JPH09203410A - ボールジョイントとアームとの結合構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ボールスタッドの球頭部を包持し一端端部外
周につば部を有するハウジングを備えたボールジョイン
トと、ボールジョイントのハウジング外周を保持する結
合部を有するアームとの結合構造において、ハウジング
のつば部一端端面とアームの結合部端面との間に隙間を
設ける。 【効果】 アームの結合部の高さが一定でなくてもボー
ルジョイントを所定の位置に設置することができるの
で、アームの結合部一端端面に切削加工を施さなくても
良く、加工工数の増加及び加工費用の増加を抑制するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車の懸架装
置等に使用されるボールジョイントとアームとの結合構
造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、例えば自動車の懸架装置の連
結部は、ボールジョイントとアームとの結合により連結
される事が多くあった。尚、アームは従来より鍛造また
は鋳造等で成形されていたが、重量が重く、費用が高い
という不具合があった。そこで近年アームは板金で成形
されることが多くなり、重量の軽減と費用の削減がなさ
れている。ここでボールジョイントはアームの結合部に
保持される。そのアームの結合部の製造方法について説
明すると、まずアームの端部に穴部を形成し、その穴部
の直径より大径のパンチ等をアームの端部の穴部に挿入
する。このバーリング加工により、アームの端部の穴部
がアームの軸線に対して垂直方向に屈曲し、結合部が製
造される。このようなアームとボールジョイントとの結
合工程は、まずアームの結合部の一端開口から外周につ
ば部を有するハウジングを反つば部側から圧入する。次
にベアリングに球頭部を包持されたボールスタッドをハ
ウジングの大開口からハウジング内に嵌挿し、プラグを
ハウジングの大開口に挿入後、ハウジングの大開口側端
部をかしめて結合していた。この時ボールジョイントの
ハウジングつば部一端端面にアームの結合部一端端面が
当接されて固定されていた。しかし、図５に示される如
くバーリングを施されたアーム１１２の結合部１１３の
軸線方向の高さが一定ではないため、ハウジングつば部
一端端面１１１にアーム１１２の結合部１１３一端端面
１１４が均一に装着されず、ボールジョイントがアーム
１１２の所定の位置に設置されないという不具合が発生
していた。

【０００３】そこで、ボールジョイントをアームの所定
の位置に設置するために図７に示す如くアーム２１２の
結合部２１３端面２１４に切削加工を行い、結合部２１
３の軸線方向の高さが均一になるようにしていた。この
アーム２１２とボールジョイントとの結合構造を図６に
基づいて説明する。２０２は球状の球頭部２０４とその
球頭部２０４から延びる柄部２０３を有するボールスタ
ッド、２０５は合成樹脂製で略カップ状のベアリング
で、ボールスタッド２０２の球頭部２０４を揺動回動自
在に包持している。２０７は略円筒状のハウジングで、
一端にボールスタッド２０２の柄部２０３を突出させる
小開口２０８を有し、他端にハウジング２０７を閉鎖す
るプラグ２１６がかしめ固着される大開口２０９を有す
る。またハウジング２０７の大開口２０９付近外周には
後記するアーム２１２からボールジョイント２０１が抜
脱するのを防止するためのつば部２１０が設けられてい
る。２１２はアームで、一端端部に結合部２１３を有
し、結合部２１３がハウジング２０７を保持している。
アーム２１２の結合部２１３の一端端面２１４は、ハウ
ジング２０７のつば部２１０の一端端面２１１と密接し
ている。

【０００４】次に上記ボールジョイント２０１とアーム
２１２との結合構造について、その結合工程を図５及び
図７乃至図９に基づいて説明する。

【０００５】まずアーム１１２の端部にバーリング加工
を施して図５に示す如く結合部１１３を成形する。この
時アーム１１２の結合部１１３の一端端面１１４はバー
リング加工が施されたままの状態である。だからアーム
１１２の結合部１１３の軸線方向の高さが均一ではない
ので、アーム１１２の結合部１１３の端面１１４に切削
加工を施し、図７に示す如くアーム２１２の結合部２１
３の軸線方向の高さを一定に成形する。次に図８に示す
如くアーム２１２の結合部２１３の一端開口２１５から
ハウジング２０７を、つば部２１０の一端端面２１１が
アーム２１２の結合部２１３の一端端面２１４に密接す
るまで反つば部側から圧入する。次に図９に示す如くベ
アリング２０５に球頭部２０４を包持されたボールスタ
ッド２０２を、ハウジング２０７の大開口２０９からハ
ウジング２０７内に嵌挿し、プラグ２１６をハウジング
２０７の大開口２０９に挿入後、最後に図６に示す如く
ハウジング２０７の大開口２０９側端部をかしめハウジ
ング２０７を閉鎖して、ボールジョイント２０１とアー
ム２１２との結合が完了する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このようなボールジョ
イント２０１とアーム２１２との結合方法においては、
アーム２１２の結合部２１３一端端面２１４に切削加工
が施されているのでアーム２１２の結合部２１３の軸線
方向の高さが均一となるため、ハウジング２０７のつば
部２１０一端端面２１１にアーム２１２の結合部２１３
が均一に装着され、ボールジョイント２０１は所定の位
置に配置される。

【０００７】しかし上記製造方法においては、アーム２
１２の結合部２１３一端端面２１４のみに切削加工を施
さなくてはならないので、加工工数及び加工費用が増加
するという不具合が発生していた。

【０００８】従って、本発明は上述の如き課題を解決
し、加工工数及び加工費用の増加を抑制し、アームの所
定の位置にボールジョイントを設置することのできるボ
ールジョイントとアームとの結合構造を提供することを
目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の構成は以下の通
りである。

【００１０】ボールスタッドの球頭部を包持し一端端部
外周につば部を有するハウジングを備えたボールジョイ
ントと、ボールジョイントのハウジング外周を保持する
結合部を有するアームとの結合構造において、ハウジン
グのつば部一端端面とアームの結合部端面との間に隙間
を設ける。

【００１１】

【実施例】以下本発明の実施例を図１乃至図４に基づい
て説明する。

【００１２】図１は本発明の実施例によるボールジョイ
ント１とアーム１２との結合構造を表す。２は球状の球
頭部４とその球頭部４から延出する柄部３とを有する金
属製のボールスタッド、５は合成樹脂よりなるベアリン
グで、ボールスタッド２の球頭部４を揺動回動自在に包
持している。７は略円筒状のハウジングで、一端にボー
ルスタッド２の柄部３を突出させる小開口８を、また他
端にハウジング７を閉鎖するプラグ１６がかしめ固着さ
れる大開口９を有し、大開口９付近外周にはつば部１０
が設けられている。１２はアームで、アーム１２の軸線
に対して垂直方向に円筒状の結合部１３を有し、結合部
１３にハウジング７が圧入されている。このアーム１２
結合部１３一端端面１４と、ハウジング７つば部１０一
端端面１１との間には隙間が設けられている。

【００１３】次に上記ボールジョイント１とアーム１２
との結合構造について、その結合方法を説明する。まず
アーム１２の端部に穴部を形成し、その穴部の直径より
大径のパンチ等をアーム１２の端部の穴部に挿入する。
このバーリング加工により、アーム１２の端部の穴部が
アーム１２の軸線に対して垂直方向に屈曲し、図２に示
す如く結合部１３が製造される。次に図３に示す如くア
ーム１２の結合部１３一端開口１５からハウジング７を
圧入する。この時アーム１２の他端開口１７側端面に配
設された治具１８の底部１９にハウジング７小開口８側
端面が当接するまで圧入する。このとき治具１８の底部
１９からアーム１２結合部１３一端端面１４迄の長さＡ
はハウジング７のつば部１０一端端面１１からハウジン
グ７小開口８側端面迄の長さＢよりも短く設定されてい
るので、ハウジング７のつば部１０一端端面１１とアー
ム１２の結合部１３一端端面１４との間に隙間が形成さ
れた状態で、所定の位置に圧入される。次に図４に示す
如くベアリング５に球頭部４を囲▲ぎょう▼されたボー
ルスタッド２をハウジング７の大開口９からハウジング
７内に挿入し、プラグ１６をハウジング７の大開口に挿
入後、最後に図１に示す如くハウジング７の大開口９側
端部をかしめハウジング７を閉鎖して、ボールジョイン
ト１とアーム１２との結合が完了する。

【００１４】上述の如く形成されたボールジョイント１
とアーム１２との結合構造では、ハウジング７をアーム
１２結合部１３に圧入する際にアーム１２の他端開口１
７側端面に配置された治具１８の底部１９にハウジング
７小開口８側端面が当接されるので、ハウジング７のつ
ば部１０一端端面１１とアーム１２の結合部１３一端端
面１４との間に隙間が形成され、ハウジング７のつば部
１０一端端面１１をアーム１２の結合部１３一端端面１
４に密接させなくてもボールジョイント１を所定の位置
に設置することができる。よって、アーム１２の結合部
１３端面１４の高さが均一でなくても良い。

【００１５】尚、上記実施例ではボールジョイント１を
所定の位置に設置するためにはハウジング７のつば部１
０は必要ないが、多大な荷重がボールジョイント１にか
かった時に、ボールジョイント１がアーム１２の結合部
１３から抜脱するのを防ぐために必要である。

【００１６】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、ボールス
タッドの球頭部を包持し一端端部外周につば部を有する
ハウジングを備えたボールジョイントと、ボールジョイ
ントのハウジング外周を保持する結合部を有するアーム
との結合構造において、ハウジングのつば部一端端面と
アームの結合部端面との間に隙間を設けたため、アーム
の結合部の高さが一定でなくてもボールジョイントを所
定の位置に設置することができるので、アームの結合部
一端端面に切削加工を施さなくても良く、加工工数の増
加及び加工費用の増加を抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例によるボールジョイントとアー
ムとの結合構造を表す部分断面平面図である。

【図２】本発明の実施例によるアームを表す部分断面平
面図である。

【図３】本発明の実施例によるアームとハウジングとの
結合工程を表す部分断面平面図である。

【図４】本発明の実施例によるボールジョイントの製造
工程を表す部分断面平面図である。

【図５】従来のアームを表す部分断面平面図である。

【図６】他の従来のボールジョイントとアームとの結合
構造を表す部分断面平面図である。

【図７】他の従来のアームを表す部分断面平面図であ
る。

【図８】他の従来のアームとハウジングとの結合工程を
表す部分断面平面図である。

【図９】他の従来のボールジョイントの製造工程を表す
部分断面平面図である。

【符号の説明】

１ ボールジョイント ２ ボールスタッド ４ 球頭部 ７ ハウジング ９ 大開口 １０ つば部 １１ 一端端面 １２ アーム １３ 結合部 １４ 一端端面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボールスタッド（２）の球頭部（４）を
   包持し一端端部外周につば部（１０）を有するハウジン
   グ（７）を備えたボールジョイント（１）と、該ボール
   ジョイント（１）のハウジング（７）外周を保持する結
   合部（１３）を有するアーム（１２）との結合構造にお
   いて、前記ハウジング（７）のつば部（１０）一端端面
   （１１）と前記アーム（１２）の結合部（１３）一端端
   面（１４）との間に隙間を設けたことを特徴とするボー
   ルジョイントとアームとの結合構造。