JPH09204665A - 光記録再生装置及びその記録再生制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の情報の記録再生装置による制御方法は、
再生信号の振幅中心が一致する記録パワーは、必ずしも
再生信号のジッターが最小となる記録パワーではないと
いう欠点がある。 【解決手段】本発明の記録再生装置及びその制御方法
は、試し書きパターン発生回路より出力される２種類以
上のデータパターンで記録媒体に信号を記録し、次に該
記録信号を再生し、その信号中心レベル検出回路からの
検出信号が一定になるように試し書きの半導体レーザの
記録パワーを調整し、調整された記録パワーに一定の値
を加え若しくは一定の比を積した記録パワーで信号記録
が行なう。また、前記データパターンで記録し、再生
し、信号中心レベル検出回路からの検出信号が一定にな
る記録パワーに加える値、若しくは積する比の値を信号
中心レベル検出回路の出力が一定になるように記録パワ
ーに応じて変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光記録再生装置の
レーザ出力設定方法に係り、特に、各記録媒体や光記録
再生装置に好適するレーザ出力で信号記録を行う記録再
生装置及びその光記録再生制御方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、特開平７−１５３０７８号公報に
記載されるような情報の記録再生制御方法がある。その
制御方法を実現するための装置の構成を図３に示す。

【０００３】この情報を光学的に記録再生する装置は、
レーザ１１を中心とする光ヘッドと、情報を記憶させる
ための記録媒体１５と、記録パルス生成回路２２を中心
とする記録処理系と、光ヘッドから得られた再生信号を
情報に変換する再生回路２６を中心とした再生処理系と
から構成される。前記記録媒体１５は、記録膜とそれを
保持する基板から構成される。

【０００４】この様な構成において、上位ホストからの
命令や情報データは、コントローラ１８で命令の解読や
記録データの変調が行われ、変調方式に対応する符号列
に変換される。シンセサイザ１９は、装置全体の基準ク
ロックを発生させる発振器である。尚、大容量化の手法
としてゾーンごとに基準クロックを変えて、内外周での
記録密度を略一定とするＺＣＡＶ（Zoned Constant Ang
ular Velocity ）と呼ばれる記録方法を採用した場合に
は、シンセサイザ１９の発振周波数もゾーンに応じて変
えていく必要がある。

【０００５】まず、記録に先立って試し書きを行う。こ
の試し書きは、記録媒体と記録を行う装置との適合性を
向上させるために、予め記録媒体の所定の位置に、記録
媒体の交換にともなう記録媒体の感度のばらつき等や、
環境温度変動及び記録を行う装置の特性変化による記録
媒体に対する記録感度変動等を検知するための試し書き
パターンを正規の情報を行う前に記録媒体上に書き込む
動作である。

【０００６】前記試し書きパターンは、変調方式に対応
する符号列に変換されており、試し書きパターン発生回
路２０において生成する。

【０００７】コントローラ１８からの正規の情報データ
に応じて変調された符号列と、試し書きパターン発生回
路２０からの符号列は、セレクタ２１に入力され、コン
トローラ１８の制御信号により試し書き処理若しくは、
通常の記録処理に対応して切り換えられる。セレクタ２
１からの符号列は、記録パルス生成回路２２に入り、記
録マークの長さや幅を制御するための記録パルス列に変
換される。

【０００８】これら記録パルス列は、レーザドライバ２
３に入力され、レーザドライバ２３からの記録電流によ
りレーザ１１を高出力発振させ、レーザ１１から出た光
はレンズ２２で平行光となってプリズム１３を通り、レ
ンズ３４により記録媒体１５上に収束して符号列に応じ
た記録マークを記録する。高周波重畳回路２４はレーザ
１１に起因するレーザ雑音を低減するために設けてあ
り、記録／消去時にはレーザの寿命の観点から高周波重
畳を休止することもある。

【０００９】再生時はレーザ１１を低出力発振させ、記
録媒体１５に入射させる。記録媒体１５からの反射光は
プリズム１３で光路を分離して光検出器１７に入射させ
る。この光検出器１７で光電変換した後、プリアンプ２
５で増幅し、再生回路２６に入力する。再生回路２６
は、波形等化回路、自動利得制御回路、二値化回路など
から構成されており、入力された再生信号を二値化信号
とする。

【００１０】前記再生回路２６からの二値化信号は、セ
ルフクロッキングのためにＰＬＬ（Phase Locked Loop
）回路２７に入力される。ＰＬＬ２７で得られる、二
値化信号に同期した再生クロックと二値化信号はデータ
弁別のために弁別回路２８に入力され、その結果として
のデータ弁別信号は、コントローラ１８に入力され、デ
ータが復調される。

【００１１】外部印加磁界を用いて情報の記録、再生、
消去を行う光磁気ディスク装置においては、外部磁場発
生器１６を設けて記録／消去時に磁界の向きを切り換え
て記録／消去パワーを照射することにより実施する。ま
た、再生時は光検出器１７の前に配置した波長板（図示
せず）により反射光をｐ偏光、ｓ偏光に分離して光検出
器（２分割）１７でそれぞれを差動することにより光磁
気信号を得ることができる。

【００１２】試し書き処理時は、再生回路２５の中から
アナログ信号状態の再生信号を試し書きパターン中心レ
ベル検出回路２９に導く。試し書き処理時に使用する記
録パターンとして当該装置における最高周波数の最密パ
ターンと最低周波数の最疎パターンの組み合わせパター
ンを用い、その再生信号において、最密パターンの中心
レベルと最疎パターンの中心レベルとを試し書きパター
ン中心レベル検出回路２９で検出して、その中心レベル
の差をＡ／Ｄ変換器３０によってコントローラ１８に取
り込み、その差が０となる時の記録パワーが最適記録パ
ワーと判定して正規の記録を実施する。この様に試し書
きにより、常に最適パワーを設定することで高精度な記
録マークを記録することが可能となる。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した特開
平７−１５３０７８号公報に記載される情報の記録再生
制御方法では、再生信号の振幅中心が一致する記録パワ
ーに設定していることが要旨となっており、設定された
記録パワーを必ずしも再生信号のジッタ（再生信号の時
間軸の揺らぎ）が最小としているとは限らない欠点があ
る。この従来例では、ジッタを補正することはできな
い。

【００１４】そこで本発明は、Ｃ／Ｎの良い再生信号を
生成し、ジッタを小さくし、高精度な記録マーク制御を
行う光記録再生装置及びその記録再生制御方法を提供す
ることを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、光記録媒体にパワーの可変可能な記録用レ
ーザ光及び再生用レーザ光を照射するレーザ光照射部
と、２種類以上の試し書きパターンのデータを生成し、
それらを前記レーザ光照射手段により前記光記録媒体に
記録させた後、該試し書きパターンを再生する試し書き
パターン記録再生部と、前記再生された各試し書きパタ
ーンの信号の中心レベルをそれぞれ検出し、それらの中
心レベルが一致するように前記記録用レーザ光のパワー
を仮設定し、予め求めた本光記録再生装置及び使用する
光記録媒体に起因するジッターを最小にするパラメータ
で前記記録用レーザ光のパワーを調整する記録パワー調
整部とで構成される試し書き手段を有する光記録再生装
置を提供する。

【００１６】さらに、光記録媒体に照射する記録用レー
ザ光及び再生用レーザ光を供給する半導体レーザと、前
記半導体レーザに電流を供給するレーザドライバ回路
と、前記レーザドライバ回路に試し書きパターンを供給
する試し書きパターン発生回路と、前記レーザドライバ
回路と試し書きパターン発生回路を制御するコントロー
ラ部と、前記半導体レーザから出射されたレーザ光の記
録媒体から反射光を検出する光検出器と、前記半導体レ
ーザから出射されたレーザ光と前記記録媒体からの反射
光を分離し、光検出器へ導くための手段と、前記光検出
器からの検出信号を演算及び整形する再生回路と、前記
再生回路から出力された信号の中心レベルを検出し、前
記コントローラ部に信号の中心レベルを出力する信号中
心レベル検出回路とで構成される光記録再生装置におい
て、前記試し書きパターン発生回路より出力される２種
類以上のデータパターンで記録媒体に信号を記録し、次
に前記記録した信号を再生し、前記信号中心レベル検出
回路からの検出信号が一定になるように試し書きの前記
半導体レーザの記録パワーを調整し、この調整された記
録パワーに一定の値を加えた、あるいは一定の比をかけ
た記録パワーで信号記録を行う光記録再生制御方法を提
供する。

【００１７】また、前記記録再生制御方法において、前
記信号中心レベル検出回路からの検出信号が一定になる
ように調整された、記録パワーに加える値、若しくは積
する比の値を該信号中心レベル検出回路の出力が一定に
なるように記録パワーに応じて変化させることを特徴と
する光記録再生制御方法を提供する。

【００１８】以上のような構成の光記録再生装置による
記録再生制御方法は、まず、試し書きパターン発生回路
より出力される２種類以上のデータパターンで記録媒体
に信号を記録し、次に、この記録した信号を再生し、信
号中心レベル検出回路からの検出信号が一定になるよう
に試し書きの前記半導体レーザの記録パワーを調整し、
この調整された記録パワーに一定の値を加えた、あるい
は一定の比をかけた記録パワーで信号記録が行なわれ
る。

【００１９】また、前記試し書きパターン発生回路より
出力される２種類以上のデータパターンで記録媒体に信
号を記録し、次にこの記録した信号を再生し、前記信号
中心レベル検出回路からの検出信号が一定になる記録パ
ワーに加える値、若しくは積する比の値を前記信号中心
レベル検出回路の出力が一定になるように記録パワーに
応じて変化させる記録再生制御が行われる。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について詳細に説明する。

【００２１】図１には、本発明による光記録再生装置の
記録再生制御方法を実現するための第１の実施形態とし
ての光記録再生装置の構成例を示し説明する。

【００２２】この光記録再生装置の構成は、情報を記録
再生するレーザ光を照射するレーザ１と、前記レーザ１
を駆動するためのレーザドライバ回路２と、後述する試
し書きパターン発生回路３と、前記レーザドライバ回路
２及び試し書きパターン発生回路３をそれぞれ制御する
コントローラ部４と、レーザ１からの出力光を通過させ
て記録媒体８に照射し、該記録媒体８からの反射光を所
定方向に反射するプリズム９と、前記プリズム９で反射
された反射光を光電変換する光検出器７と、前記光検出
器７により検出された情報を含む信号を再生する再生回
路６と、前記再生回路６からの信号の中心レベルを検出
し、その検出信号に基づく制御のための信号を前記コン
トローラ部４に出力する信号中心レベル検出回路５とで
構成される。

【００２３】次に、この様に構成された光記録再生装置
による光記録再生制御方法について説明する。

【００２４】まず、試し書き処理時には、試し書きパタ
ーン発生回路３より試し書きパターンがレーザードライ
バ回路２に出力される。ここで、前記試し書きパターン
とは、２種類以上の異なるパターンの繰り返しを組み合
わせたものであり、図２（ａ）に示すような最短パター
ン（パターンＡ）と図２（ｂ）に示すような最長パター
ン（パターンＢ）の組み合わせのように、再生信号の振
幅差が最大となる組み合わせが望ましい。勿論、データ
の組み合わせは、これに限定されるものではない。通
常、パルス幅変調記録方式では、レーザをパルストレイ
ン発光させ、媒体に信号記録を行うため、レーザーの発
光パターンはライトパルスＢに示すようになる。

【００２５】レーザードライバ回路２はコントローラ部
４より記録パワーが指示され、この記録パワーに相当す
る前記試し書きパターンの電流をレーザ１に供給する。

【００２６】このレーザ１より出射された試し書きパタ
ーンのレーザ光は、プリズム９を通過し記録媒体８に照
射され、パターンＡとパターンＢを組み合わせた試し書
きはパターンを記録する。

【００２７】次に、記録された試し書きパターンを再生
する。

【００２８】前記レーザドライバ回路２は、コントロー
ラ部４より再生時のパワーが指示され、この再生パワー
に相当する電流をレーザ１に供給する。そしてレーザ１
より出射されたレーザ光は、プリズム９を通過し、記録
媒体８に照射される。

【００２９】前記記録媒体８からの反射光は、プリズム
９で反射され、光検出器７で受光される。この光検出器
７での検出信号は、再生回路６へ出力される。再生回路
６での再生信号は、信号中心レベル検出回路５へ出力さ
れ、中心レベル検出回路５での中心レベル信号は、コン
トローラ部４へ出力される。

【００３０】次に、コントローラ部４は、再生信号Ｄの
ように、２つのパターンの中心レベルに差があることを
検出すると、設定し直して再生信号Ｅの用に中心レベル
ｍと中心レベルｎとの差が無くなるように記録パワーを
設定し直し、再度試し書きを行う。

【００３１】このように、試し書きと再生を繰り返し
て、前記再生信号Ｅの中心レベルｍと中心レベルｎが一
致するような記録パワーが決定できる。そして、実際の
信号を記録する際には、試し書きにより決定した記録パ
ワーに一定の値を加えた、あるいは一定の比をかけた記
録パワーで信号記録を行う。

【００３２】以上説明したように本実施形態によれば、
試し書きで決定した記録パワーに一定の値を加えた、あ
るいは一定の比をかけた記録パワーで信号記録を行うこ
とにより、記録マークの幅が広がり再生信号の振幅が大
きくなり、記録マークのエッジがくっきりと書かれるた
め、Ｃ／Ｎが向上しジッターが小さくなる。

【００３３】次に、第２の実施形態について説明する。

【００３４】この第２の実施形態の構成は第１の実施形
態と同様であり、光記録再生制御方法が異なっている。

【００３５】この記録方法は、第１の実施形態と同様な
試し書きにより、再生信号の中心レベルが一致する記録
パワーが決定し、実際の信号記録を行う際には、決定し
た記録パワーにある値を加えた、若しくは、ある比をか
けた記録パワーで信号記録を行う。ここで、試し書きに
より決定した記録パワーに加える値、若しくは積する比
の値は、試し書きにより決定した記録パワーに応じて変
化させる。

【００３６】この様な第２の実施形態によれば、例え
ば、プリズム９に埃等が付着した場合や低温時には記録
パワーを増加する必要があり、逆に高温時には記録パワ
ーを減少させる必要があるので、試し書きにより決定し
た記録パワーに加える値、若しくは積する比の値を試し
書きにより決定した記録パワーに応じて変化させること
により、さらに高精度な信号記録を行うことが出来る。

【００３７】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、再生信号の振幅中心が一致する記録パワーに一定の
値を加えた、若しくは一定の比をかけた記録パワーで信
号記録を行うことにより、再生信号のＣ／Ｎを良く、ジ
ッタを小さくし、高精度な記録マーク制御ができる。ま
た、再生信号の振幅中心が一致する記録パワーに応じて
このパワーに加える値、若しくは積する比の値を変化さ
せた記録パワーで信号記録を行うことにより、さらに高
精度な記録マーク制御ができる。

【００３８】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、再
生信号のＣ／Ｎが良く、ジッターが小さい記録マーク制
御が行えることで、装置の信頼性が向上する光記録再生
装置及びその記録再生制御方法を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による第１の実施形態としての光記録再
生装置の構成例を示す図である。

【図２】図１に示した光記録再生装置による記録再生制
御方法を説明するためのタイミングチャートである。

【図３】従来の情報の記録再生制御方法を説明するため
の光学的記録再生装置の構成を示す図である。

【符号の説明】

１…レーザ ２…レーザドライバ回路 ３…試し書きパターン発生回路 ４…コントローラ部 ５…信号中心レベル検出回路 ６…再生回路 ７…光検出器 ８…記録媒体 ９…プリズム

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光記録媒体にパワーの可変可能な記録用
   レーザ光及び再生用レーザ光を照射するレーザ光照射部
   と、 ２種類以上の試し書きパターンのデータを生成し、それ
   らを前記レーザ光照射手段により前記光記録媒体に記録
   させた後、該試し書きパターンを再生する試し書きパタ
   ーン記録再生部と、 前記再生された各試し書きパターンの信号の中心レベル
   をそれぞれ検出し、それらの中心レベルが一致するよう
   に前記記録用レーザ光のパワーを仮設定し、予め求めた
   本光記録再生装置及び使用する光記録媒体に起因するジ
   ッターを最小にするパラメータで前記記録用レーザ光の
   パワーを調整する記録パワー調整部とで構成される試し
   書き手段を有することを特徴とする光記録再生装置。
2. 【請求項２】 光記録媒体に照射する記録用レーザ光及
   び再生用レーザ光を供給する半導体レーザと、 前記半導体レーザに電流を供給するレーザドライバ回路
   と、 前記レーザドライバ回路に試し書きパターンを供給する
   試し書きパターン発生回路と、 前記レーザドライバ回路と試し書きパターン発生回路を
   制御するコントローラ部と、 前記半導体レーザから出射されたレーザ光の記録媒体か
   ら反射光を検出する光検出器と、 前記半導体レーザから出射されたレーザ光と前記記録媒
   体からの反射光を分離し、光検出器へ導くための手段
   と、 前記光検出器からの検出信号を演算及び整形する再生回
   路と、 前記再生回路から出力された信号の中心レベルを検出
   し、前記コントローラ部に信号の中心レベルを出力する
   信号中心レベル検出回路と、 で構成される光記録再生装置において、 前記試し書きパターン発生回路より出力される２種類以
   上のデータパターンで記録媒体に信号を記録し、次に前
   記記録した信号を再生し、前記信号中心レベル検出回路
   からの検出信号が一定になるように試し書きの前記半導
   体レーザの記録パワーを調整し、この調整された記録パ
   ワーに一定の値を加えた、あるいは一定の比をかけた記
   録パワーで信号記録を行うことを特徴とする光記録再生
   装置の記録再生制御方法。
3. 【請求項３】 請求項２記載の記録再生制御方法におい
   て、 前記信号中心レベル検出回路からの検出信号が一定にな
   る記録パワーに加える値、若しくは積する比の値を該信
   号中心レベル検出回路の出力が一定になる記録パワーに
   応じて変化させることを特徴とする光記録再生装置の記
   録再生制御方法。
4. 【請求項４】 請求項２記載の記録再生制御方法におい
   て、 前記信号中心レベル検出回路からの検出信号が一定にな
   った記録パワーに加える一定の値、若しくは積する一定
   の比を、前記光記憶媒体によって変化させることを特徴
   とする光記録再生装置の記録再生制御方法。