JP4181440B2 - 濾過装置およびそれを用いた濾過方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は浮上濾材を用いた濾過装置に関するものであり、工場廃液等を確実かつ効率的に濾過処理しつつ、濾材に付着した汚れを濾過処理中に連続的に除去して良好な濾過性能を長時間に亘って維持することができるように工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】
工場や工事現場では、多量の汚濁液が発生する。この汚濁液をそのまま外部に排出したのでは公害が発生するため、汚濁液中に混入している汚濁物(固形分)を除去して排水したいという要望がある。
汚濁液としては、例えば次のようなものがある。
(1)アルカリ脱脂液。
(2)工場で生じる乳化廃液。
(3)水溶性研削液。
(4)鉄板や銅板やステンレス板をバフ研磨するときに使用した水溶液(この水溶液中には、鉄粉や銅粉やステンレス粉等の金属粉が混入している)。
(5)道路工事現場や建築現場にて発生する、セメント混入水や泥混入水。
(6)塗料が混入した塗料洗浄廃液。
【0003】
従来では、この様な汚濁液をフィルタ等で濾過しようとしたり、金属粉を磁石により吸着して除去しようとしていた(特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−229190号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述したような汚濁液には多量の汚濁物が混入しているため、フィルタ等で濾過しようとしても、短時間でフィルタ等が目詰まりしてしまう。また目詰まりしたこのフィルタ等を交換するため、交換作業が面倒である。更に、交換した使用済のフィルタ等が新たな廃棄物となり、このフィルタをそのまま廃棄したのでは新たに公害が発生してしまい問題であった。また、金属粉を磁石により吸着しようとしても、その効率は悪く、また、金属粉以外の汚濁物の除去はできなかった。
【0006】
本発明は、上記従来技術に鑑み、濾過層(層状となった濾材)の下面に付着した汚濁物(固形分)を濾過処理中に連続的に除去して、良好な濾過性能を長時間にわたり確保することができる濾過装置および濾過方法を提供することを主な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の濾過装置は、軸の向きが上下方向に沿う状態で設置されると共に、比重が処理液よりも小さい粒状の濾材が内部に備えられ、処理液が供給されると濾材が浮上し浮上した濾材により濾過層が形成される濾過筒と、
前記処理液が前記濾過層を通過して清澄になった濾過液を前記濾過筒の外部に取り出す濾過液取出構造と、
前記濾過筒のうち、前記濾過層が形成される部分よりも下側部分に接続されて濾過筒の内部に処理液を供給すると共に、処理液を濾過筒の内周縁に沿う方向に噴出して処理液を濾過筒の内部のうち前記濾過層が形成されていない空間内にて回流・旋回させる供給パイプと、
前記供給パイプの接続位置よりも下方位置で前記濾過筒に接続されて、濾過筒の内部から処理液を吸引することにより、濾過筒内にて発生した処理液の回流・旋回を下方に引き込む吸引パイプと、
を有することを特徴とする。
【0008】
また本発明の濾過装置は、軸の向きが上下方向に沿う状態で設置されると共に、比重が処理液よりも小さい粒状の濾材が内部に備えられ、処理液が供給されると濾材が浮上し浮上した濾材により濾過層が形成される濾過筒と、
前記処理液が前記濾過層を通過して清澄になった濾過液を前記濾過筒の外部に取り出す濾過液取出構造と、
前記濾過筒のうち、前記濾過層が形成される部分よりも下側部分に接続されて濾過筒の内部に処理液を供給すると共に、処理液を濾過筒の内周縁に沿う方向に噴出して処理液を濾過筒の内部のうち前記濾過層が形成されていない空間内にて回流・旋回させる供給パイプと、
前記供給パイプの接続位置よりも下方位置で前記濾過筒に接続されて、濾過筒の内部から処理液を吸引することにより、濾過筒内にて発生した処理液の回流・旋回を下方に引き込む吸引パイプと、
前記供給パイプの接続位置よりも下方位置で前記濾過筒の内部に配置されることにより濾過筒内を上側の濾過室と下側の回収室に区画すると共に、前記濾過室と前記回収室との連通状態を維持しつつ、処理液の回流・旋回の流れが下方に伝わるのを阻止する区画部材と、
を有することを特徴とする。
この場合、前記区画部材は、板を交差して組み合わせた構造体、または、斜め板、または、漏斗状部材、または、パンチングメタルであることを特徴としてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
<第1の実施の形態>
図1は本発明の第1の実施の形態に係る、浮上濾材を用いた濾過装置101を示す。図1の状態は、濾過装置101に汚濁液等の処理液が供給されている状態を示している。ここで、処理液としては、金属粉、塗料成分、プラスチック、または、泥などが混入された水があげられる。また、メッキの残査等の粉体が混入された薬品も、本発明の処理液の範疇に入る。この濾過装置101の濾過筒102は、円筒形をなしており、使用時においてその軸の向きが上下方向に沿う状態で設置(取り付け、配置)されるものであり、その上端面及び下端面は閉塞されている。
【0012】
濾過容器である濾過筒102の内部には、粒状の浮上型の濾材103が多数備えられている。この濾材103としては濾過を行う流体よりも比重が小さいものが採用され、例えば、水が主成分となる排水に於いては、比重が1よりも小さい微細な発泡スチロール粒、樹脂粒または無機質材粒を採用している。したがって、濾過筒102内に処理液W1を供給すると、濾材103は浮上して、水圧と濾材の浮力により、個々の濾材103が緊密に押しつけられた稠密状態となる。このため浮上した濾材103により濾過層103aが形成され、精密な濾過が可能となる。濾材103の粒径(直径)は例えば0.05mm〜3mmの範囲内の特定の寸法となっており、処理液W1に応じて最適な材料で形成した最適な粒径の濾材103を採用している。
【0013】
濾材は処理液の成分により選択され、フッ素樹脂、ナイロン、発泡スチロール等を採用することができる。処理液が腐食性である場合は、フッ素樹脂やナイロンが濾材として採用される。また、処理液が腐食性を有さない場合は、発砲スチロールを濾材として採用することができる。また、被除去物のサイズにより濾材の粒径は選択される。ここで、被除去物のサイズが非常に小さい場合は、粒径が0.05mm以下の濾材を採用する場合もある。また、処理液としては、被除去物を含む油を採用することも可能である。
【0014】
濾過筒102のうち、濾材103が浮上して濾過層103aが形成されない部分(下側部分)には、バルブV1が介装された供給パイプ104が連結されている。ポンプP1は、処理液パイプ105を通して貯溜槽等から吸引した処理液W1を、供給パイプ104に供給する。このため、ポンプP1から吐出された処理液W1は供給パイプ104を通って、濾過筒102の内部の下部空間(濾過層104aが形成されない空間)に噴出される。
【0015】
供給手段として機能する供給パイプ104は、横断面図である図2(A)に示すように、濾過筒102の径方向に対して斜めに配置されており、供給パイプ104から濾過筒102に供給される処理液W1は、濾過筒102の内周縁に沿う方向に噴出されて、この濾過筒102内では処理液W1が濾過筒102の内周縁に沿う方向に回流・旋回するようになっている。具体的には、供給パイプ104は濾過筒102の径方向に対して接線方向に接続している。
【0016】
更に、図2(A)を参照して、濾過筒102と供給パイプ104との断面的な接続構造を具体的に説明する。先ず、略円形である濾過筒102の断面の中心点をP1と仮定し、供給パイプ104と濾過筒102とが接続する箇所をP2と仮定する。そして、P1とP2とを結ぶ線をL1と仮定し、供給パイプ104の中心線の延在方向をL2とする。本発明では、L1とL2とが交差するように、供給パイプ104は濾過筒102に接続している。L1とL2とが交差する角度をαとすると、角度αが大きいほど、渦状の流を発生させる働きが大きくなる。換言すると、供給パイプ104の延在方向は、濾過筒102の中心P1以外の方向に向いている。また、濾過筒102の断面形状は、円形以外でも良い。
【0017】
図2(B)を参照して、他の形態の断面構造を説明する。ここでは、供給パイプ104は、濾過筒102の中心部方向に延在している。そして、供給パイプ104の先端部付近には、流体を濾過筒102内部に噴出させるための噴出口104Aが設けられている。ここでは、噴出口104Aは、濾過筒102の内壁沿いに流体が噴出されるような位置に設けられている。また、供給パイプ104の延在方向は、濾過筒102の中心部方向以外の方向に延在させることも可能である。
【0018】
なお、図1、図2では1本の供給パイプ104により、処理液W1を供給するようにしているが、濾過筒102の径方向に対して斜めに配置された複数本の供給パイプを、濾過筒102の周方向に離間して配置してもよい。もちろん、このようにした場合には、複数本の供給パイプから噴出された処理液W1の回流・旋回方向が同方向になるように、向きを合わせて複数本の供給パイプを配置する。
【0019】
バルブV2が介装された吸引手段として機能する吸引パイプ106は、供給パイプ104が濾過筒102に接続されている位置よりも下方位置で、濾過筒102に接続されている。本実施の形態では、吸引パイプ106は濾過筒102を貫通して、先端が濾過筒102の内部空間の中央にまで伸びているが、必ずしも濾過筒102の内部空間の中央にまで伸ばす必要はない。また、吸引パイプ106の基端は処理液パイプ105に接続されている。このため、ポンプP1が作動すると、濾過筒102の内部空間に供給された処理液W1の一部は、下方に吸引されてから、吸引パイプ106を通って外部に取り出される。なお、濾材103がポンプP1に吸引されることを防止するため、吸引パイプ106の先端開口に、処理液W1は透過させるが濾材103を通過させない網部材等を取り付けることもある。また、上記したポンプを使わずとも、排水のタンクを高所に設置することにより発生する水圧により、上記渦状の流れをトルネード流を発生させても良い。
【0020】
濾過筒102のうち、濾材103が浮上して濾過層103aが形成される部分(上側部分)には、バルブV3が介装された濾過液パイプ107が挿入されている。濾過液パイプ107のうち、濾過筒102の内部に挿入される先端部分は、液体は透過させるが濾材103は透過させない集水構造になっている。濾過液パイプ107は排出手段として機能している。
【0021】
即ち、例えば図3(a)に展開して示すように、濾過液パイプ107の先端部分には多数の孔107aが形成されており、この孔107aが形成された部分を、液体は透過させるが濾材103は透過させない液透過膜(例えば布)107bで包んだ集水構造となっている。または、例えば図3(b)に展開して示すように、濾過液パイプ107の先端に網筒107cを接続し、網筒107c及び濾過液パイプ107の先端部分を、液体は透過させるが濾材103は透過させない液透過膜(例えば布)107dで包んだ集水構造となっている。集水構造としては、液体は透過させるが濾材103を透過させない構造であれば、どのようなものであってもよい。このように集水構造に工夫をした濾過液パイプ107により、濾過液取出構造が構成されている。
【0022】
濾過筒102の内部には、区画部材108が固定して配置されている。本実施の形態では、区画部材108は、供給パイプ104および吸引パイプ106が濾過筒102に接続されている位置よりも下方位置に配置されている。つまり、渦状の流れの下端、または、それよりも下方に、区画部材108は位置している。この区画部材108により、濾過筒102の内部は、上側の濾過室109と、下側の回収室110とに区画される。この区画部材108は、図4にも示すように、2枚の板を交差して十字に組み合わせた形状となっており、濾過室109と回収室110との連通状態を維持している。しかし、区画部材108は上下方向に厚みがあるため、後述する処理液W1によるトルネード流Tは、区画部材108に衝突し、トルネード流Tは殆ど回収室110に伝わることなく、回収室110内の処理液W1はほぼ静止状態となっている。この区画部材は、図11や図12に示す装置に応用可能である。
【0023】
濾過筒102の底面には、バルブV4が介装されたドレンパイプ111が接続されている。
【0024】
上記構成となっている濾過装置101の動作を次に説明する。
【0025】
濾過処理をする際には、バルブV1、V2、V3を開き、バルブV4を閉じた状態にして、ポンプP1を駆動する。そうすると、処理液W1は、処理液パイプ105、ポンプP1、供給パイプ104を通って濾過筒102内に供給され、濾過筒102内は処理液W1により満たされる。
【0026】
このようにして処理液W1を濾過筒102に供給すると、図1に示すように、比重の小さい浮上型の濾材103は浮上して、個々の濾材103が緊密に押しつけられた稠密状態となる。このため濾材103により、非常にしっかりとした濾過層103aが形成され、濾材のサイズにもよるが、ミクロンオーダの濾過が可能となる。
【0027】
処理液W1の一部は、濾過層103aとなっている濾材103の間を下方から上方に向かって流通することにより濾過される。濾過された濾過液W2は、濾過液パイプ107を介して取り出される。この濾過液W2は、汚濁物が濾過・除去されているため清澄であり、そのまま外部環境に排出しても、公害の発生の恐れはない。また工場等において、工業用水として再利用することができる。また、汚濁液が酸性やアルカリ性である場合等には、必要に応じて化学的な中和処理をしてから排出する。更に、例えば、メッキ液は機械加工により発生する排液である。
【0028】
一方、処理液W1に含まれていた汚濁物(固形分)112は、濾過処理により分離され、濾過室109内(濾過室109のうち濾過層103aよりも下方空間)を下方に沈下していき、区画部材108を通過して下方に移動し、回収室110内に落下する。
【0029】
供給パイプ104から濾過塔102に供給される処理液W1は、濾過筒102の内周縁に沿う方向に噴出されて、この濾過筒102内では処理液W1が濾過筒102の内周縁に沿う方向に回流・旋回する。即ち、濾過室109内(濾過室109のうち濾過層103aよりも下方空間)において処理液W1が旋回・回流している。即ち、渦状の流れを形成している。
【0030】
同時に、濾過室109内に供給された処理液W1の一部は、下方に吸引されてから、吸引パイプ106を通ってポンプP1に戻っていく。即ち、濾過室109内(濾過室109のうち濾過層103aよりも下方空間)において処理液W1は下向流となって下向きに流れる。一般的には、竜巻は地上の物を上方に移動させるが、ここでは逆に、上方の被除去物を下方に移動させる働きを有する。
【0031】
結局、旋回・回流の流れと、下向流とが組み合わさって、濾過室109内において、処理液W1は、下方に向かって竜巻状に旋回するトルネード流T(図1参照)となる。即ち、濾過層103aの下面に平行に旋回・回流する流れが渦状の流れであり、何らかの方法により渦状の流れを下方に引き込むことで、下方に移動しながら旋回する渦状の流れが発生する。本発明では、吸引パイプ106を介した吸引力により、下方に移動しながら旋回する渦状の流れを発生させている。本発明では、この流れをトルネード流と呼ぶ。
【0032】
また、上記した流体の流れにより、濾過層103aの最下層の浮上濾材103に、浮上濾材103に作用する浮力よりも大きな下方向の力が作用する。従って、濾過層103aの最下層に位置する浮上濾材103は、濾過層から剥離して、流体の流れに巻き込まれる。
【0033】
このように、濾過室109内において、処理液W1によるトルネード流Tが発生する。このため、濾過層103aの下面の濾材103の一部がトルネード流Tにより剥離・離脱され、これに伴い、濾過層下面に一時的に付着していた汚濁物112も剥離される。この結果、濾材103でなる濾過層103aの下面には、汚濁物112が付着していない新しい面が次々と形成されることになり、目詰まりが起こりにくくなっている。このため良好な濾過性能を維持したままで、長時間の濾過運転ができる。
【0034】
なお、一旦剥離・離脱した個々の粒となった濾材103は、処理液W1のトルネード流Tにより下方に巻き込まれてもみ洗いされる。この結果、個々の粒となった濾材103に付着していた汚濁物112が分離し脱落する。汚濁物117が分離した個々の濾材103は、トルネード流Tからはずれると、再び浮上して濾過層103aを形成する。また剥離した汚濁物112は、その比重が流体よりも小さいので、濾過室109を落下し、区画部材108を通過してから、回収室110に入り、回収室110の底部に沈殿する。
【0035】
なお、バルブV1、V2、V3の開度を調節することにより、トルネード流Tの強度を調節することができる。つまり、濾過層103aの層状態を保持しつつ、濾過層103aの下面の一部の濾材103を剥離できる程度の強さのトルネード流Tを形成することができる。
【0036】
一方、旋回しつつ下向きに流れていったトルネード流Tは、区画部材108に衝突するため、回収室110には殆どトルネード流Tが入っていくことはない。つまり、トルネード流Tは、単純な下向流ではなく旋回しているため、旋回成分流が区画部材108に衝突してトルネード流Tが区画部材108にて塞き止められてしまうのである。このため、回収室110内の処理液W1は略静止状態となっており、回収室110内に落下した汚濁物112は回収室110の底部に堆積する。
【0037】
濾過処理運転をしていき、回収室110内に多量の汚濁物112が沈降・堆積した場合には、バルブV4を開き、回収室110に沈殿した汚濁物112を処理液W1とともに外部に排出する。この場合、外部に排出する処理液は少量であるので、簡単に無害化処理することができる。これは、濾過中にバルブV4を少し開けて処理液を取り出すことも可能である。また、バルブV1、V2、V3、V4を締めて、バルブV4を開けて、処理液を取り出すことも可能である。
【0038】
長期間に亙り濾過処理運転をして、多量の汚濁物112が濾過層103aの内部にまで浸入して濾過性能が低下してきたときには、濾過性能回復運転をする。即ち、バルブV1、V2を開状態にするとともに、バルブV3、V4を閉状態にして、ポンプP1を駆動する。そうすると、濾過室109内に供給された処理液W1のすべてが吸引パイプ106にて吸引されるため、濾過室109内では下向きの流れが強くなり、トルネード流Tによりすべての濾材103が巻き込まれて濾過層103aが崩れる。つまり、濾過室109の全体にまでトルネード流Tが成長し、各濾材103はトルネード流Tにより大部分あるいは濾過筒102内にて攪拌される。このため、濾材103に付着していた汚濁物112が分離され濾材103の濾過性能が回復する。この場合、バルブV1、V2の開度を調整することにより、トルネード流Tの大きさを調整することができる。即ち、濾材103を巻き込みながら旋回する渦状の水流が発生することで、各濾材103同士が擦り合いながら旋回し、濾材103の洗浄が行われる。
【0039】
成長したトルネード流Tにより、濾材103から汚濁物112を除去したら、ポンプP1を停止する。そうすると、個々に分離した濾材103は浮上して再び濾過層103aを形成する。これにより濾過処理性能が回復した濾過層103aとなる。
【0040】
また、上記した渦状の流体の流れにより、濾過層103aの下面の中央部が下方に盛り上がった形状に成る。即ち、濾過層103aの下面が漏斗状に成り、濾過層103aの下面と流体が接触する面積が大きくなる。従って、濾過の能率を向上させることができる。つまり、トルネード流Tを発生させることにより、濾材103のリフレッシュが行え、更に、濾過層103aの濾過面積を拡大させることができる。
【0041】
<変形例>
第1の実施の形態では、十字型(4枚板型)の区画部材108を採用したが、板の枚数を4枚よりも多くしても、少なくしてもよい。また、板を井桁状に組み合わせてもよい。また、区画部材として、パンチングメタルや、図5に示すような斜め板108Aや、図6に示すような漏斗状部材108Bを用いることもできる。更に、複数の区画部材を上下方向にずらして配置してもよく、この場合には、各区画部材の形状は同一であっても異なっていてもよい。たとえば十字型(4枚板型)の区画部材108の上側及び下側にそれぞれパンチングメタルを配置するような構成にしてもよい。
【0042】
なお、図5に示す斜め板108Aでは、斜め板108Aの下端と濾過筒102の内周面との間に、隙間を形成しており、この隙間を通じて汚濁物112が濾過室109から回収室110に落下していくことができるようにしている。また、斜め板108Aの上端と濾過筒102の内周面との間に、隙間を形成しており、回収室110に入り込んだ濾材103が、この隙間を通じて濾過室109に戻ってくるようにしている。
【0043】
また、図6に示す漏斗状部材108Bでは、漏斗状部材108Bの中央の下端に開口を形成しており、この開口を通じて汚濁物112が濾過室109から回収室110に落下していくことができるようにしている。また、漏斗状部材108Bの周縁上端部分と漏斗状部材108Bの内周面との間に、隙間を形成しており、回収室110に入り込んだ濾材103が、この隙間を通じて濾過室109に戻ってくるようにしている。
【0044】
また、吸引パイプ106は区画部材108よりも上側の濾過室109に接続されているが、回収室110の空間のうち区画部材108に近い部分に接続するようにしてもよい。更に、複数の区画部材を配置した場合には、上下の区画部材の間の位置に接続するようにしてもよい。
【0045】
また、第1の実施の形態では区画部材108を備えていたが、この区画部材108を省略することもできる。この場合には、濾過処理中におけるトルネード流Tの大きさを最適に調整して、即ちバルブV1、V2、V3の開度を調整して、トルネード流Tにより濾過層103aの底面の一部の濾材103を剥離することができるとともに、トルネード流Tの下端が濾過筒102の底面にまで達しないように調整する。このようにすることにより、濾過層103aの濾過性能を長時間に亙り維持することができるとともに、濾過筒102の底部に沈降・堆積した汚濁物112が巻き上がることを防ぐことができる。
【0046】
さらに、濾過筒102のうち濾過層103aが形成される部分に、処理液W1を濾過筒102の内周縁に方向に吹き出す濾過性能回復用の供給パイプを接続し、この濾過性能回復用の供給パイプに、バルブを介装すると共にポンプP1に接続しておいてもよい。通常の濾過運転中には、バルブを閉じているが、濾過性能回復運転をするときにはバルブを開ける。そうすると、濾過層103aが形成されていた部分にも処理液W1が周方向に噴出されるため、濾過層103aが迅速に崩れて濾材103の全体が迅速にトルネード流Tに巻き込まれる。このようにすることにより、濾材103の濾過性能回復を迅速・確実に行うことができる。
【0047】
<第2の実施の形態>
図7は本発明の第2の実施の形態に係る濾過装置120を示す。この濾過装置120では、処理液パイプ105及びポンプP1を介して供給されてきた処理液W1は、供給パイプ104から濾過筒102内に噴出されて、濾過室109内を回流・旋回する。
【0048】
また、第2の供給パイプ121が、濾過筒102に接続されている。供給パイプ121は、供給パイプ104と同様に、濾過筒102の径方向に対して斜めに配置されている。この場合、供給パイプ104、121は、噴出された処理液W1の回流・旋回方向が同方向となるように、向きを合わせて配置されている。
【0049】
吸引パイプ123は、供給パイプ104、121が濾過筒102に接続されている位置よりも下方位置で、濾過筒102に接続されている。ポンプP2は、吸引パイプ123を介して濾過室109の下部位置から処理水W1を吸引し、吸引した処理水W1を供給パイプ121を介して濾過室109の上部位置に吐出する。
【0050】
濾過室109の上部位置には、濾材用ネット124が張り渡されている。濾材用ネット124の網目径は、濾材103の粒径よりも小さくなっている。このため、浮上した濾材103は、濾材用ネット124により塞き止められるが、濾過層103aを通過して濾過された濾過液W2は濾材用ネット124を通過することができる。
【0051】
濾過液パイプ107は、濾過室109のうち濾材用ネット124よりも上方位置に配置されており、濾過された濾過液W2を外部に取り出すことができる。本実施の形態では、濾材用ネット124及び濾過液パイプ107により、濾過液取出構造が構成されている。上記構成は、第1の実施の形態に応用可能である。
【0052】
他の部分の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0053】
この第2の実施の形態においても、濾過室109にてトルネード流Tが発生し、濾過層103aの下面の一部の濾材103が離間され、濾過層103aの濾過性能が向上する。また回収室110には、トルネード流Tは殆ど伝わらず、回収室110内の処理液W1は略静止状態となっており、回収室110には濾過・分離された汚濁物112が沈降・堆積する。
【0054】
<第3の実施の形態>
図8は本発明の第3の実施の形態にかかる濾過装置101を示す。この濾過装置101では、濾過筒102のうち、濾過室109を形成する上側部分に対して、回収室110を形成する下側部分の横断面積が狭くなっている。また、区画部材は取り付けていない。他の部分の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0055】
この濾過装置130では、回収室110を形成する下側部分の横断面積が狭くなっているため、トルネード流Tは、回収室110の底部側に殆ど伝わることはない。このため、回収室110に沈降・堆積した汚濁物112が巻き上がることはない。
【0056】
なお、濾過筒102のうち、濾過室109を形成する上側部分を円筒形にしているが、回収室110を形成する下側部分を角筒型にしておけば、さらに、トルネード流Tが回収室110の低部側に伝わりにくくなる。
【0057】
また、全ての実施例に関して、原理的に、トルネード流Tは供給パイプ104の先端部で発生して、吸引パイプ106の近傍で終了する。このことにより、トルネード流Tは、吸引パイプ106よりも下方に伝わりにくい。
【0058】
<第4の実施の形態>
図9を参照して、第4の実施の形態に係る濾過装置101の構成および動作を説明する。同図に示す濾過装置101の基本的な構成は、第1の実施の形態に示したものと同様であり、相違点は循環手段としての逆洗吐出管130を有している点にある。この点に関して以下にて詳述する。
【0059】
循環手段としての逆洗吐出管130は、一方が供給パイプ104と合流して、ポンプP1に接続している。そして逆洗吐出管130の他方は、濾過容器の濾過室109に接続され、好適には濾過層103aが形成される箇所の濾過筒102に接続している。更に、逆洗吐出管130の途中には、バルブV5が設けられている。また、逆洗吐出管130は、供給パイプ104と同様に、濾過筒102の径方向に対して斜めに配置されており、逆洗吐出管130から濾過筒102に供給される処理液は、濾過筒102の内周縁に沿う方向に噴出されて、この濾過筒102内では処理液W1が濾過筒102の内周縁に沿う方向に回流・旋回するようになっている。他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0060】
通常の運転時(濾過時)に於いては、第5のバルブV5は閉じた状態であり、従って、濾過を行う状態に於いては、逆洗吐出管130は流体が流れない。即ち、逆洗吐出管130は、濾材103の洗浄を行う時のみに用いるパイプである。
【0061】
次に、逆洗吐出管130を用いた濾材103の洗浄方法に関して説明する。先ず、第1のバルブV1および第3のバルブV3を閉じ、第2のバルブV2および第5のバルブV5を開く。次にポンプP1を駆動させて、吸引パイプ106から引き抜いた流体を、逆洗吐出管130から濾過筒102内部に戻すことで循環させることができる。このことにより、大部分の濾材を巻き込みつつトルネード流が生成され、濾材103の洗浄が行われる。トルネード流による濾材103の洗浄を行うメカニズムは第1の実施の形態と同様である。
【0062】
また、浮上濾材103の洗浄を行う工程に於いて、浮上濾材103がトルネード流に巻き込まれて洗浄されることから、濾過液パイプ107の先端部は濾過されていない流体に接触する。従って、浮上濾材103の洗浄を繰り返すことにより、濾過液パイプ107の先端部に被除去物が付着する場合がある。このような場合は、濾過液パイプ107内部から流体を逆流させて、付着した被除去物を離散させる。
【0063】
<第5の実施の形態>
図10を参照して、第5の実施の形態に係る濾過装置101の構成および動作を説明する。同図に示す濾過装置130の基本的な構成は、第1の実施の形態に示したものと同様であり、相違点は捕獲手段132とバイパスパイプ131とを有している点にある。この点に関して以下にて詳述する。
【0064】
捕獲手段132は、吸引パイプ106の先端の吸引部を覆うように設けられている。そして、捕獲手段132は、トルネード流により濾過層103aから分離された濾材103や流体に含まれる被除去物が、吸引パイプ106内部に侵入するのを阻止する働きを有する。具体的には、例えば、図3(A)や図3(B)に示したものと同様の手段を捕獲手段132として用いることが可能である。このように捕獲手段132にて、濾材103および被除去物が吸引パイプ106に侵入するのを阻止することで、ポンプP1に濾材や被除去物が侵入することにより故障してしまうのを防止することができる。
【0065】
バイパスパイプ131は、吸引パイプ106と供給パイプ104とを連結するパイプである。具体的には、バイパスパイプ131の一方は、V2よりも濾過筒102に近い箇所の吸引パイプ106に連続している。そして、バイパスパイプ131の他方は、供給パイプに連続している。他の構成は、第1の実施の形態に示したものと同様である。
【0066】
濾過の進行に伴い、捕獲手段132の表面には濾材103および被除去物等から成る付着物層が形成され、やがてこの付着物層により濾過装置101の濾過が阻害される場合がある。このような場合は、バイパスパイプ131を用いた逆流作用により、捕獲手段132表面に形成される付着物層を除去する。具体的には、V2を閉じて、ポンプP1を駆動させる。このことにより、ポンプから吐出された流体は、バイパスパイプ131および吸引パイプ106を通過して、濾過筒102に流入する。従って、捕獲手段132の表面に付着した付着物層は剥離され、回収室110に沈殿する。
【0067】
<第6の実施の形態の構造>
図11は、本発明の第6の実施の形態にかかる、浮上濾材を用いた濾過装置201に、汚液を供給した状態を示している。この濾過装置201では、濾過塔202と静止塔203を備えている。この濾過塔202及び静止塔203は、上面及び下面が閉塞された筒状の部材である。
【0068】
濾過容器である濾過塔202の内部には、粒状の浮上型の濾材204が多数備えられている。この濾材204としては、比重が1よりも小さい(例えば比重が0.1程度の)微細な発泡スチロール粒や樹脂粒や無機質材粒を採用している。したがって、濾過塔202内に汚液W1を供給すると、濾材204は浮上して、個々の濾材204が緊密に押しつけられた稠密状態となる。このため浮上した濾材204により濾過層204aが形成され、精密な濾過が可能となる。濾材204の粒径(直径)は例えば0.05mm〜3mmの範囲内の特定の寸法となっており、汚液の種類に応じて最適な材料で形成した最適な粒径の濾材204を採用している。
【0069】
なお図11では、図示の都合上、濾材204を「まばら」に描いているが、図11の状態では稠密状態で濾材204が存在している。また濾材204の粒径は極めて小さいが、図では実際の寸法に比べて大きく描いている。
【0070】
濾過塔202のうち、濾材204が浮上して濾過層204aが形成されない部分(下側部分)には、バルブV1が介装された供給手段としての供給管205が連結されている。この供給管205には、ポンプP1が吸引手段としての吸引管206を介して貯溜槽207から吸引した汚液W1が供給される。このため、ポンプP1から吐出された汚液W1は供給管205を通って、濾過塔202の内部の下部空間(濾過層204aが形成されない空間)に噴出される。
【0071】
供給管205は、横断面図である図2に示すように、濾過塔202の径方向に対して斜めに配置されており、供給管205から濾過塔202に供給される汚液W1は、濾過塔202の内周縁に沿う方向に噴出されて、この濾過塔202内では汚液W1が濾過塔202の内周縁に沿う方向に回流(旋回)するようになっている。
【0072】
なお、図11、図2では1本の供給管205により、汚液W1を供給するようにしているが、濾過塔202の径方向に対して斜めに配置された複数本の供給管を、濾過塔202の周方向に離間して配置してもよい。もちろん、このようにした場合には、複数本の供給管から噴出された汚液の回流(旋回)方向が同方向になるように、向きを合わせて複数本の供給管を配置する。
【0073】
また、供給管205を、濾過塔202の径方向に対して斜めに配置することなく、濾過塔202の中央にまで真っ直ぐに挿入し、供給管205の先端に、汚液を周方向に噴出するノズルを備えるようにしてもよい。つまり、汚液を周方向に噴出して汚液を旋回させるような構造にしていればよい。
【0074】
図11に戻り説明を続けると、濾過塔202のうち、濾材204が浮上して濾過層204aが形成される部分(上側部分)には、排出手段としての濾過液管208が挿入されている。濾過液管208のうち、濾過塔202の内部に挿入される先端部分は、液体は透過させるが濾材204は透過させない集水構造になっている。集水構造の詳細に関しては、図3に示したものと同様である。
【0075】
図11に戻り説明を続けると、濾過塔202のうち濾材204が浮上して濾過層204aが形成されない部分(本実施の形態では濾過塔202の下端部分)と、静止塔203の上側部分とが送り管209により連結されている。また、静止塔203の頂部と、吸引管206の途中部分とが、濾材復帰管210により連結されている。この場合、吸引管206は太く(例えば管直径が20mm)、送り管209及び濾材復帰管210は細く(例えば管直径が6mm)なっている。
【0076】
静止塔203の上面203aは、上方に向かうに従い面積が狭められるような円錐形状面となっている。静止塔203の下面には、バルブV2が介装されたドレン管211が接続されている。
【0077】
濾過塔202の周面(側面)には、バルブV3が介装された逆洗吐出管212と、バルブV4が介装された濾材吸引管213と、バルブV5が介装された液吸引管214と、バルブV6が介装された液吐出管215と、バルブV7が介装された逆洗吸引管216が、順に上方から下方に向かった状態で配置されて接続されている。
【0078】
しかも、管212、213は、濾過塔202のうち濾材204が浮上して濾過層204aが形成される部分(上側部分)に接続され、管214、215、216は、濾過塔202のうち濾材204が浮上して濾過層204aが形成されない部分(下側部分)に接続されている。更に管212、213について詳述すると、逆洗吐出管212は、濾過塔202のうち濾過層204aの上層部分の位置に接続され、濾材吸引管213は濾過塔202のうち濾過層204aの下層部分に位置して接続されている。
【0079】
管212、215はポンプP2の吐出部P2out に接続され、管213、214、216はポンプP2の吸引部P2inに接続されている。
【0080】
上記構成となっている濾過装置201の動作を次に説明する。
【0081】
<濾過処理動作>
濾過処理をする際には、バルブV1、V4、V5、V6を開状態にし、バルブV2、V3、V7を閉状態にして、ポンプP1、P2を駆動させる。つまり、図11においてバルブV1〜V7のうち、白抜きして示したバルブを開状態とし、黒塗りして示したバルブを閉状態にして、ポンプP1、P2を駆動させる。
【0082】
ポンプP1が駆動すると、貯留槽207内の汚液W1は、吸引管206を介して吸引され供給管205を通って濾過塔202内に供給され、濾過塔202内が汚液W1により充満する。更に、濾過塔202内に供給された汚液W1は、細い送り管209を通って静止塔203内にも供給され、静止塔203内が汚液W1により充満する。このとき、細い濾材復帰管210が太い吸引管206に接続されているため、吸引管206内の汚液W1がポンプP1により吸引されて発生した負圧により、濾材復帰管210内が負圧となり、静止塔203内の汚液W1は、濾材復帰管210を通って吸引管206に戻ってくる。つまり、イジェクタと同じ原理により、静止塔203側の汚液W1が吸引管206側に吸引されてくる。
【0083】
このようにして汚液W1を濾過塔202に供給して充満させると、図11に示すように、比重の小さい浮上型の濾材204は浮上して、個々の濾材204が緊密に押しつけられた稠密状態となる。このため浮上した濾材204により、非常にしっかりとした濾過層204aが形成され、ミクロンオーダの濾過が可能となる。
【0084】
汚液W1は、濾過層204aの中を下方から上方に向かって流通することにより濾過される。濾過された濾過液W2は、濾過液管208を介して取り出される。この濾過液W2は、汚液W1中に含まれていた夾雑物217が濾過・除去されているため清澄であり、そのまま外部環境に排出しても、公害の発生の恐れはない。また工場等において、工業用水として再利用することができる。
【0085】
一方、汚液W1に含まれていた夾雑物217は、自重により下方に沈下していき、濾過塔202の底部にまで落下する。この夾雑物217は汚液W1とともに送り管209を通って静止塔203内に供給される。つまり、濾過・分離された夾雑物217が、濾過塔202から静止塔203に移送されることになる。
【0086】
静止塔203は濾過塔202から分離した塔であり、しかも、送り管209が細く汚液W1は静かに静止塔203に流れ込むため、静止塔203内の汚液W1は乱流となることなく略静止状態となっている。このため、汚液W1と共に静止塔203に移送された夾雑物217は沈降して、静止塔203の底部に堆積する。
【0087】
なお、汚液W1を送り管209を通って濾過塔202から静止塔203に供給しているため、濾材204の一部も静止塔203側に移送されてしまうことがある。このように静止塔203側に入ってしまった濾材204は浮上し、静止塔203の頂部に溜まり、汚液W1と共に濾材復帰管210を通って、吸引管206に戻され、供給管205を通って濾過塔202に戻ってくる。
【0088】
濾過処理を続けていくと、図11に示すように、濾過層204aの下面に夾雑物217が一時的に付着する。このとき、供給管205から濾過塔202に供給される汚液W1は、濾過塔202の内周面に沿う方向に噴出され、濾過塔202のうち濾過層204aよりも下方の空間では、汚液W1が回流・旋回している。このため、濾過層204aの下面の濾材204の一部が旋回流により剥離・離脱され、これに伴い、濾過層下面に一時的に付着していた夾雑物217も剥離される。このため、濾材204でなる濾過層204aの下面には、夾雑物217が付着していない新しい面が次々と形成されることになり、目詰まりが起こりにくくなっている。このため良好な濾過性能を維持したままで、長時間の濾過運転ができる。
【0089】
なお、一旦剥離・離脱した個々の粒となった濾材204は、汚液W1の旋回流により旋回されて夾雑物217から分離し、再び浮上して濾過層204aを形成する。また剥離した夾雑物217は濾過塔202の下方に落下し静止塔203に移送される。
【0090】
上述したような濾過作業中においては、バルブV3、V7を閉状態としつつバルブV4、V5、V6を開状態にしてポンプP2を駆動している。このため、液吸引管214からは汚液W1がポンプP2に向かって吸引されると共に、濾材吸引管213からは濾材204と汚液W1の混合液がポンプP2に向かって吸引される。ポンプP2では、汚液W1と濾材204とが攪拌されるため、濾材204の表面に付着したゴミや粘着物質等の夾雑物217が濾材204の表面から剥離され、濾材204の濾過性能が回復する。また粘着物質により塊となっていた多数の濾材204は個々の粒子に分離し、分離した個々の濾材204の表面に付着したゴミや粘着物質が濾材の表面から剥離され、濾材204の濾過性能が回復する。
【0091】
このように、ポンプP2にて濾過性能が回復した濾材204と、汚液W1は、ポンプP2から吐出され、液吐出管215を通って濾過塔202の下部空間(濾過層204aが形成されていない空間)に噴出される。噴出された濾材204は、浮上して再び濾過層204aを形成する。
【0092】
したがって、濾過層204aのうち、特に下層部分の濾材204は、次々と濾材吸引管213により吸引されると共に、濾過性能が回復した濾材204が次々と戻ってくるため、濾材204が少しづつ流動する。この結果、この部分(濾過層204aの下層部分)に進入してきた夾雑物217は、それ以上は上方に侵入することは殆どなく、濾材204と一緒に濾材吸引管213、ポンプP2及び液吐出管215を介して、濾過塔202の下部空間(濾過層204aが形成されていない空間)に送られることになる。したがって、濾過層204aの下層部分は、濾過性能が回復した濾材204によりリフレッシュされて、常に濾過性能が高い濾材204が存在することになり、濾過性能の高い濾過層となる。
【0093】
一方、濾過層204aのうち上層部分では、濾材204の移動は殆どなく濾材204が緊密に押しつけられた稠密状態が確保され続けるため、確実な濾過性能を維持することができる。したがって、汚れた液が濾過液管208から流失することはない。
【0094】
かくして、濾過層204aのうち下層部分では濾過性能が常に高く、また上層部分では濾過性能が確実に保持され、総合的に見て、濾過層204aの良好な濾過性能を長時間に亘って維持することができるようになった。つまり、攪拌棒等により濾材204aを攪拌することなく、濾過層204aの濾過性能を長時間に亘り維持することができる。
【0095】
また上述したように、濾材吸引管213から濾材204と汚液W1の混合液を吸引するのみならず、液吸引管214により汚液W1も同時に吸引しているため、濾材204が管中やポンプP2中で詰まることなく、円滑に流通させることができる。
【0096】
仮に例えば、液吸引管214を用いることなく、濾材吸引管213のみにより濾材204と汚液W1の混合液を吸引するようにした場合には、直ちに目詰まりが発生してしまう。このことは、実験により確認した。即ち、濾材吸引管213から濾材204と汚液W1の混合液を吸引するのみならず、液吸引管214により汚液W1も同時に吸引することが、目詰まりなく濾材204を吸引・流通させるポイントとなっているのである。
【0097】
<逆洗処理動作>
長時間に亘り濾過処理をしていくと、濾過層204aの内部にまで夾雑物217が侵入して濾過層204aが目詰まり状態となり、濾過液管208から出てくる濾過液W2の流量が少なくなってくる。このような状態になったら、逆洗処理をする。なお、このような目詰まり状態となったときには、濾過層204aを形成する個々の濾材204の間の隙間に、金属粉などの夾雑物217が抱き込まれた状態になっている。つまり、濾過層204に抱き込まれている金属粉等の夾雑物217の濃度が高くなっている。
【0098】
逆洗処理をする際には、バルブV1、V2、V4、V5、V6を閉状態にし、バルブV3、V7を開状態にして、ポンプP1は停止させ、ポンプP2を駆動させる。つまり、バルブV3〜V7に関して言うと、図11においてバルブV3〜V7のうち、白抜きして示したバルブを閉状態とし、黒塗りして示したバルブを開状態にする。そして、ポンプP2を駆動する。
【0099】
このようにすると、濾過塔202の下部空間に存在していた汚液W1が逆洗吸引管216を介してポンプP2に吸引され、ポンプP2から吐出した汚液W1は逆洗吐出管212を通って、濾過塔202内に形成された濾過層204aの上層部分に噴出される。
【0100】
このように濾過層204aの上層部分に汚液W1が噴出されるため濾過層204aは崩れて個々の濾材204に分離する。更に、濾過塔202の内部では汚液W1が上部(逆洗吐出管212による吐出部分)から下部(逆洗吸引管216による吸引部分)に向かって流れるため、個々に分離した濾材204は、濾過塔202の内部空間の全体に分散して攪拌されることになる。したがって、濾材204の間に抱き込まれていた金属粉等の夾雑物217は、濾過塔202の内部空間中の液全体に分散して、個々の濾材204から分離する。換言すると、濾材204は抱き込んでいた夾雑物217を液中に放出する。
【0101】
その後にポンプP2の駆動を停止すると、濾過塔202内では濾材204が浮上して再び濾過層204aが形成される。再形成された濾過層204aは夾雑物を放出した濾材204により構成されているため、再形成された濾過層204aの濾過性能は高くなっている。
【0102】
上述した逆洗処理が終了したら、通常の濾過運転状態に戻す。なお、逆洗処理の際に、濾材204の一部が送り管209を通って静止塔203側に移動していくことがあっても、静止塔203内に移動した濾材204は、濾過運転時に、濾材復帰管210、吸引管206、ポンプP1及び供給管205を通って濾過塔202に戻ってくる。
【0103】
<ドレン排出動作>
長時間に亘り濾過処理をしていくと、静止塔203の下部に多量の夾雑物217が堆積してくる。堆積量が多くなったら、バルブV2を開状態にして、ドレン管211を通して夾雑物217を汚液W1と共に排出する。このとき、静止塔203内にある濾材204は、静止塔203の上部において浮かんでいるため、ドレン排出をしても濾材204が外部に排出されることはない。
【0104】
なお、濾過塔202の底部にも、バルブを介装したドレン管を接続するようにしてもよい。このようにすれば、濾過塔202の底部に夾雑物等がたまった場合でも、この夾雑物を外部排出することができる。
【0105】
<第7の実施の形態の構造>
図12は、本発明の第7の実施の形態にかかる、浮上濾材を用いた濾過装置201Aを示す。第7の実施の形態にかかる濾過装置201Aは、第6の実施の形態にかかる濾過装置201に対して、更に、濾材用ネット150と区画部材151を備えた構造となっている。
【0106】
濾材用ネット150は、濾過塔202内でその上端面近くの位置に張り渡されており、その網目径は濾材204の粒径よりも小さくなっている。したがって、浮上してきた濾材204は、濾材用ネット150により塞き止められ、濾材用ネット150よりも上方に移動することはできない。ただし、濾過液W2は濾材用ネット150を通過して上方に移動することができることは勿論である。
【0107】
濾過液管208は通常の管材であり、濾過層204a及び濾材用ネット150を通過してきた濾過液W1を、濾過塔202の外部に排出する。
【0108】
濾過塔202の内部空間のうち濾過層204aが形成されない空間には、区画部材151が配置されている。この区画部材151は、下方に向かうに従い開口面積が狭められるような円錐形状面となっており、下端が下端開口151aとなっている。なお、区画部材151は、図示しない支持部材により、濾過塔202の内周面に支持されている。
【0109】
区画部材151には、濾材通過隙間152となる孔が形成されており、また、区画部材151の上部の外径は、濾過塔202の内径に比べて小さくなっており、この間の隙間も濾材通過隙間153となっている。
【0110】
この濾過装置201Aを濾過処理動作した場合には、区画部材151よりも上方空間では汚液W1は旋回流などの乱流となっているが、区画部材151よりも下方空間では汚液W1は静かになっている。したがって、区画部材151よりも下方に落下してきた夾雑物217は、濾過層204a側に戻っていくことはなく、濾過を効率的に行うことができる。また、区画部材151よりも下方に入ってきた濾材204は、濾材通過隙間152、153を通って濾過層204a側に戻っていく。
【0111】
他の部分の構成や動作は、第6の実施の形態に係る濾過装置201と同様である。
【0112】
<第8の実施の形態>
図13は、本発明の第8の実施の形態にかかる、浮上濾材を用いた濾過装置201Bを示す。第8の実施の形態にかかる濾過装置201Bでは、ポンプP1により、濾過処理動作と逆洗処理動作ができるように、逆洗吐出管212をポンプP1の吐出側に接続し、逆洗吸引管216をポンプP1の吸引側に接続している。 なお、第1及び第2の実施の形態で用いていた、ポンプP2、管214、2215、216等は使用しない。
【0113】
第8の実施形態では、濾過処理動作をする際には、バルブV1を開状態にし、バルブV2、V3、V7を閉状態にしてポンプP1を駆動させる。また、逆洗処理動作をする際には、バルブV1、V2を閉状態にし、バルブV3、V7を開状態にしてポンプP1を駆動させる。このようにすれば、第1及び第2の実施の形態での濾過処理及び逆洗処理と同様な処理が実行できる。
【0114】
<第9の実施の形態>
図14は本発明の第9の実施の形態に係る、浮上濾材を用いた濾過装置301を示す。図14の状態は、濾過装置301に汚濁液等の処理液(金属粉や塗料成分や泥などの固形分を含む水)W1が供給されている状態を示している。この濾過装置301の濾過部302は、円筒状をなしており、使用時においてその軸の向きが上下方向に沿う状態で設置(取り付け、配置)されるものであり、本実施の形態では、その上端面が上蓋302aにより閉塞され下端面は下蓋302bにより閉塞されている。なお濾過部302の形状は円筒状に限らず、他の多角形の筒形状にしてもよい。
【0115】
濾過容器である濾過部302の内部には、粒状の浮上濾材303が多数備えられている。この濾材303としては、処理液W1よりも比重が小さい(具体的には処理液W1の主体が水である場合には比重が1よりも小さい)微細な発泡スチロール粒や樹脂粒や無機質材粒を採用している。したがって、濾過部302内に処理液W1を供給すると、濾材303は浮上して、個々の濾材303が緊密に押しつけられた稠密状態となる。このため浮上した濾材303により濾過層303aが形成され、精密な濾過が可能となる。濾材303の粒径(直径)は例えば0.05mm〜3mmの範囲内の特定の寸法となっており、処理液W1に応じて最適な材料で形成した最適な粒径の濾材303を採用している。
【0116】
濾過部302の底部には円筒状の回収室としての沈殿室304が連通状態で連結されている。この沈殿室304の横断面積は濾過部302の横断面積よりも小さくなっている。また、沈殿室304は濾過部302の中心部分(径方向に沿う中心部分:中央部分)に位置して配置されている。換言すると、沈殿室304の軸中心と濾過部302の軸中心とが略一致している。
【0117】
この沈殿室304の底部には、バルブV1が介装されたドレインパイプ305が接続されている。
【0118】
濾過部302のうち、濾材303が浮上して濾過層303aが形成される部分には、排出手段としての濾過液パイプ306が挿入されている。濾過液パイプ306のうち、濾過部302の内部に挿入される先端部分は、液体は透過させるが濾材303は透過させない集水構造になっている。集水構造の詳細は、図3に示すものと同様である。
【0119】
供給手段としての供給パイプ307は、濾過部302の上蓋302aを貫通して濾過部302内に挿入されており、濾過層303aが形成される部分(上下方向位置)を上方から下方に向かって配管されている。そして、先端開口307aは濾過層303aが形成される位置よりも下方に位置している。しかも、供給パイプ307の先端部分(先端開口307aを含む部分)は、図14のIII-III断面(横断面)である図15に示すように、濾過部302の内周縁に沿う方向に曲がっている。
【0120】
処理液W1はポンプPにより供給パイプ307に供給されるため、処理液W1は供給パイプ307内を通り、濾過層303aが形成される位置を上方から下方に流れて先端開口307aから噴出される。このとき供給パイプ307の先端部分が濾過部302の内周縁に沿う方向に曲がっているため、噴出された処理液W1は濾過部302の内周縁に沿う方向に回流・旋回する。図14では、処理液W1の回流・旋回の流れ運動を符号Rで示している。
【0121】
上記構成となっている濾過装置301の動作を次に説明する。
【0122】
濾過処理をする際には、バルブV1を閉じた状態にしてポンプPを駆動する。そうすると、処理液W1は、ポンプP、供給パイプ307を通って濾過部302内に供給され、濾過部302内は処理液W1により満たされる。
【0123】
このようにして処理液W1を濾過部302に供給すると、図14に示すように、比重の小さい浮上型の濾材303は浮上して、個々の濾材303が緊密に押しつけられた稠密状態となる。このため濾材303により、非常にしっかりとした濾過層303aが形成され、ミクロンオーダの濾過が可能となる。
【0124】
処理液W1は、濾過層303aとなっている濾材303の間を下方から上方に向かって流通することにより濾過される。濾過された濾過液W2は、濾過液パイプ306を介して取り出される。この濾過液W2は、汚濁物が濾過・除去されているため清澄であり、そのまま外部環境に排出しても、公害の発生の恐れはない。また工場等において、工業用水として再利用することができる。また、汚濁液が酸性やアルカリ性である場合等には、必要に応じて化学的な中和処理をしてから排出する。
【0125】
一方、処理液W1に含まれていた汚濁物(固形分)310は、濾過処理により分離され、濾過部302内(濾過部302のうち濾過層303aよりも下方空間)を下方に沈下していき、沈殿室304内に落下して堆積する。このとき、濾過部302内では処理液W1が濾過部302の内周縁に沿う方向に回流・旋回しているため、沈降していく汚濁物310は濾過部302の中央部分に集められる。この結果、軸中心が濾過部302の軸中心と略一致している沈殿室304には、中央部分に集められた汚濁物310が効率的に沈降・堆積していく。
【0126】
なお、沈殿室304の横断面積は濾過部302の横断面積よりも狭くなっているので、処理液W1の回流・旋回の流れ運動Rは沈殿室304の底部にまで届くことなく、沈殿室304の底部においては、処理液W1の流動は極めて小さくなっている。よって、沈殿室304の底部に沈降・堆積した汚濁物310が舞い上がって濾過部302内に戻ってくることは殆どない。
【0127】
なお、沈殿室304を角筒状に形成しておけば、処理液W1の回流・旋回の流れ運動Rが沈殿室304内に入り込むのをより効果的に防止することができる。
【0128】
また、濾過部302内において、処理液W1による回流・旋回の流れ運動Rが発生するため、濾過層303aの下面の濾材303の一部が流れ運動Rにより剥離・離脱され、これに伴い、濾過層下面に一時的に付着していた汚濁物310も剥離される。この結果、濾材303でなる濾過層303aの下面には、汚濁物310が付着していない新しい面が次々と形成されることになり、目詰まりが起こりにくくなっている。このため良好な濾過性能を維持したままで、長時間の濾過運転ができる。
【0129】
なお、一旦剥離・離脱した個々の粒となった濾材303は、処理液W1の流れ運動Rにより巻き込まれてもみ洗いされる。この結果、個々の粒となった濾材303に付着していた汚濁物310が分離し脱落する。汚濁物310が分離した個々の濾材303は、再び浮上して濾過層303aを形成する。また剥離した汚濁物310は、濾過部302を落下し沈殿室304に入り沈殿室304の底部に沈殿する。
【0130】
濾過処理運転をしていき、沈殿室304内に多量の汚濁物310が沈降・堆積した場合には、バルブV1を開き、沈殿室304に沈殿した汚濁物310を処理液W1とともにドレインパイプ305を介して外部に排出する。この場合、沈殿室304の横断面積は濾過部302の横断面積よりも狭くなっているので、狭い沈殿室304内に汚濁物310が集中して堆積することになり、外部に排出する処理液W1が少量であっても、集中して堆積していた汚濁物310を効果的に外部排出することができる。また、同時に外部排出される処理液W1の量は少なくて済む。
【0131】
濾過部302内に処理液W1を供給していないときには、濾材303は下方に落ちている。また、供給パイプ307から濾過部302への処理液W1の供給を停止し(濾過運転を中止し)、バルブV1を開き処理液をドレインパイプ305を介して排出するときには、処理液W1と共に濾材303が下方に沈降してくる。このように濾材303が下方に落下・沈降しても、この濾材303が供給パイプ307の中に入り込んで(逆流して)くることはない。
【0132】
これは、供給パイプ307が、濾過層303aが形成される部分(上下方向位置)を上方から下方に向かって配管されており、その先端開口307aが濾過層303aが形成される位置よりも下方に位置しているからである。
【0133】
また、濾材303が下方に落下・沈降している状態で供給パイプ307を介して処理液W1を濾過部302内に供給すると濾材303は上昇してくるが、このときには供給パイプ307内では処理液W1が上方から下方に流れているため、濾材303が供給パイプ307内に浸入することはない。
【0134】
結局、濾材303が下方に沈降する際にも、沈降していた濾材303が上昇する際にも、濾材303が供給パイプ307内に逆流することはない。このため、微細な濾材303がポンプPのところにまで浸入することはなく、濾材303によりポンプPが回転停止したり詰まったりして故障することを防止することができる。
【0135】
<第10の実施の形態>
図16は、本発明の第10の実施の形態にかかる浮上濾材を用いた濾過装置301Aを示す。この濾過装置301Aでは、沈殿室304の内部空間のうち濾過部302に近い部分(上部空間)に、板状の区画部材320を備えている。
【0136】
濾過性能回復用のパイプ321は、供給パイプ307の途中から分岐しており、濾過部302の上蓋302aを貫通して濾過部302内に挿入されており、先端開口321aは濾過層303aが形成される部分に位置している。つまり、処理液W1が濾過部303内に供給されて濾過層303aが形成されたときに、先端開口321aは濾過層303aの内部に位置する。しかも、パイプ321の先端部分(先端開口321aを含む部分)は、供給パイプ307の先端部分と同様に、濾過部302の内周縁に沿う方向に曲がっている。
【0137】
供給用パイプ321にはバルブV2が介装されており、供給パイプ307には、分岐部分よりも下流部分にバルブV3が介装されている。他の部分の構成は、図14に示す第9の実施の形態と同様である。
【0138】
濾過処理をする際には、バルブV1、V2を閉じ、バルブV3を開いた状態にしてポンプPを駆動する。この濾過処理の際に濾過部302内には、処理液W1による回流・旋回の流れ運動Rが発生する。この流れ運動Rは沈殿室304の内部にまで浸入しようとするが、流れ運動Rは区画部材320に衝突するため、流れ運動Rは殆ど沈殿室304に入ることはない。また、沈殿室304内で発生した処理液W1による乱流も区画部材320に衝突して流れが減速ないし停止される。このため、沈殿室304の底部においては、処理液W1の流動は極めて小さくなっており、沈殿室304の底部に沈降・堆積した汚濁物310が舞い上がって濾過部302内に戻ってくることは殆どない。
【0139】
長期間に亙り濾過処理運転をして、多量の汚濁物310が濾過層303aの内部にまで浸入して濾過性能が低下してきたときには、濾過性能回復運転をする。即ち、バルブV2を開状態にするとともに、バルブV1、V3を閉状態にして、ポンプPを駆動する。そうすると、濾過性能回復用のパイプ321の先端開口321aから処理液W1が噴出される。このため、濾材303で形成した濾過層303aが崩れる。しかも、先端開口321aから噴出された処理液W1は、濾過部302の内周縁に沿った方向に旋回・回流するため、濾過部302の内部全体に、処理液W1の回流・旋回の流れ運動Rが発生し、各濾材303は流れ運動Rにより濾過部302内にて攪拌される。このため、濾材303に付着していた汚濁物310が分離され濾材303の濾過性能が回復する。
【0140】
処理液W1の回流・旋回の流れ運動Rにより、濾材303から汚濁物310を除去したら、ポンプPを停止する。そうすると、個々に分離した濾材303は浮上して再び濾過層303aを形成する。これにより濾過処理性能が回復した濾過層303aとなる。
【0141】
<第11の実施の形態>
図17は、本発明の第11の実施の形態にかかる浮上濾材を用いた濾過装置301Bを示す。この濾過装置301Bでは、濾過部302の内部空間のうち上側部分に、濾材用ネット330が張り渡されている。濾材303は、濾過部302の内部空間のうち濾材用ネット330よりも下側空間に充填されている。しかも、濾材用ネット330の網目径は、使用する濾材303の粒径よりも小さくなっている。このため、処理液W1が濾過部302内に供給されたときには、濾材用ネット330よりも下方位置に濾過層303aが形成される。
【0142】
濾過液パイプ306は濾過部302の内部空間のうち、濾材用ネット330よりも上方位置に挿入されている。この濾過液パイプ306は通常のパイプであり、図17に示すような集水構造にはなっていない。しかし、濾材102は濾材用ネット330で塞き止められるため、濾過層303aを通過し更に濾材用ネット330を通過してきた濾過液W2が濾過液パイプ306を通って外部に取り出すことができる。
【0143】
ポンプPから導出された供給パイプ307は、濾過部302の外側位置(隣接する空間)において、濾過層303aが形成される部分(上下方向位置)を上方から下方に向かって配管され(区間α)、その後に配管方向が反転して、濾過部302の下蓋302bを貫通して濾過部302内で上方に立ちのぼるように配管され(区間β)、先端開口307aは濾過層303aが形成される位置よりも下方に位置している。供給パイプ307の先端開口307aから噴出された処理液W1は、濾過部302の内周縁に沿って回流・旋回するようになっている。
【0144】
他の部分の構成は第9の実施の形態と同様である。
【0145】
本実施の形態では、供給パイプ307は、区間αにおいて、濾過層303aが形成される部分(上下方向位置)を上方から下方に向かって配管されている。このため、濾過運転を停止して濾過部302内での処理液W1の水位が低下してきて濾材303が下方に落下・沈降してきても、濾材303は、供給パイプ307の区間βに入ることはあっても、区間αにおいて上方に立ち上がって入り込むことはできない。この結果、濾材303がポンプPにまで浸入することはなく、濾材303によるポンプPの詰まりや回転停止を防止することができる。
【0146】
<第12の実施の形態>
図18は、本発明の第12の実施の形態にかかる浮上濾材を用いた濾過装置301Cを示す。この濾過装置301Cでは、ポンプPから導出された供給パイプ307は、濾過部302の外側位置(隣接する空間)において、濾過層303aが形成される部分(上下方向位置)を上方から下方に向かって配管され(区間α)、その後に配管方向が直交して水平方向に伸び、濾過部302の側面(周面)に接続されている。しかも、供給パイプ307は、図2に示すように、濾過部302の径方向に対して斜めに配置されている。このため、供給パイプ307から濾過部302に供給される処理液W1は、濾過部302の内周縁に沿う方向に噴出されて、この濾過部302内では処理液W1が濾過筒102の内周縁に沿う方向に回流・旋回するようになっている。
【0147】
他の部分の構成は、図17に示す第11の実施の形態と同様である。
【0148】
本実施の形態では、供給パイプ307は、区間αにおいて、濾過層303aが形成される部分(上下方向位置)を上方から下方に向かって配管されている。このため、濾過運転を停止して濾過部302内での処理液W1の水位が低下してきて濾材303が下方に落下・沈降してきても、濾材303は、区間αにおいて上方に立ち上がって入り込むことはできない。この結果、濾材303がポンプPにまで浸入することはなく、濾材303によるポンプPの詰まりや回転停止を防止することができる。
【0149】
<第13の実施の形態>
図19は、本発明の第13の実施の形態にかかる浮上濾材を用いた濾過装置301Dを示す。この濾過装置301Dでは、濾過部302はその下側部分が漏斗状に絞られており、下端にドレインパイプ305が接続されており、沈殿室304は接続されていない。また、濾過部302の内部には、図4に斜視図で示す十字型の区画部材340が配置されている。
【0150】
他の部分の構成は、図14に示す第9の実施の形態と同様である。
【0151】
濾過処理をする際には濾過部302内には、処理液W1による回流・旋回の流れ運動Rが発生する。この流れ運動Rは区画部材340よりも下方にまで浸入しようとするが、流れ運動Rは区画部材340に衝突するため、流れ運動Rは区画部材340よりも下方に伝わることはない。このため、濾過部302のうち区画部材340よりも下方の空間では、処理液W1の流動は極めて小さくなっている。したがって濾過分離された汚濁物310は、区画部材340を通過して沈降し、濾過部302の底部に沈降・堆積した汚濁物310は、舞い上がって区画部材340よりも上方の空間に戻ってくることは殆どない。
【0152】
なお、図19、図4に示す第13の実施の形態では、十字型(4枚板型)の区画部材340を採用したが、板の枚数を4枚よりも多くしても、少なくしてもよい。また、板を井桁状に組み合わせてもよい。また、区画部材として、パンチングメタルや、斜め板や、漏斗状部材を用いることもできる。更に、複数の区画部材を上下方向にずらして配置してもよく、この場合には、各区画部材の形状は同一であっても異なっていてもよい。
【0153】
結局、区画部材としては、区画部材の配置位置よりも上側の空間と下側の空間とを連通しつつ、流れ運動Rが下側空間に伝わることを阻止する機能を持つ物であれば良い。
【0154】
<第14の実施の形態>
図20は、本発明の第14の実施の形態にかかる浮上濾材を用いた濾過装置301Eを示す。この濾過装置301Eでは、濾過部302の底部は、連結筒350を介して沈殿部304と連通している。連結筒350の断面積(横断面積)は、濾過部302の断面積(横断面積)よりも小さくなっている。しかも、連結筒350の内部には区画部材340が配置されている。
【0155】
なお、他の部分の構成は図14に示す第9の実施の形態と同様である。
【0156】
本実施の形態では、濾過部302にて発生した処理液W1による回流・旋回の流れ運動Rは、狭い連結筒350にて制限されると共に、この流れ運動Rは区画部材340に衝突する。このため、流れ運動Rは殆ど沈殿室304に入ることはない。したがって、沈殿室304の内部においては、処理液W1の流動は極めて小さくなっており、沈殿室304に沈降・堆積した汚濁物310が舞い上がって濾過部302内に戻ってくることは殆どない。
【0157】
<第15の実施の形態>
図21から図23を参照して、本発明の第15の実施の形態に係る濾過装置101の構成および動作を説明する。
【0158】
図21を参照して、本実施の形態に係る濾過装置101は、例えば図1を参照して説明した濾過装置と基本的構成は同様であり、相違点は、区画部材108の構成にある。具体的には、濾過室109と回収室110とを区画する区画部材108に、開口部108Aが設けられている。
【0159】
図22を参照して、上記区画部材108の詳細を説明する。区画部材108は、2枚の板を十字に組み合わせた形状となっている。この基本的形状は、図3に示したものと同様である。開口部108Aは、区画部材を部分的に穿孔した箇所であり、ここでは、複数個の開口部108Aが設けられている。ここでは、開口部108Aの形状は円形であるが、他の形状でも良い。具体的には、矩形や三角形等の形状の開口部108Aでも良い。
【0160】
図23を参照して、上記構成の区画部材108を中心とした濾過装置101の動作を説明する。濾過筒102内部には、浮上濾材から成る濾過層103aが形成され、濾過層103aの下方にはトルネード流が形成される濾過室109が形成される。また、濾過室109の下方には回収室110が形成され、濾過室109と回収室110とは、区画部材108により区画されている。濾過室109内部では、濾過層103a下面の詰まりを防止するために、トルネード流が形成され、このトルネード流により、濾過層103a下面付近の濾材103および汚濁物112は離間されている。汚濁物112は、静止状態となっている回収室110に沈殿する。上記動作は、第1の実施の形態と同様である。
【0161】
上記濾過動作に於いて、区画部材108の役割に関して説明する。上記したトルネード流Tは、濾過室109内部を旋回しつつ下方に移動する流れである。従って、トルネード流Tは、縦方向に移動する第1の流れF1と、横方向に旋回する第2の流れF2とに分割して捉えることができる。本実施の形態では、区画部材108が有する開口部10Aにより、第1の流れF1と第2の流れF2とを衝突させることにより、トルネード流Tが回収室110に侵入するのを阻止している。即ち、区画部材108に設けた開口部108Aから、第2の流れF2が部分的に水平方向に移動する。一方、第1の流れF1は、縦方向に延在する区画部材108に沿って、その一部分が下方に移動する。そして、開口部108Aを通り抜けた第2の流れF2は、縦方向に移動する第1の流れF1と衝突する。従って、第1の流れF1および第2の流れF2は、互いに打ち消し合うことにより、弱くなる。このことから、トルネード流Tは回収室110に侵入しないので、回収室内部の流体は略静止状態に保たれ、回収室110に沈降した汚濁物112が舞い上がるのを防止することができる。
【0162】
【発明の効果】
以上実施の形態と共に具体的に説明したように、本発明によれば、浮上濾材を用いた濾過装置に於いて、浮上濾材から成る濾過層の下面に渦状の流れを発生させることにより、濾過層の再表層の浮上濾材の一部分を常に剥離しつつ濾過を進行させることができる。従って、濾過層の目詰まりを抑止しながら濾過が行えるので、長期間に渡り濾過層の濾過能力を維持することができる。
【0163】
また、この渦状の流れは、濾過筒102の内周縁に沿って、流体を噴出させることにより発生させることができる。従って、渦状の流れを発生させるためのファンや別途のポンプを装備すること無く、渦状の流れを発生させることができる。
【0164】
更にまた、供給パイプから濾過筒内に供給する処理液を、濾過筒の内周縁に沿う方向に噴出して処理液を回流・旋回させると共に、吸引パイプにより濾過筒内の処理液を下方に引き込むことにより、濾過筒内の処理液がトルネード流となる。このため、浮上した濾材で形成した濾過層の下面では、濾材の一部が剥離され汚濁物が付着していない新たな面が次々と形成され、目詰まりが発生しにくくなっており、良好な濾過性能を長時間にわたり維持することができる。
【0165】
また、汚液から夾雑物を濾過・分離する濾過塔と、分離した夾雑物を堆積する静止塔とを別部材としたため、分離した夾雑物が濾過の邪魔となることがなくなり、確実かつ効率的な濾過処理ができる。
【0166】
その上、静止塔に入っていった濾材は、濾材復帰管を通って濾過塔に戻ってくるため、濾材が装置外部に無駄に排出されることがなくなる。
【0167】
また、濾過塔内で上方から下方に向けて汚液を流す状態にして、濾材を攪拌して逆洗をするため、濾材に付着した夾雑物を短時間で確実に、濾材から分離させることができ、濾材の目詰まりを短時間で確実に解消することができる。
【0168】
更に、濾過処理中において、濾過層の下層に存在する濾材を汚液と共に吸引することにより、濾過層の下層を濾過性能の高い濾材に置き換えるため、良好な濾過性能を長時間に亘り維持することができる。
【0169】
本発明によれば、濾過層が形成される位置を上方から下方に向かう状態で供給パイプを配置したため、濾過運転を中止して濾材が落下・沈降してきても、濾材が供給パイプの内部に浸入してくることはない。このため、供給パイプに処理液を供給するポンプに濾材が浸入することを防止でき、濾材に起因するポンプの回転停止や詰まりを効果的に防止することができる。
【0170】
また本発明では、供給パイプから濾過部内に供給する処理液を、濾過部の内周縁に沿う方向に噴出して処理液を回流・旋回させるようにした。このため、浮上した濾材で形成した濾過層の下面では、濾材の一部が剥離され汚濁物が付着していない新たな面が次々と形成され、目詰まりが発生しにくくなっており、良好な濾過性能を長時間にわたり維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る濾過装置を示す構成図である。
【図2】供給パイプの濾過筒への接続状態を示す横断面図(A)、横断面図(B)である。
【図3】集水構造を示す展開図である。
【図4】区画部材を示す斜視図である。
【図5】区画部材として斜め板を用いた濾過装置を示す構成図である。
【図6】区画部材として漏斗状部材を用いた濾過装置を示す構成図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る濾過装置を示す構成図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る濾過装置を示す構成図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る濾過装置を示す構成図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係る濾過装置を示す構成図である。
【図11】本発明の第6の実施の形態に係る濾過装置を示す構成図である。
【図12】本発明の第7の実施の形態に係る濾過装置を示す構成図である。
【図13】本発明の第8の実施の形態に係る濾過装置を示す構成図である。
【図14】本発明の第9の実施の形態にかかる濾過装置を示す構成図である。
【図15】図14のIII-III断面を示す断面図である。
【図16】本発明の第10の実施の形態にかかる濾過装置を示す構成図である。
【図17】本発明の第11の実施の形態にかかる濾過装置を示す構成図である。
【図18】本発明の第12の実施の形態にかかる濾過装置を示す構成図である。
【図19】本発明の第13の実施の形態にかかる濾過装置を示す構成図である。
【図20】本発明の第14の実施の形態にかかる濾過装置を示す構成図である。
【図21】本発明の第15の実施の形態にかかる濾過装置を示す構成図である。
【図22】区画部材を示す斜視図である。
【図23】本発明の第15の実施の形態にかかる濾過装置を示す構成図である。
【符号の説明】
101、120、130 濾過装置
102 濾過筒
103 濾材
103a 濾過層
104 供給パイプ
105 処理液パイプ
106 吸引パイプ
107 濾過液パイプ
208 区画部材
109 濾過室
110 回収室
111 ドレンパイプ
121 供給パイプ
123 吸引パイプ
P1、P2 ポンプ
V1〜V4 バルブ
130 逆洗吐出管
131 バイパスパイプ
201、201A、201B 濾過装置
202 濾過塔
203 静止塔
204 濾材
205 供給管
206 吸引管
207 貯溜槽
208 濾過液管
209 送り管
210 濾材復帰管
211 ドレン管
212 逆洗吐出管
213 濾材吸引管
214 液吸引管
215 液吐出管
216 逆洗吸引管
217 夾雑物
250 濾材用ネット
251 区画部材
301、301A、301B、301C、301D、301E 濾過装置
302 濾過部
303 濾材
303a 濾過層
304 沈殿室
305 ドレンパイプ
306 濾過液パイプ
307 供給パイプ
320、340 区画部材
330 濾材用ネット
340 区画部材
350 連結筒
Claims (3)
- 軸の向きが上下方向に沿う状態で設置されると共に、比重が処理液よりも小さい粒状の濾材が内部に備えられ、処理液が供給されると濾材が浮上し浮上した濾材により濾過層が形成される濾過筒と、
前記処理液が前記濾過層を通過して清澄になった濾過液を前記濾過筒の外部に取り出す濾過液取出構造と、
前記濾過筒のうち、前記濾過層が形成される部分よりも下側部分に接続されて濾過筒の内部に処理液を供給すると共に、処理液を濾過筒の内周縁に沿う方向に噴出して処理液を濾過筒の内部のうち前記濾過層が形成されていない空間内にて回流・旋回させる供給パイプと、
前記供給パイプの接続位置よりも下方位置で前記濾過筒に接続されて、濾過筒の内部から処理液を吸引することにより、濾過筒内にて発生した処理液の回流・旋回を下方に引き込む吸引パイプと、
を有することを特徴とする浮上濾材を用いた濾過装置。 - 軸の向きが上下方向に沿う状態で設置されると共に、比重が処理液よりも小さい粒状の濾材が内部に備えられ、処理液が供給されると濾材が浮上し浮上した濾材により濾過層が形成される濾過筒と、
前記処理液が前記濾過層を通過して清澄になった濾過液を前記濾過筒の外部に取り出す濾過液取出構造と、
前記濾過筒のうち、前記濾過層が形成される部分よりも下側部分に接続されて濾過筒の内部に処理液を供給すると共に、処理液を濾過筒の内周縁に沿う方向に噴出して処理液を濾過筒の内部のうち前記濾過層が形成されていない空間内にて回流・旋回させる供給パイプと、
前記供給パイプの接続位置よりも下方位置で前記濾過筒に接続されて、濾過筒の内部から処理液を吸引することにより、濾過筒内にて発生した処理液の回流・旋回を下方に引き込む吸引パイプと、
前記供給パイプの接続位置よりも下方位置で前記濾過筒の内部に配置されることにより濾過筒内を上側の濾過室と下側の回収室に区画すると共に、前記濾過室と前記回収室との連通状態を維持しつつ、処理液の回流・旋回の流れが下方に伝わるのを阻止する区画部材と、
を有することを特徴とする浮上濾材を用いた濾過装置。 - 請求項2において、
前記区画部材は、板を交差して組み合わせた構造体、または、斜め板、または、漏斗状部材、または、パンチングメタルであることを特徴とする浮上濾材を用いた濾過装置。
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