JPH09202030A - 両面印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷用紙の表裏両面に自動的に印刷を行うこと
ができる両面印刷装置を提供する。 【解決手段】印刷ドラム３の外周面には製版された孔版
印刷用原紙が設けられる。給紙ローラ２１が印刷用紙Ｐ
を印刷ドラム３に供給する。プレスローラ２３が、供給
された印刷用紙Ｐを印刷用ドラム３に押し付けて印刷を
行う。分配爪２７を斜め下向きに切り替え、両面用排紙
台２９を上方位置に切り換える。印刷済みの印刷用紙Ｐ
は、両面用排紙台２９に入る。分配爪２７を水平に切り
替え、両面用排紙台２９を下方位置に切り換える。両面
用排紙台２９内の用紙を給紙ローラ３１によって用紙反
転手段３２に送る。上下反転した用紙は、未印刷の面を
印刷ドラムに向けて印刷ドラムとプレスローラの間に供
給される。両面印刷された用紙は、排紙台２８に排出さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、印刷用紙の両面に
印刷することがきる両面印刷装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４は一般的な孔版印刷装置の構成の概
略を示している。印刷装置の中央部には、自身の中心軸
線の周りに回転する印刷ドラム１００がある。印刷ドラ
ム１００の周壁の一部はインク透過性である。印刷ドラ
ムの内部にはインク供給手段がある。同図中、印刷ドラ
ム１００の右側には、サーマルヘッドと、プラテンロー
ルと、ロール状の孔版印刷用原紙と、カッターを有する
製版手段１０１がある。同図中、印刷ドラム１００の左
側には、印刷ドラム１００から剥がされた使用済みの孔
版印刷用原紙を収納する排版手段１０２がある。同図
中、印刷ドラム１００の上方には、原稿の画像情報を読
み取る原稿読み取り手段１０３がある。また本印刷装置
の下部においては、前記排版手段１０２の下方に、給紙
台に積載された用紙束を最上位の用紙から順次印刷ドラ
ムに供給する給紙手段１０４がある。印刷ドラム１００
の下方には、給紙手段１０４から供給された印刷用紙を
前記印刷ドラム１００との間に挟んで搬送することによ
り印刷を行うプレスローラを備えた押圧手段１０５があ
る。印刷ドラム１００の近傍には、分離爪とエアーブロ
ーを備え、印刷された用紙を印刷ドラムから剥がす剥離
手段１０６がある。剥離手段１０６の隣部には、印刷さ
れて印刷ドラム１００から剥がされた用紙を搬送する搬
送手段１０７がある。搬送手段１０７の隣部には、印刷
されて印刷ドラム１００から剥がされた用紙を受け入れ
て積載する排紙スタッカー１０８がある。

【０００３】使用済み孔版印刷用原紙は排版手段１０２
に収納される。原稿読み取り手段１０３が原稿情報を読
み込み、原稿情報に基づいて製版手段１０１のサーマル
ヘッドが孔版印刷用原紙に穿孔画像を形成する。孔版印
刷用原紙の先端部をクランプ手段で挟持し、印刷ドラム
１００を回転させることにより、製版済みの孔版印刷用
原紙は印刷ドラム１００に巻き付けられる。その後、給
紙手段１０４から送りだされた用紙が、押圧手段１０５
で印刷ドラム１００に押し付けられ、印刷ドラム１００
内のインクが用紙上に転写して孔版印刷が行われる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した孔版印刷装置
では、原則的に印刷用紙の片面しか印刷することが出来
ない。もし、前記孔版印刷装置で印刷用紙の両面に印刷
を行う場合は、印刷装置を使用する使用者が一度印刷を
終了した印刷用紙を裏返して、図４中の給紙手段１０４
に積載し、その後再び印刷を行う必要がある。この時、
装置の使用者は、片面に印刷された印刷用紙が支障なく
円滑に印刷装置に供給されるように、排紙スタッカー１
０８上に積載された印刷用紙を揃え直した後で、給紙手
段１０４に積載し直さなければならない。排紙スタッカ
ー１０８に蓄えられた印刷用紙を揃えて再度の供給に適
した状態とするには一定の技術を必要とする為、だれで
も前記孔版印刷装置を両面印刷に使用できる訳ではな
く、装置の使用者はある程度限定されてしまう。

【０００５】又、特開平７−８１２０２号公報に記載さ
れた両面印刷装置の場合は用紙の両面に印刷することが
できるものの、実用機とするには困難な種々の問題を有
している。例えば、この装置では、片面印刷後、残りの
片面を印刷する際に給紙ローラは用紙の既印刷面である
上面に接触する。このため、上面側の印刷画像を汚損す
るおそれがある。また、この装置では印刷された用紙の
搬送方向を切り換えるためにベルト搬送機構を揺動させ
る機構や、片面印刷された用紙を収納した排紙台を全体
として移動させる機構のように、大型で複雑なために製
造コストが高価で維持の困難な機構を備えている。

【０００６】本発明は、装置の使用者の技量に係わりな
く印刷用紙の表裏両面に自動的に印刷を行うことができ
る両面印刷装置を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載された両
面印刷装置は、インク通過性を有する周壁の外周面に刷
版が設けられ、自身の中心軸線の周りに回転する印刷ド
ラムと、印刷用紙を前記印刷ドラムに供給する第１の給
紙手段と、印刷インクを前記印刷ドラムの周壁の内周面
に供給するインク供給手段と、前記印刷ドラムの下方に
設けられ、前記給紙手段によって供給された印刷用紙を
前記印刷用ドラムに押し付けて印刷用紙の上面に印刷を
施す押圧手段と、印刷が完了した印刷用紙を受け入れる
排紙部と、前記印刷ドラムに近い一端部側が上下方向に
揺動可能となるように他端部側が軸支され、上面への印
刷が完了した両面印刷されるべき印刷用紙を一端部側が
上方位置に設定された状態において受け入れて積載する
両面用排紙部と、前記印刷ドラムと前記押圧手段の間か
ら排出された印刷用紙を、前記排紙部又は前記両面用排
紙部に選択的に振り分ける振り分け手段と、前記両面用
排紙部の下方の所定位置に設けられ、両面用排紙部の一
端部側が下方位置に設定された状態において両面用排紙
部に積載されている印刷用紙の最下位の印刷用紙の下面
に作用し、該印刷用紙を一枚づつ両面用排紙部の外に送
りだす第２の給紙手段と、前記第２の給紙手段が送りだ
した印刷用紙を反転させて前記印刷ドラムと前記押圧手
段との間に送りだす用紙反転手段とを具備している。

【０００８】請求項２に記載された両面印刷装置は、請
求項１記載の両面印刷装置において、前記印刷ドラム及
び前記押圧手段と、前記振り分け手段との間に、印刷さ
れた印刷用紙上の印刷インクが他に転移することを防止
する再転移防止機構を設けたことを特徴とする。

【０００９】請求項３に記載された両面印刷装置は、請
求項１記載の両面印刷装置において、両面印刷又は片面
印刷を選択する印刷選択信号が外部から入力され、前記
印刷選択信号によって両面印刷が選択された場合には、
前記振り分け手段を前記両面用排紙部の側に切り換える
とともに前記両面用排紙部を上方位置に設定し、次に外
部から指示された枚数の印刷用紙の一方の面に一次印刷
を行い、次に前記振り分け手段を前記排紙部の側に切り
換えるとともに前記両面用排紙部を下方位置に設定し、
次に前記第２の給紙手段によって前記両面用排紙部の印
刷用紙を前記反転手段に送り出して印刷用紙の他方の面
に二次印刷を行い、前記印刷選択信号によって片面印刷
が選択された場合には、前記振り分け手段を前記排紙部
の側に切り換えるとともに外部から指示された枚数の印
刷用紙の一方の面に一次印刷を行うように制御を行う制
御手段を具備することを特徴とする。

【００１０】請求項４に記載された両面印刷装置は、請
求項３記載の両面印刷装置において、前記印刷ドラムが
印刷色に応じて交換可能であり、前記制御手段には、両
面印刷を選択する印刷選択信号が入力された後に、両面
同色印刷又は両面別色印刷を選択する印刷色選択信号が
外部から入力され、前記印刷色選択信号によって両面別
色印刷が選択された場合には、前記一次印刷の後に印刷
ドラムを印刷色の異なる他の印刷ドラムに交換した場合
にのみ前記二次印刷を行うように前記制御手段が制御を
行うことを特徴とする。

【００１１】請求項５に記載された両面印刷装置は、請
求項３記載の両面印刷装置において、所望の原稿の刷版
を作成する製版手段と、前記印刷ドラムから刷版を除去
する排版手段とを有しており、前記制御手段には、両面
印刷を選択する印刷選択信号が入力された後に、両面同
原稿印刷又は両面別原稿印刷を選択する印刷原稿選択信
号が外部から入力され、前記印刷原稿選択信号によって
両面別原稿印刷が選択された場合には、前記一次印刷の
後に前記排版手段が印刷ドラムから刷版を除去するとと
もに前記製版手段が新たな刷版を作成して印刷ドラムに
設けた場合にのみ前記二次印刷を行うように前記制御手
段が制御を行うことを特徴とする。

【００１２】請求項６に記載された両面印刷装置は、請
求項３記載の両面印刷装置において、前記印刷ドラムが
印刷色に応じて交換可能であり、所望の原稿の刷版を作
成する製版手段と、前記印刷ドラムから刷版を除去する
排版手段とを有しており、前記制御手段には、両面印刷
を選択する印刷選択信号が入力された後に、両面同色印
刷又は両面別色印刷を選択する印刷色選択信号と、両面
同原稿印刷又は両面別原稿印刷を選択する印刷原稿選択
信号が外部から入力され、前記印刷色選択信号によって
両面別色印刷が選択され、かつ前記印刷原稿選択信号に
よって両面別原稿印刷が選択された場合には、前記一次
印刷の後に印刷ドラムが印刷色の異なる他の印刷ドラム
に交換され、次に前記製版手段が作成した新たな刷版が
前記印刷ドラムに設けられ、次に前記二次印刷を行うよ
うに前記制御手段が制御を行うことを特徴とする。

【００１３】上記の手段によれば、装置の使用者が印刷
用紙を両面印刷装置の第１の給紙手段に設定し、原稿を
製版手段の読取装置に設定し、制御手段による制御を開
始させれば、印刷用紙の両面に原稿の画像を自動的に印
刷することが可能になる。この結果、印刷機を使用する
使用者は、片面が印刷されて排出された印刷用紙を給紙
側に再び運んで設定し直す必要が無くなるので、印刷時
の手間が省け、機械の小型化も可能となる。

【００１４】

【発明の実施の形態】図１〜図３を参照して本発明の実
施の第１の形態を説明する。この両面印刷装置１は、製
版した孔版印刷用原紙を刷版とし、孔版印刷の原理によ
って印刷用紙の両面に印刷を行うことができる印刷装置
である。本印刷装置１の筐体２は、結合と分離が任意に
行える独立した２の筐体２ａ，２ｂからなる。筐体２ａ
の内部には印刷ドラム３が収納されている。印刷ドラム
３は、少なくとも一部がインク透過性である円筒形の周
壁を有しており、水平な自身の中心軸線の周りを図示し
ない駆動手段に駆動されて回転する。図１においては印
刷ドラム３は反時計周り方向に回転する。印刷ドラム３
は図示しない印刷モータによって駆動され、印刷モータ
は図２に示す印刷モータ駆動部７４によって制御され
る。

【００１５】印刷ドラム３の周壁の外周面にはクランプ
ベース４が設けられている。クランプベース４には印刷
ドラム３の一母線に平行な回動軸がある。この回動軸に
はクランプ板５が回動可能に取り付けられており、クラ
ンプ板５とクランプベース４との間に孔版印刷用原紙の
先端を挟んで固定できる。

【００１６】印刷ドラム３の内部には、周壁の内周面に
一定量のインクを供給するインク供給手段６がある。イ
ンク供給手段６は、周壁に接して印刷ドラム３と同期し
て回転するスキージローラ７と、スキージローラ７に所
定間隔の隙間をおいて配置されるドクターローラ８と、
スキージローラ７とドクターローラ８の間にインクを供
給するディストリビュータ９とを有している。インク
は、スキージローラ７とドクターローラ８の隙間からス
キージローラ７の周面上を伝わり、印刷ドラム３の周壁
の内面に一定量が供給される。印刷時にはスキージロー
ラ７が印刷ドラム３と同期して回転するため、スキージ
ローラ７とドクターローラ８の間にインクの渦が形成さ
れる。このインクの渦の大きさを検知することにより、
インクの増減を検知することができる。インクの渦の大
きさが小さくなれば、図示しないインク保管部からイン
クが運ばれ、ディストリビュータ９からインクの渦へイ
ンクを供給する。

【００１７】インク供給手段６のインクの色彩は印刷ド
ラム３ごとに決まっており、インクの色彩を変えたい場
合には印刷ドラム３を交換する。即ち、本例の両面印刷
装置１において印刷ドラム３は交換可能である。

【００１８】本装置の筐体２ａの上面には、原稿自動読
み取り装置１０がある。原稿自動読み取り装置１０は、
同装置の所定位置に設定された原稿を自動的に読み取
り、原稿情報として出力する。

【００１９】図１中、印刷ドラム３の頂部の右方には、
製版手段１１がある。製版手段１１は、所定位置で回転
可能に指示されたロール状の孔版印刷用原紙Ｓと、孔版
印刷用原紙Ｓを熱によって穿孔する製版素子としてのサ
ーマルヘッド１２及びプラテンロール１３と、製版され
た孔版印刷用原紙Ｓを搬送する搬送ローラ１４と、製版
された孔版印刷用原紙Ｓを切断するカッタ１５を有して
いる。

【００２０】図１中、印刷ドラム３の頂部の左方には、
排版手段１６がある。排版手段１６は、使用済みの孔版
印刷用原紙Ｓを収納する排版箱１７と、使用済みの孔版
印刷用原紙Ｓを排版箱１７内に搬送する搬送手段１８と
を有している。

【００２１】図１中、印刷ドラム３の底部の左方には、
第１の給紙手段１９がある。本例の給紙手段１９は、給
紙台２０と、一か所に設けられた給紙ローラ２１を有す
る。給紙台２０は、筐体２ａに形成された給紙口に着脱
可能に設けられている。給紙ローラ２１は給紙台２０上
の印刷用紙Ｐを前記印刷ドラム３の方向に送りだす。

【００２２】前記給紙ローラ２１の搬送方向の隣部には
タイミングローラ２２がある。前記印刷ドラム３の下方
には、押圧手段としてのプレスローラ２３が昇降可能に
設けられている。プレスローラ２３は、タイミングロー
ラ２２が送りだした印刷用紙Ｐを印刷ドラム３に押し付
け、印刷ドラム３との間に挟んで搬送することにより、
印刷ドラム３から印刷用紙Ｐにインクを転移させて孔版
印刷を行う。

【００２３】図１において印刷用紙Ｐが排出される印刷
ドラム３の底部右側には、印刷された用紙を印刷ドラム
３から剥がす分離爪２４がある。分離爪２４の隣部には
印刷用紙の搬送手段２５が設けられており、分離爪２４
によって印刷ドラム３から剥がされた印刷用紙を図中右
方に搬送する。

【００２４】前記搬送手段２５の搬送方向の隣部におい
て、筐体２ｂ内には再転移防止機構２６が設けられてい
る。再転移防止機構２６は、印刷ドラム３から剥がされ
た印刷済みの印刷用紙Ｐ上の印刷インクが、本装置の他
の構成部分や他の印刷用紙Ｐ等に転移することを防止す
る。再転移防止機構２６は、印刷用紙Ｐ上の余剰の印刷
用インクを除去し、又は乾燥し、又は印刷用紙Ｐをコー
ティングする等の機能を有する。図１中に例示する本例
の再転移防止機構２６は、印刷用紙Ｐを挟んで搬送する
一対のローラと、一対のローラの少なくとも一方に再転
移防止処理液を塗布する図示しない塗布手段とを有して
いる。

【００２５】筐体２ｂ内において、印刷用紙の搬送方向
に関して再転移防止機構２６の隣部には、振り分け手段
としての分配爪２７が設けられている。分配爪２７は、
所定角度範囲内において回動可能とされており、再転移
防止機構２６から排出された印刷済みの印刷用紙を、後
述する排紙台と両面用排紙台のいずれかに選択的に振り
分ける。分配爪２７は図２に図示する分配爪駆動部７２
によって駆動される。

【００２６】図１において、分配爪２７が右下斜め方向
に向くと、搬送されてきた印刷用紙Ｐは上方位置に設定
された両面用排紙台２９に導入される。分配爪２７が水
平右方に向くと、搬送されてきた印刷用紙Ｐはそのまま
水平に進んで排紙台２８に導入される。

【００２７】図１に示すように、筐体２ｂの側面には、
排紙部としての排紙台２８が設けられている。排紙台２
８には、片面・両面を問わず、すべての印刷が完了した
印刷用紙が排出される。

【００２８】筐体２ｂにおいて、前記排紙台２８の下方
には、両面用排紙部としての両面用排紙台２９が設けら
れている。この両面用排紙台２９は、印刷用紙の両面に
印刷する場合、片面のみに印刷された印刷用紙を受け入
れるために使用される。両面用排紙台２９は、印刷ドラ
ム３に近い側の一端部が所定角度範囲内において上下方
向に揺動可能となるように、印刷ドラム３から遠い側の
他端部が回動軸３０を介して軸支されている。両面用排
紙台２９は、片面のみに印刷された両面印刷されるべき
印刷用紙（一次印刷済みの印刷用紙）を、一端部側が上
方位置に設定された状態において受け入れ、印刷面を上
にして積載する。両面用排紙台２９は、図２に示す両面
用排紙台駆動部７３によって駆動され、その一端部側が
上方位置又は下方位置のいずれかに設定される。

【００２９】一端部が下方位置に設定された両面用排紙
台３０の下側には、第２の給紙手段としての給紙ローラ
３１が設けられている。給紙ローラ３１は、両面用排紙
台２９の一端部側が下方位置に設定された状態におい
て、両面用排紙台２９に積載されている印刷用紙の最下
位の印刷用紙の下面に接触し、該印刷用紙を一枚づつ両
面用排紙台２９の外に送りだす。

【００３０】前記給紙ローラ３１の搬送方向の隣部に
は、印刷用紙の上下面を反転させる用紙反転手段３２が
設けられている。用紙反転手段３２は、２基のベルト搬
送機構からなる搬送手段３３と、搬送手段３３による印
刷用紙の略水平な搬送方向を略垂直上方に向ける円弧状
の搬送経路３４と、搬送経路３４を通過した印刷用紙を
タイミングローラ２２の手前に導入する複数対の案内ロ
ーラ３５とを有している。

【００３１】前記両面印刷装置１の作用について説明す
る。製版の手順を説明する。印刷したい原稿を原稿自動
読み取り装置１０に設定し、原稿情報を読み取らせる。
製版手段１１において、前記原稿情報に基づいてサーマ
ルヘッド１２及びプラテンロール１３を駆動し、ロール
状に巻かれた孔版印刷用原紙Ｓに原稿の画像を穿孔す
る。画像が穿孔された孔版印刷用原紙Ｓの先端が、印刷
ドラム３のクランプ板５とクランプベース４に挟まれ
る。図１において印刷ドラム３が矢印Ａの方向に回転
し、孔版印刷用原紙Ｓは印刷ドラム３の外周に巻装され
る。尚、孔版印刷用原紙Ｓが印刷ドラム３の外周に１巻
きされた状態において、製版手段１１内のカッター１５
が孔版印刷用原紙Ｓを切断する。

【００３２】印刷の手順を説明する。図１に示すよう
に、給紙台２０に所望枚数の印刷用紙Ｐを積載し、印刷
開始のスイッチを入れる。図示しない動力モータが給紙
ローラ２１を回転させ、印刷用紙Ｐは印刷ドラム３の近
傍に搬送される。同時に、動力モータにより、印刷ドラ
ム３は図１において矢印Ａの方向に回転する。印刷用紙
Ｐが印刷ドラム３に接近した時にプレスローラ２３も印
刷ドラム３に接近し、印刷用紙Ｐは印刷ドラム３とプレ
スローラ２３の間に挟まれた状態で搬送される。印刷ド
ラム３内のインクは、印刷ドラム３の周壁と孔版印刷用
原紙Ｓの穿孔部を通って印刷用紙Ｐに転移し、これによ
って印刷用紙Ｐに原稿の画像に対応した印刷画像が形成
される。

【００３３】印刷ドラム３が一回転し、プレスローラ２
３が印刷ドラム３の印刷不可能な領域に到達すると、プ
レスローラ２３は下降して印刷ドラム３から離れる。印
刷用紙Ｐは分離爪２４により印刷ドラム３から剥離さ
れ、搬送手段２５によって再転移防止機構２６に搬送さ
れる。

【００３４】分配爪２７を下方に設定し、両面用排紙台
２９を上方位置に設定する。片面のみが印刷された印刷
用紙は、印刷面を上にして両面用排紙台２９に排出され
る。上記のように給紙台２０上の印刷用紙Ｐをすべて印
刷する。片面が印刷された所望枚数の印刷用紙Ｐは、印
刷済みの面を上にして両面用排紙台２９上に積載され
る。

【００３５】ここで、両面用排紙台２９を下方位置に下
げ、分配爪２７を水平に設定する。両面用排紙台２９内
の印刷用紙を給紙ローラ３１によって下から順に一枚づ
つ送りだす。給紙ローラ３１は印刷用紙の印刷面である
上面には触れず、印刷面を汚損するおそれがない。送り
だされた印刷用紙は用紙反転手段３２において反転し、
未印刷面を上にして印刷ドラム３とプレスローラ２３の
間に供給される。両面が印刷された印刷用紙は、分配爪
２７を通過して排紙台２８に排出される。なお、給紙ロ
ーラ３１の代わりに、空気を利用した非接触式の給紙手
段を用いてもよい。

【００３６】図２は、本発明の実施の第１の形態におけ
る制御手段５１の構成を示す。制御手段５１はマイクロ
コンピュータによって構成することができ、ＣＰＵ５２
と、ＲＯＭ５４と、ＲＡＭ５５と、Ｉ／Ｏインターフェ
ース５３を有している。ＲＯＭ５４は印刷工程のシーケ
ンスプログラムを記憶し、ＲＡＭ５５はシーケンスプロ
グラムに必要なデータを記憶する。

【００３７】Ｉ／Ｏインターフェイス５３の入力側に
は、両面印刷又は片面印刷を選択する印刷選択信号６１
と、両面同色印刷又は両面別色印刷を選択する印刷色選
択信号６２と、両面同原稿印刷又は両面別原稿印刷を選
択する印刷原稿選択信号６３が外部から入力される。こ
れらの信号は、図示しないキーボード等の入力手段によ
って操作者によって入力される。

【００３８】Ｉ／Ｏインターフェイス５３の出力側に
は、装置の状態を表示する表示部７１と、両面印刷用の
搬送経路に印刷用紙を取り込む分配爪２７の駆動を行う
分配爪駆動部７２と、両面印刷される用紙を積載する為
の両面用排紙台２９の駆動を行う両面用排紙台駆動部７
３と、印刷用モータを駆動する印刷モータ駆動部７４
と、原稿を読み込む読み込み処理部７５と、製版処理を
行う製版処理部７６と、排版処理を行う排版処理部７７
がそれぞれ接続されている。

【００３９】図３は、本発明の実施の第１の形態におけ
る制御手段５１の制御手順を示す流れ図である。装置を
起動させると、制御手段５１が表示部を介して“両面印
刷を行う”か“片面印刷を行う”かを装置の使用者に尋
ねる（Ｓ１）。ここで使用者は、両面印刷又は片面印刷
を選択する印刷選択信号６１を入力手段によって入力す
る。“片面印刷”を選択した場合、制御手段５１は分配
爪駆動部７２を介して分配爪２７を図１中に示す水平な
状態に設定する。制御手段５１は、入力手段から印刷枚
数を入力するように表示部７１に表示を行う。印刷枚数
が入力されると、制御手段５１は印刷モータ駆動部７４
を駆動して印刷を行う。

【００４０】装置の使用者が“両面印刷”を選択した場
合は、制御手段５１は分配爪駆動部７２を介して分配爪
２７を図１において右下斜め方向に向いた状態に設定す
る。また、両面用排紙台駆動部７３を介して両面用排紙
台２９を上方位置に設定する。次に制御手段５１が表示
部７１を介して“両面同色で印刷を行う”か“両面違う
色で印刷を行う”かを装置の使用者に尋ねる（Ｓ２）。
更に“両面同原稿で印刷を行う”か“両面違う原稿で印
刷を行う”かを装置の使用者に尋ねる（Ｓ３）。

【００４１】使用者が“両面同色”“両面同原稿”を選
択した場合は、使用者が指示した枚数（ｘ枚）の印刷用
紙Ｐが一次印刷された後で、制御手段５１は両面用排紙
台駆動部７３を介して両面用排紙台２９を下方位置に設
定し、分配爪駆動部７２を介して分配爪２７を図１に示
す水平な状態に設定する。そして、上面側が一次印刷さ
れた印刷用紙Ｐの下面に給紙ローラ３１を接触させ、給
紙ローラ３１を駆動して印刷用紙を下から一枚づつ送り
だす。各印刷用紙は用紙反転手段３２によって反転し、
印刷ドラム３に送りこまれ、再度ｘ枚の印刷用紙Ｐに二
次印刷が行われる。

【００４２】“両面同色”で“両面違う原稿”を選択し
た場合は、前記工程と同様の制御により、一次印刷を行
い、両面用排紙台２９と分配爪２７を同様に駆動する。
その後、読み込み処理部７５と、排版処理部７７と、製
版処理部７６を駆動し、新たな原稿の読み込み、使用済
みの版の廃棄、新たに読み込んだ原稿に基づく製版処理
を行う。その後に、両面用排紙台２９上にある一次印刷
されたｘ枚の印刷用紙Ｐを、二次印刷させれば両面同色
で両面違う原稿による両面印刷が可能になる。

【００４３】“両面違う色”で“両面同じ原稿”を選択
した場合は、最初に孔版印刷用原紙Ｓを製版した際に、
原稿情報を制御手段５１のＲＡＭ５５に保存しておく。
次に、前記工程と同じ制御を行う。ただし上記工程にお
ける新たな原稿の読み込みは行わない。一次印刷が終了
したら、装置の使用者に印刷ドラム３を交換するように
表示部７１を介して指示する。その後、操作者が印刷ド
ラム３を希望の色彩のインクの印刷ドラム３に交換した
のを確認して、ＲＯＭ５５に保存した原稿情報を用い
て、先に製版した画像データと同じ画像データを孔版印
刷用原紙Ｓに製版する。そして以後同様に二次印刷を行
う。

【００４４】“両面違う色”で“両面違う原稿”を選択
した場合は、前記工程中の印刷ドラム３の交換の後に、
新たな原稿の読み込み処理を行い、新たな原稿が孔版印
刷用原紙Ｓに穿孔された孔版印刷用原紙Ｓを、交換され
た印刷ドラム３に巻き付け、ｘ枚の二次印刷を行う。

【００４５】本例によれば、両面印刷又は片面印刷、両
面同色印刷又は両面異色印刷、両面同原稿印刷又は両面
異原稿印刷をそれぞれ自由に選択することができ、一次
印刷された印刷用紙Ｐを操作者が手で扱うことなく自動
的に二次印刷に供することができ高い効率で両面印刷を
行える。

【００４６】以上説明した実施の形態では、刷版として
孔版印刷用原紙を用いた孔版印刷装置を例示したが、本
発明の両面印刷装置は孔版印刷以外の他の原理の印刷装
置にも適用できる。

【００４７】本例の両面印刷装置によれば、一次印刷さ
れた印刷用紙を受け入れる排紙部が上下二位置の間で揺
動可能であり、上方の位置で受け入れた一次印刷済みの
印刷用紙を、下方の位置で用紙の未印刷面である下面に
作用する給紙手段によって用紙反転手段に送りだすこと
ができる。このような可動部分の少ない簡単な構造の装
置によれば、製造コストも維持コストも小さく、きわめ
て実用的である。

【００４８】

【発明の効果】本発明によれば、印刷用紙を給紙手段に
配置して印刷を開始するだけで自動的に印刷用紙の両面
に印刷することができる。印刷装置の使用者が一度排出
された印刷用紙を揃え直して再び給紙手段に配置する必
要が無い。このため、従来の印刷装置を使用した印刷よ
りも高い効率で両面印刷が行える。

【００４９】また、片面の印刷が終了した時点で、印刷
処理を一次中断させ、印刷ドラムの交換や新規原稿の製
版を行うことにより、両面別原稿の印刷や、両面別色の
印刷が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の第１の形態を示す断面図であ
る。

【図２】本発明の実施の第１の形態における制御手段の
構成を示すブロック図である。

【図３】本発明の実施の第１の形態における制御手段の
制御手順を示す流れ図である。

【図４】従来の孔版印刷装置の一般的な構成を示す図で
ある。

【符号の説明】

１ 両面印刷装置 ３ 印刷ドラム ６ インク供給手段 １１ 製版手段 １６ 排版手段 １９ 第１の給紙手段 ２３ 押圧手段としてのプレスローラ ２６ 再転移防止機構 ２７ 振り分け手段としての分配爪 ２８ 排紙部としての排紙台 ２９ 両面用排紙部としての両面用排紙台 ３１ 第２の給紙手段としての給紙ローラ ３２ 用紙反転手段 ５１ 制御手段 ５２ ＣＰＵ ５３ Ｉ／Ｏインターフェース ５４ ＲＯＭ ５５ ＲＡＭ ６１ 印刷選択信号 ６２ 印刷色選択信号 ６３ 印刷原稿選択信号 ７１ 表示部 ７２ 分配爪駆動部 ７３ 両面用排紙台駆動部 ７４ 印刷モータ駆動部 ７５ 読み込み処理部 ７６ 製版処理部 ７７ 排版処理部

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インク通過性を有する周壁の外周面に刷
   版が設けられ、自身の中心軸線の周りに回転する印刷ド
   ラムと、 印刷用紙を前記印刷ドラムに供給する第１の給紙手段
   と、 印刷インクを前記印刷ドラムの周壁の内周面に供給する
   インク供給手段と、 前記印刷ドラムの下方に設けられ、前記給紙手段によっ
   て供給された印刷用紙を前記印刷用ドラムに押し付けて
   印刷用紙の上面に印刷を施す押圧手段と、 印刷が完了した印刷用紙を受け入れる排紙部と、 前記印刷ドラムに近い一端部側が上下方向に揺動可能と
   なるように他端部側が軸支され、上面への印刷が完了し
   た両面印刷されるべき印刷用紙を一端部側が上方位置に
   設定された状態において受け入れて積載する両面用排紙
   部と、 前記印刷ドラムと前記押圧手段の間から排出された印刷
   用紙を、前記排紙部又は前記両面用排紙部に選択的に振
   り分ける振り分け手段と、 前記両面用排紙部の下方の所定位置に設けられ、両面用
   排紙部の一端部側が下方位置に設定された状態において
   両面用排紙部に積載されている印刷用紙の最下位の印刷
   用紙の下面に作用し、該印刷用紙を一枚づつ両面用排紙
   部の外に送りだす第２の給紙手段と、 前記第２の給紙手段が送りだした印刷用紙を反転させて
   前記印刷ドラムと前記押圧手段との間に送りだす用紙反
   転手段と、 を具備する両面印刷装置。
2. 【請求項２】 前記印刷ドラム及び前記押圧手段と、前
   記振り分け手段との間に、印刷された印刷用紙上の印刷
   インクが他に転移することを防止する再転移防止機構を
   設けたことを特徴とする請求項１記載の両面印刷装置。
3. 【請求項３】 両面印刷又は片面印刷を選択する印刷選
   択信号が外部から入力され、前記印刷選択信号によって
   両面印刷が選択された場合には、前記振り分け手段を前
   記両面用排紙部の側に切り換えるとともに前記両面用排
   紙部を上方位置に設定し、次に外部から指示された枚数
   の印刷用紙の一方の面に一次印刷を行い、次に前記振り
   分け手段を前記排紙部の側に切り換えるとともに前記両
   面用排紙部を下方位置に設定し、次に前記第２の給紙手
   段によって前記両面用排紙部の印刷用紙を前記反転手段
   に送り出して印刷用紙の他方の面に二次印刷を行い、前
   記印刷選択信号によって片面印刷が選択された場合に
   は、前記振り分け手段を前記排紙部の側に切り換えると
   ともに外部から指示された枚数の印刷用紙の一方の面に
   一次印刷を行うように制御を行う制御手段を具備する請
   求項１記載の両面印刷装置。
4. 【請求項４】 前記印刷ドラムが印刷色に応じて交換可
   能であり、 前記制御手段には、両面印刷を選択する印刷選択信号が
   入力された後に、両面同色印刷又は両面別色印刷を選択
   する印刷色選択信号が外部から入力され、前記印刷色選
   択信号によって両面別色印刷が選択された場合には、前
   記一次印刷の後に印刷ドラムを印刷色の異なる他の印刷
   ドラムに交換した場合にのみ前記二次印刷を行うように
   前記制御手段が制御を行うことを特徴とする請求項３記
   載の両面印刷装置。
5. 【請求項５】 所望の原稿の刷版を作成する製版手段
   と、前記印刷ドラムから刷版を除去する排版手段とを有
   しており、 前記制御手段には、両面印刷を選択する印刷選択信号が
   入力された後に、両面同原稿印刷又は両面別原稿印刷を
   選択する印刷原稿選択信号が外部から入力され、前記印
   刷原稿選択信号によって両面別原稿印刷が選択された場
   合には、前記一次印刷の後に前記排版手段が印刷ドラム
   から刷版を除去するとともに前記製版手段が新たな刷版
   を作成して印刷ドラムに設けた場合にのみ前記二次印刷
   を行うように前記制御手段が制御を行うことを特徴とす
   る請求項３記載の両面印刷装置。
6. 【請求項６】 前記印刷ドラムが印刷色に応じて交換可
   能であり、所望の原稿の刷版を作成する製版手段と、前
   記印刷ドラムから刷版を除去する排版手段とを有してお
   り、 前記制御手段には、両面印刷を選択する印刷選択信号が
   入力された後に、両面同色印刷又は両面別色印刷を選択
   する印刷色選択信号と、両面同原稿印刷又は両面別原稿
   印刷を選択する印刷原稿選択信号が外部から入力され、 前記印刷色選択信号によって両面別色印刷が選択され、
   かつ前記印刷原稿選択信号によって両面別原稿印刷が選
   択された場合には、 前記一次印刷の後に印刷ドラムが印刷色の異なる他の印
   刷ドラムに交換され、次に前記製版手段が作成した新た
   な刷版が前記印刷ドラムに設けられ、次に前記二次印刷
   を行うように前記制御手段が制御を行うことを特徴とす
   る請求項３記載の両面印刷装置。