JPH10309472A - 触媒コンバータ用メタル担体およびその製造法 - Google Patents

触媒コンバータ用メタル担体およびその製造法

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JPH10309472A
JPH10309472A JP9119915A JP11991597A JPH10309472A JP H10309472 A JPH10309472 A JP H10309472A JP 9119915 A JP9119915 A JP 9119915A JP 11991597 A JP11991597 A JP 11991597A JP H10309472 A JPH10309472 A JP H10309472A
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flat foil
metal
flat
corrugated
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JP9119915A
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Tadayuki Otani
忠幸 大谷
Yoshikuni Tokunaga
良邦 徳永
Toshihiro Egami
利弘 江上
Kazutoshi Iwami
和俊 岩見
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ガス浄化に使用される触媒コンバータ用
メタル担体において、渦巻状に巻回されたメタルハニカ
ム体2の中央部から外周部にかけ全体にわたり、座屈を
伴わずに良好に拡散接合する。 【解決手段】 平箔5と波箔6の接触部9の幅Wが平箔
5および波箔6の厚さtの5倍以上であり、かつ接触部
9が拡散接合により接合されている。平箔5に0.2〜
1.5kgf/cmのバックテンションを付加して巻回され、
また拡散接合が1100℃〜1250℃の温度でなされ
ている。さらに平箔5の箔幅方向平均粗さRacに応じた
温度で拡散接合されているのが好ましい。 【効果】 従来より低いバックテンションで巻回でき、
かつ低い温度で拡散接合できる。従来より過酷な条件で
も耐久性に優れ、工業的に安定して製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジン等
の排気ガスを浄化するために使用される触媒コンバータ
用メタル担体およびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今、自動車排気ガス浄化用の触媒コン
バータとして、メタル担体が使用されてきている。従来
から触媒コンバータにはセラミックス担体が主に使用さ
れているが、耐熱性、低圧損および車体への搭載性の点
から、メタル担体の使用量が増大している。
【0003】図1に示すように従来のメタル担体1は、
耐熱性ステンレス鋼箔からなるメタルハニカム体2を金
属製の外筒3内に組込んで製造されている。メタルハニ
カム体2は、主として図2に示すように、厚さ50μm
程度の帯状の平箔5と、該平箔5を波付け加工した帯状
の波箔6とを重ね、巻取軸8の回りに矢印Bの方向に巻
回し、渦巻状にして製造される。帯状の波箔6には各波
の稜線7が幅方向に形成されており、渦巻状に巻回され
た円柱状のメタルハニカム体2は、円柱の軸方向に多数
の通気孔4を有している。そして、この通気孔に触媒を
担持させて触媒コンバータとしている。
【0004】触媒コンバータには、エンジンからの高温
の排ガスによる激しい熱サイクルに耐え、かつエンジン
からの激しい振動にも耐えるための優れた耐久性が要求
される。そのため従来のメタル担体1は、メタルハニカ
ム体2の平箔5と波箔6の接触部、およびメタルハニカ
ム体2の外周と外筒3の内周とが接合されている。接合
手段としては、ロウ付け、抵抗溶接、拡散接合が行われ
ているが、ロウ材や溶接治具等を用いることなく、高真
空下あるいは非酸化性雰囲気下で高温加熱することによ
り接合できる拡散接合が有利である。
【0005】一般に拡散接合に際しては、接合すべき材
料同士をたがいに密着させ、加熱中も終始面圧が加わる
ように加圧装置あるいはウエイトが使用される。ところ
が、上記のような渦巻状に巻回されたメタルハニカム体
2においては、外部から面圧を付与することができない
ので、巻回時、図2に示すように平箔5に対し矢印Aの
方向にバックテンションをかけ、あるいは外筒3に挿入
後、縮径することによって面圧を付与していた。
【0006】しかし、巻回時のバックテンションではメ
タルハニカム体2の外周部に面圧がかかり難く、外筒3
の縮径では中心部に面圧がかかり難い。両者を併用して
も、メタルハニカム体2の中心部と外周部の中間部では
面圧がかかり難かった。そして中間部に必要な面圧を付
与するために、バックテンションを高めると、中心部の
通気孔4が座屈し、縮径加工率を上げると、外周部の通
気孔4が座屈するという問題があった。
【0007】この問題に対して本発明者らは、平箔5と
波箔6の表面粗さを、平均粗さ(Ra)で0.001μ
m以上0.2μm以下とし、かつ平箔5と波箔6の接触
幅を30μm以上とすることで、メタルハニカム体2の
通気孔4が座屈しない範囲のバックテンションおよび外
筒縮径により、中心部から外周部まで良好に拡散接合す
る製造方法を特開平8−38912号公報により提案し
ている。
【0008】また、特開平5−131144号公報で
は、波箔6の各波の頂上部および谷部を箔厚さ以上の幅
を有する平らな平行部とし、これを平箔5と重ねて渦巻
状に巻回することで両箔を面状に接触させたのち拡散接
合することにより、接合強度を向上させることを提案し
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平8−389
12号公報に提案している技術は、平箔5および波箔6
の表面粗さを上記範囲に小さくし、かつ接触幅を30μ
m以上としているが、接触幅の具体例は、実施例で示し
ている30μmと200μmである。なお該公報では表
面粗さの測定方向については言及していない。本発明者
らの知見では、帯状の平箔5および波箔6の長さ方向に
測定した表面粗さが上記範囲であっても、直角方向(C
方向)に測定した表面粗さが大きい場合は、接触幅を2
00μmとしても拡散接合部の耐久性が不十分である。
【0010】また上記特開平5−131144号公報に
提案している技術では、平箔5と波箔6の面接触を可能
とするために波箔の各波に平行部を形成しているが、平
行部の幅は箔厚さ以上としているだけで、具体的な寸法
は示していない。さらに、拡散接合の際の加熱について
は、従来1250℃以上の高温加熱が行われていたが、
より低温で拡散接合することが望まれていた。
【0011】本発明は、自動車エンジン等の排気ガスを
浄化するために使用される触媒コンバータ用メタル担体
およびその製造法であって、渦巻状に巻回されたメタル
ハニカム体2を中央部から外周部にかけ全体にわたり、
座屈を伴わずに良好に拡散接合することで、平箔と波箔
の接合強度を向上させ、耐久性の優れたメタル担体を提
供することを目的とする。また拡散接合のための加熱温
度を従来よりも低温で行うことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明メタル担体は、耐熱性ステンレス鋼からなる帯
状の平箔と、該平箔を波付け加工した帯状の波箔で各波
の稜線が幅方向であるものとが、重ねて渦巻状に巻回さ
れた多数の通気孔を有するメタルハニカム体が、金属製
外筒内に組み込まれてなるメタル担体において、前記平
箔と前記波箔の接触部の幅が前記平箔および前記波箔の
厚さの5倍以上であり、かつ該接触部が拡散接合により
接合されていることを特徴とする触媒コンバータ用メタ
ル担体である。
【0013】そして、前記メタルハニカム体が、前記帯
状の平箔に単位平箔幅あたり0.2kgf/cm〜1.5kgf/
cmのバックテンションを付加し巻回されて形成されてい
るものとすることができる。また前記拡散接合が110
0℃〜1250℃の温度でなされているものとすること
ができる。さらに前記拡散接合が、平箔の箔幅方向の平
均粗さRac(μm)に応じて真空熱処理温度T(℃)
を、 104 /(T+273)≦−0.43 logRac+6.43 (1) の関係式を満足する範囲にして行われているものとする
のが好ましい。
【0014】上記目的を達成するための本発明法は、多
数の通気孔を有するメタルハニカム体が金属製外筒内に
組み込まれてなるメタル担体の製造法において、耐熱性
ステンレス鋼からなる帯状の平箔を波付け加工して各波
の稜線が幅方向である帯状の波箔とするに際し、各波の
頂上部および谷部に、箔厚さの5倍以上の幅を有する平
行部を形成し、該波箔と前記平箔とを重ねて渦巻状に巻
回することで、前記平行部と前記平箔との接触部を面接
触とし、かつ該接触部を拡散接合して前記メタルハニカ
ム体とすることを特徴とする触媒コンバータ用メタル担
体の製造法である。
【0015】そして、前記波箔と前記平箔とを重ねて巻
回するとき、前記平箔にかけるバックテンションを単位
平箔幅あたり0.2kgf/cm〜1.5kgf/cmとすることが
できる。また前記拡散接合を1100℃〜1250℃の
温度で行うことができる。さらに、前記拡散接合を、平
箔の箔幅方向の平均粗さRac(μm)に応じて真空熱処
理温度T(℃)を、前記(1)式を満足する範囲にして
行うことが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のメタル担体1は、図1に
示すように、メタルハニカム体2が金属製の外筒3内に
組込まれている。メタルハニカム体2は、図2に示すよ
うに、耐熱性ステンレス鋼からなる帯状の平箔5と、該
平箔5を波付け加工した帯状の波箔6とを重ね、平箔5
にA方向にバックテンションをかけ、巻取軸8の回りに
B方向に巻回し、渦巻状にして製造される。帯状の波箔
6には、各波の稜線7が幅方向、すなわち帯の長さ方向
と直交するC方向に形成されており、渦巻状に巻回され
た円柱状のメタルハニカム体2は、円柱の軸方向に多数
の通気孔4を有している。
【0017】そして本発明メタル担体は、図3に示すよ
うに、平箔5と波箔6の接触幅Wが平箔5および波箔6
の厚さtの5倍以上であり、かつ平箔5と波箔6の接触
部9が拡散接合により接合されている。接合は、巻回さ
れたメタルハニカム体2を外筒2内に装入した後、拡散
接合処理することにより行われる。この処理により平箔
5と波箔6の接触部9が拡散接合されるとともに、メタ
ルハニカム体2の外周面と外筒3の内周面とが、ロウ付
けあるいは拡散接合により接合される。
【0018】メタルハニカム体2用の材料としては、耐
熱性合金元素としてAl等を含有するフェライト系ステ
ンレス鋼、例えば20%Cr−5%Al鋼が採用され
る。また外筒3用の材料としては、メタルハニカム体2
ほどの耐熱性は要求されないので、Al等の耐熱性合金
元素を含有しないステンレス鋼を採用してもよい。
【0019】本発明メタル担体において、接触幅Wを箔
厚さtの5倍以上とするには、波箔6として、たとえば
図4に示すような台形状の波を有するもので、波の頂上
部および谷部に箔厚さtの5倍以上の幅の平行部10を
形成したものを採用すればよい。図3のように接触幅W
を箔厚さtの5倍以上とすることで、接触部9は面圧を
特に高めなくても良好に拡散接合される。
【0020】以下その理由について考察する。拡散接合
は真空炉内で加熱することにより行われるが、通常採用
される10-4Torr程度の真空度では、残留酸素により平
箔5および波箔6が酸化される。本発明者らは、耐熱性
合金元素としてAlを含有するフェライト系ステンレス
鋼からなる箔を、約2×10-4Torrの真空度にて125
0℃に加熱したところ、箔表面にAl2 3 の生成を確
認している。この現象は、上記加熱雰囲気に酸素が存在
し、かつ真空加熱中に箔からAlなどの金属蒸気が発生
して酸化されたことを示している。
【0021】従来のように平箔5と波箔6の接触幅Wが
狭いと、接触部9に酸素が侵入して接触界面にAl2
3 が生成し、これが障壁となって拡散接合され難くなる
と考えられる。ところが、接触幅Wを箔厚さtの5倍以
上に広げることにより、接触部9の両箔間にAlなどの
金属蒸気が充満し、酸素侵入が抑止され、接触界面での
Al2 3 生成が抑止されるので、面圧を特に高めなく
ても良好に拡散接合されると考えられる。したがって、
本発明メタル担体は、平箔5と波箔6の接触部9の幅W
を箔厚さtの5倍以上とした。
【0022】このように本発明メタル担体は、平箔5と
波箔6の接触部9において面圧を特に高める必要がない
ので、図2のように帯状の平箔5と帯状の波箔6を重ね
て巻回するとき、平箔5に対しA方向に付与するバック
テンションを、従来より低くすることができる。このた
め巻回時にメタルハニカム体2の通気孔4が座屈するお
それが解消される。このようなメタルハニカム体2を外
筒3に装入したのちは、面圧を付与するための縮径は不
要である。
【0023】そして本発明メタル担体は、上記のように
平箔5と波箔6の接触部9の拡散接合性がよく、接合部
の拡散接合率が高い。ここで拡散接合率は、接合線の長
さLに対する接合部分の合計長さΣai 、すなわちΣa
i /Lであり、接合部の断面を顕微鏡観察する等により
求めることができる。本発明者らは、このような拡散接
合率が0.3以上であれば、自動車エンジン等に搭載し
たときの耐久性に問題がないことを確認している。
【0024】さらに、拡散接合性がよいため拡散接合処
理の加熱において、加熱温度を低下させ、あるいは加熱
時間を短縮させることができるので、平箔5と波箔6は
Al等の耐熱性合金元素の蒸発が抑止される。したがっ
て、触媒コンバータとして使用するときの耐久性に優れ
ている。
【0025】つぎに本発明メタル担体において、図2の
ようにしてメタルハニカム体2とする際、A方向に付与
されるバックテンションを従来よりも低くし、平箔5の
単位平箔幅あたり0.2kgf/cm〜1.5kgf/cmとして形
成されたものとすることができる。このため、巻回時に
メタルハニカム体2に座屈などの変形が生じるおそれが
解消される。
【0026】また、拡散接合時の加熱を1100℃〜1
250℃の温度で行うことができる。従来から行われて
いる1250℃では拡散接合がより良好に行え、110
0℃以上のより低い温度でも、従来なみあるいはそれ以
上の良好な拡散接合が行え、耐久性の優れたメタル担体
となる。
【0027】さらに拡散接合を、平箔5の箔幅方向の平
均粗さRac(μm)に応じて、真空熱処理温度T(℃)
を、 104 /(T+273)≦−0.43 logRac+6.43 (1) の関係式を満足する範囲にして行うことが好ましい。R
acは平箔5の箔幅方向、すなわち図2に示すC方向に測
定した平均粗さである。なお波箔6は、このような表面
粗さの平箔5を波付け加工して形成されるので、平箔5
と同様の粗さを有している。
【0028】帯状の平箔5は厚さが50μm程度であ
り、冷間圧延により製造されるので、その表面には、通
常、圧延方向に筋が見られる。この筋に直交する方向、
すなわち図2に示すC方向の表面粗さの異なる試料につ
いて、真空熱処理温度Tを変化させ、拡散接合の良否を
判定した結果、図6に示すように、上記(1)式を満足
する範囲が良好であった。
【0029】良否の判定は冷押試験により行い、図6の
○は合格、●は不合格を示す。冷押試験は、図8に示す
ように、メタル担体1をダイス11に載せ、上からロー
ドセル13付きのポンチ12を押し込み、ストローク−
荷重曲線を記録するものである。押し込み後の変形部観
察結果と曲線の形により合否が判定でき、メタル担体1
内に接合不良によるズレが発生しないものは実線のよう
な曲線となり合格、接合部にズレが発生すると破線のよ
うになり不合格である。
【0030】このように、平箔5および波箔6の表面粗
さRacに応じた真空熱処理温度Tで拡散接合処理を行う
ことにより、得られるメタル担体の拡散接合率を安定し
て高め、かつAl等の耐熱性合金元素の蒸発を安定して
抑止したものとすることができる。
【0031】つぎに本発明法は、図1に示すように、多
数の通気孔を有するメタルハニカム体2が金属製外筒3
内に組み込まれてなるメタル担体1の製造法において、
耐熱性ステンレス鋼からなる帯状の平箔5を波付け加工
して、図2のように各波の稜線7が幅方向(C方向)で
ある帯状の波箔6とするに際し、図4のように各波の頂
上部および谷部に、箔厚さtの5倍以上の幅を有する平
行部10を形成し、該波箔6と平箔5とを重ねて図2の
ように渦巻状に巻回することで、図3のように平箔5と
波箔6の接触部9を幅W≧5tの面接触とし、かつ該接
触部9を拡散接合してメタルハニカム体2とする。
【0032】接合は、巻回されたメタルハニカム体2を
外筒2内に装入した後、拡散接合処理することにより行
う。この処理により平箔5と波箔6の接触部9を拡散接
合するとともに、メタルハニカム体2の外周面と外筒3
の内周面とを、ロウ付けあるいは拡散接合により接合す
る。
【0033】本発明法において、平箔5と波箔6の接触
部9を幅W≧5tの面接触とする理由は、上記本発明メ
タル担体において説明したとおりである。また平箔5を
波付け加工して波箔6とするには、通常、波付けギアを
使用するが、波箔6の各波の頂上部および谷部に図4の
ような平行部10を形成するには、先端部の曲率半径を
大きくした、もしくは先端部を平坦にした波付けギアを
採用すればよい。
【0034】本発明法では、平箔5と波箔6の接触部9
において面圧を特に高める必要がないので、図2のよう
に帯状の平箔5と帯状の波箔6を重ねて巻回するとき、
平箔5にA方向に付与するバックテンションを、従来よ
り低い単位平箔幅あたり0.2kgf/cm〜1.5kgf/cmと
することができる。このため巻回時にメタルハニカム体
2の通気孔4が座屈するなどの変形を生じるおそれが解
消される。このようなメタルハニカム体2を外筒3に装
入したのちは、面圧を付与するための縮径は不要であ
る。
【0035】また、拡散接合時の加熱を1100℃〜1
250℃の温度で行うことができる。従来から行われて
いる1250℃では拡散接合がより良好に行え、110
0℃以上のより低い温度でも、従来なみあるいはそれ以
上の拡散接合が行え、耐久性の優れたメタル担体とな
る。さらに拡散接合を、平箔5の箔幅方向の平均粗さR
ac(μm)に応じて、真空熱処理温度T(℃)を、
(1)式の関係式を満足する範囲にして行うことが好ま
しい。
【0036】
【実施例】下記材料を使用して外径100mm、長さ10
0mmのメタル担体を製造し、耐久試験を行った。 平箔:20Cr−5Alフェライト系ステンレス鋼箔、
厚さ50μm、幅100mm 波箔:同上平箔を波付け加工したもの、波高さ1.25
mm、ピッチ2.54mm 外筒:18Cr−8Ni耐熱ステンレス鋼管、肉厚1.
5mm、長さ100mm、外径102mm
【0037】(1)メタル担体1(従来例) 波箔の形状:長さ方向側面が図4に示すようなサインカ
ーブをなす 平箔に10kgf (すなわち1.0kgf/cm)のバックテン
ションを加えながら波箔とともに巻回し、外径100mm
のメタルハニカム体を作製した。平箔と波箔の接触部幅
W=0.1mm=2t(箔厚さの2倍)である。外筒の内
面全面にろう材を塗布した後、このメタルハニカム体を
挿入した。その後、1250℃、10-4Torrの高温高真
空下で90分加熱して製造した。
【0038】(2)メタル担体2(本発明例) 波箔の形状:長さ方向側面が図3のような台形カーブを
なす 平箔に10kgf (すなわち1.0kgf/cm)のバックテン
ションを加えながら波箔とともに巻回し、外径100mm
のメタルハニカム体を作製した。平箔と波箔の接触部幅
W=0.5mm=10t(箔厚さの10倍)である。外筒
の内面全面にろう材を塗布した後、このメタルハニカム
体を挿入した。その後、1250℃、10-4Torrの高温
高真空下で90分加熱して製造した。
【0039】(3)メタル担体3(本発明例) 波箔の形状:長さ方向側面が図3のような台形カーブを
なす 平箔に10kgf (すなわち1.0kgf/cm)のバックテン
ションを加えながら波箔とともに巻回し、外径100mm
のメタルハニカム体を作製した。平箔と波箔の接触部幅
W=0.5mm=10t(箔厚さの10倍)である。外筒
の内面全面にろう材を塗布した後、このメタルハニカム
体を挿入した。その後、1225℃、10-4Torrの高温
高真空下で90分加熱して製造した。
【0040】(4)メタル担体4(本発明例) 波箔の形状:長さ方向側面が図3のような台形カーブを
なす 平箔に10kgf (すなわち1.0kgf/cm)のバックテン
ションを加えながら波箔とともに、図7においてd1
80mm、H1 =30mmとなるように、1ターン相当長さ
にアルミナを塗布しながら巻回し、外径100mmのメタ
ルハニカム体を作製した。平箔と波箔の接触部幅W=
0.5mm=10t(箔厚さの10倍)である。外筒の内
面にL1 =60mm、L2 =40mmとなるようににろう材
を塗布し、L1 の箇所にアルミナを塗布したのち、この
メタルハニカム体を挿入した。その後、1225℃、1
-4Torrの高温高真空下で60分加熱して製造した。
【0041】上記従来例および本発明例のメタル担体1
〜3に対して、前述の図8に示す冷押試験を実施したと
ころ、従来例のメタル担体1は、ズレが発生し不合格と
なったが、本発明例のメタル担体2および3は問題なく
合格であった。また図7のようにスリット入り全体接合
とした本発明例のメタル担体4を、ガソリンエンジンの
排気系に搭載し、加熱950℃10分、冷却150℃1
0分を1サイクルとする過酷な冷熱耐久試験を実施した
ところ、900サイクル付与しても損傷せず合格であっ
た。
【0042】
【発明の効果】本発明のメタル担体は、渦巻状に巻回さ
れたメタルハニカム体が巻回時に小さなバックテンショ
ンにより形成され、かつ外筒装入後の縮径が不要で、中
心部から外周部まで全体にわたって変形や座屈を伴わず
良好に拡散接合され、自動車エンジン等に搭載したとき
の耐久性に優れている。そして、従来よりも低い温度で
拡散接合することができる。また本発明法により、この
ような耐久性および製造性の優れたメタル担体を工業的
に安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明メタル担体の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明におけるメタルハニカム体の製造例を示
す斜視図である。
【図3】本発明におけるメタルハニカム体の平箔と波箔
の接合部の例を示す正面図である。
【図4】本発明例における波箔の形状例(台形状カー
ブ)を示す側面図である。
【図5】従来例における波箔の形状(サインカーブ)を
示す側面図である。
【図6】本発明における拡散接合の好ましい条件を示す
平均粗さと真空熱処理温度との関係図である。
【図7】本発明の実施例におけるメタル担体の例を示す
断面図である。
【図8】本発明の対象材における冷押試験の説明図であ
る。
【符号の説明】
1…メタル担体 2…メタルハニカム体 3…外筒 4…通気孔 5…平箔 6…波箔 7…稜線 8…巻取軸 9…接触部 10…平行部 11…ダイス 12…ポンチ 13…ロードセル 14,15…非接合部 16…接合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩見 和俊 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性ステンレス鋼からなる帯状の平箔
    と、該平箔を波付け加工した帯状の波箔で各波の稜線が
    幅方向であるものとが、重ねて渦巻状に巻回された多数
    の通気孔を有するメタルハニカム体が、金属製外筒内に
    組み込まれてなるメタル担体において、前記平箔と前記
    波箔の接触部の幅が前記平箔および前記波箔の厚さの5
    倍以上であり、かつ該接触部が拡散接合により接合され
    ていることを特徴とする触媒コンバータ用メタル担体。
  2. 【請求項2】 前記メタルハニカム体が、前記帯状の平
    箔に単位平箔幅あたり0.2kgf/cm〜1.5kgf/cmのバ
    ックテンションを付加し巻回されて形成されていること
    を特徴とする請求項1記載の触媒コンバータ用メタル担
    体。
  3. 【請求項3】 前記拡散接合が1100℃〜1250℃
    の温度でなされていることを特徴とする請求項1または
    2記載の触媒コンバータ用メタル担体。
  4. 【請求項4】 前記拡散接合が、平箔の箔幅方向の平均
    粗さRac(μm)に応じて真空熱処理温度T(℃)を、 104 /(T+273)≦−0.43 logRac+6.4
    3 の関係式を満足する範囲にして行われていることを特徴
    とする請求項1または2記載の触媒コンバータ用メタル
    担体。
  5. 【請求項5】 多数の通気孔を有するメタルハニカム体
    が金属製外筒内に組み込まれてなるメタル担体の製造法
    において、耐熱性ステンレス鋼からなる帯状の平箔を波
    付け加工して各波の稜線が幅方向である帯状の波箔とす
    るに際し、各波の頂上部および谷部に、箔厚さの5倍以
    上の幅を有する平行部を形成し、該波箔と前記平箔とを
    重ねて渦巻状に巻回することで、前記平行部と前記平箔
    との接触部を面接触とし、かつ該接触部を拡散接合して
    前記メタルハニカム体とすることを特徴とする触媒コン
    バータ用メタル担体の製造法。
  6. 【請求項6】 前記波箔と前記平箔とを重ねて巻回する
    とき、前記平箔にかけるバックテンションを単位平箔幅
    あたり0.2kgf/cm〜1.5kgf/cmとすることを特徴と
    する請求項5記載の触媒コンバータ用メタル担体の製造
    法。
  7. 【請求項7】 前記拡散接合を1100℃〜1250℃
    の温度で行うことを特徴とする請求項5または6記載の
    触媒コンバータ用メタル担体の製造法。
  8. 【請求項8】 前記拡散接合を、平箔の箔幅方向の平均
    粗さRac(μm)に応じて真空熱処理温度T(℃)を、 104 /(T+273)≦−0.43 logRac+6.4
    3 の関係式を満足する範囲にして行うことを特徴とする請
    求項5または6記載の触媒コンバータ用メタル担体の製
    造法。
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