JPH09201502A - 水溶性クーラント液の浄化装置 - Google Patents

水溶性クーラント液の浄化装置

Info

Publication number
JPH09201502A
JPH09201502A JP3313696A JP3313696A JPH09201502A JP H09201502 A JPH09201502 A JP H09201502A JP 3313696 A JP3313696 A JP 3313696A JP 3313696 A JP3313696 A JP 3313696A JP H09201502 A JPH09201502 A JP H09201502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
soluble coolant
oil
filter
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3313696A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Tezuka
悟 手塚
Kiyoshi Miyaji
清 宮地
Kazuyoshi Shinkawa
和良 新川
Makoto Hasegawa
誠 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
O S G KK
OSG Mfg Co
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
O S G KK
OSG Mfg Co
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by O S G KK, OSG Mfg Co, Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical O S G KK
Priority to JP3313696A priority Critical patent/JPH09201502A/ja
Publication of JPH09201502A publication Critical patent/JPH09201502A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 工作機械等において循環使用される切屑、研
磨屑、鉱物油および異物等が混入している水溶性クーラ
ント液からそれら混入物を迅速に、且つ確実に取り除
き、さらに、水溶性クーラント液中のバクテリアの繁殖
を防止することにより水溶性クーラント液の腐敗やこれ
による悪臭の発生を防止し得る水溶性クーラントの浄化
装置を提供する。 【解決手段】 水溶性クーラント液をそれに混入する切
り屑、油質分等と共に吸引するノズル、切り屑等を回収
する袋状のフィルター、および切り屑を取り除いた水溶
性クーラントから油を分離する粗粒化エレメントからな
る水溶性クーラント液の浄化装置、およびノズル、袋状
フィルター、および粗粒化エレメントが車輪付フレーム
上に配置されて可動式となっており、さらに、粗粒化エ
レメントが、単繊維直径0.1〜30μmの繊維を主体
とし、繊維充填率が10〜70%であり、且つ主体とす
る繊維が3次元的に絡み合っている繊維シートからなる
水溶性クーラントの浄化装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械等に用い
られる水溶性クーラント液の浄化装置に関し、特に水溶
性クーラント液中に混入する切り屑等の加工スラッジ、
潤滑油等の機械慴動面からの混入物を除去するための水
溶性クーラント液の浄化装置に関する。
【0002】
【従来技術】金属の切削、研磨加工機、或いは圧延、伸
線、プレス加工機等の工作機械における洗浄、潤滑、冷
却等のために近時、水を主体としこれに油脂分を微細コ
ロイド粒子として分散浮遊させ、さらに長期にわたり安
定な分散状態を確保し、潤滑、冷却或いは洗浄等の効果
を高めるための界面活性剤、その他の添加剤を混入した
水溶性乳化液(以下「水溶性クーラント液」という。)
が多々用いられており、それらは貯留槽を介して循環使
用している。
【0003】しかるに、工作機械の慴動面は自給油潤滑
であるため切り屑、研磨屑等と共に鉱物油等の潤滑油が
必然に混入し、また、異物等が混入する場合があり、そ
れらにより水溶性クーラント液の性能が劣化したり、或
いは高温時にはバクテリア等が繁殖して悪臭を発生する
と共に水溶性クーラント液の寿命を短くしたり、品質が
低下したりして、機械加工の精度に悪影響が生じ、問題
となっていた。従来、静置タンクを用いた油水分離装置
で水溶性クーラント液の浄化装置があるが、水溶性クー
ラント液が静置分離槽で滞留するため静置分離槽でバク
テリアが発生し、水溶性クーラント液の寿命延長にたい
して効果がなかった。
【0004】また、オイルスキマーによる油の回収で
は、処理流量が少ないこと、クーラントタンクの傾き等
により油の回収が十分でない、ゴミ取りフィルターのみ
による浄化では、油の回収ができず腐敗の防止ができ
ず、特開昭61−257212号公報、特開昭63−1
56508号公報に開示された粗粒化エレメント、油水
分離フィルターによるものでは、油によるフィルターの
圧損上昇、微細ゴミのよるフィルターの閉塞等があり、
エレメントの寿命が短く、工業上の利用が困難であっ
た。
【0005】さらに、従来の油液分離装置としては、合
成繊維や合成ゴムなどの織布よりなる回転ベルトに油質
分、浮遊物等を付着させ除去するベルト式油除去装置が
あったが、油よりも水溶液の付着量が多く分離効率が悪
く、またベルトを圧縮機でしぼるため破損したり、油が
老化する欠点があった。また、回転する円板の側面に油
質分、浮遊物等を付着させ除去する回転円板式油除去装
置も開発されたが、接触面積が小さく、回転速度に制約
がある為分離能力や効率が悪いという欠点があった。さ
らに、磁気清浄機、遠心分離機、自然沈降法等の手段を
用いた水溶性クーラント液の浄化装置もあるが、いずれ
もクーラント液の浄化に対する要求を十分に満足させる
ものでなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工作機械等
において循環使用される切屑、研磨屑、鉱物油および異
物等が混入している水溶性クーラント液からそれら混入
物を迅速に、且つ確実に取り除くことを主目的とし、さ
らに、水溶性クーラント液中のバクテリアの繁殖を防止
することにより水溶性クーラント液の腐敗やこれによる
悪臭の発生を防止し得る水溶性クーラントの浄化装置を
提供するものであり、該装置を使用することにより水溶
性クーラント液の組成を常に一定に保ち洗浄性等本来の
性状を維持し寿命を大幅に延長させることで長期間の使
用を可能とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の浄化装置は、水
溶性クーラント液をそれに混入する切り屑、油質分等と
共に吸引するノズル、切り屑等を回収する袋状のフィル
ター、及び切り屑を取り除いた水溶性クーラントから油
質分を分離する粗粒化エレメントからなる水溶性クーラ
ント液の浄化装置であり、また、ノズル、袋状フィルタ
ー、及び粗粒化エレメントが車輪付フレーム上に配置さ
せ可動式としたことを特徴とする前記の水溶性クーラン
トの浄化装置であり、さらに、粗粒化エレメントが、単
繊維直径0.1〜30μmの繊維を主体とし、繊維充填
率が10〜70%であり、且つ主体とする繊維が3次元
的に絡み合っている繊維シートからなることを特徴とす
る前記の水溶性クーラントの浄化装置である。
【0008】以下に図示する実施例に基づいて本発明を
詳細に説明する。図1は、本発明の水溶性クーラントの
浄化装置の一実施例を概略的に示したものであり、
(1)は水溶性クーラント液貯留タンク(16)から水
溶性クーラントを混入する切り屑等のスラッジ、及び、
油等と共に水溶性クーラントを吸引するノズルである。
【0009】ノズル(1)は、水溶性クーラント液等を
吸引する吸引口を有し手動操作可能な把手部分を有し、
吸引液を袋状のフィルター(4)を備えたスラッジ分離
脱水機(2)へ該吸引液を搬送するホース(15)に接
続されており、吸引口は貯留タンクの底部分に沈殿した
スラッジ及び液面に広がった油質分を吸引し易いように
T字型間隙でもI字型間隙でもよくその形状は限定され
ず、またその吸引力はパイプ(9)を通しエジェクター
等を介して圧入する高圧空気により発生さたものでも電
動ポンプ等を用いて発生させたものでもよく特に限定さ
れないが、電源が不要でありエアー接続するだけで操作
できることから高圧空気を用いるのが好ましい。該ノズ
ル(1)の操作は基本的には家庭用の電気掃除機を操作
する感覚であり、汚れ部分を重点的に吸引することによ
り操作効率が格段に向上する。
【0010】ホース(15)のより搬送された吸引液
は、入口バルブ(17)を介して袋状のフィルター
(4)を備えたスラッジ分離脱水機(2)へ送入され
る。スラッジ分離脱水機(2)は、開閉可能な蓋(1
4)を有し、頂部にエアー抜バルブ(13)を、底部に
スラッジを分離除去したクーラント液を搬出するパイプ
を、装置内部に袋状のフィルター(4)を備えたもので
ある。
【0011】吸引力を付与するために搬入された空気
は、エアー抜バルブ(13)より抜かれ、切屑、研磨
屑、異物等からなるスラッジ類は袋状のフィルター
(4)により補捉除去される。スラッジや微細なゴミ等
がの除去されたクーラント液は、パイプを通って油質分
を分離するための粗粒化エレメント(5)を備えた油水
分離機(3)に搬送される。
【0012】スラッジ分離脱水機(2)と油水分離機
(3)の間には、必要によりクーラントを一時貯蔵する
中継タンク(7)や更に微細なゴミ等を分離するプレフ
ィルター(10)を設けてもよい。その場合には、スラ
ッジ分離脱水機(2)の直後に高圧空気で作動するエア
ードポンプ(6)を設けてその吸引力によりスラッジ分
離脱水機の脱水機能を向上させ、且つ中継タンクへの搬
送を確実にし、またクーラント液の中継タンクからの搬
出にカスケードポンプ(8)を設けることが好ましく、
さらにプレフィルターは袋状のフィルターで除去されな
かった微細な固形物等を除去して油水分離機のエレメン
トの閉塞を防止するものであり、これら中級タンク、プ
レフィルター及びポンプ等は図1に示すものに限定され
るものではなく、従来公知のものを使用することができ
る。
【0013】油水分離機(3)は、水溶性クーラント液
から油質分を分離する粗粒化エレメント(5)を備え、
上部に比重分離した油質分の排出口(19)、及び底部
に油質分を分離して洗浄処理された水溶性クーラント液
の排出口(18)を有している。
【0014】粗粒化エレメント(5)については後記で
更に詳細に説明するが、極細繊維膜を有しているフィル
ターを備えており、水溶性クーラント液中にミクロンオ
ーダーで微小に分散している油質分を極細繊維構造によ
り補捉し、凝集し、粗大化することにより、比重差によ
り分離可能とし、瞬時に完全に二層系に分離するもので
あり、その概略図を図2に示す。図2中の(A)図は微
小油滴の補捉状況を、(B)図は微小油滴の凝集・粗大
化状況を、(C)図は粗大化油滴の離脱状況を、示した
概略図である。
【0015】比重差により二層に分離された系の上層
は、上部の油質分の排出口よりパイプを通して排出され
油回収タンク(20)に回収され、下層の水溶性クーラ
ント液は排出口(18)からパイプを通して貯留槽(1
6)に搬送され、再度利用される。以上述べた水溶性ク
ーラントの浄化装置は、特定箇所に設置し、ノズルに設
けたホース(15)伸ばすことにより複数箇所の貯留槽
(16)からの吸引を行ってもよいがホースを伸ばすこ
とにより圧力損失が生じ好ましくなく、これら構成部材
を車輪(12)付フレーム(11)上に配置することに
より移動可能な可動式とするのが好ましい。
【0016】袋状フィルター 本発明における袋状フィルターは、繊維シート等からな
る袋状物であり、スラッジや微細なゴミを補捉し得る孔
径を備えた1〜40l容量、好ましくは5〜30l容量
の袋状物である。容量が1lに満たないとすぐに満杯と
なり交換頻度が高くなり効率的でなく、また40lを超
えては取り扱いが困難であり、スラッジ分離脱水機
(2)が大型化してしまい好ましくない。
【0017】孔径は、好ましくは5〜200mm、更に
好ましくは20〜100mmの範囲であり、5mm未満
では通過する流量が小さく効率的でなく、200mmを
超えると微細なゴミが多くなり油質分を分離する粗粒化
エレメント(5)を閉塞し好ましくはない。繊維シート
の厚みは、0.1mm〜100mm、好ましくは0.5
mm〜50mmの範囲であり、0.1mmに満たないと
強度が不足し微細なゴミが補捉できず、また100mm
を超えると流量が小さく効率的でなく好ましくはない。
【0018】本発明の袋状フィルターにおける繊維状シ
ートは、織布、編布、不織布、マット状、シート状、フ
ェルト状のいずれでもよいが、構成する繊維が単繊維状
にランダムに分散している不織布の形態がフィルター性
能を著しく高めるので更に望ましい。繊維状シートを得
る方法としてはメルトブロー法、抄造法などが挙げられ
る。
【0019】繊維状シートを構成する繊維の種類は何ら
限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンテ
レフタレート・イソフタレート、ポリエチレンテレフタ
レート・セバケート、ポリエチレンテレフタレート・ド
デカンジオエート、ポリブチレンテレフタレートなどの
ポリエステル繊維、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポ
リヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンヘキ
サミド、ポリカプラミド、ポリオクタミド、ポリデカミ
ド、ポリテトラミドなどのポリアミド繊維、ポリアミド
・イミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリパラオキシ
ベンゾエートなどのポリエステルエーテル繊維、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリテトラフルオロエチレンなどのハロゲン含有樹
脂繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレ
フィン繊維、各種アクリル繊維、ポリビニルアルコール
系繊維、再生セルロース、アセテート、木綿、麻、絹、
羊毛などの天然繊維等が挙げられる。また、ポリフェニ
レンサルファイド(共)重合体を主体とする樹脂、ポリ
チオエーテルケトン、ポリチオエーテルスルホンなどの
芳香族ポリサルファイド(共)重合体、ガラス、炭素な
どの無機繊維等をもちいて耐熱性や耐薬品性に優れた袋
状フィルターをつくることができる。
【0020】粗粒化エレメント 本発明における粗粒化エレメントとしては、極細繊維シ
ート等を有するフィルターを備えて、水溶性クーラント
濾過する際に、液中にミクロンオーダーで微小に分散し
ている油質分を極細繊維構造により補捉し、凝集し、粗
大化し、さらに比重差により瞬時に完全に二層系に分離
するものであれば特に限定されないが、単繊維直径0.
1〜30μmの繊維を主体とし、繊維充填率が10〜7
0%の範囲であり、且つ主体とする繊維が3次元的に絡
み合っている繊維シートからなる粗粒化エレメントが好
ましくい。
【0021】該繊維シートを構成する繊維の単繊維直径
は0.1〜30μmの範囲のものを主体としているのが
望ましい。単繊維直径が30μmを超えると、極微細
(0.1〜1μm)な油滴を繊維シート内で補捉して破
壊することができないため、充分な粗粒化性能が得られ
ず、一方、0.1μm未満の繊維は工業上均一に生産す
ることが困難である。更に好ましくは0.3〜15μm
の範囲である。
【0022】本発明の粗粒化エレメントにおける繊維シ
ートの繊維充填率は、10〜70%の範囲が望ましい。
繊維充填率は下記式(1)で定義される。
【式1】
【0023】繊維充填率が小さ過ぎると極微細な油滴が
繊維シートに補捉されずに透過してまうため、粗粒化性
能が低くなり、更に繊維シートのへたりによって繊維充
填率が増大し、液透過性が初めと終わりで大きく変化す
るので好ましくない。また、大き過ぎると工業的に使用
可能な液透過性が得られない。繊維充填率の更に望まし
いのは20〜60%の範囲である。
【0024】本発明における粗粒化エレメントを構成す
る極細繊維シートとしては、前記の袋状フィルターの項
で述べたと同様な織布、編布、不織布、マット状、シー
ト状、フェルト状のいずれかの繊維シートが好ましく用
いられ、また極細繊維シートを構成する極細繊維の種類
も前記の袋状フィルターの項で述べたと同様な種類の繊
維が好ましく用いられる。本発明でいう「主体とする繊
維が3次元的に絡み合っている」とは、上記繊維シート
を単数枚、または、好ましくは2枚以上の複数枚積層し
たものを3次元的に交絡させたものであり、予めそれぞ
れ別々に製造された繊維シートを積層させて再度3次元
的に交絡処理を行うことによって一体に結合することが
できる。
【0025】繊維シートを3次元的に交絡させる方法と
しては、柱状流(一定の寸法にて配列された小径オリフ
ィスから噴射された高圧力、高速度の液体柱群を意味す
る)などの高速流体流を利用する方法、ニードルパンチ
などの機械力を利用する方法など、既に公知の方法のい
ずれかの方法が用いられるが、交絡数を多くすることが
できる柱状流などの流体交絡方法を用いることが最も好
ましい。ここでいう流体とは、液体あるいは気体である
が、取扱い易さ、コスト、流体としての衝突エネルギー
の大きさなどの点から液体、特に水を用いることが最も
好ましい。
【0026】上記の方法により孔径の同じかまたは異な
る繊維シートを一体化させることができ、プリーツ枚数
を少なくできるだけでなく、撥水化処理とうの加工費用
の削減を図ることができる。また、このようにして得ら
れた繊維交絡繊維シートは、積層面の近傍において両層
シートがほぼ均一に混ざり合い、しかも表裏面において
は元のシートの繊維の組成をほとんど保っているので、
元の繊維シートの孔径は変化させずに、単にシートを積
層させたものよりも長寿命のフィルターを提供すること
が可能となる。特に、孔径の異なる繊維シート、例え
ば、30μmと7μmのシートを一体化させてできたフ
ィルターは、積層面の近傍で両層シートが均一に混ざり
合って厚み方向に孔径が粗から密に連続した分布を持つ
ので単にシートを積層させたものよりもはるかに長い寿
命を実現する。なお、ここでいう孔径とは、ラテックス
球のような大きさの均一な粒子を水中に分散させた液を
フィルターに通した場合に、フィルターが99%以上補
捉することができる粒子径のことである。必要に応じて
適した孔径の繊維シートを組み合わせて、または通常の
目の粗いシートと組合わせて繊維交絡フィルターをつく
ることができ、更に、それらの繊維交絡フィルターを組
合わせて積層したり、または繊維交絡フィルターを単独
の繊維シートを組合わせて積層してもよい。
【0027】次に、フィルターを本発明の水溶性クーラ
ント液の洗浄用に用いるには、必要により撥水化処理が
施される。この撥水化処理が施されたフィルターは、粗
粒化型フィルターとして用いることができ、水中に微小
な油滴が分散した系を処理する際に好適に使用される。
なお、用いる繊維の種類によっては、これらの撥水化処
理等の加工処理を行わない場合もある。
【0028】繊維表面を撥水化処理する具体的な例とし
ては、ジメチルポリシロキサン等のシリコン化合物、パ
ーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物、2−エチ
ルヘキシルジルコネート等のジルコニウム含有化合物、
ステアリン酸クロリド化合物、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等の炭化水素化合物を用いて繊維表面を改質すろ
方法等が挙げられる。
【0029】繊維シートまたは繊維交絡フィルターの形
態は何ら限定されるものではなく、平膜状、円筒状、細
管状、スパイラル状、プリーツ状等の任意の形態で用い
ることができるが、処理効率の面からはプリーツ状の形
態で用いるのが好ましい。また、液体透過方式、重力に
よる透過方式、および一定流量を送液して透過させる方
法等がなんら限定されないが、一定流量を送液して透過
させる方法が特に好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により、さ
らに詳細に説明する。 (実施例)図1に示す水溶性クーラント液の浄化装置を
用いて、図3に示す様なアルミ製被加工部品を切削加工
における水溶性クーラントタンク内の水溶性クーラント
を浄化した。浄化対象となる水溶性クーラント液には、
アルミの切削加工屑、塵等のゴミが、また加工機摺動部
の潤滑油等が混入していた。水溶性クーラント液には、
MC−50(ユシロ化学社製:商品名)を30倍に希釈
して用いた。
【0031】使用した浄化装置には、以下に示す濾過布
を用いた袋状フィルターと、油水分離フィルターとを配
置した。 濾過布:4デニールのポリエステル長繊維を用いて、
スパンボンド法により作製された不織布シートであっ
て、該不織布シートの目付量は70g/mである。 油水分離フィルター:6デニール、繊維長30mmの
ナイロン綿状物にニードルパンチ加工を施して作製した
不織布シートであり、その目付量は300g/mであ
る。以上の水溶性クーラント液浄化装置を運転して、1
週間後、2週間後及び1ヵ月後のタンク内のクーラント
の浮遊物質量、および油分濃度を測定し、バクテリアの
発生の有無を目視により調べた。測定方法は、JIS
K0102に準拠して行った。結果を表1に示す。
【0032】(比較例)実施例における水溶性クーラン
ト液の浄化装置に代え、図3に示すが如き加工屑除去用
カゴ型メッシュフィルター(10メッシュ)と、浮遊油
物質除去用ベルト式オウルスキマーを使用した以外は実
施例と同様に運転し、その際のクーラント液の性状を実
施例と同様に測定し、その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】比較例では浮遊物質及び油の除去に関し
て、ある程度の効果はあるが、油の除去が不十分である
ため運転後約2週間でバクテリアが発生し、液の交換が
必要となった。また微細な加工屑が加工機の刃具を痛め
交換が必要となった。それに対して、本発明による浄化
装置では、水溶性クーラント液中の油分濃度を一定に保
ち、1ヵ月運転後もバクテリアの発生による水溶性クー
ラント液の腐敗はみられず、また、濾布により微細な加
工屑をも回収するため刃具の寿命延長、及び回収したア
ルミ加工屑の再利用等の経済効果も得られた。
【0035】
【発明の効果】本発明の水溶性クーラント液の洗浄装置
は、吸引ノズルを手動操作することで加工屑等のスラッ
ジ、浮上油、分散油等が効率よく吸入できるため、加工
屑等のスラッジの回収、混入油質分の除去が効率よく行
え、また粗粒化エレメントに油水分離フィルターを用い
ることで水溶性クーラント液中から油質分を除去するこ
とができ浄化後は再浮上する油質分が無くなり、更に可
動式装置であるため小型クーラント槽を数台まとめて管
理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水溶性クーラントの浄化装置の概略図
である。
【図2】極細繊維シートにより水溶性クーラント液中の
油滴が補捉され、凝集・粗大化し、離脱するのを示す概
略図である。
【図3】従来のカゴ型メッシュフィルターとベルト式オ
イルスキマーによる浄化の概略図である。
【符号の説明】 1 : 吸引ノズル 2 : スラッジ分離脱水機 3 : 油水分離機 4 : 袋状フィルター 5 : 粗粒化エレメント 6 : エアードポンプ 7 : 中級タンク 8 : カスケードポンプ 9 : 高圧空気搬送パイプ 10: プレフィルター 11: フレーム 13: エアー抜バルブ 14: 蓋 15: 吸引水溶性クーラント搬送ホース 16: 貯留槽 17: 入口バルブ 18: 洗浄水溶性クーラント流出口 19: 油質分出口 20: 油回収タンク 21: 洗浄水溶性クーラント搬送パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新川 和良 愛知県新城市吉川字殿貝津38番地 (72)発明者 長谷川 誠 愛知県豊橋市井原町16番地の1

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性クーラント液をそれに混入する切
    り屑、油質分等と共に吸引するノズル、切り屑等を回収
    する袋状のフィルター、および切り屑を取り除いた水溶
    性クーラントから油を分離する粗粒化エレメントからな
    ることを特徴とする水溶性クーラント液の浄化装置。
  2. 【請求項2】 ノズル、袋状フィルター、および粗粒化
    エレメントが車輪付フレーム上に配置されて可動式とな
    っていることを特徴とする請求項1記載の水溶性クーラ
    ントの浄化装置。
  3. 【請求項3】 粗粒化エレメントが、単繊維直径0.1
    〜30μmの繊維を主体とし、繊維充填率が10〜70
    %であり、且つ主体とする繊維が3次元的に絡み合って
    いる繊維シートからなることを特徴とする請求項1また
    は2記載の水溶性クーラントの浄化装置。
JP3313696A 1996-01-29 1996-01-29 水溶性クーラント液の浄化装置 Withdrawn JPH09201502A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3313696A JPH09201502A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 水溶性クーラント液の浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3313696A JPH09201502A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 水溶性クーラント液の浄化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09201502A true JPH09201502A (ja) 1997-08-05

Family

ID=12378191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3313696A Withdrawn JPH09201502A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 水溶性クーラント液の浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09201502A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000000401A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Agency Of Ind Science & Technol 撥水処理をした油水分離フィルターとその製造方法
JP2000000402A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Agency Of Ind Science & Technol 油水分離フィルターとその製造方法
US8211304B1 (en) 2007-01-13 2012-07-03 Jk Industries, Llc Coolant filtration system and method for metal working machines
JP2013520306A (ja) * 2010-02-26 2013-06-06 ベコー テヒノロギース ゲーエムベーハー 油水分離装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000000401A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Agency Of Ind Science & Technol 撥水処理をした油水分離フィルターとその製造方法
JP2000000402A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Agency Of Ind Science & Technol 油水分離フィルターとその製造方法
JP4572281B2 (ja) * 1998-06-15 2010-11-04 独立行政法人産業技術総合研究所 撥水処理をした油水分離フィルターとその製造方法
US8211304B1 (en) 2007-01-13 2012-07-03 Jk Industries, Llc Coolant filtration system and method for metal working machines
JP2013520306A (ja) * 2010-02-26 2013-06-06 ベコー テヒノロギース ゲーエムベーハー 油水分離装置
KR101510933B1 (ko) * 2010-02-26 2015-04-10 베코 테크놀로지스 게엠베하 오일/물 여과 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5593344B2 (ja) エンジン用燃料のろ過方法
JP5619723B2 (ja) 塵集積容量が向上しかつ高湿度環境に対する抵抗性が向上した空気濾過媒体
KR102208134B1 (ko) 유합 필터
KR101962186B1 (ko) 초미세먼지 제거용 공조시스템의 여과포 세척장치 및 여과포 세척방법
JP5696919B2 (ja) ナノウェブとスクリムの耐久性積層物
RU2737910C2 (ru) Фильтрующие материалы, элементы и способы
US7981177B2 (en) Filtration media having a slit-film layer
WO2004041408A1 (en) High capacity hybrid multi-layer automotive air filter
EP2539037A1 (en) Method and apparatus for cleaning filters
WO2008035551A1 (fr) Dispositif de nettoyage de liquide de refroidissement pour machine-outil
JP4240566B2 (ja) クーラント浄化システム
JP2010179262A (ja) 濾過器
JP2014184398A (ja) 油水分離フィルタ、これを用いた油水分離方法及び油水分離装置
JPWO2003060216A1 (ja) エレクトレット体の製造方法及び製造装置
JP2021112739A (ja) 不純物除去装置
JPH09201502A (ja) 水溶性クーラント液の浄化装置
CN201085977Y (zh) 超微粉尘过滤装置
JP2002001027A (ja) 多層集塵フィルター
JP2014213304A (ja) 除塵及びガス除去用集塵装置
JP2819251B2 (ja) 気液分離方法、気液分離装置、粉塵除去方法及びその装置
CN1791347A (zh) 用于去除来自一个分离室的微粒的装置
JP3421846B2 (ja) コンクリート又は石材のスラッジを含む懸濁液の濾過方法
JPWO2019194244A1 (ja) フィルタ材
JP2004174434A (ja) スラッジ回収瀘布及びそれを用いた脱水瀘過装置
JP2006239563A (ja) 異物連続除去装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030401