JPH09213774A - ウェハ保持部材及びその製造方法 - Google Patents

ウェハ保持部材及びその製造方法

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JPH09213774A
JPH09213774A JP1449296A JP1449296A JPH09213774A JP H09213774 A JPH09213774 A JP H09213774A JP 1449296 A JP1449296 A JP 1449296A JP 1449296 A JP1449296 A JP 1449296A JP H09213774 A JPH09213774 A JP H09213774A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保持したウェハ30にパーティクルが付着しに
くいウェハ保持部材を得る。 【解決手段】ウェハ30の載置面11aを有する基体1
1をセラミックスで形成し、上記載置面11aの中心線
平均粗さ(Ra)を0.1μm以下とするとともに、載
置面11aのボイド中の残留物を除去してウェハ保持部
材を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体や液晶の製
造装置において、半導体ウェハや液晶用ガラス等のウェ
ハを保持・搬送するために使用するウェハ保持部材に関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程で、半導体ウェハに成膜
を施すCVD装置やそのウェハに微細加工処理を施すド
ライエッチング装置において、半導体ウェハの保持部材
としてサセプターや静電チャックが用いられている。
【0003】例えば図3に示すように、サセプター20
はセラミックス等の基体21の載置面21aにウェハ3
0を載置して各種加工処理を施すものである。
【0004】また、静電チャックは、上記基体21に内
部電極を備え、この内部電極とウェハ30間に電圧を印
加して、静電吸着力により、ウェハ30を載置面21a
に吸着固定した状態で、各種加工処理を施すものであ
る。
【0005】上記ウェハ保持部材を成す基体21の材質
としてはセラミックスが用いられており、例えばアルミ
ナにチタンを添加して還元性雰囲気で焼成したもの(特
開昭62−264638号公報参照)、チタン酸バリウ
ム等の強誘電体材料で形成したもの(特開平2−339
325号公報参照)等がある。
【0006】また、特にハロゲン系ガスのプラズマ雰囲
気中で使用される場合には、基体21として焼結助剤を
添加した窒化アルミニウム質セラミックスを用いること
も提案されている(特開平5−251365号公報参
照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記ウェハ
30をウェハ保持部材で保持して加工した場合、ウェハ
30にパーティクルと呼ばれる微小な粒子が付着し、こ
れがウェハ30上に形成する配線パターンに悪影響を及
ぼすという問題があった。特に、近年の半導体回路の高
密度化に伴って、上記パーティクルの付着が大きな問題
となってきた。
【0008】一般に、ウェハに付着するパーティクルの
付着原因としては、ウェハ自体の引っかき傷等によるS
i等の付着と、ウェハ保持部材の載置面からの付着の2
種類があることが知られている。そのため、ウェハ保持
部材からの付着を防止することが望まれているが、従来
のウェハ保持部材ではこの要求を満たすことができなか
った。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、ウェハ
の載置面を有する基体をセラミックスで形成し、上記載
置面の中心線平均粗さ(Ra)を0.1μm以下とする
とともに、載置面のボイド中の残留物を除去してウェハ
保持部材を構成したものである。即ち、上記載置面にお
ける0.01mm2 の範囲中に、0.1μm以上の残留
物が存在するボイドの個数を100個以下、または0.
1μm以上の大きさの残留物の個数を500個以下とし
たことを特徴とする。
【0010】また本発明は、セラミックスからなる基体
に形成した載置面を中心線平均粗さ(Ra)が0.1μ
m以下となるように研磨した後、この載置面を酸処理し
てボイド中の残留物を除去する工程からウェハ保持部材
を製造したことを特徴とする。
【0011】即ち、本発明者が検討の結果、ウェハ保持
部材を構成するセラミックス製基体の表面に存在する微
小なボイドに、セラミックス粒子のかけらや研削・研磨
粉等の残留物が存在しており、この残留物がウェハに付
着してパーティクルとなることを見出した。
【0012】そこで、本発明では、セラミックス製の基
体のウェハ載置面を中心線平均粗さ(Ra)が0.1μ
m以下となるように滑らかに研磨してボイドを小さくす
るとともに、この面を酸処理することによって、ボイド
中の残留物を溶かして除去し、ウェハへのパーティクル
の付着を防止するようにしたのである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明のウェハ保持部材の実
施形態を図によって説明する。
【0014】図1に示す静電チャックは、セラミックス
製の基体11の表面を載置面11aとし、内部に電極1
2と発熱抵抗体13を備えたものである。また必要があ
れば、この基体11の下面をベース板(不図示)に接合
することもできる。
【0015】ここで、上記電極12は静電吸着用電極で
あり、基体11の載置面11aに載置したウェハ30
と、上記電極12間に電源14より直流電圧を印加する
と、単極型の静電チャックとして作用し、ウェハ30を
吸着することができる。また、発熱抵抗体13は不図示
の電源より通電することによって発熱させ、ウェハ30
を加熱することができる。
【0016】そして、本発明では、上記基体11の載置
面11aの中心線平均粗さ(Ra)を0.1μm以下と
するとともに、この載置面11aのボイド中の残留物を
除去したことを特徴とする。
【0017】また、このような載置面11aは、まず中
心線平均粗さ(Ra)が0.1μm以下となるように研
磨した後、この載置面11aを酸処理し、ボイド中の残
留物を溶かして除去することによって得ることができ
る。
【0018】即ち、本発明ではまず載置面11aを中心
線平均粗さ(Ra)が0.1μm以下となるように研磨
して、表面のボイド11bを小さくする。この時点で
は、図2(a)に示すようにボイド11b中には、セラ
ミックス粒子のかけらや研削・研磨粉等の残留物11c
が存在している。その後、この載置面11aを酸処理す
ることによって、上記残留物11cを溶かして除去し、
図2(b)に示すようにボイド11b内に残留物11c
が実質的に存在しない状態とするのである。
【0019】そのため、この載置面11aにウェハ30
を載置すると、パーティクルの原因となる残留物11c
が存在しないため、ウェハ30へのパーティクル付着を
防止するとができるのである。
【0020】なお、本発明において、ウェハ載置面11
aの中心線平均粗さ(Ra)を0.1μm以下としたの
は、中心線平均粗さ(Ra)が0.1μmよりも大きい
とボイド11bが大きいままであり、酸処理しても残留
物11cが除去しにくくなるためである。
【0021】また、本発明において、載置面11aのボ
イド11bに実質的に残留物11cが存在しないとは、
ウェハ30への付着が問題となるような大きさの残留物
11cがほとんど存在しないことを言う。具体的には、
載置面11aの任意の箇所を電子顕微鏡(SEM)で観
察したとき、0.01mm2 の範囲中に、0.1μm以
上の大きさの残留物11cが存在するボイド11bの数
が100個以下、又は0.1μm以上の大きさの残留物
11cの個数が500個以下のいずれかを満たしていれ
ば良い。
【0022】さらに、載置面11aを酸処理する場合
は、HF、HNO3 等の酸中に載置面11aを浸漬し、
所定時間経過した後で洗浄すれば良い。このとき、浸漬
時間が長すぎると基体11自体を溶かしてしまうため、
適度な時間となるように制御する必要がある。
【0023】また、図示していないが上記載置面11a
には溝等を形成することもできる。この場合は、載置面
11aのうちウェハ30と接触する面を、中心線平均粗
さ(Ra)が0.1μm以下で、ボイド中に実質的に残
留物が存在しない状態としておけば良く、溝の内側表面
はこのような状態となっていなくても良い。そして、上
記溝中にHeガス等を流すことによって、基体11とウ
ェハ30間の熱伝達を高めることができる。
【0024】さらに、図1の例では、基体11中に電極
12と発熱抵抗体13を備えたものを示したが、さらに
プラズマ発生用電極を備えたり、または電極12のみを
備えた構造の静電チャック10とすることもできる。
【0025】あるいは、図3に示すようなサセプタ20
についても同様に本発明を適用するとができ、基体21
の載置面21aを中心線平均粗さ(Ra)が0.1μm
以下で、ボイド中に実質的に残留物が存在しない状態と
すれば良い。また、このサセプタ20に発熱抵抗体やプ
ラズマ発生用電極を備えることもできる。
【0026】このように、本発明のウェハ保持部材と
は、ウェハを載置して、搬送・加工を行うためのサセプ
ターや静電チャックを指している。また本発明のウェハ
とは、上述した半導体ウェハに限らず、液晶用ガラス基
板やその他のさまざまな板状体のものであれば良い。
【0027】以上の実施例において、基体11、21を
成すセラミックスとしては、Al23 ,AlN,Zr
2 ,SiC,Si3 4 等の一種以上を主成分とする
セラミックスを用いる。これらの中でも特に耐プラズマ
性の点から、99重量%以上のAl2 3 を主成分とし
SiO2 ,MgO,CaO等の焼結助剤を含有するアル
ミナセラミックスや、AlNを主成分とし周期律表2a
族元素酸化物や3a族元素酸化物を0.5〜20重量%
の範囲で含有する窒化アルミニウム質セラミックス、あ
るいは99重量%以上のAlNを主成分とする高純度窒
化アルミニウム質セラミックスのいずれかが好適であ
る。
【0028】
【実施例】本発明のウェハ保持部材として、図1に示す
静電チャックを試作した。窒化アルミニウム質セラミッ
クスの原料をシート状に成形し、導電ペーストを塗布し
て電極12や発熱抵抗体13を形成し、各シート状成形
体を積層した後、所定の雰囲気、温度で焼成して基体1
1を得た。
【0029】この載置面11aを切削等により所定の平
面度、平行度となるように加工した後、SiO2 を主成
分とする研磨剤を用いてラップ機で研磨加工を行い、研
磨条件を変化させて、中心線平均粗さ(Ra)を0.0
5〜0.3μmの範囲で変化させた。その後、載置面1
1aに対して、HF−HNO3 の混酸を用いて酸処理を
施しボイド11b内の残留物11cを除去した。なお比
較例として、この酸処理を施さないものも用意した。
【0030】このようにして得られた各静電チャック1
0の載置面11aに直径8インチのシリコンのウェハ3
0を載置し、電源14より通電して吸着した。その後、
ウェハ30を取り外し、載置面11aと接触していた側
の全面に付着した0.1μm以上のパーティクルの数を
パーティクルカウンターで測定し、パーティクル数が2
000個以下のものを○、2000個を越えるものを×
で評価した。
【0031】結果は表1に示す通りである。この結果よ
り、酸処理を施さなかったもの(No.5〜8)ではパ
ーティクル数が4000個以上と大きかった。また、酸
処理を施したものでも、中心線平均粗さ(Ra)が0.
1μmより大きい(No.3,4)とパーティクル数が
5000以上と大きかった。
【0032】これらに対し、中心線平均粗さ(Ra)が
0.1μm以下で、酸処理を施した本発明実施例(N
o.1,2)ではパーティクル数を2000以下と極め
て小さくできることがわかった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ウェハの
載置面を有する基体をセラミックスで形成し、上記載置
面のの中心線平均粗さ(Ra)を0.1μm以下とする
とともに、載置面のボイド中の残留物を除去してウェハ
保持部材を構成したことによって、ウェハに付着するパ
ーティクルの数を極めて少なくするとができ、優れたウ
ェハを歩留り良く加工することが可能となる。
【0035】また、本発明によれば、セラミックスから
なる基体に形成いた載置面を中心線平均粗さ(Ra)が
0.1μm以下となるように研磨した後、この載置面を
酸処理してボイド中の残留物を除去する工程からウェハ
保持部材を製造したことによって、載置面のボイド中に
実質的に残留物の存在しないウェハ保持部材を簡単な工
程で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウェハ保持部材を示す概略断面図であ
る。
【図2】本発明のウェハ保持部材の載置面を示す拡大断
面図である。
【図3】ウェハ保持部材の一例であるサセプターを示す
断面図である。
【符号の説明】
10:静電チャック 11:基体 11a:載置面 11b:ボイド 11c:残留物 12:電極 13:発熱抵抗体 14:電源 20:サセプター 21:基体 21a:載置面 30:ウェハ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウェハの載置面を有する基体をセラミック
    スで形成し、該載置面の中心線平均粗さ(Ra)を0.
    1μm以下とするとともに、上記載置面における0.0
    1mm2 の範囲中に、0.1μm以上の残留物が存在す
    るボイドの個数が100個以下、または0.1μm以上
    の大きさの残留物の個数が500個以下であることを特
    徴とするウェハ保持部材。
  2. 【請求項2】セラミックスからなる基体に備えたウェハ
    の載置面を中心線平均粗さ(Ra)が0.1μm以下と
    なるように研磨した後、この載置面を酸処理してボイド
    中の残留物を除去する工程からなるウェハ保持部材の製
    造方法。
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