JPH09210163A - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機

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JPH09210163A
JPH09210163A JP4056096A JP4056096A JPH09210163A JP H09210163 A JPH09210163 A JP H09210163A JP 4056096 A JP4056096 A JP 4056096A JP 4056096 A JP4056096 A JP 4056096A JP H09210163 A JPH09210163 A JP H09210163A
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output
input
disc
spherical
disk
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JP4056096A
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Inventor
Suenori Tsujimoto
末則 辻本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力軸と出力軸を同一軸芯上に位置するよう
にして、入力軸や出力軸に大きなプリーやスプロケット
などの機器を取付けることを可能として、装置の大きさ
に対して動力伝達容量が小さくなるのを防ぐ。 【解決手段】 同一軸芯上に入力軸3と出力軸4を対置
し、入力軸3に入力ディスク5を同一軸芯上に連動連結
し、出力軸4に出力ディスク6を同一軸芯上に連動連結
し、同一軸芯上に入力ディスク5と出力ディスク6を向
かい合うように対置し、入力ディスク5からの動力を出
力ディスク6に伝達する球状回転子9を両ディスク5,
6に内接する内周円上に等間隔に複数配置し、上記各球
状回転子9の回転軸芯9eを両ディスク5,6の回転軸
芯に対して平行な角度から任意角度に可動自在にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、動力を伝達する
部分に球状回転子を使用して、該球状回転子の回転軸の
角度を任意に変えることで回転速度を無段階に変速でき
るようにした無段変速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、動力を伝達する部分に球体形のパ
ワーボールを使用して、該パワーボールの回転軸の角度
を任意に変えることで回転速度を無段階に変速できるよ
うにした無段変速機として、例えば特開平3−1494
42の『摩擦式無段変速機』が出願されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
特開平3−149442の『摩擦式無段変速機』は、入
力軸と出力軸が同一軸芯上になく平行になっていて同一
面側にあるため、入力軸や出力軸に大きなプリーやスプ
ロケットなどの機器を取付けることができない場合があ
り、その結果、装置の大きさに対して動力伝達容量が小
さくなり易いという課題があった。
【0004】この発明は、上記のような課題に鑑み、そ
の課題を解決すべく創案されたものであって、その目的
とするところは、入力軸と出力軸を同一軸芯上に位置す
るようにして、入力軸や出力軸に大きなプリーやスプロ
ケットなどの機器を取付けることを可能として、装置の
大きさに対して動力伝達容量が小さくなるのを防ぐこと
のできる無段変速機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、同一軸芯上に入力軸と出力軸
を対置し、入力軸に入力ディスクを同一軸芯上に連動連
結し、出力軸に出力ディスクを同一軸芯上に連動連結
し、同一軸芯上に入力ディスクと出力ディスクを向かい
合うように対置し、入力ディスクからの動力を出力ディ
スクに伝達する球状回転子を両ディスクに内接する内周
円上に等間隔に複数配置し、上記各球状回転子の回転軸
芯を両ディスクの回転軸芯に対して平行な角度から任意
角度に可動自在にした手段よりなるものである。
【0006】また、請求項2の発明は、同一軸芯上に入
力軸と出力軸を対置し、入力軸に入力ディスクを同一軸
芯上に連動連結し、出力軸に出力ディスクを同一軸芯上
に連動連結し、同一軸芯上に入力ディスクと出力ディス
クを向かい合うように対置し、入力ディスクからの動力
を出力ディスクに伝達する球状回転子を両ディスクに内
接する内周円上に等間隔に複数配置し、上記各球状回転
子の赤道部位に回転支持溝を全周に形成し、回転支持溝
に球状回転子を回転自在に軸支する軸受体を装着し、上
記両ディスクの外周側に設けられたケーシングに支持さ
れた軸受支持体に、上記両ディスクの回転中心半径方向
に対して直交方向の各軸受体の両側を軸支し、上記両デ
ィスクの回転中心半径方向に指向する作動杆を各軸受体
にそれぞれ突設し、上記ケーシングの内周側の上記両デ
ィスクの外周側に回転作動筒体を回転自在に配置し、該
回転作動筒体の側周面に上記各軸受体の作動杆を案内摺
動する各ガイド溝を回転作動筒体の回転方向に対して斜
めにそれぞれ形成し、上記回転作動筒体を回転駆動させ
る回転駆動機構を設け、上記各球状回転子の回転軸芯を
両ディスクの回転軸芯に対して平行な角度から任意角度
に可動自在にした手段よりなるものである。
【0007】また、請求項3の発明は、同一軸芯上に入
力軸と出力軸を対置し、入力軸に入力ディスクを同一軸
芯上に連動連結し、出力軸に出力ディスクを同一軸芯上
に連動連結し、同一軸芯上に入力ディスクと出力ディス
クを向かい合うように対置し、入力ディスクからの動力
を出力ディスクに伝達する球状回転子を上記入力ディス
ク及び出力ディスク間に2列配置し、2列配置される球
状回転子を上記入力ディスク及び出力ディスクとに内周
円上でそれぞれ内接状態に配列し、2列配置される球状
回転子の列間に中間ディスクをその内周円上でそれぞれ
内接状態に配置し、各列の球状回転子を上記各ディスク
に内接する内周円上に等間隔に複数配置し、上記各球状
回転子の回転軸芯を両ディスクの回転軸芯に対して平行
な角度から任意角度に可動自在にした手段よりなるもの
である。
【0008】また、請求項4の発明は、同一軸芯上に入
力軸と出力軸を対置し、入力軸に入力ディスクを同一軸
芯上に連動連結し、出力軸に出力ディスクを同一軸芯上
に連動連結し、同一軸芯上に入力ディスクと出力ディス
クを向かい合うように対置し、入力ディスクからの動力
を出力ディスクに伝達する球状回転子を上記入力ディス
ク及び出力ディスク間に2列配置し、2列配置される球
状回転子を上記入力ディスク及び出力ディスクとに内周
円上でそれぞれ内接状態に配列し、2列配置される球状
回転子の列間に中間ディスクをその内周円上でそれぞれ
内接状態に配置し、各列の球状回転子を上記各ディスク
に内接する内周円上に等間隔に複数配置し、上記各球状
回転子の赤道部位に回転支持溝を全周に形成し、回転支
持溝に球状回転子を回転自在に軸支する軸受体を装着
し、上記両ディスクの外周側に設けられたケーシングに
支持された軸受支持体に、上記両ディスクの回転中心半
径方向に対して直交方向の各軸受体の両側を軸支し、上
記両ディスクの回転中心半径方向に指向する作動杆を各
軸受体にそれぞれ突設し、上記ケーシングの内周側の上
記両ディスクの外周側に回転作動筒体を回転自在に配置
し、該回転作動筒体の側周面に上記各軸受体の作動杆を
案内摺動する各ガイド溝を回転作動筒体の回転方向に対
して斜めにそれぞれ形成し、上記回転作動筒体を回転駆
動させる回転駆動機構を設け、上記各球状回転子の回転
軸芯を両ディスクの回転軸芯に対して平行な角度から任
意角度に可動自在にした手段よりなるものである。
【0009】また、請求項5の発明は、同一軸芯上に入
力軸と出力軸を対置し、入力軸に入力ディスクを同一軸
芯上に連動連結し、出力軸に出力ディスクを同一軸芯上
に連動連結し、同一軸芯上に入力ディスクと出力ディス
クを向かい合うように対置し、入力ディスクからの動力
を出力ディスクに伝達する球状回転子を上記入力ディス
ク及び出力ディスク間に複数列配置し、複数列配置され
る球状回転子の両端側の球状回転子を上記入力ディスク
及び出力ディスクとに内周円上でそれぞれ内接状態に配
列し、複数列配置される球状回転子の各列間に中間ディ
スクをその内周円上でそれぞれ内接状態で交互に配置
し、各列の球状回転子を上記各ディスクに内接する内周
円上に等間隔に複数配置し、上記各球状回転子の回転軸
芯を両ディスクの回転軸芯に対して平行な角度から任意
角度に可動自在にした手段よりなるものである。
【0010】また、請求項6の発明は、同一軸芯上に入
力軸と出力軸を対置し、入力軸に入力ディスクを同一軸
芯上に連動連結し、出力軸に出力ディスクを同一軸芯上
に連動連結し、同一軸芯上に入力ディスクと出力ディス
クを向かい合うように対置し、入力ディスクからの動力
を出力ディスクに伝達する球状回転子を上記入力ディス
ク及び出力ディスク間に複数列配置し、複数列配置され
る球状回転子の両端側の球状回転子を上記入力ディスク
及び出力ディスクとに内周円上でそれぞれ内接状態に配
列し、複数列配置される球状回転子の各列間に中間ディ
スクをその内周円上でそれぞれ内接状態で交互に配置
し、各列の球状回転子を上記各ディスクに内接する内周
円上に等間隔に複数配置し、上記各球状回転子の赤道部
位に回転支持溝を全周に形成し、回転支持溝に球状回転
子を回転自在に軸支する軸受体を装着し、上記両ディス
クの外周側に設けられたケーシングに支持された軸受支
持体に、上記両ディスクの回転中心半径方向に対して直
交方向の各軸受体の両側を軸支し、上記両ディスクの回
転中心半径方向に指向する作動杆を各軸受体にそれぞれ
突設し、上記ケーシングの内周側の上記両ディスクの外
周側に回転作動筒体を回転自在に配置し、該回転作動筒
体の側周面に上記各軸受体の作動杆を案内摺動する各ガ
イド溝を回転作動筒体の回転方向に対して斜めにそれぞ
れ形成し、上記回転作動筒体を回転駆動させる回転駆動
機構を設け、上記各球状回転子の回転軸芯を両ディスク
の回転軸芯に対して平行な角度から任意角度に可動自在
にした手段よりなるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に記載の発明の実施の
形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0012】〔実施の形態−1〕ここで、図1は無段変
速機の断面図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は
無段変速機の一部切り欠き平面図、図4及び図5は動作
説明用の無段変速機の断面図である。
【0013】図において、無段変速機1は、動力を伝達
する部分に球状回転子9を使用して、該球状回転子9の
回転軸の角度を任意に変えることで回転速度を無段階に
変速できるようにしたものである。無段変速機1は外側
をケーシング2で形成されている。無段変速機1は、図
1において、左側に入力軸3が取付けられ、右側に出力
軸4が取付けられ、入力軸3と出力軸4は同一軸芯上に
向かい合うように対置されている。
【0014】図1で左側に取付けられた入力軸3は、そ
の先端側がケーシング2の左側面の中央を貫通して内部
に挿入されており、ケーシング2の左側面を貫通する部
分がボールベアリング2aによってケーシング2の左側
面中央に回転自在に支持されている。ケーシング2の内
部に挿入された直後の部分の入力軸3の側周面には円形
状の鍔3aが形成されている。更に鍔3aの前方側の入
力軸3は、入力ディスク5の回転中心部を貫通し、その
先端はボールベアリング2aに回転自在に軸支されてい
る。
【0015】図1で右側に取付けられた出力軸4は、そ
の先端側がケーシング2の右側面の中央を貫通して内部
に挿入されており、ケーシング2の右側面を貫通する部
分がボールベアリング2aによってケーシング2の右側
面中央に回転自在に支持されている。ケーシング2の内
部に挿入された直後の部分の出力軸4の側周面には円形
状の鍔4aが形成されている。更に鍔4aの前方側の出
力軸4は、出力ディスク6の回転中心部を貫通し、その
先端はボールベアリング2aに回転自在に軸支されてい
る。
【0016】入力軸3及び出力軸4の先端を回転自在に
軸支するボールベアリング2aは、ケーシング2の内部
中央に配置された円筒支持体11bの円筒内部に取付け
られている。また、この円筒支持体11bはケーシング
2に支持された後述の軸受支持体11の中央部に一体的
に固設されている。
【0017】入力ディスク5の回転中心部には貫通孔が
形成され、ケーシング2の左側面側の貫通孔に周囲には
これよりも大きな円形環状の係合溝5aが形成され、こ
の円形環状の係合溝5aに入力軸3の鍔3aが係合して
いる。円形環状の係合溝5aの底面及びこの底面に相面
する鍔3aの表面には浅めのやや半球面状に窪んだボー
ル受座3b,5bが円周方向に等間隔にそれぞれ複数形
成され、相向かい合う両ボール受座3b,5bにはボー
ル7がそれぞれ着座されていて、入力ディスク5と入力
軸3は各ボール7を介して同一軸芯上に連動連結されて
いる。
【0018】また、入力ディスク5の円形環状の係合溝
5aの底面とこの底面に相面する入力軸3の鍔3aの表
面との間には、入力ディスク5を入力軸3の先端側、つ
まり出力軸4側に押圧する押圧片8が取付けられてい
る。押圧片8には例えば弾性部材が使用されている。押
圧片8は、回転開始時において未だボール7と各ボール
受座3b,5bの働きによって入力ディスク5の接触凹
面5cを球状回転子9に圧接させてその接触摩擦力を十
分に高めることができない場合に、入力ディスク5を出
力軸4側に押圧して入力ディスク5を球状回転子9に圧
接させてその接触摩擦力を高め、回転開始時における入
力ディスク5からの球状回転子9への動力伝達を高める
機能を果たす。押圧片8はボール7を挟んで入力軸3及
び入力ディスク5の回転中心半径方向のその両側に取付
けられている。
【0019】出力ディスク6の回転中心部には貫通孔が
形成され、ケーシング2の右側面側の貫通孔に周囲には
これよりも大きな円形環状の係合溝6aが形成され、こ
の円形環状の係合溝6aに出力軸4の鍔4aが係合して
いる。円形環状の係合溝6aの底面及びこの底面に相面
する鍔4aの表面には半球面状に窪んだボール受座4
b,6bが円周方向に等間隔にそれぞれ複数形成され、
相向かい合う両ボール受座4b,6bにはボール7がそ
れぞれ着座されていて、出力ディスク6と出力軸4は各
ボール7を介して同一軸芯上に連動連結されている。
【0020】また、出力ディスク6の円形環状の係合溝
6aの底面とこの底面に相面する出力軸4の鍔4aの表
面との間には、出力ディスク6を出力軸4の先端側、つ
まり入力軸3側に押圧する押圧片8が取付けられてい
る。押圧片8には例えば弾性部材が使用されている。押
圧片8は、回転開始時において未だボール7と各ボール
受座4b,6bの働きによって出力ディスク6の接触凹
面6cを球状回転子9に圧接させてその接触摩擦力を十
分に高めることができない場合に、出力ディスク6を入
力軸3側に押圧して出力ディスク6を球状回転子9に圧
接させてその接触摩擦力を高め、回転開始時における球
状回転子9からの出力ディスク6への動力伝達を高める
機能を果たす。押圧片8はボール7を挟んで出力軸4及
び出力ディスク6の回転中心半径方向のその両側に取付
けられている。
【0021】ケーシング2の内部に設けられた入力ディ
スク5と出力ディスク6とは、同一軸芯上で向かい合う
ように対置されている。そして、入力ディスク5からの
動力を出力ディスク6に伝達する球状回転子9が両ディ
スク5,6の間に挟まれてこれらに内接する内周円上に
等間隔で複数配置されている。この実施の形態では球状
回転子9は円周方向に等間隔で4個配置されている。
【0022】複数の各球状回転子9と内接する入力ディ
スク5はその周縁が円形状に形成され、その内周円の縁
側は皿の縁のように内側に窪んでおり、この入力ディス
ク5の内周円の縁側には、球状回転子9の一部と接触す
る接触凹面5cが円周方向の全周にわたって形成されて
いる。接触凹面5cは、回転中心を通る断面方向で球状
回転子9の曲率半径と絶対値が同一の曲率半径を有し、
球状回転子9の一部と密着して動力をより確実に伝達で
きる構造になっている。
【0023】また、球状回転子9を間に挟んで入力ディ
スク5と対置する出力ディスク6は、その周縁が円形状
に形成され、球状回転子9と内接する内周円の縁側が皿
の縁のように内側に窪んでおり、この出力ディスク6の
内周円の縁側には球状回転子9の一部と接触する接触凹
面6cが円周方向の全周にわたって形成されている。接
触凹面6cは、回転中心を通る断面方向で球状回転子9
の曲率半径と絶対値が同一の曲率半径を有し、球状回転
子9の一部と密着して動力をより確実に伝達できる構造
になっている。
【0024】球状回転子9を間に挟んで両側に対置する
入力ディスク5と出力ディスク6は対称構造になってお
り、特に、入力ディスク5の接触凹面5cと出力ディス
ク6の接触凹面6cは回転中心を通る断面方向で同一の
曲率半径を有し、また、同一の回転中心を有し、その同
一の回転中心から同一の半径を有する同一の円周状に形
成されている。
【0025】各球状回転子9は、その赤道部位つまり回
転軸に対して直交する最大円周の周辺に回転支持溝9a
が全周に形成されている。球状回転子9はこの回転支持
溝9aを挟んで、その中央部のボールベアリング9b、
ボールベアリング9bの両側の略半球状部材9c,9c
から構成されており、ボールベアリング9b及びこの両
側の略半球状部材9c,9cは、これらを貫通する回転
中心軸9dによって一体的に結合されている。
【0026】入力ディスク5と出力ディスク6との間に
挟まれた各球状回転子9は、その回転軸芯9eが入力デ
ィスク5及び出力ディスク6の回転軸芯と平行な角度
で、入力軸3の回転速度と同一の回転速度を出力軸4に
伝え、球状回転子9はその回転軸芯9eが入力ディスク
5及び出力ディスク6の回転軸芯に対して傾斜する角度
で、入力軸3の回転速度と異なる回転速度を出力軸4に
伝える。
【0027】球状回転子9の赤道部位にその全周にわた
って形成された回転支持溝9aは、開口幅に比べてその
内部側が拡幅状態になっている。回転支持溝9aの拡幅
状態の内部には、球状回転子9を回転自在に軸支する軸
受体10が装着されている。軸受体10の幅は回転支持
溝9aの開口幅より広く、又軸受体10は回転支持溝9
aの内部に球状回転子9の赤道方向に沿って環状に取付
けられている。球状回転子9は回転支持溝9aの内部中
央に設けられた上記ボールベアリング9bを介して軸受
体10に回転自在に軸支されている。
【0028】球状回転子9を回転自在に軸支する円環状
の軸受体10はその両側が、上記両ディスク5,6の外
周側に設けられた前記ケーシング2に支持された軸受支
持体11に回転自在に軸支されている。即ち、各軸受体
10は、上記両ディスク5,6の回転中心半径方向に対
して直交方向で、しかも球状回転子9の回転軸芯9eに
対しても直交方向となる円環状の直径方向の両側に支持
軸10a,10aが突設されており、この両支持軸10
a,10aが上記軸受支持体11に回転自在に軸支され
ている。各軸受体10は両支持軸10a,10aの軸芯
方向を回転中心として入力ディスク5又は出力ディスク
6側に回動して、球状回転子9の回転軸芯9eの傾きを
可動させる。
【0029】また、各軸受体10には上記両ディスク
5,6の回転中心から半径方向に指向する作動杆10b
がそれぞれ突設されている。軸受体10の作動杆10b
は後述の回転作動筒体12のガイド溝12aに沿って案
内移動されて、軸受体10を支持軸10aを中心として
傾かせ、軸受体10に軸支された球状回転子9を傾かせ
る機能を果たす。
【0030】各軸受体10が回転自在に支持される軸受
支持体11は、ケーシング2の内部中央に各球状回転子
9に当たらないように切り欠き形成されて取付けられて
いる。軸受支持体11には複数の連結片11aがその周
辺に向けて延設されており、複数の連結片11aは後述
の回転作動筒体12の側周面に形成された複数の切欠孔
12bをそれぞれ挿通してケーシング2の内周面にまで
延びて連結支持されている。また、入力軸3及び出力軸
4の回転中心部となる軸受支持体11の中央部には、前
述した円筒支持体11bが入力軸3及び出力軸4の回転
中心部の軸芯に一致する方向に向けて固設されている。
【0031】一方、前記ケーシング2の内周側で且つ上
記両ディスク5,6の外周側、つまりケーシング2と両
ディスク5,6との間には、回転作動筒体12が回転自
在に配置されている。回転作動筒体12は円筒形の形状
を有しており、その回転作動筒体12の円筒形の側周面
には上記各軸受体10の作動杆10bを案内摺動する各
ガイド溝12aが形成されている。
【0032】各ガイド溝12aは各軸受体10の作動杆
10bに対応する位置に形成され、又回転作動筒体12
の回転方向に対して斜め、例えば45度の角度にそれぞ
れ形成されている。この実施の形態では各ガイド溝12
aは長孔になっているが、孔でなくて凹状に窪んでいて
もよい。
【0033】各ガイド溝12aが回転作動筒体12の回
転方向に対して斜めに形成されていることにより、各ガ
イド溝12a内の軸受体10の作動杆10bは、回転作
動筒体12が回転した場合、その回転方向と直交する方
向に案内移動させられる機構になっている。
【0034】また、回転作動筒体12の側周面には、ケ
ーシング2に連結支持される軸受支持体11の各連結片
11aが挿通する切欠孔12bが円周方向にわたって複
数形成されている。各切欠孔12bの円周方向の孔長さ
は、該切欠孔12bに挿通された連結片11aが回転作
動筒体12の回転中に当たってその回転を妨げない範囲
の長さを有している。
【0035】上記回転作動筒体12を回転駆動させる回
転駆動機構13が設けられている。回転駆動機構13に
は例えばウオームギヤが使用されている。ウオームギヤ
のウオーム13aが無段変速機1のケーシング2上に取
付けられている。ウオーム13aは回転作動筒体12の
回転方向に平行に取付けられている。また、ウオーム1
3aと噛み合うウオームホイール13bの一部分が回転
作動筒体12の外周側面の周廻り方向に取付けられてい
る。
【0036】回転作動筒体12はウオーム13aを回転
駆動してこれと噛み合うウオームホイール13bを移動
させることにより回転する構造になっている。回転駆動
機構13にはウオームギヤに代えて電動モーターなどで
もよく、電動モーターにより回転作動筒体12を直接回
転させるような構造にすることもできる。
【0037】次に、上記発明の実施の形態−1の構成に
基づく無段変速機の動作について、以下説明する。無段
変速機1の入力軸3を駆動回転させると、入力軸3はケ
ーシング2の左側面のボールベアリング2a及びケーシ
ング2内部のボールベアリング2aに支持されて回転
し、ケーシング2内の入力軸3の鍔3aも一体となって
回転する。回転する円形状の鍔3aには円周方向に等間
隔で複数のボール受座3bが形成され、各ボール受座3
bにはボール7の一端側が着座されており、この着座さ
れた各ボール7も一体となって回転する。
【0038】一方、回転する各ボール7の他端側は入力
ディスク5の円形状の係合溝5aの底面に円周方向に等
間隔で形成されたボール受座5bに着座されているた
め、各ボール7が回転するとボール受座5bもこれに連
動して回転し、ボール受座5bが形成された入力ディス
ク5は回転する。このようにして、入力ディスク5は、
ボール受座3b,5b及びボール7を介して回転する入
力軸3に連動して、入力軸3と同一の角速度で回転す
る。
【0039】回転する入力ディスク5の内周円の縁側に
は、球状回転子9の一端側の側周面の一部と接触する接
触凹面5cが円周方向の全周にわたって形成されてお
り、この入力ディスク5の接触凹面5cが回転すると、
この接触凹面5cと接触する各球状回転子9はその接触
摩擦によって回転軸芯9eを中心として回転する。
【0040】入力軸3の鍔3aと入力ディスク5の係合
溝5aとの隙間には入力ディスク5を出力軸4側に押圧
する押圧片8が取付けられており、回転開始時において
未だボール7と各ボール受座3b,5bの働きによって
入力ディスク5の接触凹面5cを球状回転子9に圧接さ
せてその接触摩擦力を十分に高めることができない場合
に、この押圧片8の押圧によって入力ディスク5は出力
軸4側に押圧されて、入力ディスク5の接触凹面5cは
各球状回転子9と強く接触されて、回転する入力ディス
ク5は回転開始時においては押圧片8の働きよるこの強
い接触摩擦力を通じて各球状回転子9を回転させる。
【0041】回転する各球状回転子9はその他端側の側
周面の一部が、出力ディスク6の内周円の縁側に円周方
向の全周にわたって形成された接触凹面6cと接触して
おり、各球状回転子9が回転すると、各球状回転子9の
他端側の側周面の一部と接触凹面6cが接触する出力デ
ィスク6は回転する。
【0042】回転する出力ディスク6には円形状の係合
溝6aの底面に円周方向に等間隔でボール受座6bが形
成され、各ボール受座6bにはボール7の一端側が着座
されており、この着座された各ボール7も一体となって
回転する。
【0043】回転する各ボール7の他端側は出力軸4の
円形状の鍔4aの表面に円周方向に等間隔で形成された
ボール受座4bに着座されているため、各ボール7が回
転するとボール受座4bもこれに連動して回転し、ボー
ル受座4bが形成された鍔4aは回転し、鍔4aが一体
的に形成された出力軸4も回転する。このようにして、
出力軸4は、ボール受座6b,4b及びボール7を介し
て回転する出力ディスク6に連動して、出力ディスク6
と同一の角速度で回転する。
【0044】このようにして、入力軸3の回転トルク
は、入力ディスク5、球状回転子9、出力ディスク6を
介して出力軸4に伝達されて、出力軸4は回転する。
【0045】この場合において、図1に図示するよう
に、各球状回転子9の回転軸芯9eが入力軸3及び入力
ディスク5の回転軸芯と平行な場合には、入力ディスク
5の接触凹面5cと接触回転する部分の球状回転子9の
1回転当たりの平均円周長さと、出力ディスク6の接触
凹面6cと接触回転する部分の球状回転子9の1回転当
たりの平均円周長さとは同一となる。しかも、入力ディ
スク5の接触凹面5cと出力ディスク6の接触凹面6c
は回転中心を通る断面方向で同一の曲率半径を有し、ま
た、同一の回転中心を有し、その同一の回転中心から同
一の半径を有する同一の円周状に形成されているので、
入力ディスク5と出力ディスク6は同一の角速度で回転
する。このため、入力軸3と出力軸4も同一の角速度で
回転し、また、同一の回転トルクが入力軸3から出力軸
4に伝達される。
【0046】これに対して、回転駆動機構13のウオー
ム13aを一方向に回転させて、ウオーム13aと噛み
合うウオームホイール13bを移動させて回転作動筒体
12を図3の左側方向回りに回転させると、ガイド溝1
2aは図3の左側に移動し、ガイド溝12a内の軸受体
10の作動杆10bは出力軸4側に移動して、軸受体1
0に回転自在に軸支された各球状回転子9は図4に示す
ように出力軸4側に傾く。
【0047】即ち、図4に示すように、各球状回転子9
の回転軸芯9eの角度を傾けて、入力ディスク5の接触
凹面5cと接触する側を回転軸芯9e側に近づけ、出力
ディスク6の接触凹面6cと接触する側を回転軸芯9e
側から離した場合には、入力ディスク5の接触凹面5c
と接触回転する部分の球状回転子9の1回転当たりの平
均円周長さより出力ディスク6の接触凹面6cと接触回
転する部分の球状回転子9の1回転当たりの平均円周長
さは大きくなる。
【0048】そして、入力ディスク5の接触凹面5cと
出力ディスク6の接触凹面6cは回転中心を通る断面方
向で同一の曲率半径を有し、また、同一の回転中心を有
し、その同一の回転中心から同一の半径を有する同一の
円周状に形成されているため、球状回転子9の1回転当
たりの出力ディスク6の接触凹面6cと接触回転する部
分の表面速度は、入力ディスク5の接触凹面5cと接触
回転する部分の表面速度より速くなる。
【0049】その結果、図4に図示するように球状回転
子9が傾いたときには、出力ディスク6は入力ディスク
5より速い角速度で回転し、出力軸4は入力軸より速い
角速度で回転する。この場合、入力軸3から出力軸4に
伝達される回転トルクは逆に小さくなる。
【0050】また、回転駆動機構13のウオーム13a
を逆方向に回転させて、ウオーム13aと噛み合うウオ
ームホイール13bを移動させて回転作動筒体12を図
3の右側方向回りに回転させると、ガイド溝12aは図
3の右側に移動し、ガイド溝12a内の軸受体10の作
動杆10bは入力軸3側に移動して、軸受体10に回転
自在に軸支された各球状回転子9は図5に示すように入
力軸3側に傾く。
【0051】即ち、図5に示すように、各球状回転子9
の回転軸芯9eの角度を図4の場合と逆向きに傾けて、
入力ディスク5の接触凹面5cと接触する側を回転軸芯
9e側から離し、出力ディスク6の接触凹面6cと接触
する側を回転軸芯9e側に近づけた場合には、入力ディ
スク5の接触凹面5cと接触回転する部分の球状回転子
9の1回転当たりの平均円周長さは出力ディスク6の接
触凹面6cと接触回転する部分の球状回転子9の1回転
当たりの平均円周長さより大きくなる。
【0052】そして、入力ディスク5の接触凹面5cと
出力ディスク6の接触凹面6cは回転中心を通る断面方
向で同一の曲率半径を有し、また、同一の回転中心を有
し、その同一の回転中心から同一の半径を有する同一の
円周状に形成されているため、球状回転子9の1回転当
たりの出力ディスク6の接触凹面6cと接触回転する部
分の表面速度は、入力ディスク5の接触凹面5cと接触
回転する部分の表面速度より遅くなる。
【0053】その結果、図5に図示するように球状回転
子9が傾いたときには、出力ディスク6は入力ディスク
5より遅い角速度で回転し、出力軸4は入力軸より遅い
角速度で回転する。この場合、入力軸3から出力軸4に
伝達される回転トルクは逆に大きくなる。
【0054】このようにして、球状回転子9の回転軸芯
9eの角度の傾きを任意に変えることによって、入力軸
3から出力軸4に伝達する回転速度を無段階に変速で
き、同様に、回転トルクも無段階に変更することができ
る。
【0055】〔実施の形態−2〕ここで、図6は無段変
速機の断面図、図7は図6のB−B矢視断面図、図8は
無段変速機の一部切り欠き平面図、図9及び図10は動
作説明用の無段変速機の断面図である。
【0056】この実施の形態−2が前記実施の形態−1
と異なるのは、入力ディスク5と出力ディスク6との間
に、球状回転子9が2列配置され、また2列の球状回転
子9の間に中間ディスク21が配置されていることであ
り、これ以外の構成は、前記前記実施の形態−1と同様
であるので、同様の構成には同一符号を付してその説明
を省略する。
【0057】中間ディスク21は入力ディスク5と出力
ディスク6との間に2列に配置された球状回転子9の中
間に配置されている。中間ディスク21は円環状のリン
グ状に形成されていて、両側に配列された各球状回転子
9と内接する円環状の両面の内周円の縁側がそれぞれ内
側に傾斜しており、この中間ディスク21の円環状の両
面の傾斜する内周円の縁側には各列の各球状回転子9の
一部とそれぞれ接触する接触凹面21a,21bが円周
方向の全周にわたってそれぞれ形成されている。
【0058】このうち、入力ディスク5と内接する球状
回転子9と接触する接触凹面21aは、中間ディスク2
1から分離された円環状のものからなり、中間ディスク
21の円周表面に円周方向に形成された円環状係合溝2
1cに係合されている。即ち、接触凹面21aの底面及
びこの底面に相面する円環状係合溝21cの底面には半
球面状に窪んだボール受座21d,21eが円周方向に
等間隔にそれぞれ複数形成され、相向かい合う両ボール
受座21d,21eにはボール7がそれぞれ着座されて
いて、接触凹面21aと中間ディスク21とは各ボール
7を介して同一軸芯上に連動連結されている。
【0059】接触凹面21a,21bは、回転中心を通
る断面方向で球状回転子9の曲率半径と絶対値が同一の
曲率半径を有し、球状回転子9の一部と密着して動力を
より確実に伝達できる構造になっている。
【0060】2列に配置された各球状回転子9を間に挟
んで両側の入力ディスク5及び出力ディスク6と対置す
る中間ディスク21の接触凹面21a,21bは、入力
ディスク5の接触凹面5c及び出力ディスク6の接触凹
面6cと、入力ディスク5及び出力ディスク6の回転中
心を通る断面方向で同一の曲率半径を有し、また、同一
の回転中心を有し、その同一の回転中心から同一の半径
を有する同一の円周状に形成されている。
【0061】また、接触凹面21aの底面及びこの底面
に相面する円環状係合溝21cの底面との間には、接触
凹面21aを入力ディスク5側に押圧する押圧片8が各
ボール受座21d,21eの内側に取付けられ、又中間
ディスク21の接触凹面21bを出力ディスク6側に押
圧する押圧片8が各ボール受座21d,21eの外側に
それぞれ取付けられている。押圧片8には例えば弾性部
材が使用されている。各押圧片8は、回転開始時におい
て未だボール7と各ボール受座3b,5bの働きによっ
て入力ディスク5の接触凹面5c及び接触凹面21aを
球状回転子9に圧接させてその接触摩擦力を十分に高め
ることができない場合に、入力ディスク5の接触凹面5
c及び接触凹面21aを球状回転子9に圧接させてその
接触摩擦力を高める。同様に各押圧片8は、回転開始時
において未だボール7と各ボール受座4b,6bの働き
によって出力ディスク6の接触凹面6c及び接触凹面2
1bを球状回転子9に圧接させてその接触摩擦力を十分
に高めることができない場合に、出力ディスク6の接触
凹面6c及び接触凹面21bを球状回転子9に圧接させ
てその接触摩擦力を高める。そして、このような働きに
よって各押圧片8は回転開始時において入力ディスク5
から出力ディスク6への動力伝達を高める機能を果た
す。
【0062】次に、上記発明の実施の形態−2の構成に
基づく無段変速機の動作について、以下説明する。無段
変速機1の入力軸3が駆動回転すると、前記の実施の形
態−1で説明した動作に基づいて、入力ディスク5が回
転し、この入力ディスク5と内接する側の各球状回転子
9が回転する。回転する各球状回転子9はその他端側の
側周面の一部が、中間ディスク21の接触凹面21aと
接触しており、入力ディスク5側の各球状回転子9が回
転すると、各球状回転子9の他端側の側周面の一部と接
触凹面21aが接触する中間ディスク21は回転する。
【0063】中間ディスク21が回転すると、中間ディ
スク21の接触凹面21bと接触する出力ディスク6と
接触する側の各球状回転子9はその接触摩擦によって回
転軸芯9eを中心として回転する。
【0064】出力ディスク6と接触する側の各球状回転
子9が回転すると、各球状回転子9の他端側の側周面の
一部と接触凹面6cが接触する出力ディスク6は回転
し、前記の実施の形態−1で説明した動作に基づいて、
出力軸4も回転する。
【0065】このようにして、入力軸3の回転トルク
は、入力ディスク5、球状回転子9、中間ディスク2
1、球状回転子9、出力ディスク6を介して出力軸4に
伝達されて、出力軸4は回転する。
【0066】この場合において、図6に図示するよう
に、各球状回転子9の回転軸芯9eが入力軸3及び入力
ディスク5の回転軸芯と平行な場合には、前記の実施の
形態−1で説明した動作により、入力軸3と出力軸4は
同一の角速度で回転し、また、同一の回転トルクが入力
軸3から出力軸4に伝達される。
【0067】これに対して、前記の実施の形態−1で説
明した動作に基づいて回転駆動機構13を駆動させて回
転作動筒体12を図8の左側方向回りに回転させると、
前記の実施の形態−1で説明した動作に基づいて、各球
状回転子9は図9に示すように出力軸4側に傾く。
【0068】即ち、図9に示すように、各球状回転子9
が傾くと、前記の実施の形態−1で説明した動作に基づ
いて、中間ディスク21は入力ディスク5より速い角速
度で回転し、更に、出力ディスク6は中間ディスク21
より速い角速度で回転する。その結果、各球状回転子9
の傾きの角度が前記の実施の形態−1の場合と同じ場合
には、実施の形態−1の場合に比べて、出力軸4の角速
度は2倍の速さとなる。この場合、入力軸3から出力軸
4に伝達される回転トルクは逆に2倍も小さくなる。
【0069】また、前記の実施の形態−1で説明した動
作に基づいて回転駆動機構13を駆動させて回転作動筒
体12を図8の右側方向回りに回転させると、前記の実
施の形態−1で説明した動作に基づいて、各球状回転子
9は図10に示すように入力軸3側に傾く。
【0070】即ち、図10に示すように、各球状回転子
9が傾くと、前記の実施の形態−1で説明した動作に基
づいて、中間ディスク21は入力ディスク5より遅い角
速度で回転し、更に、出力ディスク6は中間ディスク2
1より遅い角速度で回転する。その結果、各球状回転子
9の傾きの角度が前記の実施の形態−1の場合と同じ場
合には、実施の形態−1の場合に比べて、出力軸4の角
速度は2倍も遅くなる。この場合、入力軸3から出力軸
4に伝達される回転トルクは逆に2倍も大きくなる。
【0071】このようにして、2列に配置された各球状
回転子9の回転軸芯9eの角度の傾きを任意に変えるこ
とによって、入力軸3から出力軸4に伝達する回転速度
を無段階に変速でき、同様に、回転トルクも無段階に変
更することができるのは勿論、その回転速度の変速の大
きさ及び回転トルクの変更の大きさの度合いを、前記の
実施の形態−1の場合に比べて2倍に高めることができ
る。
【0072】〔実施の形態−3〕ここで、図11は無段
変速機の断面図である。この実施の形態−3が前記実施
の形態−1及び実施の形態−2と異なるのは、入力ディ
スク5と出力ディスク6との間に、球状回転子9が3列
配置され、また3列の球状回転子9の間に交互に中間デ
ィスク21が合計で2列配置されていることであり、こ
れ以外の構成は、前記の実施の形態−1及び実施の形態
−2と同様である。また、3列の球状回転子9の間に交
互に配置される中間ディスク21の構成は、前記の実施
の形態−2の中間ディスク21と全く同一である。
【0073】この実施の形態−3では、球状回転子9が
3列配置され、その間に中間ディスク21が2列されて
いるが、球状回転子9は3列以上配置できる。同様に、
中間ディスク21の配列もこれ応じて増え、球状回転子
9がn列配置されている場合には、中間ディスク21は
その中間に交互に合計で(n−1)列配置される。
【0074】このようにして、n列に配置された各球状
回転子9の回転軸芯9eの角度の傾きを任意に変えるこ
とによって、入力軸3から出力軸4に伝達する回転速度
を無段階に変速でき、同様に、回転トルクも無段階に変
更することができるのは勿論、その回転速度の変速の大
きさ及び回転トルクの変更の大きさの度合いを、前記の
実施の形態−1の場合に比べてn倍に高めることができ
る。
【0075】なお、この発明は上記発明の実施の形態に
限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない
範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
【0076】
【発明の効果】以上の記載より明らかなように、請求項
1〜請求項6の発明に係る無段変速機によれば、各球状
回転子の回転軸芯の角度の傾きを任意に変えることによ
って、入力軸から出力軸に伝達する回転速度を無段階に
変速でき、同様に、回転トルクも無段階に変更すること
ができる。しかも、入力軸と出力軸を同一軸芯上に一致
させるので、入力軸や出力軸に大きなプリーやスプロケ
ットなどの機器を取付けることを可能として、装置の大
きさに対して動力伝達容量が小さくなるのを防ぐことが
できる。
【0077】また、請求項3及び請求項4の構成の場合
には、上記の効果に加えて、2列に配置された各球状回
転子の回転軸芯の角度の傾きを任意に変えることによっ
て、その回転速度の変速の大きさ及び回転トルクの変更
の大きさの度合いを、球状回転子が1列配置された場合
に比べて2倍に高めることができる。
【0078】また、請求項3及び請求項4の構成の場合
には、前記の効果に加えて、複数列に配置された各球状
回転子の回転軸芯の角度の傾きを任意に変えることによ
って、その回転速度の変速の大きさ及び回転トルクの変
更の大きさの度合いを、球状回転子が1列配置された場
合に比べて複数倍に高めることができる等、極めて新規
的有益なる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態−1を示す無段変速機の
断面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】この発明の実施の形態−1を示す無段変速機の
一部切り欠き平面図である。
【図4】この発明の実施の形態−1を示す動作説明用の
無段変速機の断面図である。
【図5】この発明の実施の形態−1を示す動作説明用の
無段変速機の断面図である。
【図6】この発明の実施の形態−2を示す無段変速機の
断面図である。
【図7】図6のB−B矢視断面図である。
【図8】この発明の実施の形態−2を示す無段変速機の
一部切り欠き平面図である。
【図9】この発明の実施の形態−2を示す動作説明用の
無段変速機の断面図である。
【図10】この発明の実施の形態−2を示す動作説明用
の無段変速機の断面図である。
【図11】この発明の実施の形態−3を示す無段変速機
の断面図である。
【符号の説明】
1 無段変速機 2 ケーシング 2a ボールベアリング 3 入力軸 3a 鍔 3b ボール受座 4 出力軸 4a 鍔 4b ボール受座 5 入力ディスク 5a 係合溝 5b ボール受座 5c 接触凹面 6 出力ディスク 6a 係合溝 6b ボール受座 6c 接触凹面 7 ボール 8 押圧片 9 球状回転子 9a 回転支持溝 9b ボールベアリング 9c 略半球状部材 9d 回転中心軸 9e 回転軸芯 10 軸受体 10a 支持軸 10b 作動杆 11 軸受支持体 11a 連結片 11b 円筒支持体 12 回転作動筒体 12a ガイド溝 12b 切欠孔 13 回転駆動機構 13a ウオーム 13b ウオームホイール 21 中間ディスク 21a 接触凹面 21b 接触凹面 21c 円環状係合溝 21d ボール受座 21e ボール受座

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一軸芯上に入力軸と出力軸を対置し、
    入力軸に入力ディスクを同一軸芯上に連動連結し、出力
    軸に出力ディスクを同一軸芯上に連動連結し、同一軸芯
    上に入力ディスクと出力ディスクを向かい合うように対
    置し、入力ディスクからの動力を出力ディスクに伝達す
    る球状回転子を両ディスクに内接する内周円上に等間隔
    に複数配置し、上記各球状回転子の回転軸芯を両ディス
    クの回転軸芯に対して平行な角度から任意角度に可動自
    在にしたことを特徴とする無段変速機。
  2. 【請求項2】 同一軸芯上に入力軸と出力軸を対置し、
    入力軸に入力ディスクを同一軸芯上に連動連結し、出力
    軸に出力ディスクを同一軸芯上に連動連結し、同一軸芯
    上に入力ディスクと出力ディスクを向かい合うように対
    置し、入力ディスクからの動力を出力ディスクに伝達す
    る球状回転子を両ディスクに内接する内周円上に等間隔
    に複数配置し、上記各球状回転子の赤道部位に回転支持
    溝を全周に形成し、回転支持溝に球状回転子を回転自在
    に軸支する軸受体を装着し、上記両ディスクの外周側に
    設けられたケーシングに支持された軸受支持体に、上記
    両ディスクの回転中心半径方向に対して直交方向の各軸
    受体の両側を軸支し、上記両ディスクの回転中心半径方
    向に指向する作動杆を各軸受体にそれぞれ突設し、上記
    ケーシングの内周側の上記両ディスクの外周側に回転作
    動筒体を回転自在に配置し、該回転作動筒体の側周面に
    上記各軸受体の作動杆を案内摺動する各ガイド溝を回転
    作動筒体の回転方向に対して斜めにそれぞれ形成し、上
    記回転作動筒体を回転駆動させる回転駆動機構を設け、
    上記各球状回転子の回転軸芯を両ディスクの回転軸芯に
    対して平行な角度から任意角度に可動自在にしたことを
    特徴とする請求項1記載の無段変速機。
  3. 【請求項3】 同一軸芯上に入力軸と出力軸を対置し、
    入力軸に入力ディスクを同一軸芯上に連動連結し、出力
    軸に出力ディスクを同一軸芯上に連動連結し、同一軸芯
    上に入力ディスクと出力ディスクを向かい合うように対
    置し、入力ディスクからの動力を出力ディスクに伝達す
    る球状回転子を上記入力ディスク及び出力ディスク間に
    2列配置し、2列配置される球状回転子を上記入力ディ
    スク及び出力ディスクとに内周円上でそれぞれ内接状態
    に配列し、2列配置される球状回転子の列間に中間ディ
    スクをその内周円上でそれぞれ内接状態に配置し、各列
    の球状回転子を上記各ディスクに内接する内周円上に等
    間隔に複数配置し、上記各球状回転子の回転軸芯を両デ
    ィスクの回転軸芯に対して平行な角度から任意角度に可
    動自在にしたことを特徴とする無段変速機。
  4. 【請求項4】 同一軸芯上に入力軸と出力軸を対置し、
    入力軸に入力ディスクを同一軸芯上に連動連結し、出力
    軸に出力ディスクを同一軸芯上に連動連結し、同一軸芯
    上に入力ディスクと出力ディスクを向かい合うように対
    置し、入力ディスクからの動力を出力ディスクに伝達す
    る球状回転子を上記入力ディスク及び出力ディスク間に
    2列配置し、2列配置される球状回転子を上記入力ディ
    スク及び出力ディスクとに内周円上でそれぞれ内接状態
    に配列し、2列配置される球状回転子の列間に中間ディ
    スクをその内周円上でそれぞれ内接状態に配置し、各列
    の球状回転子を上記各ディスクに内接する内周円上に等
    間隔に複数配置し、上記各球状回転子の赤道部位に回転
    支持溝を全周に形成し、回転支持溝に球状回転子を回転
    自在に軸支する軸受体を装着し、上記両ディスクの外周
    側に設けられたケーシングに支持された軸受支持体に、
    上記両ディスクの回転中心半径方向に対して直交方向の
    各軸受体の両側を軸支し、上記両ディスクの回転中心半
    径方向に指向する作動杆を各軸受体にそれぞれ突設し、
    上記ケーシングの内周側の上記両ディスクの外周側に回
    転作動筒体を回転自在に配置し、該回転作動筒体の側周
    面に上記各軸受体の作動杆を案内摺動する各ガイド溝を
    回転作動筒体の回転方向に対して斜めにそれぞれ形成
    し、上記回転作動筒体を回転駆動させる回転駆動機構を
    設け、上記各球状回転子の回転軸芯を両ディスクの回転
    軸芯に対して平行な角度から任意角度に可動自在にした
    ことを特徴とする請求項3記載の無段変速機。
  5. 【請求項5】 同一軸芯上に入力軸と出力軸を対置し、
    入力軸に入力ディスクを同一軸芯上に連動連結し、出力
    軸に出力ディスクを同一軸芯上に連動連結し、同一軸芯
    上に入力ディスクと出力ディスクを向かい合うように対
    置し、入力ディスクからの動力を出力ディスクに伝達す
    る球状回転子を上記入力ディスク及び出力ディスク間に
    複数列配置し、複数列配置される球状回転子の両端側の
    球状回転子を上記入力ディスク及び出力ディスクとに内
    周円上でそれぞれ内接状態に配列し、複数列配置される
    球状回転子の各列間に中間ディスクをその内周円上でそ
    れぞれ内接状態で交互に配置し、各列の球状回転子を上
    記各ディスクに内接する内周円上に等間隔に複数配置
    し、上記各球状回転子の回転軸芯を両ディスクの回転軸
    芯に対して平行な角度から任意角度に可動自在にしたこ
    とを特徴とする無段変速機。
  6. 【請求項6】 同一軸芯上に入力軸と出力軸を対置し、
    入力軸に入力ディスクを同一軸芯上に連動連結し、出力
    軸に出力ディスクを同一軸芯上に連動連結し、同一軸芯
    上に入力ディスクと出力ディスクを向かい合うように対
    置し、入力ディスクからの動力を出力ディスクに伝達す
    る球状回転子を上記入力ディスク及び出力ディスク間に
    複数列配置し、複数列配置される球状回転子の両端側の
    球状回転子を上記入力ディスク及び出力ディスクとに内
    周円上でそれぞれ内接状態に配列し、複数列配置される
    球状回転子の各列間に中間ディスクをその内周円上でそ
    れぞれ内接状態で交互に配置し、各列の球状回転子を上
    記各ディスクに内接する内周円上に等間隔に複数配置
    し、上記各球状回転子の赤道部位に回転支持溝を全周に
    形成し、回転支持溝に球状回転子を回転自在に軸支する
    軸受体を装着し、上記両ディスクの外周側に設けられた
    ケーシングに支持された軸受支持体に、上記両ディスク
    の回転中心半径方向に対して直交方向の各軸受体の両側
    を軸支し、上記両ディスクの回転中心半径方向に指向す
    る作動杆を各軸受体にそれぞれ突設し、上記ケーシング
    の内周側の上記両ディスクの外周側に回転作動筒体を回
    転自在に配置し、該回転作動筒体の側周面に上記各軸受
    体の作動杆を案内摺動する各ガイド溝を回転作動筒体の
    回転方向に対して斜めにそれぞれ形成し、上記回転作動
    筒体を回転駆動させる回転駆動機構を設け、上記各球状
    回転子の回転軸芯を両ディスクの回転軸芯に対して平行
    な角度から任意角度に可動自在にしたことを特徴とする
    請求項5記載の無段変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101251617B1 (ko) * 2011-12-21 2013-04-08 남부대학교산학협력단 구면 마찰식 무단변속장치

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