JPH08505137A - アルデヒドの製造方法 - Google Patents

アルデヒドの製造方法

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JPH08505137A
JPH08505137A JP6515033A JP51503394A JPH08505137A JP H08505137 A JPH08505137 A JP H08505137A JP 6515033 A JP6515033 A JP 6515033A JP 51503394 A JP51503394 A JP 51503394A JP H08505137 A JPH08505137 A JP H08505137A
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JP6515033A
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オット エリック シールケン,
ニコラース フランシスクス ハーセン,
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デーエスエム ナムローゼ フェンノートシャップ
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    • C07C67/347Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton by increase in the number of carbon atoms by addition to unsaturated carbon-to-carbon bonds

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Abstract

(57)【要約】 (a)エチレン系不飽和化合物を一酸化炭素及び水素で5MPaよりも高い圧力及び80℃よりも高い温度でコバルトカルボニル化合物の存在下に有機相内でヒドロホルミル化し、引き続き(b)有機相を、該有機相と実質的に非混和性の極性混合物と接触させることにより有機相からコバルトを除去し、その際まず圧力を5KPa未満に低下させかつ同時に又は後で80℃未満の温度に低下させるために冷却し、極性混合物が該極性混合物中に可溶である有機リガンド含有し、かつその後(c)極性混合物を有機相から分離し、かつその後(d)アルデヒドを有機相から回収し、かつ(e)コバルト含有極性混合物を、該極性混合物と非混和性である有機相と、一酸化炭素の存在下にかつ2MPaより高い圧力で、極性混合物からコバルトの少なくとも一部がコバルトカルボニルの形で有機相に移行するように接触させ、かつ(f)有機混合物を工程(a)に再循環させることによりコバルトを再循環させる方法でアルデヒドを製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】 アルデヒドの製造方法 本発明は、 (a)エチレン系不飽和化合物を反応帯域内で一酸化炭素及び水素で5MPa よりも高い圧力及び80℃よりも高い温度でコバルトカルボニル化合物の存在下 に有機相内でヒドロホルミル化し、 (b)有機相を、該有機相と実質的に非混和性の極性混合物と、コバルトの実 際に全てが極性混合物中に混和されるような条件下で接触させることにより有機 相からコバルトを除去し、 (c)極性混合物を有機相から分離し、 (d)アルデヒドを有機相から回収し、 (e)コバルト含有極性混合物を、該極性混合物と非混和性である有機相と、 極性混合物からコバルトの少なくとも一部がコバルトカルボニルの形で有機相に 移行するような条件下で接触させ、かつ (f)有機混合物を工程(a)に再循環させる ことによりコバルトを再循環させる方法でアルデヒドを製造する方法に関する。 このような方法は、Advanced Chemical Separations[Homogeous Catalysis-I I,Symp.1973](1974)132,19−26に記載されている。前記文献には、コバル トをヒドロホルミル化の後に有機相から、該有機相を希釈した酢酸と水の(極性 )混合物と空気の存在下に混合することにより回収する方法が記載されている。 コバルトカルボニルは酸化してCo+2とし、最後には相応する塩としての水性混 合物にする(本発明の工程(b)に類似)。極性水混合物と有機相との相分離後 に、引き続き水混合物を一酸化炭素及び水素で150〜200℃の温度及び30 MPaの圧力で処理し(工程(c)に類似)、それによりコバルトをコバルトカ ルボニルに還元する(いわゆる前カルボニル化)。この反応は式(1): 2Co(OOCCH32+8CO+3H2→ 2HCo(CO)4+4CH3COOH (1) によって表される。 この工程後に、水混合物を、ヒドロホルミル化反応器のフィードを形成する有 機混合物と接触させ、それによりコバルトカルボニルを有機相に移行させる(工 程(e)に類似)。なお未転化のCo2+を含有する水混合物と有機混合物を相分 離により分離する。該有機混合物を、引き続きヒドロホルミル化反応器に導く( 工程(f)に類似)。 この公知方法の欠点は、前カルボニル化が必要であることにある。前カルボニ ル化は緩慢でありかつ高い圧力を必要とするので、高圧のために適する大型の反 応を使用しなければならない。 本発明の目的は、コバルト触媒を簡単に再循環させかつ前カルボニル化を回避 することができる、エチレン系不飽和化合物のヒドロホルミル化法である。 既に記載したようにヒドロホルミル化後の反応混合物からのコバルト触媒の回 収は、極めて重要である。該コバルト触媒はヒドロホルミル化反応で再使用する ことができ、かつコバルト触媒が存在しなければ、アルデヒドの精製が簡単化さ れる。 この目的は、本発明によれば、工程(b)においてまず圧力を5KPa未満に 低下させかつ同時に又は後で温度を80℃未満に冷却し、その際極性混合物が該 極性混合物中に可溶性である有機リガンド含有し、かつ該リガンドがコバルトと 錯体を形成し、かつ工程(e)を2MPaよりも低い圧力下に一酸化炭素の存在 下に実施することにより達成される。 本発明による方法を使用すれば、前カルボニル化は不必要であることが判明し た。複雑な操作工程の数が減少するので、コバルトリサイクルを一層簡単に実施 することができる。もう1つの利点は、前記刊行物に基づく方法の場合と異なり 、純水生成がが不必要であり、かつ酢酸が不必要であることにある。 工程(b)でまず圧力を低下させかつ温度を低下させると、コバルトと有機リ ガンドとの錯体が極性混合物中で形成され、それに伴い有機相中でコバルトカル ボニルが分解することが判明した。工程(e)で、こ のコバルトと有機リガンドとの錯体は、高められた一酸化炭素及び/又は水素圧 の作用下に分解し、コバルトカルボニルを生成し、該コバルトカルボニルは有機 相に移行する。また、工程(e)は再抽出(e)、及び工程(b)は最初の抽出 (b)とも称される。 用語“有機相”は、反応帯域内に存在し、反応帯域から出て工程(f)で再循 環せしめられる混合物の実質的に極性成分を意味する。該有機相は、未転化エチ レン系不飽和化合物、アルデヒド、極性であってもよい溶剤、コバルトカルボニ ル及び水素添加生成物並びに該方法で形成された重い副生成物からなる。 コバルトカルボニル触媒の存在下でのオレフィンのヒドロホルミル化中に有機 リガンド(該リガンドは極性混合物中で可溶性である)を使用することは、Jour nal of Organometallic Chemistry,403(1991)221−227に記載されている。該 文献は、本発明による方法に類似した方法を使用することに相反するものである 。それというのも、工程(c)での極性溶剤の分離後に後に大量のコバルトが残 留するからである。コバルト損失の結果、リサイクルされるコバルトの活性が低 下する。しかしながら、最初の抽出(b)を本発明による方法に基づき実施する と、最初の抽出後の有機相中のコバルトの量は実質的にゼロであることが判明し た。 欧州特許公開第372,313号明細書の実験41 には、1−ヘキセンのヒドロホルミル化中にコバルトカルボニル及び極性水混合 物中に溶かした有機リガンドを使用する方法が記載されている。該反応後に、ド イツ国特許出願公開第2627354号明細書に記載された方法に基づき、最初 の抽出を実施する(本発明の工程(b)に類似)。この方法では、まず最初に、 本発明による方法とは異なり、混合物を110℃から20℃に冷却し、引き続き 圧力を低下させる。次に、水相を分離する(工程(c)に類似)。有機リガンド 及びコバルトを溶解させた水相を、次いで1−ヘキセンのヒドロホルミル化のた めに再使用する(工程(d,e,a)に類似)。ところで、この第2反応におい てノルマルアルデヒドと枝分れしたアルデヒドとの比(n/b比)は3.4:1 から2.1:1に減少することが明らかである。 欧州特許公開第372,313号明細書に記載された類似の方法に関して、こ のようなn/b比の減少は、最初の抽出(工程(b)に類似)を100℃で実施 しかつ再抽出を二酸化炭素の存在下に実施する、La Chimica E L′Industria V .60,N 1978年11月11日第2欄第889頁に記載されているような方法 でも見られる。 しかしながら、本発明による方法を使用すると、n/b比はコバルトを数回再 使用した後も実質的に一定に維持することが立証された。 前記方法と比較すると、本発明による方法は、コバルトを簡単な方法で再循環 させることができるという利点を有する。再循環は簡単である。それというのも 、ヒドロホルミル化に必要な一酸化炭素及び水素は別にして、最初の抽出(b) 及び/又は再抽出(e)を可能にするために再循環中に極性混合物に付加的な物 質を加える必要がないからである。該方法のもう1つの重要な利点は、活性度( アルデヒド製造)及びヒドロホルミル化反応の選択性(n/b比)が、コバルト を再循環させても低下しないことにある。コバルトを再循環させる際のアルデヒ ドの一定の製造及び一定n/b比は、ヒドロホルミル化法が工業的適用のために 好適であるべき場合直面される重要な条件である。ノルマルアルデヒドが概して 目標生成物であるので、n/b比が低下することは好ましくない。 極性混合物は、最初の抽出(b)の操作条件下で無極性有機相と実質的に非混 和性である任意の極性液体であってよい。有利には、該極性混合物は水である。 エチレン系不飽和化合物は、3〜30個の炭素原子、有利には3〜12個の炭 素原子を有するジアルケン、アルケン又はシクロアルケンであってよい。好適な アルケン及びジアルケンの例は、プロペン、ブテン、ブタジエン、ペンテン、ヘ キセン、オクテン及びドデセンである。適当なシクロアルケンの例は、シクロペ ンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン及びシクロ ドデセンである。別のエチレン系不飽和化合物の例は、2つの不飽和化合物が非 共役である、ジアルケン、スチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸、メタク リル酸及び有利にはこれらの酸のアルキルエステルである。 有利には、エチレン系不飽和化合物は、以下の化学式: [式中、R1は2〜11個の炭素原子を有する一又は多不飽和、枝分れ鎖状又は 非枝分れ鎖状非環式炭化水素基であり、及びR2は1〜8個の炭素原子を有する アルキル基又は6〜10個の炭素原子を有するアリール基を表す]で示されるア ルケンカルボン酸エステルである。 有利にはR1は5個の炭素原子を有し、かつR2は1〜8個の炭素原子を有する アルキル基又はフェニル基である、適当なアルケンカルボン酸エステルの例は、 2−,3−及び4−ペンテン酸エステル及び枝分れ鎖状ペンテン酸エステルであ り、この場合R2はメチル、エチル、プロピル、イソプロイル、n−ブチル、t −ブチル、イソブチル、シクロブチル、シクロヘキシル及びフェニル基を表すこ とができる。 ペンテン酸エステルは重要である。それというのも、本発明による方法によれ ば、5−ホルミルバレルアン酸エステルが形成されるからである。該5−ホルミ ルバレルアン酸エステルは、カプロラクタム、カプロラクトン又はアジピン酸の 製造のための出発物質として提供することができるために重要である。 有機相内のコバルトとエチレン系不飽和化合物とのモル比は、一般に1:5〜 1:10,000である。有利には、この比は1:10〜1:1000である。 有機リガンドは極性混合物中に可溶性でありかつコバルトとの配位結合した錯 体を形成する。該有機リガンドは最初の抽出(b)の条件下では非極性有機相中 には不溶性又は難溶性であるのが有利である。それというのもさもなければ、工 程(c)での該リガンド損失が多くなり過ぎるからである。有機リガンドは一般 に置換されたイオン化可能な基を有する、それにより該リガンドは極性混合物中 に可溶性である。極性混合物中に可溶性である適当なリガンドは、一般的構造式 (3)及び(4): [式(3)のR3,R4及びR5並びに式(4)のR6,R7,R8及びR9は互いに 無関係に1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、この場合炭化水素基 はアルキル、アリール、アルカリル、アラルキル及びシクロアルキルを表すこと ができる、 式(4)中のWは2価の有機橋状基を表し、 QはP,As及びSbからなる群から選択される原子を表しかつ式(3)のY1 ,Y2及びY3並びに式(4)のY4,Y5,Y6及びY7は炭化水素基上で置換さ れたイオン性基を表し、該イオン性基は−SO3M,−PO3M,−CO2M及び −N(R103Xからなる群から選択することができ、上記Mは無機又は有機カ チオンを表しかつXは無機又は有機アニオンを表し、この場合M及びXはリガン ドが極性混合物中に可溶性になるように選択され、かつR10は1〜30個の炭素 原子を有する炭化水素基を表し、該炭化水素基はアルキル、アリール、アルカリ ル及びシクロアルキルを表すことができる、 m1,m2,m3,m4,m5,m6及びm7は互いに無関係に0〜5である整数を 表し、この場合(3)中のm1,m2及びm3の少なくとも1つはゼロでないか又 は(4)のm4,m5,m6及びm7の少なくとも1つはゼロでない]を有する。整 数m1〜m7はイオン化できるリガンド基の数を表しかつこれらの値はリガンドが 極性混合物中で可溶性になるために十分に高いべきである。 炭化水素基R3〜R9は一般に1〜18個の炭素原子を有し、かつ有利には1〜 12個の炭素原子を有する。好適な基の例は、メチル、エチル、プロピル、ブチ ル、ヘキシル、シクロヘキシル及びフェニル基である。有利には、R3,R4及び R5からなる群の少なくとも1つ並びにR6,R7,R8及びR9の少なくとも1つ はフェニル基である。より有利には、一連のR3,R4及びR5の少なくとも2つ 、特に全ての基はフェニルであり、かつ一連のR6,R7,R8及びR9の少なくと も3つ、特に全ての基はフェニルである。 2価の橋状基(W)は1〜30個の炭素原子からなる2価の基である。適当な 2価の基の例は、炭化水素基又は酸素、硫黄又は窒素を含有する炭化水素基であ り、後者の場合には2つの炭化水素基がそれぞれ酸素原子、硫黄原子又は窒素原 子によって結合されている。有利には、炭化水素基は1〜16個、より有利には 1〜12個の炭素原子を有する。橋状結合基Wとして利用することができる特に 適当な基は、2〜8個の炭素原子を有する2価のアルキル基である 有機リガンドは、一般に塩であり、この場合カチオ ン(M)はアルカリ金属及びアルカリ土類金属、例えばLi,Na,K,Cs, Rb,Ca,Ba,Mg及びSr、及びアンモニウムカチオンの群から選択され 、かつアニオン(X)はスルフェート、カルボネート、クロリド、アセテート及 びオキサレートからなる群から選択される。 適当な有機リガンドの例は、スルホン化及びカルボキシル化されたトリアリー ルホスフィンの塩である。適当なスルホン化されたトリアリールホスフィンは、 1〜6個のスルホネート基を有するトリフェニルホスフィンである。このような ホスフィンの例は、モノスルホンフェニルジフェニルホスフィン、ジ(モノスル ホンフェニル)フェニルホスフィン、トリ(モノスルホンフェニル)ホスフィン 及びジ(トリスルホンフェニル)フェニルホスフィンである。 適当なカルボキシル化されたトリアリールホスフィンは、1〜6個のカルボキ シレート基を有するトリフェニルホスフィンである。このようなホスフィンの例 は、モノカルボキシルフェニルジフェニルホスフィン、ジ(モノカルボキシルフ ェニル)フェニルホスフィン、トリ(モノカルボキシルフェニル)ホスフィン及 びジ(トリカルボキシルフェニル)フェニルホスフィンである。 有機リガンドのコバルトに対するモル比は、一般に1:1〜10:1であり、 有利にはこの比は1:1〜 3:1である。 本発明に基づく方法の種々の工程は、バッチ式及び連続式の両者で実施するこ とができる。有利には、該方法は連続式で実施する。 本発明を工程毎(a→e)に明確にする。 工程(a)でのヒドロホルミル化反応の条件のためには、なかんずく欧州特許 公開第295,551号明細書及び欧州特許公開第295,549号明細書に記 載されているような一般に公知のヒドロホルミル化条件を使用することができる 。工程(a)は一般に60〜200℃、有利には80〜150℃の温度で実施す る。圧力は一般に5.0〜50MPa、有利には5.0〜30MPaである。 所望であれば、ヒドロホルミル化反応は、実質的に極性混合物と非混和性であ る有機溶剤の存在下に実施することができる。適当な有機溶剤は、ケトン、アセ トフェノン及びシクロヘキサノール;エーテル例えばジエチルエーテル、アニソ ール及びジフェニルエーテル;芳香族化合物例えばベンゼン、トルエン及びキシ レン;パラフィン例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘ キサン及びイソ−オクタン及びエステル例えばメチルベンゾエート及びメチルバ レレートである。芳香族及び/又はパラフィン系溶剤を使用するのが有利である 。溶剤の混合物を使用することができる。 ヒドロホルミル化は、一酸化炭素を除く及び有機相中の極性混合物中で可溶性 の有機リガンドを除く付加的なリガンドの不在又は存在下に実施することができ る。ヒドロホルミル化を本発明による方法に基づき実施する場合には、付加的リ ガンド不在で有機相内で実施するのが有利であることが判明した。 ヒドロホルミル化反応中のエチレン系不飽和化合物の一酸化炭素に対するモル 比は、一般に1:10〜10:1、有利には2:1〜1:5であるべきである。 ヒドロホルミル化反応中の一酸化炭素の水素に対するモル比は、一般に1:0 .5〜1:10である。有利には、この比は1:1〜1:2である。 バッチ式方法においては、ヒドロホルミル化を行う反応帯域は撹拌容器の形を 取ることができる。連続式方法の場合には、撹拌タンク型反応器(CSTR)、 管型反応器、非撹拌バッブルカラム及び内部もしくは外部ガス上昇ループ型反応 器を使用することができる。 反応帯域を出た有機相は、少なくともアルデヒド及び未転化エチレン系不飽和 化合物及びコバルトカルボニルを含有する。この混合物を最初の抽出工程(a) で再抽出工程(e)からの極性混合物と接触させる。このことは、再抽出(e) 後の極性混合物は有機相から分離されておらず、かつまた反応帯域へのフィード (工程(a))の一部を形成する方法を含むものと理 解される。圧力、ひいては水素及び一酸化炭素の分圧は最初の抽出(b)で初め て低下せしめられ、一方温度は同時に又はその後にのみ低下せしめられるので、 実質的に全てのコバルトは極性混合物になると見なされる。最初の抽出(b)で 圧力を低下させる間に、コバルトに極性混合物に移行する機会を与えるために極 性混合物と有機相との既に十分な接触が行われることが重要である。工程(c) における、例えば相分離による、極性混合物と有機相の分離は、コバルトを含有 し、有機相中に後に残る極性混合物の量が最少であるように慎重に実施するのが 有利である。このための理由は、工程(d)でのアルデヒドの後処理中にコバル トが若干の副反応を触媒し、副生成物の形成を惹起することにある。もう1つの 理由は、有機相内の後に残留するコバルトは回収するのが極めて困難であり、従 ってヒドロホルミル化反応の活性度を一定のレベルに維持するためにサイクルに 加えるためには新たなコバルトが必要となることにある。 最初の抽出(b)で使用される極性溶液の、ヒドロホルミル化反応が行われる 有機相に対する重量比は、1:10〜10:1、有利には1:5〜5:1である 。 最初の抽出(b)中に、圧力をヒドロホルミル化反応中に使用される圧力より も低い圧力に低下させる。この圧力は一般に0.01〜5.0MPa、有利には 0.05〜0.5MPaである。該圧力は、一酸化炭素及び水素のようなガス状 成分を分離することにより低下させる。この圧力低下を考慮して、一般にある程 度の冷却が行われる。それ以上の冷却は、例えば冷却手段を使用して達成するこ とができる。抽出工程中に放出される一酸化炭素は、有利には同時に分離する。 該圧力は、比較的高い温度では著しくは低下させないことが重要である。それと いうのもさもなければ、揮発性コバルト化合物が蒸発しかつ失われる危険がある からである。揮発性コバルト化合物の蒸発を阻止するために、ある程度の圧力の 低下後に温度を低下させ、引き続き更に圧力を低下させることができる。 最初の抽出(b)では、温度を80℃未満に低下させる。下限には限界はない が、一般に温度は0℃を越えて低下させるべきでない。一般に、該温度は20〜 80℃である温度に低下させる。 最初の抽出(b)は、例えば連続的に直列のミキサー、引き続いての沈降器で 実施することができる。引き続いてのミキサーで圧力を段階的に低下させ、同時 に冷却する。バッチ式抽出は、例えば撹拌容器で実施することができる。 最初の抽出(b)後に、アルデヒドを工程(d)で、コバルトを除去した有機 相から分離する。コバルトが有機相から除去されていれば、アルデヒドは如何な る副生成物も形成されることなく蒸留により回収する ことが可能である。アルデヒド及び何らかの副生成物を単離した後に、残留有機 相(該有機相は一般になお未転化エチレン系不飽和化合物及び場合により溶剤を 含有する)を、工程(e)に再循環させるか又は直接工程(a)に戻す。言うま でもなく、溶剤に依存して、若干の場合には溶剤はアルデヒドから未転化エチレ ン系不飽和化合物と同時に分離されない。 再抽出工程(e)で、有機相を、最初の抽出(b)からのコバルト含有極性混 合物と一酸化炭素及び水素の存在下に5MPaよりも高い圧力で接触させる。こ の結果、高めた圧力の影響を受けて、コバルトカルボニルが形成され、該コバル トカルボニルは有機混合物に移行する。再抽出(e)後、極性混合物と有機相を 分離し、有機相は反応帯域に導き、一方極性混合物は最初の抽出(b)に再循環 させる。 最初の抽出(e)で使用される有機相は、新鮮なエチレン系不飽和化合物、場 合により溶剤、又はヒドロホルミル化中に転化されなかった工程(f)のエチレ ン系不飽和化合物、又はこれらの成分の組み合わせを含有することができる。再 抽出(e)後、所望により、これらの成分の1種以上を、有機相を反応帯域導く (工程(a))前に、有機相に加えることができる。 再抽出(e)を実施する温度は、一般に50〜200℃である。有利には、該 温度は、ヒドロホルミル化反応を実施する温度と同じである。再抽出(e)を実 施する一酸化炭素圧は、極性混合物中の有機リガンドとコバルトの錯体の少なく とも一部が分解されかつコバルトカルボニルが形成されるように、十分に高いべ きことが重要である。従って、再抽出(e)中の圧力は200MPa、有利には 50MPaよりも高いべきである。上限には限界はないが、一般にはヒドロホル ミル化(a)で使用される圧力よりは実質的に高いべきでない。一般に、正常な 操作条件下では極性混合物中に含有されるコバルトの全ては有機相に移行しない 。しかしながら、このことは不利でない。それというのも、極性混合物は工程( b)に再循環せしめられるので、コバルトは失われないからである。 工程(e)の第1実施態様では、水素は早期のヒドロホルミル化を回避するた めに再抽出中には存在しない。 工程(e)の第2実施態様では、再抽出(e)は2工程で実施し、まず第1に 極性混合物を一酸化炭素及び水素で2〜20MPaの圧力及び80〜150℃の 温度で処理し、コバルトカルボニルを取得し、かつこの混合物を引き続き一酸化 炭素及び水素の不在下で有機相と接触させる。このことは、該プロセスにおいて 、一酸化炭素/水素流を除き、分離された一酸化炭素流の必要性を排除する。 例えば前記実施態様の1つに基づく再抽出(e)は、例えば向流抽出カラム又 はミキサー−沈降器内での 連続的操作であってよい。バッチ式抽出は、例えば撹拌容器で実施することがで きる。 有利である工程(e)の第3実施態様においては、再抽出(e)と工程(a) を1つの操作工程に組み合わせる。この場合には、従って反応帯域に最初の抽出 (b)からのコバルト含有極性混合物、及び少なくともエチレン系不飽和化合物 を含有する有機相を供給する。この実施態様は、工程の数が減少するという利点 を有する。このように組み合わせた工程における条件は、既に工程(a)に関し て記載した条件と同じである。 有利である、工程(e)と工程(a)を組み合わせた本発明の実施態様を、第 1図に基づき説明する。 フロー1を介して新鮮なエチレン系不飽和化合物を反応帯域Aに導入する。反 応帯域Aで、同時に工程(a)と再抽出(e)を実施する。装置B内で、圧力を 低下させかつ同時に又は後で温度を低下させかつ極性混合物と有機相を分離する 。コバルト不含の有機相をフロー3を介して分離区分Cに移行させる。フロー5 を介して、コバルト含有極性混合物を反応帯域Aに再循環させる。分離帯域Cで アルデヒドを回収しかつフロー4によって排出する。また、何らかの副生成物も 分離区分Cで回収することができる(第1図には示されていない)。フロー6を 介して、アルデヒド不含の有機相を反応帯域Aに再循環させる。 次に実施例につき本発明を詳細に説明する。これらの実施例は、本発明を限定 するものと見なされるべきでない。 実施例では、トリ(モノスルホンフェニル)ホスフィンのナトリウム塩(P( m−C66SO3Na)3=TPPTS)を有機リガンドとして使用した。トリ( モノスルホンフェニル)ホスフィンのナトリウム塩は、米国特許第4,248, 802号明細書に記載に基づき製造した。実施例では更に以下に定義する用語を 使用した: 例I ガラスライナーに触媒先駆物CO2(CO)80.15mmol、TPPTS( リガンド、L)0.69mmol及びトルエン4.7gを導入した。それにより 生じた混合物中のL/Co比は2.3であった。全てのCO2(CO)8が溶解し た後に脱イオン化した蒸留水6.1gを加えた。このライナーを50mlの機械 的撹拌パル(Parr)オートクレーブ(全体がハステロイC鋼からなる)に入れた 。該オートクレーブをCO /H21:1混合物で3回パージした。引き続き、CO/H2(1:1)圧5.5 MPa及び撹拌速度1250rpmで、オートクレーブの温度を110℃に上昇 させた。30分後、トルエン2.4g、3−ペンテン酸メチルエステル(PE) 2.8g及び内部標準ノナン0.3gの混合物をオートクレーブ中に噴射し、オ ートクレーブ中の圧力を6.5MPaに上昇させた。3−ペンテン酸メチルエス テルの量は、生じる混合物中のPE/CO比が81になるように選択した。5時 間後、圧力を5MPaに低下させることにより反応を停止させ、次いでオートク レーブを80℃に冷却した。引き続き、圧力を更に0.5MPaに低下させ、引 き続き25℃に冷却した。1分後に、容器を解放した、完全な相分離が行われて いることが判明し、無色の有機相と褐色/赤色の水相(極性相)とが得られた。 相分離により、コバルトの初期量の0.1%未満が有機相内に残留した。該混合 物をガスクロマトグラフィー及びガスクロマトグラフィー/質量分光分析に基づ き分析した。結果は第1表に示されている。 例II 例IをL/Co比1.6及びPE/Co比56を用いて反応圧6.5MPa及 び温度120℃で6時間繰り返した。全反応混合物は3−ペンテン酸メチルエス テル2.6g、ノナン0.4g、トルエン7.9g、水6.3g、CO2(CO )80.21mmol及びT PPTS0.66mmolを含有していた。結果は第1表に示されている。 例III 例IをL/Co比1.7及びPE/Co比53を用いて反応圧6.5MPa及 び温度120℃で6時間繰り返した。全反応混合物は3−ペンテン酸メチルエス テル1.8g、ノナン0.4g、トルエン12.4g、水5.7g、CO2(C O)80.15mmol及びTPPTS0.51mmolを含有していた。結果 は第1表に示されている。 例IV 例IをL/Co比1.1及びPE/Co比20を用いて反応圧6.5MPa及 び温度120℃で6時間30分繰り返した。全反応混合物は3−ペンテン酸メチ ルエステル1.73g、ノナン0.35g、トルエン11.3g、水7.0g、 CO2(CO)80.38mmol及びTPPTS0.85mmolを含有してい た。結果は第1表に示されている。 例V 例IをL/Co比1.5及びPE/Co比45を用いて反応圧12.0MPa 及び温度120℃で5時間繰り返した。全反応混合物は3−ペンテン酸メチルエ ステル1.73g、ノナン0.3g、トルエン11.4g、水6.7g、CO2 (CO)80.17mmol及びTPPTS0.5mmolを含有していた。結 果 は第1表に示されている。 例VI 例IをL/Co比1.2及びPE/Co比12を用いて反応圧12.0MPa 及び温度120℃で5時間繰り返した。全反応混合物は3−ペンテン酸メチルエ ステル0.52g、ノナン0.4g、トルエン12.6g、水7.5g、CO2 (CO)80.19mmol及びTPPTS0.47mmolを含有していた。 結果は第1表に示されている。 例VII 例IをL/Co比1.7及びPE/Co比44を用いて反応圧6.5MPa及 び温度120℃で5時間繰り返した。全反応混合物は3−ペンテン酸メチルエス テル1.75g、ノナン0.3g、トルエン11.4g、水6.9g、CO2( CO)80.18mmol及びTPPTS0.32mmolを含有していた。結 果は第1表に示されている。 例VIII 例VIIを繰り返したが、但しこの場合にはライナーに例VIIで分離した水混合物 を充填した。トルエンは別に、存在するトルエンの量が例VIIと同じになるよう に調合した。PE/Co比は45であった。全反応混合物は例VIIの水相及び3 −ペンテン酸メチルエステル1.75g、トルエン11.4g及びノナン0.3 4gを含有していた。結果は第1表に示されている。 例IX 例VIIを繰り返したが、但しこの場合にはライナーに例VIIIで分離した水混合 物を充填した。トルエンは別に、存在するトルエンの量が例VIIと同じになるよ うに調合した。PE/Co比は44であった。反応混合物は例VIIIの水相及び3 −ペンテン酸メチルエステル1.71g、ノナン0.3g及びトルエン11.2 gを含有していた。結果は第1表に示されている。 例X 例IをL/Co比1.2及びPE/Co比79を用いて反応圧12.0MPa 及び温度120℃で7時間繰り返した。反応混合物は3−ペンテン酸メチルエス テル3.0g、ノナン0.54g、トルエン6.6g、水6.9g、CO2(C O)80.16mmol及びTPPTS0.60mmolを含有していた。結果 は第1表に示されている。 例XI 例Xを繰り返したが、但しこの場合にはライナーに例Xで分離した水混合物を 充填した。トルエンは別に、存在するトルエンの量が例Xと同じになるように調 合した。反応時間は7時間であった。反応混合物は例Xの水相及び3−ペンテン 酸メチルエステル3.0g、ノナン0.54g及びトルエン2.7gを含有して いた。結果は第1表に示されている。 比較実験A 例Iを繰り返したが、但しこの場合には有機リガンドを加えずに、PE/Co 比59を用いて反応圧6.5MPa及び温度110℃で5時間実施した。反応混 合物は3−ペンテン酸メチルエステル1.75g,ノナン0.4g、トルエン7 .0g、水6.9g及びCO2(CO)80.18mmolを含有していた。相分 離後に、コバルトの初期量の95〜100%が有機相内に存在することが判明し た。その他の結果は第1表に示されている。 比較実験B 比較実験Aを繰り返したが、但しこの場合には脱イオン化した蒸留水及び有機 リガンドを加えずに、PE/Co比59を用いて反応圧6.5MPa及び温度1 10℃で2時間実施した。反応混合物は3−ペンテン酸メチルエステル2.0g 、ノナン0.35g、トルエン14.0g及びTPPTS0.15mmolを含 有していた。反応後に、2つの分離された相は存在しなかった。結果は第1表に 示されている。このことはコバルトの100%が有機相内に存在することを意味 する。 前記実施例は、本発明による方法では、コバルトを触媒の選択性及び活性を如 何なる低下を示すことなく 再使用できることを示す。 前記実施例は、有機リガンド含有水混合物の存在は、ヒドロホルミル化反応の 選択性及び活性に殆ど効果がないことを示す。それというのも、相応する結果は 、比較実験B(これらの成分は存在しない)でも得られたからである。 例XII 例Iを、但しこの場合には溶剤としてトルエンを加えずに、L/Co比1.1 及びPE/Co比124を用いて反応圧6.5MPa及び温度120℃で5時間 繰り返した。反応混合物は3−ペンテン酸メチルエステル9.06g、ノナン0 .8g、水6.5g、CO2(CO)80.28mmol及びTPPTS0.63 mmolを含有していた。結果は第2表に示されている。 例XIII 例Iを、但しこの場合には溶剤としてトルエンを加えずに、L/Co比1.2 及びPE/Co比149を用いて反応圧12.0MPa及び温度120℃で5時 間繰り返した。反応混合物は3−ペンテン酸メチルエステル9.7g、ノナン0 .97g、水6.9g、CO2(CO)80.29mmol及びTPPTS0.7 1mmolを含有していた。結果は第2表に示されている。 例XIV 例Iを、但しこの場合には溶剤としてトルエンを加えずに、L/Co比1.1 及びPE/Co比126を用いて反応圧13.0MPa及び温度120℃で3時 間繰り返した。反応混合物は3−ペンテン酸メチルエステル9.47g、ノナン 0.95g、水6.16g、CO2(CO)80.30mmol及びTPPTS0 .63mmolを含有していた。結果は第2表に示されている。 例XV 例Iを、但しこの場合には溶剤としてトルエンを加えずに、L/Co比1.2 及びPE/Co比206を用いて反応圧12.0MPa及び温度125℃で2時 間30分繰り返した。反応混合物は3−ペンテン酸メチルエステル13.64g 、ノナン0.96g、水6.0g、CO2(CO)80.29mmol及びTPP TS0.66mmolを含有していた。結果は第2表に示されている。 例XVI 例XVを繰り返したが、但しこの場合にはライナーに例XVで分離した水混合 物を充填した。反応混合物は例XVの水相及び3−ペンテン酸メチルエステル1 3.76g及びノナン1.0gを含有していた。結果は第2表に示されている。 例XVII 例XVIを繰り返したが、但しこの場合にはライナー に例XVIで分離した水混合物を充填した。反応混合物は例XVIの水相及び3−ペ ンテン酸メチルエステル13.60g及びノナン0.99gを含有していた。結 果は第2表に示されている。 実施例XII−XVIIは、ヒドロホルミル化をトルエンのような溶剤の不在で有効 に実施することができることを示す。 実施例XV−XVIIは、本発明による方法では、コバルトを触媒の選択性及び活性 を如何なる低下を示すことなく再使用できることを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07C 67/38 67/54 69/67 // C07B 61/00 300

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)エチレン系不飽和化合物を反応帯域内で一酸化炭素及び水素で5MP aよりも高い圧力及び80℃よりも高い温度でコバルトカルボニル化合物の存在 下に有機相内でヒドロホルミル化し、 (b)有機相を、該有機相と実質的に非混和性の極性混合物と、コバルトの実 際に全てが極性混合物中に混和されるような条件下で接触させることにより有機 相からコバルトを除去し、 (c)極性混合物を有機相から分離し、 (d)アルデヒドを有機相から回収し、 (e)コバルト含有極性混合物を、極性混合物と非混和性である有機相と、極 性混合物からコバルトの少なくとも一部がコバルトカルボニルの形で有機相に移 行するような条件下で接触させ、かつ (f)有機混合物を工程(a)に再循環させる ことによりコバルトを再循環させる方法でアルデヒドを製造する方法において、 工程(b)においてまず圧力を5KPa未満に低下させかつ同時に又は後で温 度を80℃未満に冷却し、その際極性混合物が該極性混合物中に可溶である有機 リガンド含有し、かつ該リガンドがコバルトと錯体を形成し、かつ工程(e)を 2MPaよりも低い圧力下に一酸化炭素の存在下に実施することを 特徴とする、アルデヒドの製造方法。 2.極性混合物が実質的に水からなる、請求項1記載の方法。 3.エチレン系不飽和化合物が3〜30個の炭素原子を有するアルケン又はシク ロアルケンである、請求項1又は2記載の方法。 4.エチレン系不飽和化合物が、以下の化学式: [式中、R1は2〜11個の炭素原子を有する一又は多不飽和、枝分れ鎖状又は 非枝分れ鎖状非環式炭化水素基であり、かつR2は1〜8個の炭素原子を有する アルキル基又は6〜10個の炭素原子を有するアリール基を表す]で示される化 合物である、請求項1又は2記載の方法。 5.エチレン系不飽和化合物が2−,3−又は4−ペンテン酸エステル又はそれ らのエステルの混合物である、請求項4記載の方法。 6.有機リガンドが、以下の一般的構造式: [式(1)のR3,R4及びR5並びに式(2)のR6,R7,R8及びR9は互いに 無関係に1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、この場合炭化水素基 はアルキル、アリール、アルカリル及びシクロアルキルを表すことができる、 式(2)中のWは2価の有機橋状基を表し、 QはP,As及びSbからなる群から選択される配位数として3を有する原子 を表しかつ式(1)のY1,Y2及びY3並びに式(2)のY4,Y5,Y6及びY7 は炭化水素基上で置換されたイオン性基を表し、該イオン性基は−SO3M,− PO3M,−CO2M及び−N(R103Xからなる群から選択することができ、 上記Mは無機又は有機カチオンを表しかつXは無機又は有機アニオンを表し、こ の場合M及びXはリガンドが極性混合物中に可溶性になるように選択され、かつ R10は1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、該炭化水素基はアルキ ル、アリール、アルカリル、アラルキル及びシクロアルキルを表すことができる 、 m1,m2,m3,m4,m5,m6及びm7は互いに無関係に0〜5である整数を 表し、この場合(1)中のml,m2及びm3の少なくとも1つはゼロでな いか又は(2)のm4,m5,m6及びm7の少なくとも1つはゼロでない、但し整 数m1〜m7はイオン化できるリガンド基の数を表しかつこれらの値はリガンドが 極性混合物中で可溶性になるために十分に高いべきである]を有するものの1つ である、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。 7.R6,R7,R8及びR9がフェニル基である、請求項6記載の方法。 8.Wが2〜8個の炭素原子を有するアルキレン基である、請求項6又は7記載 の方法。 9.Qが燐原子である、請求項6から8までのいずれか1項記載の方法。 10.有機リガンドがスルホン化又はカルボキシル化されたトリアリールホスフィ ンの塩である、請求項6記載の方法。 11.工程(b)の圧力を0.01〜5.0MPaに低下させる、請求項1から1 0までのいずれか1項記載の方法。 12.工程(b)の圧力を0.05〜0.5MPaに低下させる、請求項1から1 1までのいずれか1項記載の方法。 13.工程(e)の圧力が5〜30MPaである、請求項1から12までのいずれ か1項記載の方法。 14.工程(e)の温度が工程(a)の温度に等しいか又はそれよりも低い、請求 項1から12までのいず れか1項記載の方法。 15.工程(e)を2つの別々の工程で実施し、その際ます極性混合物を一酸化炭 素及び水素で2〜20MPaの圧力及び80〜150℃の温度で実施し、引き続 き極性溶剤を一酸化炭素及び水素の不在で有機フィードと接触させる、請求項1 から14までのいずれか1項記載の方法。 16.工程(e)と工程(a)を同時に単一工程で実施する、請求項1から12ま でのいずれか1項記載の方法。 17.工程(a)を有機溶剤の存在下に実施し、その際該溶剤が実質的に極性混合 物と非混和性である、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。 18.有機溶剤が芳香族又はパラフィン系溶剤である、請求項17記載の方法。 19.工程(d)でアルデヒドを蒸留により回収する、請求項1から18までのい ずれか1項記載の方法。 20.工程(a)の有機相の一部が、アルデヒドを除去した工程(d)の有機相で ある、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。 21.明細書の記載及び実施例により実質的にカバーされる方法。
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