JPH09203224A - 自立屋根付きタンクの解体法 - Google Patents

自立屋根付きタンクの解体法

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JPH09203224A
JPH09203224A JP8030128A JP3012896A JPH09203224A JP H09203224 A JPH09203224 A JP H09203224A JP 8030128 A JP8030128 A JP 8030128A JP 3012896 A JP3012896 A JP 3012896A JP H09203224 A JPH09203224 A JP H09203224A
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Akinobu Suganuma
章亘 菅沼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クレーンを用いることなく屋根を下降させ
て、解体作業を能率よく行えるようにする。 【解決手段】 胴板3と屋根4の接合部19に、円周方
向の切断線20を入れて屋根4を切り離す。周方向所要
間隔位置に切断ユニット5を配置して上端部を屋根4の
下端部に取り付ける。切断ユニット5の切断機にて胴板
3の上端部に縦方向に延びるスリット21を2本宛入れ
て、狭幅胴板片3aと広幅胴板片3bを交互に形成す
る。狭幅胴板片3aを、楔ブロックの打ち込みにより内
側に曲げ、広幅胴板片3bを、楔14の打ち込みにより
外側に曲げる。スリット21を延長させて行くことによ
り、狭幅胴板片3aと広幅胴板片3bを屋根4の自重で
押し曲げつつ屋根4を下降させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自立屋根付きタンク
を能率よく解体するための解体法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】使用済みとなった自立屋根付きタンクを
解体する場合、これまでは、先ずガス切断機やグライン
ダー等を用いて屋根を順次細かく切断して行き、細かく
切断した屋根の部分をクレーンにより地上に吊り降ろす
作業を何回も繰り返すことによって、屋根を解体するよ
うにし、しかる後、屋根を撤去した後に残っている胴板
の部分を、ガス切断機やグラインダー等を用いて適宜解
体するようにしているのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来に
おける自立屋根付きタンクの解体法では、屋根を高所に
て細かく切り刻んだものをその都度クレーンで吊り降ろ
すようにしているため、非常に手間が掛かって解体作業
全体に要する期間が長くなる問題があり、又、クレーン
を長期間にわたって拘束しなければならない問題があ
る。
【0004】そこで、本発明は、クレーンを用いること
なく屋根を下降させるようにして、能率よく解体を行う
ことができるようにしようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、円筒状の胴板の上端に屋根が接合されて
一体構築してある自立屋根付きタンクの該胴板と屋根の
接合部を円周方向に切断すると共に、2つの切断機を平
行に上下動できるように備え且つ前後方向に移動できる
ように楔を備えた切断ユニットを、円周方向に所要間隔
を隔てて配置して、上端部を屋根の周辺部にそれぞれ固
定し、次に、上記各切断ユニットの切断機にて、胴板の
上端部に縦方向に延びる所要長さのスリットを2本宛設
けて、該2本のスリット間に狭幅胴板片を形成し、続い
て、上記各狭幅胴板片の上端部に、切断ユニットに備え
た楔を打ち込んで狭幅胴板片を内側に曲げてその上に該
楔を載せると共に該楔を切断ユニットに固定して屋根の
自重を切断ユニットを介して上記内側へ曲げた狭幅胴板
片で受けるようにし、次いで、各狭幅胴板片の間に形成
された広幅胴板片を外側へ曲げるための楔を外側から打
ち込んで該楔を屋根の下端部に固定し、以後、上記切断
ユニットの切断機にて胴板を切断して上記スリットを順
次延長して行きながら、屋根の自重によって狭幅胴板片
を内側へ押し曲げ且つ広幅胴板片を外側に押し曲げて展
開させつつ、屋根を低所まで徐々に下降させ、低所に
て、屋根及び胴板を細かく切断して解体する自立屋根付
きタンクの解体法とする。
【0006】切り離した屋根の重量を利用して胴板を縦
割りしながら屋根を下降させることから、屋根を低所で
解体でき、高所でのクレーンによる作業がなくなる。
【0007】又、狭幅胴板片や広幅胴板片の上端部に打
ち込む楔を、ジャッキで押し込むようにすると、作業能
率を更によくすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0009】図1(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)乃至
図7は本発明の実施の一形態を示すもので、底板2上に
立設した円筒状の胴板3の上端部に、ドーム型の屋根4
が接合されて一体構築されている自立屋根付きタンク1
において、胴板3を唐竹割りする如く切断する複数の切
断ユニット5を屋根4に固定して用い、且つ上記屋根4
を、自重を利用して下降させ、低所で、屋根4及び胴板
3を細かく切り刻むようにする。
【0010】上記切断ユニット5は、図2及び図3にそ
の一例の詳細を示す如く、上下方向に延びる狭幅のフレ
ーム6の前面上部位置に、屋根4の外周部の湾曲形状に
沿うように張り出させた屋根4への取付部7を設け、
又、上記フレーム6内に、スクリューロッド8を上下方
向に配置して、該スクリューロッド8の上端を、上段部
の支持プレート9上に設置したモータ10の軸に連結す
ると共に、スクリューロッド8の下端部を軸受11によ
り回転自在に支持させ、且つ上記スクリューロッド8
に、スクリューロッド8の回転によって上下方向へのみ
変位できるように昇降ブロック12を螺着し、該昇降ブ
ロック12に、切断機として、前方へ向けて突出する2
本の切断トーチ13を左右方向へ所要の幅間隔が形成さ
れるように保持させ、更に、上記フレーム6内に、先端
部を上向きの楔部15とし且つ中央部に前後方向(矢印
X方向)に延びる長孔16を上下方向に貫通させた楔ブ
ロック17を、上記昇降ブロック12よりも上方位置に
前後方向へ移動自在に配置して長孔16内にスクリュー
ロッド8を挿通させて組み入れた構成としてある。18
は切断トーチ13のガスホースを示す。
【0011】タンク1を解体する手順を具体的に説明す
ると、先ず、図1(イ)に示す如く胴板3と屋根4の接
合部19に、図示しない高所作業車を使用して円周方向
の切断線20を入れて屋根4を切り離し、次いで、図1
(ロ)に示す如く、切断ユニット5を、切断線20の位
置に対応させて、たとえば、円周方向に等間隔にて8個
所取り付ける。この切断ユニット5は、図2及び図3に
詳細を示す如く、胴板3との間に所要の隙間が形成され
るように、フレーム6の前面上部位置に設けてある取付
部7を屋根4の下端部に溶接により取り付けるようにす
る。なお、図1(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)におい
ては、図面を理解し易くするために、切断ユニット5は
左右2個所のみ描いてある。
【0012】次に、モータ10の駆動でスクリューロッ
ド8を回転させることにより、昇降ブロック12の昇降
変位を介し左右の切断トーチ13の高さ位置調整を行っ
て、左右の切断トーチ13を切断線20の位置に一旦合
わせるようにし、かかる状態において、図1(ロ)及び
図4に示す如く、切断トーチ13を下降させながら、縦
方向に延びる2本のスリット21を、胴板3の上端部に
所要の長さだけ形成させて、胴板3の上端部にコの字型
の狭幅胴板片3aと広幅胴板片3bを周方向に交互に形
成させるようにする。
【0013】しかる後、図4及び図5に示す如く、後方
に退避させておいた楔ブロック17を前進させることに
より先端の楔部15を狭幅胴板片3aの上端部に打ち込
み、狭幅胴板片3aの上端部をタンク1の内方へ湾曲さ
せた後、上記楔ブロック17をフレーム6に溶接等によ
って固定させるようにする。これにより、屋根4の自重
を切断ユニット5の楔ブロック17を介して上記狭幅胴
板片3aで受けさせるようにする。なお、狭幅胴板片3
aの上端部への楔ブロック17の打ち込みに際しては、
図4において二点鎖線で示す如く、たとえば、高所作業
車やフレーム6等に支持をとらせたジャッキ22を用い
るようにすると、能率よく行うことができる。続いて、
図1(ハ)及び図6に示す如く、狭幅胴板片3aの間に
形成された広幅胴板片3bの上端部に、適数個の楔14
を外側から斜め下向きに打ち込んで広幅胴板片3bをタ
ンク1の外方へ湾曲させた後、上記各楔14を屋根4の
下端部に溶接して固定させるようにする。なお、楔14
の打ち込みに際しても、図4に示したようなジャッキ2
2を用いると効率的である。
【0014】上記の状態において、各切断ユニット5の
切断トーチ13を更に下降させながら該切断トーチ13
によってスリット21を下方へ延長形成させるようにす
ると、スリット21が延長形成された分だけ狭幅胴板片
3a及び広幅胴板片3bは曲り易くなるので、屋根4の
重量と、楔ブロック17及び楔14の傾斜面の作用によ
り、図1(ニ)に示す如く、狭幅胴板片3a及び広幅胴
板片3bが更に押し曲げられることになって屋根4が自
重で下降することになる。したがって、同様に、各切断
トーチ13を用いて図1(ニ)において二点鎖線で示す
如くスリット21を胴板3の下端部付近まで順次延長し
て行くことにより、図1(ホ)に示す如く、屋根4を底
板2の近くまで徐々に下降させて行くようにする。屋根
4が底板2の近くまで下降すると、図7に示す如く、狭
幅胴板片3aはすべて内側に、又、広幅胴板片3bはす
べて外側に展開されたような状態にさせられる。
【0015】このように、胴板3を唐竹割りを行う如く
切断して行くことにより、クレーンやエア浮上等の動力
を用いることなく屋根4を降下させることができるの
で、屋根4及び胴板3を細かく切断する作業をすべて低
所にて能率よく行うことができる。
【0016】なお、上記実施の形態では、フレーム6に
搭載した切断機としてはガス切断トーチの場合を示した
が、グラインダーやウォータージェット切断機等を用い
るようにしてもよいこと、又、実施の形態では、狭幅胴
板片3a(広幅胴板片3b)を周方向に8個所形成する
ようにした場合を示したが、この数は、タンク1の径、
材質及び厚さと屋根4の重量等の兼ね合いで、狭幅胴板
片3aと広幅胴板片3bを押し曲げて展開させるのに適
した数を選定すればよいこと、更に、切断ユニット5に
備える楔として、中央部に長孔16を設けてスクリュー
ロッド8と干渉することなく前後方向に移動できるよう
にした楔ブロック17を示したが、先端部の楔部15の
みとして、該楔ブロック17をフレーム6に支持させる
ようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しな
い範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。
【0017】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の自立屋根付き
タンクの解体法によれば、胴板と屋根の接合部を切断
し、切断ユニットの切断機にて、胴板の上端部の円周方
向所要間隔位置にスリットを2本宛入れて狭幅胴板片と
広幅胴板片を交互に形成し、該狭幅胴板片の上端部に楔
を打ち込んで狭幅胴板片を内側に曲げて、屋根の自重を
上記楔を介して狭幅胴板片に受けもたさせた後、狭幅胴
板片間に形成された広幅胴板片の上端部に楔を打ち込ん
で広幅胴板片を外側に曲げた状態として、上記スリット
を延長して行くことにより、屋根の自重を、狭幅胴板片
と広幅胴板片の押し曲げ力として作用させて、屋根を自
重にて徐々に下降させた後、屋根と胴板を細かく切断す
る作業を低所にて行うようにするので、高所で屋根を細
かく切断する作業やクレーンによる屋根の吊り降ろし作
業を不要とすることができ、これにより、タンクの解体
を能率よく行うことができて、クレーンを用いる場合に
比して工期を大幅に短縮することができ、又、狭幅胴板
片又は広幅胴板片の上端部に打ち込む楔を、ジャッキで
押し込むようにすることによって、作業性を更に向上す
ることができる、等の優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自立屋根付きタンクの解体法の実施の
一形態を示すもので、(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)
は解体作業の手順に沿って示した概略側面図である。
【図2】切断ユニットの一例を示す拡大側面図である。
【図3】図2のD−D矢視図である。
【図4】作業途中における切断ユニットの状態を示すも
ので、図1(ロ)のA部拡大図である。
【図5】図4のE−E矢視図である。
【図6】図1(ハ)のB部拡大断面図である。
【図7】図1(ホ)のC−C矢視図である。
【符号の説明】
1 タンク 3 胴板 3a 狭幅胴板片 3b 広幅胴板片 4 屋根 5 切断ユニット 13 切断トーチ(切断機) 14 楔 17 楔ブロック(楔) 19 接合部 20 切断線 21 スリット 22 ジャッキ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の胴板の上端に屋根が接合されて
    一体構築してある自立屋根付きタンクの該胴板と屋根の
    接合部を円周方向に切断すると共に、2つの切断機を平
    行に上下動できるように備え且つ前後方向に移動できる
    ように楔を備えた切断ユニットを、円周方向に所要間隔
    を隔てて配置して、上端部を屋根の周辺部にそれぞれ固
    定し、次に、上記各切断ユニットの切断機にて、胴板の
    上端部に縦方向に延びる所要長さのスリットを2本宛設
    けて、該2本のスリット間に狭幅胴板片を形成し、続い
    て、上記各狭幅胴板片の上端部に、切断ユニットに備え
    た楔を打ち込んで狭幅胴板片を内側に曲げてその上に該
    楔を載せると共に該楔を切断ユニットに固定して屋根の
    自重を切断ユニットを介して上記内側へ曲げた狭幅胴板
    片で受けるようにし、次いで、各狭幅胴板片の間に形成
    された広幅胴板片を外側へ曲げるための楔を外側から打
    ち込んで該楔を屋根の下端部に固定し、以後、上記切断
    ユニットの切断機にて胴板を切断して上記スリットを順
    次延長して行きながら、屋根の自重によって狭幅胴板片
    を内側へ押し曲げ且つ広幅胴板片を外側に押し曲げて展
    開させつつ、屋根を低所まで徐々に下降させ、低所に
    て、屋根及び胴板を細かく切断して解体することを特徴
    とする自立屋根付きタンクの解体法。
  2. 【請求項2】 狭幅胴板片又は広幅胴板片の上端部に打
    ち込む楔を、ジャッキで押し込むようにする請求項1記
    載の自立屋根付きタンクの解体法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009299302A (ja) * 2008-06-11 2009-12-24 Besutera Kk 大型貯槽の切断解体方法
JP2010065460A (ja) * 2008-09-11 2010-03-25 Besutera Kk 大型貯槽の解体方法
JP2013002106A (ja) * 2011-06-15 2013-01-07 Taihei Dengyo Kaisha Ltd タンク解体工法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009299302A (ja) * 2008-06-11 2009-12-24 Besutera Kk 大型貯槽の切断解体方法
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