JP3973347B2 - ボールジョイントとアームとの結合構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば自動車の懸架装置及び操舵装置等に使用されるボールジョイントとアームとの結合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より自動車の懸架装置や操舵装置の連結部は、ボールジョイントとアームとの結合により連結されることが多くあった。このようなボールジョイントとアームとの結合構造には図7に示される如きものがある。このようなボールジョイント101は、球状の球頭部104と該球頭部104から延出する柄部103とを有するボールスタッド102と、ボールスタッド102の球頭部104を揺動回動自在に包持し、一端に開口106を有する合成樹脂製のベアリング105と、そのベアリング105を内包し一方にその内周からボールスタッド102の柄部103を突出させる小開口108を、他方に大開口109を有するハウジング107と、ハウジング107の大開口109端部にかしめ固定される閉止板112と、ダストカバー小開口部115をボールスタッド102の柄部103外周に、ダストカバー大開口部116をハウジング107外周に各々装着するダストカバー114とを備えていた。このようなボールジョイント101は、アーム119の穴部120にハウジング107が圧入されて、アーム119と他部品を連結していた。
【0003】
上記の如きボールジョイント101のハウジング107外径は、アーム119の穴部120内径よりやや大径に形成されている。そしてボールジョイント101のハウジング107をアーム119の穴部120内に圧入して、ボールジョイント101とアーム119とを結合していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如きボールジョイント101とアーム119との結合構造においては、ボールジョイント101のハウジング107外径をアーム119の穴部120内径よりやや大径に形成したハウジング107をアーム119の穴部120に圧入して、アーム119の穴部120からハウジング107が受ける圧力により、ボールジョイント101がアーム119の穴部120内に保持されている。しかし上記の如き結合構造においては、アーム119から受ける圧入荷重がハウジング107、更にベアリング105を介してボールスタッド102の球頭部104に付与されるため、ボールスタッド102の揺動にかかる作動トルクが所望の数値より高くなってしまうという不具合が発生していた。
【0005】
よって、本発明は上記の如き課題を解決し、ボールスタッドの揺動にかかる作動トルクを低減するボールジョイントとアームとの結合構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の構成は以下の通りである。
【0007】
1. 球状の球頭部と球頭部から突出する柄部とよりなるボールスタッドと、ボールスタッドの球頭部を揺動回動自在に包持し、一方に開口を有するベアリングと、ベアリングを内包し、一方にボールスタッドの柄部を突出させる小開口を、他方に閉止板をかしめ固定する大開口を有するハウジングとよりなるボールジョイントと、ボールジョイントのハウジングが挿入される穴部を有するアームとの結合構造において、ボールジョイントのハウジング外周面には周状の溝が二つ形成され、ハウジングは二つの溝の軸線方向間に二つの溝と連続して溝間外径部が形成され、溝間外径部がアームの穴部の内径より小径であるとともに、溝間外径部は二つの溝におけるハウジングの外径より大径であり、且つ溝間外径部はボールスタッドの球頭部の球心を通る赤道線を有する。
【0008】
2. アームの穴部の内周面に周状の溝が形成され、ボールジョイントのハウジングの溝及びアームの穴部の溝が対向する位置に設けられ、溝内にハウジングの外径より小径の内径、かつ、アームの内径より大径の外径を有する抜け止めリングが配置されており、ボールジョイントとアームとが結合した状態において溝内に配置された抜け止めリングとハウジングの外周面との間に隙間が形成されている。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1乃至図6を基に説明する。
【0010】
図1に示されるのは本発明の実施例によるボールジョイント1とアーム19との結合構造である。このボールジョイント1は、球状の球頭部4と球頭部4から突出する柄部3とからなるボールスタッド2と、ボールスタッド2の球頭部4を揺動回動自在に内包し一方に開口6を有する合成樹脂製のベアリング5と、ベアリング5を包持する略円筒状のハウジング7とを備える。ハウジング7には、一方にボールスタッド2の柄部3を突出させる小開口8、他方に端部内周に円盤状の閉止板12がかしめ固定される大開口9と、大開口9の外周に周状に形成されたつば部11とが形成されている。このハウジング7は、ボールスタッド2の球頭部4の球心を通る赤道線Xを挟んだ状態でハウジング7の外周面に2本の周状の溝10,10が軸線方向に間隔をおいて形成されている。また、ハウジング7の溝10,10軸線方向間には溝10,10と連続して溝間外径部72が形成され、溝間外径部72の外径はアーム19の穴部20の内径より小径に形成されている。また溝間外径部72の外径は溝10,10におけるハウジング7の外径より大径に形成されている。また14はダストカバーで、断面略L字状のL字環17が埋設されたダストカバー小開口部15がボールスタッド2の柄部3外周に、圧入環18が埋設されたダストカバー大開口部16がハウジング7の小開口8外周に各々装着される。
【0011】
また、アーム19は、ハウジング7のベアリング5の一方開口6側に形成される溝10と対向する位置に周状の溝21が形成される穴部20を有している。この穴部20にボールジョイント1のハウジング7が、穴部20の溝21とハウジング7の溝10が対向する状態で圧入固定されている。この穴部20の溝21とハウジング7の溝10とに一部が切りかかれたC状の抜け止めリング13が嵌装されている。この抜け止めリング13とハウジング7の外周面との間には隙間が形成されている。
【0012】
続いて上記ボールジョイント1とアーム19との結合方法を図2乃至図6を基に説明する。
【0013】
まず、ボールジョイント1の組立方法を説明する。まず図2に示す如く、ボールスタッド2の球頭部4にベアリング5の開口部6からベアリング5を嵌装する。次に図3に示す如く、ボールスタッド2の球頭部4にベアリング5を嵌装した状態でボールスタッド2の柄部3側からハウジング7の大開口9内周へ挿入してベアリング5をハウジング7内の所定の位置に配置し、続いて閉止板12をハウジング7の大開口9内周に挿入する。続いて、ハウジング7の大開口9端部を内周側にかしめ、図4に示す如く閉止板12を固定し、ボールスタッド2の柄部3側から抜け止めリング13をハウジング7の溝10に嵌装する。嵌装された抜け止めリング13は、図5に示す如く、ボールジョイント1のハウジング7の溝10から若干外周側に突出した状態で配置される。
【0014】
このボールジョイント1をアーム19の穴部20内に圧入する方法を図5及び図6に基づいて説明する。まず、図5に示す如く、アーム19の穴部20の一方開口側端部に治具50を当接させる。治具50はアーム19の穴部20と同径の一方開口52から他方開口53にむかって拡径するテーパー面51aが形成される治具穴部51を有しており、一方開口52側端部をアーム19の穴部20の一方開口側端部を当接させる。この治具50の治具穴部51の他方開口53からボールジョイント1をボールスタッド2の柄部3から圧入する。このとき、図6に示す如く、ボールジョイント1のハウジング7が治具50の治具穴部51に圧入されると、治具50のテーパー面51aに沿ってハウジング7の溝10に嵌装された抜け止めリング13が縮径される。この抜け止めリング13が縮径されてアーム19の穴部20内径と同径になった状態で、抜け止めリング13がアーム19の穴部20内に圧入される。ここで治具50は、ハウジング7のつば部11が治具穴部51の他方開口53側端部に当接する前に外周方向に二分割されてアーム19から離れる。続いて、ハウジング7の溝10がアーム19の穴部20の溝21と対向する位置に達すると、縮径されていた抜け止めリング13がもとの状態に拡径し、ハウジング7の穴部10とアーム19の穴部20の溝21とに渡った状態となり、図1に示される如くボールジョイント1とアーム19とが結合する。
【0015】
上記の如きボールジョイント1とアーム19との結合構造によれば、ハウジング7の外周面に形成された二つの溝10,10の軸線方向間に二つの溝10,10と連続して形成され、アーム19の穴部20の内径より小径で二つの溝10,10におけるハウジング7の外径より大径である溝間外径部72がアーム19の穴部20からの荷重を緩和するので、ボールスタッド2の球頭部4にかかる圧力が抑制される。
【0016】
また、抜け止めリング13がハウジング7の溝10と、ハウジング7の溝10と対向する位置に設けられるアーム19の穴部20の溝21に、ハウジング7の外周面との間に隙間が形成された状態で配置されているので、ハウジング7及びアーム19の抜け止めとなる。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本発明のボールジョイントとアームとの結合構造によれば、球状の球頭部と球頭部から突出する柄部とよりなるボールスタッドと、ボールスタッドの球頭部を揺動回動自在に包持し、一方に開口を有するベアリングと、ベアリングを内包し、一方にボールスタッドの柄部を突出させる小開口を、他方に閉止板をかしめ固定する大開口を有するハウジングとよりなるボールジョイントと、ボールジョイントのハウジングが挿入される穴部を有するアームとの結合構造において、ボールジョイントのハウジング外周面には周状の溝が二つ形成され、ハウジングは二つの溝の軸線方向間に二つの溝と連続して溝間外径部が形成され、溝間外径部がアームの穴部の内径より小径であるとともに、溝間外径部は二つの溝におけるハウジングの外径より大径であり、且つ溝間外径部はボールスタッドの球頭部の球心を通る赤道線を有するため、ハウジング外周面に形成された溝及びアームの穴部の内径より小径の溝間外径部がアームの穴部からの荷重を緩和するので、ボールスタッドの球頭部にかかる圧力が抑制されるため、ボールスタッドの揺動にかかる作動トルクを低減することができる。
【0018】
また、アームの穴部の内周面に周状の溝が形成され、ボールジョイントのハウジングの溝及びアームの穴部の溝が対向する位置に設けられ、溝内にハウジングの外径より小径の内径、かつ、アームの内径より大径の外径を有する抜け止めリングが配置されており、溝内に配置された抜け止めリングとハウジングの外周面との間に隙間が形成されているので、ハウジング及びアームの抜け止めとなる。またハウジングの軸線方向長さを延ばすことなく、抜け止めリングを嵌装することができるので、ボールジョイントが大型化することを抜け止めリングが外側にある従来例と比べて防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例によるボールジョイントとアームとの結合構造を表す部分断面平面図である。
【図2】 本発明の実施例によるボールジョイントの製造の第一工程を表す部分断面平面図である。
【図3】 本発明の実施例によるボールジョイントの製造の第二工程を表す部分断面平面図である。
【図4】 本発明の実施例によるボールジョイントの製造の第三工程を表す部分断面平面図である。
【図5】 本発明の実施例によるボールジョイントとアームとの第一の結合工程を表す部分断面平面図である。
【図6】 本発明の実施例によるボールジョイントとアームとの第二の結合工程を表す部分断面平面図である。
【図7】 従来のボールジョイントとアームとの結合構造を表す部分断面平面図である。
【符号の説明】
2 ボールスタッド
3 柄部
4 球頭部
5 ベアリング
6 (ベアリング)開口
7 ハウジング
8 (ハウジング)小開口
9 (ハウジング)大開口
10 (ハウジング外周面の)溝
12 閉止板
13 抜け止めリング
19 アーム
20 穴部
21 (アーム内周面の)溝
72 溝間外径部
X 赤道線

Claims (2)

  1. 球状の球頭部(4)と該球頭部(4)から突出する柄部(3)とよりなるボールスタッド(2)と、該ボールスタッド(2)の球頭部(4)を揺動回動自在に包持し、一方に開口(6)を有するベアリング(5)と、該ベアリング(5)を内包し、一方に前記ボールスタッド(2)の柄部(3)を突出させる小開口(8)を、他方に閉止板(12)をかしめ固定する大開口(9)を有するハウジング(7)とよりなるボールジョイント(1)と、該ボールジョイント(1)のハウジング(7)が挿入される穴部(20)を有するアーム(19)との結合構造において、前記ボールジョイント(1)の前記ハウジング(7)外周面には周状の溝(10)が二つ形成され、前記ハウジング(7)は二つの溝(10)の軸線方向間に二つの溝(10)と連続して溝間外径部(72)が形成され、該溝間外径部(72)が前記アーム(19)の穴部(21)の内径より小径であるとともに、前記溝間外径部(72)は二つの溝(10)におけるハウジング(7)の外径より大径であり、且つ前記溝間外径部(72)は前記ボールスタッド(2)の球頭部(4)の球心を通る赤道線(X)を有することを特徴とするボールジョイントとアームとの結合構造。
  2. 前記アーム(19)の穴部(20)の内周面に周状の溝(21)が形成され、ボールジョイント(1)のハウジング(7)の溝(10)及び前記アーム(19)の穴部(20)の溝(21)が対向する位置に設けられ、前記溝(10)、(21)内に前記ハウジング(7)の外径より小径の内径、かつ、前記アーム(19)の内径より大径の外径を有する抜け止めリング(13)が配置されており、ボールジョイントとアームとが結合した状態において前記溝(10)、(21)内に配置された前記抜け止めリング(13)と前記ハウジング(7)の外周面との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1記載のボールジョイントとアームとの結合構造。
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