍容量以下の水を、反応終了液に加えて目的物を結晶として析出させ回収することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の4−デオキシ−4−フルオロ−D−グルコース誘導体の製造方法。
  4. 一般式[3]
    Figure 0005272395
    で示されるα−D−ガラクトピラノシド誘導体を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO)またはトリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)と反応させることにより、一般式[4]
    Figure 0005272395
    で示される4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシド誘導体を含有する反応終了液を得、該反応終了液に水を加えて目的物を結晶として析出させ回収することを特徴とする、4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシド誘導体の製造方法。
    [一般式[3]および一般式[4]中、Rはそれぞれ独立にアセチル基、ベンゾイル基またはベンジル基を表し、R炭素数1から6の直鎖または分枝のアルキル基を表す]
  5. 請求項において、系中にさらに「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」を存在させて反応を行うことを特徴とする、請求項に記載の4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシド誘導体の製造方法。
  6. 請求項または請求項において、反応溶媒として水と混和する有機溶媒を用い、且つ用いた反応溶媒の3分の1容量以上3倍容量以下の水を、反応終了液に加えて目的物を結晶として析出させ回収することを特徴とする、請求項または請求項に記載の4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシド誘導体の製造方法。
  7. 式[5]
    Figure 0005272395
    で示されるメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−α−D−ガラクトピラノシドをトリエチルアミンの存在下にスルフリルフルオリド(SO)と反応させることにより、式[6]
    Figure 0005272395
    で示されるメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシドを含有する反応終了液を得、該反応終了液に水を加えて目的物を結晶として析出させ回収することを特徴とする、メチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシドの製造方法。
    [式[5]および式[6]中、Meはメチル基を表し、Bzはベンゾイル基を表す]
  8. 請求項において、系中にさらに「トリエチルアミンとフッ化水素からなる塩または錯体」を存在させて反応を行うことを特徴とする、請求項に記載のメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシドの製造方法。
  9. 請求項または請求項において、反応溶媒として水と混和する有機溶媒を用い、且つ用いた反応溶媒の3分の1容量以上3倍容量以下の水を、反応終了液に加えて目的物を結晶として析出させ回収することを特徴とする、請求項または請求項に記載のメチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−デオキシ−4−フルオロ−α−D−グルコピラノシドの製造方法。
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