JP5277837B2 - α−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の製造方法 - Google Patents

α−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、医農薬中間体として重要なα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の製造方法に関する。
α−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類は、医農薬中間体として重要である。本発明に関連する製造技術として、脱水剤に塩化チオニル(SOCl2)、五酸化二燐(P25)、無水酢酸[(CH3CO)2O]またはトリフルオロメタンスルホン酸無水物[(CF3SO22O]を用いる例が報告されている(非特許文献1から6、特許文献1)。その中でもトリフルオロメタンスルホン酸無水物による方法は、β位プロトンの酸性度が低い(所望の反応が進行し難い)原料基質にも適応できるため、最も優れた方法と考えられる。
本出願人は、スルフリルフルオリド(SO22)と有機塩基の組み合わせによるアルコール類の脱ヒドロキシフッ素化反応を開示している(特許文献2)。
US 2006/0004195 特開2006−290870号公報 Mendeleev Communications(ロシア),2006年,p.175−177 Izvestiya Akademi Nauk,Seriya Khimicheskaya(ロシア),1992年,p.2617−2623 Journal of Fluorine Chemistry(オランダ),1991年,第51巻,p.323−334 Zhurnal Organicheskoi Khimii(ロシア),1989年,第25巻,p.2523−2527 Journal of Fluorine Chemistry(オランダ),1982年,第21巻,p.377−384 Journal of the Chemical Society(英国),1961年,p.4519−4521
本発明の目的は、α−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の実用的な製造方法を提供することにある。そのためには、従来技術の問題点を解決する必要がある。
非特許文献1から6に対しては、隣接する電子求引基によりβ位プロトンの酸性度が高い原料基質や、中間体の脱離基(原料基質のヒドロキシル基から誘導された)が共役系の電子押し出しにより脱離し易い場合に限定され、基質適応範囲が非常に狭い。
特許文献1に対しては、広範な基質適応範囲が謳われているが、本発明の原料基質であるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類を用いた場合の具体的な反応条件(代表例と同様に行うとのみ記載)や収率が開示されていない。そこで該特許文献における好適な反応条件(脱水剤;トリフルオロメタンスルホン酸無水物、塩基;ピリジン、反応溶媒;塩化メチレン、温度条件;0から35℃)を採用して、本発明で対象とするα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類の脱水反応を追試したところ、収率が極めて低いことが判明した(後述の表−2の比較例1および表−3の比較例4を参照)。低収率の原因は中間体から目的生成物への脱離速度が極めて遅いことに起因しており、α−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の実用的な製造方法とは言い難いものであった(スキーム1を参照)。
また、トリフルオロメタンスルホン酸無水物はトリフルオロメタンスルホニル(CF3SO2)基を2つ有するが、中間体の脱離基への誘導にはその内の1つが利用されるだけであり、アトムエコノミーの観点からも好ましい脱水剤とは言えない。さらに、目的生成物1分子に対して、難分解性で廃棄に問題のあるトリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)を2分子の割合で副生するため、大量規模での生産に適した製造方法とも言えない。
この様に、基質適応範囲が広く、短時間で収率良く(生産性が高く)、反応剤のアトムエコノミーが高く廃棄物処理も問題とならない、実用的な製造方法が強く望まれていた。
本発明者らは、上記の課題を踏まえて鋭意検討した結果、α−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリドと反応させることにより、α−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類が製造できることを見出した。また、原料基質としては、β位置換基の片方が水素原子であり、他方がアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、芳香環基または置換芳香環基であり、さらにエステル基がアルキルエステルである場合がより好ましいことも明らかにした。該原料基質は入手が容易であり、所望の反応が良好に進行し、得られるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類も医農薬中間体として特に重要である。さらに、有機塩基としては、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)または1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)がより好ましいことも明らかにした。該有機塩基を用いることにより、所望の反応がさらに良好に進行する。
本発明の製造条件は、特許文献2で開示した脱ヒドロキシフッ素化反応の条件に類似するものであり、実際にα位ヒドロキシル基がフッ素原子に置換したフッ素化物も副生する[スキーム−1(実施例1)を参照]。しかしながら、本発明の原料基質であるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類を用いると、脱水体であるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類が選択的に得られることを見出した。
また、反応剤としては、同様の効果が期待されるトリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CF3SO2F)に比べてスルフリルフルオリドが変換率やGC純度において格段に優れていることも明らかにした(表−1の比較例2と実施例2の比較、および比較例3と実施例3の比較)。
さらに、有機塩基としては、トリエチルアミンでも所望の反応は良好に進行するが、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンの方がGC純度において優れており(表−1の実施例2と実施例3の比較、および表−2の実施例4と実施例5の比較)、トリエチルアミンよりも塩基性の強い有機塩基{具体的には、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン以外に、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、N,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デセ−5−エン(TBD)、BEMPおよびt−Bu−P4等のホスファゼンベース等}がより好ましいことも明らかにした。
この様に、α−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の製造方法として極めて有用な方法を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は[発明1]から[発明3]を含み、α−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の実用的な製造方法を提供する。
[発明1]
一般式[1]
で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO22)と反応させることにより、一般式[2]
で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類を製造する方法。
[式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、芳香環基、置換芳香環基、アルキルカルボニル基、置換アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、置換アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、置換アリールカルボニル基、シアノ基またはニトロ基を表し、R3はアルキル基または置換アルキル基を表す。一般式[2]の波線は、二重結合の立体化学がE体、Z体、またはE体とZ体の混合物であることを表す]
[発明2]
一般式[3]
で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO22)と反応させることにより、一般式[4]
で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類を製造する方法。
[式中、R4はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、芳香環基または置換芳香環基を表し、R5はアルキル基を表す。一般式[4]の波線は、二重結合の立体化学がE体、Z体、またはE体とZ体の混合物であることを表す]
[発明3]
発明1または発明2において、有機塩基が1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)または1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)であることを特徴とする、発明1または発明2に記載のα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の製造方法。
本発明が従来技術に比べて有利な点を以下に述べる。
本発明の製造方法は、基質適応範囲が広く、目的物を高い生産性で収率良く得ることができる。さらに、分離の難しい不純物を殆ど副生しないため、目的物を高い化学純度で得ることができる。本発明で用いるスルフリルフルオリドは、アトムエコノミーが高く、廃棄物処理においても蛍石(CaF2)や硫酸カルシウム(CaSO4)等の、特に問題とならない無機塩に簡便に処理することができる。また、スルフリルフルオリドは燻蒸剤として広く利用されており、特許文献1で開示されたトリフルオロメタンスルホン酸無水物やフルオロ硫酸無水物[(FSO22O]等の脱水剤に比べて大量に且つ安価に入手することができる。
この様に、本発明は従来技術の問題点を全て解決し、工業的にも実施可能な製造方法である。最後に、燻蒸剤であるスルフリルフルオリドを有機合成において脱水剤として使用した例は、本発明者らの知る限りにおいては報告されていない。
本発明のα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の製造方法について詳細に説明する。
本発明は、一般式[1]で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリドと反応させることにより、一般式[2]で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類を製造する方法である。
一般式[1]で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類のR1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、芳香環基、置換芳香環基、アルキルカルボニル基、置換アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、置換アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、置換アリールカルボニル基、シアノ基またはニトロ基を表す。その中でもそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、芳香環基および置換芳香環基が好ましく、特に片方が水素原子であり、他方がアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、芳香環基および置換芳香環基がより好ましい。
アルキル基は、炭素数が1から18の、直鎖または枝分れの鎖式、または環式(炭素数が3以上の場合)を採ることができる。アルケニル基は、上記のアルキル基の、任意の隣り合う2つの炭素原子の単結合が二重結合に、任意の数で置き換わり、該二重結合の立体化学はE体、Z体、またはE体とZ体の混合物を採ることができる。アルキニル基は、上記のアルキル基の、任意の隣り合う2つの炭素原子の単結合が三重結合に、任意の数で置き換わることができる。芳香環基は、炭素数が1から18の、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等の芳香族炭化水素基、またはピロリル基、フリル基、チエニル基、インドリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基等の窒素原子、酸素原子または硫黄原子等のヘテロ原子を含む芳香族複素環基を採ることができる。アルキルカルボニル基(−COR)のアルキル基(R)は、上記のアルキル基と同じである。アルコキシカルボニル基(−CO2R)のアルキル基(R)は、上記のアルキル基と同じである。アリールカルボニル基(−COAr)のアリール基(Ar)は、上記の芳香環基と同じである。
該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香環基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基およびアリールカルボニル基は、任意の炭素原子上に、任意の数でさらに任意の組み合わせで、置換基を有することもできる(それぞれ置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基、置換芳香環基、置換アルキルカルボニル基、置換アルコキシカルボニル基および置換アリールカルボニル基に対応する)。係る置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、アジド基、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基等の低級アルキル基、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基等の低級ハロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の低級アルコキシ基、フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基等の低級ハロアルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基等の低級アルキルアミノ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等の低級アルキルチオ基、シアノ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基(CONH2)、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基等の低級アミノカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基等の不飽和基、フェニル基、ナフチル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基等の芳香環基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ピロリルオキシ基、フリルオキシ基、チエニルオキシ基等の芳香環オキシ基、ピペリジル基、ピペリジノ基、モルホリニル基等の脂肪族複素環基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基の保護体、アミノ基(アミノ酸またはペプチド残基も含む)、アミノ基の保護体、チオール基、チオール基の保護体、アルデヒド基、アルデヒド基の保護体、カルボキシル基、カルボキシル基の保護体等が挙げられる。なお、本明細書において、次の各用語は、それぞれ次に掲げる意味で用いられる。“低級”とは、炭素数が1から6の、直鎖または枝分れの鎖式、または環式(炭素数が3以上の場合)を意味する。“不飽和基”が二重結合の場合(アルケニル基)は、E体またはZ体の両方の幾何異性を採ることができる。“ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、アルデヒド基およびカルボキシル基の保護基”としては、Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,1999,John Wiley & Sons,Inc.に記載された保護基等を用いることができる(2つ以上の官能基を1つの保護基で保護することもできる)。また、“不飽和基”、“芳香環基”、“芳香環オキシ基”および“脂肪族複素環基”には、ハロゲン原子、アジド基、ニトロ基、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、シアノ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、低級アミノカルボニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基の保護体、アミノ基、アミノ基の保護体、チオール基、チオール基の保護体、アルデヒド基、アルデヒド基の保護体、カルボキシル基、カルボキシル基の保護体等が置換することもできる。これらの置換基の中には、有機塩基の存在下にスルフリルフルオリドと反応するものも含まれているが、好適な反応条件を採用することにより所望の反応を良好に行うことができる。
一般式[1]で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類のR3は、アルキル基または置換アルキル基を表す。その中でもアルキル基が好ましく、特に低級アルキル基がより好ましい。
アルキル基および置換アルキル基は、上記のR1およびR2の、アルキル基および置換アルキル基と同じである。
一般式[1]で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類は、Tetrahedron(英国),2002年,第58巻,p.8565−8571およびTetrahedron Letters(英国),2004年,第45巻,p.183−185等を参考にして製造することができる。
スルフリルフルオリドの使用量は、一般式[1]で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類1モルに対して0.7モル以上を用いれば良く、通常は0.8から10モルが好ましく、特に0.9から5モルがより好ましい。
有機塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリn−ペンチルアミン、ピリジン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,4,6−コリジン、3,5,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン、N,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デセ−5−エン、BEMPおよびt−Bu−P4等のホスファゼンベース等が挙げられる。その中でもトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn−ブチルアミン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンが好ましく、特にトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンがより好ましい。これらの有機塩基は単独または組み合わせて用いることができる。
有機塩基の使用量は、一般式[1]で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類1モルに対して0.7モル以上を用いれば良く、通常は0.8から10モルが好ましく、特に0.9から5モルがより好ましい。有機塩基を組み合わせて用いる場合は、トータル使用量を意味し、塩基性の強い方を触媒的に用いることもできる(実施例5から7を参照)。
反応溶媒としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その中でもn−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸エチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドが好ましく、特にn−ヘプタン、トルエン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸エチル、アセトニトリルおよびN,N−ジメチルホルムアミドがより好ましい。これらの反応溶媒は単独または組み合わせて用いることができる。また、本発明の反応は無溶媒で行うこともできる。
反応溶媒の使用量は、一般式[1]で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類1モルに対して0.01L(リットル)以上を用いれば良く、通常は0.03から30Lが好ましく、特に0.05から20Lがより好ましい。
温度条件は、−30から+150℃の範囲で行えば良く、通常は−20から+140℃が好ましく、特に−10から+130℃がより好ましい。
反応時間は、24時間以内の範囲で行えば良く、原料基質および反応条件により異なるため、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、核磁気共鳴等の分析手段により反応の進行状況を追跡し、原料基質が殆ど消失した時点を終点とすることが好ましい。
後処理は、反応終了液(必要に応じて反応溶媒を濃縮する)を有機溶媒(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸エチル等)で希釈し、水またはアルカリ金属の無機塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)の水溶液で洗浄し(必要に応じて無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥する)、回収した有機層を濃縮することにより、一般式[2]で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類を粗生成物として得ることができる。また、反応終了液から直接、減圧蒸留することにより粗生成物を得ることもでき、後処理操作が簡略化できる。粗生成物は、必要に応じて活性炭処理、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等により、高い化学純度に精製することができる。一般式[2]で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の波線は、二重結合の立体化学がE体、Z体、またはE体とZ体の混合物であることを表し、得られる生成物の該立体化学は原料基質および反応条件により異なる。
本発明においては、α−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリドと反応させることにより、α−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類を製造することができる(態様1)。
態様1の内、原料基質としては、β位置換基の片方が水素原子であり、他方がアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、芳香環基または置換芳香環基であり、さらにエステル基がアルキルエステルである場合がより好ましい(態様2)。本態様の原料基質は入手が容易であり、所望の反応が良好に進行し、得られるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類も医農薬中間体として特に重要である。
態様1または態様2の内、有機塩基としては、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンがより好ましい(態様3)。本態様の有機塩基を用いることにより、所望の反応がさらに良好に進行する。
[実施例]
実施例により本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類2.00g(10.75mmol、1.00eq)、アセトニトリル5.4mL(1.99M)とトリエチルアミン2.17g(21.44mmol、1.99eq)を加え、−78℃の冷媒浴に浸し、スルフリルフルオリド(SO22)2.19g(21.46mmol、2.00eq)をボンベより吹き込み、室温で終夜攪拌した。反応終了液の19F−NMRより変換率は86%であった。変換率測定時の19F−NMRより、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類と、下記式
で示されるフッ素化物の生成比は70:30であった。反応終了液の後処理は実施せず。1H−および19F−NMRを下に示す。
1H−NMR[基準物質;(CH34Si、重溶媒;CDCl3]、δ ppm;α−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類/1.35(t、7.1Hz、3H)、4.32(q、7.1Hz、2H)、6.42(s、1H)、6.72(s、1H)、フッ素化物/1.25−1.45(t、3H)、2.75−3.50(m、3H)、4.25−4.50(q、2H)。
19F−NMR(基準物質;C66、重溶媒;CDCl3)、δ ppm;α−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類/96.06(s、3F)、フッ素化物/31.88(s、1F)、83.73(s、3F)。
[実施例2]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類1.00g(4.38mmol、1.00eq)、アセトニトリル5.0mL(0.88M)とトリエチルアミン1.30g(12.85mmol、2.93eq)を加え、−78℃の冷媒浴に浸し、スルフリルフルオリド(SO22)0.89g(8.72mmol、1.99eq)をボンベより吹き込み、室温で終夜攪拌した。反応終了液のガスクロマトグラフィーより変換率は92%であった。変換率測定時のガスクロマトグラフィー純度は80.7%{中間体[LG;脱離基(OSO2F)]10.1%、フッ素化物<5%}であり、E:Z比は40:60であった。反応終了液を酢酸エチル30mLで希釈し、飽和炭酸カリウム水溶液30mLで洗浄し、水30mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、回収した有機層を減圧濃縮し、ショートカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン系)で精製することにより、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の精製品を0.63g得た。収率は68%であった。ガスクロマトグラフィー純度は74.7%であり、E:Z比は34:66であった。1H−および19F−NMRを下に示す。
1H−NMR[基準物質;(CH34Si、重溶媒;CDCl3]、δ ppm;E体/1.05−1.15(d、6H)、1.25−1.40(t、3H)、3.29(m、1H)、4.20−4.35(q、2H)、6.56(d、10.2Hz、1H)、Z体/1.05−1.15(d、6H)、1.25−1.40(t、3H)、3.08(m、1H)、4.20−4.35(q、2H)、6.97(d、11.0Hz、1H)。
19F−NMR(基準物質;C66、重溶媒;CDCl3)、δ ppm;E体/97.80(s、3F)、Z体/103.05(s、3F)。
[実施例3]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類1.00g(4.38mmol、1.00eq)、アセトニトリル5.0mL(0.88M)と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)1.97g(12.94mmol、2.95eq)を加え、−78℃の冷媒浴に浸し、スルフリルフルオリド(SO22)0.90g(8.82mmol、2.01eq)をボンベより吹き込み、50℃で終夜攪拌した。反応終了液のガスクロマトグラフィーより変換率は100%であった。変換率測定時のガスクロマトグラフィー純度(DBUのピークを除いて補正)は96.9%{中間体[LG;脱離基(OSO2F)]1.2%、フッ素化物<5%}であり、E:Z比は37:63であった。反応終了液を酢酸エチル30mLで希釈し、飽和炭酸カリウム水溶液30mLで洗浄し、水30mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、回収した有機層を減圧濃縮し、ショートカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン系)で精製することにより、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の精製品を0.74g得た。収率は80%であった。ガスクロマトグラフィー純度は98.4%であり、E:Z比は42:58であった。1H−および19F−NMRは実施例2と同等であった。
[実施例4]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類2.00g(7.63mmol、1.00eq)、アセトニトリル10.0mL(0.76M)と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)3.48g(22.86mmol、3.00eq)を加え、−78℃の冷媒浴に浸し、スルフリルフルオリド(SO22)1.56g(15.29mmol、2.00eq)をボンベより吹き込み、50℃で終夜攪拌した。反応終了液のガスクロマトグラフィーより変換率は95%であった。変換率測定時のガスクロマトグラフィー純度(DBUと原料基質由来不純物のピークを除いて補正)は90.6%(フッ素化物<5%)であり、E:Z比は90:10であった。反応終了液を酢酸エチル30mLで希釈し、飽和炭酸カリウム水溶液30mLで洗浄し、水30mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、回収した有機層を減圧濃縮し、ショートカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン系)で精製することにより、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の精製品を1.69g得た。収率は91%であった。ガスクロマトグラフィー純度(原料基質由来不純物のピークを除いて補正)は90.5%であり、E:Z比は87:13であった。1H−および19F−NMRを下に示す。
1H−NMR[基準物質;(CH34Si、重溶媒;CDCl3]、δ ppm;E体/1.20(t、7.2Hz、3H)、4.26(q、7.2Hz、2H)、7.15−7.45(Ar−H、5H + s、1H)、Z体/1.15−1.45(t、3H)、4.05−4.45(q、2H)、7.15−7.45(Ar−H、5H)、8.09(s、1H)。
19F−NMR(基準物質;C66、重溶媒;CDCl3)、δ ppm;E体/97.85(s、3F)、Z体/103.81(s、3F)。
[実施例5]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類1.00g(3.81mmol、1.00eq)、アセトニトリル5.0mL(0.76M)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)0.29g(1.90mmol、0.50eq)とトリエチルアミン0.77g(7.61mmol、2.00eq)を加え、−78℃の冷媒浴に浸し、スルフリルフルオリド(SO22)0.78g(7.64mmol、2.01eq)をボンベより吹き込み、50℃で終夜攪拌した。反応終了液のガスクロマトグラフィーより変換率は95%であった。変換率測定時のガスクロマトグラフィー純度(DBUと原料基質由来不純物のピークを除いて補正)は80.2%(フッ素化物<5%)であり、E:Z比は90:10であった。反応終了液を酢酸エチル20mLで希釈し、飽和炭酸カリウム水溶液20mLで洗浄し、水20mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、回収した有機層を減圧濃縮し、真空乾燥することにより、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の粗生成物を0.92g得た。収率は99%であった。ガスクロマトグラフィー純度(原料基質由来不純物のピークを除いて補正)は83.6%であり、E:Z比は75:25であった。1H−および19F−NMRは実施例4と同等であった。
[実施例6]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類3.00g(13.26mmol、1.00eq)、アセトニトリル10.0mL(1.33M)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)1.00g(6.57mmol、0.50eq)とトリエチルアミン2.68g(26.48mmol、2.00eq)を加え、−78℃の冷媒浴に浸し、スルフリルフルオリド(SO22)4.06g(39.78mmol、3.00eq)をボンベより吹き込み、50℃で終夜攪拌した。反応終了液のガスクロマトグラフィーより変換率は100%であった。変換率測定時のガスクロマトグラフィー純度は96.1%(フッ素化物<5%)であり、E:Z比は92:8であった。反応終了液を酢酸エチル30mLで希釈し、飽和炭酸カリウム水溶液30mLで洗浄し、水30mLで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、回収した有機層を減圧濃縮し、真空乾燥することにより、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の粗生成物を2.62g得た。収率は95%であった。ガスクロマトグラフィー純度は97.9%であり、E:Z比は92:8であった。1H−および19F−NMRを下に示す。
1H−NMR[基準物質;(CH34Si、重溶媒;CDCl3]、δ ppm;E体/1.33(t、7.2Hz、3H)、1.90(s、3H)、4.30(q、7.2Hz、2H)、5.31(s、1H)、5.33(s、1H)、6.83(s、1H)、Z体/1.33(t、7.2Hz、3H)、1.93(s、3H)、4.30(q、7.2Hz、2H)、5.11(s、1H)、5.21(s、1H)、7.50(s、1H)。
19F−NMR(基準物質;C66、重溶媒;CDCl3)、δ ppm;E体/98.05(s、3F)、Z体/103.85(s、3F)。
[実施例7]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類50.00g(249.80mmol、1.00eq)、アセトニトリル83.0mL(3.01M)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)19.00g(124.80mmol、0.50eq)とトリエチルアミン63.20g(624.57mmol、2.50eq)を加え、−78℃の冷媒浴に浸し、スルフリルフルオリド(SO22)51.00g(499.71mmol、2.00eq)をボンベより吹き込み、室温で終夜攪拌した。反応終了液のガスクロマトグラフィーより変換率は99%であった。変換率測定時のガスクロマトグラフィー純度は82.1%(フッ素化物9.0%)であり、E:Z比は78:22であった。反応終了液を直接、減圧蒸留(沸点52〜58℃/減圧度5000Pa)することにより、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の粗生成物を17.21g得た。収率は38%であった。ガスクロマトグラフィー純度は82.8%(フッ素化物10.5%)であり、E:Z比は79:21であった。1H−および19F−NMRを下に示す。
1H−NMR[基準物質;(CH34Si、重溶媒;CDCl3]、δ ppm;E体/1.34(t、7.2Hz、3H)、2.17(dq、7.3Hz、2.2Hz、3H)、4.31(q、7.2Hz、2H)、6.95(q、7.3Hz、1H)、Z体/1.25−1.40(t、3H)、2.09(dq、7.6Hz、2.8Hz、3H)、4.20−4.45(q、2H)、7.33(q、7.6Hz、1H)。
19F−NMR(基準物質;C66、重溶媒;CDCl3)、δ ppm;E体/97.64(s、3F)、Z体/103.00(s、3F)。
下記式
で示されるフッ素化物の1H−および19F−NMRを下に示す。
1H−NMR[基準物質;(CH34Si、重溶媒;CDCl3]、δ ppm;1.25−1.40(t、3H + m、3H)、3.65−3.85(m、1H)、3.85−4.00(m、1H)、4.20−4.45(q、2H)。
19F−NMR(基準物質;C66、重溶媒;CDCl3)、δ ppm;30.08(s、1F)、80.39(s、3F)。
[比較例1]
下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類0.30g(1.31mmol、1.00eq)の塩化メチレン溶液(使用量5.0mL、0.26M)に、氷冷下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物[(CF3SO22O]0.58g(2.06mmol、1.57eq)を加え、10分間攪拌した。同温度でピリジン0.26g(3.29mmol、2.51eq)を加え、1時間攪拌した。さらに室温まで昇温し、終夜攪拌した。反応終了液のガスクロマトグラフィーより変換率は86%であった。変換率測定時のガスクロマトグラフィーより、下記式
で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の純度は0.7%{中間体[LG;脱離基(OSO2CF3)]83.8%}であり、E:Z比は60:40であった。反応終了液の後処理は実施せず。
比較例2は、実施例2を参考にして反応剤を換えて同様に実施した。比較例3は、実施例3を参考にして反応剤を換えて同様に実施した。比較例4は、比較例1を参考にして原料基質を換えて同様に実施した。

Claims (3)

  1. 一般式[1]
    で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO22)と反応させることにより、一般式[2]
    で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類を製造する方法。
    [式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、芳香環基、置換芳香環基、アルキルカルボニル基、置換アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、置換アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、置換アリールカルボニル基、シアノ基またはニトロ基を表し、R3はアルキル基または置換アルキル基を表す。一般式[2]の波線は、二重結合の立体化学がE体、Z体、またはE体とZ体の混合物であることを表す]
  2. 一般式[3]
    で示されるα−トリフルオロメチル−α−ヒドロキシエステル類を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリド(SO22)と反応させることにより、一般式[4]
    で示されるα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類を製造する方法。
    [式中、R4はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、芳香環基または置換芳香環基を表し、R5はアルキル基を表す。一般式[4]の波線は、二重結合の立体化学がE体、Z体、またはE体とZ体の混合物であることを表す]
  3. 請求項1または請求項2において、有機塩基が1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)または1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のα−トリフルオロメチル−α,β−不飽和エステル類の製造方法。
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