JP2009155248A - 酸弗化物類の製造方法 - Google Patents

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章央 石井
Manabu Yasumoto
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Abstract

【課題】酸弗化物類の工業的な(大量規模での生産に適した)製造方法を提供する。
【解決手段】カルボン酸類を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO22)、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)またはパーフルオロブタンスルホニルフルオリド(CSOF)と反応させることにより酸弗化物類が好適に製造できることを新たに見出した。さらに好適な後処理操作として、酸弗化物類を含む反応終了液から蒸留により目的物を回収することにより、酸弗化物類が加水分解されることなく脱塩が効率良く行え、操作性も極めて簡便で高い生産性を可能にした。
【選択図】なし

Description

本発明は、医農薬中間体として重要な酸弗化物類の工業的な(大量規模での生産に適した)製造方法に関する。
酸弗化物類は、医農薬中間体として重要である。従来、本化合物は3フッ化ジエチルアミノイオウ(DAST)(非特許文献1)、3フッ化アリールイオウ(ArSF)(特許文献1)、N,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルアミン(石川試薬)(非特許文献2)、シアヌル酸フルオリド(非特許文献3)またはフッ化水素/ピリジン/1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド系(HF/Py/DCC系)(非特許文献4)等を用いて合成されていた。しかしながら、これらの反応剤は(1)爆発の危険性があること、(2)高価であること、(3)本剤自体の煩雑な調製が必要なこと、または(4)本剤に由来する有機性の廃棄物が量論的に副生すること等の問題があり、少量スケールでの合成に限られ、工業的な製造方法として採用されることはなかった。
また、本発明の好適な反応剤であるスルフリルフルオリド(SO)と酸化状態の異なる弗化チオニル(SOF)を用いる方法も開示されているが(特許文献2)、本剤は大量規模で入手することが困難であり、さらに高温高圧の反応条件を必要とした。
この様に、酸弗化物類を工業的に製造することができなかった。
一方、本出願人は、スルフリルフルオリドと有機塩基の組み合わせによるアルコール類の脱ヒドロキシフッ素化反応(必要に応じて「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に本反応を行うこともできる)を開示した(特許文献3)。
Tetrahedron Letters(英国),第25巻,第10号,1984年,p.1019−1022 日本化学会誌(日本),第11号,1985年,p.2161−2168 Synthesis(ドイツ),1973年,p.487−488 Journal of Fluorine Chemistry(オランダ),2002年,第115巻,p.75−77 米国特許第 7,265,247 号 英国特許第 908177号 国際公開2006/098444号パンフレット(特開2006−290870号公報)
本発明の目的は、酸弗化物類の工業的な製造方法を提供することにある。そのためには、従来技術の問題を解決する必要があり、爆発の危険性がなく且つ安価な反応剤に置き換えることが最重要課題として挙げられる。さらに、大量規模での入手が容易で且つ廃棄物も問題とならない反応剤を用いて、温和な条件で反応が行える製造方法を見出すことも重要である。
本発明者らは、上記の課題を踏まえて鋭意検討した結果、特許文献3で開示したスルフリルフルオリドと有機塩基の組み合わせによるアルコール類の脱ヒドロキシフッ素化反応が、本発明のカルボン酸類から酸弗化物類への変換反応に極めて好適に適応でき、目的物である酸弗化物類が収率良く得られることを新たに見出した。本反応では、混合酸無水物化に引き続いてフッ素置換が起こるが、原料としてα位炭素原子上に水素原子を有するカルボン酸類を用いても、望むフッ素置換がケテン類を副生する脱水反応に優先して良好に進行する。また本反応は、高温高圧の反応条件を必要とせず非常に温和な条件で反応を行うことができる。よって、目的物との分離が難しい不純物を殆ど副生することなく、簡便な精製操作で純度の高い酸弗化物類を得ることができる。
本発明では、反応剤としてスルフリルフルオリド以外にトリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)またはパーフルオロブタンスルホニルフルオリド(CSOF)を用いても同様の反応性が得られる。
その中でもスルフリルフルオリドおよびトリフルオロメタンスルホニルフルオリドが好ましく、特にスルフリルフルオリドがより好ましい。特に好適な反応剤であるスルフリルフルオリドはフッ素の原子経済性が高く、また燻蒸剤として広く利用されていることから大量規模での入手が容易であり、さらに最終廃棄物として蛍石(CaF)に処理することができる。本剤を用いる場合、反応終了液には「フルオロ硫酸と有機塩基の塩」が量論的に含まれることになる。本塩が目的物の粗生成物または製品中に残存すると、フルオロ硫酸自体の好ましくない毒性以外に、酸触媒として作用することで酸弗化物の加水分解が起こったり、粗生成物の精製における回収率が低下したり、経時的な分解によりフッ素イオン濃度が増加する等の問題を引き起こす。よって、後処理において本塩を効率良く除去することが重要な課題になる。本発明者らは、特許文献3において、アルコール類の脱ヒドロキシフッ素化反応で得られる目的物と本塩を含む有機層を水またはアルカリ水溶液で洗浄することにより、水溶性の高い本塩が水層側に効率良く且つ選択的に移行することを見出し、有機層の水洗が本塩の有効な除去方法になることを開示した。しかしながら、本発明の目的物である酸弗化物類は対応する酸塩化物類に比べてその程度は遅いものの加水分解が除々に進行するため、特許文献3で開示された水洗による除去方法を必ずしも好適に適応することができなかった。そこで本発明者らは目的物である酸弗化物類の沸点が比較的低いことに着目し、目的物を含む反応終了液を直接、蒸留することにより、酸弗化物類が加水分解されることなく収率良く回収できることを新たに見出した。この時、「フルオロ硫酸と有機塩基の塩」は蒸留で回収される留分には殆ど含まれず、釜残に選択的に濃縮される。本後処理操作は目的物の物性を旨く利用したものであり、脱塩が効率良く行えるだけでなく操作性も極めて簡便で高い生産性を可能にした。
また同様に、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドまたはパーフルオロブタンスルホニルフルオリドを用いた場合に量論的に副生する「パーフルオロアルカンスルホン酸と有機塩基の塩」の脱塩操作においても上記の方法が好適に採用できる。しかしながら反応剤に由来する有機性の廃棄物という観点から見ると、トリフルオロメタンスルホン酸の回収再利用は比較的容易に行えるため、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドを用いる方がパーフルオロブタンスルホニルフルオリドに比べてより好ましい。
また本発明では有機塩基として三級アミンを用いることにより反応が特に良好に進行し、且つ三級アミンを用いても目的物である酸弗化物類と副反応(例えば、RCON ・F等[式中、Rはアルキル基を表す])を殆ど起こさないことを明らかにした。三級アミンの中でも比較的立体障害が大きくさらに回収再利用が容易な炭素数6から12のものが好ましく、特に大量規模での入手が容易なトリエチルアミンおよびトリn−ブチルアミンがより好ましい。
スルフリルフルオリドと有機塩基の組み合わせによるアルコール類の脱ヒドロキシフッ素化反応においては、「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に本反応を行うこともでき、存在下の方が非存在下に比べて目的物をより高い収率および選択性で得ることができた。しかしながら、本発明で対照とするカルボン酸類から酸弗化物類への変換反応においては、非存在下の方が逆に好適であることを明らかにした。
この様に、酸弗化物類の工業的な製造方法として極めて有用な方法を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は[発明1]から[発明4]を含み、酸弗化物類の工業的な製造方法を提供する。
[発明1]
一般式[1]
Figure 2009155248
で示されるカルボン酸類を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO)、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)またはパーフルオロブタンスルホニルフルオリド(CSOF)と反応させることにより、一般式[2]
Figure 2009155248
で示される酸弗化物類を製造する方法。
[式中、Rは水素原子、カルボキシル基、アルキル基または芳香環基を表す]
[発明2]
一般式[1]
Figure 2009155248
で示されるカルボン酸類を炭素数6から12の三級アミンの存在下にスルフリルフルオリド(SO)またはトリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)と反応させることにより、一般式[2]
Figure 2009155248
で示される酸弗化物類を製造する方法。
[式中、Rは水素原子、カルボキシル基、アルキル基または芳香環基を表す]
[発明3]
一般式[1]
Figure 2009155248
で示されるカルボン酸類をトリエチルアミンまたはトリn−ブチルアミンの存在下にスルフリルフルオリド(SO)と反応させることにより、一般式[2]
Figure 2009155248
で示される酸弗化物類を製造する方法。
[式中、Rは水素原子、カルボキシル基、アルキル基または芳香環基を表す]
[発明4]
発明1及至発明3の何れかにおいて、酸弗化物類を含む反応終了液から蒸留により目的物を回収することを特徴とする、発明1及至発明3の何れかに記載の酸弗化物類の製造方法。
本発明が従来技術に比べて有利な点を以下に述べる。
非特許文献1〜4および特許文献1に対しては、反応剤として爆発の危険性がなく且つ安価なスルフリルフルオリド、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドまたはパーフルオロブタンスルホニルフルオリドを用いることができる。特に好適なスルフリルフルオリドは燻蒸剤として広く利用されていることから大量規模での入手が容易であり(反応剤自体の煩雑な調製を必要とせず)、また最終廃棄物として蛍石に処理することができる(反応剤に由来する有機性の廃棄物を副生しない)。
特許文献2に対しては、反応剤の大量規模での入手が容易であり、高温高圧の反応条件を必要とせず非常に温和な条件で反応を行うことができる。
特許文献3に対しては、開示されたスルフリルフルオリドと有機塩基の組み合わせによるアルコール類の脱ヒドロキシフッ素化反応が、本発明のカルボン酸類から酸弗化物類への変換反応に極めて好適に適応できることを新たに見出した。さらに、後処理において酸弗化物類を含む反応終了液から蒸留により目的物を回収することにより、酸弗化物類が加水分解されることなく脱塩が効率良く行え、操作性も極めて簡便で高い生産性を可能にした。
本発明は、酸弗化物類が高い純度で収率良く得られるだけでなく、従来技術の問題点を全て解決し、工業的にも実施容易な製造方法である。
本発明の酸弗化物類の製造方法について詳細に説明する。
本発明は、一般式[1]で示されるカルボン酸類を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドまたはパーフルオロブタンスルホニルフルオリドと反応させることにより、一般式[2]で示される酸弗化物類を製造する方法である。本反応は反応中間体である混合酸無水物を単離することなく、1つの反応器内で混合酸無水物化とフッ素置換を連続的に行うことができる(反応工程)。さらに、後処理において酸弗化物類を含む反応終了液から蒸留により目的物を回収することにより、酸弗化物類が加水分解されることなく脱塩が効率良く行える(蒸留工程)。
(1)反応工程
一般式[1]で示されるカルボン酸類のRは、水素原子、カルボキシル基、アルキル基または芳香環基を表す。
アルキル基は、炭素数1から36の、直鎖または枝分れの鎖式、または環式(炭素数3以上の場合)を採ることができる(環式には単環式以外に、縮合多環式、架橋、スピロ環、環集合等も含まれる)。アルキル基の任意の炭素原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子等のヘテロ原子に、任意の数でさらに任意の組み合わせで置換することもできる[窒素原子は水素原子(スルホニル化される場合もある)、アルキル基、芳香環基、保護基等を有することができ、硫黄原子は酸素原子を有することもできる(−SO−または−SO−)]。また、アルキル基の任意の炭素原子に結合した2つの水素原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子に、任意の数でさらに任意の組み合わせで置換することもでき、それぞれの炭素原子を含めてイミノ基、カルボニル基またはチオカルボニル基になることができる[窒素原子は水素原子(スルホニル化される場合もある)、アルキル基、芳香環基、保護基等を有することができる]。さらに、アルキル基の任意の隣接する2つの炭素原子は、アルケニル基またはアルキニル基に、任意の数でさらに任意の組み合わせで置換することもできる。
芳香環基は、炭素数1から36の、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等の芳香族炭素水素基、またはピロリル基、フリル基、チエニル基、インドリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基等の窒素原子、酸素原子または硫黄原子等のヘテロ原子を含む芳香族複素環基を採ることができる(単環式以外に、縮合多環式、環集合等を採ることもできる)。
アルキル基または芳香環基は、任意の炭素原子上に、任意の数でさらに任意の組み合わせで、置換基を有することもできる。係る置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、アジド基、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基等の低級アルキル基、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基等の低級ハロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の低級アルコキシ基、フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基等の低級ハロアルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基等の低級アルキルアミノ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等の低級アルキルチオ基、シアノ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基(CONH)、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基等の低級アミノカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基等の不飽和基、フェニル基、ナフチル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基等の芳香環基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ピロリルオキシ基、フリルオキシ基、チエニルオキシ基等の芳香環オキシ基、ピペリジル基、ピペリジノ基、モルホリニル基等の脂肪族複素環基、ヒドロキシル基(フッ素原子に変換される場合もある)、ヒドロキシル基の保護体、アミノ基(アミノ酸またはペプチド残基も含む)の保護体、チオール基の保護体、アルデヒド基の保護体、カルボキシル基(酸弗化物に変換される場合もある)、カルボキシル基の保護体等が挙げられる。なお、本明細書において次の各用語は、それぞれ次に掲げる意味で用いられる。"低級"とは、炭素数1から6の、直鎖または枝分れの鎖式、または環式(炭素数3以上の場合)を意味する。"不飽和基"が二重結合の場合(アルケニル基)は、E体またはZ体の両方の幾何異性を採ることができる。"ヒドロキシル基、アミノ基(アミノ酸またはペプチド残基も含む)、チオール基、アルデヒド基およびカルボキシル基の保護基"としては、Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,1999,John Wiley & Sons,Inc.に記載された保護基等を使用することができる(2つ以上の官能基を1つの保護基で保護することもできる)。また、"不飽和基"、"芳香環基"、"芳香環オキシ基"および"脂肪族複素環基"には、ハロゲン原子、アジド基、ニトロ基、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、シアノ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、低級アミノカルボニル基、ヒドロキシル基(フッ素原子に変換される場合もある)、ヒドロキシル基の保護体、アミノ基(アミノ酸またはペプチド残基も含む)の保護体、チオール基の保護体、アルデヒド基の保護体、カルボキシル基(酸弗化物に変換される場合もある)、カルボキシル基の保護体等が置換することもできる。
本発明の重要な特徴である「酸弗化物類を含む反応終了液から蒸留により目的物を回収する」という後処理操作において、そのメリットを最大限に発揮させるには、目的物である一般式[2]で示される酸弗化物類の沸点が適度に低い方が、蒸留による回収が行い易く好適である。よって、原料である一般式[1]で示されるカルボン酸類のRがアルキル基または芳香環基の場合は、通常は炭素数1から24のものが好ましく、特に炭素数1から16のものがより好ましい。
反応剤としては、スルフリルフルオリド(SO)、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)またはパーフルオロブタンスルホニルフルオリド(CSOF)が挙げられる。その中でもスルフリルフルオリドおよびトリフルオロメタンスルホニルフルオリドが好ましく、特にスルフリルフルオリドがより好ましい。特により好ましいスルフリルフルオリドにはカルボキシル基との反応点が二つあるが、本発明の原料である一般式[1]で示されるカルボン酸類を用いても好適な反応条件を採用することにより、2分子のカルボン酸類と1分子のスルフリルフルオリドが反応することは殆どなく(スキーム1を参照)、目的とする混合酸無水物化とフッ素置換が連続して良好に進行することを新たに明らかにした。
Figure 2009155248
反応剤の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示されるカルボン酸類1モルに対して1モル以上を使用すればよく、通常は1〜10モルが好ましく、特に1〜5モルがより好ましい。
有機塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、ピリジン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,3,4−コリジン、2,4,5−コリジン、2,5,6−コリジン、2,4,6−コリジン、3,4,5−コリジン、3,5,6−コリジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)等が挙げられる。その中でも炭素数6から12の三級アミンが好ましく、特にトリエチルアミンおよびトリn−ブチルアミンがより好ましい。
有機塩基の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示されるカルボン酸類1モルに対して1モル以上を使用すればよく、通常は1〜20モルが好ましく、特に1〜10モルがより好ましい。
本発明はスキーム2に示す様に、例えばスルフリルフルオリドを用いることにより、一般式[1]で示されるカルボン酸類をフルオロ硫酸との混合酸無水物に変換でき、この混合酸無水物化の工程で反応系内に量論的に副生した「トリエチルアミンとフッ化水素からなる塩」がフッ素置換のフッ素源として有効に利用される。
Figure 2009155248
本発明においては、「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の存在下に反応を行うこともできる(実施例5および実施例6を参照)。しかしながら、本発明で対象とする変換反応においては本塩または錯体の存在下に敢えて反応を行う必要はなく、非存在下でも収率良く反応が進行する。逆に存在下では収率が著しく低下する場合があり、よって本発明においては非存在下に反応を行う方が好適である。
上記の「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」について補足説明する。本塩または錯体を構成する有機塩基は、反応に用いる上記の有機塩基を採用することができ、有機塩基とフッ化水素のモル比としては、100:1〜1:100の範囲であり、アルドリッチ(Aldrich、2007−2008総合カタログ)から市販されている、「トリエチルアミン1モルとフッ化水素3モルからなる錯体」、または「ピリジン〜30%(〜10モル%)とフッ化水素〜70%(〜90モル%)からなる錯体」を使用することができ、本塩または錯体の使用量としては、特に制限はない。
反応溶媒としては、特に制限はないが、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その中でもn−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、プロピオニトリルおよびジメチルスルホキシドが好ましく、特にトルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミドおよびアセトニトリルがより好ましい。これらの反応溶媒は単独または組み合わせて使用することができる。また本発明においては、無溶媒で反応を行うこともできる。
反応溶媒の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示されるカルボン酸類1モルに対して0.1L(リットル)以上を使用すればよく、通常は0.1〜20Lが好ましく、特に0.1〜10Lがより好ましい。
反応温度としては、特に制限はないが、−100〜+100℃の範囲で行えばよく、通常は−50〜+50℃が好ましく、特に−40〜+40℃がより好ましい。反応剤の沸点[例えば、スルフリルフルオリドの沸点(−49.7℃)]以上の温度条件で反応を行う場合には、耐圧反応容器を用いることができる。
圧力条件としては、特に制限はないが、大気圧〜2MPaの範囲で行えばよく、通常は大気圧〜0.5MPaが好ましく、特に大気圧〜0.4MPaがより好ましい。従って、ステンレス鋼(SUS)またはガラス(グラスライニング)の様な材質でできた耐圧反応容器を用いて反応を行うことが好ましい。
反応時間としては、特に制限はないが、0.1〜72時間の範囲で行えばよく、原料および反応条件により異なるため、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段により、反応の進行状況を追跡して原料が殆ど消失した時点を終点とすることが好ましい。
後処理としては、特に制限はないが、通常は反応終了液を有機溶媒(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテルまたは酢酸エチル等)で希釈し、水またはアルカリ金属の無機塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム等)の水溶液で洗浄し(「フルオロ硫酸と有機塩基の塩」の従来からの除去方法)、回収した有機層を濃縮することにより、一般式[2]で示される酸弗化物類を粗生成物として得ることができる(実施例5を参照)。得られた粗生成物は、必要に応じて活性炭処理、蒸留、再結晶等により高い化学純度に精製することができる。上記の通り、本発明においては「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」の非存在下に反応を行う方が好適であり、これによって得られる粗生成物のフッ化物イオン濃度を低く抑えることができる。しかしながら必要に応じて、フッ化ナトリウム、塩化カルシウム・二水和物等の無機脱弗剤と接触させることにより、または反応に使用する上記の有機塩基の存在下に蒸留することにより、効果的に脱弗することができる。
(2)蒸留工程
本発明の重要な特徴である「酸弗化物類を含む反応終了液から蒸留により目的物を回収する」という後処理操作を採用することにより、「フルオロ硫酸(またはパーフルオロアルカンスルホン酸)と有機塩基の塩」を蒸留後の釜残に選択的に濃縮することができ、本塩を殆ど含まない目的物を留分として収率良く回収することができる。本操作においては、酸弗化物類が加水分解されることなく脱塩が効率良く行え、操作性も極めて簡便で高い生産性を可能にする(実施例1、実施例2、実施例3、実施例4および実施例6を参照)。
蒸留の条件としては、目的物の沸点を考慮して、当業者によって、圧力およびバス温度(釜温度)を適宜設定することができるが、減圧蒸留が、蒸留温度を適度に低減できるために、好ましい。減圧蒸留を行う場合の減圧度(蒸留時の系内の絶対圧をいう。以下同じ)としては、特に制限はないが、大気圧未満の範囲で行えばよく、通常は50kPa以下が好ましく、特に25kPa以下がより好ましい。但し、0.1kPaを下回ると、蒸留の分離効率が下がり、かえって操作上、不都合になることがあるので、好ましくない。したがって、例えば0.5kPa〜25kPaの範囲で蒸留を行うことは、好ましい態様である。
また蒸留における塔頂温度は、上記減圧度に依存するが、バス温度としては、当然この塔頂温度よりも高い温度を設定する。バス温度も減圧度に依存することとなるが、この温度としては、200℃以下の範囲であり、通常は175℃以下が好ましく、特に150℃以下がより好ましい。バス温度に下限値はないが、20℃以上、さらに好ましくは40℃以上のバス温度で蒸留を行うと、蒸留が安定しやすいので、有利である。したがって、バス温度20〜175℃は好ましい温度として挙げられ、40〜150℃は一層好ましい温度である。回収した留分(フラクション)は、必要に応じて分別蒸留することにより、目的物をより高い純度で得ることができる。
本発明においては、反応に使用した有機塩基を回収再利用することができる。反応と蒸留を好適な操作条件下で行うと、使用後の有機塩基は、RfSOH[式中、Rfはフッ素原子、トリフルオロメチル基またはパーフルオロブチル基を表す]との塩の形で、釜残(蒸留残渣)から回収することができる。該釜残を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等から調製したアルカリ性水溶液で中和し、遊離した有機塩基を分液し、必要に応じて水洗または脱水操作を行い、蒸留することにより、有機塩基を高い化学純度で収率良く回収することができる。回収した有機塩基は、反応性が低下することなく再利用できる。当然、回収再利用はこの様な方法に限定されるものではないが、上記の方法で回収再利用を行うことが好ましく、よって反応に使用する有機塩基としては、脂溶性が高く、脱水し易く、且つ適度な沸点を有するものが好ましく、回収再利用の観点から見ても、炭素数6から12の三級アミンが好適であり、さらに大量規模での入手が容易なトリエチルアミンおよびトリn−ブチルアミンがより好適である。
本発明においては、カルボン酸類を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドまたはパーフルオロブタンスルホニルフルオリドと反応させることにより酸弗化物類を製造することができる(態様1)。
好ましくは、カルボン酸類を炭素数6から12の三級アミンの存在下にスルフリルフルオリドまたはトリフルオロメタンスルホニルフルオリドと反応させることにより酸弗化物類を製造することができる(態様2)。有機塩基に炭素数6から12の三級アミンを用い、且つ反応剤にスルフリルフルオリドまたはトリフルオロメタンスルホニルフルオリドを用いる組み合わせは、副反応の制御、廃棄物処理および回収再利用の容易性という観点から工業的な製造方法として優れている。
より好ましくは、カルボン酸類をトリエチルアミンまたはトリn−ブチルアミンの存在下にスルフリルフルオリドと反応させることにより酸弗化物類を製造することができる(態様3)。有機塩基にトリエチルアミンまたはトリn−ブチルアミンを用い、且つ反応剤にスルフリルフルオリドを用いる組み合わせは、大量規模での入手、廃棄物処理および回収再利用の容易性という観点から工業的な製造方法として特に優れている。
最後に工業的な製造方法としての操作性および生産性という観点も考慮すると、「酸弗化物類を含む反応終了液から蒸留により目的物を回収する」という後処理操作を組み合わせることにより、態様1は工業的な実施が容易な態様になり(態様4)、態様2は工業的な実施がより容易な態様になり(態様5)、態様3は工業的な実施が特に容易な態様になる(態様6)。
[実施例]
実施例により本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
SO/EtN系
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
Figure 2009155248
で示されるシクロヘキサンカルボン酸12.82g(100.02mmol、1.00eq)、アセトニトリル100mLとトリエチルアミン(EtN)20.24g(200.02mmol、2.00eq)を加え、−78℃の冷媒浴に浸し、スルフリルフルオリド(SO)31.00g(303.74mmol、3.04eq)をボンベより吹き込み、室温で終夜攪拌した。反応終了液の1H−NMRより変換率は100%であった。反応終了液を直接、減圧蒸留(塔頂温度80℃/減圧度11kPa)することにより、下記式
Figure 2009155248
で示されるシクロヘキサンカルボニルフルオリドを含む2つのフラクションを得た。各フラクションを1H−NMRより定量したところ、目的物が11.77g含まれていた。収率は90%であった。得られた目的物の機器データを下に示す。
1H−NMR(基準物質;(CHSi,重溶媒;CDCl3),δ ppm;1.32(m,3H),1.54(m,2H),1.66(m,1H),1.78(m,2H),1.98(m,2H),2.51(m,1H).
19F−NMR(基準物質;C,重溶媒;CDCl),δ ppm;−67.35(s,1F).
[実施例2]
SO/EtN系
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
Figure 2009155248
で示される安息香酸12.21g(99.98mmol、1.00eq)、アセトニトリル100mLとトリエチルアミン(EtN)20.24g(200.02mmol、2.00eq)を加え、−78℃の冷媒浴に浸し、スルフリルフルオリド(SO)24.80g(242.99mmol、2.43eq)をボンベより吹き込み、室温で終夜攪拌した。反応終了液の1H−NMRより変換率は100%であった。反応終了液を直接、減圧蒸留(塔頂温度65℃/減圧度4kPa)することにより、下記式
Figure 2009155248
で示されるベンゾイルフルオリドを含む2つのフラクションを得た。各フラクションを1H−NMRより定量したところ、目的物が11.21g含まれていた。収率は90%であった。得られた目的物の機器データを下に示す。
1H−NMR(基準物質;(CHSi,重溶媒;CDCl3),δ ppm;7.55(Ar−H,2H),7.73(Ar−H,1H),8.06(Ar−H,2H).
19F−NMR(基準物質;C,重溶媒;CDCl),δ ppm;179.84(s,1F).
[実施例3]
CFSOF/EtN系
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
Figure 2009155248
で示されるシクロヘキサンカルボン酸12.82g(100.02mmol、1.00eq)、アセトニトリル100mLとトリエチルアミン(EtN)20.24g(200.02mmol、2.00eq)を加え、−78℃の冷媒浴に浸し、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)32.00g(210.43mmol、2.10eq)をボンベより吹き込み、室温で終夜攪拌した。反応終了液の1H−NMRより変換率は100%であった。反応終了液を直接、減圧蒸留(塔頂温度80℃/減圧度11kPa)することにより、下記式
Figure 2009155248
で示されるシクロヘキサンカルボニルフルオリドを含む2つのフラクションを得た。各フラクションを1H−NMRにより定量したところ、目的物が12.12g含まれていた。収率は93%であった。得られた目的物の機器データは実施例1と同じであった。
[実施例4]
CFSOF/EtN系
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
Figure 2009155248
で示される安息香酸5.96g(48.80mmol、1.00eq)、アセトニトリル50mLとトリエチルアミン(EtN)9.88g(97.64mmol、2.00eq)を加え、−78℃の冷媒浴に浸し、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)18.00g(118.37mmol、2.43eq)をボンベより吹き込み、室温で終夜攪拌した。反応終了液の1H−NMRより変換率は100%であった。反応終了液を直接、減圧蒸留(塔頂温度65℃/減圧度4kPa)することにより、下記式
Figure 2009155248
で示されるベンゾイルフルオリドを含む2つのフラクションを得た。各フラクションを1H−NMRより定量したところ、目的物が5.51g含まれていた。収率は91%であった。
得られた目的物の機器データは実施例2と同じであった。
[実施例5]
CFSOF/EtN/EtN・3HF系
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
Figure 2009155248
で示されるシクロヘキサンカルボン酸6.40g(49.93mmol、1.00eq)、アセトニトリル50mL、トリエチルアミン(EtN)20.25g(200.12mmol、4.01eq)とトリエチルアミン・三フッ化水素錯体(EtN・3HF)8.05g(49.93mmol、1.00eq)を加え、−78℃の冷媒浴に浸し、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)16.90g(111.13mmol、2.23eq)をボンベより吹き込み、室温で終夜攪拌した。反応終了液の1H−NMRより変換率は100%であったが、不溶解物が相当量含まれていた。反応終了液を19F−NMRの内部標準法(内部標準物質;α,α,α−トリフルオロトルエン)で定量したところ、下記式
Figure 2009155248
で示されるシクロヘキサンカルボニルフルオリドが2.15g含まれていた。反応終了液の内部標準法による収率は33%であった。反応終了液をジイソプロピルエーテルで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を回収した(不溶解物は有機層にも水層にも溶解しなかった)。水層はさらにジイソプロピルエーテルで抽出し、得られた有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧蒸留(塔頂温度80℃/減圧度11kPa)した。得られた全てのフラクションを1H−NMRより定量したところ、目的物が1.43g含まれていた。収率は22%であった。得られた目的物の機器データは実施例1と同じであった。
[実施例6]
CFSOF/EtN/EtN・3HF系
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
Figure 2009155248
で示される安息香酸2.00g(16.38mmol、1.00eq)、アセトニトリル16mL、トリエチルアミン(EtN)6.63g(65.52mmol、4.00eq)とトリエチルアミン・三フッ化水素錯体(EtN・3HF)2.64g(16.38mmol、1.00eq)を加え、−78℃の冷媒浴に浸し、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)6.24g(41.03mmol、2.50eq)をボンベより吹き込み、室温で終夜攪拌した。反応終了液の1H−NMRより変換率は100%であった。反応終了液を直接、減圧蒸留(塔頂温度65℃/減圧度4kPa)することにより、下記式
Figure 2009155248
で示されるベンゾイルフルオリドを含む2つのフラクションを得た。各フラクションを1H−NMRより定量したところ、目的物が0.50g含まれていた。収率は25%であった。得られた目的物の機器データは実施例2と同じであった。

Claims (4)

  1. 一般式[1]
    Figure 2009155248
    で示されるカルボン酸類を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO)、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)またはパーフルオロブタンスルホニルフルオリド(CSOF)と反応させることにより、一般式[2]
    Figure 2009155248
    で示される酸弗化物類を製造する方法。
    [式中、Rは水素原子、カルボキシル基、アルキル基または芳香環基を表す]
  2. 一般式[1]
    Figure 2009155248
    で示されるカルボン酸類を炭素数6から12の三級アミンの存在下にスルフリルフルオリド(SO)またはトリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CFSOF)と反応させることにより、一般式[2]
    Figure 2009155248
    で示される酸弗化物類を製造する方法。
    [式中、Rは水素原子、カルボキシル基、アルキル基または芳香環基を表す]
  3. 一般式[1]
    Figure 2009155248
    で示されるカルボン酸類をトリエチルアミンまたはトリn−ブチルアミンの存在下にスルフリルフルオリド(SO)と反応させることにより、一般式[2]
    Figure 2009155248
    で示される酸弗化物類を製造する方法。
    [式中、Rは水素原子、カルボキシル基、アルキル基または芳香環基を表す]
  4. 請求項1及至請求項3の何れかにおいて、酸弗化物類を含む反応終了液から蒸留により目的物を回収することを特徴とする、請求項1及至請求項3の何れかに記載の酸弗化物類の製造方法。
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