JPH09205285A - 電子機器 - Google Patents

電子機器

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JPH09205285A
JPH09205285A JP1041896A JP1041896A JPH09205285A JP H09205285 A JPH09205285 A JP H09205285A JP 1041896 A JP1041896 A JP 1041896A JP 1041896 A JP1041896 A JP 1041896A JP H09205285 A JPH09205285 A JP H09205285A
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groove
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Yukio Shimizu
幸雄 清水
Shinsuke Yuri
信介 由利
Takahide Maruo
隆英 丸尾
Hitoshi Tsuda
斉 津田
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  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本体の一側面を覆うパネル部を水平となるま
で傾かせて元に戻す。 【解決手段】 電子機器21の本体22の一側面には、
挿排口が設けられる。一側面22aは、第1の状態にお
いてパネル部23に覆われ、第2の状態において露出さ
れる。パネル部23は、直立した状態からトレイ部材3
8が筺体25から突出される方向に駆動させ、傾斜角度
が0°から35°まで傾けられる。傾斜角度が35°に
なると、レバー部材45が支持部材64に当接して支持
される。さらに、トレイ部材38を突出させると、パネ
ル部23は傾いた状態のままほぼ水平に移動される。続
いてレバー部材39を角変位させて、パネル部23を側
面下側のトレイ部材38との接続位置を支点として角変
位させ、傾斜角度が90°となるまで角変位する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車載用オーディオ
装置などで実現され、本体と操作部または表示部とが分
離された電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車載用オーディオ機器および車載
用ナビゲーション装置などの電子機器は、コンパクトデ
ィスクおよびカセットテープなどの記録媒体に記録され
るデータを再生し使用する。このような電子機器では、
記録媒体を電子機器に挿入しまたは排出するための挿排
口が設けられる。従来の電子機器では、機器が占めるス
ペースを削減するために、電子機器の操作装置および表
示装置などを含むパネル部を、挿排口を有する本体部と
は別個に設け、このパネル部を本体部の挿排口の前方に
配置することが多い。挿排口に記録媒体などの挿入物を
挿入するとき、または挿排口から挿入物を排出するとき
には、以下に述べる手法を用いて挿排口の前からパネル
部を移動させている。
【0003】図16は、前述したパネル部と本体部とを
有する電子機器の機械的構成を簡略化して示す図であ
る。電子機器1では、本体部2は筺体3内部に収納され
る。本体部2の挿排口5は、本体部2の側面のうち、筺
体3の開口部に面する一側面2aに設けられる。パネル
部6は、筺体3の開口部をふさぐように設置される。パ
ネル部6の一方表面6aには、たとえば本体部2を操作
するための操作装置、および本体部2からの情報を目視
表示するための表示装置の目視表示領域などが備えられ
る。
【0004】パネル部6の側面のうち、本体部2の底面
を含む仮想平面に近い下側には、トレイ部材7が回動自
在に取付けられる。また、パネル部6の側面のうち、仮
想平面から遠い上側には、突起9が設けられる。突起9
は筺体3の開口部近傍に設けられた溝10に嵌まり込
み、溝に沿って電子機器1の底面に対する垂直方向11
に移動する。トレイ部材7が水平方向12に沿って筺体
3の開口部から押出されると、パネル部6の下側部分が
筺体3の開口部よりもさらに前方に移動される。これに
伴いパネル部6の上側部分の突起9は、溝10を垂直方
向11に沿って下降する。これによって、パネル部6は
その一方表面6aを上向きとして傾けられる。
【0005】このようにパネル部6が傾けられると、パ
ネル部6の上側端部と筺体3の開口部の上側端部との間
に隙間ができる。前述した本体部2の挿排口5は、この
隙間を通して筺体3の外部から目視できる位置に設置さ
れる。使用者は、この隙間から挿排口5に記録媒体であ
る挿入物14を挿排する。
【0006】パネル部6がその中心軸が垂直に立てられ
た状態を基準として最も大きく傾けられるとき、パネル
部6の中心軸16と水平方向12との成す角度θ1は、
たとえば45°である。図16に示すような構造を有す
る電子機器において、パネル部6を最大で45°だけ傾
けたとき、パネル部6の上側端部と筺体3の開口部との
間の隙間は、たとえばカセットテープである挿入物を1
つだけ挿入することができる程度の大きさである。ゆえ
に、このような電子機器では、本体2の一側面2aにお
いてパネル部6を傾けて露出する領域に、挿排口を複数
設置することは難しい。したがって、たとえば電子機器
がオーディオ装置であるとき、この本体にはコンパクト
ディスクまたはカセットテープのどちらか一方だけしか
挿入することができない。
【0007】本体部2の一側面がパネル部6で覆われる
構造を有するとき、パネル部6を傾けたときにおいてそ
の中心軸と水平方向12との成す角度が小さいほど、本
体部2の一側面2aの露出する領域が大きくなる。図1
7に示すように、パネル部6の中心軸16aと水平方向
12とのなす角度θ2を45°よりも小さくして、パネ
ル部6を図16に示す状態よりも大きく傾けると、本体
部2の一側面2aの露出する領域が大きくなる。このと
きパネル部6は、トレイ部材7を水平方向12に沿って
筺体3から突出するように駆動して、パネル部6の下側
部分を前方に押出す動作によって傾けられる。
【0008】電子機器1においてパネル部6を本体部2
を覆う状態に戻すとき、パネル部6は、トレイ部材7を
水平方向12に沿って筺体3内部に収納する方向に引込
む動作だけによって引起こされる。このとき、トレイ部
材7を引込む動作によって生じる力P1に基づいて、パ
ネル部6の中心軸16aに沿った方向に力P2が生じ
る。この力P2を水平方向12および垂直方向11に分
割すると、中心軸16aと水平方向12とのなす角度θ
2が45°より小さいので、水平方向の力P3が垂直方
向の力P4よりも大きくなる。これによって、突起9に
働く力のうち、パネル部6の上側部分を持上げる力が小
さくなる。さらに、突起9において、突起9を溝10の
壁面に押付け垂直方向の動作の抵抗となる力P3が大き
くなる。これによって、パネル部6の上側部分を持上げ
ることが困難となり、パネル部6を元の直立する状態に
復帰させることが困難となる。
【0009】また、前述した電子機器1では、パネル部
6を操作装置および表示装置の目視表示領域などが設け
られる一方表面6aを上向きにして傾けられる。本体部
とパネル部とを有する電子機器としては、この他にパネ
ル部が本体の一側面を覆うときの位置においてパネル部
の側面下側に支点を設け、その支点を中心にパネル部を
傾ける電子機器が考えられる。このときパネル部は、操
作装置および表示装置の目視表示領域が形成される一方
面が下向きになるように傾けられる。パネル部が下向き
に傾けられると、パネル部を傾けている間その一方表面
に設けられた操作装置を操作することができない。ゆえ
にこの間には、本体にパネル部6を用いて指示される処
理動作を行わせることができない。またパネル部を傾け
るときに、パネル部の一方表面に傷がつく恐れがある。
【0010】図18に示すように、電子機器1をパネル
部6の一方表面6aが上向きとなるように傾けると、パ
ネル部6を傾けている間もその一方表面6aに形成され
る操作装置を操作することができる。このとき、本体部
2の挿排口5に挿入される挿入物は、パネル部6の一方
表面6aの上方を通過することになる。このとき、誤っ
て挿入物14で一方表面6aを傷つける恐れがある。
【0011】特開平5−38981号公開公報には、本
体部の前面部に移動可能なディスプレイ部を設けた表示
装置に関する技術が開示されている。この表示装置で
は、本体部の前面部に外部情報記憶媒体の挿排口が設け
られている。この挿排口の前に、本体部に対して回動可
能なディスプレイ部が取付けられている。このディスプ
レイ部が回動する支点はディスプレイ部の側面上側であ
り、挿排口よりも装置底面に対して上側の位置に設けら
れる。外部情報記憶媒体を挿排口に挿排するときは、デ
ィスプレイ部を支点を中心に挿排口よりも上方向に回動
させる。これによって、本体部の前面部のうち挿排口の
ある部分が露出する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本公報の表示装置で
は、本体部の挿排口付近を露出させるとき、ディスプレ
イ部は操作装置および表示装置などが設けられた一方面
を上向きに傾けられる。外部情報記憶媒体は、傾けられ
たディスプレイの下から挿排口に差込まれる。このよう
な表示装置は、装置全体が使用者の視線の高さよりも低
い位置にあるとき、ディスプレイ部が邪魔をして挿排口
を目視することができない。ゆえに使用者は、挿排口を
直接目視することなく、手探りで記録媒体を挿排するこ
とになる。
【0013】特に電子機器が車載用のオーディオ装置で
あるとき、装置は車両のインストルメントパネルの下部
に取付けられ、使用者が運転席または助手席に腰掛けて
装置を操作する。ゆえに、使用者から挿排口を目視する
ことが困難となる。これによって、記録媒体の挿排を手
探りで行うことになり、挿排操作が不便になる。
【0014】本発明の目的は、本体とパネル部とが分割
された電子機器において、パネル部を傾斜させて本体を
露出させているときにもパネル部を使用することがで
き、かつパネル部が傷付く恐れの少ない電子機器を提供
することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、予め定める処
理を実行する本体と、前記予め定める処理に関連する表
示を行う表示部、および前記予め定める処理に関連する
操作を行う操作部の少なくともいずれか一方を一方表面
に有する操作手段と、前記操作手段の前記一方表面と反
対側の他方表面が前記本体の前面を覆う第1の状態と、
前記操作手段の底面と直交する中心軸と前記本体の底面
を含む仮想平面との成す角度が45°未満となり前記本
体前面の少なくとも一部を露出させる第2の状態との間
で、操作手段を傾斜変位させる駆動手段とを備えること
を特徴とする電子機器である。本発明に従えば、電子機
器は、本体と操作手段とを有する。本体は、予め定める
処理を実行する。また、たとえば電子機器の前面には、
予め定める処理に関連する特定構造が設けられる。操作
手段はその処理に関連する表示部および操作部の少なく
ともいずれか一方の構成を、その一方表面に有する。こ
の本体は、たとえばコンパクトディスクおよびカセット
テープである記録媒体に記録された情報を再生する再生
装置であり、特定構造とは記録媒体を本体内部に挿入し
または排出する挿排口である。また、処理に関連する操
作装置のうち、使用頻度の少ないものが本体の前面に特
定構造として配置され、使用頻度の高いものが操作手段
の一方表面に操作部として配置されても良い。操作手段
は本体の前面側に配置され、駆動手段によって第1およ
び第2の状態のいずれか一方を取るように変位される。
このように、操作手段と本体との各面にそれぞれ構造を
有し、これらを面に直交する方向から見て重なるように
配置する。これによって、この方向の面の使用可能面積
を増加させることができる。たとえば車両に搭載される
装置など、装置を設置するスペースが小さいときにおい
て本発明の構成を使用すると、操作手段などを配置する
ための面の使用可能面積を増加させることができる。第
1の状態とは、操作手段の前記一方表面と反対側の他方
表面が本体の前面を覆う状態である。このとき操作手段
は、たとえば一方表面および他方表面と交差する底面
が、本体の底面を含む仮想平面と対向するように配置さ
れる。操作手段が第1の状態にあるとき、本体の前面に
配置される特定構造に触れることができない。第1の状
態においては本体と操作手段とが面に直交する方向から
見て重なり合うので、機器においてこの方向の面の設置
面積を最小とすることができる。第2の状態では、本体
の前面が露出される。このとき操作手段は、操作手段の
底面と直交する中心軸と仮想平面との成す角度が45°
未満となるまで傾けられる。操作手段が傾けられると
き、前記角度が小さいほど、操作手段の中心軸は仮想平
面にたいして水平状態に近付く。操作手段の中心軸が水
平に近付くほど、本体の前面のうち露出される領域の大
きさが大きくなる。ゆえに、この前面のうち特定構造を
形成することができる領域が広がる。ゆえに、前面をよ
り有効に利用することができる。また操作手段は、たと
えば他方表面が仮想平面と対向し、操作手段の他方表面
全体が前記特定構造よりも仮想平面に近くなるように配
置される。すなわち、一方表面を上に向け、手段全体が
特定構造の高さよりも下側になるように操作手段を傾け
る。以後、基準となる位置から仮想平面よりも遠い位置
を「上」、近い位置を「下」と称する。これによって、
本体の前面が露出され、特定構造に触れて使用すること
ができる。このように第2の状態において操作手段を上
向きに傾けると、使用者は操作手段を傾けている間にも
操作手段の一方表面の構造を容易に目視して触れること
ができる。ゆえに、第2の状態において、本体の前面の
特定構造と操作手段の一方表面の構成とを同時に使用す
ることができる。かつ、操作手段を特定構造よりも低い
位置に傾けるので、本体の前面と操作手段の一方表面と
を同時に目視することが容易である。かつ電子機器の設
置位置よりも使用者の視線高さが高いときにも、使用者
は姿勢を変化させる事なく露出された前面を目視するこ
とができる。
【0016】また本発明は、前記駆動手段は、その一部
に形成される開口部に本体の前面および操作手段の一方
表面が臨むように本体および操作手段を収納する筺体
と、棒状の部材であって、操作手段の側面のうち、前記
中心軸に沿う方向で前記仮想平面に近い下側に一方端が
回動自在に取付けられ、他方端が仮想平面に平行な水平
方向にだけ移動可能に筺体に取付けられるトレイ部材
と、操作手段の側面のうち、中心軸に沿う方向で仮想平
面から遠い上側に一方端が回動自在に取付けられ、他方
端が筺体に回動自在に取付けられるレバー部材と、操作
手段の側面のうち中心軸に沿う方向で上側に固定される
突起部材と、突起部材が嵌まり込み摺動する溝であっ
て、筺体の開口部上側の近辺に仮想平面と直交する垂直
方向に沿って設けられ、その長さが開口部の垂直方向の
長さの半分の長さよりも短く、下側端部が開口部に開口
している溝を有する案内部材と、トレイ部材およびレバ
ー部材を駆動する部材駆動手段であって、操作手段を前
記第1の状態から前記第2の状態に至らしめるとき、突
起部材が溝から外れるまでトレイ部材を水平方向に沿っ
て筺体の開口部から突出させるように駆動し、突起部材
が溝から外れると操作手段の一方表面が仮想平面に近く
なるまでレバー部材の他方端を中心としてレバー部材を
予め定める一方方向に回動させ、操作手段を第2の状態
から第1の状態に至らしめるとき、突起部材が溝の開口
部と同じ高さとなるまでレバー部材を他方端を中心とし
て前記一方方向とは反対方向である他方方向に回動さ
せ、突起部材が溝の開口部と同じ高さとなると突起部材
が溝に嵌まり込み上側端部に至るまで、トレイ部材を水
平方向に沿って筺体内部に収納されるように駆動する部
材駆動手段とを含むことを特徴とする。本発明に従え
ば、前記電子機器において、本体および操作手段は一部
に開口部が形成される筺体に収納される。筺体は駆動手
段の一部であり、その内部において本体および操作手段
は、本体の前面および操作手段の一方表面が開口部に臨
むように配置される。この開口部の上側近傍には溝を有
する案内部材が設けられる。この案内部材に設けられる
溝は、仮想平面と直交する垂直方向に沿って、開口部の
垂直方向の長さの半分の長さよりも短い長さに形成され
る。かつこの溝の下側端部は、開口部に開口している。
案内部材は、筺体の一部分の部材を兼ねてもよい。筺体
内部には、駆動手段の一部である棒状のトレイ部材およ
びレバー部材が設置される。トレイ部材の一方端は操作
手段の側面のうち、前記中心軸に沿う方向で仮想平面に
近い下側に回動自在に取付けられる。トレイ部材の他方
端は、仮想平面に平行な水平方向にだけ移動可能に筺体
に取付けられる。レバー部材の一方端は、操作手段の側
面のうち中心軸に沿う方向で仮想平面から遠い上側に回
動自在に取付けられる。他方端は、筺体に回動自在に取
付けられる。さらに操作手段には、その側面のうち中心
軸に沿う方向で上側に突起部材が固定される。操作部材
を第1および第2の状態に変位させるとき、トレイ部材
およびレバー部材が部材駆動手段によって駆動される。
操作手段が第1の状態にあるとき、操作手段の突起部材
は、案内部材の溝の上側端部に嵌まり込んでいる。操作
手段を第1の状態から第2の状態に至らしめるとき、ま
ずトレイ部材だけが駆動される。トレイ部材が水平方向
に沿って筺体の開口部から突出させるように駆動される
と、操作手段の下側部分が第1の状態での位置から突出
する方向に押出される。これに伴い、操作手段の上側部
分の位置が下降し、突起部材が案内部材の溝を上側端部
から下側端部に向かって摺動する。これによって操作手
段は、トレイ部材の取付位置を中心として角変位しつつ
傾く。突起部材が溝の下側端部に至り溝から外れると、
トレイ部材は筺体の開口部から突出した状態のまま停止
され、次いでレバー部材が駆動される。レバー部材はそ
の他方端を中心として、予め定める一方方向に回動され
る。これによって、操作部材の上側部分の位置がさらに
下降し、トレイ部材の取付位置を中心としてさらに角変
位する。レバー部材は、たとえば操作手段の一方表面が
本体の特定構造よりも仮想平面に近くなるまで駆動され
る。このようにして、操作手段を第1の状態から第2の
状態に至らしめることができる。またこのとき、操作手
段の下側部分は、突起部材が溝から外れるまで押出さ
れ、その後は押出された位置で停止される。ゆえにこの
ような構造の駆動手段を用いたとき、第2の状態におけ
る操作手段の突出量を最小とすることができる。操作手
段を第2の状態から第1の状態に至らしめるとき、前述
した動作と逆の順でトレイ部材およびレバー部材が駆動
される。すなわち、まずレバー部材が他方端を中心に前
記一方方向とは反対方向に回動され、操作手段がトレイ
部材の取付位置を中心として角変位される。これによっ
て、操作手段の上側部分が持上げられる。操作手段の突
起部材が溝の開口部と同じ高さとなるまで持上げられる
と、レバー部材の駆動が停止され、トレイ部材が水平方
向に沿って筺体内部に収納されるように駆動される。こ
れによって、突起部材は溝に嵌まり込み、下側端部から
上側端部に向かって摺動して上側端部に至る。同時に操
作手段の下側部分が本体に近付くように引込まれる。こ
れによって、操作手段は第1の状態に戻る。従来技術で
は、操作手段は溝を摺動する突起部材とトレイ部材とだ
けを用いて変位されていた。ゆえに、第2の状態におい
て操作手段の中心軸と仮想平面との成す角度が45°未
満となると、傾いた状態から復帰させるときに操作手段
の上側部分を持上げるための力が小さくなり、駆動手段
だけを用いて操作手段を復帰させることが困難であっ
た。本発明の電子機器においては、前記角度が小さいと
き、水平方向にだけ変位駆動されるトレイ部材以外の構
成を用いて、操作手段の上側部分を持上げる。ゆえに、
操作手段が仮想平面に対して水平に近くなるまで傾けら
れた状態から、駆動手段だけを用いて操作手段を元の状
態に復帰させることができる。また、案内部材の溝は、
開口部の垂直方向の長さの半分よりも短い長さに形成さ
れる。溝の長さは、たとえば操作手段の突起部材が溝の
下側端部に達したとき、前記成す角度が45°以上とな
るような長さが選ばれる。操作手段の中心軸と仮想平面
とが直交する第1の状態から突起部材が溝から外れるま
での間は、操作手段はトレイ部材の取付部分と突起部材
との2点で支持される。ゆえにこの間の角度だけ傾けら
れたとき、操作手段はその角度を容易に維持することが
できる。またこの角度はトレイ部材だけが駆動されて変
位されるので、微小な角度を容易に設定することができ
る。ゆえに、この構成を使用して操作手段を傾け、操作
手段の一方表面に設けられる表示部の視角を変更するこ
とができる。
【0017】また本発明は、前記駆動手段は、その一部
に形成される開口部に本体の前面および操作手段の一方
表面が臨むように本体および操作手段を収納する筺体
と、棒状の部材であって、一方端が操作手段の側面のう
ち、前記中心軸に沿う方向で前記仮想平面に近い下側に
回動自在に取付けられ、他方端が仮想平面に平行な水平
方向にだけ移動可能に筺体に取付けられるトレイ部材
と、操作手段の側面のうち、中心軸に沿う方向で仮想平
面から遠い上側に固定される突起部材と、筺体の開口部
近辺の上側に設けられるプーリと、筺体の開口部近辺の
下側に設けられる回転部材と、プーリと回転部材とに巻
回され、前記突起部材に摺動するベルト部材と、トレイ
部材と回転部材とを駆動する部材駆動手段であって、操
作手段を第1の状態から第2の状態に至らしめるとき、
トレイ部材を水平方向に沿って筺体の開口部から突出さ
せるように駆動し、同時に回転部材を予め定める一方方
向に回動させ、操作手段を第2の状態から第1の状態に
至らしめるとき、トレイ部材を水平方向に沿って筺体内
部に収納されるように駆動し、同時に回転部材を前記一
方方向に回動させる部材駆動手段とを含むことを特徴と
する。本発明に従えば、電子機器の本体および操作手段
は、その一部に形成される開口部に本体の前面および操
作手段の一方表面が臨むように収納される。操作手段の
側面下側には、棒状のトレイ部材の一方端が回動自在に
取付けられる。トレイ部材の他方端は、仮想平面に平行
な水平方向にだけ移動可能に筺体に取付けられる。また
操作手段の側面上側には、突起部材が固定される。筺体
の開口部近辺には、上側にプーリが設けられ、下側に回
転部材が設けられる。プーリと回転部材とには、前記突
起部材に摺動するベルト部材が巻回される。操作手段を
第1および第2の状態に変位させるとき、部材駆動手段
によって、トレイ部材と回転部材とが駆動される。操作
手段が第1の状態にあるとき、突起部材はプーリ近傍に
位置する。操作手段を第1の状態から第2の状態に至ら
しめるとき、トレイ部材が水平方向に沿って筺体の開口
部から突出させるように駆動される。同時に回転部材が
予め定める一方方向に回動される。これによってベルト
部材が一方方向に回動する。このとき一方方向は、ベル
ト部材のうち開口部により近接した部分が下向きに動く
方向に設定される。トレイ部材が突出する方向に駆動さ
れると、操作手段の突起部材はベルト部材のうち開口部
により近接した部分に押付けられる。このとき突起部材
とベルト部材との間には摩擦力が生じ、ベルト部材が移
動する方向に力が加えられる。この力によって、トレイ
部材の変位が補助される。操作手段を第2の状態から第
1の状態に至らしめるとき、トレイ部材は前述の動作と
は逆に、水平方向に沿って筺体内部に収納されるように
駆動される。同時に回転部材は前記一方方向に回動され
る。トレイ部材が収納される方向に駆動されると、操作
手段の突起部材はベルト部材のうち開口部から離れた部
分に押付けられる。この部分は前述した開口部により近
接した部分と対向し、上向きに動く。これによって、突
起部材とベルト部材との間には摩擦力が生じて、ベルト
部材が移動する方向に力が加えられる。ゆえに突起部材
に上向きの力が加わり、トレイ部材の変位が補助され
る。このように、操作部材を変位させるとき、操作部材
の側面下側に取付けられるトレイ部材の力の他に、ベル
ト部材によって上側部分に力を加えて補助する。これに
よって、操作部材を前記成す角度が45°未満となると
きも、駆動手段だけの力で操作部材を傾いた状態から直
立した状態に復帰させることができる。
【0018】また本発明は、前記駆動手段は、その一部
に形成される開口部に本体の前面および操作手段の一方
表面が臨むように本体および操作手段を収納する筺体
と、棒状の部材であって、一方端が操作手段の側面のう
ち、中心軸に沿う方向で前記仮想平面に近い下側に回動
自在に取付けられ、他方端が仮想平面に平行な水平方向
にだけ移動可能に筺体に取付けられるトレイ部材と、少
なくとも一箇所が折曲がり自由なリンク部材であって、
一方端が操作手段の側面に回動自在に取付けられ、他方
端がトレイ部材に回動自在に取付けられるリンク部材
と、リンク部材の折曲がり部分に形成される突起部材
と、筺体の内側側面に設けられ、突起部材が嵌まり込み
摺動する溝を有する案内部材と、トレイ部材を駆動する
部材駆動手段であって、操作手段を第1の状態から第2
の状態に至らしめるとき、トレイ部材を水平方向に沿っ
て筺体の開口部から突出させるように駆動し、操作手段
を第2の状態から第1の状態に至らしめるとき、トレイ
部材を水平方向に沿って筺体内部に収納されるように駆
動する部材駆動手段とを含むことを特徴とする。本発明
に従えば、電子機器の本体および操作手段は、その一部
に形成される開口部に本体の前面および操作手段の一方
表面が臨むように収納される。操作手段の側面下側に
は、棒状のトレイ部材の一方端が回動自在に取付けられ
る。トレイ部材の他方端は、仮想平面に平行な水平方向
にだけ移動可能に筺体に取付けられる。駆動手段は、少
なくとも一箇所が折曲がり自由なリンク部材を含む。リ
ンク部材の一方端は、操作手段の側面に回動自在に取付
けられる。他方端はトレイ部材に回動自在に取付けられ
る。このリンク部材の折曲がり部分には、突起部材が形
成され、筺体の内側側面に設けられた案内部材の溝に嵌
まり込み摺動する。この溝は、たとえば第1の状態にお
いて突起部材が嵌まり込む一方端よりも第2の状態にお
いて突起部材が嵌まり込む他方端が仮想平面に近い低い
位置となるように形成される。案内部材は、筺体の一部
分の部材を兼ねていてもよい。操作手段を第1および第
2の状態に変位させるとき、部材駆動手段によって、ト
レイ部材だけが駆動される。操作手段を第1の状態から
第2の状態に至らしめるとき、トレイ部材が水平方向に
沿って筺体の開口部から突出させるように駆動される。
この動きに伴って、リンク部材の突起部材が案内部材の
溝を一方端から他方端に向かって摺動する。リンク部材
の動きは溝の形状に応じて規制されるので、このリンク
部材によって支えられる操作手段の傾きが規制される。
操作手段を第2の状態から第1の状態に至らしめると
き、トレイ部材が水平方向に沿って筺体内部に収納され
るように駆動される。この動きに伴ってリンク部材の突
起部材が案内部材の溝を他方端から一方端に向かって摺
動する。このとき突起部材は溝の側面に押付けられるの
で、突起部材に上向きの力が加わる。この力によって、
操作手段のリンク部材が取付けられた部分が起上がる動
作が補助される。このように、操作部材を変位させると
き、トレイ部材によってその側面下側に力を加えるだけ
でなく、トレイ部材と操作手段との間に取付けられたリ
ンク部材を用いて側面上側にも力を加えて補助する。こ
れによって、操作部材の中心軸と仮想平面との成す角度
が45°未満となるときも、駆動手段だけの力で操作部
材を傾いた状態から直立した状態に復帰させることがで
きる。かつこの構成の駆動手段では部材駆動手段によっ
て駆動される部材はトレイ部材だけであるので、部材駆
動手段を単一のモータなどで実現することができる。
【0019】また本発明は、前記駆動手段は、その一部
に形成される開口部に本体の前面および操作手段の一方
表面が臨むように本体および操作手段を収納する筺体
と、棒状の部材であって、一方端が操作手段の側面のう
ち、中心軸に沿う方向で前記仮想平面に近い下側に回動
自在に取付けられ、他方端が仮想平面に平行な水平方向
にだけ移動可能に筺体に取付けられるトレイ部材と、棒
状の部材であって、一方端に突起が形成され、他方端が
筺体に水平方向に移動可能に取付けられるレバー部材
と、レバー部材の突起が摺動する第1の溝であって、操
作手段の側面のうちトレイ部材の一方端が固定された位
置よりも中心軸に沿う方向で仮想平面から遠い上側に設
けられる第1の溝を有する第1案内部材と、操作手段の
側面のうち、前記中心軸に沿う方向で、第1の溝よりも
上側に固定される突起部材と、突起部材が嵌まり込み摺
動する第2の溝であって、筺体の開口部上側の近辺に垂
直方向に沿って設けられ、その長さが開口部の垂直方向
の長さの半分の長さよりも短く、下側端部が開口部に開
口している第2の溝を有する第2案内部材と、操作手段
の突起部材が第2の溝を摺動して外れるまでの間、およ
び外れていた操作手段の突起部材が第2の溝に嵌まり込
み第1の状態に戻るまでの間だけ、レバー部材の水平方
向の移動を許容する許容手段と、トレイ部材を駆動する
部材駆動手段であって、操作手段を第1の状態から第2
の状態に至らしめるとき、トレイ部材を水平方向に沿っ
て筺体の開口部から突出させるように駆動し、操作手段
を第2の状態から第1の状態に至らしめるとき、トレイ
部材を水平方向に沿って筺体内部に収納されるように駆
動する部材駆動手段とを含むことを特徴とする。本発明
に従えば、電子機器の本体および操作手段は、その一部
に形成される開口部に本体の前面および操作手段の一方
表面が臨むように収納される。操作手段の側面下側に
は、棒状のトレイ部材の一方端が回動自在に取付けられ
る。トレイ部材の他方端は、仮想平面に平行な水平方向
にだけ移動可能に筺体に取付けられる。また筺体には、
一方端に突起が形成された棒状のレバー部材の他方端が
水平方向に移動可能に取付けられる。レバー部材の突起
は、操作手段の側面に設けられた第1案内部材の第1の
溝に嵌まり込み摺動する。第1の溝は、操作手段の側面
のうち、トレイ部材の一方端が取付けられた位置よりも
中心軸に沿う方向で上側に形成される。第1案内部材
は、操作手段の側面部分の部材を兼ねていてもよい。さ
らに操作手段の側面には、中心軸に沿う方向で第1の溝
よりも上側に突起部材が形成される。この突起部材は、
筺体の開口部上側近傍に設けられる第2案内部材の第2
の溝に嵌まり込み摺動する。第2の溝は垂直方向に沿っ
て設けられ、その長さは開口部の垂直方向の長さの半分
の長さよりも短くなるように選ばれ、下側端部が開口部
に開口する。第2案内部材は、筺体の一部分の部材を兼
ねていてもよい。前述したレバー部材の水平方向の移動
は、許容手段によって許容または禁止される。許容手段
は、操作手段の突起部材が第2の溝を摺動して外れるま
での間、および外れていた操作手段の突起部材が第2の
溝に嵌まり込み第1の状態に戻るまでの間だけ、レバー
部材の水平方向の移動を許容する。操作手段を第1およ
び第2の状態に変位させるとき、部材駆動手段によっ
て、トレイ部材だけが駆動される。操作手段を第1の状
態から第2の状態に至らしめるとき、トレイ部材が水平
方向に沿って筺体の開口部から突出させるように駆動さ
れる。第1の状態において、操作手段の突起部材は第2
の溝の上側端部に嵌まり込む。トレイ部材が駆動される
と、操作手段の下側端部が突出する方向に押出され、突
起部材が第2の溝を下側端部に向かって摺動する。この
とき操作手段は操作手段の突起部材とトレイ部材とによ
って支持され、レバー部材は操作手段の変位に応答して
水平方向に移動する。トレイ部材を駆動し続けると、突
起部材が溝から外れる。これ以後許容手段はレバー部材
の水平方向の変位を禁止する。これ以後操作手段は、レ
バー部材の突起とトレイ部材とによって支持され、操作
手段が仮想平面に対してほぼ水平となるまで変位され
る。操作手段を第2の状態から第1の状態に至らしめる
とき、トレイ部材が水平方向に沿って筺体内部に収納さ
れるように駆動される。第2の状態においてレバー部材
の水平方向の移動は禁止される。この状態でトレイ部材
を引込むと、操作手段はまずレバー部材の突起とトレイ
部材とによって支持される。レバー部材の突起を第2の
溝が摺動し、トレイ部材を持上げる力を補助する。操作
手段の上側部分が持ち上がり突起部材が第1の溝に嵌ま
り込むと、レバー部材の水平方向の移動が許容される。
この後トレイ部材をさらに引込むと、操作手段は側面上
側の突起部材とトレイ部材とによって支持され、第1の
状態に至る。このように、操作手段の傾きに応じて支持
する位置を変更する。これによって、操作手段の中心軸
と仮想平面との成す角度が小さいときには、操作手段を
支持する支点が操作手段側面の中央部となるので、操作
手段の下側端部を引込むと、上側端部が持ち上がる。こ
れによって、成す角度が45°未満となるときも、駆動
手段だけの力で操作手段を傾いた状態から直立した状態
に復帰させることができる。かつこの構成の駆動手段で
は部材駆動手段によって駆動される部材はトレイ部材だ
けであるので、部材駆動手段を単一のモータなどで実現
することができる。
【0020】また本発明は、前記操作手段の一方表面に
は、少なくとも前記第2の状態において本体の前面に接
近する部分に、前記中心軸に沿って最上部に近付くほど
一方表面と前記他方表面との間の間隔が狭くなる凹部が
形成されていることを特徴とする。本発明に従えば、前
記操作手段の一方表面のうち、少なくとも前記第2の状
態において本体の前面に接近する部分に凹部が形成され
る。この凹部は、前記中心軸に沿って最上部に近付くほ
ど一方表面と前記他方表面との間の間隔が狭くなるよう
に形成される。これによって、操作手段の前記接近する
部分と本体の前面に設けられる特定構造との間隔が広く
なる。ゆえに、たとえば挿排口である特定構造に挿入物
を挿入するときに、誤って操作手段の一方表面を挿入物
で傷つけることを防止することができる。また特定構造
近辺の空間が広くなるので、たとえば挿入物を挿入する
ときに挿入物を持つ手が操作手段に当たるなどの不都合
がなくなる。ゆえに特定構造を使用するときの操作性を
向上させることができる。
【0021】また本発明は、前記駆動手段は、その一部
に形成される開口部に本体の前面および操作手段の一方
表面が臨むように本体および操作手段を収納する筺体
と、薄板状の第1部材と第1部材よりも一方方向の長さ
が長く同じ幅の薄板状の第2部材とが幅方向の端部で接
続され、その接続部分を中心として回動自在に筺体に取
付けられ、操作手段が第1の状態にあるときに本体の前
面と操作手段の他方表面との間に収納され、第2の状態
に至るとき操作手段の一方面の最上位置側を第2部材に
よって遮蔽する遮蔽部材と、前記操作手段が第1の状態
にあるときに仮想平面から最も遠い頭頂部に形成され、
操作手段が第1の状態から第2の状態に至るまでに遮蔽
部材の第1部材を押下げて遮蔽部材を回転させる突起部
材と、一方端が筺体に固定され他方端が遮蔽部材に固定
され、操作手段が第1の状態であるときに最小の伸びと
なるばね部材とをさらに含むことを特徴とする。本発明
に従えば、電子機器の本体および操作手段は、その一部
に形成される開口部に本体の前面および操作手段の一方
表面が臨むように収納される。操作手段には、第1の状
態にあるときに仮想平面から最も遠い頭頂部に突起部材
が形成される。操作手段が第1の状態にあるとき、本体
の前面と操作手段の他方表面との間には、遮蔽部材が収
納される。遮蔽部材は、薄板状の第1部材と、第1部材
よりも一方方向の長さが長く同じ幅の薄板状の第2部材
とが幅方向の端部で接続されて形成される。遮蔽部材
は、第1および第2部材の接続部分を中心として回動自
在に筺体に取付けられる。この遮蔽部材にはばね部材の
一方端が固定される。ばね部材の他方端は筺体に固定さ
れる。ばね部材は、操作手段が第1の状態であるときに
最小の伸びとなる。操作手段が第1の状態から第2の状
態に変位するとき、その途中で操作手段の突起部材は遮
蔽部材の第1部材に当接し、これを押下げる。この動作
によって、第2部材が前記接続部分を中心として回転
し、操作手段の一方面の最上位置側を覆う。これによっ
て、操作手段が第2の状態に至ったときには、その最上
位置側を第2部材によって遮蔽する。操作手段が第2の
状態から第1の状態に変位すると、その途中で操作手段
の突起部材が第1部材から離れる。このとき遮蔽部材
は、ばね部材のばね力によって収納されるときの位置に
戻される。操作手段の最上位置側の部分は、第2の状態
において本体の前面に接近する。ゆえに、たとえば前面
に設けられる挿排口である特定構造に挿入物を挿入する
とき、この部分を挿入物で誤って傷つけることがある。
この部分を遮蔽部材で覆うことによって、操作手段の一
方表面を挿入物で傷つけることを防止することができ
る。またこの遮蔽部材は、操作手段が第1の状態から第
2の状態に変位するときに、操作手段に押されて動くの
で、遮蔽部材を変位させるためのモータなどの構成を必
要としない。ゆえに構成を簡略化することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態で
ある電子機器21の構造を示す断面図である。図2は、
電子機器21の外観を示す部分斜視図である。図3は、
パネル部23が最大に傾けられたときの部分断面図であ
る。
【0023】電子機器21は、本体部22とパネル部2
3とを含んで構成される。本体部22は筺体25に収納
される。筺体25は一側面が開口し、本体部22の一側
面22aはその開口部26に臨むように設置される。パ
ネル部23は筺体25の一側面22a側に設置される。
パネル部23は後述する駆動装置によって、本体部22
の前面である一側面22aを覆う第1の状態から一側面
22aを露出させる第2の状態に、またはその逆に変位
される。
【0024】本体部22はたとえばオーディオ装置であ
り、その一側面22aにたとえばコンパクトディスクお
よびカセットテープである挿入物を挿入または排出する
ための挿排口27,28を有する。本体部22は、挿排
口27,28から挿入された挿入物に関する処理を行
う。
【0025】パネル部23は略平板状の部材であり、そ
の一方面29に操作装置30および表示装置の目視表示
領域31を有する。操作装置30は、たとえば本体部2
2を操作して、前述した処理を行わせるための操作装置
である。表示装置の目視表示領域31には、本体部22
で行われる処理に関連した表示が行われる。
【0026】パネル部23は、前述した第1の状態にお
いて、一方面29と反対側の他方面32が本体部22の
一側面22aと対向する。このときパネル部23は、一
方面29が筺体25の開口部26に臨み、その底面に垂
直な中心軸が本体部22の底面を含む仮想平面と直交す
るように設置される。第2の状態においては、パネル部
23は、他方面32を仮想平面と対向させ、その中心軸
と仮想平面とがほぼ平行となるように傾けられる。か
つ、パネル部23全体は、本体部22の挿排口28より
も仮想平面に近付けられる。すなわちパネル部23は、
一方面29を上向きとして、挿排口28よりも低くなる
ように傾けられる。
【0027】以後、前述した仮想平面を基準として、仮
想平面に垂直または水平な方向をそれぞれ「垂直方向」
または「水平方向」と称する。また各構成要素におい
て、仮想平面に近い部分を「下」、仮想平面から遠い部
分を「上」と称する。
【0028】パネル部23の一方面29には、第2の状
態において挿排口28に最も接近する部分に凹部34が
形成される。凹部34は、一方面29端部に近付くほど
深さが深くなる。これによって、パネル部23の上方を
通って挿排口28に挿入される挿入物35と一方面29
との距離が広がる。これによって、挿入物35によって
パネル部23を誤って傷つけることを防止することがで
きる。
【0029】筺体25内には、パネル部23を第1の状
態から第2の状態に変位させ、またはその逆に変位させ
るための駆動装置37が備えられる。駆動装置37は、
トレイ部材38、レバー部材49、およびこれらの部材
を駆動するための部材を含む。
【0030】トレイ部材38は棒状の部材であり、その
長手方向に沿って溝42,43が設けられる。トレイ部
材38の一方端44は、パネル部23の側面下側に回動
自在に取付けられる。溝43は、トレイ部材38の中央
部から他方端部に向かって形成される。溝42,43に
は、それぞれ筺体25に固定されるピン部材46,47
が嵌まり込み摺動する。トレイ部材38は、ピン部材4
6,47を支点として、溝42,43の長さだけ筺体2
5から突出するように水平方向に移動することができ
る。
【0031】また、前述したトレイ部材38には、その
長手方向に平行に直線状の歯車48が取付けられてい
る。この歯車48には、歯車49〜52を介してモータ
53からの回転が伝達され、水平方向に駆動される。こ
のモータ53によって、トレイ部材38は水平方向に変
位する。
【0032】レバー部材39は、棒状の部材であり、そ
の一方端56は、パネル部23側面上側に回動自在に取
付けられる。レバー部材45の他方端には、その長手方
向に沿って溝57が形成される。溝57には、筺体25
に固定された円筒状のピン部材59が嵌まり込む。レバ
ー部材45は、ピン部材59を支点として、角変位する
ことができる。かつ、ピン部材59が溝57を摺動する
ことによって、レバー部材45の長手方向に沿う方向に
移動することができる。また、レバー部材45の中央部
下側側縁部には、切欠き58が設けられる。切欠き58
は、溝60の一方端につながっている。溝60は、溝5
7をレバー部材45の長手方向に延長した直線上に、溝
57とほぼ同じ長さで形成される。
【0033】また、パネル部23の側面上側には、レバ
ー部材45の一方端の回転軸と同軸となるように、円筒
状の突起部材61が設けられている。この突起部材61
は、筺体25の開口部26の側面上側に設けられる溝6
2に嵌まり込み、この溝62に沿って摺動する。溝62
は、筺体25の開口部26近傍の側面に垂直方向に沿っ
て設けられる。溝62の長さは、開口部26の垂直方向
の長さの半分よりも短い。かつ、この溝62の下側端部
は、開口部26側に開口している。
【0034】レバー部材39よりも下側の筺体25の側
面には、扇型の回転板63が回動自在に取付けられる。
この回転板63には、円筒状の支持部材64が取付けら
れる。回転板63の円弧部分65には歯車の歯が形成さ
れており、歯車66の内側の歯車と噛合わされている。
歯車66には、歯車67〜69を順次介してモータ70
の回転が伝達される。回転板63は、モータ70によっ
て支点71を中心に角変位する。回転板63が角変位す
るのに伴って、支持部材64の位置も支点71を中心と
して角変位する。
【0035】パネル部23が本体部22の一側面22a
を覆う第1の状態から、一側面22aが露出する第2の
状態になるようにパネル部23を変位させる変位動作
を、図4〜図6を用いて説明する。
【0036】先ず、図4に示すように、パネル部23が
直立している第1の状態から、モータ53を駆動して、
トレイ部材38を矢符81方向に変位駆動させる。矢符
81方向は、水平方向であって、かつトレイ部材38が
筺体25の開口部26から突出する方向である。これに
よって、パネル部23の下側部分が矢符81方向に押出
される。これに伴いパネル部23の側面上側に設けられ
る突起部材61が、筺体25の溝62の中を矢符82方
向に摺動する。矢符82方向は、垂直方向であって、か
つ下向き方向である。これによって、パネル部23は2
点鎖線23a,23bで示すように、その一方面28を
上側にして傾けられる。
【0037】このときレバー部材39は、パネル部23
が傾けられるのに伴って、溝57に嵌まり込むピン部材
59を支点として角変位される。パネル部23の傾きが
大きくなるほどパネル部23の突起部材61とピン部材
59との距離が短くなるので、溝57はピン部材59を
長手方向に沿って矢符83方向に摺動する。
【0038】トレイ部材38は、パネル部23の中心軸
85と垂直方向のなす角度である傾斜角度θ11が0°
から35°になるまで、矢符81方向に変位駆動され
る。パネル部23の傾斜角度θ11が35°に至ると
き、パネル部23の側面上側の突起部材61は、溝62
の下側端部であって開口部26に開口している部分に達
する。このときレバー部材39は、2点鎖線39bで示
すようにはほぼ水平となり、その切欠き58が支持部材
64に当接する。ピン部材59は、溝57の矢符83方
向側の一方端部にまで移動している。
【0039】レバー部材39が支持部材64に当接した
後も、トレイ部材38は図5に示すように、さらに矢符
81方向に駆動される。トレイ部材38が矢符81方向
に駆動されると、パネル部23の下側部分は、矢符81
方向にさらに押出される。このとき、パネル部23の側
面上部に取付けられるレバー部材39は、支持部材64
によってそれ以上角変位しないように支持されている。
前述した切欠き58は、レバー部材39の長手方向に沿
った溝60とつながっている。ゆえに、トレイ部材38
が矢符81方向に駆動されるのに伴って、レバー部材3
9は、支持部材64およびピン部材59によって支持さ
れ、パネル部23の上側部分の高さをほぼ同一高さに保
つ。このとき、レバー部材39は、支持部材64および
ピン部材59が溝60および溝57を摺動して、全体と
して矢符81方向に変位される。これによってパネル部
23の突起部材61は溝62から外れ、傾けられた状態
を保って矢符81方向にほぼ平行に変位される。
【0040】このときパネル部23の上側部分は、微少
量だけ矢符82方向に変位するので、2点鎖線23cに
示すように、パネル部23の傾斜角度θ11は約40°
となる。傾斜角度θ11が40°に至るとき、トレイ部
材38はその溝42,43の矢符81方向と反対側の他
方端部にピン部材46,47が位置する位置まで変位さ
れる。トレイ部材38近傍には、トレイ部材38が溝4
2,43の他方端部にピン部材46,47が位置する所
まで駆動されたことを検知するセンサが設けられてい
る。トレイ部材38がこの状態となるまで駆動される
と、モータ53は停止してトレイ部材38をこの位置に
保つ。
【0041】次いでモータ70が回転し、図6に示すよ
うに回転板63が支点71を中心として矢符87方向に
角変位する。これによって、支持部材64もまた、矢符
87方向に角変位する。ゆえに、支持部材64によって
支えられていたレバー部材39が、ピン部材59を支点
として角変位する。これによって、パネル部23の側面
上側に取付けられるレバー部材39の一方端56が矢符
82方向に下降する。ゆえにパネル部23は、トレイ部
材38の一方端51との接続点88を支点として矢符8
9方向に角変位する。これによって、パネル部23はさ
らに傾けられる。
【0042】レバー部材39または回転板63の近傍に
は、回転板63またはレバー部材39の位置を検出する
ためのセンサが設けられる。パネル部23の傾斜角度θ
11が90°に達すると、レバー部材39または回転板
63をセンサが検出する。レバー部材39または回転板
63がこの位置に達すると、モータ70は回転を停止す
る。これによって、パネル部23は、その一方面28を
上側にして傾斜角度θ11が90°となるまで傾けられ
る。
【0043】傾斜角度θ11が最大となるとき、本体部
22の一方面22aが露出する領域が最大となる。この
状態において、一方面22aに設けられる挿排口27,
28から挿入物を挿排することができる。
【0044】パネル部23を第2の状態から第1の状態
に復帰させるとき、駆動装置37は前述した変位動作と
逆の順番でトレイ部材38およびレバー部材39を駆動
する。すなわち、先ずモータ70を駆動して回転板63
を矢符87方向とは逆方向に回転させ、レバー部材39
を上向きに角変位させる。これによって、パネル部23
の上側部分が持上げられ、傾斜角度θ11が90°であ
る状態から傾斜角度θ11が40°となる状態まで復帰
される。
【0045】この状態からモータ70を停止させてモー
タ53を駆動させ、トレイ部材38を矢符81方向とは
逆方向に変位駆動する。これによって、パネル部23は
まず傾いた状態を保って平行移動されて、その側面上側
に設けられた突起部材61が筺体25の溝62に嵌まり
込む。
【0046】さらにトレイ部材38を矢符81方向とは
逆方向に駆動すると、突起部材61が溝62に沿って摺
動してパネル部23の上側部分を持上げ、レバー部材3
9の切欠き58から支持部材64が外れる。パネル部2
3はトレイ部材38との接続点88と突起部材61と溝
62とが摺動する点とを支点として変位され、傾斜角度
が0°となる第1の状態に戻る。
【0047】このように、本発明の電子機器では、パネ
ル部23をその一方面28を上側として、傾斜角度θ1
1が0°である第1の状態から傾斜角度θ11が90°
である第2の状態まで、またはその逆に自動的に変位さ
せることができる。
【0048】また、図4に示すように、パネル部23を
変位させるとき、パネル部23の傾斜角度θ11が0°
〜35°の間ではパネル部23の上側部分と下側部分が
共に支持される。またこの間の角度はトレイ部材45の
変位量、またはレバー部材39の変位量によって任意に
設定することができる。これによって、パネル部23は
傾斜角度が0°〜35°の間の任意の角度で停止され
る。ゆえにこの構成を用いて、パネル部23の一方面2
9に設けられる表示装置の目視表示領域に対する視角を
変更することができる。
【0049】図7および図8は、本発明の第2実施形態
である電子機器91の構造を示す図である。電子機器9
1は、本体部92およびパネル部93を有する。本体部
92は筺体94内に収納され、その一側面92aにたと
えば、カセットテープなどの挿入物の挿排口95が設け
られる。パネル部93は、図7に示すように、第1の状
態において筺体94の開口部97をふさぐように配置さ
れる。このときパネル部93の一方面98と反対側の他
方面99が、筺体94内の本体部92の一側面92aと
対向している。
【0050】パネル部93には、その側面下側に棒状の
部材であるトレイ部材101が回動自在に取付けられて
いる。このトレイ部材101は、前述した第1実施形態
のトレイ部材38と同様に、たとえばモータなどの回転
が伝達されて水平方向に駆動される。このトレイ部材1
01が変位駆動されることによって、パネル部93は一
方面98を上側にして傾けられ、パネル部93が本体部
92の底面を含む仮想平面とほぼ水平になる第2の状態
まで変位される。
【0051】筺体94内において、本体部92の一側面
92aとパネル部93の他方面99との間には、遮蔽部
材104が収納されている。遮蔽部材104は、薄板状
の板105,106を板の平面の交わる角度が鋭角とな
るように接続して形成される。板106は、板105よ
りも長さが短い。遮蔽部材104は、板105,106
の接続部分を支点として回動可能に筺体94に取付けら
れる。遮蔽部材104の回転の支点108は、挿排口9
5よりも下側であり、遮蔽部材104の板105が本体
部92に近く、板106がパネル部93に近くなるよう
に取付けられる。
【0052】板105の側面には、ばね109の一方端
が取付けられる。ばね109の他方端は、筺体94また
は本体部92に固定される。ばね109は、第1の状態
において遮蔽部材104が収納されているときに、最も
伸びが小さい。またパネル部93の頭頂部には、突起部
材110が固定されている。
【0053】パネル部93が第1の状態にあるとき、遮
蔽部材104はパネル部93と本体部92の一側面92
aとの間に板105が直立するように収納される。トレ
イ部材101が水平方向に沿って筺体94から突出する
ように駆動されると、パネル部93が傾けられる。この
とき、パネル部93の頭頂部に設けられた突起部材11
0が、遮蔽部材104の板106に当接して、これを押
下げる。これによって、遮蔽部材104は支点108を
中心としてパネル部93の一方面98にかぶさる方向に
回転する。
【0054】パネル部93が図8に示す第2の状態か
ら、図7に示す第1の状態に戻ると、その途中で突起部
材110が板106から離れる。このとき、板105に
接続されているばね109のばね力によって、遮蔽部材
104は支点108を中心として一方面98にかぶさる
方向とは逆向きに回転し、板105が直立する状態に戻
る。
【0055】このように、パネル部93が最大に傾けら
れた第2の状態において、本体部92の挿排口95に近
い部分を遮蔽部材104が覆う。挿排口95に挿入され
る挿入物は、この遮蔽部材104の上を通って挿入され
る。ゆえに、挿入物で誤ってパネル部93の一方面98
を傷つけることを防止することができる。
【0056】図9は、本発明の第3実施形態である電子
機器111の構造を示す図である。電気機器111は、
第1および第2実施形態の電子機器21,91と類似の
構成を有し、同一の動作を行う構成要素には同一の符号
を付し、説明は省略する。
【0057】パネル部93の側面下側には、トレイ部材
101の一方端が回動自在に取付けられている。パネル
部93の側面上側には、円筒状の突起部材112が取付
けられている。筺体94の開口部97近傍の上側には、
プーリ114が取付けられる。また、筺体94の開口部
97近傍の下側には、回転部材115が取付けられる。
プーリ114と回転部材115とには、たとえばゴムベ
ルトなどで実現されるベルト116が巻回される。回転
部材115は、たとえばモータなどからの回転力が伝達
され、矢符118方向に回転する。パネル部93の突起
部材112は、巻回されたベルト116の間に挟まれる
ように配置される。
【0058】パネル部93が直立した第1の状態から最
大の傾斜角度まで傾けられた第2の状態に変位させると
き、トレイ部材101は、矢符81方向に変位駆動され
る。パネル部93は、支点88を中心として角変位しつ
つ一方面98を上向きとして傾けられる。このとき、パ
ネル部93の側面上側に設けられた突起部材112は、
ベルト116のうち開口部97側の一方部分116aに
押付けられる。ベルト116は、回転部材115の回転
力によって矢符118方向に駆動される。ゆえにベルト
116の一方部分116aは下向きに動いている。突起
部材112とベルト116の押し付けられた部分との間
に摩擦力が生じ、パネル部93の上側部分が下向きに変
位することを補助する。
【0059】また、パネル部93を第2の状態から第1
の状態に復帰させるとき、トレイ部材101は、矢符8
1方向とは逆方向に変位駆動される。これによって、パ
ネル部93の下側部分が矢符81方向とは逆方向に引戻
される。このとき、パネル部93の側面上側に設けられ
る突起部材112は、ベルト116の本体側の他方部分
116bに押付けられる。ベルト116は、他方部分1
16bでは上向きに移動している。突起部材112とベ
ルト116の押付けられた部分との間に摩擦力が生じ、
パネル部93の上側部分が上向きに変位することを補助
する。
【0060】このように、パネル部93の上側部分を上
昇または下降させる動作を補助する機構を備えることに
よって、パネル部93を第1の状態から第2の状態へ、
またはその逆に変位させることができる。
【0061】図10〜図12は、本発明の第4実施形態
である電子機器121の構造を説明するための図であ
る。本実施形態の電子機器121は、第1〜第3実施形
態の電子機器21,91,111に類似の構成を有し、
同一の動作を行う構成要素には同一の符号を付し、説明
は省略する。
【0062】パネル部93の側面下側には、トレイ部材
101の一方端が回動自在に取付けられる。また、パネ
ル部93の側面中央部には、棒状部材123の一方端が
回動自在に取付けられる。棒状部材123の他方端に
は、棒状部材124が回動自在に接続される。棒状部材
124の他方端は、トレイ部材101中央部に回動自在
に取付けられる。棒状部材123,124は、リンク部
材125をなす。リンク部材125の折曲がり部分であ
って、棒状部材123,124の接続部分には、突起部
材126が取付けられる。この突起部材126は、筺体
94の側面に設けられた溝128に嵌まり込み、溝12
8内部を摺動する。溝128は、第2の状態であるとき
突起部材126が位置する一方端が、第1の状態である
ときに突起部材126が位置する他方端よりも低くなる
ように形成される。
【0063】パネル部93が最大の傾斜角度で傾けられ
ている第2の状態から、パネル部93が直立する第1の
状態に復帰させるとき、トレイ部材101は、矢符81
方向と逆方向に駆動され、パネル部93の下側を矢符8
1方向とは逆方向に引込む。このとき、リンク部材12
5の突起部材126は、溝128の側面に押付けられ
る。これによって、トレイ部材101を矢符81方向と
は逆方向に引込む力が分割されて、パネル部93の中央
部から上側部分を引起こす力が生じる。突起部材126
は、図11および図12に示すように、トレイ部材10
1が引込まれるほど溝128の一方端から他方端に向か
って摺動する。これによって、パネル部93を上向きに
押し上げる力が生じ、傾けられたパネル部93を元に戻
す動作が補助される。
【0064】これによって、トレイ部材101を駆動す
るだけで、パネル部93をその一方面98を上向きにし
て傾け、かつ傾けられた状態から直立した状態に自動的
に復帰させることができる。
【0065】図13〜図15は、本発明の第5実施形態
である電子機器131の構成を示す図である。本実施形
態の電子機器131は、第1〜第4実施形態の電子機器
21,91,111,121と類似の構成を有し、同一
の動作を行う構成要素には同一の符号を付し、説明は省
略する。
【0066】トレイ部材101aの上側の一方側面に
は、段差133が設けられている。トレイ部材101a
の一方端から段差133までの間のトレイ部材101a
の幅と、段差133からトレイ部材101aの他方端ま
での幅とを比較すると、段差133からトレイ部材10
1aの他方端までの幅の方が狭い。このトレイ部材10
1aの一方端は、パネル部93の側面下側に回動自在に
取付けられる。トレイ部材101aは、本体部92の底
面を含む仮想平面に対して水平方向に駆動される。
【0067】トレイ部材101aよりも上側の位置でト
レイ部材101aと平行に、棒状のレバー部材135が
取付けられる。レバー部材135の一方端には、突起部
材136が設けられる。この突起部材136は、パネル
部93の側面に設けられる溝138に嵌まり込み、溝1
38内部を摺動する。レバー部材135の中央部から他
方端にかけての部分には、溝140,141が設けられ
る。溝140,141には、筺体94に固定されている
ピン部材142,143が嵌まり込む。ピン部材14
2,143は、溝140,141を摺動する。また、溝
140,141の間には、凹部145が設けられる。レ
バー部材135は、溝140,141をピン部材14
2,143が摺動する分だけ水平方向に変位することが
できる。
【0068】レバー部材135とトレイ部材101aと
の間には、レバー部材135の水平移動を許容または禁
止するロック部材147が設けられる。ロック部材14
7は、支点148で回動自在に筺体94に固定された板
149の両端に、突起部材150,151が形成され
る。板149の支点148とは反対側には、ばね152
が取付けられ、板149に対して下向きに力を加えてい
る。板149の下側の突起部材150は、トレイ部材1
01aの上側の側縁部に当接する。板149の上側の突
起部材151は、レバー部材135の水平方向の移動を
禁止するとき、凹部145に嵌まり込む。
【0069】パネル部93をその一方面98を上側にし
て最大の傾斜角度で傾けられている第2の状態からパネ
ル部93が直立する第1の状態に復帰させるとき、トレ
イ部材101aが矢符81方向とは反対方向に引込まれ
る。これによって、パネル部93の下側部分が矢符81
方向とは反対方向に引き込まれる。このとき、ロック部
材147の突起部材150は、トレイ部材101aの上
側側縁部のうち、段差133から他方端部側に当接して
いる。
【0070】このとき、突起部材151は、レバー部材
135の凹部145に嵌まり込む。これによって、レバ
ー部材135の水平方向の移動が禁止される。パネル部
93は、レバー部材135の一方端に設けられた突起部
材136を支点として、突起部材136を溝138が摺
動するように動き、最大に傾斜した状態から引起こされ
る。パネル部93の側面上側に設けられる突起部材15
4が、筺体94の開口部97近傍に設けられた溝155
の下側端部の開口している部分に到達するまで引起こさ
れたとき、ロック部材147の突起部材150は、トレ
イ部材101aの上側の側縁部の段差133に当接す
る。この状態から、さらにトレイ部材101aが矢符8
1方向とは反対方向に引き込まれると、ロック部材14
7の板149が支点148を中心として、上側方向に回
転する。これによって、突起部材151がレバー部材1
35の凹部145から外れる。これによって、レバー部
材135の水平方向の移動が許容される。
【0071】図14に示すように、突起部材154が筺
体94の溝155下側端部に当接した状態から、さらに
トレイ部材101aを矢符81方向とは逆方向に引込
む。このとき、パネル部93の上側部分は、突起部材1
54と溝155の側面とが当接する部分に支持される。
トレイ部材101aが引き込まれると、突起部材154
は溝155を摺動し、パネル部93は傾斜角度を小さく
しつつ起上がり、図15に示すように、パネル部93が
直立した第1の状態に復帰される。
【0072】突起部材154が溝155に嵌まり込んだ
ときから、レバー部材135は水平方向に移動可能にな
っている。ゆえに、このとき、レバー部材145は、パ
ネル部93が起上がる動作に対応して、矢符81方向と
は逆方向に水平移動される。このように、傾斜角度が大
きいときと傾斜角度が小さいときとにおいて、支点の位
置を変更する。これよって、傾斜角度が大きいときにパ
ネル部93を持ち上げる力を補助する。
【0073】このように、第1〜第5実施形態において
は、パネル部の一方面を上側として、挿排口よりも仮想
平面に近くなるように傾かせて本体部の一側面を露出さ
せることができる。このとき、パネル部は、その傾斜角
度が45°よりも大きくなるように傾けられる。かつ、
このように大きく傾けられたパネル部を、駆動装置を用
いて、自動的に第1の状態に復帰させることができる。
【0074】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電子機器
は予め定める処理を実行する本体と、その処理に関連す
る表示部および操作部の少なくともいずれか一方を有す
る操作手段とを有する。操作手段は、通常は特定構造が
設けられる本体の前面を覆う第1の状態におかれ、特定
構造を使用するときだけ一側面が露出する第2の状態と
なるように変位される。このとき操作手段は、その一方
表面を上に向け、特定構造よりも本体の底面を含む仮想
表面に近くなるように傾けられる。かつ、操作手段の中
心軸が仮想平面とほぼ平行になるまで傾けられる。
【0075】これによって、本体の一側面のうち、露出
される領域を従来の電子機器と比較して広くすることが
できる。したがって、たとえば特定構造が挿入物を挿入
するための挿排口であるとき、従来の電子機器と同じ大
きさの挿排口であれば、その数を増加させることができ
る。また操作手段を傾けて特定構造を露出させたとき、
特定構造と操作手段の一方表面とを同時に目視し、使用
することができる。
【0076】また本発明によれば、前記電子機器におい
て操作手段を変位させる駆動手段では、操作手段下側を
仮想平面に対して水平に変位させるトレイ部材の他に、
操作手段の上側を変位させるレバー手段を備える。第2
の状態においてほぼ水平に傾けられた操作手段を起こし
て第1の状態の位置に復帰させるとき、駆動手段はまず
レバー手段によって操作手段の上側を持上げてから、ト
レイ部材で操作手段の下側を引込んで、手段を引起こ
す。
【0077】これによって、ほぼ水平に傾けられた操作
手段を、駆動手段だけを用いて機械的に引起こし、第1
の状態に復帰させることができる。さらに操作手段の上
側を持ち上げるときトレイ部材の下側を動かさないの
で、第2の状態におけるトレイ部材の突出量を最小とす
ることができる。また、トレイ部材を用いて操作手段を
変位させるとき、操作手段はトレイ部材とその側面上側
に設けられる突起部材とによって支えられる。このとき
の操作手段の角度はトレイ部材の変位量によって定めら
れる。この構成を利用して、操作手段の一方表面に設け
られる表示部の視角を変更することができる。
【0078】さらにまた本発明によれば、前記電子機器
において操作手段を変位させる駆動手段では、操作手段
下側を仮想平面に対して水平に変位させるトレイ部材の
他に、一方方向に回転して操作手段上側の変位を補助す
るベルト部材を有する。このベルト部材は、電子機器の
本体および操作手段を収納する筺体の開口部近傍に上下
に設けられるプーリと回転部材とに巻回されて回転す
る。
【0079】第2の状態においてほぼ水平に傾けられた
操作手段を引起こして第1の状態に戻すとき、トレイ部
材を操作手段を引起こす方向に変位駆動すると、操作手
段の側面上側に設けられる突起部材が、ベルト部材のう
ち上側に移動する部分に押当てられる。これによって操
作手段の上側部分が上向きに動く動作が補助される。こ
れによって、操作手段がほぼ水平まで倒されるときに
も、駆動手段の力だけで元の第1の状態に復帰させるこ
とができる。
【0080】また本発明によれば、前記電子機器におい
て操作手段を変位させる駆動手段では、操作手段下側を
仮想平面に対して水平に変位させるトレイ部材の他に、
一箇所が折曲がり自由なリンク部材を有する。このリン
ク部材は操作手段とトレイ部材とにそれぞれ取付けら
れ、その折曲がり部分に形成される突起部材が筺体の内
部側面の溝に嵌まり込む。
【0081】第2の状態においてほぼ水平に傾けられた
操作手段を引起こして第1の状態に戻すとき、トレイ部
材を操作手段を引起こす方向に変位駆動すると、リンク
部材は突起部材が溝を摺動しつつ移動し、操作手段が起
上がる動作を補助する。これによって、操作手段がほぼ
水平まで傾けられたときにも、駆動手段の力だけで元の
第1の状態に復帰させることができる。かつ駆動手段の
構成のうちトレイ部材だけを駆動させて、操作手段を引
起こすことができるので、操作手段の構成が簡略化され
る。
【0082】さらにまた本発明によれば、前記電子機器
において操作手段を変位させる駆動手段では、操作手段
下側を仮想平面に対して水平に変位させるトレイ部材の
他に、操作手段の側面中央部を支持するレバー部材を備
える。このレバー部材は、操作手段がたとえば45°以
上に傾けられたときだけ操作手段を支持する。操作手段
が45°未満だけ傾けられるときは、操作手段はその側
面上側に設けられる突起部材が筺体の開口部近傍の溝に
嵌まり込むことによって支持される。
【0083】このように、操作手段の傾きの大きさに応
じて操作手段を支持する位置を変更され、操作手段がほ
ぼ水平まで倒されるときには、操作手段の支点はその側
面中央部に変更される。これによって、操作手段を駆動
手段の力だけで元の第1の状態に復帰させることができ
る。かつ駆動手段の構成のうちトレイ部材だけを駆動さ
せて、操作手段を引起こすことができるので、操作手段
の構成が簡略化される。
【0084】また本発明によれば、前記操作手段の一方
表面のうち、少なくとも前記第2の状態において本体の
前面に接近する部分には凹部が形成される。これによっ
て、操作手段の前記接近する部分と前面に設けられる特
定構造との間隔が広くなり、特定構造を使用し易くな
る。
【0085】さらにまた本発明によれば、前記電子機器
には、操作手段がほぼ水平となるまで傾けられる第2の
状態において操作手段の一方表面を覆う遮蔽部材が付加
される。この遮蔽部材は、第1の状態においては操作手
段と本体との間に収納され、操作手段が倒されるときに
その一部に当接して回転し、一方表面を覆う。これによ
って、たとえば本体の特定構造が挿入物を挿入する挿排
口であるとき、操作手段の一方表面を挿入物で傷つける
ことを防止することができる。またこの遮蔽部材は、操
作手段が傾けられるときに操作手段に押されて動くの
で、遮蔽部材自体を個別に駆動する必要がない。ゆえに
構成を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である電子機器21の構
造を説明するための断面図である。
【図2】図1の電子機器21の第2の状態における斜視
図である。
【図3】図1の電子機器21の第2の状態における断面
図である。
【図4】図1の電子機器21において、パネル部23を
傾斜角度0°から傾斜角度35°まで傾けるときにおけ
る各部材の動きを説明するための断面図である。
【図5】図1の電子機器21において、パネル部23を
傾斜角度35°から傾斜角度40°まで変位させるとき
における各部材の動きを説明するための断面図である。
【図6】図1の電子機器21において、パネル部23を
傾斜角度40°から傾斜角度90°まで変位させるとき
における各部材の動きを説明するための断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態である電子機器91の第
1の状態での構成を説明するための断面図である。
【図8】図7の電子機器91の第2の状態における構成
を説明するための断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態である電子機器111の
構成を説明するための断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態である電子機器121
の第2の状態における構成を説明するための断面図であ
る。
【図11】図10の電子機器121において、第1およ
び第2の状態の中間の状態に傾けられたときの構成を説
明するための断面図である。
【図12】図10の電子機器121の第1の状態におけ
る構成を説明するための断面図である。
【図13】本発明の第5実施形態である電子機器131
の第2の状態における構成を説明するための断面図であ
る。
【図14】図13の電子機器131が第1の状態と第2
の状態の中間のところまで傾けられた状態における構成
を示す断面図である。
【図15】図13の電子機器131において、第1の状
態を示す断面図である。
【図16】従来技術である電子機器1の構成を示す断面
図である。
【図17】図16の電子機器1の構成を示す断面図であ
る。
【図18】図16の電子機器1の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
21,91,111,121,131 電子機器 22,92 本体部 23,93 パネル部 25,94 筺体 26 開口部 27,28,95 挿排口 34 凹部 37 駆動装置 38,101 トレイ部材 39,135 レバー部材 64 支持部材 61,112,126,136,154 突起部材 62,128,138,155 溝 104 遮蔽部材 105,106 板 109 ばね 114 プーリ 115 回転部材 116 ベルト 125 リンク部材 147 ロック部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津田 斉 兵庫県神戸市兵庫区御所通1丁目2番28号 富士通テン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定める処理を実行する本体と、 前記予め定める処理に関連する表示を行う表示部、およ
    び前記予め定める処理に関連する操作を行う操作部の少
    なくともいずれか一方を一方表面に有する操作手段と、 前記操作手段の前記一方表面と反対側の他方表面が前記
    本体の前面を覆う第1の状態と、前記操作手段の底面と
    直交する中心軸と前記本体の底面を含む仮想平面との成
    す角度が45°未満となり前記本体前面の少なくとも一
    部を露出させる第2の状態との間で、操作手段を傾斜変
    位させる駆動手段とを備えることを特徴とする電子機
    器。
  2. 【請求項2】 前記駆動手段は、 その一部に形成される開口部に本体の前面および操作手
    段の一方表面が臨むように本体および操作手段を収納す
    る筺体と、 棒状の部材であって、操作手段の側面のうち、前記中心
    軸に沿う方向で前記仮想平面に近い下側に一方端が回動
    自在に取付けられ、他方端が仮想平面に平行な水平方向
    にだけ移動可能に筺体に取付けられるトレイ部材と、 操作手段の側面のうち、中心軸に沿う方向で仮想平面か
    ら遠い上側に一方端が回動自在に取付けられ、他方端が
    筺体に回動自在に取付けられるレバー部材と、 操作手段の側面のうち中心軸に沿う方向で上側に固定さ
    れる突起部材と、 突起部材が嵌まり込み摺動する溝であって、筺体の開口
    部上側の近辺に仮想平面と直交する垂直方向に沿って設
    けられ、その長さが開口部の垂直方向の長さの半分の長
    さよりも短く、下側端部が開口部に開口している溝を有
    する案内部材と、 トレイ部材およびレバー部材を駆動する部材駆動手段で
    あって、 操作手段を前記第1の状態から前記第2の状態に至らし
    めるとき、突起部材が溝から外れるまでトレイ部材を水
    平方向に沿って筺体の開口部から突出させるように駆動
    し、突起部材が溝から外れると操作手段の一方表面が仮
    想平面に近くなるまでレバー部材の他方端を中心として
    レバー部材を予め定める一方方向に回動させ、 操作手段を第2の状態から第1の状態に至らしめると
    き、突起部材が溝の開口部と同じ高さとなるまでレバー
    部材を他方端を中心として前記一方方向とは反対方向で
    ある他方方向に回動させ、突起部材が溝の開口部と同じ
    高さとなると突起部材が溝に嵌まり込み上側端部に至る
    まで、トレイ部材を水平方向に沿って筺体内部に収納さ
    れるように駆動する部材駆動手段とを含むことを特徴と
    する請求項1記載の電子機器。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段は、 その一部に形成される開口部に本体の前面および操作手
    段の一方表面が臨むように本体および操作手段を収納す
    る筺体と、 棒状の部材であって、一方端が操作手段の側面のうち、
    前記中心軸に沿う方向で前記仮想平面に近い下側に回動
    自在に取付けられ、他方端が仮想平面に平行な水平方向
    にだけ移動可能に筺体に取付けられるトレイ部材と、 操作手段の側面のうち、中心軸に沿う方向で仮想平面か
    ら遠い上側に固定される突起部材と、 筺体の開口部近辺の上側に設けられるプーリと、 筺体の開口部近辺の下側に設けられる回転部材と、 プーリと回転部材とに巻回され、前記突起部材に摺動す
    るベルト部材と、 トレイ部材と回転部材とを駆動する部材駆動手段であっ
    て、 操作手段を第1の状態から第2の状態に至らしめると
    き、トレイ部材を水平方向に沿って筺体の開口部から突
    出させるように駆動し、同時に回転部材を予め定める一
    方方向に回動させ、 操作手段を第2の状態から第1の状態に至らしめると
    き、トレイ部材を水平方向に沿って筺体内部に収納され
    るように駆動し、同時に回転部材を前記一方方向に回動
    させる部材駆動手段とを含むことを特徴とする請求項1
    記載の電子機器。
  4. 【請求項4】 前記駆動手段は、 その一部に形成される開口部に本体の前面および操作手
    段の一方表面が臨むように本体および操作手段を収納す
    る筺体と、 棒状の部材であって、一方端が操作手段の側面のうち、
    中心軸に沿う方向で前記仮想平面に近い下側に回動自在
    に取付けられ、他方端が仮想平面に平行な水平方向にだ
    け移動可能に筺体に取付けられるトレイ部材と、 少なくとも一箇所が折曲がり自由なリンク部材であっ
    て、一方端が操作手段の側面に回動自在に取付けられ、
    他方端がトレイ部材に回動自在に取付けられるリンク部
    材と、 リンク部材の折曲がり部分に形成される突起部材と、 筺体の内側側面に設けられ、突起部材が嵌まり込み摺動
    する溝を有する案内部材と、 トレイ部材を駆動する部材駆動手段であって、 操作手段を第1の状態から第2の状態に至らしめると
    き、トレイ部材を水平方向に沿って筺体の開口部から突
    出させるように駆動し、 操作手段を第2の状態から第1の状態に至らしめると
    き、トレイ部材を水平方向に沿って筺体内部に収納され
    るように駆動する部材駆動手段とを含むことを特徴とす
    る請求項1記載の電子機器。
  5. 【請求項5】 前記駆動手段は、 その一部に形成される開口部に本体の前面および操作手
    段の一方表面が臨むように本体および操作手段を収納す
    る筺体と、 棒状の部材であって、一方端が操作手段の側面のうち、
    中心軸に沿う方向で前記仮想平面に近い下側に回動自在
    に取付けられ、他方端が仮想平面に平行な水平方向にだ
    け移動可能に筺体に取付けられるトレイ部材と、 棒状の部材であって、一方端に突起が形成され、他方端
    が筺体に水平方向に移動可能に取付けられるレバー部材
    と、 レバー部材の突起が摺動する第1の溝であって、操作手
    段の側面のうちトレイ部材の一方端が固定された位置よ
    りも中心軸に沿う方向で仮想平面から遠い上側に設けら
    れる第1の溝を有する第1案内部材と、 操作手段の側面のうち、前記中心軸に沿う方向で、第1
    の溝よりも上側に固定される突起部材と、 突起部材が嵌まり込み摺動する第2の溝であって、筺体
    の開口部上側の近辺に垂直方向に沿って設けられ、その
    長さが開口部の垂直方向の長さの半分の長さよりも短
    く、下側端部が開口部に開口している第2の溝を有する
    第2案内部材と、 操作手段の突起部材が第2の溝を摺動して外れるまでの
    間、および外れていた操作手段の突起部材が第2の溝に
    嵌まり込み第1の状態に戻るまでの間だけ、レバー部材
    の水平方向の移動を許容する許容手段と、 トレイ部材を駆動する部材駆動手段であって、 操作手段を第1の状態から第2の状態に至らしめると
    き、トレイ部材を水平方向に沿って筺体の開口部から突
    出させるように駆動し、 操作手段を第2の状態から第1の状態に至らしめると
    き、トレイ部材を水平方向に沿って筺体内部に収納され
    るように駆動する部材駆動手段とを含むことを特徴とす
    る請求項1記載の電子機器。
  6. 【請求項6】 前記操作手段の一方表面には、少なくと
    も前記第2の状態において本体の前面に接近する部分
    に、前記中心軸に沿って最上部に近付くほど一方表面と
    前記他方表面との間の間隔が狭くなる凹部が形成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  7. 【請求項7】 前記駆動手段は、 その一部に形成される開口部に本体の前面および操作手
    段の一方表面が臨むように本体および操作手段を収納す
    る筺体と、 薄板状の第1部材と第1部材よりも一方方向の長さが長
    く同じ幅の薄板状の第2部材とが幅方向の端部で接続さ
    れ、その接続部分を中心として回動自在に筺体に取付け
    られ、操作手段が第1の状態にあるときに本体の一側面
    と操作手段の他方表面との間に収納され、第2の状態に
    至るとき操作手段の一方面の最上位置側を第2部材によ
    って遮蔽する遮蔽部材と、 前記操作手段が第1の状態にあるときに仮想平面から最
    も遠い頭頂部に形成され、操作手段が第1の状態から第
    2の状態に至るまでに遮蔽部材の第1部材を押下げて遮
    蔽部材を回転させる突起部材と、 一方端が筺体に固定され他方端が遮蔽部材に固定され、
    操作手段が第1の状態であるときに最小の伸びとなるば
    ね部材とをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の
    電子機器。
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