JP2002193993A - パーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンの製造方法 - Google Patents
パーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンの製造方法Info
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- JP2002193993A JP2002193993A JP2000398256A JP2000398256A JP2002193993A JP 2002193993 A JP2002193993 A JP 2002193993A JP 2000398256 A JP2000398256 A JP 2000398256A JP 2000398256 A JP2000398256 A JP 2000398256A JP 2002193993 A JP2002193993 A JP 2002193993A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ハロゲン溶媒での抽出操作や多工程といっ
た、従来の工業的製法の欠点を解消し、供給量に制限の
ない、効率的なパーベンゾイル化2’−デオキシアデノ
シンの製造方法を提供する。 【解決手段】 特定の溶媒を添加して目的物のみを晶析
単離する。 【効果】 抽出操作を回避し、必須であったハロゲン溶
媒の使用を避け、さらに抽出操作に伴って発生した洗浄
・濃縮操作を簡略化することを可能とし、工業的製法と
しての欠点を解消し、供給量に制限のない、効率的なパ
ーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンの製造方法を
提供できる。
た、従来の工業的製法の欠点を解消し、供給量に制限の
ない、効率的なパーベンゾイル化2’−デオキシアデノ
シンの製造方法を提供する。 【解決手段】 特定の溶媒を添加して目的物のみを晶析
単離する。 【効果】 抽出操作を回避し、必須であったハロゲン溶
媒の使用を避け、さらに抽出操作に伴って発生した洗浄
・濃縮操作を簡略化することを可能とし、工業的製法と
しての欠点を解消し、供給量に制限のない、効率的なパ
ーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンの製造方法を
提供できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般式〔3〕[化4]
【0002】
【化4】
【0003】で表わされるパーベンゾイル化2’−デオ
キシアデノシンの製造方法に関する。近年、このパーベ
ンゾイル化2’−デオキシアデノシンは、各種抗ウイル
ス剤、抗ガン剤、抗クローン病剤および抗リュウマチ剤
として開発されつつあるオリゴヌクレオチド誘導体やア
ンチセンスDNAの製造原料として、有用な化合物とし
て注目されている。
キシアデノシンの製造方法に関する。近年、このパーベ
ンゾイル化2’−デオキシアデノシンは、各種抗ウイル
ス剤、抗ガン剤、抗クローン病剤および抗リュウマチ剤
として開発されつつあるオリゴヌクレオチド誘導体やア
ンチセンスDNAの製造原料として、有用な化合物とし
て注目されている。
【0004】
【従来の技術】従来、パーベンゾイル化2’−デオキシ
アデノシンの製造法は、たとえば2’−デオキシアデノ
シンとベンゾイルハライドとを反応させ、N6,N6,
3’,5’−O−テトラベンゾイル−2’−デオキシア
デノシンを合成し、これをクロロホルムあるいはジクロ
ロメタンで抽出し、その溶液を洗浄および濃縮操作して
得る方法〔Chem.Lett.,859(197
3)、Synthesis,965(1984)、JA
CS,3821(1963)など〕が知られている。
アデノシンの製造法は、たとえば2’−デオキシアデノ
シンとベンゾイルハライドとを反応させ、N6,N6,
3’,5’−O−テトラベンゾイル−2’−デオキシア
デノシンを合成し、これをクロロホルムあるいはジクロ
ロメタンで抽出し、その溶液を洗浄および濃縮操作して
得る方法〔Chem.Lett.,859(197
3)、Synthesis,965(1984)、JA
CS,3821(1963)など〕が知られている。
【0005】従来技術によるパーベンゾイル化2’−デ
オキシアデノシンの製造法は、工業的製法として、次の
ような問題点がある。すなわち、 1)抽出溶媒がハロゲン溶媒である。 2)抽出後、水洗浄工程と濃縮工程が必要で、工程数が
多い。 上記問題点のうち、1)に示した課題を解決する手段と
して、抽出溶媒をハロゲン溶媒以外の溶媒に変更する方
法が容易に考えられる。しかし、各種汎用溶媒に対する
パーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンの溶解性を
測定したところ、〔表−1〕[表1]に示した通り、ハ
ロゲン溶媒以外では溶解性が低く、実用的な濃度で抽出
できない事実が判明した。ハロゲン溶媒でないトルエン
や酢酸エチルなどによる抽出操作は、大変希薄な濃度で
抽出操作をおこなう必要があり、実用的でない。すなわ
ち、抽出を行う限り、ハロゲン溶媒の使用を避けること
はできない。
オキシアデノシンの製造法は、工業的製法として、次の
ような問題点がある。すなわち、 1)抽出溶媒がハロゲン溶媒である。 2)抽出後、水洗浄工程と濃縮工程が必要で、工程数が
多い。 上記問題点のうち、1)に示した課題を解決する手段と
して、抽出溶媒をハロゲン溶媒以外の溶媒に変更する方
法が容易に考えられる。しかし、各種汎用溶媒に対する
パーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンの溶解性を
測定したところ、〔表−1〕[表1]に示した通り、ハ
ロゲン溶媒以外では溶解性が低く、実用的な濃度で抽出
できない事実が判明した。ハロゲン溶媒でないトルエン
や酢酸エチルなどによる抽出操作は、大変希薄な濃度で
抽出操作をおこなう必要があり、実用的でない。すなわ
ち、抽出を行う限り、ハロゲン溶媒の使用を避けること
はできない。
【0006】
【表1】〔表−1〕N6,N6,3’,5’−O−テト
ラベンゾイル−2’−デオキシアデノシン〔3〕1gを
溶解するのに必要な溶媒量 溶媒 体積(mL) クロロホルム 5以下 ピリジン 6 酢酸エチル 70 トルエン 170 メタノール 140 エタノール 200
ラベンゾイル−2’−デオキシアデノシン〔3〕1gを
溶解するのに必要な溶媒量 溶媒 体積(mL) クロロホルム 5以下 ピリジン 6 酢酸エチル 70 トルエン 170 メタノール 140 エタノール 200
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ハロ
ゲン溶媒の使用、抽出操作および抽出に伴う溶媒の回収
等の従来の工業的製法の欠点を解消し、供給量に制限の
ない、パーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンの効
率的な製造方法を提供することである。
ゲン溶媒の使用、抽出操作および抽出に伴う溶媒の回収
等の従来の工業的製法の欠点を解消し、供給量に制限の
ない、パーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンの効
率的な製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは鋭
意検討をおこない、2’−デオキシアデノシンを、ベン
ゾイル誘導体と反応させて得た反応混合物に、特定の溶
媒を添加することにより、パーベンゾイル化2’−デオ
キシアデノシン を選択的に晶析し、効率的なパーベン
ゾイル化2’−デオキシアデノシンの製造方法を確立
し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、[1]
一般式〔1〕[化5]
意検討をおこない、2’−デオキシアデノシンを、ベン
ゾイル誘導体と反応させて得た反応混合物に、特定の溶
媒を添加することにより、パーベンゾイル化2’−デオ
キシアデノシン を選択的に晶析し、効率的なパーベン
ゾイル化2’−デオキシアデノシンの製造方法を確立
し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、[1]
一般式〔1〕[化5]
【0009】
【化5】
【0010】で表わされる2’−デオキシアデノシン
を、一般式〔2〕[化6]
を、一般式〔2〕[化6]
【0011】
【化6】
【0012】(式中、Xは水酸基、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子を表わす。)で表わされるベ
ンゾイル誘導体と反応させ、得られた反応混合物に溶媒
を添加し、一般式〔3〕[化7]
子、臭素原子、ヨウ素原子を表わす。)で表わされるベ
ンゾイル誘導体と反応させ、得られた反応混合物に溶媒
を添加し、一般式〔3〕[化7]
【0013】
【化7】
【0014】で表わされるパーベンゾイル化2’−デオ
キシアデノシンを晶析して単離することを特徴とする、
パーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンの製造方法
であり、[2] 添加する溶媒が、アルコール系溶媒で
ある[1]に記載のパーベンゾイル化2’−デオキシア
デノシンの製造方法であり、[3] 添加する溶媒が、
メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはブタ
ノールである[1]に記載のパーベンゾイル化2’−デ
オキシアデノシンの製造方法である。
キシアデノシンを晶析して単離することを特徴とする、
パーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンの製造方法
であり、[2] 添加する溶媒が、アルコール系溶媒で
ある[1]に記載のパーベンゾイル化2’−デオキシア
デノシンの製造方法であり、[3] 添加する溶媒が、
メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはブタ
ノールである[1]に記載のパーベンゾイル化2’−デ
オキシアデノシンの製造方法である。
【0015】
【発明実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。ベ
ンゾイル誘導体としては、たとえば、安息香酸、フッ化
ベンゾイル、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、ヨー化
ベンゾイルを挙げることができる。安息香酸の場合に
は、適当な縮合剤の存在下に反応させることができる。
縮合剤としては、通常のエステル化あるいはアミド化に
用いられるものが利用できるが、例えば、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド、チオニルクロリド、オキザリルク
ロリド、ホスゲン、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、
無水安息香酸、1,3−ジメチル−2−クロロイミダゾ
リニウム クロリド、1,3−ジメチル−2,2−ジフ
ルオロイミダゾリンなどを挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。
ンゾイル誘導体としては、たとえば、安息香酸、フッ化
ベンゾイル、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、ヨー化
ベンゾイルを挙げることができる。安息香酸の場合に
は、適当な縮合剤の存在下に反応させることができる。
縮合剤としては、通常のエステル化あるいはアミド化に
用いられるものが利用できるが、例えば、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド、チオニルクロリド、オキザリルク
ロリド、ホスゲン、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、
無水安息香酸、1,3−ジメチル−2−クロロイミダゾ
リニウム クロリド、1,3−ジメチル−2,2−ジフ
ルオロイミダゾリンなどを挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。
【0016】本反応は、塩基の存在下に行うことができ
る。通常のエステル化あるいはアミド化に用いられるも
のが利用できるが、例えば、ピリジン、トリエチルアミ
ン、エチルジイソプロピルアミンなどを挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。
る。通常のエステル化あるいはアミド化に用いられるも
のが利用できるが、例えば、ピリジン、トリエチルアミ
ン、エチルジイソプロピルアミンなどを挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。
【0017】本反応の反応溶媒としては、反応を阻害し
ない限り限定されないが、例えば、ジイソプロピルエー
テル、テトラヒドロフラン、およびジオキサンなどのエ
ーテル類、n−ペンタン、n−ヘキサン、およびシクロ
ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トル
エン、キシレン、およびハロゲン化ベンゼン、ピリジン
などの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエトル
ケトン、およびメチルイソブチルケトンなどのケトン系
溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、およびジクロロ
エタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、またはアセト
ニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルイミダゾリジノン、およびこれらの混合溶
媒などが使用可能であるが、これらに限定されるもので
はない。なかでも、ピリジン、およびジメチルホルムア
ミド、ジメチルイミダゾリジノン、およびこれらの混合
物が特に好ましい。
ない限り限定されないが、例えば、ジイソプロピルエー
テル、テトラヒドロフラン、およびジオキサンなどのエ
ーテル類、n−ペンタン、n−ヘキサン、およびシクロ
ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トル
エン、キシレン、およびハロゲン化ベンゼン、ピリジン
などの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエトル
ケトン、およびメチルイソブチルケトンなどのケトン系
溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、およびジクロロ
エタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、またはアセト
ニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルイミダゾリジノン、およびこれらの混合溶
媒などが使用可能であるが、これらに限定されるもので
はない。なかでも、ピリジン、およびジメチルホルムア
ミド、ジメチルイミダゾリジノン、およびこれらの混合
物が特に好ましい。
【0018】本発明の2’−デオキシアデノシンとベン
ゾイル誘導体との反応は、たとえば次に述べる条件にお
いて行うことができる。2’−デオキシアデノシンに対
するベンゾイル誘導体の使用量は特に限定されないが、
3.0倍モルから6.0倍モルが好ましい。反応温度
は、−5℃から50℃まで可能であるが、好ましくは0
℃から30℃の範囲である。反応時間は、0.5時間か
ら5時間の間であれば良く、好ましくは1時間から4時
間の範囲である。
ゾイル誘導体との反応は、たとえば次に述べる条件にお
いて行うことができる。2’−デオキシアデノシンに対
するベンゾイル誘導体の使用量は特に限定されないが、
3.0倍モルから6.0倍モルが好ましい。反応温度
は、−5℃から50℃まで可能であるが、好ましくは0
℃から30℃の範囲である。反応時間は、0.5時間か
ら5時間の間であれば良く、好ましくは1時間から4時
間の範囲である。
【0019】上記条件で実施した反応を停止するために
アルコール類を添加する。アルコール類の使用量はベン
ゾイル誘導体使用量の1.0倍モルから3.0倍モルで
あり、好ましくは1.1倍モルから2.0倍モルであ
る。使用するアルコール類としては、たとえば、メチル
アルコール、エチルアルコール、2−プロピルアルコー
ル、1−プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、
イソブチルアルコールなどが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。アルコール類を添加する際の温
度範囲は、−5℃から50℃であるが、0℃から30℃
が好ましい。
アルコール類を添加する。アルコール類の使用量はベン
ゾイル誘導体使用量の1.0倍モルから3.0倍モルで
あり、好ましくは1.1倍モルから2.0倍モルであ
る。使用するアルコール類としては、たとえば、メチル
アルコール、エチルアルコール、2−プロピルアルコー
ル、1−プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、
イソブチルアルコールなどが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。アルコール類を添加する際の温
度範囲は、−5℃から50℃であるが、0℃から30℃
が好ましい。
【0020】上記操作で得られた反応液を、パーベンゾ
イル化2’−デオキシアデノシン理論収量の1倍重量か
ら10倍重量、好ましくは1.5倍重量から5倍重量の
間になるように、反応溶媒を添加あるいは減圧下濃縮し
て調整した後、溶媒を添加することにより、パーベンゾ
イル化2’−デオキシアデノシンを選択的に晶析する。
イル化2’−デオキシアデノシン理論収量の1倍重量か
ら10倍重量、好ましくは1.5倍重量から5倍重量の
間になるように、反応溶媒を添加あるいは減圧下濃縮し
て調整した後、溶媒を添加することにより、パーベンゾ
イル化2’−デオキシアデノシンを選択的に晶析する。
【0021】この時添加する溶媒としては、各種溶媒が
使用できるが、アルコール系の溶媒が好ましく、特にメ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イ
ソプロパノールが好ましい。添加する特定の反応溶媒の
使用量は、特に限定されないが、反応液濃縮後の重量の
1倍重量から10倍重量で可能であり、好ましくは2倍
重量から5倍重量の間である。溶媒を添加する温度は、
−10℃から50℃まで可能であるが、好ましくは0℃
から30℃の間である。上記の操作によって析出するパ
ーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンは、ろ過によ
って容易に単離できる。
使用できるが、アルコール系の溶媒が好ましく、特にメ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イ
ソプロパノールが好ましい。添加する特定の反応溶媒の
使用量は、特に限定されないが、反応液濃縮後の重量の
1倍重量から10倍重量で可能であり、好ましくは2倍
重量から5倍重量の間である。溶媒を添加する温度は、
−10℃から50℃まで可能であるが、好ましくは0℃
から30℃の間である。上記の操作によって析出するパ
ーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンは、ろ過によ
って容易に単離できる。
【0022】以上、本発明により、パーベンゾイル化
2’−デオキシアデノシンをより効率的に製造できるよ
うになった。
2’−デオキシアデノシンをより効率的に製造できるよ
うになった。
【0023】
【実施例】以下において、実施例と比較例をあげて本発
明を説明するが、本発明はこれらによって限定されるも
のではない。 実施例1 N6,N6,3’,5’−O−テトラベンゾイル−2’
−デオキシアデノシン〔4〕の製造[化8]
明を説明するが、本発明はこれらによって限定されるも
のではない。 実施例1 N6,N6,3’,5’−O−テトラベンゾイル−2’
−デオキシアデノシン〔4〕の製造[化8]
【0024】
【化8】
【0025】反応器に、2’−デオキシアデノシン1水
和物10.7g(39.8ミリモル)とピリジン50m
Lを仕込み、減圧下40℃以下にて共沸脱水する操作
を、2回繰り返した。得られた固形物にピリジン120
mLを加え溶解したのち、5℃から8℃で攪拌しなが
ら、ベンゾイルクロリド33.6g(239ミリモル)
を25分間で滴下装入し、さらに24℃にて3時間攪拌
した。2’−デオキシアデノシンがすべて消費されたこ
とをTLCにて確認したのち、反応液を氷冷下5℃から
8℃に冷却してメタノール13g(406ミリモル、ベ
ンゾイルクロライド使用量の1.7倍モル)を装入し
た。得られた反応混合物を、減圧下40℃にて116.
3g(理論収量の4.4倍重量)まで濃縮した。上記濃
縮物を攪拌しながら、メタノール450mL(濃縮後重
量の3.9倍体積)を加えると析出物が観察され、さら
に氷冷下5℃から8℃で攪拌した。生じた析出物をろ取
し、少量のメタノールで洗浄した。洗浄結晶を、減圧乾
燥して、N6,3,5−テトラベンゾイル−2’−デオ
キシアデノシン23.34gを得た。2’−デオキシア
デノシンを基準とする収率は88%であった。また、上
記N6,3,5−テトラベンゾイル−2’−デオキシア
デノシンを高速液体クロマトグラフ法(逆相カラム、溶
離液:水/アセトニトリル、検出波長:254nm)に
て分析した結果、99.0面積%であった。
和物10.7g(39.8ミリモル)とピリジン50m
Lを仕込み、減圧下40℃以下にて共沸脱水する操作
を、2回繰り返した。得られた固形物にピリジン120
mLを加え溶解したのち、5℃から8℃で攪拌しなが
ら、ベンゾイルクロリド33.6g(239ミリモル)
を25分間で滴下装入し、さらに24℃にて3時間攪拌
した。2’−デオキシアデノシンがすべて消費されたこ
とをTLCにて確認したのち、反応液を氷冷下5℃から
8℃に冷却してメタノール13g(406ミリモル、ベ
ンゾイルクロライド使用量の1.7倍モル)を装入し
た。得られた反応混合物を、減圧下40℃にて116.
3g(理論収量の4.4倍重量)まで濃縮した。上記濃
縮物を攪拌しながら、メタノール450mL(濃縮後重
量の3.9倍体積)を加えると析出物が観察され、さら
に氷冷下5℃から8℃で攪拌した。生じた析出物をろ取
し、少量のメタノールで洗浄した。洗浄結晶を、減圧乾
燥して、N6,3,5−テトラベンゾイル−2’−デオ
キシアデノシン23.34gを得た。2’−デオキシア
デノシンを基準とする収率は88%であった。また、上
記N6,3,5−テトラベンゾイル−2’−デオキシア
デノシンを高速液体クロマトグラフ法(逆相カラム、溶
離液:水/アセトニトリル、検出波長:254nm)に
て分析した結果、99.0面積%であった。
【0026】参考例1 N6−ベンゾイル−2’−デオキシアデノシン〔5〕の
製造[化9]
製造[化9]
【0027】
【化9】
【0028】上記操作で製造したN6,N6,3,5−
O−テトラベンゾイル−2’−デオキシアデノシン1
1.5g(17.2ミリモル)をピリジン69mLとメ
タノール46mLの混合溶媒中にとり、氷冷下4℃から
6℃にて懸濁状態で攪拌しながら2規定水酸化ナトリウ
ム溶液26.20g(水酸化ナトリウムとして53.3
ミリモル)を20分かけて滴下し、同温度でさらに40
分攪拌し反応した。この水酸化ナトリウム溶液の添加に
より溶液は懸濁状態から溶解に変化した。TLCにて原
料が消費されたことを確認したのち、反応液を氷冷下2
℃から4℃にて攪拌しながら、予め冷却した2モル/L
塩酸27.6gを35分かけ滴下しpH6.9からpH
7.0の間に中和した。この反応液を減圧下40℃以下
で55.3g(理論収量の9.0倍重量)まで濃縮後、
水120.8gを添加した。得られた水溶液を酢酸エチ
ル170mLにて洗浄し水層を分離後、有機層から水で
2回目的物を抽出した。水層を合わせ減圧下40℃以下
で132g(理論収量の21.6倍重量)まで濃縮後、
氷冷すると目的物の結晶が析出した。得られた結晶をろ
取し、結晶を少量の水および酢酸エチルで洗浄後、減圧
下室温にて48時間乾燥し、N6−ベンゾイル−2’−
デオキシアデノシン4.82gを得た。N6,N6,
3’,5’−O−テトラベンゾイル−2’−デオキシア
デノシン〔4〕を基準とする収率は78.8%であっ
た。また高速液体クロマトグラフ法(逆相カラム、溶離
液:水/アセトニトリル、検出波長:254nm)で分
析した結果、N6−ベンゾイル−2’−デオキシシチジ
ンは99.5面積%であった。
O−テトラベンゾイル−2’−デオキシアデノシン1
1.5g(17.2ミリモル)をピリジン69mLとメ
タノール46mLの混合溶媒中にとり、氷冷下4℃から
6℃にて懸濁状態で攪拌しながら2規定水酸化ナトリウ
ム溶液26.20g(水酸化ナトリウムとして53.3
ミリモル)を20分かけて滴下し、同温度でさらに40
分攪拌し反応した。この水酸化ナトリウム溶液の添加に
より溶液は懸濁状態から溶解に変化した。TLCにて原
料が消費されたことを確認したのち、反応液を氷冷下2
℃から4℃にて攪拌しながら、予め冷却した2モル/L
塩酸27.6gを35分かけ滴下しpH6.9からpH
7.0の間に中和した。この反応液を減圧下40℃以下
で55.3g(理論収量の9.0倍重量)まで濃縮後、
水120.8gを添加した。得られた水溶液を酢酸エチ
ル170mLにて洗浄し水層を分離後、有機層から水で
2回目的物を抽出した。水層を合わせ減圧下40℃以下
で132g(理論収量の21.6倍重量)まで濃縮後、
氷冷すると目的物の結晶が析出した。得られた結晶をろ
取し、結晶を少量の水および酢酸エチルで洗浄後、減圧
下室温にて48時間乾燥し、N6−ベンゾイル−2’−
デオキシアデノシン4.82gを得た。N6,N6,
3’,5’−O−テトラベンゾイル−2’−デオキシア
デノシン〔4〕を基準とする収率は78.8%であっ
た。また高速液体クロマトグラフ法(逆相カラム、溶離
液:水/アセトニトリル、検出波長:254nm)で分
析した結果、N6−ベンゾイル−2’−デオキシシチジ
ンは99.5面積%であった。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法では、パーベンゾイル化
2’−デオキシアデノシンを抽出せずに晶析して単離す
るので、従来必要であったクロロホルムやジクロロメタ
ンなどのハロゲン溶媒が不要になった上に、従来法で必
須だった抽出・洗浄・濃縮の操作が不要になり、工程数
が削減され、効率的にパーベンゾイル化2’−デオキシ
アデノシンを製造できる。
2’−デオキシアデノシンを抽出せずに晶析して単離す
るので、従来必要であったクロロホルムやジクロロメタ
ンなどのハロゲン溶媒が不要になった上に、従来法で必
須だった抽出・洗浄・濃縮の操作が不要になり、工程数
が削減され、効率的にパーベンゾイル化2’−デオキシ
アデノシンを製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 敏之 千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式 会社内 Fターム(参考) 4C057 AA17 AA18 BB02 DD01 LL29 LL42
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式〔1〕[化1] 【化1】 で表わされる2’−デオキシアデノシンを、一般式
〔2〕[化2] 【化2】 (式中、Xは水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子
またはヨウ素原子を表わす。)で表わされるベンゾイル
誘導体と反応させ、得られた反応混合物に溶媒を添加
し、一般式〔3〕[化3] 【化3】 (式中、Rは水素原子またはベンゾイル基を表わす。)
で表わされるパーベンゾイル化2’−デオキシアデノシ
ンを晶析して単離することを特徴とする、パーベンゾイ
ル化2’−デオキシアデノシンの製造方法。 - 【請求項2】 添加する溶媒が、アルコール系溶媒であ
る請求項1記載のパーベンゾイル化2’−デオキシアデ
ノシンの製造方法。 - 【請求項3】 添加する溶媒が、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノールまたはブタノールである請求項1
記載のパーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000398256A JP2002193993A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | パーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000398256A JP2002193993A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | パーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンの製造方法 |
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Family
ID=18863259
Family Applications (1)
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JP2000398256A Pending JP2002193993A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | パーベンゾイル化2’−デオキシアデノシンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002193993A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112341509A (zh) * | 2019-08-08 | 2021-02-09 | 新乡瑞诚科技股份有限公司 | 一种n6-苯甲酰腺苷的制备方法 |
-
2000
- 2000-12-27 JP JP2000398256A patent/JP2002193993A/ja active Pending
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