JPH09215933A - ルテニウム錯体の回収方法 - Google Patents

ルテニウム錯体の回収方法

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JPH09215933A
JPH09215933A JP8025384A JP2538496A JPH09215933A JP H09215933 A JPH09215933 A JP H09215933A JP 8025384 A JP8025384 A JP 8025384A JP 2538496 A JP2538496 A JP 2538496A JP H09215933 A JPH09215933 A JP H09215933A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ルテニウム錯体の回収方法の提供。 【解決手段】 第三級有機リン系化合物を配位子として
有するルテニウム錯体の存在下、有機カルボニル化合物
を水素化して得られる反応生成液から目的生成物を除去
して得た反応溶媒を含有する触媒液を水及び非極性有機
溶媒を用いて40℃以上で抽出処理し、ルテニウム錯体
を含有する非極性有機溶媒相と反応溶媒を含有する水相
とに分離し、次いで該非極性有機溶媒相から非極性有機
溶媒を留去してルテニウム錯体を濃縮分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ルテニウム錯体の
回収方法に関する。詳しくは、本発明は、ルテニウム錯
体を触媒として有機カルボニル化合物を水素化し、その
反応生成液から得られる触媒液を特定の条件下で抽出処
理し、ルテニウム錯体を濃縮分離して回収する方法に関
する。回収されたルテニウム錯体は水素化反応に再使用
することができる。
【0002】
【従来の技術】第三級有機リン系化合物を配位子として
有するルテニウム錯体は、均一触媒反応による各種カル
ボニル化合物の水素化反応に使用されている。このルテ
ニウム錯体触媒は、化学的に比較的安定であり、反応生
成物と触媒液とを蒸留により分離し、触媒液を反応域へ
循環して再使用したり、或いは反応生成物をガスストリ
ッピングにより反応域から流出させて分離し、触媒液を
反応域に残留させたままで連続的に反応を行わせること
ができる。しかしながら、これらの反応においては種々
の高沸点副生物が生成することは避けられず、これらの
反応を連続的に実施する場合には触媒液中に蓄積する高
沸点物質を除くために、触媒液の一部を連続的又は間欠
的に反応系から抜出すことが必要である。
【0003】当然の事ながら、この抜出した液にはルテ
ニウムが含まれているため、廃棄するためにはその処理
が必要となる。しかしながら、ルテニウムを含有する液
は燃焼させると、有毒で腐食性の強いRuO4 が生成す
るため、焼却処理は制限される。また、産業廃棄物処理
業者等に処理を依頼すると、処理液の質量見合いで費用
がかかるため、処理量が多い場合経済的に不利になる。
従って、この処理される抜出し液中のルテニウムを濃縮
できれば、その経済的効果は非常に大きい。更には、も
しこの抜出し液から、ルテニウム錯体を効率よく回収で
き、これを反応に再利用できれば、廃液処理にかかる負
担を大幅に軽減できる上、経済的にも触媒費を大幅に減
ずることができ、また排出するルテニウムの絶対量が減
るので環境汚染防止の上からも好ましく、その効果は絶
大なものがある。しかし、そのためには、反応液から活
性な形態を保持したままルテニウム錯体触媒を分離回収
することが必要となる。
【0004】従来、ロジウム等の第VIII族金属を分離回
収する方法として、例えば強酸による抽出法(特公昭4
6−43219号公報)或いは過酸化物による分解法
(米国特許第3,547,964号明細書、特開昭51
−63388号公報)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では、何れも酸を使用するため装置材質の腐食の問題
があり、また、触媒を活性な形態のまま分離回収すると
いう面からも問題があった。これらの問題点を解決する
方法として本出願人は先に特開平7−275716号公
報に提案した。この方法は第三級有機リン化合物を配位
子として有するルテニウム錯体触媒を用いて有機化合物
を水素化反応して得られた反応液から反応生成物と反応
溶媒を除去して得た触媒液を水と非極性有機溶媒で抽出
処理し、ルテニウム錯体を含有する有機溶媒層を相分離
して、ルテニウム錯体を回収する方法である。この方法
では水素化反応液から反応生成物と反応溶媒を蒸留分離
する際、ルテニウム錯体触媒が二度熱処理を受け、ルテ
ニウム錯体触媒の失活が懸念され、特に反応溶媒を蒸留
分離する際には蒸留塔の塔底温度を220℃以下に厳密
に管理する必要があり、蒸留塔の運転条件が制約されて
いた。本発明の課題は上記水素化反応液中のルテニウム
錯体触媒が極力熱処理を受けて触媒の失活を生起する懸
念のない方法でルテニウム錯体を効率よく、経済的に回
収し、且つそれを必要に応じて水素化反応に再利用する
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために、鋭意検討した結果、水素化反応生成
液から所望の生成物を除去して得られる反応溶媒を含有
する触媒液を水と非極性有機溶媒で特定温度以上で抽出
処理することにより、ルテニウム錯体を非極性有機溶媒
相に一方、反応溶媒を水相にそれぞれ抽出回収し得るこ
とを見出し、また、このようにして回収されたルテニウ
ム錯体は、水素化反応に再利用することができることも
見出し本発明を完成した。即ち、本発明は、第三級有機
リン系化合物を配位子として有するルテニウム錯体の存
在下、有機カルボニル化合物を水素化して得られる反応
生成液から目的生成物を除去して得た反応溶媒を含有す
る触媒液を水及び非極性有機溶媒を用いて40℃以上で
抽出処理し、ルテニウム錯体を含有する非極性有機溶媒
相と反応溶媒を含有する水相とに分離し、次いで該非極
性有機溶媒相から非極性有機溶媒を留去してルテニウム
錯体を濃縮分離することを特徴とするルテニウム錯体の
回収方法にある。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の態様】
1.水素化反応 本発明は、少なくとも1種の第三級有機リン系化合物を
配位子として有するルテニウム錯体を含む有機カルボニ
ル化合物の水素化反応生成液から、ルテニウム錯体を濃
縮分離し、必要に応じて分離回収したルテニウム錯体を
その水素化反応に再利用するものであるが、この水素化
反応としてはカルボニル化合物の水素化、例えば脂肪族
ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸無水物、脂肪族ジカ
ルボン酸ジエステル等の水素化反応が挙げられる。特
に、第三級有機リン系化合物を配位子として有するルテ
ニウム錯体を均一系触媒として使用し、無水コハク酸を
水素化してγ−ブチロラクトンを生成する反応液からル
テニウム錯体を濃縮分離し、再度水素化反応に使用する
場合に有効である。
【0008】(ルテニウム錯体触媒)水素化反応に用い
るルテニウム錯体触媒、特に無水コハク酸を水素化して
γ−ブチロラクトンを生成する触媒は、通常(イ)ルテ
ニウム、(ロ)第三級有機ホスフィン及び(ハ)pka
値が2より小さい酸の共役塩基を含有し、場合により中
性配位子を含有しているルテニウム錯体であり、その調
製に用いる各成分の具体例は次の通りである。
【0009】(イ)ルテニウム ルテニウムとしては、金属ルテニウム及びルテニウム化
合物の何れも使用することができる。ルテニウム化合物
としては、ルテニウムの酸化物、ハロゲン化物、水酸化
物、無機酸塩、有機酸塩又は錯化合物が使用され、具体
的には、例えば二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、
二水酸化ルテニウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニウ
ム、ヨウ化ルテニウム、硝酸ルテニウム、酢酸ルテニウ
ム、トリス(アセチルアセトン)ルテニウム、ヘキサク
ロロルテニウム酸ナトリウム、テトラカルボニルルテニ
ウム酸ジカリウム、ペンタカルボニルルテニウム、シク
ロペンタジエニルジカルボニルルテニウム、ジブロモト
リカルボニルルテニウム、クロロトリス(トリフェニル
ホスフィン)ヒドリドルテニウム、ビス(トリ−n−ブ
チルホスフィン)トリカルボニルルテニウム、ドデカカ
ルボニルトリルテニウム、テトラヒドリドデカカルボニ
ルテトラルテニウム、オクタデカカルボニルヘキサルテ
ニウム酸ジセシウム、ウンデカカルボニルヒドリドトリ
ルテニウム酸テトラフェニルホスホニウム等が挙げられ
る。これ等の金属ルテニウム及びルテニウム化合物の使
用量は、水素化反応溶液1リットル中のルテニウムとし
て0.0001〜100ミリモル、好ましくは、0.0
01〜10ミリモルである。
【0010】(ロ)第三級有機ホスフィン 有機ホスフィンは、主触媒である(イ)のルテニウムの
電子状態を制御したり、ルテニウムの活性状態を安定化
するのに寄与するものと考えられる。有機ホスフィンの
具体例としては、トリ−n−オクチルホスフィン、トリ
−n−ブチルホスフィン、ジメチル−n−オクチルホス
フィン等のトリアルキルホスフィン類、トリシクロヘキ
シルホスフィンのようなトリシクロアルキルホスフィン
類、トリフェニルホスフィンのようなトリアリールホス
フィン類、ジメチルフェニルホスフィンのようなアルキ
ルアリールホスフィン類、1,2−ビス(ジフェニルホ
スフィノ)エタンのような多官能性ホスフィン類が挙げ
られる。有機ホスフィンの使用量は通常、ルテニウム1
モルに対して、3〜1000モル程度、好ましくは5〜
100モルである。即ち、ルテニウム1モルに対し有機
ホスフィンは通常3モル配位すると考えられるが、本発
明では配位に必要なモル数以上の有機ホスフィンを用い
るのが好ましい。反応系内でのこの過剰の有機ホスフィ
ンの存在形態は必ずしも明らかではないが、系内に存在
する基質等と何等かの結合をしているものと推定され
る。また、有機ホスフィンは、それ自体単独で、或いは
ルテニウム触媒との複合体の形で水素化反応系に供給す
ることができる。
【0011】(ハ)pka値が2より小さい酸の共役塩
基 pka値が2より小さい酸の共役塩基は、ルテニウム触
媒の付加的促進剤として作用し、触媒調製中又は反応系
中において、pka値が2より小さい酸の共役塩基を生
成するものであればよく、その供給形態としては、pk
a値が2より小さいブレンステッド酸又はその各種の塩
等が用いられる。具体的には例えば、硫酸、亜硫酸、硝
酸、亜硝酸、過塩素酸、燐酸、ホウフッ化水素酸、ヘキ
サフルオロ燐酸、タングステン酸、燐モリブデン酸、燐
タングステン酸、シリコンタングステン酸、ポリケイ
酸、フルオロスルホン酸等の無機酸類、トリクロロ酢
酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ラウリルスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の
有機酸、或いはこれ等の酸のアンモニウム塩、ホスホニ
ウム塩が挙げられる。また、これ等の酸の共役塩基が反
応系で生成すると考えられる酸誘導体、例えば酸ハロゲ
ン化物、酸無水物、エステル、酸アミド等の形で添加し
ても同様の効果が得られる。これ等の酸又はその塩の使
用量は、ルテニウム1モルに対して0.01〜1000
モル、好ましくは0.1〜100モル、更に好ましくは
0.5〜20モルの範囲である。
【0012】上記(イ)、(ロ)及び(ハ)の成分の外
に、場合により含有することができる中性配位子として
は、水素;エチレン、プロピレン、ブテン、シクロペン
テン、シクロヘキセン、ブタジエン、シクロペンタジエ
ン、シクロオクタジエン、ノルボナジエン等のオレフィ
ン類;一酸化炭素、ジエチルエーテル、アニソール、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトフェ
ノン、ベンゾフェノン、シクロヘキサノン、プロピオン
酸、カプロン酸、酪酸、安息香酸、酢酸エチル、酢酸ア
リル、安息香酸ベンジル、ステアリン酸ベンジル等の含
酸素化合物;酸化窒素、アセトニトリル、プロピオニト
リル、ベンゾニトリル、シクロヘキシルイソニトリル、
ブチルアミン、アニリン、トルイジン、トリエチルアミ
ン、ピロール、ピリジン、N−メチルホルムアミド、ア
セトアミド、1,1,3,3−テトラメチル尿素、N−
メチルピロリドン、カプロラクタム、ニトロメタン等の
含窒素化合物;二硫化炭素、n−ブチルメルカプタン、
チオフェノール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスル
フィド、チオフェン、ジメチルスルホキシド、ジフェニ
ルスルホキシド等の含硫黄化合物;トリブチルホスフィ
ンオキシド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、ト
リフェニルホスフィンオキシド、ジエチルフェニルホス
フィネート、ジフェニルメチルホスフィネート、ジフェ
ニルエチルホスフィネート、o,o−ジメチルメチルホ
スホノチオレート、トリエチルホスファイト、トリフェ
ニルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェ
ニルホスフェート、ヘキサメチルホスホリックトリアミ
ド等の有機ホスフィン以外の含燐化合物が挙げられる。
【0013】(反応溶媒)ルテニウム錯体触媒を用いる
水素化反応において、原料物質自体を溶媒として反応を
実施することができるが、原料の反応性、反応系の処理
操作を考慮し原料物質以外に他の反応溶媒を使用するの
が有利である。このような反応溶媒としては、例えば、
ジエチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、
ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケ
トン、アセトフェノン等のケトン類、メタノール、エタ
ノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール
類;フェノール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トルイ
ル酸等のカルボン酸類;酢酸メチル、酢酸n−ブチル、
安息香酸ベンジル等のエステル類;N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドン等のカルボン酸アミド;ヘキサメチル燐酸
トリアミド、N,N,N′,N′−テトラエチルスルフ
ァミド等のその他のアミド類;N,N′−ジメチルイミ
ダゾリドン、N,N,N,N−テトラメチル尿素等の尿
素類;ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン等の
スルホン類;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホ
キシド等のスルホキシド類;γ−ブチロラクトン、ε−
カプロラクトン等のラクトン類;トリグライム(トリエ
チレングリコールジメチルエーテル)、テトラグライム
(テトラエチレングリコールジメチルエーテル)、18
−クラウン−6等のポリエーテル類が挙げられる。この
中でも、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエー
テルのような水溶性のエーテル類が好ましい。
【0014】(水素化反応方法)この水素化反応を行う
には、反応容器に原料物質並びに有機ホスフィンの濃度
を予め調節した前記の触媒成分を含む触媒液を導入し、
更に水素を通入する。水素は窒素或いは二酸化炭素等の
反応に不活性なガスで希釈されたものであってもよい。
反応温度は、通常50〜250℃、好ましくは100〜
200℃である。反応系内の水素分圧は特に限られるも
のではないが、工業的実施上は通常0.1〜100kg
/cm2 、好ましくは1〜50kg/cm2 である。反
応生成液から蒸留、抽出等の通常の分離手段により目的
生成物を分離する。分離後の残留物は、必要に応じその
中に含まれる触媒組成濃度を定常的に点検して、液中の
有機ホスフィン濃度を常に前記の所定濃度に保持するよ
うに、循環過程において適宜有機ホスフィンを補給して
反応器に循環する。
【0015】2.抽出処理 本発明方法では、前記のような水素化反応生成液からル
テニウム錯体を濃縮分離するに際し、先ず水素化反応液
から目的生成物を蒸留分離し、反応溶媒を含有する触媒
液を得る。例えば、無水コハク酸の水素化反応では、目
的生成物のγ−ブチロラクトンを反応液から蒸留分離し
た後、反応溶媒及びルテニウム錯体を含有する触媒液が
得られる。次いで、上記で得られた反応溶媒を含有する
触媒液(以下濃縮液と称す)に水及び非極性有機溶媒を
加えて抽出処理する。この処理により水溶性の有機化合
物を水相に分配せしめる一方、ルテニウム錯体を有機溶
媒相に抽出し、この有機溶媒相を分取する。水相には、
反応液中に含まれている有機化合物のうち、例えば基質
そのもののカルボン酸や水溶性のエステル、更にはこれ
らの重合物である水溶性ポリエステル等の水溶性高沸点
物が抽出される。なお、反応溶媒が水溶性であれば、こ
れも水相中に移行する。
【0016】(非極性有機溶媒)水と共に使用する有機
溶媒としては、水と分離する比較的低極性、即ち、非極
性溶媒が使用される。非極性有機溶媒としては、20℃
における誘電率(ε)が6以下、好ましくは4以下の有
機溶媒であって、その沸点が50〜200℃、好ましく
は50〜150℃のもの、具体的には、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、イソプロ
ピルベンゼン(クメン)等の芳香族炭化水素、ジエチル
エーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、エチル
フェニルエーテル、メチルフェニルエーテル(アニソー
ル)等のエーテル類、1,4−ジオキサン、1,3,5
−トリオキサン等のオキサン類、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、ジクロロメタ
ン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化
炭化水素等である。
【0017】(抽出方法)上記濃縮液を水と非極性有機
溶媒とで抽出処理する際の処理の順序は特に制限され
ず、 1)該濃縮液を先ず水で抽出処理した後、水相を分離
し、油相(残留物)を非極性有機溶媒で抽出処理する 2)該濃縮液に水と非極性有機溶媒とを同時に添加して
抽出処理する のいずれかの方法を採用して実施される。上記抽出処理
は次の分離処理と組合わせて、通常の液液抽出処理に用
いられる方法、例えば回分又は連続方式、並流又は向流
接触、一段又は多段階の方法のいずれかの組合せによっ
て実施される。
【0018】上記濃縮液と水及び非極性有機溶媒との抽
出処理温度としては40〜120℃、好ましくは50〜
100℃の範囲であり、また抽出時間としては10分〜
5時間、望ましくは30分〜3時間の範囲である。上記
抽出処理温度が40℃未満では抽出効率が悪く、且つ抽
出時間が大幅に長くなるので工業的でない。上記抽出処
理において濃縮液と水及び非極性有機溶媒との接触効率
を上げるために撹拌を行ってもよい。また、上記の抽出
処理における水及び非極性有機溶媒の使用量は該濃縮液
/水/非極性有機溶媒の重量比で通常1:0.2〜1
0:0.2〜10の範囲内で使用される。
【0019】該抽出処理を該濃縮液と水及び該有機溶媒
とで同時に処理する場合、撹拌後、エマルジョン状態で
あった内容液が有機溶媒相と水相に分液する。このう
ち、ルテニウム錯体は、主に有機溶媒相に分配され、一
方、水相に分配するルテニウム錯体はごく僅かである。
典型的な場合、80%以上のルテニウム錯体が有機溶媒
相に分配される。上記抽出処理後の抽出液の分離処理は
通常の油水分離方法、例えば、静置分離や遠心分離等の
方法により実施される。該油水分離により得られた有機
溶媒相から有機溶媒を蒸留等により留去することによ
り、ルテニウム錯体が高濃度に濃縮されたオイル状の残
留物が得られる。
【0020】(酸処理)この残留物にはルテニウム錯体
が高濃度で含まれているので、これを水素化反応に循環
使用出来れば工業的に極めて有用である。ところで、こ
のようにして得られたルテニウム錯体が高濃度に濃縮さ
れた残留物には、高温の水素化反応条件下におくと有機
ホスフィンを遊離する物質が含まれている。この物質は
水素化反応液中には無く、ルテニウム錯体を水と有機溶
媒で処理して濃縮分離する過程において有機ホスフィン
誘導体から変性して生成したものと考えられる。従っ
て、回分反応において、この回収されたルテニウム錯体
を主たる触媒として用いる場合には、反応系に大量の遊
離の有機ホスフィンが存在することになり水素化反応に
好ましくない影響を及ぼす。即ち、有機ホスフィン及び
基質の無水コハク酸の双方が高濃度で存在すると両者は
容易に反応してしまい、水素化反応が阻害される。
【0021】かかる場合には、回収されたルテニウム錯
体を含む残留物を水素化反応に再使用する前に酸で処理
するのが好ましい。この酸処理により、有機ホスフィン
は酸との反応物に変換され、水素化反応に供しても反応
系内で何等の悪影響を及ぼさなくなる。使用する酸とし
ては、前記の触媒を調製する際に使用されるpka値が
2より小さい酸であれば使用することができるが、これ
らのうちメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホ
ン酸、ラウリルスルホン酸等のアルキルスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のアリー
ルスルホン酸が好ましく、特にp−トルエンスルホン酸
が好ましい。
【0022】酸の使用量は酸の種類によって異なるが、
通常、残留物に含まれる反応条件下で遊離する有機ホス
フィンと当量(遊離酸量として)乃至それ以上である。
残留物を酸で処理するに当り、水素化反応に使用する反
応溶媒に残留物を溶解して処理するのが効果的である。
反応溶媒の使用量は特に制限されないが、水素化反応条
件における溶媒濃度とほぼ等しくするのが好ましい。酸
による処理は、通常20〜300℃、好ましくは、10
0〜250℃の範囲で行われ、窒素、アルゴン等の不活
性雰囲気下で処理するのが好ましい。以上のように酸処
理をして回収したルテニウム錯体を含有する溶液は、こ
れに無水コハク酸等の基質を加えて水素化反応を実施す
ることができ、その反応活性は、新しく調製した触媒と
同等であり、有効に触媒として回収されるのである。な
お、典型的な連続反応の場合には、大量に循環される循
環液と反応生成液との混合物中に基質と回収されたルテ
ニウム触媒とが導入されることになるので、反応系での
基質及び有機ホスフィンの濃度は低くなり、回分反応の
場合の如き反応阻害は生じない。
【0023】(水相の蒸留処理)一方、上記抽出処理後
油水分離によって得られる水相は蒸留処理によって水を
塔頂より留出させ、側流より反応溶媒と有効成分(例え
ば、無水コハク酸の水素化反応液の場合にはγ−ブチロ
ラクトンや無水コハク酸)を抜出して回収し、塔底より
高沸物を缶出させる。該塔頂より留出させた水は上記抽
出処理に循環して再使用することができる。また、側流
より抜出した反応溶媒と有効成分を含有する回収溶媒は
上記水素化反応の反応溶媒として再使用することができ
る。上記水相の蒸留処理は特にルテニウム錯体触媒を殆
んど含有していないので、蒸留時における触媒失活の問
題はなく、従って塔頂圧としては通常、大気圧〜減圧下
で操作される。特に塔底内の高沸物を熱分解して有効成
分として回収する温度条件を採用することもできる。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例及び参考例により更に
具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り
以下の実施例に限定されるものではない。
【0025】参考例1 ルテニウム−トリオクチルホスフィン−パラトルエンス
ルホン酸系触媒を用いた無水コハク酸の水素化反応を次
の通り行った。反応は図1に示す気液分離器1、蒸留塔
2付きの循環装置を使用して行った。触媒容器3に0.
056重量%のトリス(アセチルアセトン)ルテニウ
ム、0.51重量%のトリオクチルホスフィン、0.2
2重量%のパラトルエンスルホン酸をトリグライム(ト
リエチレングリコール ジメチルエーテル)に溶解し、
窒素雰囲気下200℃で2時間加熱処理し、新触媒容器
5に入れ新フィード触媒液とした。この触媒液を100
0ml/時の流量で、内容積2リットルのオートクレー
ブ(反応器)8に供給し、気液分離器1で気液分離後、
蒸留塔2の缶出液として回収リサイクルしておいた。一
方、水素圧縮機6より0.6Nm3 /時の水素ガスをオ
ートクレーブに送り20気圧に調整した。オートクレー
ブを205℃へ昇温し、無水コハク酸80重量%、γ−
ブチロラクトン20重量%から成る原料液を125g/
時の流量で連続的に供給した。反応液は140℃に冷却
後、常圧で気液分離した後、蒸留塔で生成物の水及びγ
−ブチロラクトンと触媒液を分離し、触媒液は触媒容器
に戻すが、反応開始7日後よりそのうちの一部の流れと
して8.67g/時の流量で触媒液を抜出し、抜出し触
媒容器4に保存した。又、抜出し触媒液の組成は以下の
通りであった。 無水コハク酸+コハク酸 7重量% γ−ブチロラクトン 1重量% トリグライム 33重量% 高沸点物質 60重量% Ru濃度 160ppm
【0026】実施例1 参考例1で得られた無水コハク酸の水素化反応の抜出し
触媒液(組成;トリグライム;33%、γ−ブチロラク
トン;1%、無水コハク酸及びコハク酸の合計;7%、
高沸点物質;60%、Ru含有量;160ppm)75
7.8g、水309.4g、及びヘプタン757.6g
を撹拌機付き抽出槽に入れ、内温50℃で1時間撹拌し
た。静置すると約2分でヘプタン相及び水相の二相に分
液した。この二相を各々分離し、その質量と含有ルテニ
ウム濃度をICP分析により定量し次の結果を得た。 質 量 Ru濃度 ヘプタン相 762.41g 143ppm 水 相 1035.33g 14ppm この時のヘプタン相/水相へのルテニウム分配比は88
/12であった。ヘプタン相のヘプタンをエバポレーシ
ョンで留去し、35.38gの残物を得た。これは仕込
んだ触媒液を基準とすると4.7%に濃縮されたことに
なる。
【0027】比較例1 実施例1で抽出を内温50℃の代りに室温(20℃)で
行った以外実施例1と同様な実験を行った。その結果振
りまぜた後静置しても白濁するのみで内容液は全く分液
しなかった。
【0028】実施例2 実施例1で得られた水相1000gを、減圧蒸留装置に
入れ減圧連続蒸留により留出液として塔頂より水に富む
成分を側流より反応溶媒であるトリグライム(TRG
M)と無水コハク酸(SAH)及びγ−ブチロラクトン
(GBL)を主成分とする液を回収した。各組成は以下
の通りであった。 なお、蒸留条件は次の通りである。 塔頂:22℃、20mmHg 留出量293g 側流五段液抜出 90℃ 側流抜出し:237g 塔底:208℃、30mmHg 塔底抜出し:47
0g
【0029】
【発明の効果】本発明方法によれば、第三級有機リン系
化合物を配位子として有するルテニウム錯体を水素化反
応生成液から効率よく且つ経済的に回収することがで
き、且つ回収したルテニウム錯体を必要に応じて水素化
反応に再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 気液分離器 2 蒸留塔 3 触媒容器 4 抜出し触媒容器 5 新触媒容器 6 水素圧縮機 7 原料容器 8 反応器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第三級有機リン系化合物を配位子として
    有するルテニウム錯体の存在下、有機カルボニル化合物
    を水素化して得られる反応生成液から目的生成物を除去
    して得た反応溶媒を含有する触媒液を水及び非極性有機
    溶媒を用いて40℃以上で抽出処理し、ルテニウム錯体
    を含有する非極性有機溶媒相と反応溶媒を含有する水相
    とに分離し、次いで該非極性有機溶媒相から非極性有機
    溶媒を留去してルテニウム錯体を濃縮分離することを特
    徴とするルテニウム錯体の回収方法。
  2. 【請求項2】 反応溶媒を含有する水相から水及び反応
    溶媒を蒸留により分離回収する請求項1に記載のルテニ
    ウム錯体の回収方法。
  3. 【請求項3】 有機カルボニル化合物が脂肪族ジカルボ
    ン酸、脂肪族ジカルボン酸無水物又は脂肪族ジカルボン
    酸エステルである請求項1又は2に記載のルテニウム錯
    体の回収方法。
  4. 【請求項4】 非極性有機溶媒として脂肪族炭化水素を
    用いる請求項1ないし3のいずれか1項に記載のルテニ
    ウム錯体の回収方法。
  5. 【請求項5】 抽出処理を40〜120℃で行う請求項
    1ないし4のいずれか1項に記載のルテニウム錯体の回
    収方法。
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