JP3766994B2 - 情報の記録再生制御方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体上に記録再生を行なう情報記録再生装置に係り、特に熱的記録による最適記録パワ−の高精度な設定方法を用いた記録再生制御方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の最適記録パワ−の設定方法は、特開平7−73468号公報に記載の試し書き記録制御方法のように、孤立マークパターンから得られる再生信号振幅のピークレベルと繰返しマークパターンから得られる再生信号振幅のピークレベルのレベル差が最小になるように記録制御を行なう方式となっていた。
【0003】
試し書き記録制御方法とは、光ディスクに所定のデータを記録し、記録されたデータを再生することにより最適な記録パワーを設定する方法のことである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、孤立マークパターンと繰返しマークパターンから得られる再生信号振幅の各ピークレベルのレベル差が最小になるように記録制御を行なう方式であり、記録パワーの最小変化分だけ最適記録パワーの設定誤差が発生する。
【0005】
さらに、上記記録制御を高精度に実施するためには記録パワーの最小変化分を小さくする必要があり、これにより膨大な実行時間および検出誤差が発生する点について考慮されておらず、高精度かつ短時間に記録制御ができないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、記録媒体の膜厚変動や環境温度変動に応じた記録感度変動による記録マークの変動を極力抑制し、高精度な記録マークを形成するための記録パワーを最適化することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、記録再生装置と記録媒体との相性を向上させるとともに、記録再生装置による記録感度変動さらに記録パワ−変動も抑圧することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、記録再生装置の信頼性及び記憶容量や情報の転送レ−トを向上させることにある。
【0009】
本発明の他の目的は、過大なパワーによる記録媒体の特性変化を抑圧するとともに光源の長寿命化による記録再生装置の信頼性を向上させることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、温度検出器を併用し最適記録パワ−を直線回帰により算出して正規情報の記録パワ−とする試し書き方法において、温度検出器の出力信号から予想される最適記録パワ−を基準とし、その前後または基準より低い複数の記録パワ−を試し書きの記録パワ−とすることにより、最適記録パワ−を検出するためのパワ−範囲が狭まるとともに、試し書きに用いるパワ−刻みを小さくできるために最適記録パワ−設定処理時間を短縮するとともに最適記録パワ−を高精度に検出させたものである。
【0015】
更に、温度検出器を併用し最適記録パワ−を直線回帰により算出して正規情報の記録パワ−とする試し書き方法において、記録媒体を記録再生装置に挿入した時点において試し書きを行ない、得られた最適記録パワーと試し書きを実施した時点での温度検出器の出力信号を関連させ、その後、温度検出器の出力信号の変化量に応じて最適記録パワーを更新することにより、試し書き処理回数を低減して情報の転送レートを向上させたものである。
【0016】
本発明が以上のような構成を備えているので次のような機能、作用を奏することができる。
【0017】
試し書きは記録媒体と記録を行なう装置との適合性を向上させるために、あらかじめ記録媒体の所定の位置に、記録媒体の交換にともなう記録媒体の膜厚変動等や、環境温度変動及び記録を行なう装置の特性変化による記録媒体に対する記録感度変動等を検知するために、記録すべき厳しい記録マ−クを正規の情報の記録を行なう前に記録媒体上に書き込む動作をする。
【0018】
さらに、記録した試し書きデ−タから得られる再生信号を用いて、試し書きで使用したパワー刻みより小さい最適記録パワ−を見つけだすために、記録するための記録波形の光強度またはエネルギ−を変化させて記録動作を実行する。それによって、常に記録媒体に対する最適な記録条件を得ることが出来るので、上述した記録感度変動にともなう情報の記録誤動作がなくなるとともに信頼性のある記録再生ができる。
【0019】
さらに、試し書きを行なう際、温度検出器の出力信号から予想される最適記録パワ−を基準とし、その前後または基準より低い複数の記録パワ−を試し書きの記録パワ−とすることにより、最適記録パワ−を検出するためのパワ−範囲が狭まるとともに、記録媒体に過大なパワーを照射することがないので、記録媒体の特性変化を抑圧するとともに光源の長寿命化による記録再生装置の信頼性を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の構成の一実施形態を示す。
【0021】
1はレーザ、2,4はレンズ、3はプリズム、5は記録媒体、6は外部磁場発生器、7は光検出器、8はプリアンプ、9は再生回路、10はPLL、11は弁別回路、12は試し書きデータ検出回路、13は高周波重畳回路、14はレーザドライバ、15は記録パルス生成回路、16はセンセサイザ、17はセレクタ、18は試し書きデータ発生回路、19はコントローラである。
【0022】
情報記録再生装置は、レ−ザ1を中心とする光ヘッドと情報を記憶させるための記録媒体5と記録パルス生成回路15を中心とする記録処理系と光ヘッドから得られた再生信号を情報に変換する再生回路9を中心とした再生処理系から構成される。記録媒体5は、記録膜とそれを保持する基板から構成される。
【0023】
上位ホストからの命令や情報デ−タはコントロ−ラ19において命令の解読や記録デ−タの変調が行われ、変調方式に対応する符号列に変換される。シンセサイザ16は装置全体の基準クロックを発生させる発振器であり、大容量化の手法としてゾ−ンごとに基準クロックを変えて内外周での記録密度を略一定とするZCAV(Zoned Constant Angular Velocity)と呼ばれる記録方法を採用した場合には、シンセサイザ16の発振周波数もゾ−ンに応じて変えていく必要がある。
【0024】
試し書きは記録媒体と記録を行なう装置との適合性を向上させるために、あらかじめ記録媒体の所定の位置に、記録媒体の交換にともなう記録媒体の膜厚変動等や、環境温度変動及び記録を行なう装置の特性変化による記録媒体に対する記録感度変動等を検知するための試し書きデ−タを正規の情報の記録を行なう前に記録媒体上に書き込む動作をする。
【0025】
前記試し書きのデ−タは変調方式に対応する符号列に変換されており、試し書きデ−タ発生回路18において生成する。ここで試し書きデ−タが変調方式以外のデ−タを発生させて、試し書きデ−タ検出回路12と関連させて動作させることも可能である。これによって、任意の試し書きデ−タを用いて任意の記録密度及び記録方式に対応した試し書きが可能となる。
【0026】
コントロ−ラ19からの正規の情報デ−タに応じて変調された符号列と試し書きデ−タ発生回路18からの符号列はセレクタ17に入力され、コントロ−ラ19の制御信号により試し書き処理あるいは通常の記録処理に対応して切り換えられる。セレクタ17からの符号列は記録パルス生成回路15に入り、記録マークの長さや幅を制御するための記録パルス列に変換される。
【0027】
これら記録パルス列はレ−ザドライバ14に入力され、レ−ザドライバ14からの記録電流によりレ−ザ1を高出力発振させ、レ−ザ1から出た光はレンズ2で平行光となってプリズム3を通り、レンズ4により記録媒体5上に収束して符号列に応じた記録マークを記録する。高周波重畳回路13はレ−ザ1に起因するレ−ザ雑音を低減するために設けてあり、記録/消去時にはレ−ザの寿命の関点から高周波重畳を休止することもある。
【0028】
再生時はレ−ザ1を低出力発振させ、記録媒体5に入射させる。記録媒体5からの反射光はプリズム3で光路を分離して光検出器7に入射させる。光検出器7で光電変換した後、プリアンプ8で増幅し、再生回路9に入力する。再生回路9は波形等化回路、自動利得制御回路、二値化回路などから構成されており、入力された再生信号を二値化信号とする。
【0029】
再生回路9からの二値化信号はセルフクロッキングのためにPLL(Phase Locked Loop)回路10に入力される。PLL10で得られる二値化信号に同期した再生クロックと二値化信号はデ−タ弁別のために弁別回路11に入力され、その結果としてのデ−タ弁別信号はコントロ−ラ19に入力され、デ−タが復調される。
【0030】
外部印加磁界を用いて情報の記録、再生、消去を行う光磁気ディスク装置においては、外部磁場発生器6を設けて記録/消去時に磁界の向きを切り換えて記録/消去パワ−を照射することにより実施する。また、再生時は光検出器7の前に配置した波長板(図示せず)により反射光をp偏光、s偏光に分離して光検出器(2分割)7でそれぞれを差動することにより光磁気信号を得ることができる。
【0031】
試し書き処理時は再生回路9の中からアナログ信号状態の再生信号を試し書きデ−タ検出回路12に導く。試し書き処理時に使用する記録パタ−ンとして当該装置における最高周波数の最密パタ−ンと最低周波数の最疎パタ−ンの組合せパタ−ンを用い、その再生信号において最密パタ−ンの中心レベルと最疎パタ−ンの中心レベルを試し書きデ−タ検出回路12で検出して、その中心レベルの差をコントロ−ラ19に内蔵されたA/D変換器によって取り込み、中心レベル差と試し書きを実施した記録パワ−を直線回帰し、計算上中心レベル差が零となる時の記録パワ−が最適記録パワ−と判定して正規の記録を実施する。このように試し書きにより、常に最適パワ−を設定することで高精度な記録マ−クを記録することが可能となる。
【0032】
ここにおいて、前記直線回帰とは、n組のデータ(x,y)に直線 y=βx+α を当てはめたときのそれぞれのデータの偏差の2乗和を最小にするような直線を求める手法を云う。
【0033】
次に、図2を用いて本発明の試し書き処理手順のフローチャートの一動作例を説明する。装置の電源等を投入することで装置を稼働させる。まず、記録媒体が装置に投入されているかを判断し、記録媒体がなければそのまま待機状態とする。記録媒体が装置にセットされていたならば、記録媒体を回転させ、レーザを発光させる。次に、光スポットを制御するためのサーボ(オートフォーカス:AF、トラッキング:TR)を開始する。
【0034】
投入された記録媒体と装置の適合性を確認するために、試し書きの動作を行なう。本発明における試し書きは、記録媒体の膜厚変動や環境温度変動による記録媒体に対する記録感度変動および、装置の状態変化(レーザ発光状態、光スポット位置制御状態等)による相対的記録感度変動等によって発生する記録マークの変動を極力低減するように記録パワーや記録パルス等を制御し、再生信号から記録条件偏差信号を検出し、許容範囲内にある記録条件偏差信号と試し書きに用いた記録パワ−について直線回帰し、偏差信号(最密パタ−ンの中心レベルと最疎パタ−ンの中心レベル差)が零になる記録パワ−を最適記録パワ−と判定する。
【0035】
その後、試し書きデ−タを消去するために、試し書きで用いた最大パワ−を消去パワ−として、記録した試し書きデ−タを一括消去する。以上の試し書き処理を終了してから装置の正規の記録再生動作を開始させる。
【0036】
図3に試し書きデ−タ検出および最適記録パワ−算出の一実施形態について示す。試し書きデ−タとして当該装置での最高周波数である最密パターン((1,7)RLLコードの場合、2Tw)と最低周波数である最疎パターン(8Tw)の繰り返しパターンを使用する。
【0037】
図3(A)に試し書きによって記録された記録マ−クを示す。図3(B)に(A)の記録マ−クから得られる再生信号を示す。マークエッジ記録の場合、記録マークの時間軸制御が重要であり、最密パターンと最疎パターンの再生信号の中心レベルV1,V2が等しいときに各パターンの時間軸が制御されたことになり、この時の記録パワーを最適パワーとする。例えば、記録パワーが小であることにより最密パターンの個々の記録マークが小となっている場合(最疎パターンの個々の記録マークは連続形状であるからそれほど小とならない)には、その最密パターンの再生信号の中心レベルは小となり、最疎パターンの中心レベルと等しくならない。このように本実施形態では時間軸変動を振幅レベル変動で検出することになる。
【0038】
図1の試し書きデ−タ検出回路12において、再生信号の中から最密パターンの中心レベル(V1)と最疎パターンの中心レベル(V2)を検出し、その電圧差ΔV=V1−V2を求める。最密パターンの中心レベルV1を検出するタイミングは、図3(C)に示すようにサンプルパルス1によって決定され、最疎パターンの中心レベルV2を検出するタイミングは、サンプルパルス2によって決まる。ΔVは記録条件偏差信号としてコントローラ19に入力される。
【0039】
記録条件偏差信号検出例を図3(D)に示す。コントローラ19内における直線回帰による最適記録パワ−算出例を図3(E)に示す。高精度に直線回帰を実施するために、直線回帰に用いる偏差信号範囲を予め予測して限定し、それにともない有効とされる記録パワ−はP3からP8までとする。この例の場合、プロットしたΔVが直線上に配列されるだろうと装置設計上予め予測されるΔVの範囲をー40〜+40に限定する。そうすると、P1とP2は有効とならない。
【0040】
ここで、記録パワ−をP1からP8まで有効として直線回帰すると、P1およびP2の偏差信号の重みによって最適記録パワ−が、低パワ−側であるP5の方に引き寄せられ、記録マ−クが小さくなり、正規のデ−タの信号品質が劣化し装置の信頼性を低下させる。
【0041】
図4に試し書きデ−タ検出回路12に用いる試し書きデ−タの中心レベル検出の一実施形態を示す。ここでは再生回路9からの再生信号に対して低域通過フィルタを設け、これにより再生信号の平均レベルを検出し、その後は2個のサンプルホールド回路によってそれぞれのデ−タに対する平均レベルとしてV1、V2を検出し、さらに差動増幅器によりΔV(記録条件偏差信号)をコントローラ19へ入力する。
【0042】
図5は、本発明の構成の他の実施形態を示す。前記構成は図1とほぼ同じであるが、記録媒体付近に温度検出器20を配置している。温度検出器20は記録媒体または装置内あるいは装置の周辺の温度を測定する。温度検出器20から得られる出力は、温度に依存した電気信号でも構わない。
【0043】
試し書き処理としては、図2に示す処理手順とほぼ同様であるが、試し書き指令信号を出力する前に、温度検出器20の出力信号をコントロ−ラ19が制御し、試し書き直前の記録媒体または装置の周辺の温度を測定もしくは温度に依存した電気信号をもとに、最適記録パワ−を予測する。この場合、記録媒体の温度もしくは温度に依存した電気信号に関連させた記録パワ−と温度(温度に依存した電気信号)をコントロ−ラ19内のメモリ(図示せず)の中に記憶させておく。
【0044】
これによって、温度検出器の出力から予想される最適記録パワ−を基準とし、その前後または基準より低い複数の記録パワ−を試し書きの記録パワ−とすることによって、高精度かつ短時間に試し書き処理を実行できるので記録再生装置の高記録密度を達成するとともに信頼性および情報の転送レ−ト(試し書き処理を含めた実際のデ−タ処理転送レ−ト)を向上させることができる。
【0045】
図6に温度検出器を用いた最適記録パワ−算出例を示す。温度検出器20の出力信号から予想される最適記録パワ−がP6である場合について説明する。本実施形態では記録パワ−P6を基準とし、その基準の前後2ポイントの計5ポイントを試し書きに用いる記録パワ−(P4からP8)とする。
【0046】
実際に記録して得られた偏差信号(ΔV)と記録パワ−の関係が図6である。ここで得られた偏差信号が直線回帰に用いる範囲内に有るかを判定する。範囲内の記録パワ−と偏差信号を直線回帰することによって、図に示す最適記録パワ−を算出することができる。
【0047】
また、有効な記録パワーの設定の仕方として、前記したように温度検出器からの温度による有効記録パワーと、予め予測して限定された偏差信号範囲の記録パワーとの論理積によることもできる。
【0048】
次に、コントロ−ラ19内で行なう直線回帰の一実施形態を以下に示す。
【0049】
1 試し書きパワ−数:n=5
2 直線回帰:Y=AX+B
Aは傾き、Bは切片、YはΔVm、XはPm:(m=4〜8)
3 ΣX=P4+P5+P6+P7+P8
4 ΣY=ΔV4+ΔV5+ΔV6+ΔV7+ΔV8
5 ΣXY=P4・ΔV4+P5・ΔV5+P6・ΔV6+P7・ΔV7
+P8・ΔV8
6 (ΣX)2=ΣX・ΣX
7 ΣX2=P4・P4+P5・P5+P6・P6+P7・P7+P8・P8
8 A=[n・ΣXY−ΣX・ΣY]/[n・ΣX2−(ΣX)2]
9 B=[ΣX2・ΣY−ΣX・ΣXY]/[n・ΣX2−(ΣX)2]
10 X=(Y−B)/A
ここで最適記録パワ−ではY=0
X=(−B)/A
以上の操作を実施することにより最適記録パワ−を高精度にかつ短時間に求めることができる。
【0050】
以上のように、最適記録パワー付近の複数の有効な記録パワーを直線回帰により算出して、ΔX=0となる前記記録パワーの刻み以下の最適記録パワーを得ることができるのである。図3(E)の例では、P6よりも多少小さい記録パワー(回帰直線がΔV=0を横切る点)が最適記録パワーとなるのである。
【0051】
さらに、温度検出器から予想される最適記録パワ−P6より低いパワ−であるP3〜P5を用いて上述の直線回帰を実施することも可能である。(最適記録パワ−P6まで含めても構わない)この方法によれば、試し書き時の記録パワ−を極力低く設定できるため、記録媒体に過大なパワ−を照射することがないため、記録媒体の特性変化を抑圧するとともに光源の長寿命化による記録再生装置の信頼性を向上させることができる。
【0052】
また、温度検出器を用いた最適記録パワ−検出において、記録媒体を記録再生装置に挿入した時点における温度検出器の出力信号と試し書きから得られた最適記録パワ−を関連させる。その後、温度検出器の出力信号の変化量または測定された温度に応じて最適記録パワ−を更新させることにより、試し書き処理回数を低減して情報の転送レートを向上させることができる。
【0053】
以下に、温度検出器の温度と試し書きから得られた最適記録パワ−の関連について説明する。コントローラ19内のメモリに25°Cでの最適記録パワーを記憶させておく。この最適記録パワーで規格化した記録パワーの変化量をKとし、温度検出器から得られる温度をTとする。記録パワーの変化量Kは環境温度または記録媒体の温度と以下のような関係がある。
【0054】
ただし、環境温度が0°Cから50°C付近での直線近似可能な範囲で適応できるものである。
【0055】
上記のパワーと温度の関係式では試し書きが不要となるが、実際には装置のバラツキによって試し書きが必須となる。その一因としては、記録パワーの装置間バラツキ、光ヘッドの収差による光スポット強度のバラツキ等があり、これらの記録パワー変動分も吸収するためには上記のパワーと温度の関係式を応用することにより、試し書きによって得られたパワーと温度検出器の出力信号を関連させることができ、記録媒体挿入時の1回の試し書き処理で対応できるため情報の転送レートを向上させることができる。
【0056】
また、3点以上の複数の記録パワーを用いる試し書きデータの記録に関連する技術として次のようなことも可能である。試し書きデータを記録し、最適記録パワ−を直線回帰により算出して正規情報の記録パワ−とする試し書き方法において、複数の記録パワ−を記録媒体の所定の位置に記録した後に、記録された試し書きデータの再生信号を処理し、最適記録パワ−を検出できない場合、再度複数の記録パワ−を増加させて試し書きデ−タを記録媒体の所定位置の空き領域に記録し、最適記録パワ−を検出できるまで記録パワ−を増加させて試し書きデ−タを記録すること。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、記録媒体の膜厚変動や環境温度変動による記録媒体に対する記録感度変動および記録再生装置による記録感度変動も抑圧し、記録再生装置と記録媒体との適合性を向上させるとともに、高精度に記録マークを制御できるので、記録再生装置の信頼性および記録容量や情報の転送レートを向上させる効果がある。
【0058】
さらに、過大なパワ−による記録媒体の特性変化を抑圧するとともに光源の長寿命化に依る記録再生装置の信頼性を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するためのブロック図である。
【図2】試し書き処理手順の一例の流れ図である。
【図3】試し書きにおける直線回帰による最適記録パワ−算出例を説明するためのグラフである。
【図4】試し書きデ−タの中心レベル検出回路の第1の実施形態のブロック図である。
【図5】本発明の他の実施形態を説明するためのブロック図である。
【図6】温度検出器を用いた最適記録パワ−算出例を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
1 レーザ
2,4 レンズ
3 プリズム
5 記録媒体
6 外部磁場発生器
7 光検出器
8 プリアンプ
9 再生回路
10 PLL
11 弁別回路
12 試し書きデータ検出回路
13 高周波重畳回路
14 レーザドライバ
15 記録パルス生成回路
16 センセサイザ
17 セレクタ
18 試し書きデータ発生回路
19 コントローラ
Claims (3)
- 光源からの光で記録媒体の所定の領域に光スポットを照射して記録媒体上に未記録部分とは物理的に異なる記録領域を形成することにより情報の記録を行い、記録媒体と記録を行なう装置との適合性を向上させるために記録媒体の所定の位置に試し書きデータを記録パワーを可変しながら記録し、記録された試し書きデータの再生信号から求められる最適記録パワーの情報をもとに記録媒体に正規の情報の記録を開始する記録再生制御方法において、
前記記録再生制御を行う装置または前記装置の周辺または前記記録媒体の温度を測定し、
前記温度の測定出力から予想される仮の最適記録パワーを基準値として、前記基準値より低いまたは前記基準値の前後における所定の範囲にある複数の記録パワーを、試し書きの記録パワーとして設定し、
前記設定された前記複数の記録パワーを用いて最密パターンと最疎パターンからなる試し書きデータを記録媒体に記録形成し、
記録された試し書きデータの再生信号から得られる最密パターンと最疎パターンの中心レベルの差出力を検出し、
前記基準値より低いまたは前記基準値の前後の複数の記録パワーの前記差出力に対して直線回帰を実施し、
前記直線回帰による直線上での前記差出力が零となる記録パワーを算出し、
前記算出された記録パワーを最適記録パワーと判定する
ことを特徴とする情報の記録再生制御方法。 - 請求項1の最適記録パワーを判定する情報の記録再生制御方法において、
前記記録媒体を記録再生装置に挿入した時点において前記試し書きを行なうことによって判定された最適記録パワーと前記試し書きを実施した時点での前記温度の測定出力とを関連させ、
前記温度の測定出力の変化量に応じて最適記録パワーを更新する
ことを特徴とする情報の記録再生制御方法。 - 光源からの光で記録媒体の所定の領域に光スポットを照射して記録媒体上に未記録部分とは物理的に異なる記録領域を形成することにより情報の記録を行い、記録媒体と記録を行なう装置との適合性を向上させるために記録媒体の所定の位置に試し書きデータを記録パワーを可変しながら記録し、記録された試し書きデータの再生信号から求められる最適記録パワーの情報をもとに記録媒体に正規の情報の記録を開始する記録再生制御装置において、
前記記録再生制御装置の温度または前記記録再生制御装置の周辺の温度または記録媒体の温度を測定する温度検出器と、
複数の記録パワーを用いて最密パターンと最疎パターンからなる試し書きデータを記録媒体に記録形成するための試し書きデータ発生回路と、
記録された試し書きデータの再生信号から得られる最密パターンと最疎パターンのそれぞれの中心レベルを検出する試し書きデータ検出回路と、
前記温度検出器の測定出力から予想される仮の最適記録パワーを基準値とし、前記基準値より低いまたは前記基準値の前後における所定の範囲にある複数の記録パワーを、試し書きの記録パワーとして設定し、更に、前記それぞれの試し書きの記録パワーについての中心レベルの差出力を検出し、前記差出力を、前記差出力のそれぞれが前記記録パワーとの関係においておよそ直線上に配列される一定の範囲に規定してその範囲内の前記差出力に対して直線回帰を実施し、前記直線回帰による直線上での前記差出力が零となる記録パワーを算出し、前記算出された記録パワーを最適記録パワーと判定するコントローラと、から構成される
ことを特徴とする情報の記録再生制御装置。
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