JP4195585B2 - 車載用電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メディア挿入口等を有する機器本体上に表示画面を有する可動モニタ装置が積層配置され、この可動モニタ装置を前進させると共に起立させることにより、表示画面が機器本体の前面側に露出するように構成された車載用電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、多機能型の車載用電子機器において、メディア挿入口や操作釦を有する機器本体上に表示画面を有する可動モニタ装置を積層配置し、この可動モニタ装置を機器本体の前面に対して出没自在としたものが普及しつつある。かかる車載用電子機器は、搭乗者が表示画面を見ないときには可動モニタ装置を水平な姿勢で機器本体上に収納しておき、例えばメディア挿入口からDVD等のメディアを挿入して表示画面に再生するときに、可動モニタ装置を前進させて所定角度だけ起立させることにより、表示画面を搭乗者の見やすい位置に露出させるようにしたものであり、機器本体上方の限られたスペースに大型の表示画面を配置できるという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の可動モニタ装置を備えた車載用電子機器では、可動モニタ装置を機器本体の上面に沿ってスムーズに前後進させるために、可動モニタ装置と機器本体の上面との間に移動用ギャップが必要となる。このような理由から、前述した従来の車載用電子機器においては、可動モニタ装置が水平な姿勢で機器本体上に収納されているとき、可動モニタ装置の下面と機器本体の上面間に横長形状の隙間ができてしまい、この隙間から移動用ギャップ内に異物が誤挿入されるという問題があった。特に、機器本体の前面部に横長形状のメディア挿入口が開設されている場合、上記隙間がメディア挿入口の上部近傍に平行にできてしまうため、搭乗者がメディア挿入口からCDやDVD等のメディアを挿入しようとしたとき、誤って上記隙間にメディアを挿入してしまう可能性が高くなり、異物の誤挿入という問題は顕著なものとなる。
【0004】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、機器本体と可動モニタ装置との間に必要とされる移動用ギャップに異物が誤挿入されることを確実に防止できる車載用電子機器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、可動モニタ装置の後退位置における前面側に機器本体の上面に向かって垂下する突部を設けると共に、機器本体の前面上端部にこの突部との接触を回避する切欠き部を設け、可動モニタ装置の後退位置で突部を移動用ギャップと正面視オーバーラップさせて切欠き部内に挿入することとする。可動モニタ装置にこのような突部を設けると、可動モニタ装置が水平な姿勢で機器本体上に収納されているとき、可動モニタ装置の下面と機器本体の上面との間にできる横長形状の隙間に対して突部が正面視オーバーラップすると共に、この突部が移動用ギャップを通って機器本体の前面上端部に形成された切欠き部内に達するため、メディア等の異物が隙間から移動用ギャップ内に誤挿入されることはなくなる。また、可動モニタ装置を収納状態から起立させる前進動作時や、その逆に可動モニタ装置を起立状態から収納させる後退動作時において、突部は移動用ギャップの手前側のみを移動するだけであり、突部と機器本体との干渉が切欠き部によって回避されるため、突部によって可動モニタ装置のスムーズな前後進動作が妨げられることはない。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の車載用電子機器では、前面部に少なくとも操作釦を有する機器本体と、この機器本体の上方に移動用ギャップを存して積層配置された可動モニタ装置とを備え、この可動モニタ装置を前記移動用ギャップに沿って前進させると共に起立させることにより、該可動モニタ装置の表示画面が前記機器本体の前面側に露出される車載用電子機器において、前記可動モニタ装置の後退位置での前面側に前記機器本体の上面に向かって垂下する突部を設けると共に、前記機器本体の前面上端部に前記突部との接触を回避する切欠き部を設け、前記可動モニタ装置の後退位置で前記突部を前記移動用ギャップと正面視オーバーラップさせて前記切欠き部内に挿入するという構成にした。
【0007】
このように構成された車載用電子機器によれば、可動モニタ装置が水平な姿勢で機器本体上に収納された後退位置にあるとき、可動モニタ装置の下面と機器本体の上面との間にできる横長形状の隙間に対して突部が正面視オーバーラップすると共に、この突部が移動用ギャップを通って機器本体の前面上端部に形成された切欠き部内に達するため、メディア等の異物が隙間から移動用ギャップ内に誤挿入されることを確実に防止でき、しかも、可動モニタ装置の前後進時に突部は移動用ギャップの手前側のみを移動するだけであり、突部と機器本体との干渉が切欠き部によって回避されるため、可動モニタ装置のスムーズな前後進動作を確保することができる。
【0008】
上記の構成において、移動用ギャップの幅方向における突部の位置は特に限定されないが、突部を可動モニタ装置の幅方向中央部に設けることが好ましく、また、突部の形状も特に限定されないが、突部を下側に突出する円弧状に形成することが好ましい。
【0010】
また、上記の構成において、機器本体はその前面部に少なくとも操作釦を有するものであれば良いが、特に機器本体の前面部に横長形状のメディア挿入口が開設されているものに適用することが好ましい。すなわち、このようなメディア挿入口を有する機器本体の場合、メディア挿入口からCDやDVD等のメディアを挿入する頻度が高くなるが、メディアの上記隙間から移動用ギャップ内への誤挿入を突部によって確実に防止することができる。
【0011】
【実施例】
実施例について図面を参照して説明すると、図1は車載用電子機器の可動モニタ装置が収納されている状態を示す正面図、図2は該車載用電子機器の斜視図、図3は該車載用電子機器の可動モニタ装置が起立している状態を示す正面図、図4は図1のA−A線に沿う断面図である。
【0012】
これらの図において、符号1は車載用電子機器の外殻を形成する箱形形状の筐体を示し、この筐体1には機器本体2と可動モニタ装置3とが上下2段に積層配置されている。機器本体2の前面部には、操作つまみ4やイジェクト釦5aを含む複数の操作釦5が配設されると共に、その略中央部上側にはCDやDVD等のディスク状メディアを挿入/排出するための横長形状のメディア挿入口6が開設されている。また、機器本体2の内部には、メディアの搬送機構や光ピックアップ等からなる図示せぬ再生装置が配設されている。
【0013】
可動モニタ装置3はLCDからなる表示画面7を有し、この表示画面7の非使用状態において、可動モニタ装置3は表示画面7を下面に向けた水平な姿勢で機器本体2上に収納されている。図示省略されているが、筐体1の内部には、可動モニタ装置3を前後進させることのできるスライド移動駆動機構と、可動モニタ装置3を前進位置で回動させることのできる回転移動駆動機構とが配設されており、これらスライド移動駆動機構と回転移動駆動機構を用いて可動モニタ装置3を前進させ且つ起立させることにより、表示画面7は筐体1から突出して機器本体2の上方に起立状態で露出するようになっている(図3参照)。その際、可動モニタ装置3のスムーズな前後進動作を行わせるために、機器本体2の上面と可動モニタ装置3の下面との間には移動用ギャップ8が確保されている。
【0014】
また、可動モニタ装置3の収納状態(後退位置)での前面側には、例えばこの可動モニタ装置3を使用状態に起立させるための操作釦3aが配設されると共に、スケールプレート9が取り付けられている。このスケールプレート9は例えば黒く着色されたアクリル樹脂材からなり、可動モニタ装置3の前面部の化粧板として機能する。スケールプレート9には正面から見て下側へ円弧状に突出する第1の突部9aが形成されており、この第1の突部9aは移動用ギャップ8の手前側(図4の右端部)の隙間Sを通って機器本体2の上面方向へ垂下している。一方、機器本体2の前面上端部に切欠き部2aが形成されており、最も突出量の大きい第1の突部9aの中央部下端はこの切欠き部2a内に挿入されている。すなわち、可動モニタ装置3が水平な姿勢で機器本体2上に収納されているとき、機器本体2の上面と可動モニタ装置3の下面と間に本来できるはずの移動用ギャップ8の横長形状の開口端(隙間S)に対して第1の突部9aが正面視オーバーラップしており、この第1の突部9aは中央部の下端が切欠き部2a内に挿入することにより、機器本体2の前面上端部との接触が回避されている。また、可動モニタ装置3の収納状態(後退位置)での後面側には第2の突部10が設けられており、図3に示すように、表示画面7が露出する可動モニタ装置3の起立状態において、この第2の突部10は移動用ギャップ8の手前側の隙間Sを通って機器本体2の切欠き部2a内に挿入されている。なお、機器本体2の切欠き部2aは、メディア挿入口6を画成する上壁部の前端が部分的に後方へ向かって凹状に切り欠かれて形成されたものである。よって、この切欠き部2aに入り込む第1の突部9aは、メディア挿入口6を囲む壁面の一部として機能する。
【0015】
このように構成された車載用電子機器では、可動モニタ装置3の収納状態において、図1と図2に示すように、この可動モニタ装置3は表示画面7を下面に向けた水平な姿勢で機器本体2上に収納されており、第1の突部9aは移動用ギャップ8の手前側の隙間Sを通って機器本体2の切欠き部2a内に達している。すなわち、可動モニタ装置3が筐体1内に収納されている待機状態では、可動モニタ装置3の下面と機器本体2の上面との間にできる横長形状の隙間Sの大部分が第1の突部9aによって塞がれているため、薄板状の異物を移動用ギャップ8内に誤挿入することを防止でき、特に、メディア挿入口6に挿入しようとしたディスク状のメディアを誤って移動用ギャップ8に挿入するという事故を確実に防止できると共に、第1の突部9aがメディアの挿入をガイドするガイド部として機能し、メディアをメディア挿入口6に確実に導くことができる。
【0016】
一方、可動モニタ装置3が筐体1内に収納されている待機状態において、前記操作釦3a等を押圧操作すると、前述したスライド移動駆動機構と回転移動駆動機構が始動し、機器本体2上に収納されていた可動モニタ装置3が前進しながらまたは前進動作完了後に起立し、図3に示すように、表示画面7が筐体1から突出して機器本体2の上方に露出する。この場合、可動モニタ装置3の前面側に設けられた第1の突部9aは機器本体2と非接触の状態で切欠き部2aから前方へ移動するため、第1の突部9aによって可動モニタ装置3のスムーズな前進動作が妨げられることはなく、この第1の突部9aは可動モニタ装置3の起立状態で表示画面7の真上に位置する。また、可動モニタ装置3の後面側に設けられた第2の突部10は移動用ギャップ8の上方を機器本体2の上面と非接触の状態で前方へ移動するため、第2の突部10によって可動モニタ装置3のスムーズな前進動作が妨げられることもない。なお、この第2の突部10は可動モニタ装置3の起立状態で表示画面7の真下に位置し、可動モニタ装置3の下端にできる移動用ギャップ8の隙間Sの大部分が第2の突部10によって塞がれるため、可動モニタ装置3の起立時にもメディア等の異物が移動用ギャップ8へ誤挿入されることを確実に防止できる。また、可動モニタ装置3が起立状態にあるときに、第2の突部10が切欠き部2a内に入り込むようにすれば、この起立状態においてもメディア挿入口6に対するメディアの挿入動作がスムーズに行える。
【0017】
そして、可動モニタ装置3が筐体1から突出して起立状態にあるときに、表示画面7にテレビ画像やナビゲーション用の地図の表示を行わせ、あるいはメディア挿入口6にDVD等が挿入されたときには、挿入されたメディアの記録情報(動画等)が再生装置によって再生されると共に、その再生情報が可動モニタ装置3の表示画面7に表示される。また、かかる可動モニタ装置3の起立状態において、前記操作釦3aを押圧操作すると上記と逆の動作が実行され、可動モニタ装置3が再び表示画面7を下面に向けた水平な姿勢で機器本体2上に収納され、また、機器本体2の前面部に配置されたイジェクト釦5aを押圧操作すると、メディア挿入口6からメディアが排出される。
【0018】
上記実施例にあっては、メディア挿入口6を有する機器本体2上に移動用ギャップ8を存して可動モニタ装置3を積層配置し、この可動モニタ装置3が機器本体2上に水平な姿勢で収納されているとき、移動用ギャップ8に対して正面視オーバーラップする第1の突部9aを可動モニタ装置3の前面側に設けると共に、可動モニタ装置3が機器本体2から起立姿勢で突出されているとき、移動用ギャップ8に対して正面視オーバーラップする第2の突部10を可動モニタ装置3の後面側に設けたので、可動モニタ装置3の収納時と起立時のいずれにおいてもメディア挿入口6に挿入しようとしたメディアを誤って移動用ギャップ8内に挿入してしまうという誤挿入を確実に防止することができる。また、機器本体2の前面上端部に第1の突部9aとの接触を回避する切欠き部2aを設け、可動モニタ装置3の収納時に第1の突部9aが移動用ギャップ8を通って切欠き部2a内に達するようにしたので、メディアの誤挿入をより確実に防止することができると共に、可動モニタ装置3の前後進時に第1の突部9aと機器本体2との干渉が切欠き部2aによって回避されるため、可動モニタ装置3のよりスムーズな前後進動作を実現することができる。さらに、第1の突部9aを正面から見て下側に突出する円弧状に形成し、この第1の突部9aの最も突出量の大きい中央部下端を切欠き部2a内に挿入するようにしたので、移動用ギャップ8の手前側の隙間Sの大部分を第1の突部9aによって塞ぐことができるだけでなく、切欠き部2aを最小限の幅寸法に設定することができ、しかも、このような形状の第1の突部9aを化粧板として機能するスケールプレート9に一体形成したので、意匠性を高めることができる。
【0019】
なお、上記実施例では、可動モニタ装置3に後付けしたスケールプレート9に第1の突部9aを形成した場合について説明したが、このような第1の突部9aを可動モニタ装置3の外装ケースに一体形成したり、可動モニタ装置3に後付けされる別の部材に形成することも可能である。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0021】
機器本体上に移動用ギャップを存して可動モニタ装置を積層配置した車載用電子機器において、可動モニタ装置の後退位置における前面側に機器本体の上面に向かって垂下する突部を設けると共に、機器本体の前面上端部にこの突部との接触を回避する切欠き部を設け、可動モニタ装置の後退位置で突部を移動用ギャップと正面視オーバーラップさせて切欠き部内に挿入するようにしたので、可動モニタ装置が水平な姿勢で機器本体上に収納されているとき、メディア等の異物が移動用ギャップ内に誤挿入されることを突部によって確実に防止できると共に、可動モニタ装置の前後進時に突部は移動用ギャップの手前側のみを移動するだけであり、突部と機器本体との干渉が切欠き部によって回避されるため、可動モニタ装置のスムーズな前後進動作を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る車載用電子機器の可動モニタ装置が収納されている状態を示す正面図である。
【図2】該車載用電子機器の斜視図である。
【図3】該車載用電子機器の可動モニタ装置が起立している状態を示す正面図である。
【図4】図1のA−A線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 機器本体
2a 切欠き部
3 可動モニタ装置
4 操作つまみ
5 操作釦
6 メディア挿入口
7 表示画面
8 移動用ギャップ
9 スケールプレート
9a 第1の突部
10 第2の突部
Claims (4)
- 前面部に少なくとも操作釦を有する機器本体と、この機器本体の上方に移動用ギャップを存して積層配置された可動モニタ装置とを備え、この可動モニタ装置を前記移動用ギャップに沿って前進させると共に起立させることにより、該可動モニタ装置の表示画面が前記機器本体の前面側に露出される車載用電子機器において、
前記可動モニタ装置の後退位置での前面側に前記機器本体の上面に向かって垂下する突部を設けると共に、前記機器本体の前面上端部に前記突部との接触を回避する切欠き部を設け、前記可動モニタ装置の後退位置で前記突部を前記移動用ギャップと正面視オーバーラップさせて前記切欠き部内に挿入したことを特徴とする車載用電子機器。 - 請求項1の記載において、前記突部を前記可動モニタ装置の幅方向中央部に設けたことを特徴とする車載用電子機器。
- 請求項2の記載において、前記突部を下側に突出する円弧状に形成したことを特徴とする車載用電子機器。
- 請求項1〜3のいずれかの記載において、前記機器本体の前面部に横長形状のメディア挿入口が開設されていることを特徴とする車載用電子機器。
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