JP2021112739A - 不純物除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】固形不純物および油性不純物を含む水性液の再生処理と、濾過材再生とを並行して行うこと。【解決手段】固形不純物および油性不純物を含む水性液を濾紙200に付着するよう減圧濾過する濾過タンクユニット10と、固形不純物を濾紙200から取り除くスラッジタンクユニット20と、油性不純物を含む水性液を親水撥油フィルタ41により分離除去する二相分離ユニット40と、スラッジタンクユニット20を通過した濾過材200を、内部が減圧となる回転ドラムの外周に沿って連続走行させ固形不純物および油性不純物を含まない水性液により減圧逆洗浄する逆洗浄タンクユニット30と、逆洗浄タンクユニット30で濾紙200を通過した水性液を受け入れ逆洗浄タンクユニット30に循環させるチャンバーユニット70と、原反ロールから繰り出す濾紙200をタンクユニット10、20、30の順に連続走行させる濾過材走行手段とを備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、水性液から固形不純物と油性不純物を除去することができる不純物除去装置に関する。
砥石を使って鋼材を削る研削盤などの研削用工作機械による研削加工においては、工作物の被加工面に焼付・変色が生じることが無いようにするためのクーラント液が供給される。研削加工後のクーラント液は、研削屑である切粉、砥石から剥離した砥粒(以下、これらをスラッジと総称する)などの固形分、および潤滑油や防錆油などの不純油を含んでいる。クーラント液を使い続けると、研削精度の低下、ひいては工作物の加工品質の低下を惹き起こす。
そこで、研削用工作機械には、クーラント液に含まれるスラッジなどの固形分を分離・除去するためのスラッジ除去設備や、不純油を除去するための油水分離設備が併設される。
以下の特許文献1−5の説明で使用する符号は、各特許文献中で使用している符号である。
特許文献1に示される切削液の濾過装置は、濾過タンク(タンク本体)1と、濾過タンク1内を仕切板4で区画されかつ底部同士が連通する右方の狭い流入部2並びに左方の広い濾過部3と、濾過部3の底部からタンク左側壁部に沿って設けられた無端走行する無端な排出コンベア14と、排出コンベア14上に配設された複数のバツフルプレート(傾斜板)12と、バツフルプレート12の上側に設けられ無端走行する無端なスクリーンベルト濾材27と、スクリーンベルト濾材27の下側走行部分と上側走行部分との間に設けられた溢流口9とを有する。
この濾過装置によれば、被処理液を、流入部2より濾過部3に流入させ、複数のバツフルプレート12により形成される傾斜空間を整流となって上昇させ、この過程で被処理液中の粗粒度の切削屑を沈降(一次分離)し、この切削屑をバツフルプレート12上を滑落し、濾過タンク1内底面から左側面部に沿って設けられた無端走行する排出コンベア14上に受け止められ折返し部14aに搬送されスクレーパ15で掻落されスラツジボツクス16内に回収する。
さらに、この濾過装置によれば、バツフルプレート12を通過した被処理液をスクリーンベルト濾材27の下側走行部分を通過させ、この際に微細粒度の切削屑をスクリーンベルト濾材27で捕捉(二次分離)し、浄化した被処理液を排出口9よりオーバーフローさせる。濾過を繰り返すと、スクリーンベルト濾材27のメッシュ孔に微細粒度の切削屑が詰まりフィルタ精度が低下するので、切削屑を取り除くため、非濾過時にブラシローラ40でスクリーンベルト濾材27をブラッシングするとともに、逆洗ノズル39でスクリーンベルト濾材27の裏面に浄化液を噴射する。
特許文献2に示される連続濾過装置は、ロール体3から引き出される濾過フィルタ4が、供給用ローラ20を介して濾過ドラム10の外周面に巻き付けられた後、排出用ローラ30を介して汚濁槽2の外部に導かれており、濾過ドラム10と排出用ローラ30が回転することにより、濾過フィルタ4を連続的に濾過ドラム10に巻き付けて移動しつつ、真空ポンプ5の負圧により汚濁液1の固形物と浄化液体とを分離し、濾過フィルタ4に付着した固形物を濾過フィルタ4と共に回収容器70内に回収することができる。使用済みの濾過フィルタ4は、固形物が付着した状態で焼却処理される。
特許文献3に示される第1の実施の形態に係るフィルタ装置50は、一対のろ過プレート(メッシュプレート)21,22の間に複数の繊維糸100を張り巡らしてなるフィルタ部20が液体を流す流路に配置されたろ過室11を備え、ろ過時には操作軸23によりろ過プレート21を可動し、一対のろ過プレート21,22の間隔を狭めて複数の繊維糸100を圧縮状態にして圧縮状態の繊維糸100により液体をろ過し、液体に混入する微細物を捕捉して除去する装置である。
圧縮状態の繊維糸100によって微細物を捕捉して除去するために目詰まりを起こすことがある。このために、一方側の流路1aから液体を他方側の流路1bに流し、また他方側の流路1bから液体を一方側の流路1aに流すなどして洗浄するが、この洗浄時には操作軸23によりろ過プレート21を可動し、一対のろ過プレート21,22の間隔を広げて複数の繊維糸100の圧縮状態を開放して繊維糸100を洗浄する。
特許文献3に示される第7の実施の形態に係るフィルタ装置50のフィルタ部20は、外側から中心側に向けて段階的に一対のろ過プレート21,22の間に張り巡らした複数の繊維糸100の径を小さくし、外側から液体が供給されてろ過し、ろ過した液体を中心側から排出する。また、外側と内側で異なる機能の2種類以上の繊維糸を配置することで、1本のエレメントで様々な濾過に対応することができ、例えば外側から油水分離(油吸着)し、固形物除去し、脱色することができる。
特許文献4に示されるクーラント清浄装置には、クーラントを貯液するとともにクーラント内に残留するスラッジとクーラントとを分離する第一タンク21と、クーラント21内に残留するスラッジに吸着してスラッジをクーラント液面に浮上させるためのマイクロバブルを第一タンク21内で発生させるマイクロバブル発生装置23と、第一タンク21内で濾過されたクーラント液面付近の残存スラッジをクーラントとともに回収する第一タンク用回収装置31と、第一タンク用回収装置31で回収されたクーラントから残存スラッジを除去するとともに、残存スラッジと分離されたクーラントを前記第一タンクに戻すフィルタ装置41とを備えている。
特許文献5に示される研削スラッジの分離装置は、研削スラッジ(S)を含む研削液(L)が供給される分離槽(4)と、分離槽(4)内に配設されて、上面に研削スラッジ(S)を磁気的な吸引力と自重とで沈降させる非磁性プレート(5)と、非磁性プレート(5)の裏面に配設されて、非磁性プレート(5)の表面に磁気的な吸引力で研削スラッジ(S)を吸引して排出方向に移動させる磁気コンベア(6)とを備え、液面浮遊している浮遊研削スラッジ(FS)を集める集積手段(21)と、集められた浮遊研削スラッジ(FS)を研削液(L)に浸漬して引き上げる浮遊研削スラッジ回収手段(22)と、引き上げられた研削スラッジを凝縮する凝縮手段(30)とを備えており、もって、クーラント液や研削油などの研削液に混入したスラッジを磁気的な吸引力と自重とで沈降させる方式を採用している。
特開昭58−170511号公報 特開2006−305430号公報 特開2016−87519号公報 特開2013−163249号公報 特許第5479046号公報
本発明者が研削用工作機械で使用した後のクーラント液に含まれるスラッジの粒度分布を測定したところ、クーラント液に混入しているスラッジの粒子径は、概ね1μm以上であることが判明した。
ところが、1μm〜数μm程度の微細な粒子径のスラッジは、磁気的な吸引力や自重によって沈降させる従来方式では除去することが困難であるため、本発明者は、保留粒子径が1μm〜数μm程度の濾紙を使ってクーラント液を濾過する方式について検討した。
しかし、保留粒子径が1μm〜数μm程度の濾紙を使ってクーラント液中のスラッジを濾過しようとすると濾過に長い時間が掛かってしまい、スラッジ除去の作業性が低下するという課題が生じる。
また、一般に濾過材として濾紙を用いるスラッジ除去方式では、濾紙の目詰まりによって一回のみの使用で濾紙を廃棄しなければならないので、濾紙を頻繁に交換する手間によるメンテナンス時間の増大、濾紙コストの増大、環境負荷の増大などを招来するという課題も生じる。
さらに、研削用工作機械で使用した後のクーラント液には、スラッジのような固形物以外にも不純油分(潤滑油、防錆油など)が混入している。従って、汚れたクーラント液を清澄なクーラント液に戻して再使用するためには、スラッジ除去設備とは別に不純油を除去する設備も必要となるので、設備が大型化するという課題もある。
さらに、従来の濾過装置が採用している分離方式(遠心分離、液体サイクロン、マグネット分離など)では、1〜数μm程度の微細なスラッジの効率的な分離は難しく、捕集できなかったスラッジは、次第にタンク底部に沈殿するため、頻繁なタンク清掃作業、クーラント液の交換頻度および交換作業による機械停止が必要になるという課題もある。
特許文献1に示される濾過装置は、非濾過時にブラシローラ40でスクリーンベルト濾材27をブラッシングするとともに、逆洗ノズル39でスクリーンベルト濾材27の裏面に浄化液を噴射することにより、スクリーンベルト濾材27のメッシュ孔に微細粒度の切削屑による目詰まりを解消するようになっているが、浄化液の噴射が均一に万遍なく行えるものではないので、スクリーンベルト濾材27のメッシュ孔の目詰まりの割合が次第に多くなり濾過効率が低下するという課題がある。定期的にスクリーンベルト濾材27を交換することができれば、この課題を解消することができるが、濾過装置は、スクリーンベルト濾材27が交換不能または交換が極めて難しい構成であるのでこの課題を解消することができない。
本発明は、上述した諸課題を解決するためになされたものであって、原反ロールから濾過材を繰り出し、濾過に用いた後に減圧逆洗浄によりメッシュ孔の目詰まりを解消した状態に再利用可能な原反ロールとして巻き取ることができるとともに、この濾過材と油性不純物分離フィルタとを併用することで、水性液から固形不純物と油性不純物を除去することができる不純物除去装置を提供することにある。
本発明の第1の態様に係る不純物除去装置は、固形不純物および油性不純物を含む水性液を濾過材により減圧濾過し、前記水性液から前記固形不純物を除去する濾過タンクユニットと、前記濾過タンクユニットで前記濾過材に付着した前記固形不純物を前記濾過材から取り除くスラッジタンクユニットと、前記濾過タンクユニットで前記濾過材を通過した前記油性不純物を含む前記水性液を親水撥油フィルタにより濾過し、前記水性液から前記油性不純物を除去する二相分離ユニットと、前記スラッジタンクユニットで前記固形不純物が除去された前記濾過材を、前記二相分離ユニットの前記親水撥油フィルタを通過した前記水性液により減圧逆洗浄する逆洗浄タンクユニットと、前記逆洗浄タンクユニットで前記濾過材を通過した前記水性液を前記逆洗浄タンクユニットに前記減圧逆洗浄のために循環送水するチャンバーユニットと、前記濾過材を、原反ロールから繰り出して前記濾過タンクユニットから前記スラッジタンクユニットを経て前記逆洗浄タンクユニット内を走行し再使用可能な別の原反ロールとして巻き取る濾過材走行手段とを備える。
本発明の第2の態様に係る不純物除去装置は、前記第1の態様において、前記水性液は、工作機械で使用する水性クーラント液である。
本発明の第3の態様に係る不純物除去装置は、前記第2の態様において、前記水性液は、前記工作機械から前記不純物除去装置に送られ、前記濾過タンクユニットによって前記固形不純物が除去され、前記二相分離ユニットによって前記油性不純物が除去された後、前記工作機械に循環送水される。
本発明の第4の態様に係る不純物除去装置は、前記第1〜第3のいずれかの態様において、前記濾過タンクユニットは、内部が減圧される回転ドラムを備えており、前記回転ドラムの外周に沿って連続走行する前記濾過材に対して前記回転ドラムの外側から内側に向かって前記水性液を通過させることにより、前記水性液から前記固形不純物を除去する。
本発明の第5の態様に係る不純物除去装置は、前記第1〜第4のいずれかの態様において、前記逆洗浄タンクユニットは、内部が減圧される回転ドラムを備えており、前記回転ドラムの外周に沿って連続走行する前記濾過材に対して前記回転ドラムの外側から内側に向かって前記水性液を通過させることにより、前記濾過材を逆洗浄する。
本発明の第6の態様に係る不純物除去装置は、前記第1〜第5のいずれかの態様において、前記水性液は、前記濾過タンクユニットに設けられた円錐形状の断面を有するスラッジポットを通じて前記濾過タンクユニット内に供給される。
本発明の第7の態様に係る不純物除去装置は、前記第1〜第6のいずれかの態様において、前記水性液は、前記逆洗浄タンクユニットに設けられた円錐形状の断面を有するスラッジポットを通じて前記チャンバーユニットから前記逆洗浄タンクユニット内に供給される。
本発明の第8の態様に係る不純物除去装置は、前記第1〜第7のいずれかの態様において、前記親水撥油フィルタは、鉛直に立てた状態で前記二相分離ユニット内に収容される。
本発明の第9の態様に係る不純物除去装置は、前記第1〜第8のいずれかの態様において、前記濾過材の保留粒子径は、1μm〜数百μmである。
本発明の第10の態様に係る不純物除去装置は、前記第9の態様において、前記濾過材の保留粒子径は、1μm〜数十μmである。
本発明の第11の態様に係る不純物除去装置は、前記第1〜第10のいずれかの態様において、前記濾過タンクユニットに前記水性液を送る配管経路の途中、前記逆洗浄タンクユニットに前記水性液を循環送水する経路の途中および工作機械に清澄クーラント液を送る経路の途中の少なくとも一箇所に、100μm以下の直径を有する気泡を発生するファインバブル発生装置を設ける。
本発明の第12の態様に係る不純物除去装置は、前記第4の態様において、前記濾過タンクユニットの前記回転ドラムには、円弧状の外周部に複数の通気孔が設けられた濾過用減圧コラムが内蔵されており、前記回転ドラムの外周部のうち、前記濾過材と接触する箇所と、前記濾過用減圧コラムの円弧状の外周部は、重なるように配置されている。
本発明の第13の態様に係る不純物除去装置は、前記第1の態様において、前記逆洗浄タンクユニットの前記回転ドラムには、円弧状の外周部に複数の通気孔が設けられた逆洗浄用減圧コラムが内蔵されており、前記回転ドラムの外周部のうち、前記濾過材と接触する箇所と、前記逆洗浄用減圧コラムの円弧状の外周部は、重なるように配置されている。
本発明の第14の態様に係る不純物除去装置は、前記第1〜第13のいずれかの態様において、前記濾過タンクユニットの内部および前記逆洗浄タンクユニットの内部には、前記濾過材の走行をガイドするガイドローラが収容されており、前記ガイドローラの表面は、水分を吸収する多孔質体で構成されている。
本発明によれば、原反ロールから濾過材を繰り出し、濾過に用いた後に減圧逆洗浄によりメッシュ孔の目詰まりを解消した状態に再利用可能な原反ロールとして巻き取ることができるとともに、この濾過材と油性不純物分離フィルタとを併用することで、水性液から固形不純物と油性不純物を除去することができる不純物除去装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る不純物除去装置の全体構成を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る不純物除去装置の全体構成を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る不純物除去装置に装着された濾過材の走行経路 を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る不純物除去装置におけるクーラント液の経路を 示す配管図である。 図1に示す不純物除去装置に備わる濾過タンクユニットの外観斜視図である 。 図5に示す濾過タンクユニットの内部構造を示す斜視図である。 図6に示す濾過タンクユニットに備わる濾過用回転ドラムの内部構造を示す 斜視図である。 図1に示す不純物除去装置に備わるスラッジタンクユニットの外観斜視図で ある。 図1に示す不純物除去装置に備わるスラッジタンクユニットの外観斜視図で ある。 図1に示す不純物除去装置に備わる二相分離ユニットの内部構造を示す斜 視図である。 図1に示す不純物除去装置に備わる逆洗浄タンクユニットの内部構造を示 す斜視図である。 図1に示す不純物除去装置に備わる逆洗浄タンクユニットに備わる逆洗浄 用回転ドラムの内部構造を示す斜視図である。 図1に示す不純物除去装置に備わるチャンバーユニットの外観斜視図であ る。 本発明の他の実施の形態に係る不純物除去装置におけるクーラント液の経 路を示す配管図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
(実施の形態1)
本実施の形態の不純物除去装置は、例えば平面研削盤のなどの工作機械に接続ホースを介して接続されており、当該工作機械で使用されたクーラント液中の固形分(スラッジなど)や不純油分を除去して清澄なクーラント液を再生し、工作機械に戻す装置である。ここでのクーラント液は、工作機械分野で一般に用いられている水性のクーラント液(原液を水で希釈して使用するクーラント液)を想定している。
図1および図2は、本実施の形態に係る不純物除去装置の全体構成を示す図、図3は、図1および図2に示す不純物除去装置に装着された濾紙の走行経路を示す図、図4は、図1および図2に示す不純物除去装置におけるクーラント液の経路を示す配管図である。
図1および図2に示すように、不純物除去装置100は、濾過タンクユニット10、スラッジタンクユニット20、逆洗浄タンクユニット30、二相分離ユニット40、濾紙供給ユニット(濾過材走行手段)50、濾紙巻き取りユニット(濾過材走行手段)60、チャンバーユニット70、クーラント液を送水する送水ポンプ80Aおよび真空ポンプ80B、配電盤81並びにこれらを支持するフレーム82などを備えている。
濾紙供給ユニット50のリール51には、ロール状に巻かれた濾紙200が装着される。図3に示すように、リール51から引き出された濾紙200は、濾過タンクユニット10、スラッジタンクユニット20、逆洗浄タンクユニット30を経由して濾紙巻き取りユニット60のリール61に巻き取られる。
工作機械で使用したクーラント液に含まれるスラッジの粒子径は概ね1μm〜数百μmである。従って、不純物除去装置100に用いられる濾紙200の好ましい保留粒子径は、1μm〜数百μmであり、より好ましくは1μm〜数十μm、さらに好ましくは1μmである。また、濾紙(紙製の濾過材)200に代えて、保留粒子径が上記と同一の濾布(袋状のものを含む)などの濾過材を使用することもできる。
以下、不純物除去装置100の構成および不純物除去装置100を用いたスラッジ除去工程について詳細に説明する。
不純物除去装置100を操作・管理する作業者は、予め濾紙供給ユニット50のリール51に装着したロール状の濾紙200の先端部分を手動で引き出し、当該先端部分を濾過タンクユニット10、スラッジタンクユニット20および逆洗浄タンクユニット30を経由して濾紙巻き取りユニット60のリール61に巻き取っておく。
不純物除去装置100が稼動すると、濾紙200は、濾紙供給ユニット50および濾紙巻き取りユニット60にそれぞれ備わる合計二つのモータ(図示せず)によって連続走行し、適正なテンションおよび速度に制御されながら濾過タンクユニット10に送られる。
走行中の濾紙200を最適なテンションおよび速度に制御することにより、濾紙200への過大なテンションの発生が防止され、濾紙200の安定した走行が可能となる。濾紙200のテンションおよび走行速度は、クーラント液や濾紙200の汚染度によって任意に調整可能である。
<濾過処理工程>
図5は、濾過タンクユニット10の外観斜視図、図6は、濾過タンクユニット10の内部構造を示す斜視図である。
不純物除去装置100が稼動すると、固形分および不純油分を含む汚染クーラント液は、送水ポンプ80Aによって工作機械のクーラントタンクから不純物除去装置100に送られ、濾過タンクユニット10の底部に設けられた断面が円錐形状のスラッジポット12を通って濾過タンクユニット10の内部に貯蔵される。
汚染クーラント液を工作機械から不純物除去装置100へ送る送水経路にはエジェクタ83(図4参照)が組み込まれている。汚染クーラント液がエジェクタ83を通過するとエジェクタ83内に負圧が発生するので、この負圧を真空ポンプ80Bにより発生させた負圧と合流させることで、本濾過処理工程での減圧濾過に使用する負圧力を増加させ、濾過効率を高めることができる。
スラッジポット12に流入した汚染クーラント液は、円錐形状の内壁に沿って渦流状に流れる。そのため、遠心力によってスラッジポット12の内壁に衝突した汚染クーラント液中の固形分のうち、サイズの大きい固形分は、自重によってスラッジポット12の底部に沈殿する。これにより、濾紙200による濾過処理工程に先立ってサイズの大きい固形分を事前に分離できるので、濾紙200の負荷やダメージを低減することができる。スラッジポット12の底部に沈殿した固形分は、定期的に廃棄される。
濾過タンクユニット10内には、濾過用回転ドラム11と、液面検出センサ14a、14bと、濾紙200の走行をガイドするガイドローラ16、17が収容されている。濾過用回転ドラム11は、汚染クーラント液が通過する複数個の吸引孔15を外周部に沿って配置した円筒形状の容器であり、濾紙200の走行と同期しながら回転する。
濾紙200は、濾過用回転ドラム11の外周部に一定角度で巻き付けられて走行する。このため、濾過用回転ドラム11の外周部のうち、濾紙200と接触していない箇所では汚染クーラント液や不要な空気が濾紙200を通過せずに濾過用回転ドラム11内に直接流入してしまう。
その対策として、図7に示すように、濾過用回転ドラム11には、濾過用減圧コラム13が内蔵されている。
濾過用減圧コラム13は、その内部が真空ポンプ80Bによって減圧されており、且つ円弧状の外周部のみに通気孔18が設けられている。また、濾過用回転ドラム11の外周部のうち、濾紙200と接触している箇所と、濾過用減圧コラム13の円弧状の外周部は、重なるように配置されている。さらに、濾過用回転ドラム11の内周面と濾過用減圧コラム13との隙間は、シール材(図示せず)によって密閉され、汚染クーラント液や不要な空気が濾過用回転ドラム11内に流入しない構造になっている。
そのため、濾過タンクユニット10内の汚染クーラント液は、濾紙200を通過した汚染クーラント液のみが通気孔18を通じて濾過用減圧コラム13内に吸引される。一方、濾過用回転ドラム11に巻き付いた濾紙200には汚染クーラント液に含まれていたスラッジなどの固形分が付着する。
濾過用回転ドラム11の濾過用減圧コラム13内に減圧吸引されたクーラント液は不純油分を含んでいるため、配管(図示せず)を通じて後述する二相分離ユニット40に送られる。
このように、保留粒子径が小さい濾紙200を用いて汚染クーラント液を減圧濾過することにより、大気圧下での自然濾過方式では困難な効率的濾過が可能となり、汚染クーラント液に含まれる殆どの固形分を短時間で除去することができる。
また、工作機械から送られてきた使用済みの汚染クーラント液には異臭の原因となる細菌も混入しているが、細菌のサイズは概ね1μm程度であることから、汚染クーラント液に混入している細菌も濾過タンクユニット10内を走行する濾紙200によって捕集される。
濾紙200に付着した固形分は、後述するスラッジ除去工程および逆洗浄工程によって濾紙200から除去されるが、再生された濾紙200を繰り返して使い続けると、濾紙200の内部に微細な固形分が蓄積して目詰まりを引き起こすようになり、濾紙200の濾過性能が次第に低下する。
そのため、濾過タンクユニット10には、濾過用回転ドラム11の内部圧力を検知して濾紙200の再生限界を監視する圧力センサ(図示せず)が取り付けられている。そして、これらの圧力センサが濾紙200の目詰まりに起因する濾過用回転ドラム11内の圧力上昇を検出すると、不純物除去装置100が稼動を停止して濾紙200の交換を促すようになっている。
本濾過処理工程で固形分が付着した濾紙200は、ガイドローラ17によってガイドされ、濾過タンクユニット10に隣接するスラッジタンクユニット20に送られる。
濾過タンクユニット10からスラッジタンクユニット20に送られる濾紙200には固形分が付着しているだけでなく、水分(クーラント液)も含まれている。しかし、水分を多量に含んだ濾紙200は、走行中に皺が発生し、走行が不安定になり易い。
そこで、ガイドローラ17には、濾紙200に含まれる水分を適正に管理するための水分管理機構が設けられている。具体的には、ガイドローラ17の表面は多孔質体となっており、濾紙200がガイドローラ17に押し付けられる際、濾紙200に含まれる水分の一部が多孔質体に吸収されるようになっている。また、多孔質体に吸収された水分は、ガイドローラ17の回転軸を通じて外部に排出される。なお、ガイドローラ17は、濾紙200の固形分が付着していない面と接触する(図6参照)ので、濾紙200に付着している固形分がガイドローラ17の表面に付着することはない。
このように、濾紙200に含まれる水分の一部をガイドローラ17を通じて取り除くことにより、過剰な水分の含有による濾紙200の皺の発生を抑制し、濾紙200を安定に走行させることができる。なお、この水分管理機構は、濾過用回転ドラム11の下流に位置するガイドローラ17だけでなく、濾過用回転ドラム11の上流に位置するガイドローラ16にも設けられる。
<スラッジ除去処理工程>
図8および図9はスラッジタンクユニット20の外観斜視図である。スラッジタンクユニット20は、歯車列機構(図示せず)によって濾紙200の走行方向と逆の方向に回転するロール状のブラシ21と、濾紙200の走行をガイドするガイドローラ22、23が収容されている。また、スラッジタンクユニット20の底部には、手動で出し入れ可能なスラッジ廃棄タンク24が収容されている。
濾過タンクユニット10からスラッジタンクユニット20に送られた濾紙200は、ガイドローラ22、23によってブラシ21の表面に押し付けられる。これにより、濾紙200に付着した固形分のうち、濾紙200の表面部分に付着した固形分がブラシ21によって掻き取られる。ブラシ21の回転速度および回転方向は、濾紙200の表面に付着した固形分の量に応じて適宜調整される。
濾紙200の表面から掻き取られた固形分は、ブラシ21の下方のスラッジ廃棄タンク24に落下する。スラッジ廃棄タンク24は、作業者によって定期的に引き出され(図9参照)、内部に溜まった固形分が所定の廃棄場所に搬送される。
このように、濾紙200の表面部分に付着したスラッジなどの固形分は、スラッジタンクユニット20内で除去されるが、濾紙200の表面部分および内部(内層)には依然として微細な固形分が残留している。そのため、この濾紙200を不純物除去装置100で繰り返し使用すると、濾過処理工程で濾紙200が目詰まりを引き起こし、汚染クーラント液から固形分を濾別することが困難または非効率になる。
そこで、スラッジタンクユニット20で大部分の固形分が除去された濾紙200は、後述する逆洗浄タンクユニット30に送られ、濾紙200の表面および内部に残留した微細な固形分を除去する処理に付される。
<二相分離処理工程>
図10は、二相分離ユニット40の内部構造を示す斜視図である。前述した濾過処理工程で濾過タンクユニット10の濾過用回転ドラム11に減圧吸引されたクーラント液(大部分の固形分が除去されたクーラント液)は、真空ポンプ80Bによって二相分離ユニット40に送られる。
二相分離ユニット40に送られたクーラント液は、二相分離ユニット40内の親水撥油フィルタ41を通過することによって不純油分が除去される。また、濾過処理工程で濾別できなかったクーラント液中の微細な残留固形分も親水撥油フィルタ41によって濾別される。
図10に示すように、親水撥油フィルタ41は、鉛直に立てた状態で二相分離ユニット40内に収容される。これにより、親水撥油フィルタ41に付着した微細な固形分は自重によって二相分離ユニット40の底部に沈殿するので、固形分が親水撥油フィルタ41に再付着することによる親水撥油フィルタ41の目詰まりを抑制することができる。
二相分離ユニット40には、二相分離ユニット40内の液面レベルを検知して親水撥油フィルタ41の使用限界を監視する液面検出センサ42a、42bが取り付けられている。これらの液面検出センサ42a、42bが親水撥油フィルタ41の目詰まりに起因する液面レベルの変化を検出すると、不純物除去装置100が稼動を停止し、親水撥油フィルタ41の交換を促す。
濾過処理工程および二相分離工程を経て再生された清澄なクーラント液は、不純物除去装置100に接続された工作機械へ送られて再使用されるが、一部は後述する逆洗浄タンクユニット30へ送られる。
<逆洗浄処理工程>
図11は、逆洗浄タンクユニット30の内部構造を示す斜視図である。逆洗浄タンクユニット30内には、前述した濾過タンクユニット10の濾過用回転ドラム11と同様の構造を有する逆洗浄用回転ドラム31と、濾紙200の走行をガイドするガイドローラ36、37が収容されている。ガイドローラ36、37には、前述した濾過タンクユニット10のガイドローラ16、17と同様の水分管理機構が設けられている。
スラッジタンクユニット20から逆洗浄タンクユニット30に送られた濾紙200(表面および内部に微細な固形分が残留した濾紙200)は、ガイドローラ36、37によって逆洗浄用回転ドラム31の外周部に一定角度で巻き付けられる。逆洗浄用回転ドラム31は、複数個の吸引孔35を外周部に沿って配置した円筒形状の容器であり、濾紙200の走行と同期しながら回転する。
逆洗浄タンクユニット30には、前述した濾過処理工程および二相分離工程によって固形分および不純油分が除去された清澄なクーラント液が、濾紙200を逆洗浄するための逆洗水として貯蔵される。この逆洗水(清澄なクーラント液)は、逆洗浄タンクユニット30の底部に設けられた断面が円錐形状のスラッジポット32を通って逆洗浄タンクユニット30の内部に貯蔵される。
逆洗浄タンクユニット30内の逆洗水は、液面検出センサ34a、34bによって液量が常に一定となるように管理されており、蒸発などによって規定液量よりも低下した場合には、二相分離ユニット40から清澄なクーラント液が自動供給される。
図12に示すように、逆洗浄用回転ドラム31には、前述した濾過タンクユニット10の濾過用減圧コラム13と同様の機能を有する逆洗浄用減圧コラム33が内蔵されている。
逆洗浄用減圧コラム33は、その内部が真空ポンプ80Bによって減圧されており、且つ円弧状の外周部のみに通気孔38が設けられている。また、逆洗浄用回転ドラム31の外周部のうち、濾紙200と接触している箇所と、逆洗浄用減圧コラム33の円弧状の外周部は、重なるように配置されている。さらに、逆洗浄用回転ドラム31の内周面と逆洗浄用減圧コラム33との隙間は、シール材(図示せず)によって密閉され、逆洗水や不要な空気が逆洗浄用回転ドラム31内に流入しない構造になっている。そのため、逆洗浄タンクユニット30内の逆洗水は、濾紙200を通過した逆洗水のみが通気孔38を通じて逆洗浄用減圧コラム33内に吸引される。
逆洗水の送水経路にはエジェクタ83(図4参照)が組み込まれている。逆洗水がエジェクタ83を通過するとエジェクタ83内に負圧が発生するので、この負圧を真空ポンプ80Bにより発生させた負圧と合流させることで、本逆洗浄処理工程での減圧濾過に使用する負圧力を増加させ、濾過効率を高めることができる。
逆洗浄用回転ドラム31の外周部に沿って走行する濾紙200は、逆洗浄タンクユニット30から逆洗浄用回転ドラム31に向かって吸引される逆洗水によって逆洗浄され、表面および内部に残留した微細な固形分が除去される。
一方、濾紙200を通過して逆洗浄用減圧コラム33内に吸引された逆洗水(濾紙200から取り除かれた微細な固形分を含有する逆洗水)は、図13に示すチャンバーユニット70へ送られて一時貯蔵され、その後、逆洗浄タンクユニット30の底部のスラッジポット32を通って逆洗浄タンクユニット30内へ循環送水される。
図13に示すように、チャンバーユニット70には、逆洗水をチャンバーユニット70内に吸入するための吸水管72が設けられており、その下方にはチャンバーユニット70内の逆洗水を逆洗浄タンクユニット30の底部のスラッジポット32内へ循環送水するための排水管71が設けられている。
吸水管72を通じてチャンバーユニット70内に送られた逆洗水に含まれる微細な固形分は、逆洗水がチャンバーユニット70内に貯蔵されている間にチャンバーユニット70の底部に沈殿する。そのため、排水管71を通じて逆洗浄タンクユニット30内へ循環送水される逆洗水は、固形分を含まない清澄な逆洗水となる。チャンバーユニット70の底部に沈殿した固形分は、定期的に廃棄される。
また、チャンバーユニット70から逆洗浄タンクユニット30内へ循環送水される逆洗水は、逆洗浄タンクユニット30の底部のスラッジポット32を通って逆洗浄タンクユニット30内に送られる。そのため、万一チャンバーユニット70から逆洗浄タンクユニット30内へ循環送水される逆洗水中に微量の固形分が含まれていても、当該固形分は、遠心力によってスラッジポット32の内壁に衝突し、スラッジポット32の底部に沈殿するので、逆洗浄タンクユニット30内へ循環送水される逆洗水は、固形分を含まない清澄な逆洗水となる。
このようにして固形分および不純油分が取り除かれ、再使用可能となった濾紙200は、濾紙巻き取りユニット60のリール61に巻き取られる。
濾紙供給ユニット50および濾紙巻き取りユニット60には、リール51、61に巻かれた濾紙200の量を検出するセンサ(図示せず)が取り付けられている。そして、リール51に装着された濾紙200の残量が僅かになると、濾紙200の走行方向が反転し、濾紙巻き取りユニット60のリール61に巻き取られた再生済みの濾紙200が高速で走行してリール51に巻き取られる(復路走行)。また、リール61に巻き取られた再生済みの濾紙200の残量が僅かになると、濾紙200の復路走行が停止される。なお、濾紙200の復路走行中は、濾過タンクユニット10での濾過処理および逆洗浄タンクユニット30での逆洗浄処理は行われない。
次に、濾紙供給ユニット50のリール51から再生済みの濾紙200が適正なテンションおよび走行速度で引き出され(往路走行)、前述した濾過処理工程、スラッジ除去工程、二相分離工程および逆洗浄工程が繰り返される。なお、濾紙200が往路走行中または復路走行中に万一破断した場合は、不純物除去装置100が稼動を停止して濾紙200の交換を促す。
このようにして、濾紙200は、再生限界に達するまで不純物除去装置100で繰り返し使用される。また、汚染クーラント液も不純物除去装置100で繰り返し清浄化されて工作機械に戻され、繰り返し使用される。
上述した本実施の形態の不純物除去装置100によれば、以下のような効果を得ることができる。
原反ロールから濾過材を繰り出し、濾過に用いた後に減圧逆洗浄によりメッシュ孔の目詰まりを解消した状態に再利用可能な原反ロールとして巻き取ることができるとともに、この濾過材と油性不純物分離フィルタとを併用することで、水性液から固形不純物と油性不純物を除去することができる。
固形不純物および油性不純物を含む水性液を減圧濾過すると共に水/油の二相を分離することにより、汚染水性液を清澄な水性液に戻して再使用することができる。
濾過タンクユニット10の濾過部(濾過用回転ドラム11)および逆洗浄タンクユニット30の逆洗浄部(逆洗浄用回転ドラム31)を回転式ドラム形状にしたので、濾紙200を停止せず、連続走行させながら濾過処理および逆洗浄処理を並行して行うことが可能となり、高効率の濾過処理および逆洗浄処理を行うことができる。
濾過タンクユニット10の濾過部(濾過用回転ドラム11)および逆洗浄タンクユニット30の逆洗浄部(逆洗浄用回転ドラム31)を回転式ドラム形状にしたので、平面形状の濾過部および逆洗浄部に比べて面積を小さくすることができる。これにより、濾過タンクユニット10および逆洗浄タンクユニット30を小型化することができ、ひいては不純物除去装置100を小型化(省スペース化)することができる。
濾過処理工程で濾紙200に付着した固形分をスラッジ除去処理工程および逆洗浄処理工程で除去することにより、濾紙200を再生することができるので、濾紙200を長期間に亘って反復使用することができる。
濾紙200を最適なテンションおよびスピードで走行させることで、濾紙200への過大なテンションの発生を防止し、安定した走行が可能となるので、濾紙200のさらなるロングライフ化が可能となる。
濾紙200による固形分の分離方式を採用したことにより、他の分離方式と比較して固形分の分離効率が高くなり、分離できずに濾過タンクユニット10および逆洗浄タンクユニット30の底部や工作機械のクーラント液貯蔵タンクに沈殿する固形分を大幅に減少させることができるので、不純物濾過装置100および工作機械の清掃、クーラント液の交換頻度および交換作業に伴う装置の停止頻度を低減することができる。
(実施の形態2)
図14は、本実施の形態の不純物除去装置100におけるクーラント液の経路を示す配管図である。
本実施の形態の不純物除去装置100は、工作機械から不純物除去装置100の濾過タンクユニット10に汚染クーラント液を送る配管経路の途中、チャンバーユニット70から逆洗浄タンクユニット30に逆洗浄水を送る経路の途中および二相分離ユニット40から工作機械に清澄クーラント液を送る経路の途中にそれぞれファインバブル(マイクロバブル・ナノバブル)発生装置90を設けている。その他の構成は、前述した実施の形態1の不純物除去装置100と同じであるため、その説明は省略する。
ここで、ファインバブルとは、100μm以下の直径を有する気泡(ISO国際標準規格)であり、マイクロバブルとは、1μm〜100μm未満の直径を有する気泡(ISO国際標準規格)である。また、ナノバブルとは、ウルトラファインバブルとも云われ、直径1μm未満の直径を有する気泡(ISO国際標準規格)である。ファインバブル(マイクロバブル・ナノバブル)は、直径が極めて小さく、負電位を帯びているため、微小な固形分を吸着する性質を持っている。
従って、濾過タンクユニット10に汚染クーラント液を送る配管経路の途中にファインバブル(マイクロバブル・ナノバブル)発生装置90を接続することにより、汚染クーラント液が濾過タンクユニット10のスラッジポット12を通過する際、汚染クーラント液中の微小な固形分をより多くスラッジポット12の底部に沈殿させることができる。また、除菌効果による汚染クーラント液の悪臭抑制効果も期待できる。
同様に、逆洗浄タンクユニット30に逆洗浄水を循環送水する経路の途中にファインバブル(マイクロバブル・ナノバブル)発生装置90を接続することにより、逆洗水(クーラント液)が逆洗浄タンクユニット30のスラッジポット32を通過する際、逆洗水中の微小な固形分をスラッジポット32の底部により多く沈殿させることができる。
これにより、濾紙200の洗浄効果が向上するので、濾紙200の再生使用回数を増加させることができ、濾紙200の除菌効果およびさらなる洗浄効果が期待できる。
また、工作機械に清澄クーラント液を送る経路の途中にファインバブル(マイクロバブル・ナノバブル)発生装置90を接続することにより、工作機械の加工効率・加工品位の向上などの様々な効果が期待できる。
なお、ファインバブル(マイクロバブル・ナノバブル)発生装置90は、濾過タンクユニット10に汚染クーラント液を送る配管経路の途中、逆洗浄タンクユニット30に逆洗浄水を循環送水する経路の途中および工作機械に清澄クーラント液を送る経路の途中のいずれか一箇所のみ、またはいずれか二箇所に設けてもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
前記実施の形態では、本発明を工作機械で使用したクーラント液中の固形不純物および油性不純物を除去する装置に適用した場合について説明したが、本発明の不純物除去装置は、産業排水や生活排水などの各種水性液に含まれる固形不純物や油性不純物を除去する装置として広く活用することができる。その場合は、固形不純物や油性不純物の種類に応じて濾過材を交換するだけでよいため、機構部品の取り換えは不要である。
10 濾過タンクユニット
11 濾過用回転ドラム
12 スラッジポット
13 濾過用減圧コラム
14a、14b 液面検出センサ
15 吸引孔
16、17 ガイドローラ(多孔質体)
18 通気孔
20 スラッジタンクユニット
21 ブラシ
22、23 ガイドローラ
24 スラッジ廃棄タンク
30 逆洗浄タンクユニット
31 逆洗浄用回転ドラム
32 スラッジポット
33 濾過用減圧コラム
34a、34b 液面検出センサ
35 吸引孔
36、37 ガイドローラ(多孔質体)
38 通気孔
40 二相分離ユニット
41 親水撥油フィルタ
42a、42b 液面検出センサ
50 濾紙供給ユニット(濾過材走行手段)
51 リール
60 濾紙巻き取りユニット(濾過材走行手段)
61 リール
70 チャンバーユニット
71 排水管
72 吸水管
80A 送水ポンプ
80B 真空ポンプ
81 配電盤
82 フレーム
83 エジェクタ
90 ファインバブル発生装置
100 不純物除去装置
200 濾紙

Claims (14)

  1. 固形不純物および油性不純物を含む水性液を濾過材により減圧濾過し、前記水性液から前記固形不純物を除去する濾過タンクユニットと、
    前記濾過タンクユニットで前記濾過材に付着した前記固形不純物を前記濾過材から取り除くスラッジタンクユニットと、
    前記濾過タンクユニットで前記濾過材を通過した前記油性不純物を含む前記水性液を親水撥油フィルタにより濾過し、前記水性液から前記油性不純物を除去する二相分離ユニットと、
    前記スラッジタンクユニットで前記固形不純物が除去された前記濾過材を、前記二相分離ユニットの前記親水撥油フィルタを通過した前記水性液により減圧逆洗浄する逆洗浄タンクユニットと、
    前記逆洗浄タンクユニットで前記濾過材を通過した前記水性液を前記逆洗浄タンクユニットに前記減圧逆洗浄のために循環送水するチャンバーユニットと、
    前記濾過材を、原反ロールから繰り出して前記濾過タンクユニットから前記スラッジタンクユニットを経て前記逆洗浄タンクユニット内を走行し再使用可能な別の原反ロールとして巻き取る濾過材走行手段とを備える
    ことを特徴する不純物除去装置。
  2. 前記水性液は、工作機械で使用する水性クーラント液である
    ことを特徴する請求項1記載の不純物除去装置。
  3. 前記水性液は、前記工作機械から前記不純物除去装置に送られ、前記濾過タンクユニットによって前記固形不純物が除去され、前記二相分離ユニットによって前記油性不純物が除去された後、前記工作機械に循環送水される
    ことを特徴する請求項2記載の不純物除去装置。
  4. 前記濾過タンクユニットは、内部が減圧される回転ドラムを備えており、前記回転ドラムの外周に沿って連続走行する前記濾過材に対して前記回転ドラムの外側から内側に向かって前記水性液を通過させることにより、前記水性液から前記固形不純物を除去する
    ことを特徴する請求項1〜3のいずれか一項に記載の不純物除去装置。
  5. 前記逆洗浄タンクユニットは、内部が減圧される回転ドラムを備えており、前記回転ドラムの外周に沿って連続走行する前記濾過材に対して前記回転ドラムの外側から内側に向かって前記水性液を通過させることにより、前記濾過材を逆洗浄する
    ことを特徴する請求項1〜4のいずれか一項に記載の不純物除去装置。
  6. 前記水性液は、前記濾過タンクユニットに設けられた円錐形状の断面を有するスラッジポットを通じて前記濾過タンクユニット内に供給される
    ことを特徴する請求項1〜5のいずれか一項に記載の不純物除去装置。
  7. 前記水性液は、前記逆洗浄タンクユニットに設けられた円錐形状の断面を有するスラッジポットを通じて前記チャンバーユニットから前記逆洗浄タンクユニット内に供給されることを特徴する請求項1〜6のいずれか一項に記載の不純物除去装置。
  8. 前記親水撥油フィルタは、鉛直に立てた状態で前記二相分離ユニット内に収容される
    ことを特徴する請求項1〜7のいずれか一項に記載の不純物除去装置。
  9. 前記濾過材の保留粒子径は、1μm〜数百μmである
    ことを特徴する請求項1〜8のいずれか一項に記載の不純物除去装置。
  10. 前記濾過材の保留粒子径は、1μm〜数十μmである
    ことを特徴する請求項9記載の不純物除去装置。
  11. 前記濾過タンクユニットに前記水性液を送る配管経路の途中、前記逆洗浄タンクユニットに前記水性液を循環送水する経路の途中および工作機械に清澄クーラント液を送る経路の途中の少なくとも一箇所に、100μm以下の直径を有する気泡を発生するファインバブル発生装置を設ける
    ことを特徴する請求項1〜10のいずれか一項に記載の不純物除去装置。
  12. 前記濾過タンクユニットの前記回転ドラムには、円弧状の外周部に複数の通気孔が設けられた濾過用減圧コラムが内蔵されており、前記回転ドラムの外周部のうち、前記濾過材と接触する箇所と、前記濾過用減圧コラムの円弧状の外周部は、重なるように配置されている
    ことを特徴する請求項4記載の不純物除去装置。
  13. 前記逆洗浄タンクユニットの前記回転ドラムには、円弧状の外周部に複数の通気孔が設けられた逆洗浄用減圧コラムが内蔵されており、前記回転ドラムの外周部のうち、前記濾過材と接触する箇所と、前記逆洗浄用減圧コラムの円弧状の外周部は、重なるように配置されている
    ことを特徴する請求項1記載の不純物除去装置。
  14. 前記濾過タンクユニットの内部および前記逆洗浄タンクユニットの内部には、前記濾過材の走行をガイドするガイドローラが収容されており、
    前記ガイドローラの表面は、水分を吸収する多孔質体で構成されている
    ことを特徴する請求項1〜13のいずれか一項に記載の不純物除去装置。
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