JP2006193037A - 車体上部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合における車体上部の変形量と補強重量との最適化を図ることができる車体上部構造を得る。
【解決手段】左右一対のルーフサイドレール12の間には車両幅方向に沿ってルーフクロスメンバ18が配設されている。ルーフクロスメンバ18とルーフサイドレール12とはブレース32を介して結合されており、当該結合部位近傍にはビード42が形成されている。またブレース32にも剛性チューニング用のビードが形成されており、更にピラーリインフォース28の上端部28Aは上方へ延長されている。また、強度バランスはルーフクロスメンバ18<ブレース32<ピラーリインフォース28の順に設定されている。従って、センタピラー22の上部が先に折れることはなく、ルーフクロスメンバ18のビード42から屈曲するので曲げモーメントを低減できる。
【選択図】 図1
【解決手段】左右一対のルーフサイドレール12の間には車両幅方向に沿ってルーフクロスメンバ18が配設されている。ルーフクロスメンバ18とルーフサイドレール12とはブレース32を介して結合されており、当該結合部位近傍にはビード42が形成されている。またブレース32にも剛性チューニング用のビードが形成されており、更にピラーリインフォース28の上端部28Aは上方へ延長されている。また、強度バランスはルーフクロスメンバ18<ブレース32<ピラーリインフォース28の順に設定されている。従って、センタピラー22の上部が先に折れることはなく、ルーフクロスメンバ18のビード42から屈曲するので曲げモーメントを低減できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両前後方向に沿って延在する左右一対のルーフサイドレール間に車両幅方向に沿ってルーフクロスメンバが配置され、両者がブレースで結合される車体上部構造に関する。
下記特許文献1には、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合に車体側方からの荷重を確実に分散させるための技術が開示されている。
簡単に説明すると、センタピラーのピラーインナパネルの上端部付近にサイドレールインナパネルを収めるための凹部を形成し、この凹部にサイドレールインナパネルを上方側から密着させた後、ピラーリインフォースを被せることにより、ピラーインナパネル、サイドレールインナパネル及びピラーリインフォースによる閉断面部を形成する。この閉断面部は、ピラーインナパネルとピラーリインフォースとによってセンタピラーに沿って形成される閉断面部と連続することとなる。そして更に、左右のセンタピラーの上端部間に掛け渡されるブレース(ルーフクロスメンバ)とルーフパネルとで閉断面部が形成され、センタピラーの上端部に形成された左右の閉断面部とブレースとルーフパネルとで形成される閉断面部とを連続させる。これにより、ほぼ環状の閉断面部が車体上部を覆うことになるため、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合にも入力荷重が確実に分散されるというものである。
特開2000−108929号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合に車体上部に入力された荷重によって環状構造が変形しないようにするためには、ルーフクロスメンバの剛性を板厚を厚くする等してかなり高める必要がある。従って、車両重量の増加及びコストアップを招く不利がある。
本発明は上記事実を考慮し、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合における車体上部の変形量と補強重量との最適化を図ることができる車体上部構造を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車体上部構造は、ルーフの両サイドに車両前後方向に沿って配置される左右一対のルーフサイドレールと、これらのルーフサイドレール間に車両幅方向に沿って配置されるルーフクロスメンバと、このルーフクロスメンバの長手方向の端部とルーフサイドレールとを結合するブレースと、を含んで構成された車体上部構造であって、前記ルーフクロスメンバには、ブレースとの結合位置よりも車両幅方向内側となるブレース近傍位置に、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合にルーフクロスメンバの長手方向の端部を車両下方内側へ屈曲させる変形促進手段が設けられている、ことを特徴としている。
請求項2記載の本発明に係る車体上部構造は、請求項1記載の発明において、前記ブレースは車両正面視で略鉤状に形成されており、かつ内側部がルーフクロスメンバの長手方向の端部に結合されると共に外側部がルーフサイドレールに結合され、さらに、前記変形促進手段は、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合に、当該ブレースの開き方向への変形荷重よりも低い荷重で変形するように強度設定がなされている、ことを特徴としている。
請求項3記載の本発明に係る車体上部構造は、請求項2記載の発明において、車体側部に車両上下方向に沿って配置されるピラー内に配設されるピラーリインフォースの上端部はルーフサイドレール付近まで車両上方側へ延長されており、前記ピラー内に配設されるピラーリインフォースの上端部をルーフサイドレール付近まで車両上方側へ延長させ、さらに、前記ブレースは、当該ピラーリインフォースの変形荷重よりも低い荷重で開き方向へ変形するように強度設定がなされている、ことを特徴としている。
請求項4記載の本発明に係る車体上部構造は、請求項2又は請求項3記載の発明において、前記ブレースの外側部には、ブレース上下方向に沿って延在する補強手段が設定されており、当該補強手段の補強度合いをブレース上下方向で変化させた、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、車体上部には、ルーフの両サイドに左右一対のルーフサイドレールが車両前後方向に沿って配置されていると共に、これらのルーフサイドレール間にルーフクロスメンバが車両幅方向に沿って配置されている。そして、ルーフクロスメンバの長手方向の端部とルーフサイドレールとがブレースを介して結合されている。従って、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合、その荷重はルーフサイドレールからブレースを介してルーフクロスメンバに伝達される。
ここで、本発明では、ルーフクロスメンバの所定位置(即ち、ブレースとの結合位置よりも車両幅方向内側となるブレース近傍位置)に変形促進手段を設けたので、前記荷重がルーフクロスメンバに伝達されると、ルーフクロスメンバの長手方向の端部が車両下方内側へ屈曲される。すなわち、ルーフクロスメンバの長手方向の端部が折れる。このため、端部が折れた後は、ルーフクロスメンバに加わる曲げモーメントのモーメントアーム長を短くすることができる。従って、ルーフクロスメンバの剛性を高めなくても(即ち、ルーフクロスメンバに特別な補強を施さなくても)、ルーフクロスメンバがその長手方向の中間部付近で車両上方側へ変形するのを防止することができる。
請求項2記載の本発明によれば、ブレースを車両正面視で略鉤状に形成し、かつ内側部をルーフクロスメンバの長手方向の端部に結合すると共に外側部をルーフサイドレールに結合した上で、ブレースの開き方向への変形荷重よりも低い荷重で変形促進手段が変形するように強度設定したので、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合には、荷重入力初期にはブレースは荷重をルーフクロスメンバに伝達するだけで変形することはなく、変形促進手段が先行して変形する。
すなわち、本発明では、強度バランスを「変形促進手段<ブレース」に設定することにより、上述した請求項1記載の発明のルーフクロスメンバの長手方向の端部の折れを確実に行わせることができる。
請求項3記載の本発明によれば、車体側部に車両上下方向に沿って配置されるピラー内に配設されるピラーリインフォースの上端部はルーフサイドレール付近まで車両上方側へ延長されており、更に当該ピラーリインフォースの変形荷重よりも低い荷重でブレースが開き方向へ変形するように強度設定したので、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合には、荷重入力初期にはピラーは荷重をルーフサイドレール更にはブレースへ伝達するだけで変形することはなく、最初に変形促進手段が変形し、続いてブレースが開き方向へ変形する。
すなわち、本発明では、強度バランスを「変形促進手段<ブレース<ピラーリインフォース」に設定することにより、上述した請求項1記載の発明のルーフクロスメンバの長手方向の端部の折れを確実に行わせることができる。
つまり、仮にピラーリインフォースの上端部がルーフサイドレールの配設位置よりもかなり下側に配置されている場合には、ピラーリインフォースによる補強効果が得られなくなった位置(ピラーリインフォースの上端部の位置)にてピラーが車両幅方向内側へ変形し(折れ)ようとする。その場合、そのピラーの変形点(折れ点)を通る車両幅方向に沿った線分(後述する実施形態における図5の一点鎖線P)からルーフクロスメンバまでの距離がルーフクロスメンバに作用する曲げモーメントのモーメントアーム長になり、長くなる。従って、初期荷重でピラーが上部で折れるのを回避するように強度バランスを設定することにより、上述した請求項1記載の発明のルーフクロスメンバの長手方向の端部の折れを確実に行わせることができる。
請求項4記載の本発明によれば、ブレースの外側部にブレース上下方向に沿って延在する補強手段を設定し、補強手段の補強度合いをブレース上下方向で変化させたので、補強度合いの変化に応じてブレースの開き方向への変形が進行する。
以上説明したように、請求項1記載の車体上部構造は、ルーフの両サイドに車両前後方向に沿って配置される左右一対のルーフサイドレールと、これらのルーフサイドレール間に車両幅方向に沿って配置されるルーフクロスメンバと、このルーフクロスメンバの長手方向の端部とルーフサイドレールとを結合するブレースと、を含んで構成された車体上部構造において、ルーフクロスメンバの所定位置(即ち、ブレースとの結合位置よりも車両幅方向内側となるブレース近傍位置)に、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合にルーフクロスメンバの長手方向の端部を車両下方内側へ屈曲させる変形促進手段を設けたので、ルーフクロスメンバに加わる曲げモーメントのモーメントアーム長を短くすることができ、その結果、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合における車体上部の変形量と補強重量との最適化を図ることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車体上部構造は、請求項1記載の発明において、ブレースを車両正面視で略鉤状に形成し、かつ内側部をルーフクロスメンバの長手方向の端部に結合すると共に外側部をルーフサイドレールに結合した上で、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合に、当該ブレースの開き方向への変形荷重よりも低い荷重で変形するように変形促進手段の強度設定をしたので、強度バランスが「変形促進手段<ブレース」となり、その結果、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合にルーフクロスメンバの長手方向の端部の折れを確実に行わせることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車体上部構造は、請求項2記載の発明において、車体側部に車両上下方向に沿って配置されるピラー内に配設されるピラーリインフォースの上端部はルーフサイドレール付近まで車両上方側へ延長されており、更に当該ピラーリインフォースの変形荷重よりも低い荷重でブレースが開き方向へ変形するように強度設定したので、強度バランスが「変形促進手段<ブレース<ピラーリインフォース」となり、その結果、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合にルーフクロスメンバの長手方向の端部の折れをより一層確実に行わせることができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車体上部構造は、請求項2又は請求項3記載の発明において、ブレースの外側部にブレース上下方向に沿って延在する補強手段を設定し、補強手段の補強度合いをブレース上下方向で変化させたので、ブレースの開き方向への変形荷重のチューニングを容易に行うことができるという優れた効果を有する。
以下、図1〜図5を用いて、本発明に係る車体上部構造の一実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図1には、本実施形態に係る車体上部構造の全体構成が車両正面視で示されている。この図に示されるように、車体上部に配置されるルーフパネル10の両サイドには、車両前後方向に沿って左右一対のルーフサイドレール12が配設されている。ルーフサイドレール12は、ルーフサイドレールアウタパネル14とルーフサイドレールインナパネル16とを含んで閉断面構造に形成されている。
また、ルーフパネル10の車室内側の面には、車両幅方向に沿って長尺状のルーフクロスメンバ18が配設されている。ルーフクロスメンバ18は、左右一対のルーフサイドレール12間に配置されている。
さらに、車体側部20の所定位置には、車両上下方向に沿ってセンタピラー22が配設されている。センタピラー22は、車室内側に配置されるピラーインナパネル24と、車室外側に配置されるピラーアウタパネル26と、両者の間に配置されるピラーリインフォース28と、によって閉断面構造に構成されている。なお、ピラーインナパネル24の上端部は、ルーフサイドレール12の下側フランジ部12Aに結合されている。また、ピラーアウタパネル26の上端部は、ルーフサイドレールアウタパネル14の外側面に結合されている。さらに、ルーフサイドレール12の上側フランジ部12Bにはルーフパネル10の車両幅方向の端部及び車体側部20を構成するサイメンアウタ30の上端部が結合されている。
位置関係について補足すると、車両平面視で見た場合、センタピラー22とルーフクロスメンバ18とは車両幅方向に同一直線上に配置されている訳ではなく、車両前後方向に若干ずれて配置されているが、車両幅方向に同一直線上に配置されていれば、車体側部20に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合の荷重伝達性がより向上されるので好ましい。
上記ルーフクロスメンバ18の長手方向の端部18Aとルーフサイドレール12とは、ブレース(ルーフサイドブラケット)32によって結合されている。図3に示されるように、ブレース32は、車両正面視で略鉤状に形成されており、ルーフクロスメンバ18の下面に当接状態で配置される内側部32Aと、ルーフサイドレールインナパネル16の車室内側の面に当接状態で配置される外側部32Bとから成る。ブレース32の内側部32A及び外側部32Bには、ボルト挿通孔34、36がそれぞれ形成されており、ルーフクロスメンバ18及びルーフサイドレールインナパネル16にボルト接合されるようになっている。なお、ボルト締結線を一点鎖線で示す。
ここで、上述したルーフクロスメンバ18には、ブレース32との結合位置よりも車両幅方向内側となるブレース近傍位置に、断面形状が等脚台形状とされた変形促進手段としてのビード42が形成されている。ビード42は、ルーフクロスメンバ18の底壁部18Bの全幅に亘って凹溝状に形成されている。このビード42を設定したことにより、ルーフクロスメンバ18はビード42の形成位置にて低剛性化されている。
また、図3に示されるように、ブレース32の外側部32Bの中央部には、ブレース上下方向に沿って凸部状の補強手段としてのビード44が一体に形成されている。ビード44の高さは上部44Aと下部44Bとで異なっており、下部44Bの方が上部44Aよりも高く設定されている。従って、ビード44の下部44Bの方が上部44Aよりも強度が高い。
さらに、図1に示されるように、前述したセンタピラー22のピラーリインフォース28の上端部28Aは、ルーフサイドレール12の下側フランジ部12A付近まで車両上方側へ延長されている。なお、本実施形態では、ピラーリインフォース28の上端部28Aがルーフサイドレール12の下側フランジ部12Aと車両上下方向にオーバーラップする程度にまで延長されているが、必ずしも車両上下方向にオーバーラップしていなくてもよい。
また、本実施形態では、車体側部20に車両側方から所定値以上の荷重F(図2参照)が入力された場合の強度バランスが、「ビード42の形成位置でのルーフクロスメンバ18の変形(曲げ)強度<ブレース32の変形(曲げ)強度<ピラーリインフォース28の変形(曲げ)強度」となるように設定されている。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図1に示される状態が、車体側部20に車両側方から荷重が入力される前の状態(変形前の状態)である。この状態から、図2に示されるように、車体側部20に車両側方から所定値以上の荷重Fが入力されると、当該荷重Fはセンタピラー22からルーフサイドレール12へ伝達され、ルーフサイドレール12からブレース32を介してルーフクロスメンバ18に伝達される。
ここで、本実施形態に係る車体上部構造では、(1)ルーフクロスメンバ18の所定位置(即ち、ブレース32との結合位置よりも車両幅方向内側となるブレース近傍位置)にビード42を設けると共に、(2)ルーフクロスメンバ18とルーフサイドレール12とを結合するブレース32の外側部32Bにもブレース上下方向へ延在するビード44を形成し、(3)更にセンタピラー22のピラーリインフォース28の上端部28Aをルーフサイドレール12の下側フランジ部12A付近まで延長させ、(4)「ルーフクロスメンバ18のビード形成部位での変形(曲げ)強度<ブレース32の変形(曲げ)強度<ピラーリインフォース28の上端部28A付近のセンタピラー上部の変形(曲げ)強度」となるように各部の強度バランスを設定(チューニング)したので、車体側部20に車両側方から所定値以上の荷重Fが入力された場合の変形モードが以下のようになる。
すなわち、車体側部20に車両側方から所定値以上の荷重Fが入力されると、荷重Fの入力初期にはセンタピラー22の上部は荷重Fをルーフサイドレール12更にはブレース32へ伝達するだけで変形することはなく、最も強度が低いビード42から変形する。つまり、初期荷重を逃がすことなく、ダイレクトにビード42に伝達される。これにより、ルーフクロスメンバ18の長手方向の端部18Aがビード42を起点として車両下方内側へ塑性変形し(折れて)、続いてブレース32がビード44の高さに変化をつけたことに起因して車両正面視で直線状になるように、つまり開き方向へ塑性変形する。
このようにルーフクロスメンバ18に形成されるビード42の溝深さや溝幅、ブレース32に形成されるビード42の高さ、センタピラー22のピラーリインフォース28の上端部28Aの位置をそれぞれチューニングして、各部の強度バランスを前記(4)となるように設定することにより、部材の折れ位置(変形モード)を任意にコントロールすることができる。その結果、本実施形態に係る車体上部構造を用いた場合、モーメントアーム長L1を短くすることができ、ルーフクロスメンバ18に加わる曲げモーメントM1を低減することができる。従って、ルーフクロスメンバ18を特別に補強する必要はなく、軽量化を図ることができる。すなわち、本実施形態によれば、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合における車体上部の変形量と補強重量との最適化を図ることができる。
図4には、比較例としての車体上部構造が示されている。この比較例では、ルーフクロスメンバ46に変形促進手段としてのビードは形成されていない。また、ブレース48にも補強手段としてのビードは形成されていない。さらに、センタピラー50のピラーリインフォース52の上端部52Aも、本実施形態のようには車両上方側へ延長されていない。また、前記ルーフクロスメンバ46は車体側部20への車両側方からの荷重入力時にセンタピラー50の上部を車室内側へ侵入させないようにするため、断面形状が大きく、板厚も厚く、材質も硬いものとなっており、強固な補強がなされている。
上記比較例の場合、図5に示されるように、車体側部20に車両側方から所定値以上の荷重Fが入力されると、ピラーリインフォース52の上端部52Aがルーフサイドレール12側へ延長されていないがために、センタピラー50がピラーリインフォース52の上端部52Aの途切れた位置にて変形する(折れる)。このため、センタピラー50の変形点(折れ点)を通る車両幅方向に沿った線分(一点鎖線P)からルーフクロスメンバ46までの距離がルーフクロスメンバ46に作用する曲げモーメントのモーメントアーム長L2と長くなり、ルーフクロスメンバ46の長手方向の中間部付近に車両上方側へ凸となる比較的大きな曲げモーメントM2が発生する。
これに対し、本実施形態に係る車体上部構造では、上記の構成を採ることにより、モーメントアーム長がL1と非常に短くなり、ルーフクロスメンバ18の長手方向の中間部付近に作用する曲げモーメントM1もかなり低減される。しかも、本実施形態によれば、前記比較例のような強固な補強は不要となるため、軽量化を図ることができる。ちなみに、本実施形態と上記比較例とを比較した場合、ルーフクロスメンバ18の板厚を0.4mm薄くすることができる。
また、上記強度バランスを適切にチューニングすることにより、車体側部20へ車両側方から所定値以上の荷重Fが作用した場合にも、車体の変形を抑制することができる。
〔本実施形態の補足説明〕
なお、上述した本実施形態では、ルーフクロスメンバ16にビード42を形成したが、これに限らず、設定した部位の剛性を低下させることができる構成であればすべて適用可能である。
なお、上述した本実施形態では、ルーフクロスメンバ16にビード42を形成したが、これに限らず、設定した部位の剛性を低下させることができる構成であればすべて適用可能である。
また、上述した本実施形態では、ブレース32のビード44の高さを上部44Aと下部44Bとで変化させる構成を採ったが、これに限らず、ビードの幅を上部44A側で狭く、下部44B側で広くする(ビードの板厚を変化させる)構成を採ってもよい。
10 ルーフパネル
12 ルーフサイドレール
18 ルーフクロスメンバ
18A 長手方向の端部
20 車体側部
22 センタピラー
28 ピラーリインフォース
28A 上端部
32 ブレース
32A 内側部
32B 外側部
42 ビード(変形促進手段)
44 ビード(補強手段)
12 ルーフサイドレール
18 ルーフクロスメンバ
18A 長手方向の端部
20 車体側部
22 センタピラー
28 ピラーリインフォース
28A 上端部
32 ブレース
32A 内側部
32B 外側部
42 ビード(変形促進手段)
44 ビード(補強手段)
Claims (4)
- ルーフの両サイドに車両前後方向に沿って配置される左右一対のルーフサイドレールと、これらのルーフサイドレール間に車両幅方向に沿って配置されるルーフクロスメンバと、このルーフクロスメンバの長手方向の端部とルーフサイドレールとを結合するブレースと、を含んで構成された車体上部構造であって、
前記ルーフクロスメンバには、ブレースとの結合位置よりも車両幅方向内側となるブレース近傍位置に、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合にルーフクロスメンバの長手方向の端部を車両下方内側へ屈曲させる変形促進手段が設けられている、
ことを特徴とする車体上部構造。 - 前記ブレースは車両正面視で略鉤状に形成されており、かつ内側部がルーフクロスメンバの長手方向の端部に結合されると共に外側部がルーフサイドレールに結合され、
さらに、前記変形促進手段は、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合に、当該ブレースの開き方向への変形荷重よりも低い荷重で変形するように強度設定がなされている、
ことを特徴とする請求項1記載の車体上部構造。 - 車体側部に車両上下方向に沿って配置されるピラー内に配設されるピラーリインフォースの上端部はルーフサイドレール付近まで車両上方側へ延長されており、
さらに、前記ブレースは、当該ピラーリインフォースの変形荷重よりも低い荷重で開き方向へ変形するように強度設定がなされている、
ことを特徴とする請求項2記載の車体上部構造。 - 前記ブレースの外側部には、ブレース上下方向に沿って延在する補強手段が設定されており、
当該補強手段の補強度合いをブレース上下方向で変化させた、
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の車体上部構造。
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