JPH09215932A - 排気ガス浄化触媒用メタル担体 - Google Patents

排気ガス浄化触媒用メタル担体

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JPH09215932A
JPH09215932A JP8025104A JP2510496A JPH09215932A JP H09215932 A JPH09215932 A JP H09215932A JP 8025104 A JP8025104 A JP 8025104A JP 2510496 A JP2510496 A JP 2510496A JP H09215932 A JPH09215932 A JP H09215932A
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仁史 太田
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雅幸 糟谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ガス浄化性能、エンジン耐久性、製作コ
ストのいずれも従来よりも有利なメタル担体を提供する
こと。 【解決手段】 金属平箔と金属平箔を波形状に塑性加工
した金属波箔を円筒状に巻回して形成したハニカム体、
若しくは金属平箔と金属波箔を交互に積層して形成した
ハニカム体を、金属外筒内に組み込んでなる排気ガス浄
化触媒用メタル担体において、金属平箔と金属波箔のう
ち少なくとも一方の箔として厚さが40μm未満の金属
箔を使用し、金属箔同士を金属箔中のAl量が減少しな
いような条件のもので固相拡散接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、自動車等の排気ガ
ス浄化に使用される触媒の基本となるメタル担体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用の触媒装置には排気ガス
の初期浄化性能が優れていて、排気抵抗の小さいメタル
担体が使用されることが多くなっている。従来、この種
のメタル担体としては、金属平箔と金属平箔を長さ方向
に波型形状の塑性加工した金属波箔を重ね合わして、こ
れを例えば渦巻状に巻回して円筒形のハニカム体、若し
くは平箔と波箔を平面的に交互に積層してハニカム体を
構成し、これを金属外筒などのケーシングに組み込んだ
上に相互に接合したものが知られており、該メタル担体
に触媒を担持して自動車排気ガス浄化装置として使用し
ている。
【0003】一般に、ハニカム体を構成する金属箔はC
r−Al−Feからなる高耐熱フェライト系ステンレス
鋼が多く使用されており、これは箔中のAlが表面で選
択酸化されてAl2 3 として形成されることによって
耐酸化性が向上するからである。このため金属箔中のA
l量がメタル担体の耐久性に重要な影響を及ぼすことに
なる。
【0004】また、ハニカム体内部の接合は、Ni系の
粉状ろう剤を金属平箔、金属波箔の接触部にバインダー
等の有機物を介在させて固着し、真空炉内でろう付け処
理を施すことよって行なわれている。この場合には金属
箔中のAlはろう剤中のNiと極めて強固に結合する傾
向があり、ろう付け部近傍にAlが偏析する。一方、そ
の偏析箇所周辺のAlは逆に欠乏し、局所的に耐酸化性
が劣化することがある。更に、製造コスト面からみて
も、ろう剤は大変高価であり、安価なメタル担体をユー
ザーに供給することを阻害している。
【0005】そこで、ろう剤を使用しないでメタル担体
を製造する方法が提案されている。例えば、特開平1−
266978号公報には、処理温度1200℃(請求項
では850℃〜1200℃)、真空度10-6Torr(請求
項では10-2〜10-6Torr)で金属平箔と金属波箔を固
相拡散接合法で接合することによって、ハニカム体を製
造する方法が開示されている。しかし、この方法ではエ
ンジン耐久に必要とされる耐久性を確保することができ
なかった。このため特開平5−168947号公報で
は、さらに高温(1400℃)で処理する方法が提案さ
れているが、Al蒸発防止用治具を装着しているため、
量産を考慮すると、この方法は生産性・コストの面で問
題が残る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ハニカム体の接合方法
に関しては、Ni系のろう剤を使用する手段が一般的で
あるが、ろう剤とメタル担体用金属箔が接合すると、上
述の如く金属箔中のAlとろう剤中のNiとの強固な親
和性により、接合時において波箔と平箔のメニスカス近
傍にはAlが偏析すると共に、その周辺には逆にAlが
欠乏した状態が生じることから、耐久性に問題が生じ
る。そのため、ろう剤を使用しないで金属平箔と金属波
箔を接合する方法が前述のように提案されているが、い
ずれも耐久性と安価な製造方法が両立されていない。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点を
解決すべく鋭意研究を行った結果得られたもので、金属
平箔及び金属波箔の少なくとも一方を、特定の条件下で
真空処理を行うことによりハニカム体を形成すること
で、排気ガス浄化性能、エンジン耐久性、製作コストの
いずれも従来よりも有利なメタル担体を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、金属平
箔と金属平箔を波形状に塑性加工した金属波箔を円筒状
に巻回して形成したハニカム体、若しくは金属平箔と金
属波箔を交互に積層して形成したハニカム体を、金属外
筒内に組み込んでなる排気ガス浄化触媒用メタル担体に
おいて、金属平箔と金属波箔のうち少なくとも一方の箔
として厚さが40μm未満の金属箔を使用し、金属箔同
士を金属箔中のAl量が減少しないような条件のもので
固相拡散接合したことを特徴とする排気ガス浄化触媒用
メタル担体、及び前記ハニカム体が、箔厚が10〜35
μmの金属平箔と、箔厚が10〜35μmの金属波箔と
で成ることを特徴とする排気ガス浄化触媒用メタル担
体、及び上述のハニカム体において、固相拡散接合させ
る熱処理条件が、処理温度1200℃〜1250℃で処
理時間が30分以上90分以下で処理温度到達時の真空
度が3×10-4Torr〜5×10-5Torrであることを特徴
とする排気ガス浄化触媒用メタル担体、及び上述のハニ
カム体において、固相拡散接合させる熱処理後の金属箔
中のAl量が4.0%以上残留していることを特徴とす
る排気ガス浄化触媒用メタル担体にある。
【0009】拡散接合は主として二つの面の接触面で表
面エネルギーを減じる方向に原子が拡散することによっ
て接合が得られるもので、一般に、接合条件因子として
考えられるものは、表面処理、金属表面の粗度、処理温
度、処理時間、接合面の圧力などのほか、材料の機械
的、冶金的因子も重要である。従来の発明では主に処理
温度と処理時間に重きをおいた技術であるため、Alの
金属蒸発は免れられなかった。
【0010】これに対し本発明においては、特に、材料
の機械的因子に注目したものである。通常、メタル担体
を構成する金属箔の厚みは40μm〜100μmであ
り、平箔と波箔を重ねて巻回するとき、金属平箔に張力
を付加して巻くのが一般的であった。従って、このよう
な厚みの金属箔を巻回して拡散接合する場合、箔厚起因
の剛性によって波箔と平箔の接触部におけるなじみが不
良となり、拡散接合処理時に金属箔のクリープ現象、原
子の相互拡散が発生しにくい状況となり、良好な固相拡
散現象が生じ難い、という不都合がある。
【0011】本発明においては、金属平箔と金属波箔の
少なくとも一方を厚み40μm未満の金属箔を使用しハ
ニカム体を固相拡散接合法で製造するとした。厚み40
μm未満の金属箔を、ある一定の張力で巻回したとき、
波箔の頂上部が平箔につぶされて変形し、また、波箔に
そって平箔が変形することにより、平箔と波箔が接触し
ている部分の面積がマクロ的に広くなり、相互拡散現象
を促進する。
【0012】さらに、35μm以下の金属箔を1200
℃以上の高温に保持した時、母体体積の減少により、両
箔の接触部分において表面粗さがもたらす表面エネルギ
ーの高さが相対的に大きくなり、原子の拡散を生じる駆
動力となって表面の凹凸を埋める程度のミクロ的な変形
が生じ、接触面積が飛躍的に増加すると推定される。上
述のマクロ的な変形とミクロ的な変形により、厚み40
μm以下の金属箔では固相拡散接合性が大幅に向上する
ことが認められた。
【0013】箔厚が35μmを超して40μmに近づく
と、表面の凹凸を埋める程度のミクロ的な変形が減少し
処理時間が長くなるが、平箔、波箔の両方の箔厚が35
μm以下になると、ミクロ的な変形が増大し、接触部の
なじみが大幅に改善され、処理時間が短くなる。また、
箔厚が10μm未満では巻回する時の箔の剛性が維持で
きずハニカム体製造に支障を来す問題と、箔自体の製造
時の困難性の問題とにより、箔厚の下限は10μmが実
用的である。従って、本発明では平箔と波箔の厚みは1
0μm〜35μmの範囲とすることがもっとも好まし
い。
【0014】さらに、本発明担体の金属箔中のAl量を
4.0%以上残存していることを特徴とした。本発明者
らは、5%Al−20%Cr−Feの高耐熱フェライト
系ステンレス鋼箔(箔厚さが10μm)で製造したメタ
ル担体を実車に搭載し、約10万km走行試験を行っ
た。その結果によると試験開始前は金属箔中のAl量が
4.95%であったが、試験終了後は0.96%であっ
た。すなわち、耐久試験中に約4.0%のAlが消費さ
れていることがわかった。金属箔の有するAlの絶対量
は箔の厚さによって変化するが、エンジン耐久試験中に
消費するAlの量は同じである。従って、箔厚が薄けれ
ば薄いほど耐久寿命は短くなる。さらに、担体の搭載位
置はエンジン始動時の浄化性能を向上させるためにエン
ジンに出来る限り近付ける傾向があるため、担体の使用
環境は厳しくなってきている。酸化に対する耐久性は金
属箔の厚さに影響されるが、実用的でかつ最も薄い10
μmの箔のAlの消費量を基準とした。上記の理由によ
り、本発明担体の金属箔中のAl量を4.0%以上残存
していることを特徴とした。
【0015】さらに、本発明では真空処理条件を、処理
温度1200℃〜1250℃で処理時間が30分以上9
0分以下で処理温度到達時の真空度が3×10-4Torr〜
5×10-5Torrであることを規定している。この下限の
値は固相拡散接合をさせるための条件である。この値の
上限はAl量を4.0%以上残存させるための条件であ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を説明す
る。まず、本発明において金属平箔と金属波箔とを固相
拡散接合してハニカム体を形成する場合に、金属箔中の
Alが顕著に減少しない真空処理条件を選択することが
必要とされる。ハニカム体の金属箔として最も一般的に
広く使用されている5%Al−20%Cr−Feの高耐
熱フェライト系ステンレス鋼からなる箔(厚み50μm
程度)で製造したメタル担体の場合、平箔及び波箔を拡
散接合する際、その真空処理条件としては比較的高温・
長時間で低真空度の条件が必要とされていた。例えば、
1300℃の温度で1×10-6Torrの真空度で90分と
いう条件が代表的なものとされる。しかし、このような
条件では金属箔中のAlが顕著に減少(金属蒸発)して
しまい、メタル担体の耐久性にとって好ましくない。
【0017】そこで本発明者らはAlが4%以上残存す
る条件を求めた。この結果を以下に示す。50μm箔の
場合を図1、36μm〜39μm箔の場合を図2、10
μm〜35μm箔の場合を図3に示す。図1によると、
処理温度が1250℃以上、かつ、処理時間が90分以
上で処理を実施すると(図中の×印を付した条件)、A
lが1%以上蒸散することが確認された。つづいて、5
0μm以上の箔が固相拡散接合する条件を求めた。この
結果を図4に示す。これによると、処理温度及び処理時
間が1290℃以上かつ90分以上必要であることが明
らかになった。図1のデータとあわせて考察すると、5
0μmの箔は金属箔中に4%以上Alが残存する真空処
理条件では固相拡散接合が不可能である。なお、図1〜
図3において、○印はAlが4%以上残存する場合、×
印はAlが4%以上残存しない場合であり、実線はその
境界を示す。
【0018】同様に波箔、平箔のいずれかが厚み40μ
m未満の箔の場合について、固相拡散接合する条件を求
めた。この結果を図5に示す。これと図2とを合わせて
考察し、波箔、平箔のいずれかが40μm未満の箔厚で
金属箔中のAlが4%以上残存し、かつ、固相拡散接合
する条件を図7に示す。この結果によると、波箔、平箔
の少なくともいずれかが厚み40μm未満の箔の場合
は、処理温度が1220℃〜1250℃、かつ、処理時
間が60分から90分の範囲で適正な条件が得られた。
【0019】さらに、波箔、平箔の両方とも厚み35μ
m未満の箔の場合について、固相拡散接合する条件を求
めた。この結果を図6に示す。これと図3を合わせて考
察し、波箔、平箔の両方が35μm未満の箔厚で金属箔
中のAlが4%以上残存し、かつ、固相拡散接合する条
件を図8に示す。この結果によると、波箔、平箔の両方
とも厚み35μm未満の箔の場合は、処理温度が120
0℃〜1250℃、かつ、処理時間が30分から90分
の範囲で適正な条件が得られた。
【0020】次に、本発明において厚み40μm未満の
金属箔を使用する理由について説明する。本発明におい
てメタル担体を製作する場合、図9に示すように、ま
ず、金属平箔2及び金属波箔3を重ね合わせて渦巻状に
巻回した後、これを真空炉に入れて所定条件下で両箔を
固相拡散接合して一定径のハニカム体を形成し、次い
で、該ハニカム体を円筒状の金属外筒1内に挿入し結合
して製作する。
【0021】本発明において、厚み40μm未満の金属
箔を用いるのは、金属平箔及び金属波箔のいずれか一方
で十分であるが、平箔と波箔の両方共に厚み40μm未
満、特に、厚み35μm未満の金属箔を使用することが
さらに好ましい。例えば、厚み40μm未満の金属波箔
3と従前と同じ厚み40μm以上の金属平箔2とを一定
の張力下で巻回してハニカム体を形成するとき、剛性の
ある平箔によって波箔の頂上部がつぶされて変形し、両
箔の接触面積が広がり、その結果両箔の密着性が良くな
る(図10(a)参照)。反対に厚み40μm未満の金
属平箔2と厚み40μm以上の金属波箔3を用いたとき
には、剛性のある波箔の頂上部にそって平箔が変形し、
同様に両箔の密着性が向上する(図10(b)参照)。
【0022】更に、両箔がいずれも厚み35μm未満で
1200℃以上の高温に保持したとき、母体体積の減少
により、両箔の接触部分において表面粗さがもたらす表
面エネルギーの高さが相対的に大きくなり、原子の拡散
を生じる駆動力となって表面の凹凸を埋める程度のミク
ロ的な変形が生じ、接触面積が飛躍的に増加すると推定
される。
【0023】この推定を確認するため以下の実験を実施
した。図11は表面粗度Raを示す。図11(a)に示
すように熱処理前の箔表面には圧延ロールの研磨疵を転
写して鋭いすじ状の疵が金属箔表面に存在するが、真空
熱処理によって図11(b)に示す通りRaが低下し
た。このRaが0.1μm以下になるときの温度を求め
た。なお、粗度の測定は触診式粗度計、走査距離は3mm
とした。
【0024】5%Al−20%Cr−Feで箔の粗度が
#400メタル担体用素材で箔厚さが10μm〜60μ
mの金属箔を温度1200℃から1300℃で真空度1
×10-5Torrの条件で熱処理を実施した。熱処理後に箔
表面のロール疵が表面拡散により消失する温度を求め
た。これらの結果を図12に示す。図12より、箔厚さ
が35μm未満の時に表面拡散が顕著、すなわちミクロ
的な変形となり、拡散接合性を向上させることが確認さ
れた。
【0025】上述のマクロ的な変形により、40μm未
満の金属箔では固相拡散接合性が大幅に向上することが
認められた。更に箔厚が35μm以下になると、ミクロ
的な変形が増大し、接触部のなじみが大幅に改善され、
処理時間等が短くなる。
【0026】また、箔厚が10μm未満では巻回す時の
箔の剛性が維持できず、ハニカム体製造に支障を来す問
題と、箔自体の製造時の困難性の問題とにより、箔厚が
10μm未満では箔の製造上の問題が生じ実用的でない
ことと、薄くなり過ぎてハニカム体としての剛性が期待
できないので、金属箔の厚みの下限は10μmとした。
従って、本発明では平箔と波箔の厚みは10μm〜35
μmの範囲とすることが最も好ましい。
【0027】
【実施例】
(実施例1)箔厚50μm(A箔)、40μm(B
箔)、35μm(C箔)、30μm(D箔)、20μm
(E箔)の高耐熱フェライト系ステンレス鋼(5%Al
−20%Cr−Fe)からなる、幅120mmの平箔と波
箔(波高さ1.25mm、ピッチ2.5mmの疑似サインカ
ーブ状に加工)を重ねて平箔に約5kgの張力を付加しな
がら巻回し、直径86mm、長さ120mmの円筒状のハニ
カム体を形成し、これを内径86mm、厚さ1.5mm、長
さ120mmの外筒内に装入し、固相拡散接合処理にて接
合してメタル担体を製作した。ハニカム体を形成したと
きの平箔と波箔の拡散接合条件は次の通りである。 [拡散接合条件] 加熱温度:1220℃ 真空度 :1.4×10-4Torr 保持時間:60分
【0028】処理後の固相拡散接合性を調査するため
に、各メタル担体を20mm厚みの輪状に切断して、円錐
型のポンチと台座でハニカム体の押し試験を実施した。
押し試験機の概要を図5に示す。また、その試験結果を
表1に示す。表1からも分かるように、両箔にA箔およ
びB箔を用いたものは、箔相互の接合が不適で図13の
押し試験で図14(b)のようなハニカム体に脱落部が
発生した。これに対し両箔の少なくとも一方にC箔、D
箔、E箔を用いたメタル担体は、押し試験によっても図
14(a)に示すハニカム形状を保持し、固相拡散接合
特性が優れていることが確認できた。なお、各箔の接触
部を拡大してみた場合、C箔、D箔、E箔で接触部の拡
大が確認された。
【0029】
【表1】
【0030】また、このようにして得られた箔厚み50
μmと30μmのメタル担体を、200ccのガソリンエ
ンジンの排気系統に使用し、加熱サイクル試験(800
℃〜60℃間で1000サイクル)を行って、エンジン
の耐久性を調べた。箔厚み50μmのメタル担体は、7
0サイクルでハニカムコアのずれが発生して試験を中断
したのに対し、30μmのメタル担体は、1000サイ
クルでもハニカムの接合状態が良好で、エンジン耐久性
試験に合格した。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明のメタル担体
によれば、優れた固相拡散接合性が得られるため、エン
ジン耐久性および浄化性能が向上すると同時にコスト的
にも安価であって、産業上寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】50μm箔厚で金属箔中のAlが4%以上残存
する真空処理条件(真空度1×10-4Torr)を示す図。
【図2】40μm未満箔厚で金属箔中のAlが4%以上
残存する真空処理条件(真空度1×10-4Torr)を示す
図。
【図3】35μm未満箔厚で金属箔中のAlが4%以上
残存する真空処理条件(真空度1×10-4Torr)を示す
図。
【図4】50μm箔厚で固相拡散接合する条件を求めた
結果を示す図。
【図5】波箔、平箔のいずれかが厚み40μm未満の箔
厚で固相拡散接合する条件を求めた結果を示す図。
【図6】波箔、平箔の共に35μm以下の箔厚で固相拡
散接合する条件を求めた結果を示す図。
【図7】波箔、平箔のいずれかが厚み40μm未満の箔
厚で金属箔中のAlが4%以上残存し、かつ、固相拡散
接合する条件を求めた結果を示す図。
【図8】波箔、平箔の共に35μm未満の箔厚で金属箔
中のAlが4%以上残存し、かつ、固相拡散接合する条
件を求めた結果を示す図。
【図9】本発明に係るメタル担体の一例を示す断面説明
図。
【図10】(a)〜(d)はハニカム体を構成する平箔
と波箔の接合状態の種々の例を示す拡大説明図であり、
(a)と(b)は箔厚差を強調して示している。
【図11】金属箔の表面粗度を示し、(a)は真空熱処
理前、(b)は真空熱処理後を示している。
【図12】表面拡散と箔の厚さの関係を示す図。
【図13】メタル担体の押し試験機の概要図。
【図14】図13の押し試験により得られたメタル担体
のハニカム体押し出し形状の模式図で、(a)が脱落の
ない場合、(b)が脱落が生じた場合を示している。
【符号の説明】
1 金属外筒 2 金属平箔 3 金属波箔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 幹雄 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属平箔と金属平箔を波形状に塑性加工
    した金属波箔を円筒状に巻回して形成したハニカム体、
    若しくは金属平箔と金属波箔を交互に積層して形成した
    ハニカム体を、金属外筒内に組み込んでなる排気ガス浄
    化触媒用メタル担体において、金属平箔と金属波箔のう
    ち少なくとも一方の箔として厚さが40μm未満の金属
    箔を使用し、金属箔同士を金属箔中のAl量が減少しな
    いような条件のもとで固相拡散接合したことを特徴とす
    る排気ガス浄化触媒用メタル担体。
  2. 【請求項2】 前記ハニカム体が、箔厚が10〜35μ
    mの金属平箔と、波箔とで成ることを特徴とする請求項
    1記載の排気ガス浄化触媒用メタル担体。
  3. 【請求項3】 固相拡散接合させる熱処理後の金属箔中
    のAl量が4.0%以上残留していることを特徴とする
    請求項1又は2記載の排気ガス浄化触媒用メタル担体。
  4. 【請求項4】 固相拡散接合させる熱処理条件が、処理
    温度1220℃〜1250℃で処理時間が60分以上9
    0分以下で処理温度到達時の真空度が3×10-4Torr〜
    5×10-5Torrであることを特徴とする請求項1又は3
    記載の排気ガス浄化触媒用メタル担体。
  5. 【請求項5】 固相拡散接合させる熱処理条件が、処理
    温度1200℃〜1250℃で処理時間が30分以上9
    0分以下で処理温度到達時の真空度が3×10-4Torr〜
    5×10-5Torrであることを特徴とする請求項2又は3
    記載の排気ガス浄化触媒用メタル担体。
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