JP3599870B2 - X線照射位置合わせ方法およびx線ct装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はX線装置のためのX線照射位置合わせ方法および装置並びにX線CT装置に関する。さらに詳しくは、X線検出素子のアレイ(array) を複数個有するX線検出器についてX線ビームの入射位置合わせを行う方法および装置並びにX線CT装置である。
【0002】
【従来の技術】
X線CT装置においては、被検体を扇状のX線ビームでスキャンした測定データを用いて被検体の画像が再構成される。測定データはX線ビームの扇状の広がりの方向に多数のX線検出素子を配列した多チャンネルのX線検出器によって測定される。
【0003】
図9に、X線CT装置におけるX線照射・検出系の概念図を示す。図9において、X線検出器の検出素子DTeには、X線管の焦点Fから発生したX線が、アパーチャ(aperture)APを通して所定の厚みtのX線ビームBMとなって照射される。
【0004】
X線ビームBMは厚みの方向(z方向)とは垂直な方向(x方向)に広がる扇状のビームとなっている。この扇状X線ビームの広がりの方向にX線検出素子DTeが複数個(複数チャンネル)配列され、多チャンネルのX線検出器DTを構成している。すなわち、X線検出器DTは複数のX線検出素子DTeのアレイによって構成される。
【0005】
X線ビームBMはその照射位置がX線検出素子DTeの中央となるように位置合わせされる。X線ビームBMの照射位置合わせはX線管の焦点FまたはX線検出器DTの位置をz方向において調節することによって行なわれる。通常は、X線管を所定の位置に固定しそこから照射されるX線ビームに合わせてX線検出器DTの位置を調節することが行なわれる。
【0006】
従来、X線ビームBMに対するX線検出器DTの照射位置合わせは次のようにして行われていた。
すなわち、図10に示すように、X線検出器DTのX線入射面上の両端に位置合わせ用の治具JGを取り付け、すでに所定位置に固定されているX線管から厚みtのX線ビームBMを照射する。
【0007】
治具JGは例えば図11に示すように、例えば鉛等のX線遮蔽材からなるケースCSにY字形の抜き穴YHと2つの丸い抜き穴RHを設け、ケースCSの内部に感光シートをFLを収納したものとなっている。
【0008】
Y字形の抜き穴YHは、Y字の下肢部が治具JGの中心線CLjに一致するように形成される。2つの丸い抜き穴RHはY字形の抜き穴YHの左右において中心線CLj上に形成される。感光シートFLは即時現像可能なものである。
【0009】
このような治具JGは、ケースCSの中心線CLjをX線検出器DTの中央線CLdに一致させてX線検出器DTに取り付けられる。
X線ビームBMの照射後に感光シートFLを抜き取って現像すると、抜き穴YHを通って露光したX線ビームBMの像が得られる。抜き穴YHがY字形をしているので、X線ビームBMの像の形状からX線ビームのz方向の照射位置を判定することができる。
【0010】
X線ビームBMの照射位置がX線検出DTの中央線CLdに一致したときは抜き穴YHのY字の下肢部の像と2つの丸い抜き穴RHの像が同時に得られる。そこで、そのような像が両側の治具JGで得られるようになるまでX線検出器DTの位置調整とX線の試射および露光像のチェックを繰り返す。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
近年、X線CT装置用にX線検出素子のアレイを複数個有するX線検出器が開発されつつある。そのようなX線検出器を用いたX線CT装置においては1スキャンで複数スライス分の測定データが得られるので、それらの測定データを利用してより高度の画像再構成を行えるようになる。
【0012】
この種のX線検出器においては、従来のX線検出器と同程度のz方向の寸法(幅)内に複数のアレイが構成される。このため、1つのアレイ当たりの幅が狭くなるのでより高精度の位置合わせが要求される。
【0013】
上記の従来の位置合わせ方法は、感光シートFLに露光したX線ビーム像を目視によって判定しながら行うものであるから、高精度の位置合わせを行うのには適しない。
【0014】
敢えてこの方法で高精度の位置合わせを行なおうとすれば、時間と労力がかかり能率が悪い。また、治具に入れる感光シートのような消耗品を必要とするのも好ましくない。
【0015】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、X線検出素子のアレイを複数個有するX線検出器について高精度のX線照射位置合わせを行うX線照射位置合わせ方法および装置並びにX線CT装置を実現することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
〔1〕課題を解決するための第1の発明は、X線検出素子のアレイを複数個互いに平行に配列してなるX線検出器にアレイの幅の方向に厚みを有しそれとは垂直な方向に広がりを有するX線ビームを照射するX線装置のためのX線照射位置合わせ方法であって、前記X線検出器における互いに異なるアレイに属する相対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX線検出信号に基づいて前記X線検出器における前記X線ビームの照射位置を調節することを特徴とするX線照射位置合わせ方法である。
【0017】
課題を解決するための第1の発明によれば、X線検出器における互いに異なるアレイに属する相対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX線検出信号に基づいてX線検出器におけるX線ビームの照射位置を調節するようにしたので、X線検出素子のアレイを複数個有するX線検出器について高精度のX線照射位置合わせを行うX線照射位置合わせ方法を実現することができる。
【0018】
課題を解決するための第1の発明において、前記X線検出素子同士は各アレイにおける複数のX線検出素子同士であることがより高精度のX線照射位置合わせを行なう点で好ましい。
【0019】
課題を解決するための第1の発明において、前記X線検出素子同士は前記X線検出器の両端部に位置するX線検出素子同士であることがX線照射位置合わせを能率良く行なう点で好ましい。
【0020】
なお、課題を解決するための第1の発明における前記X線ビームの照射位置の調節の形態には下記のものが含まれる。
(1)X線検出器の位置を調節するもの
(2)X線ビームの位置を調節するもの
(3)X線検出器の位置とX線ビームの位置を共に調節するもの
【0021】
〔2〕課題を解決するための第2の発明は、X線検出素子のアレイを複数個互いに平行に配列してなるX線検出器と、前記X線検出器に前記アレイの幅の方向に厚みを有しそれとは垂直な方向に広がりを有するX線ビームを照射するX線照射手段とを有するX線装置のためのX線照射位置合わせ装置において、前記X線検出器における互いに異なるアレイに属する相対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX線検出信号に基づいて前記X線検出器における前記X線ビームの照射位置を調節する調節手段を具備することを特徴とするX線照射位置合わせ装置である。
【0022】
課題を解決するための第2の発明によれば、X線検出器における互いに異なるアレイに属する相対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX線検出信号に基づいてX線検出器におけるX線ビームの照射位置を調節するようにしたので、X線検出素子のアレイを複数個有するX線検出器について高精度のX線照射位置合わせを行うX線照射位置合わせ装置を実現することができる。
【0023】
課題を解決するための第2の発明において、前記X線検出素子同士は各アレイにおける複数のX線検出素子同士であることがより高精度のX線照射位置合わせを行なう点で好ましい。
【0024】
課題を解決するための第2の発明において、前記X線検出素子同士は前記X線検出器の両端部に位置するX線検出素子同士であることがX線照射位置合わせを能率良く行なう点で好ましい。
【0025】
なお、課題を解決するための第2の発明における「調節手段」の範疇には下記のものが含まれる。
(1)X線検出器の位置を調節するもの
(2)X線照射手段の位置を調節するもの
(3)X線検出器の位置とX線照射手段の位置を共に調節するもの
【0026】
〔3〕課題を解決するための第3の発明は、X線検出素子のアレイを複数個互いに平行に配列してなるX線検出器と、前記X線検出器に前記アレイの幅の方向に厚みを有しそれとは垂直な方向に広がりを有するX線ビームを照射するX線照射手段と、前記X線検出器の出力信号に基づいて画像再構成を行う画像再構成手段とを有するX線CT装置において、前記X線検出器における互いに異なるアレイに属する相対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX線検出信号に基づいて前記X線検出器における前記X線ビームの照射位置を調節する調節手段を具備することを特徴とするX線CT装置である。
【0027】
課題を解決するための第3の発明によれば、X線検出器における互いに異なるアレイに属する相対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX線検出信号に基づいてX線検出器におけるX線ビームの照射位置を調節するようにしたので、X線検出素子のアレイを複数個有するX線検出器について高精度のX線照射位置合わせを行うX線CT装置を実現することができる。
【0028】
課題を解決するための第3の発明において、前記X線検出素子同士は各アレイにおける複数のX線検出素子同士であることがより高精度のX線照射位置合わせを行なう点で好ましい。
【0029】
課題を解決するための第3の発明において、前記X線検出素子同士は前記X線検出器の両端部に位置するX線検出素子同士であることがX線照射位置合わせを能率良く行なう点で好ましい。
【0030】
なお、課題を解決するための第3の発明における「調節手段」の範疇は前述の通りである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1にX線照射位置合わせ装置のブロック図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。なお、本装置の構成によって本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。また、本装置の動作によって本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
【0032】
図1において、X線照射器XSとX線検出器DTが支持枠FMに取り付けられている。X線照射器XSは本発明におけるX線照射手段の実施の形態の一例である。X線検出器DTは本発明におけるX線検出器の実施の形態の一例である。
【0033】
支持枠FMは紙面に垂直な軸Oを中心として回転できるようになっている。X線照射器XSとX線検出器DTは軸Oを挟んで互いに対向するように支持枠FM上に配置される。X線照射器XSとX線検出器DTが対向している空間には図示しない被検体が配置される。
【0034】
X線照射器XSとX線検出器DTが取り付けられた支持枠FMはX線CT装置のガントリを構成する。X線CT装置のガントリは本発明におけるX線装置の実施の形態の一例である。
【0035】
X線照射器XSは例えばX線管をX線源とするものである。X線照射器XSはX線検出器DTに向けて扇状のX線ビームBMを照射するようになっている。
X線検出器DTは多チャンネルのX線検出器であり、扇状のX線ビームBMの広がりの方向(x方向)に配列された多数(例えば1000個)のX線検出素子のアレイを有する。X線検出素子のアレイは複数列設けられている。
【0036】
ここではアレイが2列の場合について説明する。2列のアレイはX線ビームBMの厚みの方向(z方向)に隣合って平行に配置されている。このような2つのアレイを持つX線検出器DTは、例えばシンチレーション(scintillaion)X線検出器やCdTe(カドミウム・テルル)X線検出器等の固体X線検出器によって実現するのが検出素子の微素子化およびアレイ間距離の短縮化の点で好ましい。
【0037】
X線検出器DTは取付け装置FXによって支持枠FMに取り付けられる。取付け装置FXはz位置可変機構を内蔵している。z位置可変機構は例えば送りネジ等を用いた位置可変機構によって構成される。
【0038】
X線制御部XCはX線照射器XSを制御するものである。これによってX線の強度、照射タイミング等が制御される。
z位置制御部FCは取付け装置FXを制御するものである。z位置制御部FCによる取付け装置FXの制御によってX線検出器DTのz位置が調節される。
【0039】
データ収集部DASはX線検出器DTから出力される多チャンネルのX線検出信号を収集するものである。
データ収集部DASの1チャンネル分の構成を図2に示す。図2に示すように、X線検出素子DTeの出力信号が積分器INTによって積分され、積分器INTの出力信号がマルチプレクサMXを通じてA/D(analog−to−digital) 変換器ADCに与えられ、ディジタル信号に変換されてメモリMEMに記憶される。
【0040】
マルチプレクサMXの入力側には他のチャンネルの積分器が複数個接続されており、それらが順次切り換えられてA/D変換器ADCに接続される。
制御装置CNTは積分器INTの動作を制御し、所定の周期で積分とリセットを行なわせる。すなわち、例えば図3に示すように、周期TsのうちTi時間で積分を行なわせTr時間でリセットを行なわせる。
【0041】
制御装置CNTはマルチプレクサMXを制御し、積分器INTがTi時間の積分を完了したタイミングでそれをA/D変換器ADCに接続する。制御装置CNTは、また、メモリMEMの書込アドレスを制御してA/D変換器ADCの出力信号をX線検出素子DTeのアレイ番号およびチャンネル番号に対応したアドレスに記憶させる。
【0042】
図1に戻って、コンピュータCOMはX線制御部XCおよびz位置制御部FCを管制し、所定のシーケンスに基づくX線検出器DTの位置合わせ作業を遂行するものである。その際、コンピュータCOMはデータ収集部DASが収集したデータに基づいてz位置制御部FCを制御し、X線検出器DTの位置合わせを行わせるようになっている。コンピュータCOMおよびz位置制御部FCは本発明における調節手段の実施の形態の一例である。
【0043】
コンピュータCOMには表示部DISおよび操作部OPが接続される。これらは操作者のためのマンマシン・インタフェイス(man−machine interface) を構成する。
【0044】
次に、位置合わせ動作について説明する。
図4に位置合わせ動作のフロー図を示す。図4において、先ずステージST1でX線照射器XSからX線ビームBMがX線検出器DTに照射され、X線検出器DTのX線測定データがデータ収集部DASによって収集される。なお、X線照射器XSは既に支持枠FMの所定の位置に固定されているものとする。
【0045】
初期状態ではX線検出器DTのz位置は未調整であり、X線検出器DTのX線入射面には、例えば図5に示すように正しい位置からずれたX線ビームBMが入射する。図5は、X線ビームBMがX線検出器DTの2つのアレイARYA およびARYB とは平行でなくかつ2つのアレイに不均等に照射された例を示す。
【0046】
このようなX線ビームBMに基づくX線測定データがデータ収集部DASによって収集されメモリMEMに記憶される。
次に、ステージST2において、位置ずれデータZL およびZR の計算が行われる。位置ずれデータZL およびZR はそれぞれ次式で与えられる。
【0047】
【数1】
【0048】
ここで、
AL :アレイARYA の左端の検出素子DTALの測定データ
AR :アレイARYA の右端の検出素子DTARの測定データ
BL :アレイARYB の左端の検出素子DTBLの測定データ
BR :アレイARYB の右端の検出素子DTBRの測定データ
なお、これらAL 〜BR はそれぞれの端部の複数チャンネルの測定データの和もしくは平均値とするのがS/Nを良くする点で好ましい。
【0049】
(1)式で与えられるZL はX線検出器DTの左端における2つのアレイARYA とARYB 間の測定データのアンバランス度を表す。(2)式で与えられるZR はX線検出器DTの右端における2つのアレイARYA とARYB 間の測定データのアンバランス度を表す。
【0050】
なお、2つのアレイARYA とARYB 間の測定データのアンバランスは測定データAL とBL (またはAR とBR )の差をとるだけでも求めることができるが、(1)式(または(2)式)のようにAL とBL (またはAR とBR )の和との比とするのが、相対化により測定データの絶対値が問題にならなくなる点で好ましい。
【0051】
これらのアンバランスは2つのアレイARYA とARYB へのX線照射の不均等によって生じるから、ZL およびZR はそれぞれX線検出器DTの左端および右端における2つのアレイへのX線照射のアンバランス度を表す。
【0052】
2つのアレイへのX線照射のアンバランスはX線検出器DTの正しい取付け位置からのずれによって生じるから、ZL およびZR はそれぞれX線検出器DTの左端および右端の位置ずれを表すデータとして利用することができる。
【0053】
これら位置ずれデータZL およびZR は、図6に示すようにX線ビームBMがアレイARYA とARYB に平行でかつ均等に照射されたとき共に0となるべきものである。
【0054】
次に、ステージST3において、位置ずれが許容範囲内か否かが判定される。判定は次式に基づいて行われる。
【0055】
【数2】
【0056】
ここで、
δ1,δ2:判定基準
δ1およびδ2は理想的には0とするべきものであるが、現実的見地から適宜の許容範囲が設けられる。(3),(4)式の条件を同時に満足するとき、X線検出器DTの左端と右端においてz位置誤差が共に許容範囲内にあることを示す。
【0057】
初期状態では一般に許容範囲を外れているから、ステージST4に分岐してz位置調整を行う。このとき、コンピュータCOMは、位置ずれデータZL およびZR に基づいて所定の制御アルゴリズム(algorithm) により位置ずれ修正用の制御信号を作成し、それによってz位置制御部FCを制御する。
【0058】
位置ずれの距離Δzと位置ずれデータZL またはZR の間には図7に示すような関係がある。すなわち、X線ビームBMが全てアレイARYA に入射するほどにX線検出器DTがずれているときは、ZL またはZR の値は1となり、反対にX線ビームBMが全てアレイARYB に入射するほどに位置がずれているときは、それらの値は−1となる。位置ずれのない理想状態ではZL =0かつZR =0となる。ZL =0またはZR =0付近ではZL またはZR は位置ずれに対して直線的な軌跡に沿って変化する。
【0059】
制御信号はこのような関係に基づいて作成されてz位置制御部FCに与えられる。この制御信号に基づいてz位置制御部FCは取付け装置FXを制御してX線検出器DTの両端のz位置をそれぞれ変更する。
【0060】
次に、ステージST1において、再びX線を照射して変更後のz位置でのX線測定データを測定し、ステージST2において改めて位置ずれデータZL およびZR を計算し、ステージST3においてそれが許容範囲内に入るかどうかを調べる。
【0061】
X線検出器DTの両端の位置ずれが許容範囲に入らないうちは以上の動作が繰り返され、(3),(4)式の条件が満足されたときに終了する。
一般にX線検出器DTの筺体は途中の変形が無視できる程度に十分強度が高いので、両端の位置合わせをするだけで能率良く全体の位置合せを行なうことができる。
【0062】
このとき、図6に示すように、X線検出器DTの入射面においてX線ビームBMがアレイARYA とARYB と平行になり、かつアレイARYA とARYB に均等に照射されるようになる。
【0063】
このようにして、X線検出器DTのz方向の位置合わせがコンピュータCOMによって自動化され、高精度でかつ能率良く行われる。
なお、X線検出器DTは2つのアレイを有するものに限らず、3つ以上のアレイを有するものであっても同様な方法でX線照射位置合わせを行なうことができる。
【0064】
また、z位置調節は、コンピュータCOMから位置ずれデータZL ,ZR もしくは両端のz位置修正量を表示部DISに表示させ、その表示に基づいて作業者が手動で行うようにしても良い。手動ではあってもコンピュータCOMの指示に基づいて作業を行なうので精度の良い位置合わせを行なうことができる。
【0065】
また、X線検出器DTを動かす代わりにX線照射手段XSを動かしてX線照射位置合わせを行なうようにしても良い。勿論、これは自動または手動のいずれによっても良い。
【0066】
X線照射位置合わせ装置は、X線CT装置に組み込むこともできる。図8に、位置合わせ装置を組み込んだX線CT装置のブロック図を示す。
図8において、X線照射器XSとX線検出器DTが支持枠FMによって支持され図1に示したものと同様なガントリを構成している。X線検出器DTは図1と同様な取付け装置FXによって支持枠FMに取り付けられるている。
【0067】
扇状のX線ビームBMの開き角の範囲内に被検体OBが配置される。これによって扇状のX線ビームBMによる被検体OBの投影像がX線検出器DTに投影される。
【0068】
被検体OBは支持板TB上に載置される。支持板TBは上下方向に移動できるようになっており、これによって被検体OBの上下方向の位置が調節できるようになっている。支持板TBは、また、紙面に垂直な方向に進退できるようになっており、それによって被検体OBをX線照射領域に搬入および搬出できるようになっている。
【0069】
X線制御部XC、z位置制御部FCおよびデータ収集部DASは図1に示したものと同様なものである。回転制御部RCは支持枠FMの回転を制御するものである。これによって支持枠FMの回転速度、起動および停止等が制御される。
【0070】
支持板制御部TCは支持板TBを制御するものである。これによって支持板TBの上下移動とX線照射領域への進退が制御される。
コンピュータCOMはX線制御部XC、回転制御部RCおよび支持板制御部TC管制して所定のシーケンスに基づくスキャンを遂行し、データ収集部DASが収集したデータに基づいて被検体OBの画像を再構成する。コンピュータCOMは本発明における画像再構成手段の実施の形態の一例である。
【0071】
再構成画像は画像出力部IMを通じて出力される。画像出力部IMは例えばCRT(cathod−ray tube) 等を用いた画像表示装置やフィルム等に画像を撮影する写真撮影装置によって構成される。
【0072】
コンピュータCOMには操作部OPが接続され、操作者からの各種の指令等がコンピュータCOMに与えられるようになっている。
コンピュータCOMは、また、X線制御部XCおよびz位置制御部FCを管制し、前述と同様な動作によりX線検出器DTの位置合わせを行うようになっている。なお、X線検出器DTの位置合わせは支持板TBを退避位置に搬出した状態で行われる。
【0073】
X線検出器DTの位置合わせはX線CT装置の組み立て時、X線管またはX線検出器の交換時等に行なわれる。
【0074】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、課題を解決するための第1の発明によれば、X線検出器における互いに異なるアレイに属する相対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX線検出信号に基づいてX線検出器における前記X線ビームの照射位置を調節するようにしたので、X線検出素子のアレイを複数個有するX線検出器について高精度のX線照射位置合わせを行うX線照射位置合わせ方法を実現することができる。
【0075】
また、課題を解決するための第2の発明によれば、X線検出器における互いに異なるアレイに属する相対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX線検出信号に基づいてX線検出器における前記X線ビームの照射位置を調節するようにしたので、X線検出素子のアレイを複数個有するX線検出器について高精度のX線照射位置合わせを行うX線照射位置合わせ装置を実現することができる。
【0076】
また、課題を解決するための第3の発明によれば、X線検出器における互いに異なるアレイに属する相対位置が実質的に同一なX線検出素子同士によるX線検出信号に基づいてX線検出器における前記X線ビームの照射位置を調節するようにしたので、X線検出素子のアレイを複数個有するX線検出器について高精度のX線照射位置合わせを行うX線CT装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置におけるデータ収集部のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例の装置におけるデータ収集部の動作のタイムチャートである。
【図4】本発明の実施の形態の一例の装置の動作のフロー図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例の装置におけるX線検出器におけるX線の入射状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例の装置におけるX線検出器におけるX線の入射状態を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態の一例の装置における位置ずれデータの変化を示すグラフである。
【図8】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図9】X線CT装置におけるX線照射・検出系の概念図である。
【図10】従来のX線照射位置合わせ方法の説明図である。
【図11】従来のX線照射位置合わせ方法において用いられる治具の構成を示す図である。
【符号の説明】
XS X線照射器
BM X線ビーム
DT X線検出器
FM 支持枠
FX 取付け装置
XC X線制御部
FC z位置制御部
DAS データ収集部
COM コンピュータ
DIS 表示部
OP 操作部
DTe X線検出素子
INT 積分器
MX マルチプレクサ
ADC アナログ・ディジタル変換器
MEM メモリ
CNT 制御装置
OB 被検体
TB 支持板
RC 回転制御部
TC 支持板制御部
IM 画像出力部
Claims (3)
- X線検出素子のアレイを複数個互いに平行に配列してなるX線検出器に、アレイの幅の方向に厚みを有しそれとは垂直な方向に広がりを有するX線ビームを照射するX線装置のためのX線照射位置合わせ方法であって、
前記X線検出器におけるそれぞれのアレイの一方の端に配置されたそれぞれのX線検出素子の測定データの差と前記それぞれのアレイの他方の端に配置されたそれぞれのX線検出素子の測定データの差とに基づいて前記X線検出器における前記X線ビームの照射位置を調節することを特徴とするX線照射位置合わせ方法。 - X線検出素子のアレイを複数個互いに平行に配列してなるX線検出器と、前記X線検出器に前記アレイの幅の方向に厚みを有しそれとは垂直な方向に広がりを有するX線ビームを照射するX線照射手段と、前記X線検出器の出力信号に基づいて画像再構成を行う画像再構成手段とを有するX線CT装置において、
前記X線検出器におけるそれぞれのアレイの一方の端に配置されたそれぞれのX線検出素子の測定データの差と前記それぞれのアレイの他方の端に配置されたそれぞれのX線検出素子の測定データの差とに基づいて前記X線検出器における前記X線ビームの照射位置を調節する調節手段を具備することを特徴とするX線CT装置。 - 前記X線検出器は、2個のアレイを配列してなることを特徴とする請求項2に記載のX線CT装置。
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JP1267296A JP3599870B2 (ja) | 1996-01-29 | 1996-01-29 | X線照射位置合わせ方法およびx線ct装置 |
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