JPH09203887A - 液晶素子およびその製造方法 - Google Patents
液晶素子およびその製造方法Info
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- JPH09203887A JPH09203887A JP8010770A JP1077096A JPH09203887A JP H09203887 A JPH09203887 A JP H09203887A JP 8010770 A JP8010770 A JP 8010770A JP 1077096 A JP1077096 A JP 1077096A JP H09203887 A JPH09203887 A JP H09203887A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 単位液晶セルの形状を制御することにより、
液晶素子の高速応答を可能にする。 【解決手段】 単位液晶セルの集合体から形成された液
晶素子であって、単位液晶セルを集合させ、この集合体
に、圧力の大きさが一方向に勾配を持つようにして加圧
し、前記単位液晶セルに下記の表1の対称性を持たせ
る。この対称性を持つ単位液晶セルとしては、図1に示
すくさび形状の単位液晶セル11やばなな形状の単位液
晶セルがある。このようにすると単位液晶セルにおいて
自発分極が発現し、液晶素子の高速応答が可能となる。 【表1】
液晶素子の高速応答を可能にする。 【解決手段】 単位液晶セルの集合体から形成された液
晶素子であって、単位液晶セルを集合させ、この集合体
に、圧力の大きさが一方向に勾配を持つようにして加圧
し、前記単位液晶セルに下記の表1の対称性を持たせ
る。この対称性を持つ単位液晶セルとしては、図1に示
すくさび形状の単位液晶セル11やばなな形状の単位液
晶セルがある。このようにすると単位液晶セルにおいて
自発分極が発現し、液晶素子の高速応答が可能となる。 【表1】
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、液晶表示装置およ
び光変調素子等の液晶素子に関するものであり、詳しく
は、高速応答が可能な液晶素子に関するものである。
び光変調素子等の液晶素子に関するものであり、詳しく
は、高速応答が可能な液晶素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高速応答液晶素子としては強誘電
性液晶、反強誘電性液晶などの自発分極を有する液晶素
子が検討されていた。強誘電性液晶および反強誘電性液
晶において、液晶は、層構造を有しており、より結晶に
近い状態である。なお、強誘電性液晶、反強誘電性液晶
については、「強誘電性液晶の構造と物性」(フォトニ
クスシリーズ9、コロナ社発行)に詳しく記載されてい
る。
性液晶、反強誘電性液晶などの自発分極を有する液晶素
子が検討されていた。強誘電性液晶および反強誘電性液
晶において、液晶は、層構造を有しており、より結晶に
近い状態である。なお、強誘電性液晶、反強誘電性液晶
については、「強誘電性液晶の構造と物性」(フォトニ
クスシリーズ9、コロナ社発行)に詳しく記載されてい
る。
【0003】このような高速応答が可能な液晶素子は、
基本的な液晶材料としてカイラルスメクチックC相(以
下、SmC*相と略す)が主に用いられており、液晶分
子そのものの性質を利用したものである。
基本的な液晶材料としてカイラルスメクチックC相(以
下、SmC*相と略す)が主に用いられており、液晶分
子そのものの性質を利用したものである。
【0004】また、液晶素子としては、液晶(単位液晶
セル)と高分子樹脂との複合体液晶素子があり、図2に
示すように、これは液晶21が高分子樹脂22に囲まれ
た構造をとり、液晶の形状は、通常、球形状をしてい
る。この他に、複合体液晶素子の液晶の形状としては、
上記球形状が変形された状態も提案されており、延伸
(フィルムによる)法、あるいは高分子樹脂と液晶の相
互作用によるラグビーボール形状化等が提案されてい
る。なお、液晶と高分子樹脂との複合体液晶素子につい
ては、「フラットディスプレイ 93」(日経マイクロ
デバイス編、第198頁、マイクロデバイス社発行)に
詳しく記載されている。また、この複合体液晶素子の液
晶の変形については、にいやま等が報告した、エスアイ
デー インターナショナル シンポジウム ダイジェス
ト オブ テクニカルペーパーズ(第575頁〜第57
8頁、Niiyama et.al.,SID Int
ernational Symposium Dige
st of TechnicalPapers pp.
575−578)に詳しく記載されている。
セル)と高分子樹脂との複合体液晶素子があり、図2に
示すように、これは液晶21が高分子樹脂22に囲まれ
た構造をとり、液晶の形状は、通常、球形状をしてい
る。この他に、複合体液晶素子の液晶の形状としては、
上記球形状が変形された状態も提案されており、延伸
(フィルムによる)法、あるいは高分子樹脂と液晶の相
互作用によるラグビーボール形状化等が提案されてい
る。なお、液晶と高分子樹脂との複合体液晶素子につい
ては、「フラットディスプレイ 93」(日経マイクロ
デバイス編、第198頁、マイクロデバイス社発行)に
詳しく記載されている。また、この複合体液晶素子の液
晶の変形については、にいやま等が報告した、エスアイ
デー インターナショナル シンポジウム ダイジェス
ト オブ テクニカルペーパーズ(第575頁〜第57
8頁、Niiyama et.al.,SID Int
ernational Symposium Dige
st of TechnicalPapers pp.
575−578)に詳しく記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
強誘電性液晶および反強誘電性液晶は、ともに層構造を
有しているため、配向制御が難しいという問題ある。ま
た、層構造を有し結晶に近い状態であるため、衝撃等に
より配向が崩れるともとに戻らないという問題もある。
強誘電性液晶および反強誘電性液晶は、ともに層構造を
有しているため、配向制御が難しいという問題ある。ま
た、層構造を有し結晶に近い状態であるため、衝撃等に
より配向が崩れるともとに戻らないという問題もある。
【0006】また液晶と高分子樹脂との複合体液晶素子
において、上記液晶の変形をしても、変形された液晶が
対称性を有することから自発分極を誘起せず、高速応答
の大幅な改善が期待できないという問題がある。
において、上記液晶の変形をしても、変形された液晶が
対称性を有することから自発分極を誘起せず、高速応答
の大幅な改善が期待できないという問題がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、高速応答が可能な液晶素子の提供を目的とす
る。
もので、高速応答が可能な液晶素子の提供を目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の液晶素子は、単位液晶セルの集合体から形
成された液晶素子であって、前記単位液晶セルが、前記
表1の対称性を有するという構成をとる。
に、本発明の液晶素子は、単位液晶セルの集合体から形
成された液晶素子であって、前記単位液晶セルが、前記
表1の対称性を有するという構成をとる。
【0009】すなわち、本発明の液晶素子は、液晶素子
が単位液晶セルの集合体であり、かつ前記単位液晶セル
が前記表1の対称性を有することで、単位液晶セルが自
発分極を有することになり、この結果、高速応答性が得
られるのである。
が単位液晶セルの集合体であり、かつ前記単位液晶セル
が前記表1の対称性を有することで、単位液晶セルが自
発分極を有することになり、この結果、高速応答性が得
られるのである。
【0010】ここで、本発明の液晶素子は、単位液晶セ
ルの集合体を必須の構成要素とするものであるが、この
集合体自身に限定されず、この集合体を一対の電極付基
板で挟持したものや、その他の構成部材を取り付けて液
晶表示装置としたり、または光変調素子としたりしたも
の等を含むものである。
ルの集合体を必須の構成要素とするものであるが、この
集合体自身に限定されず、この集合体を一対の電極付基
板で挟持したものや、その他の構成部材を取り付けて液
晶表示装置としたり、または光変調素子としたりしたも
の等を含むものである。
【0011】また、本発明において、単位液晶セルと
は、液晶が小胞状(セル状)あるいは小滴状となって、
それ自身が一つの構成単位となるように区分されるもの
である。
は、液晶が小胞状(セル状)あるいは小滴状となって、
それ自身が一つの構成単位となるように区分されるもの
である。
【0012】なお、上記表1に示すように、対称性によ
る強誘電性の分類は、結晶構造の分類で行われる。ま
た、表における対称性は、点群による分類でありそれぞ
れの点群記号により、基本となる対称要素が異なる。こ
れらは、一般的な群論の本に記載されているが、例え
ば、「群論と分子」(化学モノグラフ19巻、化学同人
社発行)に詳細に記載されている。例えば、この点群と
対称要素について、下記の表2に示す。
る強誘電性の分類は、結晶構造の分類で行われる。ま
た、表における対称性は、点群による分類でありそれぞ
れの点群記号により、基本となる対称要素が異なる。こ
れらは、一般的な群論の本に記載されているが、例え
ば、「群論と分子」(化学モノグラフ19巻、化学同人
社発行)に詳細に記載されている。例えば、この点群と
対称要素について、下記の表2に示す。
【0013】
【表2】
【0014】上記表2において、対称面、回転軸、回映
軸等の説明は、前掲の「群論と分子」の第1頁〜第13
頁に詳しく記載されている。
軸等の説明は、前掲の「群論と分子」の第1頁〜第13
頁に詳しく記載されている。
【0015】本発明において、単位液晶セルは、前記表
1の対称性を有することから自発分極を有する。そし
て、前記表1に示す対称性としては、例えば、ほぼバナ
ナ形状またはほぼくさび形状があげられる。すなわち、
上記くさび形状は、図1(c)に示すように、C2回転
軸(主軸)とそれを含む対称面(σv)を有することか
ら、点群ではC2vと分類される。また、上記バナナ形
状は、図1(d)に示すように、C2回転軸とσvを有
することから、点群ではC2vと分類される。
1の対称性を有することから自発分極を有する。そし
て、前記表1に示す対称性としては、例えば、ほぼバナ
ナ形状またはほぼくさび形状があげられる。すなわち、
上記くさび形状は、図1(c)に示すように、C2回転
軸(主軸)とそれを含む対称面(σv)を有することか
ら、点群ではC2vと分類される。また、上記バナナ形
状は、図1(d)に示すように、C2回転軸とσvを有
することから、点群ではC2vと分類される。
【0016】本発明において、より一層の高速応答を可
能にするという理由から、自発分極が相互に相殺される
ように単位液晶セルが集合していることが好ましい。
能にするという理由から、自発分極が相互に相殺される
ように単位液晶セルが集合していることが好ましい。
【0017】本発明において、表示性能上のザラツキ感
が目立たないという理由から、単位液晶セルの大きさ
は、画素の大きさ以下であることが好ましい。
が目立たないという理由から、単位液晶セルの大きさ
は、画素の大きさ以下であることが好ましい。
【0018】本発明において、作製上簡便であるという
理由から、単位液晶セルの集合体は、単位液晶セルと高
分子樹脂の複合体であり、前記高分子中に前記単位液晶
セルが分散していることが好ましい。
理由から、単位液晶セルの集合体は、単位液晶セルと高
分子樹脂の複合体であり、前記高分子中に前記単位液晶
セルが分散していることが好ましい。
【0019】本発明において、自発分極を有するため
に、液晶材料として、フレクソエレクトリック効果を有
する液晶分子が使用される。
に、液晶材料として、フレクソエレクトリック効果を有
する液晶分子が使用される。
【0020】本発明において、表示性能上のモード選択
のためには(例えば明るさの点等)、単位液晶セルの集
合体に対し、一軸配向処理が行われることが好ましい。
のためには(例えば明るさの点等)、単位液晶セルの集
合体に対し、一軸配向処理が行われることが好ましい。
【0021】また、本発明の液晶素子の製造方法は、単
位液晶セルの集合体から形成された液晶素子の製造方法
であって、単位液晶セルを集合させ、この集合体に、圧
力の大きさが一方向に勾配を持つようにして加圧すると
いう構成をとる。このようにすると、単位液晶セルの集
合体が前記表1に示す対称性を有するようになるのであ
る。
位液晶セルの集合体から形成された液晶素子の製造方法
であって、単位液晶セルを集合させ、この集合体に、圧
力の大きさが一方向に勾配を持つようにして加圧すると
いう構成をとる。このようにすると、単位液晶セルの集
合体が前記表1に示す対称性を有するようになるのであ
る。
【0022】そして、単位液晶セルに分割しやすいとい
う理由から、単位液晶セルの集合体が単位液晶セルと高
分子樹脂との複合体である本発明の液晶素子を製造する
にあたり、高分子樹脂として光硬化性の高分子樹脂を使
用し、単位液晶セルを前記光硬化性の高分子樹脂に分散
し、ついで光照射を行って前記光硬化性の高分子樹脂を
硬化させて単位液晶セルと高分子樹脂との複合体を形成
することが好ましい。なお、前記「光硬化性」とは、紫
外線や可視光線等の光の照射により硬化する性質をい
う。
う理由から、単位液晶セルの集合体が単位液晶セルと高
分子樹脂との複合体である本発明の液晶素子を製造する
にあたり、高分子樹脂として光硬化性の高分子樹脂を使
用し、単位液晶セルを前記光硬化性の高分子樹脂に分散
し、ついで光照射を行って前記光硬化性の高分子樹脂を
硬化させて単位液晶セルと高分子樹脂との複合体を形成
することが好ましい。なお、前記「光硬化性」とは、紫
外線や可視光線等の光の照射により硬化する性質をい
う。
【0023】また、この製造方法において、単位液晶セ
ルの形状を制御するために、光照射強度を光照射面の面
方向において不均一にし光照射を行うことが好ましい。
この手段としては、マイクロレンズを介して光照射を行
うことがあげらる。上記マイクロレンズの大きさの範囲
は、好ましくは、画素より小さい範囲である。
ルの形状を制御するために、光照射強度を光照射面の面
方向において不均一にし光照射を行うことが好ましい。
この手段としては、マイクロレンズを介して光照射を行
うことがあげらる。上記マイクロレンズの大きさの範囲
は、好ましくは、画素より小さい範囲である。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明について図面に基づき詳し
く説明する。
く説明する。
【0025】先に述べたように、本発明の液晶素子で
は、単位液晶セル(区分されたセル)が自発分極を有す
ることにより高速応答を可能とするものであるが、自発
分極を発現させる具体的手段として、単位液晶セルに前
記表1に示す対称性を持たせるものである。
は、単位液晶セル(区分されたセル)が自発分極を有す
ることにより高速応答を可能とするものであるが、自発
分極を発現させる具体的手段として、単位液晶セルに前
記表1に示す対称性を持たせるものである。
【0026】これについて詳説すると、通常の液晶分子
は、誘電率異方性(以下「△ε」ともいう)を有してい
る。例えば、図3に示す代表的な液晶化合物であるアル
キルシアノビフェニルは、大きな正の誘電率異方性を有
しており、これはその構造において永久双極子モーメン
ト31(図中の矢印)を分子の長軸方向に有しているこ
とによるものである。このような化合物の分子形状は、
単純な棒状(あるいは円柱状)とは言えず、くさび型に
近いものといえる。同様に、分子の長軸に垂直方向の永
久双極子モーメントを持つもの(△εが負)は、その分
子形状がバナナ型であるといえる。このような液晶分子
を、特定の形状となるように集合させると、すなわち、
単位液晶セルを適当な手段により変形させ特定の形状に
すると、各分子の双極子モーメントがそろい、単位液晶
セルにおいて自発分極が発現するようになる。このよう
な分極と配向変形との相互作用は、フレクソエレクトリ
ック効果と呼ばれている。具体的には、例えば、図4
(a)に示すように、くさび型分子41からなる単位液
晶セルでは広がり変形が、図4(b)のようにバナナ型
分子からなる単位液晶セルでは曲がり変形が生じると、
それぞれの分子の集合体において永久双極子モーメント
42がそろい、自発分極43が発現するのである。
は、誘電率異方性(以下「△ε」ともいう)を有してい
る。例えば、図3に示す代表的な液晶化合物であるアル
キルシアノビフェニルは、大きな正の誘電率異方性を有
しており、これはその構造において永久双極子モーメン
ト31(図中の矢印)を分子の長軸方向に有しているこ
とによるものである。このような化合物の分子形状は、
単純な棒状(あるいは円柱状)とは言えず、くさび型に
近いものといえる。同様に、分子の長軸に垂直方向の永
久双極子モーメントを持つもの(△εが負)は、その分
子形状がバナナ型であるといえる。このような液晶分子
を、特定の形状となるように集合させると、すなわち、
単位液晶セルを適当な手段により変形させ特定の形状に
すると、各分子の双極子モーメントがそろい、単位液晶
セルにおいて自発分極が発現するようになる。このよう
な分極と配向変形との相互作用は、フレクソエレクトリ
ック効果と呼ばれている。具体的には、例えば、図4
(a)に示すように、くさび型分子41からなる単位液
晶セルでは広がり変形が、図4(b)のようにバナナ型
分子からなる単位液晶セルでは曲がり変形が生じると、
それぞれの分子の集合体において永久双極子モーメント
42がそろい、自発分極43が発現するのである。
【0027】しかしながら、通常、フレクソエレクトリ
ック効果では、液晶分子が空間を埋め尽くすことができ
ないので、自発分極が安定しにくいという問題がある。
そこで、本発明では、この変形、すなわち、単位液晶セ
ルの形状を特定することにより、自発分極を安定に発現
させて、液晶素子の高速応答を可能にするものである。
そして、その具体的手段として、前記表1に示す対称性
を単位液晶セルに持たせるのである。このようにする
と、単位液晶セルにおいて自発分極が安定に発現し、液
晶素子の高速応答が可能となるのである。このような対
称性を持つ単位液晶セルの好ましい形状としては、例え
ば、図1(a)に示すようなほぼくさび形状または同図
(b)に示すようなほぼバナナ形状のものがあげられ
る。
ック効果では、液晶分子が空間を埋め尽くすことができ
ないので、自発分極が安定しにくいという問題がある。
そこで、本発明では、この変形、すなわち、単位液晶セ
ルの形状を特定することにより、自発分極を安定に発現
させて、液晶素子の高速応答を可能にするものである。
そして、その具体的手段として、前記表1に示す対称性
を単位液晶セルに持たせるのである。このようにする
と、単位液晶セルにおいて自発分極が安定に発現し、液
晶素子の高速応答が可能となるのである。このような対
称性を持つ単位液晶セルの好ましい形状としては、例え
ば、図1(a)に示すようなほぼくさび形状または同図
(b)に示すようなほぼバナナ形状のものがあげられ
る。
【0028】なお、単位液晶セルと高分子樹脂の複合体
において、図5(a)に示すような球状の単位液晶セル
51、同図(b)に示すようなラグビーボール状の単位
液晶セル52、同図(c)に示すような円盤状の単位液
晶セル53などの対称性が考えられるが、図示のよう
に、単位液晶セル内においてフレクソエレクトリック効
果による自発分極54は相殺され、単位液晶セルに自発
分極は発現しない。
において、図5(a)に示すような球状の単位液晶セル
51、同図(b)に示すようなラグビーボール状の単位
液晶セル52、同図(c)に示すような円盤状の単位液
晶セル53などの対称性が考えられるが、図示のよう
に、単位液晶セル内においてフレクソエレクトリック効
果による自発分極54は相殺され、単位液晶セルに自発
分極は発現しない。
【0029】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
明する。
【0030】
【実施例1】図6に示すような一般的な液晶パネルを作
製した。すなわち、それぞれ透明電極63を備える一対
のガラス基板61、62を、透明電極が対面する状態で
重ね合わせて、空セルを作製した。なお、この場合、シ
ール樹脂は用いなかった。他方、液晶材料(TL21
3、メルク社製)80重量%と、高分子樹脂材料として
紫外線硬化樹脂(PN393、メルク社製)20重量%
を混合し、液晶材料を調製した。そして、この液晶材料
を、常温で、上記空セルにキャピラリー現象を利用して
注入した。この注入は、シール樹脂を用いていないた
め、空セルのパネル面を均一に加圧(約0.5kg/c
m2 )しながら行った。また、このときのセル厚は、1
0μmとし、スペーサは、柔らかいミクローパ(積水フ
ァインケミカル社製)を用いた。このようにして、図6
に示すように液晶層64を形成し、液晶パネルを作製し
た。この液晶パネルに対し、パネル面を上記条件で加圧
した状態で、強度30mW/cm2 で紫外線を2分間照
射し、液晶と高分子樹脂の複合体液晶素子を作製した。
製した。すなわち、それぞれ透明電極63を備える一対
のガラス基板61、62を、透明電極が対面する状態で
重ね合わせて、空セルを作製した。なお、この場合、シ
ール樹脂は用いなかった。他方、液晶材料(TL21
3、メルク社製)80重量%と、高分子樹脂材料として
紫外線硬化樹脂(PN393、メルク社製)20重量%
を混合し、液晶材料を調製した。そして、この液晶材料
を、常温で、上記空セルにキャピラリー現象を利用して
注入した。この注入は、シール樹脂を用いていないた
め、空セルのパネル面を均一に加圧(約0.5kg/c
m2 )しながら行った。また、このときのセル厚は、1
0μmとし、スペーサは、柔らかいミクローパ(積水フ
ァインケミカル社製)を用いた。このようにして、図6
に示すように液晶層64を形成し、液晶パネルを作製し
た。この液晶パネルに対し、パネル面を上記条件で加圧
した状態で、強度30mW/cm2 で紫外線を2分間照
射し、液晶と高分子樹脂の複合体液晶素子を作製した。
【0031】このようにして作製した複合体液晶素子に
ついて、走査型電子顕微鏡による観察を行った結果、液
晶層の液晶滴(単位液晶セル)は、図2に示すようなほ
ぼ球形であった。
ついて、走査型電子顕微鏡による観察を行った結果、液
晶層の液晶滴(単位液晶セル)は、図2に示すようなほ
ぼ球形であった。
【0032】つぎに、図7に示すように、上記複合体液
晶素子に対し、パネル面の一方向に勾配を持たせて加圧
を行い、図1(a)に示すように単位液晶セルの形状を
くさび形状とした。そして、このように加圧程度を変え
た液晶素子を4種類作製した。なお、先に述べたよう
に、単位液晶セルの形状がくさび形状の場合は、前記表
1の対称性を満たす。
晶素子に対し、パネル面の一方向に勾配を持たせて加圧
を行い、図1(a)に示すように単位液晶セルの形状を
くさび形状とした。そして、このように加圧程度を変え
た液晶素子を4種類作製した。なお、先に述べたよう
に、単位液晶セルの形状がくさび形状の場合は、前記表
1の対称性を満たす。
【0033】
【比較例1】実施例1と同様にして図6に示す液晶パネ
ルを作製した。この液晶パネルに対し、図8に示すよう
に、パネル面全体を均一に加圧して、図5(c)に示す
ように単位液晶セルを円盤状に変形した。そして、この
ように加圧程度を変えた液晶素子を4種類作製した。な
お、この4種類の液晶素子の単位液晶セルの形状は、前
記表1の対称性を満たさないものである。
ルを作製した。この液晶パネルに対し、図8に示すよう
に、パネル面全体を均一に加圧して、図5(c)に示す
ように単位液晶セルを円盤状に変形した。そして、この
ように加圧程度を変えた液晶素子を4種類作製した。な
お、この4種類の液晶素子の単位液晶セルの形状は、前
記表1の対称性を満たさないものである。
【0034】このようにして作製した実施例1および比
較例1の液晶素子に対し、応答時間を測定した。この結
果を、実施例1については下記の表3に、比較例1につ
いては下記の表4に示す。なお、これらの表3、4にお
いて、変形なしの液晶素子を対照として示した。また、
応答時間は、立ち上がり時間(τr )および立ち下がり
時間(τd )を測定した。そして、立ち上がり時間(τ
r )は、0Vから10Vppの矩形波を印加し、透過率
の10%変化から90%変化までの時間を測定し、立ち
下がり時間(τd )は、10Vppから0V間での透過
率変化の時間を測定した。
較例1の液晶素子に対し、応答時間を測定した。この結
果を、実施例1については下記の表3に、比較例1につ
いては下記の表4に示す。なお、これらの表3、4にお
いて、変形なしの液晶素子を対照として示した。また、
応答時間は、立ち上がり時間(τr )および立ち下がり
時間(τd )を測定した。そして、立ち上がり時間(τ
r )は、0Vから10Vppの矩形波を印加し、透過率
の10%変化から90%変化までの時間を測定し、立ち
下がり時間(τd )は、10Vppから0V間での透過
率変化の時間を測定した。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】上記表3に示すように、実施例1の液晶素
子では、単位液晶セルの変形の程度が大きくなるに従
い、応答時間も短くなることが分かる。これに対し、上
記表4から、比較例1の液晶素子では、単位液晶セルの
変形に応じ応答時間が短くなることが確認されたが、実
施例1に比べると、著しく遅いことがわかる。特に、立
ち下がり時間(τd )よりも、電界印加による立上り時
間(τr )が著しく短くなっていることとがわかる。
子では、単位液晶セルの変形の程度が大きくなるに従
い、応答時間も短くなることが分かる。これに対し、上
記表4から、比較例1の液晶素子では、単位液晶セルの
変形に応じ応答時間が短くなることが確認されたが、実
施例1に比べると、著しく遅いことがわかる。特に、立
ち下がり時間(τd )よりも、電界印加による立上り時
間(τr )が著しく短くなっていることとがわかる。
【0038】つぎに、図9に、実施例1および比較例1
において上記矩形波を印加した場合の透過率曲線の変化
について示す。同図において、(a)は、実施例1の複
合体液晶素子の透過率曲線を示し、(b)は比較例1の
複合体液晶素子の透過率曲線を示すものである。なお、
矩形波の周波数は、30Hzで電圧が10Vppであ
る。
において上記矩形波を印加した場合の透過率曲線の変化
について示す。同図において、(a)は、実施例1の複
合体液晶素子の透過率曲線を示し、(b)は比較例1の
複合体液晶素子の透過率曲線を示すものである。なお、
矩形波の周波数は、30Hzで電圧が10Vppであ
る。
【0039】図9(a)に示すように、実施例1の複合
体液晶素子では、矩形波の極性変化(プラス電位からマ
イナス電位への変化)に対応して透過率曲線に鋭いピー
ク的な変化が現れていることがわかる。これに対し、同
図(b)に示すように、比較例1の複合体液晶素子で
は、極性変化による透過率変化はほとんど現れていな
い。これは、自発分極が電界の方向に向こうとするため
であり、極性変化に対応して分子が動くためであると推
察される。
体液晶素子では、矩形波の極性変化(プラス電位からマ
イナス電位への変化)に対応して透過率曲線に鋭いピー
ク的な変化が現れていることがわかる。これに対し、同
図(b)に示すように、比較例1の複合体液晶素子で
は、極性変化による透過率変化はほとんど現れていな
い。これは、自発分極が電界の方向に向こうとするため
であり、極性変化に対応して分子が動くためであると推
察される。
【0040】また、三角波電圧を印加することにより、
実施例1および比較例1の複合体液晶素子において、単
位液晶セルの自発分極を測定した。この結果を、図10
の電流−時間曲線のグラフに示す。なお、測定方法は
「強誘電性液晶の構造と物性」(フォトニクスシリーズ
9、コロナ社発行)第293頁に記載の方法より行っ
た。なお、三角波は10Vppで行い、自発分極の反転
電流を観察した。
実施例1および比較例1の複合体液晶素子において、単
位液晶セルの自発分極を測定した。この結果を、図10
の電流−時間曲線のグラフに示す。なお、測定方法は
「強誘電性液晶の構造と物性」(フォトニクスシリーズ
9、コロナ社発行)第293頁に記載の方法より行っ
た。なお、三角波は10Vppで行い、自発分極の反転
電流を観察した。
【0041】図10(a)に示すように、実施例1の複
合体液晶素子は、自発分極に起因する反転電流が現れて
いることがわかる。これに対し、図10(b)から、比
較例1の複合体液晶素子は、反転電流が流れず、自発分
極が確認されなかった。なお、変形を行っていない対照
の複合体液晶素子においても、反転電流は流れなかっ
た。また、バナナ形状に単位液晶セルを変形した複合体
液晶素子についても上記と同様にして自発分極の発現を
調べた結果、反転電流が流れ、自発分極が確認された。
なお、この複合体液晶素子は、図6に示す液晶パネルを
実施例1と同様にして作製し、ついでこの液晶パネルを
バナナ状に湾曲させることにより得たものである。
合体液晶素子は、自発分極に起因する反転電流が現れて
いることがわかる。これに対し、図10(b)から、比
較例1の複合体液晶素子は、反転電流が流れず、自発分
極が確認されなかった。なお、変形を行っていない対照
の複合体液晶素子においても、反転電流は流れなかっ
た。また、バナナ形状に単位液晶セルを変形した複合体
液晶素子についても上記と同様にして自発分極の発現を
調べた結果、反転電流が流れ、自発分極が確認された。
なお、この複合体液晶素子は、図6に示す液晶パネルを
実施例1と同様にして作製し、ついでこの液晶パネルを
バナナ状に湾曲させることにより得たものである。
【0042】
【実施例2】実施例1とほぼ同様な方法で空セルを作製
した。すなわち、まず、透明電極付きの一対のガラス基
板を、それぞれの透明電極が対面する状態で重ね合わ
せ、シール樹脂(ストラクトボンド、三井東圧社製)を
用いて両者を加熱接着し、セル厚が約4μmの空セルを
作製した。他方、実施例1と同様にして液晶材料を調製
し、実施例1とと同様にして上記空セルに注入した。
した。すなわち、まず、透明電極付きの一対のガラス基
板を、それぞれの透明電極が対面する状態で重ね合わ
せ、シール樹脂(ストラクトボンド、三井東圧社製)を
用いて両者を加熱接着し、セル厚が約4μmの空セルを
作製した。他方、実施例1と同様にして液晶材料を調製
し、実施例1とと同様にして上記空セルに注入した。
【0043】つぎに、図11に示すように、セルの上に
マイクロレンズの集合体111をのせて紫外線112を
照射し、紫外線硬化樹脂を硬化させた。なお、図におい
て、114はガラス基板であり、116は液晶層であ
り、113はセルである。また、紫外線照射の際の界面
反射を防止するために、マイクロレンズの集合体111
と上側の透明基板114との間に、エチレングリコール
を用いてカップリング層115を形成した。このように
して紫外線を照射するとマイクロレンズにより紫外線が
集光され、その照射面において照射強度が不均一とな
り、マイクロレンズのピッチに応じた照射強度となる。
なお、この紫外線照射の条件は、20mW/cm2 で6
0秒照射である。また、光源は高圧水銀灯を用いた。ま
た、上記マイクロレンズの直径は100μmであり、マ
イクロレンズの集合体のピッチは、150μmである。
マイクロレンズの集合体111をのせて紫外線112を
照射し、紫外線硬化樹脂を硬化させた。なお、図におい
て、114はガラス基板であり、116は液晶層であ
り、113はセルである。また、紫外線照射の際の界面
反射を防止するために、マイクロレンズの集合体111
と上側の透明基板114との間に、エチレングリコール
を用いてカップリング層115を形成した。このように
して紫外線を照射するとマイクロレンズにより紫外線が
集光され、その照射面において照射強度が不均一とな
り、マイクロレンズのピッチに応じた照射強度となる。
なお、この紫外線照射の条件は、20mW/cm2 で6
0秒照射である。また、光源は高圧水銀灯を用いた。ま
た、上記マイクロレンズの直径は100μmであり、マ
イクロレンズの集合体のピッチは、150μmである。
【0044】このようにして得られた、複合体液晶素子
の断面を走査型電子顕微鏡により観察した。その結果、
図12に示すように、高分子樹脂122に囲まれた液晶
単位セル121がほぼ三角状になっていた。
の断面を走査型電子顕微鏡により観察した。その結果、
図12に示すように、高分子樹脂122に囲まれた液晶
単位セル121がほぼ三角状になっていた。
【0045】この複合体液晶素子について、実施例1と
同様にして自発分極を調べたところ、反転電流が測定さ
れ、自発分極が存在することがわかった。なお、この複
合体液晶素子の単位液晶セルの形状は、前記表1の対称
性を満たすものである。
同様にして自発分極を調べたところ、反転電流が測定さ
れ、自発分極が存在することがわかった。なお、この複
合体液晶素子の単位液晶セルの形状は、前記表1の対称
性を満たすものである。
【0046】
【比較例2】マイクロレンズの集合体を用いなかった他
は、実施例2と同様にして複合体液晶素子を作製した。
これについて、前記と同様にして自発分極を調べたとこ
ろ、自発分極は確認できなかった。なお、この複合体液
晶素子の単位液晶セルの形状は、前記表1の対称性を満
たさないものである。
は、実施例2と同様にして複合体液晶素子を作製した。
これについて、前記と同様にして自発分極を調べたとこ
ろ、自発分極は確認できなかった。なお、この複合体液
晶素子の単位液晶セルの形状は、前記表1の対称性を満
たさないものである。
【0047】このようにして得られた実施例2および比
較例2の複合体液晶素子について、前記と同様の方法に
より応答時間を測定した。その結果を、下記の表5に示
す。
較例2の複合体液晶素子について、前記と同様の方法に
より応答時間を測定した。その結果を、下記の表5に示
す。
【0048】
【表5】
【0049】上記表5から、実施例2の複合体液晶素子
が比較例2のものより応答時間が短いことがわかる。
が比較例2のものより応答時間が短いことがわかる。
【0050】
【実施例3】図13に示すように、セルの上下に実施例
2と同じマイクロレンズの集合体111を配置し、セル
の上下方向から同時に紫外線照射を行った。これ以外
は、実施例2と同様にして複合体液晶素子を作製した。
なお、この複合体液晶素子のセル厚は8μmとした。ま
た、図13において、図11と同一部分には同一符号を
付している。
2と同じマイクロレンズの集合体111を配置し、セル
の上下方向から同時に紫外線照射を行った。これ以外
は、実施例2と同様にして複合体液晶素子を作製した。
なお、この複合体液晶素子のセル厚は8μmとした。ま
た、図13において、図11と同一部分には同一符号を
付している。
【0051】
【比較例3】マイクロレンズの集合体を用いずに紫外線
照射を行った他は、実施例3と同様にして複合体液晶素
子を作製した。
照射を行った他は、実施例3と同様にして複合体液晶素
子を作製した。
【0052】このようにして得られた実施例3および比
較例3の複合体液晶素子について、その断面を走査型電
子顕微鏡で観察した。実施例3の複合体液晶素子の観察
結果を図14に示す、図において、141は上ガラス基
板114側の単位液晶セルを示し、143はその自発分
極である。また、142は下ガラス基板114側の単位
液晶セルを示し、144はその自発分極である。また、
122は、高分子樹脂層である。同図に示すように、上
下の液晶単位セル141、142の自発分極143、1
44は、電圧無印加時には相殺されている。これに対
し、比較例3の複合体液晶素子では、単位液晶セルの形
状は球形状(図2参照)であった。なお、実施例3の単
位液晶セルの形状は前記表1の対称性を満たし、比較例
3の単位液晶セルの形状は前記表1の対称性を満たさな
いものである。
較例3の複合体液晶素子について、その断面を走査型電
子顕微鏡で観察した。実施例3の複合体液晶素子の観察
結果を図14に示す、図において、141は上ガラス基
板114側の単位液晶セルを示し、143はその自発分
極である。また、142は下ガラス基板114側の単位
液晶セルを示し、144はその自発分極である。また、
122は、高分子樹脂層である。同図に示すように、上
下の液晶単位セル141、142の自発分極143、1
44は、電圧無印加時には相殺されている。これに対
し、比較例3の複合体液晶素子では、単位液晶セルの形
状は球形状(図2参照)であった。なお、実施例3の単
位液晶セルの形状は前記表1の対称性を満たし、比較例
3の単位液晶セルの形状は前記表1の対称性を満たさな
いものである。
【0053】つぎに、実施例3および比較例3の各複合
体液晶素子について、前述の方法により応答時間を測定
した。その結果を下記の表6に示す。
体液晶素子について、前述の方法により応答時間を測定
した。その結果を下記の表6に示す。
【0054】
【表6】
【0055】上記表6から、実施例3の複合体液晶素子
の応答時間は、比較例3のそれよりも短いことがわか
る。また、自発分極を実施例1と同様な方法で測定した
ところ、比較例3の複合体液晶素子では、観測されなか
った。
の応答時間は、比較例3のそれよりも短いことがわか
る。また、自発分極を実施例1と同様な方法で測定した
ところ、比較例3の複合体液晶素子では、観測されなか
った。
【0056】
【実施例4】実施例2の方法に準じ複合体液晶素子を作
製した。ただし、本実施例では、空セル作製時に配向膜
をスピンコートで上下のガラス基板に設けた。また、配
向膜は、AL5417(日本合成ゴム社製)を用い、硬
化条件等は通常の条件(実施例2の条件)で行った。そ
して、一軸配向性を付与するために、配向膜に対して通
常のラビング法で上下のガラス基板で反平行方向になる
ようにラビング処理を施した。また、セル厚は、実施例
2と同様な方法で4μmとした。これらの条件以外は、
実施例2と同様にして複合体液晶素子を作製した。
製した。ただし、本実施例では、空セル作製時に配向膜
をスピンコートで上下のガラス基板に設けた。また、配
向膜は、AL5417(日本合成ゴム社製)を用い、硬
化条件等は通常の条件(実施例2の条件)で行った。そ
して、一軸配向性を付与するために、配向膜に対して通
常のラビング法で上下のガラス基板で反平行方向になる
ようにラビング処理を施した。また、セル厚は、実施例
2と同様な方法で4μmとした。これらの条件以外は、
実施例2と同様にして複合体液晶素子を作製した。
【0057】このようにして得られた複合体液晶素子の
構成を、偏光素子を配置した状態で図15に示す。同図
において偏光板151,152はクロスニコルの配置で
あり、偏光板151、152はラビング処理方向15
3,154に対して45度の角度を有するように配置し
た。なお、これは通常の複屈折モードの配置である。ま
た、114はガラス基板を示し、155は単位液晶セル
を示し、156は高分子樹脂層を示す。
構成を、偏光素子を配置した状態で図15に示す。同図
において偏光板151,152はクロスニコルの配置で
あり、偏光板151、152はラビング処理方向15
3,154に対して45度の角度を有するように配置し
た。なお、これは通常の複屈折モードの配置である。ま
た、114はガラス基板を示し、155は単位液晶セル
を示し、156は高分子樹脂層を示す。
【0058】図示のように、液晶分子はラビング方向に
配列しており、これは目視による観察でクロスニコルの
偏光板配置の一つの偏光軸をラビング方向に合わせたと
ころで最も暗くなることからも確認された。
配列しており、これは目視による観察でクロスニコルの
偏光板配置の一つの偏光軸をラビング方向に合わせたと
ころで最も暗くなることからも確認された。
【0059】このように作製した複合体液晶素子は、電
圧無印加では明状態であり、電圧を印加したところ10
Vpp(矩形波)で暗状態が得られた。これにより明暗
のスイッチができることがわかった。
圧無印加では明状態であり、電圧を印加したところ10
Vpp(矩形波)で暗状態が得られた。これにより明暗
のスイッチができることがわかった。
【0060】なお、このとき液晶材料の複屈折(△n)
とセル厚(d)の積(△nd:μm)は、本来、0.2
8μm程度が最も明るい輝度が得られることが知られて
いる。
とセル厚(d)の積(△nd:μm)は、本来、0.2
8μm程度が最も明るい輝度が得られることが知られて
いる。
【0061】また、前述の方法により応答時間を測定し
た。この結果を、下記の表7に示す。なお、同表におい
て、比較例2の結果も併せて示す。
た。この結果を、下記の表7に示す。なお、同表におい
て、比較例2の結果も併せて示す。
【0062】
【表7】
【0063】上記表7から、実施例4の複合体液晶素子
は、実施例2と同様な高速応答の複合体液晶素子である
といえる。なお、この実施例の単位液晶セルの形状は、
前記表1の対称性を満たすものである。
は、実施例2と同様な高速応答の複合体液晶素子である
といえる。なお、この実施例の単位液晶セルの形状は、
前記表1の対称性を満たすものである。
【0064】
【発明の効果】以上のように、本発明の液晶素子は、単
位液晶セルの集合体から形成された液晶素子であって、
かつ前記単位液晶セルが、前記表1の対称性を有するこ
とにより、高速応答を可能とするものである。このた
め、本発明の液晶素子の適用により、表示装置等の高品
位化を図ることができるようになる。
位液晶セルの集合体から形成された液晶素子であって、
かつ前記単位液晶セルが、前記表1の対称性を有するこ
とにより、高速応答を可能とするものである。このた
め、本発明の液晶素子の適用により、表示装置等の高品
位化を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はくさび形状の単位液晶セルを示す模式
図であり、(b)はバナナ形状の単位液晶セルを示す模
式図であり、(c)はくさび形状の単位液晶セルの対称
性を示す模式図であり、(d)はバナナ形状の単位液晶
セルの対称性を示す模式図である。
図であり、(b)はバナナ形状の単位液晶セルを示す模
式図であり、(c)はくさび形状の単位液晶セルの対称
性を示す模式図であり、(d)はバナナ形状の単位液晶
セルの対称性を示す模式図である。
【図2】従来の液晶素子の概略構造を示す断面図であ
る。
る。
【図3】シアノビフェニル系液晶化合物の永久双極子モ
ーメントを示す説明図である。
ーメントを示す説明図である。
【図4】(a)は、くさび型分子の集合体が広がり変形
をした状態を示す模式図であり、(b)は、バナナ型分
子の集合体が曲り変形をした状態を示す模式図である。
をした状態を示す模式図であり、(b)は、バナナ型分
子の集合体が曲り変形をした状態を示す模式図である。
【図5】(a)は球形の単位液晶セルにおいて自発分極
が相殺される状態を示す模式図であり、(b)はラグビ
ーボール形状の単位液晶セルにおいて自発分極が相殺さ
れる状態を示す模式図であり、(c)は円盤状の単位液
晶セルにおいて自発分極が相殺される状態を示す模式図
である。
が相殺される状態を示す模式図であり、(b)はラグビ
ーボール形状の単位液晶セルにおいて自発分極が相殺さ
れる状態を示す模式図であり、(c)は円盤状の単位液
晶セルにおいて自発分極が相殺される状態を示す模式図
である。
【図6】本発明の一実施例における変形前の状態の液晶
素子の断面図である。
素子の断面図である。
【図7】上記実施例の液晶素子を加圧して単位液晶セル
の形状をくさび形状にする状態を示す断面図である。
の形状をくさび形状にする状態を示す断面図である。
【図8】比較例において、液晶素子を加圧して単位液晶
セルの形状を円盤形状にする状態を示す断面図である。
セルの形状を円盤形状にする状態を示す断面図である。
【図9】(a)は本発明の一実施例の複合体液晶素子の
電圧−透過率曲線のグラフであり、(b)は比較例の複
合体液晶素子の電圧−透過率曲線のグラフである。
電圧−透過率曲線のグラフであり、(b)は比較例の複
合体液晶素子の電圧−透過率曲線のグラフである。
【図10】(a)は本発明の一実施例の複合体液晶素子
の三角波電圧印加時の電流−時間曲線のグラフであり、
(b)は比較例の複合体液晶素子の三角波電圧印加時の
電流−時間曲線のグラフである。
の三角波電圧印加時の電流−時間曲線のグラフであり、
(b)は比較例の複合体液晶素子の三角波電圧印加時の
電流−時間曲線のグラフである。
【図11】本発明の実施例においてマイクロレンズを用
い複合体液晶素子を作製する状態を示す断面図である。
い複合体液晶素子を作製する状態を示す断面図である。
【図12】上記実施例の複合体液晶素子の断面図であ
る。
る。
【図13】本発明の実施例において、上下にマイクロレ
ンズを配置して複合体液晶素子を作製する状態を示す断
面図である。
ンズを配置して複合体液晶素子を作製する状態を示す断
面図である。
【図14】上記実施例の複合体素子の断面図である。
【図15】本発明の実施例においてラビング処理を行っ
た複合体液晶素子の断面図である。
た複合体液晶素子の断面図である。
11 くさび形状の単位液晶セル 12 バナナ形状の単位液晶セル
Claims (13)
- 【請求項1】 単位液晶セルの集合体から形成された液
晶素子であって、前記単位液晶セルが、下記の表1の対
称性を有することを特徴とする液晶素子。 【表1】 - 【請求項2】 単位液晶セルが、自発分極を有する請求
項1記載の液晶素子。 - 【請求項3】 自発分極が相互に相殺されるように単位
液晶セルが集合している請求項2記載の液晶素子。 - 【請求項4】 単位液晶セルの大きさが、画素の大きさ
以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶素
子。 - 【請求項5】 単位液晶セルの集合体が、単位液晶セル
と高分子樹脂の複合体であり、前記高分子樹脂中に前記
単位液晶セルが分散している請求項1〜4のいずれか一
項に記載の液晶素子。 - 【請求項6】 単位液晶セルの形状が、ほぼバナナ形状
である請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶素子。 - 【請求項7】 単位液晶セルの形状が、ほぼくさび形状
である請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶素子。 - 【請求項8】 液晶材料が、フレクソエレクトリック効
果を有する液晶分子である請求項1〜7のいずれか一項
に記載の液晶素子。 - 【請求項9】 単位液晶セルの集合体に対し、一軸配向
処理が行われた請求項1〜8のいずれか一項に記載の液
晶素子。 - 【請求項10】 単位液晶セルの集合体から形成された
液晶素子の製造方法であって、単位液晶セルを集合さ
せ、この集合体に、圧力の大きさが一方向に勾配を持つ
ようにして加圧することを特徴とする液晶素子の製造方
法。 - 【請求項11】 請求項5に記載の液晶素子を製造する
にあたり、高分子樹脂として光硬化性の高分子樹脂を使
用し、単位液晶セルを前記光硬化性の高分子樹脂に分散
し、ついで光照射を行って前記光硬化性の高分子樹脂を
硬化させて単位液晶セルと高分子樹脂との複合体を形成
する液晶素子の製造方法。 - 【請求項12】 光照射強度を光照射面の面方向におい
て不均一にし光照射を行う請求項11記載の液晶素子の
製造方法。 - 【請求項13】 マイクロレンズを介して光照射を行う
請求項12記載の液晶素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8010770A JPH09203887A (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | 液晶素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8010770A JPH09203887A (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | 液晶素子およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09203887A true JPH09203887A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=11759578
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8010770A Pending JPH09203887A (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | 液晶素子およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09203887A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010282037A (ja) * | 2009-06-05 | 2010-12-16 | Hitachi Displays Ltd | 液晶表示装置 |
JP2011028067A (ja) * | 2009-07-28 | 2011-02-10 | Hitachi Displays Ltd | 液晶表示装置 |
CN116504160A (zh) * | 2023-03-31 | 2023-07-28 | 北京八亿时空液晶科技股份有限公司 | 液晶面板挠曲电效应评价方法、装置、设备和存储介质 |
-
1996
- 1996-01-25 JP JP8010770A patent/JPH09203887A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010282037A (ja) * | 2009-06-05 | 2010-12-16 | Hitachi Displays Ltd | 液晶表示装置 |
JP2011028067A (ja) * | 2009-07-28 | 2011-02-10 | Hitachi Displays Ltd | 液晶表示装置 |
CN116504160A (zh) * | 2023-03-31 | 2023-07-28 | 北京八亿时空液晶科技股份有限公司 | 液晶面板挠曲电效应评价方法、装置、设备和存储介质 |
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