JPH09201353A - X線照射位置合わせ方法および装置並びにx線ct装置 - Google Patents

X線照射位置合わせ方法および装置並びにx線ct装置

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JPH09201353A
JPH09201353A JP8012672A JP1267296A JPH09201353A JP H09201353 A JPH09201353 A JP H09201353A JP 8012672 A JP8012672 A JP 8012672A JP 1267296 A JP1267296 A JP 1267296A JP H09201353 A JPH09201353 A JP H09201353A
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ray
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ray detector
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arrays
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Masayasu Nukui
正健 貫井
Makoto Gono
誠 郷野
Tetsuya Horiuchi
哲也 堀内
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GE Yokogawa Medical System Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線検出素子のアレイを複数個有するX線検
出器について高精度のX線照射位置合わせを行うX線照
射位置合わせ方法および装置並びにX線CT装置を実現
する。 【解決手段】 複数個の検出アレイを有するX線検出器
DTと、X線検出器にX線ビームを照射するX線照射手
段XSとを有するX線装置のためのX線照射位置合わせ
装置において、X線検出器DTにおける異なるアレイに
属する相対位置が同一なX線検出素子同士によるX線検
出信号に基づいてX線検出器におけるX線ビームの照射
位置を調節する調節手段DAS,COM,FC,FXを
具備することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線装置のためのX
線照射位置合わせ方法および装置並びにX線CT装置に
関する。さらに詳しくは、X線検出素子のアレイ(arra
y) を複数個有するX線検出器についてX線ビームの入
射位置合わせを行う方法および装置並びにX線CT装置
である。
【0002】
【従来の技術】X線CT装置においては、被検体を扇状
のX線ビームでスキャンした測定データを用いて被検体
の画像が再構成される。測定データはX線ビームの扇状
の広がりの方向に多数のX線検出素子を配列した多チャ
ンネルのX線検出器によって測定される。
【0003】図9に、X線CT装置におけるX線照射・
検出系の概念図を示す。図9において、X線検出器の検
出素子DTeには、X線管の焦点Fから発生したX線
が、アパーチャ(aperture)APを通して所定の厚みtの
X線ビームBMとなって照射される。
【0004】X線ビームBMは厚みの方向(z方向)と
は垂直な方向(x方向)に広がる扇状のビームとなって
いる。この扇状X線ビームの広がりの方向にX線検出素
子DTeが複数個(複数チャンネル)配列され、多チャ
ンネルのX線検出器DTを構成している。すなわち、X
線検出器DTは複数のX線検出素子DTeのアレイによ
って構成される。
【0005】X線ビームBMはその照射位置がX線検出
素子DTeの中央となるように位置合わせされる。X線
ビームBMの照射位置合わせはX線管の焦点FまたはX
線検出器DTの位置をz方向において調節することによ
って行なわれる。通常は、X線管を所定の位置に固定し
そこから照射されるX線ビームに合わせてX線検出器D
Tの位置を調節することが行なわれる。
【0006】従来、X線ビームBMに対するX線検出器
DTの照射位置合わせは次のようにして行われていた。
すなわち、図10に示すように、X線検出器DTのX線
入射面上の両端に位置合わせ用の治具JGを取り付け、
すでに所定位置に固定されているX線管から厚みtのX
線ビームBMを照射する。
【0007】治具JGは例えば図11に示すように、例
えば鉛等のX線遮蔽材からなるケースCSにY字形の抜
き穴YHと2つの丸い抜き穴RHを設け、ケースCSの
内部に感光シートをFLを収納したものとなっている。
【0008】Y字形の抜き穴YHは、Y字の下肢部が治
具JGの中心線CLjに一致するように形成される。2
つの丸い抜き穴RHはY字形の抜き穴YHの左右におい
て中心線CLj上に形成される。感光シートFLは即時
現像可能なものである。
【0009】このような治具JGは、ケースCSの中心
線CLjをX線検出器DTの中央線CLdに一致させて
X線検出器DTに取り付けられる。X線ビームBMの照
射後に感光シートFLを抜き取って現像すると、抜き穴
YHを通って露光したX線ビームBMの像が得られる。
抜き穴YHがY字形をしているので、X線ビームBMの
像の形状からX線ビームのz方向の照射位置を判定する
ことができる。
【0010】X線ビームBMの照射位置がX線検出DT
の中央線CLdに一致したときは抜き穴YHのY字の下
肢部の像と2つの丸い抜き穴RHの像が同時に得られ
る。そこで、そのような像が両側の治具JGで得られる
ようになるまでX線検出器DTの位置調整とX線の試射
および露光像のチェックを繰り返す。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年、X線CT装置用
にX線検出素子のアレイを複数個有するX線検出器が開
発されつつある。そのようなX線検出器を用いたX線C
T装置においては1スキャンで複数スライス分の測定デ
ータが得られるので、それらの測定データを利用してよ
り高度の画像再構成を行えるようになる。
【0012】この種のX線検出器においては、従来のX
線検出器と同程度のz方向の寸法(幅)内に複数のアレ
イが構成される。このため、1つのアレイ当たりの幅が
狭くなるのでより高精度の位置合わせが要求される。
【0013】上記の従来の位置合わせ方法は、感光シー
トFLに露光したX線ビーム像を目視によって判定しな
がら行うものであるから、高精度の位置合わせを行うの
には適しない。
【0014】敢えてこの方法で高精度の位置合わせを行
なおうとすれば、時間と労力がかかり能率が悪い。ま
た、治具に入れる感光シートのような消耗品を必要とす
るのも好ましくない。
【0015】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、X線検出素子のアレイを複
数個有するX線検出器について高精度のX線照射位置合
わせを行うX線照射位置合わせ方法および装置並びにX
線CT装置を実現することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
〔1〕課題を解決するための第1の発明は、X線検出素
子のアレイを複数個互いに平行に配列してなるX線検出
器にアレイの幅の方向に厚みを有しそれとは垂直な方向
に広がりを有するX線ビームを照射するX線装置のため
のX線照射位置合わせ方法であって、前記X線検出器に
おける互いに異なるアレイに属する相対位置が実質的に
同一なX線検出素子同士によるX線検出信号に基づいて
前記X線検出器における前記X線ビームの照射位置を調
節することを特徴とするX線照射位置合わせ方法であ
る。
【0017】課題を解決するための第1の発明によれ
ば、X線検出器における互いに異なるアレイに属する相
対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX線検
出信号に基づいてX線検出器におけるX線ビームの照射
位置を調節するようにしたので、X線検出素子のアレイ
を複数個有するX線検出器について高精度のX線照射位
置合わせを行うX線照射位置合わせ方法を実現すること
ができる。
【0018】課題を解決するための第1の発明におい
て、前記X線検出素子同士は各アレイにおける複数のX
線検出素子同士であることがより高精度のX線照射位置
合わせを行なう点で好ましい。
【0019】課題を解決するための第1の発明におい
て、前記X線検出素子同士は前記X線検出器の両端部に
位置するX線検出素子同士であることがX線照射位置合
わせを能率良く行なう点で好ましい。
【0020】なお、課題を解決するための第1の発明に
おける前記X線ビームの照射位置の調節の形態には下記
のものが含まれる。 (1)X線検出器の位置を調節するもの (2)X線ビームの位置を調節するもの (3)X線検出器の位置とX線ビームの位置を共に調節
するもの
【0021】〔2〕課題を解決するための第2の発明
は、X線検出素子のアレイを複数個互いに平行に配列し
てなるX線検出器と、前記X線検出器に前記アレイの幅
の方向に厚みを有しそれとは垂直な方向に広がりを有す
るX線ビームを照射するX線照射手段とを有するX線装
置のためのX線照射位置合わせ装置において、前記X線
検出器における互いに異なるアレイに属する相対位置が
実質的に同一なX線検出素子同士によるX線検出信号に
基づいて前記X線検出器における前記X線ビームの照射
位置を調節する調節手段を具備することを特徴とするX
線照射位置合わせ装置である。
【0022】課題を解決するための第2の発明によれ
ば、X線検出器における互いに異なるアレイに属する相
対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX線検
出信号に基づいてX線検出器におけるX線ビームの照射
位置を調節するようにしたので、X線検出素子のアレイ
を複数個有するX線検出器について高精度のX線照射位
置合わせを行うX線照射位置合わせ装置を実現すること
ができる。
【0023】課題を解決するための第2の発明におい
て、前記X線検出素子同士は各アレイにおける複数のX
線検出素子同士であることがより高精度のX線照射位置
合わせを行なう点で好ましい。
【0024】課題を解決するための第2の発明におい
て、前記X線検出素子同士は前記X線検出器の両端部に
位置するX線検出素子同士であることがX線照射位置合
わせを能率良く行なう点で好ましい。
【0025】なお、課題を解決するための第2の発明に
おける「調節手段」の範疇には下記のものが含まれる。 (1)X線検出器の位置を調節するもの (2)X線照射手段の位置を調節するもの (3)X線検出器の位置とX線照射手段の位置を共に調
節するもの
【0026】〔3〕課題を解決するための第3の発明
は、X線検出素子のアレイを複数個互いに平行に配列し
てなるX線検出器と、前記X線検出器に前記アレイの幅
の方向に厚みを有しそれとは垂直な方向に広がりを有す
るX線ビームを照射するX線照射手段と、前記X線検出
器の出力信号に基づいて画像再構成を行う画像再構成手
段とを有するX線CT装置において、前記X線検出器に
おける互いに異なるアレイに属する相対位置が実質的に
同一なX線検出素子同士によるX線検出信号に基づいて
前記X線検出器における前記X線ビームの照射位置を調
節する調節手段を具備することを特徴とするX線CT装
置である。
【0027】課題を解決するための第3の発明によれ
ば、X線検出器における互いに異なるアレイに属する相
対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX線検
出信号に基づいてX線検出器におけるX線ビームの照射
位置を調節するようにしたので、X線検出素子のアレイ
を複数個有するX線検出器について高精度のX線照射位
置合わせを行うX線CT装置を実現することができる。
【0028】課題を解決するための第3の発明におい
て、前記X線検出素子同士は各アレイにおける複数のX
線検出素子同士であることがより高精度のX線照射位置
合わせを行なう点で好ましい。
【0029】課題を解決するための第3の発明におい
て、前記X線検出素子同士は前記X線検出器の両端部に
位置するX線検出素子同士であることがX線照射位置合
わせを能率良く行なう点で好ましい。
【0030】なお、課題を解決するための第3の発明に
おける「調節手段」の範疇は前述の通りである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1にX線照射位置合わせ
装置のブロック図を示す。本装置は本発明の実施の形態
の一例である。なお、本装置の構成によって本発明の装
置に関する実施の形態の一例が示される。また、本装置
の動作によって本発明の方法に関する実施の形態の一例
が示される。
【0032】図1において、X線照射器XSとX線検出
器DTが支持枠FMに取り付けられている。X線照射器
XSは本発明におけるX線照射手段の実施の形態の一例
である。X線検出器DTは本発明におけるX線検出器の
実施の形態の一例である。
【0033】支持枠FMは紙面に垂直な軸Oを中心とし
て回転できるようになっている。X線照射器XSとX線
検出器DTは軸Oを挟んで互いに対向するように支持枠
FM上に配置される。X線照射器XSとX線検出器DT
が対向している空間には図示しない被検体が配置され
る。
【0034】X線照射器XSとX線検出器DTが取り付
けられた支持枠FMはX線CT装置のガントリを構成す
る。X線CT装置のガントリは本発明におけるX線装置
の実施の形態の一例である。
【0035】X線照射器XSは例えばX線管をX線源と
するものである。X線照射器XSはX線検出器DTに向
けて扇状のX線ビームBMを照射するようになってい
る。X線検出器DTは多チャンネルのX線検出器であ
り、扇状のX線ビームBMの広がりの方向(x方向)に
配列された多数(例えば1000個)のX線検出素子の
アレイを有する。X線検出素子のアレイは複数列設けら
れている。
【0036】ここではアレイが2列の場合について説明
する。2列のアレイはX線ビームBMの厚みの方向(z
方向)に隣合って平行に配置されている。このような2
つのアレイを持つX線検出器DTは、例えばシンチレー
ション(scintillaion)X線検出器やCdTe(カドミウ
ム・テルル)X線検出器等の固体X線検出器によって実
現するのが検出素子の微素子化およびアレイ間距離の短
縮化の点で好ましい。
【0037】X線検出器DTは取付け装置FXによって
支持枠FMに取り付けられる。取付け装置FXはz位置
可変機構を内蔵している。z位置可変機構は例えば送り
ネジ等を用いた位置可変機構によって構成される。
【0038】X線制御部XCはX線照射器XSを制御す
るものである。これによってX線の強度、照射タイミン
グ等が制御される。z位置制御部FCは取付け装置FX
を制御するものである。z位置制御部FCによる取付け
装置FXの制御によってX線検出器DTのz位置が調節
される。
【0039】データ収集部DASはX線検出器DTから
出力される多チャンネルのX線検出信号を収集するもの
である。データ収集部DASの1チャンネル分の構成を
図2に示す。図2に示すように、X線検出素子DTeの
出力信号が積分器INTによって積分され、積分器IN
Tの出力信号がマルチプレクサMXを通じてA/D(ana
log-to-digital) 変換器ADCに与えられ、ディジタル
信号に変換されてメモリMEMに記憶される。
【0040】マルチプレクサMXの入力側には他のチャ
ンネルの積分器が複数個接続されており、それらが順次
切り換えられてA/D変換器ADCに接続される。制御
装置CNTは積分器INTの動作を制御し、所定の周期
で積分とリセットを行なわせる。すなわち、例えば図3
に示すように、周期TsのうちTi時間で積分を行なわ
せTr時間でリセットを行なわせる。
【0041】制御装置CNTはマルチプレクサMXを制
御し、積分器INTがTi時間の積分を完了したタイミ
ングでそれをA/D変換器ADCに接続する。制御装置
CNTは、また、メモリMEMの書込アドレスを制御し
てA/D変換器ADCの出力信号をX線検出素子DTe
のアレイ番号およびチャンネル番号に対応したアドレス
に記憶させる。
【0042】図1に戻って、コンピュータCOMはX線
制御部XCおよびz位置制御部FCを管制し、所定のシ
ーケンスに基づくX線検出器DTの位置合わせ作業を遂
行するものである。その際、コンピュータCOMはデー
タ収集部DASが収集したデータに基づいてz位置制御
部FCを制御し、X線検出器DTの位置合わせを行わせ
るようになっている。コンピュータCOMおよびz位置
制御部FCは本発明における調節手段の実施の形態の一
例である。
【0043】コンピュータCOMには表示部DISおよ
び操作部OPが接続される。これらは操作者のためのマ
ンマシン・インタフェイス(man-machine interface) を
構成する。
【0044】次に、位置合わせ動作について説明する。
図4に位置合わせ動作のフロー図を示す。図4におい
て、先ずステージST1でX線照射器XSからX線ビー
ムBMがX線検出器DTに照射され、X線検出器DTの
X線測定データがデータ収集部DASによって収集され
る。なお、X線照射器XSは既に支持枠FMの所定の位
置に固定されているものとする。
【0045】初期状態ではX線検出器DTのz位置は未
調整であり、X線検出器DTのX線入射面には、例えば
図5に示すように正しい位置からずれたX線ビームBM
が入射する。図5は、X線ビームBMがX線検出器DT
の2つのアレイARYA およびARYB とは平行でなく
かつ2つのアレイに不均等に照射された例を示す。
【0046】このようなX線ビームBMに基づくX線測
定データがデータ収集部DASによって収集されメモリ
MEMに記憶される。次に、ステージST2において、
位置ずれデータZL およびZR の計算が行われる。位置
ずれデータZL およびZR はそれぞれ次式で与えられ
る。
【0047】
【数1】
【0048】ここで、 AL :アレイARYA の左端の検出素子DTALの測定デ
ータ AR :アレイARYA の右端の検出素子DTARの測定デ
ータ BL :アレイARYB の左端の検出素子DTBLの測定デ
ータ BR :アレイARYB の右端の検出素子DTBRの測定デ
ータ なお、これらAL 〜BR はそれぞれの端部の複数チャン
ネルの測定データの和もしくは平均値とするのがS/N
を良くする点で好ましい。
【0049】(1)式で与えられるZL はX線検出器D
Tの左端における2つのアレイARYA とARYB 間の
測定データのアンバランス度を表す。(2)式で与えら
れるZR はX線検出器DTの右端における2つのアレイ
ARYA とARYB 間の測定データのアンバランス度を
表す。
【0050】なお、2つのアレイARYA とARYB
の測定データのアンバランスは測定データAL とB
L (またはAR とBR )の差をとるだけでも求めること
ができるが、(1)式(または(2)式)のようにAL
とBL (またはAR とBR )の和との比とするのが、相
対化により測定データの絶対値が問題にならなくなる点
で好ましい。
【0051】これらのアンバランスは2つのアレイAR
A とARYB へのX線照射の不均等によって生じるか
ら、ZL およびZR はそれぞれX線検出器DTの左端お
よび右端における2つのアレイへのX線照射のアンバラ
ンス度を表す。
【0052】2つのアレイへのX線照射のアンバランス
はX線検出器DTの正しい取付け位置からのずれによっ
て生じるから、ZL およびZR はそれぞれX線検出器D
Tの左端および右端の位置ずれを表すデータとして利用
することができる。
【0053】これら位置ずれデータZL およびZR は、
図6に示すようにX線ビームBMがアレイARYA とA
RYB に平行でかつ均等に照射されたとき共に0となる
べきものである。
【0054】次に、ステージST3において、位置ずれ
が許容範囲内か否かが判定される。判定は次式に基づい
て行われる。
【0055】
【数2】
【0056】ここで、 δ1,δ2:判定基準 δ1およびδ2は理想的には0とするべきものである
が、現実的見地から適宜の許容範囲が設けられる。
(3),(4)式の条件を同時に満足するとき、X線検
出器DTの左端と右端においてz位置誤差が共に許容範
囲内にあることを示す。
【0057】初期状態では一般に許容範囲を外れている
から、ステージST4に分岐してz位置調整を行う。こ
のとき、コンピュータCOMは、位置ずれデータZL
よびZR に基づいて所定の制御アルゴリズム(algorith
m) により位置ずれ修正用の制御信号を作成し、それに
よってz位置制御部FCを制御する。
【0058】位置ずれの距離Δzと位置ずれデータZL
またはZR の間には図7に示すような関係がある。すな
わち、X線ビームBMが全てアレイARYA に入射する
ほどにX線検出器DTがずれているときは、ZL または
R の値は1となり、反対にX線ビームBMが全てアレ
イARYB に入射するほどに位置がずれているときは、
それらの値は−1となる。位置ずれのない理想状態では
L =0かつZR =0となる。ZL =0またはZR =0
付近ではZL またはZR は位置ずれに対して直線的な軌
跡に沿って変化する。
【0059】制御信号はこのような関係に基づいて作成
されてz位置制御部FCに与えられる。この制御信号に
基づいてz位置制御部FCは取付け装置FXを制御して
X線検出器DTの両端のz位置をそれぞれ変更する。
【0060】次に、ステージST1において、再びX線
を照射して変更後のz位置でのX線測定データを測定
し、ステージST2において改めて位置ずれデータZL
およびZR を計算し、ステージST3においてそれが許
容範囲内に入るかどうかを調べる。
【0061】X線検出器DTの両端の位置ずれが許容範
囲に入らないうちは以上の動作が繰り返され、(3),
(4)式の条件が満足されたときに終了する。一般にX
線検出器DTの筺体は途中の変形が無視できる程度に十
分強度が高いので、両端の位置合わせをするだけで能率
良く全体の位置合せを行なうことができる。
【0062】このとき、図6に示すように、X線検出器
DTの入射面においてX線ビームBMがアレイARYA
とARYB と平行になり、かつアレイARYA とARY
B に均等に照射されるようになる。
【0063】このようにして、X線検出器DTのz方向
の位置合わせがコンピュータCOMによって自動化さ
れ、高精度でかつ能率良く行われる。なお、X線検出器
DTは2つのアレイを有するものに限らず、3つ以上の
アレイを有するものであっても同様な方法でX線照射位
置合わせを行なうことができる。
【0064】また、z位置調節は、コンピュータCOM
から位置ずれデータZL ,ZR もしくは両端のz位置修
正量を表示部DISに表示させ、その表示に基づいて作
業者が手動で行うようにしても良い。手動ではあっても
コンピュータCOMの指示に基づいて作業を行なうので
精度の良い位置合わせを行なうことができる。
【0065】また、X線検出器DTを動かす代わりにX
線照射手段XSを動かしてX線照射位置合わせを行なう
ようにしても良い。勿論、これは自動または手動のいず
れによっても良い。
【0066】X線照射位置合わせ装置は、X線CT装置
に組み込むこともできる。図8に、位置合わせ装置を組
み込んだX線CT装置のブロック図を示す。図8におい
て、X線照射器XSとX線検出器DTが支持枠FMによ
って支持され図1に示したものと同様なガントリを構成
している。X線検出器DTは図1と同様な取付け装置F
Xによって支持枠FMに取り付けられるている。
【0067】扇状のX線ビームBMの開き角の範囲内に
被検体OBが配置される。これによって扇状のX線ビー
ムBMによる被検体OBの投影像がX線検出器DTに投
影される。
【0068】被検体OBは支持板TB上に載置される。
支持板TBは上下方向に移動できるようになっており、
これによって被検体OBの上下方向の位置が調節できる
ようになっている。支持板TBは、また、紙面に垂直な
方向に進退できるようになっており、それによって被検
体OBをX線照射領域に搬入および搬出できるようにな
っている。
【0069】X線制御部XC、z位置制御部FCおよび
データ収集部DASは図1に示したものと同様なもので
ある。回転制御部RCは支持枠FMの回転を制御するも
のである。これによって支持枠FMの回転速度、起動お
よび停止等が制御される。
【0070】支持板制御部TCは支持板TBを制御する
ものである。これによって支持板TBの上下移動とX線
照射領域への進退が制御される。コンピュータCOMは
X線制御部XC、回転制御部RCおよび支持板制御部T
C管制して所定のシーケンスに基づくスキャンを遂行
し、データ収集部DASが収集したデータに基づいて被
検体OBの画像を再構成する。コンピュータCOMは本
発明における画像再構成手段の実施の形態の一例であ
る。
【0071】再構成画像は画像出力部IMを通じて出力
される。画像出力部IMは例えばCRT(cathod-ray tu
be) 等を用いた画像表示装置やフィルム等に画像を撮影
する写真撮影装置によって構成される。
【0072】コンピュータCOMには操作部OPが接続
され、操作者からの各種の指令等がコンピュータCOM
に与えられるようになっている。コンピュータCOM
は、また、X線制御部XCおよびz位置制御部FCを管
制し、前述と同様な動作によりX線検出器DTの位置合
わせを行うようになっている。なお、X線検出器DTの
位置合わせは支持板TBを退避位置に搬出した状態で行
われる。
【0073】X線検出器DTの位置合わせはX線CT装
置の組み立て時、X線管またはX線検出器の交換時等に
行なわれる。
【0074】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、課題を解決
するための第1の発明によれば、X線検出器における互
いに異なるアレイに属する相対位置が実質的に同一なX
線検出素子同士によるX線検出信号に基づいてX線検出
器における前記X線ビームの照射位置を調節するように
したので、X線検出素子のアレイを複数個有するX線検
出器について高精度のX線照射位置合わせを行うX線照
射位置合わせ方法を実現することができる。
【0075】また、課題を解決するための第2の発明に
よれば、X線検出器における互いに異なるアレイに属す
る相対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX
線検出信号に基づいてX線検出器における前記X線ビー
ムの照射位置を調節するようにしたので、X線検出素子
のアレイを複数個有するX線検出器について高精度のX
線照射位置合わせを行うX線照射位置合わせ装置を実現
することができる。
【0076】また、課題を解決するための第3の発明に
よれば、X線検出器における互いに異なるアレイに属す
る相対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX
線検出信号に基づいてX線検出器における前記X線ビー
ムの照射位置を調節するようにしたので、X線検出素子
のアレイを複数個有するX線検出器について高精度のX
線照射位置合わせを行うX線CT装置を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図
である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置におけるデー
タ収集部のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例の装置におけるデー
タ収集部の動作のタイムチャートである。
【図4】本発明の実施の形態の一例の装置の動作のフロ
ー図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例の装置におけるX線
検出器におけるX線の入射状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例の装置におけるX線
検出器におけるX線の入射状態を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態の一例の装置における位置
ずれデータの変化を示すグラフである。
【図8】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図
である。
【図9】X線CT装置におけるX線照射・検出系の概念
図である。
【図10】従来のX線照射位置合わせ方法の説明図であ
る。
【図11】従来のX線照射位置合わせ方法において用い
られる治具の構成を示す図である。
【符号の説明】
XS X線照射器 BM X線ビーム DT X線検出器 FM 支持枠 FX 取付け装置 XC X線制御部 FC z位置制御部 DAS データ収集部 COM コンピュータ DIS 表示部 OP 操作部 DTe X線検出素子 INT 積分器 MX マルチプレクサ ADC アナログ・ディジタル変換器 MEM メモリ CNT 制御装置 OB 被検体 TB 支持板 RC 回転制御部 TC 支持板制御部 IM 画像出力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 哲也 東京都日野市旭が丘四丁目7番地の127 ジーイー横河メディカルシステム株式会社 内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線検出素子のアレイを複数個互いに平
    行に配列してなるX線検出器にアレイの幅の方向に厚み
    を有しそれとは垂直な方向に広がりを有するX線ビーム
    を照射するX線装置のためのX線照射位置合わせ方法で
    あって、前記X線検出器における互いに異なるアレイに
    属する相対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によ
    るX線検出信号に基づいて前記X線検出器における前記
    X線ビームの照射位置を調節することを特徴とするX線
    照射位置合わせ方法。
  2. 【請求項2】 X線検出素子のアレイを複数個互いに平
    行に配列してなるX線検出器と、前記X線検出器に前記
    アレイの幅の方向に厚みを有しそれとは垂直な方向に広
    がりを有するX線ビームを照射するX線照射手段とを有
    するX線装置のためのX線照射位置合わせ装置におい
    て、前記X線検出器における互いに異なるアレイに属す
    る相対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX
    線検出信号に基づいて前記X線検出器における前記X線
    ビームの照射位置を調節する調節手段を具備することを
    特徴とするX線照射位置合わせ装置。
  3. 【請求項3】 X線検出素子のアレイを複数個互いに平
    行に配列してなるX線検出器と、前記X線検出器に前記
    アレイの幅の方向に厚みを有しそれとは垂直な方向に広
    がりを有するX線ビームを照射するX線照射手段と、前
    記X線検出器の出力信号に基づいて画像再構成を行う画
    像再構成手段とを有するX線CT装置において、前記X
    線検出器における互いに異なるアレイに属する相対位置
    が実質的に同一なX線検出素子同士によるX線検出信号
    に基づいて前記X線検出器における前記X線ビームの照
    射位置を調節する調節手段を具備することを特徴とする
    X線CT装置。
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