JP3746148B2 - 放射線照射位置調節方法および放射線照射・検出装置並びに放射線断層撮影装置 - Google Patents
放射線照射位置調節方法および放射線照射・検出装置並びに放射線断層撮影装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線照射位置調節方法および放射線照射・検出装置並びに放射線断層撮影装置に関し、特に、幅と厚みを持つ放射線ビームを照射し、この放射線ビームを放射線検出素子アレイで受ける放射線照射・検出装置およびそのような放射線照射・検出装置のための放射線照射位置調節方法、並びに、そのような放射線照射・検出装置を備えた放射線断層撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
放射線断層撮影装置の一例として、例えば、X線CT(computed tomography) 装置がある。X線CT装置においては、放射線としてはX線が利用される。X線発生にはX線管が使用される。そして、放射線照射・検出系、すなわちX線照射・検出系を被検体の周りで回転(スキャン(scan))させて、被検体の周囲の複数のビュー(view)方向でそれぞれX線による被検体の投影データ(data)を測定し、それら投影データに基づいて断層像を生成(再構成)するようになっている。
【0003】
X線照射装置は、撮影範囲を包含する幅を持ちそれに垂直な方向に所定の厚みを持つX線ビーム(beam)を照射する。X線ビームの厚みはコリメータ(collimeter)のX線通過開口(アパーチャ(aperture))の開度によって設定される。
【0004】
X線検出装置は、X線ビームの幅の方向に多数のX線検出素子をアレイ(array) 状に配列した多チャンネル(channel) のX線検出器によってX線を検出する。多チャンネルのX線検出器は、X線ビームの幅の方向に、X線ビームの幅に相当する長さ(幅)を有する。また、X線ビームの厚みの方向に、X線ビームの厚みよりも大きな長さ(厚み)を有する。
【0005】
X線検出器の中には、X線検出素子のアレイを2列とし、2スライス(slice) 分の投影データを一挙に得るようにしたものがある。そこでは、2列のアレイを隣接して平行に配置し、X線ビームを厚み方向に均等に振り分けて照射するようにしている。2列のアレイにそれぞれ照射したX線ビームの、被検体のアイソセンタ(isocenter) における厚みが断層像のスライス厚を決定する。
【0006】
X線管では、使用中の温度上昇による熱膨張等によりX線焦点の移動が生じ、これが、コリメータのアパーチャを通してX線ビームの厚み方向での変位となって現れる。X線ビームが厚み方向に変位すると、2列アレイにおけるX線ビームの厚みの振り分け比率が変化し、2系統のアレイに投影される被検体のスライス厚が均等でなくなる。
【0007】
そこで、2列のアレイのレファレンスチャンネル(reference channel) におけるX線カウント(count) の比を監視し、比が1でなくなったことからX線照射位置のずれを認識し、照射位置を修正するようにしている。このような照射位置の修正を、スキャン開始前に被検体を撮影テーブル(table) に搭載した状態で行ない、また、スキャンの合間にも、被検体を撮影テーブルに搭載した状態で適宜に行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような照射位置の修正を行う場合、被検体は、撮影用のX線の他に、撮影に無関係な余分なX線を浴びるので被曝量が増えるという問題がある。
【0009】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、被検体が放射線に被曝しない放射線照射位置調節方法および照射位置調節時に被検体が放射線に被曝しない放射線照射・検出装置、並びに、そのような放射線照射・検出装置を備えた放射線断層撮影装置を実現することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の課題を解決する第1の発明は、照射方向に垂直でかつ互いに垂直な2つの方向の一方では相対的に大きな寸法の幅を持ち他方では相対的に小さな寸法の厚みを持つ放射線ビームを照射する放射線照射手段と、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな長さを持つ複数の放射線検出素子が前記放射線ビームの幅の方向に配列された放射線検出素子アレイと、を有する放射線照射・検出装置の放射線照射位置調節方法であって、前記放射線照射手段と前記放射線検出素子アレイの間の被検体が存在する空間を除いて前記放射線検出素子アレイに前記放射線ビームを照射し、前記放射線検出素子アレイの放射線検出信号に基づき前記放射線検出素子アレイ上の前記放射線ビームの厚み方向の照射位置を調節する、ことを特徴とする放射線照射・検出装置の放射線照射位置調節方法である。
【0011】
(2)上記の課題を解決する第2の発明は、照射方向に垂直でかつ互いに垂直な2つの方向の一方では相対的に大きな寸法の幅を持ち他方では相対的に小さな寸法の厚みを持つ放射線ビームを照射する放射線照射手段と、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな長さを持つ複数の放射線検出素子が前記放射線ビームの幅の方向に配列された放射線検出素子アレイと、を有する放射線照射・検出装置であって、前記放射線照射手段と前記放射線検出素子アレイの間の被検体が存在する空間を除いて前記放射線検出素子アレイに前記放射線ビームを照射する照射範囲調節手段と、前記照射範囲調節手段で調節された前記放射線ビームに関する前記放射線検出素子アレイの放射線検出信号に基づき前記放射線検出素子アレイ上の前記放射線ビームの厚み方向の照射位置を調節する照射位置調節手段と、を具備することを特徴とする放射線照射・検出装置である。
【0012】
(3)上記の課題を解決する第3の発明は、照射方向に垂直でかつ互いに垂直な2つの方向の一方では相対的に大きな寸法の幅を持ち他方では相対的に小さな寸法の厚みを持つ放射線ビームを照射する放射線照射手段と、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな長さを持つ複数の放射線検出素子が前記放射線ビームの幅の方向に配列された放射線検出素子アレイと、前記放射線検出素子アレイによる複数ビューの放射線検出信号に基づいて前記放射線ビームの通過領域についての断層像を生成する断層像生成手段と、を有する放射線断層撮影装置であって、前記放射線照射手段と前記放射線検出素子アレイの間の被検体が存在する空間を除いて前記放射線検出素子アレイに前記放射線ビームを照射する照射範囲調節手段と、前記照射範囲調節手段で調節された前記放射線ビームに関する前記放射線検出素子アレイの放射線検出信号に基づき前記放射線検出素子アレイ上の前記放射線ビームの厚み方向の照射位置を調節する照射位置調節手段と、を具備することを特徴とする放射線断層撮影装置である。
【0013】
第2の発明または第3の発明において、前記照射範囲調節手段は、前記放射線照射手段と前記放射線検出素子アレイの間の被検体が存在する空間を放射線から遮蔽する遮蔽部材を備えることが、照射範囲調節を効果的に行う点で好ましい。
【0014】
また、第2の発明または第3の発明において、前記照射範囲調節手段は、前記放射線照射手段と前記放射線検出素子アレイの間の被検体が存在する空間を除いて放射線を照射する放射線通過窓を備えることが、照射範囲調節を効果的に行う点で好ましい。
【0015】
その場合、前記放射線通過窓はコリメータに設けられることが構成を簡素化する点で好ましい。
(作用)
本発明では、放射線照射手段と放射線検出素子アレイの間の被検体が存在する空間を除いて放射線検出素子アレイに放射線ビームを照射し、その放射線検出信号に基づいて、放射線検出素子アレイ上の前記放射線ビームの厚み方向の照射位置を調節する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。
【0017】
図1にX線CT装置のブロック(block) 図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
【0018】
図1に示すように、本装置は、走査ガントリ(gantry)2と、撮影テーブル4と、操作コンソール(console) 6を備えている。走査ガントリ2は、放射線源としてのX線管20を有する。X線管20から放射された図示しないX線は、コリメータ22により例えば扇状のX線ビームとされ、検出器アレイ24に照射されるようになっている。X線管20とコリメータ22は、本発明における放射線照射手段の実施の形態の一例である。コリメータ22は、本発明における照射範囲調節手段の実施の形態の一例である。
【0019】
検出器アレイ24は、本発明における放射線検出素子アレイの実施の形態の一例である。検出器アレイ24は、扇状のX線ビームの幅の方向にアレイ状に配列された複数のX線検出素子を有する。検出器アレイ24の構成については後にあらためて説明する。
【0020】
X線管20、コリメータ22および検出器アレイ24は、X線照射・検出系を構成する。X線照射・検出系の構成については後にあらためて説明する。検出器アレイ24にはデータ収集部26が接続されている。データ収集部26は検出器アレイ24の個々のX線検出素子の検出データを収集するようになっている。
【0021】
X線管20からのX線の照射は、X線コントローラ(controller)28によって制御されるようになっている。なお、X線管20とX線コントローラ28との接続関係については図示を省略する。コリメータ22は、コリメータコントローラ30によって制御されるようになっている。なお、コリメータ22とコリメータコントローラ30との接続関係については図示を省略する。
【0022】
以上のX線管20乃至コリメータコントローラ30が、走査ガントリ2の回転部32に搭載されている。回転部32の回転は、回転コントローラ34によって制御されるようになっている。なお、回転部32と回転コントローラ34との接続関係については図示を省略する。
【0023】
撮影テーブル4は、図示しない被検体を走査ガントリ2のX線照射空間に搬入および搬出するようになっている。被検体とX線照射空間との関係については後にあらためて説明する。
【0024】
操作コンソール6は、中央処理装置60を有している。中央処理装置60は、本発明における断層像生成手段の実施の形態の一例である。中央処理装置60は、例えばコンピュータ(computer)等によって構成される。中央処理装置60には、制御インタフェース(interface) 62が接続されている。制御インタフェース62には、走査ガントリ2と撮影テーブル4が接続されている。
【0025】
中央処理装置60は制御インタフェース62を通じて走査ガントリ2および撮影テーブル4を制御するようになっている。走査ガントリ2内のデータ収集部26、X線コントローラ28、コリメータコントローラ30および回転コントローラ34が制御インタフェース62を通じて制御される。なお、各部と制御インタフェース62との個別の接続については図示を省略する。
【0026】
中央処理装置60、制御インタフェース62、コリメータコントローラ30およびコリメータ22からなる部分は、本発明における照射位置調節手段の実施の形態の一例である。
【0027】
中央処理装置60には、また、データ収集バッファ64が接続されている。データ収集バッファ64には、走査ガントリ2のデータ収集部26が接続されている。データ収集部26で収集されたデータがデータ収集バッファ64に入力される。データ収集バッファ64は入力データを一時的に記憶する。
【0028】
X線管20、コリメータ22、検出器アレイ24、データ収集部26、データ収集バッファ64、中央処理装置60、制御インタフェース62およびコリメータコントローラ30からなる部分は、本発明の放射線照射・検出装置の実施の形態の一例である。
【0029】
中央処理装置60には、また、記憶装置66が接続されている。記憶装置66は、各種のデータや再構成画像およびプログラム(program) 等を記憶する。中央処理装置60には、また、表示装置68と操作装置70がそれぞれ接続されている。表示装置68は、中央処理装置60から出力される再構成画像やその他の情報を表示するようになっている。操作装置70は、操作者によって操作され、各種の指示や情報等を中央処理装置60に入力するようになっている。
【0030】
図2に、検出器アレイ24の模式的構成を示す。検出器アレイ24は、多数(例えば1000個)のX線検出素子24(i)を円弧状に配列した、2列の多チャンネルのX線検出器242,244を形成している。iはチャンネル番号であり例えばi=1〜1000である。X線検出器242,244は互いに平行に隣接している。
【0031】
図3に、X線照射・検出系におけるX線管20とコリメータ22と検出器アレイ24の相互関係を示す。なお、図3の(a)は正面図、(b)は側面図である。同図に示すように、X線管20から放射されたX線は、コリメータ22により扇状のX線ビーム40とされ、検出器アレイ24に照射されるようになっている。図3の(a)においては、扇状のX線ビーム40の広がりすなわちX線ビーム40の幅を示している。図3の(b)では、X線ビーム40の厚みを示している。X線ビーム40は、2列のX線検出器242,244に、厚みを均等に振り分けて照射される。
【0032】
このようなX線ビーム40の扇状の面に体軸を交叉させて、例えば図4に示すように、撮影テーブル4に載置された被検体8がX線照射空間に搬入される。X線ビーム40によってスライスされた被検体8の投影像が検出器アレイ24に投影される。被検体8のアイソセンタにおけるX線ビーム40の厚みの1/2ずつが、被検体8の2つのスライス厚thをそれぞれ与える。スライス厚thは、コリメータ22のX線通過開口(アパーチャ)によって定まる。
【0033】
検出器アレイ24に対するX線ビーム40の照射状態のさらに詳細な模式図を図5に示す。同図に示すように、コリメータ22におけるコリメータ片220,222をアパーチャを狭める方向に変位させることにより、X線検出器242,244における投影像のスライス厚thを薄くすることができる。また、コリメータ片220,222をアパーチャを広げる方向に動かすことにより、投影像のスライス厚thを厚くすることができる。
【0034】
また、スライス厚thを設定したコリメータ片220,222の相対的位置関係を固定したまま両者を同時に動かすことにより、検出器アレイ24上のX線ビーム40の厚み方向の照射位置を変更するようになっている。なお、厚み方向の照射位置の変更は、コリメータ片220,222を動かす代わりに、検出器アレイ24を、破線矢印で示すように、X線ビーム40の厚み方向にコリメータ22に関して相対的に変位させて行うようにしても良い。このようにすれば、スライス厚の調節機構と厚み方向の照射位置の制御機構を別々に2系統設けることができ、多角的な制御が可能になる。これに対して、上記のように全てコリメータ22で行えば、制御の系統が1系統に統一でき、簡素化の要請に応じられる。
【0035】
X線管20、コリメータ22および検出器アレイ24からなるX線照射・検出系は、それらの相互関係を保ったまま被検体8の体軸の周りを回転(スキャン)する。スキャンの1回転当たり複数(例えば1000)のビュー角度で被検体の投影データが収集される。投影データの収集は、検出器アレイ24−データ収集部26−データ収集バッファ62の系統によって行われる。
【0036】
データ収集バッファ62に収集された2スライス分の投影データに基づいて、中央処理装置60により2スライス分の断層像の生成すなわち画像再構成が行われる。画像再構成は、1回転のスキャンで得られた例えば1000ビューの投影データを、例えばフィルタード・バックプロジェクション(filtered back-projection)法によって処理すること等により行われる。
【0037】
図6に、検出器アレイ24のX線入射面の構成例を示す。同図に示すように、検出器アレイ24の端部には、例えば10個の照射位置検出用のX線検出素子250〜258,270〜278が設けられている。X線検出素子250〜258は、X線検出器242の一部となっている。X線検出素子270〜278は、X線検出器244の一部となっている。これらX線検出素子は、250と270、252と272、…、258と278がそれぞれ対をなす。
【0038】
これらX線検出素子250〜258,270〜278が設けられている検出器アレイ24の端部付近は、被検体8の透過像が投影される範囲外となっており、X線管20からのX線が被検体8を透過することなく直接照射される。
【0039】
X線検出素子250〜258,270〜278は、X線受光面が例えば鉛板等からなるX線遮蔽板290によって部分的に遮蔽され、それ以外の部分が受光面となるようになっている。X線遮蔽板290は、X線検出素子250,270については、例えば、アイソセンタでのスライス厚を1mmとするX線ビーム401を、X線検出器242,244に均等に振り分けて照射したときの、X線ビームが当たる範囲を遮蔽するような形状になっている。
【0040】
同様に、X線検出素子252,272については、例えば、スライス厚を3mmとするX線ビーム403が当たる範囲を遮蔽し、X線検出素子254,274については、例えば、スライス厚を5mmとするX線ビーム405が当たる範囲を遮蔽し、X線検出素子256,276については、例えば、スライス厚を7mmとするX線ビーム407が当たる範囲を遮蔽し、X線検出素子258,278については、例えば、スライス厚を10mmとするX線ビーム410が当たる範囲を遮蔽するような形状になっている。
【0041】
このようなX線検出素子250〜258,270〜278は、X線遮蔽板290で受光面を覆う代わりに、X線ビームをX線検出器242,244に均等に振り分けて照射したときに、それぞれX線ビーム401〜410が当たる領域以外の領域に受光面を持つようなものとして構成しても良いのは勿論である。
【0042】
このようなX線検出素子250〜258,270〜278によるX線検出信号がデータ収集部26を通じてデータ収集バッファ64に収集される。中央処理装置60は、それらX線検出信号に基づいて検出器アレイ24におけるX線照射位置を検出し、X線照射位置の調節を行う。
【0043】
スライス厚1mmのX線ビームの照射位置の検出と調節は、X線検出素子250,270の検出信号を利用して行う。同様に、スライス厚3、5、7、10mmのX線ビームの照射位置の検出と調節は、それぞれ、X線検出素子252,272、254,274、256,276、258,278の検出信号を利用して行う。検出器アレイ24の他端にも同様な構成のX線検出素子を設けるのが、X線照射位置の検出および調節をより正確に行う点で好ましい。
【0044】
撮影テーブル4に被検体8を載置した状態でX線照射位置の調節を行うときの、被検体8の被曝を防止するために、コリメータ22には、図7に示すように、アパーチャを部分的に閉じるシャッタ(shutter) 224が設けられている。シャッタ224シャッタ224は、本発明における遮蔽部材の実施の形態の一例である。本装置の撮像範囲すなわちFOV(field of view) 82をX線から遮蔽して、上記のX線検出素子250〜258,270〜278が設けられている検出器アレイ24の両端部付近にのみにX線が当たるようするものである。
【0045】
シャッタ224は例えば鉛板等のX線遮蔽材料で構成される。シャッタ224は、コリメータコントローラ30により制御され、図示のようにFOV82をX線から遮蔽する状態、または、遮蔽を解除してFOV82におけるX線の通過を可能にする状態のいずれかの状態をとるようになっている。
【0046】
本装置の動作を説明する。撮像に先立ち、以下のようにして検出器アレイ24におけるX線照射位置を調節し、X線ビーム40の厚みが2列のX線検出器242,244に均等に振り分けられるようにする。FOV82に被検体8が存在する状態でX線照射位置の調節を行う場合は、図7に示すようにシャッタ224でFOV82をX線から遮蔽した状態で行う。
【0047】
以下、アイソセンタでのスライス厚を10mmとするX線ビーム410を用いる例で、X線照射位置の調節を説明する。いま、図8に示すように、X線ビーム410が、X線検出器242,244に不均等な振り分けで照射されたとすると、X線検出素子258にはX線遮蔽板290で遮蔽されない受光面にX線が当たり、X線検出素子278にはX線遮蔽板290で遮蔽された部分にX線が当たる。このため、X線検出素子258がX線検出信号が生じ、X線検出素子278はX線検出信号を生じない。
【0048】
中央処理装置60は、X線検出素子258,278のこのようなX線検出信号の組み合わせに基づいて、X線ビーム410の照射位置が、X線検出器242側にずれていることを認識する。そして、コリメータ22を制御することにより、照射位置ずれを修正する。あるいは、検出器アレイ24の位置調節機構を備えているときは、検出器アレイ24の位置を変えて照射位置ずれを修正する。
【0049】
修正の進行に伴ってX線検出素子258におけるX線受光面積が減少し、それにつれてX線検出信号が減少する。そして、X線ビーム410の振り分けが均等になると、図9に示すように、X線ビーム410はX線遮蔽板290で遮蔽された範囲だけに当たるようになるので、X線検出素子258,278のX線検出信号が共に0となる。中央処理装置60は、このような信号状態に基づいてX線ビーム410の照射位置が適正化されたことを認識し、調節を終了する。
【0050】
スライス厚が1,3,5,7mmの場合は、それぞれ、X線検出素子250,270、252,272、254,274、256,276のX線検出信号を用いて同様な照射位置調節を行う。いずれの場合も、1対のX線検出素子のX線検出信号が共に0になったことから照射位置の適正化を認識するので、X線検出素子間の感度の相違あるいはそれらの信号を増幅する増幅器のゲインの相違等の影響を受けない。
【0051】
このようなX線照射位置調節の間、FOV82がシャッタ224によりX線から遮蔽されているので、被検体8はX線を浴びることがない。したがって、被検体8が不必要な被曝を受けることがない。以上のようなX線照射位置調節の後に、シャッタ224によるFOV82の遮蔽を解除してX線照射・検出系により被検体8をスキャンし、例えば1000ビューの投影データをデータ収集バッファ62に収集する。この投影データに基づいて、中央処理装置60により、例えばフィルタード・バックプロジェクション法等を用いて画像再構成を行う。
【0052】
検出器アレイ24が平行な2列のX線検出器を有することにより、1回のスキャンで隣接する2つのスライスの断層像を一挙に得ることができる。これによって、マルチスライススキャン(multi-slice scan)やヘリカルスキャン(helical scan)を行う場合の効率が向上し、しかも、2つのスライスのスライス厚が同一になる。再構成した画像は表示装置68に表示し、また、記憶装置66に記憶する。
【0053】
スキャンとスキャンの間で、X線管20の温度変化等によりX線ビーム40の照射位置がずれたときも、上記と同様にしてシャッタ224でFOV82を遮蔽した上で照射位置が修正され、常に均等なスライス厚でのスキャンが行われる。
【0054】
図10に、シャッタ機能を備えたコリメータの例を示す。同図の(a)に示すように、アパーチャ226を形成して対向する1対のコリメータ片220’,222’は、両端部に切り欠き228を有する。切り欠き228は、本発明における放射線通過窓の実施の形態の一例である。切り欠き228は、そこと通過したX線が検出器アレイ24のX線検出素子250〜258,270〜278が設けられている部分に入射するように形成されている。
【0055】
これらの切り欠き228は、同図の(b)に示すように、アパーチャ226を閉じたときでも閉じることがないので、FOV82をX線から遮蔽しつつX線検出素子250〜258,270〜278にX線を照射することができる。このようなコリメータ22’は、コリメータ片220’,222’がシャッタを兼ね、構成が簡素化される点で好ましい。
【0056】
図11に、円筒型コリメータにシャッタを組み合わせた例を示す。同図に示すように、コリメータ22''は円筒状に構成され、円筒面上に軸に平行な複数のスリット(slit)232を有する。複数のスリット232はそれぞれ所定の幅を持つように形成され、かつ、それに対向する円筒の他面にも同様のスリットが対をなして形成されて、X線通過のためのアパーチャとなる。アパーチャの切換は、コリメータ22''を円周方向に回転させることにより行われる。
【0057】
このようなコリメータ22''に対して、そのアパーチャを通過するX線のうちFOV82向けのものを遮るシャッタ224が進退自在に設けられている。これにより、シャッタ224を作動させたとき、FOV82をX線から遮蔽しつつX線検出素子250〜258,270〜278にX線を照射することができる。
【0058】
円筒型コリメータにおける所定のスリットを、例えば図12に示すように、X線検出素子250〜258,270〜278だけにX線を当てるスリット234とすれば、FOV82を遮蔽しつつX線検出素子250〜258,270〜278にX線を照射することができる。これも、シャッタ板が不要で構成が簡素化される点で好ましい。スリット234は、本発明における放射線通過窓の実施の形態の一例である。
【0059】
検出器アレイに対するX線照射位置の調節は、2列のアレイを用いる検出器アレイに限らず、単一列のアレイを用いる検出器アレイにおいても必要とされることがある。すなわち、X線検出素子24(i)の感度がX線ビームの厚みの方向において変化するときは、X線焦点の移動等により検出器アレイ上のX線照射位置が変化するとX線検出素子24(i)の検出信号が変化し、リングアーチファクト(ring artifact) 等の偽像が発生する原因になるので、X線照射位置が常に一定になるように制御する必要がある。
【0060】
図13に、そのようなX線照射位置調節を行うための、検出器アレイ24のX線入射面の構成例を示す。同図に示すように、検出器アレイ24端部に、照射位置検出用のX線検出素子250が設けられる。X線検出素子250が設けられている検出器アレイ24の端部付近は、被検体の透過像が投影される範囲外となっており、これによって、X線管20からのX線が被検体8を透過することなく直接照射される。
【0061】
X線検出素子250は、そのX線入射面260の幅が、X線ビーム40の厚みの方向すなわちz方向での距離に応じて、次第に変化するようになっている。このようなX線検出素子250は、検出器アレイ24の端のX線検出素子の前面をX線遮蔽板290で対角的に半分覆うことによって構成される。
【0062】
X線検出素子250がこのようなX線入射面260を有することにより、X線ビーム40がz方向で変位すると、それに応じてX線検出素子250のX線検出信号が変化する。したがって、X線検出素子250の検出信号の値により、検出器アレイ24におけるX線ビーム40の厚み方向の照射位置を示すことができる。中央処理装置60は、このようなX線検出信号に基づいてX線ビームの照射位置を認識し位置ずれを修正する。
【0063】
このようなX線ビームの照射位置の調整の間、前述のシャッタ224またはコリメータ22’,22''によりFOV82をX線から遮蔽することにより、被検体8の無用な被曝を回避することができる。
【0064】
以上、放射線としてX線を用いた例について説明したが、放射線はX線に限るものではなく、例えばγ線等の他の種類の放射線であっても良い。ただし、現時点では、X線がその発生、検出および制御等に関し実用的な手段が最も充実している点で好ましい。
【0065】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、被検体が放射線に被曝しない放射線照射位置調節方法、および、照射位置調節時に被検体が放射線に被曝しない放射線照射・検出装置、並びに、そのような放射線照射・検出装置を備えた放射線断層撮影装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態の一例の装置における検出器アレイの模式的構成図である。
【図3】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるX線照射・検出系の模式的構成図である。
【図4】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるX線照射・検出系の模式的構成図である。
【図5】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるX線照射・検出系の模式的構成図である。
【図6】 本発明の実施の形態の一例の装置における検出器アレイの模式的構成図である。
【図7】 本発明の実施の形態の一例の装置における検出器アレイへのX線照射状態を示す模式図である。
【図8】 本発明の実施の形態の一例の装置における検出器アレイへのX線照射状態を示す模式図である。
【図9】 本発明の実施の形態の一例の装置における検出器アレイへのX線照射状態を示す模式図である。
【図10】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるコリメータの構成を示す模式図である。
【図11】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるコリメータの構成を示す模式図である。
【図12】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるコリメータの構成を示す模式図である。
【図13】 本発明の実施の形態の一例の装置における検出器アレイへのX線照射状態検出信号を示すグラフである。
【符号の説明】
2 走査ガントリ
20 X線管
22,22’,22'' コリメータ
24 検出器アレイ
26 データ収集部
28 X線コントローラ
30 コリメータコントローラ
32 回転部
34 回転コントローラ
4 撮影テーブル
6 操作コンソール
60 中央処理装置
62 制御インタフェース
64 データ収集バッファ
242,244 X線検出器
40,401,403,405,407,410 X線ビーム
8 被検体
220,222 コリメータ片
224 シャッタ
24(i),250〜258,270〜278 X線検出素子
290 X線遮蔽板
Claims (3)
- 照射方向に垂直でかつ互いに垂直な2つの方向の一方では相対的に大きな寸法の幅を持ち他方では相対的に小さな寸法の厚みを持つ放射線ビームを照射する放射線照射手段と、
前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな長さを持つ複数の放射線検出素子が前記放射線ビームの幅の方向に配列された放射線検出素子アレイと、
を有する放射線照射・検出装置の放射線照射位置調節方法であって、
前記放射線照射手段と前記放射線検出素子アレイの間の被検体が存在する空間を除いて前記放射線検出素子アレイに前記放射線ビームを照射し、
前記放射線検出素子アレイの放射線検出信号に基づき前記放射線検出素子アレイ上の前記放射線ビームの厚み方向の照射位置を調節する、
ことを特徴とする放射線照射・検出装置の放射線照射位置調節方法。 - 照射方向に垂直でかつ互いに垂直な2つの方向の一方では相対的に大きな寸法の幅を持ち他方では相対的に小さな寸法の厚みを持つ放射線ビームを照射する放射線照射手段と、
前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな長さを持つ複数の放射線検出素子が前記放射線ビームの幅の方向に配列された放射線検出素子アレイと、
を有する放射線照射・検出装置であって、
前記放射線照射手段と前記放射線検出素子アレイの間の被検体が存在する空間を除いて前記放射線検出素子アレイに前記放射線ビームを照射する照射範囲調節手段と、
前記照射範囲調節手段で調節された前記放射線ビームに関する前記放射線検出素子アレイの放射線検出信号に基づき前記放射線検出素子アレイ上の前記放射線ビームの厚み方向の照射位置を調節する照射位置調節手段と、
を具備することを特徴とする放射線照射・検出装置。 - 照射方向に垂直でかつ互いに垂直な2つの方向の一方では相対的に大きな寸法の幅を持ち他方では相対的に小さな寸法の厚みを持つ放射線ビームを照射する放射線照射手段と、
前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな長さを持つ複数の放射線検出素子が前記放射線ビームの幅の方向に配列された放射線検出素子アレイと、
前記放射線検出素子アレイによる複数ビューの放射線検出信号に基づいて前記放射線ビームの通過領域についての断層像を生成する断層像生成手段と、
を有する放射線断層撮影装置であって、
前記放射線照射手段と前記放射線検出素子アレイの間の被検体が存在する空間を除いて前記放射線検出素子アレイに前記放射線ビームを照射する照射範囲調節手段と、
前記照射範囲調節手段で調節された前記放射線ビームに関する前記放射線検出素子アレイの放射線検出信号に基づき前記放射線検出素子アレイ上の前記放射線ビームの厚み方向の照射位置を調節する照射位置調節手段と、
を具備することを特徴とする放射線断層撮影装置。
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1998
- 1998-04-01 JP JP08839598A patent/JP3746148B2/ja not_active Expired - Fee Related
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