JPH09208186A - 伸縮ブームの摺動部材装置 - Google Patents

伸縮ブームの摺動部材装置

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JPH09208186A
JPH09208186A JP4404396A JP4404396A JPH09208186A JP H09208186 A JPH09208186 A JP H09208186A JP 4404396 A JP4404396 A JP 4404396A JP 4404396 A JP4404396 A JP 4404396A JP H09208186 A JPH09208186 A JP H09208186A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多段式伸縮ブームの最大伸長時のブーム長に
対して最小短縮時のブーム長を短くできる摺動部材装置
を提供する。 【解決手段】 アウタブーム2の先端部内側に端部側が
開口したU字形状のパッド収納部材11を溶着し、パッ
ド12とシム13を収納する。インナブーム3とパッド
12との隙間mはシム13で調整する。アウタブーム2
の先端部にはパッド12およびシム13の抜け出しを防
止するカバー16をボルト17で締着する。これにより
アウタブーム2とインナブーム3の先端部の長手方向の
段差xは小さくなり、最大伸長時のブーム長に比して最
小短縮時のブーム長を短くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸縮ブームの摺動
部材装置に係わり、特には、ラフテレンクレーン、トラ
ッククレーンまたは高所作業車等の多段伸縮式ブームの
ブーム案内用の摺動部材装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の多段式伸縮ブーム50の一
例を示す側面図であり、最外側の箱型構成の第1ブーム
51内に、それぞれ箱型構成の第2ブーム52、第3ブ
ーム53、第4ブーム54、第5ブーム55、トップブ
ーム56が順次摺動自在に挿嵌されている。図9は最小
短縮状態を示し、その全長はLmin である。
【0003】図10は図9のD−D断面を示す摺動部材
装置の平面断面図であり、図11は摺動部材装置の構成
を示す斜視図である。第1ブーム51の先端部には補強
部材57が溶着され、その後方にはパッド挿入穴60が
設けられ、パッド61およびシム62が挿入されてい
る。パッド挿入穴60の外側には押さえプレート63が
ボルト64により締着され、パッド61およびシム62
を抜け出さないように押さえている。パッド61の表面
と第1ブーム51内に挿嵌された第2ブーム52の表面
との間には所定の隙間mが設けられ、第1ブーム51に
対して第2ブーム52をガタツキのないようにスムース
に案内するようになっている。隙間mはシム62によっ
て調整される。第2ブーム52と第3ブーム53との間
の摺動部材装置、および以降のブーム間の摺動部材装置
の構成も同一なので説明は省略する。
【0004】上記の構成の他に実開平1−12369
0、実開平2−49984、実開昭64−47794が
ある。実開平1−123690は隙間の調整をシムでは
なくねじにより行うものである。実開平2−49984
および実開昭64−47794は前述の一例のものと同
様にシムで隙間調整を行うものであるが、いずれもブー
ムの外面に突起物のある構成である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記構成
においては、以下に述べるような問題がある。
【0006】図12は多段式伸縮ブーム50を伸長した
状態を示す概略図である。伸長した状態においては第1
ブーム51の先端部に第2ブーム52の後端部がL1だ
け重なっており、第2ブーム52の先端部には第3ブー
ム53の後端部がL2がけ重なっている。以下それぞれ
のブームはその先端部はつぎのブームの後端部に重なっ
ている。トップブーム56の先端に下向きの荷重Wが加
わると第2ブーム52の後端部下側には反力R1が加わ
り、上側には反力R2が加わる。この反力は大きく、一
般に中型クラスのクレーンで約40トン、大型クラスの
クレーンでは約100トンにも達する。
【0007】図13(a)はブームの正面断面図を示し
ているが、箱型断面形状の第2ブーム52の下面の両端
部には前述の大きな反力Rが加わる。パッド61の位置
は前述のように補強部材57より後方にあるため、第2
ブーム52(インナブーム)は図13(b)に示すよう
に側面は外側にふくらむ。また、第1ブーム51(アウ
タブーム)は図13(c)に示すように側面は内側に凹
む。したがってパッド61は大きな力Fを受けるので押
さえプレート63およびボルト64を強固なものにする
必要がある。また、ブームが変形するため、パッド挿入
穴60のコーナ部に亀裂が発生することがある。なお、
第3ブーム以下のブームにも同様の減少が発生する。
【0008】前記のように押さえプレート63およびボ
ルト64を強固にする必要があるため、図10に示す第
2ブーム52の表面からボルト64の表面までの距離H
1は、第2ブーム52と第1ブーム51の隙間H2より
大きくなる。そのため、第1ブーム51と第2ブーム5
2との長手方向の段差yは大きくなる。
【0009】図9において、第1ブーム51と第2ブー
ム52の先端部の長手方向の段差をa、第2ブーム52
と第3ブーム53の段差をb、第3ブーム53と第4ブ
ーム54の段差をc、第4ブーム54と第5ブーム55
の段差をdとし、第5ブーム55の先端とトップブーム
56の荷重点との距離をeとする。また、第1ブーム5
1の支持点と第2ブーム52の後端との距離をf、第2
ブーム52と第3ブーム53の後端部の段差をg、第3
ブーム53と第4ブーム54の段差をh、第4ブーム5
4と第5ブーム55の段差をi、第5ブーム55とトッ
プブーム56の段差をjとする。ブーム最大伸長時の長
さをLmax 、最小短縮時の長さをLmin とすると、 各ブームの必要ストローク S=(Lmax −Lmin )/5 ブームの重なり代 L1={Lmin −(a+b+c+d+e+f)}−S L2={Lmin −(b+c+d+e+f+g)}−S ・ ・ ・ となる。
【0010】前述のようにブーム先端部の段差yは大き
くなる。すなわち、a、b、c、dの値は大きくなる。
したがって、必要なブームの重なり代L1、L2・・・
の値を確保するためにはSは小さくなる。すなわち、L
max −Lmin の値が小さくなり、Lmax を一定とした場
合にはLmin の値は大きくなる。そのため、ブーム全体
の重量は重くなり、車両走行姿勢でのオーバハング量が
大きくなって走行時の安定性や、視界等の安全性を損な
うという問題がある。
【0011】本発明は上記の問題点に着目してなされた
もので、伸縮ブームの摺動部材装置に係わり、特には、
ブーム短縮時の長さを小さくして重量軽減をし、走行時
の安全性を向上するとともに、ブームの変形や亀裂発生
の恐れのない伸縮ブームの摺動部材装置を提供すること
を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る伸縮ブームの摺動部材装置において
は、外側ブーム内に内側ブームを摺動自在に案内する摺
動部材のパッドを有する多段式伸縮ブームの摺動部材装
置において、外側ブームの先端部に、パッドとシムとを
収納し、かつ、外側ブームと内側ブームの間に取着され
るパッド収納部を設けた構成としている。
【0013】外側ブーム内に内側ブームを摺動自在に案
内する摺動部材のパッドを有する多段式伸縮ブームの摺
動部材装置において、外側ブームの先端部の内方に溶着
され、パッドとシムとを収納し、かつ、外側ブームの先
端部に開口するU字形状のパッド収納部材と、前記外側
ブームの先端、端部に取着され、前記パッドおよびシム
の抜け出しを防止するカバーとから構成している。
【0014】前記U字形状のパッド収納部材の後方側
が、所定量開口した構成としている。
【0015】
【作用】上記のような構成としたため、ブームの外側へ
の突起物はなく、したがって、ブーム最小短縮時のブー
ム先端部の長手方向の相互の段差を少なくすることがで
き、最大伸長時のブームの全長に対して最小短縮時のブ
ームの全長を短くすることができる。また、ブームの側
面にパッド挿入穴を設ける必要がないため、パッド挿入
穴からの亀裂発生の恐れはない。さらに、パッド収納部
材の後方側に開口部を設けたため、組み立て時にブーム
後端部に取着したパッドを通過させることができ、組立
性も支障にならない構成にすることができる。また、パ
ッド収納部材およびパッドをブームの上下方向に同位相
に配列でき、かつ、この位相をブームの上下の側面の曲
げ強度の強い所に付けることができるため、ブーム間の
スキマが変化しない。
【0016】
【発明の実施の形態および実施例】以下に本発明に係る
伸縮ブームの摺動部材装置の実施例について、図面を参
照して詳述する。
【0017】図1は多段伸縮ブーム1の側面図であり、
最外側の箱型構成の第1ブーム2内に、それぞれ箱型構
成の第2ブーム3、第3ブーム4、第4ブーム5、第5
ブーム6、トップブーム7が順次摺動自在に挿嵌されて
いる。
【0018】図2および図3(a)は摺動部材装置の第
1実施例を示しており、 図2は図1のA−A断面であ
り、摺動部材装置10の平面断面図である。また、図3
(a)はその構成を示す斜視図である。第1ブーム2の
先端部の内側にはブーム先端側に開口したU字型のパッ
ド収納部材11が溶着されており、その内側には摺動部
材のパッド12およびシム13が収納され、パッド12
の表面と第2ブーム3の表面との間には所定の隙間mが
設けられていて、第2ブーム3を第1ブーム2に対して
ガタツキなくスムースに摺動させるために案内するよう
になっている。隙間mはシム13によって調整される。
第1ブーム2の先端部のパッド12に重なる位置には補
強部材14が溶着され、補強部材14に溶着されたボス
15にはパッド12およびシム13の抜け出しを防止す
るカバー16がボルト17により締着されている。カバ
ー16の形状は図3(b)に示すカバー18のような形
状でも良い。第2ブーム3と第3ブーム4の間の摺動部
材装置の構成、および以降のブーム間の摺動部材装置の
構成は上記のものと同一なので説明は省略する。
【0019】上記のような構成にしたため、第1ブーム
2の先端と第2ブーム3の先端との長手方向の段差xは
小さくすることができる。すなわち従来のものと比して
x<y である。したがって、図1に示す第1ブーム2
の先端と第2ブーム3の先端との段差a0 、第2ブーム
3と第3ブーム4との段差b0 、第3ブーム4と第4ブ
ーム5との段差c0 、第4ブーム5と第5ブーム6との
段差d0 の値は従来の値に対して、 a0 <a、b0
b、c0 <c、d0 <d となり、ブーム最大伸長時の
全長Lmax に対してブーム最小短縮時の全長Lmin0は小
さくなる。すなわち、 Lmin0<Lmin となり、重量
は軽減され、車両走行姿勢でのオーバハング量が減り、
安全性も向上する。また、パッド12に重なる位置に補
強部材14を設けたため、ブームは荷重を受けても変形
する恐れは少ない。
【0020】図4、図5、図6は図3のB矢視図であ
り、パッド収納部材の形状を示している。すなわち、図
4はパッド収納部材の第1実施例を示しており、パッド
収納部材20はU字形状の後方側が所定量sだけ開口し
ている。したがってブームの後端部に取着するパッドの
幅をs以下にしておけば、挿入組立時にブーム後端部の
パッドを通過させることができ、ブーム先端部に取着し
たパッドと後端部に取着したパッドの位相を合わせるこ
とができる。
【0021】図5はパッド収納部材の第2実施例を示し
ており、パッド収納部材21はU字形状で構成してい
る。この場合にはブーム先端部のパッドと後端部のパッ
ドの上下方向の位相を変える必要がある。
【0022】図6はパッド収納部材の第3実施例を示し
ており、パッド収納部材22の左右の部材23、23と
後方部材24とにより構成しており、この場合もブーム
先端部のパッドと後端部のパッドの上下方向の位相を変
える必要がある。
【0023】図7は摺動部材装置の第2実施例の平面断
面図であり、図8は図7のC−C断面である正面断面図
である。スライド装置30はパッド31およびシム32
を収納する箱型形状のパッド収納部材33により構成さ
れ、パッド収納部材33はボルト17により第1ブーム
2のボス15に締着されている。組み立ては第1ブーム
内に第2ブームを挿嵌したのち、パッド31およびシム
32を収納したパッド収納部材33を第1ブーム2と第
2ブーム3の間に挿入し、ボルト17により締着する。
したがって、ブーム先端部のパッドと後端部のパッドを
上下方向に同一の位相にすることができる。なお、第2
ブーム3と第3ブーム4との間、およびそれ以下の摺動
部材装置の構成については同一構成なので説明は省略す
る。
【0024】
【発明の効果】本発明に係る伸縮ブームの摺動部材装置
は、以上詳述したような構成としたため、ブームの外側
面の突起物はブーム先端部の補強部材のみとなり、ブー
ム最小短縮時のブーム先端部の相互の長手方向の段差を
小さくすることが可能である。したがって、ブーム最大
伸長時の長さLmax に対して最小短縮時の長さLminを
従来のものより小さくすることができ重量軽減可能であ
り、吊り作業上有利であるとともに走行姿勢でのブーム
オーバハング量を小さくし、走行安全性を向上できる。
また、ブーム先端部のパッドに重なる位置に補強部材を
設けたため、ブーム伸長時に荷重が加わった場合、ブー
ムの変形は少なく、かつ、ブーム先端部の側面にパッド
挿入穴がないため、亀裂が発生する恐れも少ない。さら
に、U字形状のパッド収納部材の後方側に開口部を設け
たため、ブーム先端部のパッドと後端部のパッドとの上
下方向の位相を同一にすることが可能であり、安定した
構成とすることができる。U字形状のパッド収納部材と
パッドとは上下方向の位相を同一にし、かつ、上下の側
面の曲げ強度の強い所に付けるため、ブーム側面のスキ
マを一定にでき、ブームは互いに滑らかに摺動すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の摺動部材装置を備えた多段式伸縮ブー
ムの側面図である。
【図2】本発明の摺動部材装置の第1実施例の平面断面
図である。
【図3】同、構成を示す斜視図である。
【図4】同、パッド収納部材の第1実施例の側面図であ
る。
【図5】同、第2実施例の側面図である。
【図6】同、第3実施例の側面図である。
【図7】本発明の摺動部材装置の第2実施例の平面断面
図である。
【図8】同、正面断面図である。
【図9】従来の摺動部材装置を備えた多段式伸縮ブーム
の側面図である。
【図10】従来の摺動部材装置の平面断面図である。
【図11】同、構成を示す斜視図である。
【図12】ブームの最大伸長状態を示す構成図である。
【図13】ブームの変形状態の説明図である。
【符号の説明】
1 伸縮ブーム 2 第1ブーム 3 第2ブーム 10,30 摺動部材装置 11,20,21,22,33 パッド収納部材 12,31 パッド 13,32 シム 14 補強部材 15 ボス 16 カバー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側ブーム内に内側ブームを摺動自在に
    案内する摺動部材のパッドを有する多段式伸縮ブームの
    摺動部材装置において、外側ブームの先端部に、パッド
    とシムとを収納し、かつ、外側ブームと内側ブームの間
    に取着されるパッド収納部を設けたことを特徴とする伸
    縮ブームの摺動部材装置。
  2. 【請求項2】 外側ブーム内に内側ブームを摺動自在に
    案内する摺動部材のパッドを有する多段式伸縮ブームの
    摺動部材装置において、外側ブームの先端部の内方に溶
    着され、パッドとシムとを収納し、かつ、外側ブームの
    先端、端部側に開口するU字形状のパッド収納部材と、
    前記外側ブームの先端、端部に取着され、前記パッドお
    よびシムの抜け出しを防止するカバーとからなることを
    特徴とする伸縮ブームの摺動部材装置。
  3. 【請求項3】 前記U字形状のパッド収納部材の後方側
    が、所定量開口していることを特徴とする請求項2の伸
    縮ブームの摺動部材装置。
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