JP4585158B2 - X線ctスキャナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、補正機能を持つX線CTスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】
X線CTスキャナは、被検体にその周囲からX線を照射して得られる投影データをコンピュータで再構成処理することにより断層像データを発生する装置である。X線CTスキャナは、X線ビームの態様の相違で次の3種類に分類される。
【0003】
第1には、X線管から扇状のX線ビームを照射する「ファンビームX線CTスキャナ」である。このファンビームX線CTスキャナでは、例えば1000チャンネル程度の検出素子を一列に並べたX線検出器によって、投影データを収集する。投影データ収集オペレーションは、X線管が被検体の周囲を回転する間に、約1000回程度繰り返される。なお、ファンビームX線CTスキャナでは、単一のスライスに関するデータが収集されることから、「シングルスライスCTスキャナ」とも呼称される。
【0004】
第2には、1000チャンネル程度の検出素子を一列に並べた数個のX線検出器をスライス方向に並列し、その幅に合わせて若干厚いX線ビームを照射するいわゆる「マルチスライスX線CTスキャナ」がある。このマルチスライスX線CTスキャナでは、数枚のスライスのデータを同時に収集することが可能であることから、その呼称が付けられている。
【0005】
第3には、例えばシンチレータとフォトダイオードの組み合わせから構成される複数の検出素子を面状に配列して、そのスライス方向の幅に合わせて円錐又は角錐形にX線ビームを照射するいわゆる「コーンビームX線CTスキャナ」がある。このコーンビームX線CTスキャナによれば、一度にボリュームデータを収集することが可能であることからボリュームX線CTスキャナとも呼ばれる。
【0006】
コーンビームX線CTスキャナの研究は、X線検出器としてイメージインテンシファイア(I.I.)を用いたシステムをメインに、1980年代の後半から進められている。例えば“Volume CT of anthropomorphic using a radiation therapy simulator”(Michael D.Silver, Yasuo Saito他;SPIE 1651 197−211(1992))では、ターンテーブルとI.I.とを組み合わせた実験システムによる胸部ファントムのスキャン結果について議論されている。I.I.を用いたコーンビームX線CTスキャナは、骨や造影された血管などの高コントラスト物体の形状を捉えるものとして、一部実用化されつつある。
【0007】
上記したようにコーンビームX線CTスキャナは、他の2種よりも、スライス方向に関するX線ビームの広がり角大きい。換言すると、回転中心軸状でのX線ビームの厚さは、厚い。そのため、散乱線が検出素子に到達する経路数が増加するので、散乱線量が増大する。散乱線は、画像コントラストを劣化させる等の弊害を生じさせる。この散乱線の増大メカニズムは、ビーム厚の変化に依存して、散乱線量が変動することを意味する。
【0008】
通常、X線CTスキャナでは、検出素子の感度を均一化するために、感度補正が行われる。そのためにファントム(疑似模型)を使って感度補正のための補正データファイル(キャリブレーションデータ)が収集される。上記散乱線がビーム厚に応じて変化するということは、当該補正データファイルもビーム厚に応じて使い分けることが必要とされる。
【0009】
これは、逆説的には、ビーム厚調整の自由度は、保有している補正データファイルの種類の制約を受けることを意味する。
【0010】
例えば、ビーム厚X1の条件で収集した補正データファイルと、ビーム厚X2(>X1)の条件で収集した補正データファイルとが、予めが用意されていることを仮定する。そのような場合において、X1とX2以外のビーム厚の条件は、該当する補正データファイルが用意されていないため、設定不能又は散乱線誤差を含むことを承知の上でしか設定することができない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、X線のビーム厚の設定の自由度を拡大し得るX線CTスキャナを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の局面のX線CTスキャナは、X線を被検体にばく射するX線管と、前記X線のビーム厚を絞る可変X線絞り装置と、前記被検体を透過したX線を検出するマトリクス状に配列された複数の検出素子を有するX線検出器と、複数のビーム厚に対応する複数の補正データファイルを記憶する記憶部と、前記ビーム厚を入力する入力部と、前記入力されたビーム厚より広く且つ最も近いビーム厚に対応する補正データファイルと、前記入力されたビーム厚より狭く且つ最も近いビーム厚に対応する補正データファイルとから補間により前記入力されたビーム厚に対応する補正データファイルを発生するとともに、前記発生した補正データファイルに基づいて前記X線検出器の出力を補正する補正部と、前記補正部の出力に基づいて前記被検体に関する画像データを再構成する再構成部と、前記記憶された複数の補正データファイルが対応する複数のビーム厚よりも多い段数で、前記X線のビーム厚を変化させるために、前記可変X線絞り装置を制御する制御部とを具備する。
本発明の第2の局面のX線CTスキャナは、X線を被検体にばく射するX線管と、前記X線のビーム厚を絞る可変X線絞り装置と、前記被検体を透過したX線を検出するマトリクス状に配列された複数の検出素子を有するX線検出器と、複数のビーム厚に対応する複数の補正データファイルを記憶する記憶部と、前記ビーム厚を入力する入力部と、前記入力されたビーム厚より広く且つ最も近いビーム厚に対応する補正データファイルを、前記入力されたビーム厚に対応する補正データファイルとして代用して前記X線検出器の出力を補正する補正部と、前記補正部の出力に基づいて前記被検体に関する画像データを再構成する再構成部と、前記記憶された複数の補正データファイルが対応する複数のビーム厚よりも多い段数で、前記X線のビーム厚を変化させるために、前記可変X線絞り装置を制御する制御部とを具備する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係るX線CTスキャナの構成例を示す概要図である。図1において、X線CTスキャナ1は、架台11及びコンソール12を備えている。架台11には空洞部11aが設けられる。該空洞部11aには寝台の天板11b上に載置された被検体Pが挿入される。空洞部11a周囲には、X線管111及びX線検出器112が、配置される。X線管111とX線検出器112とは、紙面表裏に貫く回転中心軸RAまわりに回転自在に保持された回転リング11cに相互に対向する状態で搭載される。X線管111は高電圧電源を含むX線発生装置111aと接続される。X線検出器112は、例えばシンチレータとフォトダイオードで構成される複数の検出素子を有する。複数の検出素子は、回転中心軸RAと平行な方向と、回転中心軸RAに略直交する方向との2方向に関してマトリクス状に配列される。なお、回転中心軸RAと平行な方向を、以下、「スライス方向」と称し、回転中心軸RAに略直交する方向を、以下、「チャンネル方向」と称する。
【0014】
X線管111により発生されたX線は、図1における破線にて示されるように、被検体Pに照射される。該被検体Pを透過したX線は、X線検出器112の検出素子により電気信号に変換されて、データ収集部122に収集される。
【0015】
X線管111のX線放射窓には、可変X線絞り装置(コリメータともいう)111Cが装着されている。可変X線絞り装置111cは、X線管111から発生されたX線のビーム厚をスライス方向に絞るために、複数の遮蔽板を装備している。複数の遮蔽板は、スライス方向に関してそれぞれ個別に移動可能に支持される。複数の遮蔽板の間隔を調整することにより、X線のビーム厚は可変である。典型的には、コリメータ111cは、マルチ・リーフ・コリメータである。これは、二組のリーフペアを構成する複数の板状リーフが、各別に、かつ、その長さ方向であって対向する方向又は離反する方向に移動することにより、X線のビーム厚を任意に制限することが可能なものである。
【0016】
コンソール12は、架台11及び寝台・天板等を制御する中央制御部121、操作者がこの中央制御部121にアクセスするための入力部127及び再構成されたCT像(アキシャル像、断面変換像(MPR像)、体表面像、最大値投影増(MIP像))等を表示する画像表示部12D等を備えている。このうち入力部127としては、具体的には例えばマウスやトラックボール等のポインティングデバイス等を採用し得、また、画像表示部12Dとしては、例えばCRT等を採用し得る。
【0017】
操作者は、入力部127を介して中央制御部121にコマンドを入力する。中央制御部121は、入力されたコマンドに従って、X線検出器112の出力に基づき、断層像データを再構成し、これを画像表示部12Dに表示する。より詳しく、上記断層像等は、図1に示すデータ収集部122、前処理部123、メモリ124、再構成部125及びデータ処理部126における、図2に概念的に示すようなデータの流れ、ないしは処理を通じて再構成され、画像表示部12Dにおいて表示されることになる。
【0018】
図2においてまず、データ収集部122は、X線検出器112の複数の検出素子から複数の電気信号を受け取る。このデータ収集部122では、電気信号は増幅され、その増幅された電気信号はA/D変換器を介してデジタル信号として出力される。前処理を受ける前段階のデジタル信号は、生データ(ロウデータ)と呼ばれる。
【0019】
前処理部123は、記憶装置12Mに記憶された複数の補正データファイル(calibration data files)の中から読み出された少なくとも1つの補正データファイルに基づいて、データ収集部122からの生データを補正する。この補正処理には、レファレンス補正、水補正、感度補正等が含まれる。前処理部123で補正されたデータは、再構成処理の直前段階にあるデータであり、「投影データ」と呼ばれる。
【0020】
メモリ124は、投影データを記憶する。再構成部125は、メモリ124より投影データを受け取り、この投影データに基づき、例えばFeldkamp法と呼ばれる方法に代表される三次元画像再構成アルゴリズムによって、被検体Pのスライス方向に広い3次元領域内のX線吸収係数の分布(ボリュームデータ又はボクセルデータセットと呼ばれる)を再構成する。なお、上記では、投影データがメモリ124に一旦記憶されるとしたが、場合によっては、該メモリ124を介さずに、投影データを前処理部123から再構成部125に直接に送るようにしてもよい。
【0021】
ボリュームデータは、直接又は記憶装置12Mに一旦記憶された後、データ処理部126に送られる。このデータ処理部126は、当該ボリュームデータから、任意断面の断層像、任意方向からの透過像、立体的構造を二次元上で表現し得るいわゆる三次元画像等の表示用の画像データを生成する。画像表示部12Dは、この表示用の画像データをグレイスケール又はカラーで表示する。表示用の画像データは、ボリュームデータとともに、典型的にはハードディスクドライブで実現される記憶装置12Dに記憶される。
【0022】
なお、図1に示すX線CTスキャナ1の構成は単なる例示に過ぎない。すなわち、図1においては、再構成部125等が、コンソール12として架台11とは別体に構成されていたが、該再構成部125等を架台11内に設置するような構成としてよい。また、データ収集部122を架台11に、前処理部123以降をコンソール12に各々設け、前者から後者に対する電気信号の送信は、図示しない非接触データ伝送手段を利用するような形態としてもよい。
【0023】
以下、、図3及び図9に示すフローチャートを参照して、前処理部123の感度補正処理について説明する。
図3は、補正データファイルの収集処理を示す。補正データファイルに基づいてロウデータが補正される。この補正は、X線検出器112の検出素子の感度を均一化するための処理である。この補正により、水のCT値が“0”に、空気(エア)のCT値が“−1000”に基準化される。補正データファイルは、実際の検査と同じ「スキャン条件」のもとで、水が充填された円筒形の模型、つまり「水ファントム」を使って収集されたデータから生成される。「スキャン条件」には、撮影領域FOV(Field Of View)、被検体Pの概略的な径、管電圧、管電流等が含まれる。
【0024】
撮影領域FOVは、再構成処理の対象とされる領域であり、回転中心軸RAを中心とした円柱形に設定される。そのサイズは、半径と長さにより定義される。通常、この撮影領域FOVの全域をX線がカバーするように、X線のビーム厚が決定される。X線のビーム厚とは、回転中心軸RA上でのX線束の厚さとして定義される。X線のビーム厚は、撮影領域FOVのサイズにより決まる。逆に、X線のビーム厚が決まれば、それに応じて撮影領域FOVのサイズが決まる。このようにX線のビーム厚と、撮影領域FOVのサイズとは、相互に定義するパラメータである。以下では、X線のビーム厚というタームを使用するが、それは撮影領域FOVのサイズと読み替えることができる。
【0025】
図3のステップS1において、ファントムがX線管111とX線検出器112との間に配置され、ファントムにコリメータ111cを通して特定のビーム厚に絞られたX線が照射される。ステップS2で、ファントムを透過したX線が検出器112で検出され、データ(ファントムデータファイル)が収集される。このファントムデータファイルの収集は、X線管111が被検体の周囲を回転する間に一定の周期で繰り返される。それにより、X線管111が被検体の周囲を一回転する回転軌道上で一定の間隔で離散的に配列される複数点にそれぞれ対応する複数のファントムデータファイルが収集される。
【0026】
ステップS3において、収集された複数のファントムデータファイルから、補正データファイルがデータ処理部126で演算される。この演算方法は、任意である。例えば、収集された複数のファントムデータファイルから、チャンネルごとに加算平均値が求められる。加算平均値の集まりが補正データファイルである。この加算平均により、ノイズが低減され得る。
【0027】
このようにして求められた補正データファイルは、ステップS4において、記憶装置12Mに記憶される。
【0028】
S1からS4までのルーチンは、予め定められた複数のビーム厚にそれぞれ対応する複数の補正データファイルが収集されるまで繰り返される(ステップS5)。
【0029】
図4には、複数の補正データファイルを収集するために予め定められた複数のビーム厚の一例が示されている。また、図5はX線検出器112をX線管111が存在する地点から臨んだ際の平面図を示し、該X線検出器112において有効なデータを検出する範囲、すなわちその使用領域と、図4における複数のビーム厚との関係を示している。
【0030】
これらの図4,5によれば、被検体Pのスライス方向について、X線検出器112の使用領域で決まる最大のビーム厚を「LL」として、以下、略等間隔に「L」、「M」、「S」、「SS」、「SSS」の合計6種類のビーム厚が設定されている。つまり、これら6種類のビーム厚について各々対応する6の補正データファイルが取得される。
【0031】
ここで、X線検出器112は、スライス方向とチャンネル方向との2方向に関して、n×mのマトリクス状に配列された複数の検出素子112aを有する。チャンネル方向に隣り合う検出素子112aの中心点間距離は、例えば1mmであり、スライス方向に隣り合う検出素子112aの中心点間距離は、同じ1mmにデザインされている。なお、これら各方向に隣り合う検出素子112aの中心点間距離は、回転中心軸RA上の換算値として与えられる。
【0032】
最大のビーム厚LLは、n×1mmで与えられる。実際のスキャン時には、ビーム厚は、1mmからn×1mmまでの範囲で1mm単位で細かく設定可能である。そのビーム厚の設定可能数よりも少ないここでは離散的な6種のビーム厚に関して、6種の補正データファイルが収集される。もちろん、設定可能なビーム厚の全てについて補正データファイルを収集することは可能であるが、現実的ではない。周知の通り、検出素子112aの感度は、経時的に変動する。従って、メイン電源を投入する度に、または定期的に、補正データファイルの更新が必要とされる。その更新の都度、ビーム厚の全てについて補正データファイルの収集オペレーションを繰り返すことは、更新作業を著しく長時間化させる。
【0033】
図6は、6種類のビーム厚に関して求められた6種の補正データファイルを示している。ビーム厚が大きくなるほど、補正データの値が高くなることがわかる。これは、X線が照射される被検体Pの領域が大きくなればなるほど散乱線の量が増大するためである。散乱線が増加する原因は、図7(a)、図7(b)に示すように、ビーム厚が大きくなればなるほど、散乱線SX(図中鎖線)の入射経路が増加することにある。なお、図8(a)、図8(b)に、撮影領域FOVのサイズ(径R、長さL)と散乱線量との関係を模式的に示している。被検体Pのサイズに応じて散乱線量が変化することがわかる。なお、図8(a)、図8(b)におけるX線検出器112は、その断面が長方形となっているが、これは一例示に過ぎず、当該断面が円弧状となるもの(図19参照)であってよいことは勿論である。
【0034】
以上のようにして複数、ここでは6種のビーム厚にそれぞれ対応する6個の補正データファイルが取得される。
【0035】
図9には、被検体Pに対する実際のスキャン手順を示している。ステップT1にあるように、検査の目的に合わせ、ビーム厚(又はFOVのサイズ)が、入力部127を通じて入力される。
【0036】
特に、ビーム厚は、6個の補正データファイルが対応する離散的な6種のビーム厚とは無関係で、検出素子のピッチ1mmを単位長としてその任意の整数倍に設定することが可能である。なお、この際に設定し得るビーム厚Xtは、X線検出器112における前記使用領域で定まるビーム厚をXmaxとして、0<Xt≦Xmax と表現し得る。つまり、設定し得るビーム厚Xtは、Xmaxを上限とする範囲内において、上記設定ピッチの制約はあるものの、実質的に「任意」である。
【0037】
図10(a)は、表示部12Dのスクリーン内のスキャン条件設定ウインドウ(ビーム厚設定ウインドウ)の一例を示している。スキャン条件設定ウインドウは、スキャン条件テーブルウインドウと患者情報ウインドウとともに表示される。ビーム厚の設定するために2種類のカーソルCA,CBがスキャノグラム上に表示される。カーソルCAは、スライス方向に関してビームの中心線を表す。2つのカーソルCBは、スライス方向に関してビームの両端を表す。オペレータは、マウス等のポインティングデバイスを操作して、カーソルCAをスライス方向に沿って前後に移動する。それにより、ビーム中心を所望位置に設定することができる。また、オペレータは、マウス等のポインティングデバイスを操作して、2つのカーソルCBの一方をスライス方向に沿って前後に移動する。一方のカーソルCB(一方のビーム端)とカーソルCA(ビーム中心)との距離と他方のカーソルCB(他方のビーム端)とカーソルCA(ビーム中心)との距離とが等価になるように、一方のカーソルCBの移動に従って、他方のカーソルCBが自動的に移動する。それにより、ビーム厚を所望厚に設定することができる。スキャン条件テーブルウインドウのスキャン開始/終了位置に関するセル内の数値は、カーソルCA,CBの移動に従って自動的に変化するようになっている。逆に、カーソルCA,CBの位置は、スキャン条件テーブルウインドウのスキャン開始/終了位置に関するセルの数値を書き換えると、それに応じて自動的に変化するようになっている。
【0038】
図10(b)は、表示部12Dのスクリーン内のスキャン条件設定ウインドウ(ビーム厚設定ウインドウ)の他の例を示している。この方法では、ビーム厚の設定するために、スライス方向に関してビームの両端を表す2つのカーソルCBが用いられる。オペレータは、マウス等のポインティングデバイスを操作して、一方のカーソルCBをスライス方向に沿って前後に移動する。また、オペレータは、マウス等のポインティングデバイスを操作して、他方のカーソルCBをスライス方向に沿って前後に移動する。それにより、ビーム厚を所望厚に設定し、且つビーム中心を所望位置に設定することができる。
【0039】
次に、ステップT2にあるように、設定されたビーム厚に対応する少なくとも1つの補正データファイルに基づいて、被検体Pのロウデータを補正するために使う「実使用補正データファイル」が生成される。この実使用補正データファイルの生成方法は、後述する。また、その「生成」処理は、上記中央制御部121で行われる。そして、ステップT3では、設定されたビーム厚となるように、図4に示す絞り装置111Cのスライス開度が設定される。
【0040】
ステップT4からT7にあるように、被検体Pに対しX線を曝射してロウデータが収集され、この収集されたロウデータが前処理部123で補正される。それにより生成された投影データに基づいて、再構成部125によりボリュームデータが再構成される。このボリュームデータから、データ処理部126により断層像、三次元画像等の表示用の画像データが生成される。表示用の画像データは、画像表示部12Dに表示され、また記憶装置12Mに記憶される。
【0041】
ここで、前処理部123がデータ収集部122からのロウデータに対して実使用補正データファイルを使って実施する補正処理(図9ステップT5)について詳細に説明する。
【0042】
図11は、被検体Pのスキャン時のジオメトリの一例が示されている。ビーム厚は、図中太線で示すように設定される。設定されるビーム厚は、6個の補正データファイルに対応する6種のビーム厚の中のいずれとも一致しない。この例では、設定されるビーム厚は、MとSとの間の厚さを有している。一致する補正データファイルが存在しない場合、従来では、その補正をすることが不可能であった。そもそもビーム厚の選択肢は、補正データファイルに対応するビーム厚に制限されていた。本実施形態では、上記6種の補正データファイルの中の少なくとも1つの補正データファイルから、実際に設定されたビーム厚に一致する実使用補正データファイルが生成される(図9ステップT2)。
【0043】
実使用補正データファイルの生成方法として、第一から第五までの5種類の方法を提供する。中央制御部121は、これら5種類の中のいずれか1つの方法を装備してもよいし、これら5種類の全ての方法を装備して、操作者の指示に従って選択的に使用するようにしてもよい。以下、実使用補正データファイルを生成するための5種類の方法を順番に説明する。
【0044】
(第一の方法:補間処理)
本第一の方法は、上記実使用補正データファイルを、上記既存6種の補正データファイルから設定されたビーム厚に応じて選択された少なくとも1つの補正データファイルから補間することにより求める。この場合において、6種の補正データファイルは、図6に示したように、散乱線の影響を受けてビーム厚が大きくなるほど大きな値をとるが、これら散乱線量とビーム厚との関係は、被検体の径が同じ場合、おおむね比例関係にあることが知られているから、該当するX線検出器112の検出素子ごとに、ビーム厚をパラメータとした線形補間を実施するとよい。
【0045】
例えば、設定されたビーム厚が図11に示すようにM領域とS領域との間にある場合には、図12に一点鎖線で示すように、S領域より内側のX線検出器112の検出素子(図中、領域SI)については、M領域の補正データファイルとS領域の補正データファイルとから内挿二点補間を行い、M領域とS領域の間にある検出素子(図中、領域MS)については、S領域の補正データファイルが存在しないため、L領域及びM領域の補正データファイルを使って外挿補間を行う。これらの補間処理によって、図12に示すような実使用補正データファイルAA1が得られる。
【0046】
また、本発明においては、図12に二点鎖線で示すように、上記例の二点補間に代えて、多点補間を実施してもよい。すなわち、上記した領域SIにおける検出素子については、L領域、M領域及びS領域の補正データファイル上の三点を利用することにより、また、上記領域MSについては、LL領域、L領域及びM領域の補正データファイル上の三点を利用することにより、等といった補間処理を実施してよい。さらに、上記の方法に代えて、例えば領域SIにおける検出素子については、6種類すべての補正データファイルを使って補間処理を実施することも可能である。
【0047】
なお、上記したような多点補間の場合、何点を用いた補間処理を実施するかは、その効果と処理量との関係で適宜決めればよい。また、図12においては、上述したように、二点補間と三点補間の例が併せて示されているが、これは説明の便宜上、一図に二つの方法を併記したという意味にとどまり、実際には、二点補間のみ、又は三点補間のみといった処理によって、全ビーム厚に係る実使用補正データファイルAA1が求められるのが通常であると考えてよい。
【0048】
ただし、場合によっては、二点補間又は三点補間ないし多点補間を併用するような場合も例外的には考え得る。そのような場合とは、例えば図12中縦軸付近、すなわちX線検出器112の中央付近部分については、そうでない部分よりも、より精度の高い画像を取得したい、等といった場合である。この場合、当該縦軸付近では三点補間を実施し、残る部分では二点補間を実施する等というような補間処理を実施することも可能である。このような形態を積極的に除外する意図を有しない。
【0049】
また、設定されたビーム厚が、図13に示すように、LL領域とL領域との間(領域L3)に存在する場合には、その実使用補正データファイルAA2を得るための、補間処理に必要な複数点の補正データファイルを得ることができず、したがって基本的に補間処理を実施することができない。このような場合に対処するためには、まず最も簡易な方法として、当該LL領域に関する補正データファイルをそのまま実使用補正データファイルとして使う等といった処理を実施するとよい。
【0050】
しかしながら、上記のような処理によっては、図13に示すように、領域Lより内側のビーム厚と、上記領域L3のビーム厚とに関する補正データファイルは不連続となってしまうため、再構成される画像上でアーティファクトを生じさせるおそれがあり、あまり好ましい状況とは言えない。したがって、本方法においては、上記に代えて、例えば次のような手法を採用することが可能である。
【0051】
すなわち、図13に示すように、L領域に関する補正データファイルのエッジ部分に含まれる情報、すなわちその微分係数等を利用したり、該エッジ近傍の出力値に基づいてその外挿点を求める等の手法により、当該エッジ部分にスムースに繋がる延伸された補正データファイル(以下、「延伸補正データファイル」という。)EAを作成する。そして、この延伸補正データファイルEAとLL領域の補正データファイルとにより、二点補間を行えば、より精度の高い実使用補正データファイルAA2´が得られることになる。この場合、上記したような不連続部分が生じることがない。
【0052】
なお、このような延伸補正データファイルEAを作成する手法は、一般に、補間に使用する補正データファイルの組み合わせが変化する部分、すなわち6種の補正データファイルの各エッジ部分に適用することが可能である。例えば、図12を参照して説明した二点補間処理を実施する場合において、上記では、領域MSにおける同処理を、L領域及びM領域の補正データファイルによる外挿補間を実施することによって対処していたが、これに代えて、M領域の補正データファイルのエッジ部分に基づいて、当該補正データファイルに関する延伸補正データファイルを作成し、領域SIと同様に内挿二点補間を実施するようにしてよい。このような手法によれば、各領域の繋ぎ目での段差によるアーティファクトの発生を抑えることができる。
【0053】
(第二の方法:代替処理)
本第二の方法は、上記6種の補正データファイルから所定の基準で選択される1つの補正データファイルを、設定されたビーム厚用の補正データファイルに最も適当なものとして、代替使用する。すなわち、上記第一の方法のように、補間処理を実施せず、予め取得されている補正データファイルをそのまま使用することになる。
【0054】
例えば、設定されたビーム厚が図11に示すようにM領域とS領域との間にある場合には、図14に示すように、M領域についての補正データファイルを選択し、これを実使用補正データファイルAA3として使用することになる。この際、既存6種の補正データファイルの中からいずれを選択するかについての基準としては、以下の項目を挙げることができる。
【0055】
すなわち、第一に、補正を有効に実施するためには、スキャン処理によってデータを収集したすべての検出素子について補正データファイルが必要であるから、被検体Pのスキャン時より薄いビーム厚による補正データファイルは使えない。つまり上記例で言えば、S領域の補正データファイルは使用しないで、M領域、L領域及びLL領域のデータを使用する。また第二に、上述したように、散乱線の量がビーム厚に応じて変化するから、選択する補正データファイルとしては、被検体Pのスキャン時のビーム厚に最も近い条件のデータが適している。
【0056】
以上のことから、要すれば、被検体Pのスキャン時のビーム厚を基準として、それよりも大きいビーム厚に関する補正データファイルであって、その中で最も小さいビーム厚に関する補正データファイルを用いるのが最も好ましいことになる。図14の例でいえば、M領域の補正データファイルを用いることとなる。
【0057】
なお、上記第一の方法における補間処理及び第二の方法における代替処理のいずれを用いるかは、X線CTスキャナ1、ないしは中央制御部121の処理能力等を勘案して適宜決定される。また、場合によっては、本発明に係るX線CTスキャナ1が、上記二種の処理をいずれも実施可能に保持し、装置使用者が適宜選択し得るような構成としておくのもよい。
【0058】
なお、一般的に言えば、上記補間処理を実施する場合には、図3に沿って予め収集しておかなければならない補正データファイルの数を減らす効果がより強くなる一方、代替処理を実施する場合には、上記補間処理が不要となる効果がある。
【0059】
(第三の方法:補正データファイルエッジ部分を利用した処理)
本第三の方法は、上記第一の方法で述べた、補正データファイルのエッジ部分、ないしは該エッジ部分に着目して延伸補正データファイルEAを作成する処理手法等を利用して、実使用補正データファイルを準備することに特徴がある。なお、以下では、設定されたビーム厚が、図11に示したようにM領域とS領域との間に存在する場合を代表例として考えるものとする。また、以下で参照する図面においては、M領域及びS領域の補正データファイルのみを表し、その図示を簡略化している。
【0060】
まず簡単には、実使用補正データファイルとして、上記延伸補正データファイルをそのまま使用する手法が考えられる。すなわち、図15に示すように、S領域の補正データファイルのエッジ部分に基づいた延伸補正データファイルEBを作成するとともに、実使用補正データファイルAA4としては、この延伸補正データファイルEBとS領域の補正データファイルとを接続したものとして準備する。
【0061】
このような処理方法は、基本的には、上記代替処理の考え方に通ずるものである。ただ、上記代替処理では、M領域の補正データファイルが利用さていたところ(図14参照)、S領域の補正データファイルを基本に利用するところに相違がある。そして、このようなことが可能となるのは、上記延伸補正データファイルEBが作成された事実によるに他ならない。
【0062】
また、上記よりも更に簡単には、延伸補正データファイルを作成することなく、既存の補正データファイル形態(曲線態様)をそのまま利用はするが、エッジ部分には注意を施すような手法が考えられる。すなわち、図16に示すように、領域MSにおける補正データファイルを、S領域の補正データファイル出力値に対応するよう下方にシフトする。そして、このシフトされた領域MSにおける(M領域の)補正データファイルとS領域の補正データファイルの接続点(≒エッジ部分)Jについては、両者の出力値の連続性が得られるような処理を施す。この処理は、延伸補正データファイルを求める処理の考え方と大きな相違はない。なお、実使用補正データファイルAA5としては、該当する領域のみを抽出すればよい(図16「中かっこ」参照)。
【0063】
次に、上記補正データファイルの「シフト」は実施しないが、該補正データファイル形態をなるべく生かす処理手法が考えられる。例えば、図17に示すように、S領域の補正データファイルのエッジ部分を、M領域の補正データファイルに接続するような補正データファイル(以下、「接続補正データファイル」という。)CLを作成する。この接続補正データファイルCLは、その一端がS領域の補正データファイルエッジ部分近傍J1に滑らかに接続され、かつ、その他端がM領域の補正データファイル曲線とS領域を画す境界線とが交わる箇所におけるエッジ部分近傍J2に滑らかに接続されたものとなる。なお、実使用補正データファイルAA6は、上記図16と同様に、該当する領域のみを抽出する。
【0064】
以上述べたような処理手法によれば、上記第一の方法において図13を参照して述べたような不連続部分の発生を防止することができる。
【0065】
また、本第三の方法によれば、上記第二の方法における代替処理のように、設定されたビーム厚よりも大きい領域に関する補正データファイルを使用するのではなく、不足部分(図15ないし図17では領域MSが該当する)については、延伸補正データファイルEBを利用したり(図15)、設定されたビーム厚よりも大きい領域に関する補正データファイルをシフトさせて利用したり(図16)、接続補正データファイルCLを作成・利用しつつ前記大きい領域に関する補正データファイルを利用したり(図17)することによって、当該ビーム厚よりも小さい領域の補正データファイルを使用することが可能となる。
【0066】
このように、ビーム厚よりも小さい領域の補正データファイルを利用することの利点は、図15乃至図17を例としていえば、当該ビーム厚が、S領域の大きさに近く、M領域の大きさに遠い場合にある。その理由は説明を要すまでもない。ただ、上記第二の方法によれば、このような場合においても、M領域の補正データファイルが実使用補正データファイルとして準備されることになるから、この点、本第三の方法の有意性は確認される。
【0067】
つまり、このような観点を踏まえると、一般的には、設定されたビーム厚に最も近いビーム厚に関する補正データファイルを利用することが好ましいということが言える。
【0068】
ちなみに、上記のような運用を実効あらしめるためには、設定されたビーム厚が、既存6種の補正データファイルに係る当該6種のビーム厚(=「LL」乃至「SSS」)のいずれに近いかを認定しなければならない。
【0069】
このためには、例えば単純には、予め取得された既存6種の補正データファイルについてのビーム厚、すなわち「LL」乃至「SSS」に係る具体的数値と、設定されたビーム厚の具体的数値との対比演算を実施すれば、当該「LL」乃至「SSS」のいずれに近いかを容易に認定することが可能である。
【0070】
また、上記とは別に、例えば図18に示すように、X線検出器112のある一つの検出素子についての出力を縦軸に、ビーム厚を横軸にとったグラフを概念的に利用する処理を実施するのでもよい。
【0071】
このグラフにおいて、S領域及びM領域の大きさ(=ビーム厚)とその出力は、図3における補正データファイル収集処理によって既知である。また、当該S領域及びM領域の間におけるビーム厚についての前記ある一つの検出素子に関する出力についても、これを予め適当数取得しておく。これにより図18に示すグラフを作成し得る。
【0072】
一方、本グラフに関する前記ある一つの検出素子についての、設定されたビーム厚による出力結果を参照すれば、それがS領域の大きさに近いか、あるいはM領域の大きさに近いかが判明する(図18、矢印参照)。そして、この結果に基づき、S領域に近ければ本第三の方法で示した各種処理を、M領域に近ければ上記第二の方法における代替処理を各々実施する、等といった処理、すなわち要すれば、設定されたビーム厚に最も近いビーム厚に関する補正データファイルを利用する処理を実施することができる。
【0073】
この図18を利用する処理の利点は、当該図に示されるように、複数の領域についての出力が、厳密には比例関係にない場合があることに認められる。すなわち、図18に示すように、ビーム厚と出力とが非線形の関係にあるような場合では、上述した単純な対比演算では、設定されたビーム厚がいずれの領域に近いかを正確に認定することが困難となるが、いま述べたような処理によれば、これが可能となる。なお、上記では図18のグラフは、「ある一の検出素子」について作成されるものとしていたが、本発明においてはこれに限らず、例えば「X線検出器112から対称性よく選択された数個の検出素子(特定の検出素子)」について図18に示すようなグラフを作成したり、「同一チャンネルないの複数の検出素子(特定の検出素子)」についてそれを作成するようにしてもよい。
【0074】
なお、本第三の方法では、設定されたビーム厚がM領域とS領域との間に存在する場合について述べたが、その他の場合(例えばL領域とM領域との間に存在する場合等)においても、全く同様に考えることができるのは言うまでもない。
【0075】
以上述べたような第一乃至第三の方法により取得された実使用補正データファイルAA1〜AA6は、図9ステップT5において、スキャンデータに対する実際の補正処理に供されることになる。そして、当該実使用補正データファイルAA1〜AA6を利用した補正処理によれば、適切にX線検出器112に関する感度補正を実施することができるのは明白である。
【0076】
(第四の方法:散乱線補正処理)
本第四の方法は、散乱線補正処理を応用することにより、種々に設定される可能性のあるビーム厚の補正に対応することを特徴とする。なお、散乱線とは、上でも述べたように、直接X線のほか、余分に検出されるX線成分であり、ビーム厚が大きくなればなるほど、また、被検体Pの直径が大きくなればなるほど、その量が大きくなるものである(図7(a)及び(b)、図8(a)及び(b)参照)。
【0077】
そして、「散乱線補正処理」とは、上記のような散乱線を投影データから排除する処理のことを言い、ほぼ直接X線のみからなる投影データを取得するための処理である。ちなみに、このような散乱線補正処理は、上記前処理部123、中央制御部121等その他反れ専用の演算装置等(以上、第二の補正手段)を用いて実施するようにすればよい。また、本第四の方法における上記散乱線補正処理としては、例えば特許第1631264号公報や特開平11−89827号公報等に示されている方法を採用し得る。
【0078】
ここで簡単に説明しておくと、特許第1631264号公報に開示されている散乱線補正処理は、概ね以下のようである。すなわち、上記公報におけるX線診断装置は、図19に示すように、X線遮蔽手段XSを備えている。このX線遮蔽手段XSは、例えばアクリル等を薄板状に形成してなるX線透過部材XSAに、X線遮蔽部材例えば鉛片XSBを等間隔で配置することにより構成される。また、このX線遮蔽手段XSは、図中矢印に示すように移動自在に構成され、X線管111から発せられるX線を、X線検出器112に対し遮蔽する又は非遮蔽とすることが可能となっている。なお、ここでX線が遮蔽又は非遮蔽とされるのは、上記鉛片XSBが存在する位置において、であることはいうまでもない。
【0079】
このようなX線診断装置によれば、上記X線遮蔽手段XSを照射野内に配置する際には、X線遮蔽データの収集を行うことが可能となる。そして、当該X線遮蔽データの収集においては、上記鉛片XSBが存在する位置に対応する検出素子ついては直接X線が入射することがないから、その出力は散乱線の存在を反映したもの(散乱線データ)となることがわかる。したがって後は、上記鉛片XSBの各々の位置と該各々の位置に対応する前記散乱線データとの関係から、X線検出器112全面(=全検出素子)における散乱線強度の分布(散乱線強度データ)を算出することが可能となる。上記公報によれば、これを標本化関数によるデータの補間処理により行っている。
【0080】
そして、このように取得された散乱線強度データと、前記X線遮蔽手段XSを照射野外に配置することにより取得される原画像データとの差分を行えば、散乱線の影響を排除した投影データが取得されることになる。
【0081】
また、特開平11−89827号公報に開示されている散乱線補正処理は、概ね以下のようである。すなわち、上記公報におけるX線CTスキャナは、図20に示すように、チャンネル方向への散乱線がX線検出器112に入射するのを防止するチャンネル方向コリメータCDCと、スライス方向(被検体Pの体軸方向と平行)への散乱線が同検出器112に入射するのを防止するスライス方向コリメータSDCとが、X線検出器112前面に備えられている。そして、上記チャンネル方向コリメータCDCにおいては、それを構成するコリメータ板CDC1が密となるように、スライス方向コリメータSDCにおいては、それを構成するコリメータ板SDC1が「疎ら」となるように、それぞれなされている。
【0082】
このようなX線CTスキャナによれば、図21(a)、図21(b)に示すように、上記スライス方向コリメータSDCの作用により、前記コリメータ板SDC1が設けられている箇所についてのみ散乱線が(物理的に)除去される結果、当該箇所の直下におけるX線検出器112の検出素子A乃至Dでは、直接X線のみが検出されることとなる(図21(a),図21(b)中、「密な斜線ハッチング部分」参照)。
【0083】
また、当該検出素子A乃至Dそれぞれの両隣に位置する検出素子X2及びX3、X6及びX7、X10及びX11並びにX14及びX15では、若干分散乱線が除去されるが残る散乱線成分を含んだX線が検出され、上記以外の残余の検出素子X1、X4、X5、X8、X9、X12、X13、及びX16では、散乱線成分が全く除去されないX線(直接X線+散乱線)が検出される(図21(a),図21(b)中、「破線部分」が物理的に除去された散乱線、「疎な斜線ハッチング部分」が検出された散乱線)。
【0084】
そして、上記公報によれば、このような態様の相違から、上記検出素子A乃至Dの出力に基づいて直接線成分の分布を推定するとともに、上記検出素子X1、X4、X5、X8、X9、X12、X13、及びX16の出力に基づいて、直接線成分及び散乱線成分の分布を推定する(図21(a),図21(b)参照)。以下、後者から前者を引くことにより、コリメータ前面における散乱線のみの分布を取得し、この散乱線のみの分布に対して、予め求めておいた除去率を乗算することにより、各検出素子ごとに入射している散乱線量を推定することが可能となる。
【0085】
後は上記推定された散乱線量を、実際のスキャンデータから差し引けば、散乱線の影響を排除した投影データが取得されることになる。ちなみに、上記にいう「除去率」とは、スライス方向コリメータSDCが存在する場合に除去される散乱線量の、当該コリメータSDCが存在しない場合における全散乱線量に対する比率のことである。
【0086】
さて、本第四方法では、まず、図3を参照して説明した補正データファイル収集処理において、上記散乱線補正処理を実施する。ただし、この補正データファイル収集は、X線検出器112のサイズで決まる最大のビーム厚に関するものについてのみ行う。すなわち、図4等で言えば、LL領域に関する補正データファイルのみを収集することになり、図3における補正データファイル収集処理においては、そのステップS5の処理は省略されることになる。
【0087】
ただ、スキャン条件は、実際上においてビーム厚に限らず、X線管111の管電圧等の条件も含まれるから、ここで「LL領域に関する補正データファイルのみを収集する」といっても、その他のパラメータについての補正データファイルは、必要数だけ収集しなければならない。つまり、「ビーム厚がLL領域であってX線管111の管電圧v〔V〕についての補正データファイル」や、「ビーム厚がLL領域であって被検体Pの直径d〔m〕についての補正データファイル」等々を収集しておかなければならない。ただし、いまの場合においては、上で既に断っておいたように、スキャン条件としてビーム厚を考えることとする。
【0088】
なお、収集されたLL領域の補正データファイルに対し散乱線補正をかけるタイミングは、図3で言えば、そのステップS3とS4との間となる。このようにして、散乱線補正済みの補正データファイルが記憶されることになる(図3ステップ4)。
【0089】
次に、図9を参照して説明した実際の被検体スキャン処理に移り、上で述べた場合と同様に、自由に細かいピッチでビーム厚を設定(図9ステップT1及びT3)して、被検体Pについての必要最小限の領域につきデータ収集を実施する。なお、図9ステップT2において準備される補正データファイル、すなわち本第四方法における実使用補正データファイルは、当然ながら上記LL領域に関する散乱線補正済みの補正データファイルとなる。
【0090】
そして次に、図9ステップT5において、収集した被検体スキャンデータに対し前処理部123における各補正処理を実施するとともに、散乱線補正処理を実施する。続いて、この散乱線補正済みのスキャンデータに対して、上記したLL領域に関する散乱線補正済み補正データファイル(実使用補正データファイル)を用いて、X線検出器112の感度補正を行う。
【0091】
このような処理によれば、散乱線補正処理によって散乱線の影響を排除したデータ同士(散乱線補正済みの補正データファイル及びスキャンデータ)で感度補正を行うので、補正データファイル収集時と、被検体スキャン時とのビーム厚の違いに伴う散乱線量の差の問題も解消され、アーティファクトの少ない精度の高い画像が得られることになる。
【0092】
なお、上記第四方法では、散乱線補正処理として特許第1631264号公報及び特開平11−89827号公報についての概略説明を行ったが、本発明においては、上記説明した二つの散乱線補正処理の他、基本的に如何なる手法に基づく散乱線補正処理を採用してもよい。いずれにしても、上記作用効果が奏されることに変わりはない。
【0093】
(第五の方法:散乱線補正及び数種の補正データファイルに基づく補正処理の併用)
本第五の方法は、上で示した第一、第二及び第三の方法で述べた補間処理、代替処理及び補正データファイルエッジ部分を利用した処理と、第四の方法で述べた散乱線補正処理を組み合わせることに特徴がある。なお、以下では、上記第一の方法における補間処理と散乱線補正処理とを組み合わせる例について説明する。
【0094】
本第五の方法では、上記第一の方法と同様に、補正データファイルは、予め定められたビーム厚に関する複数種類について収集される。そして、そのそれぞれについては、上記第四の方法で述べたと同様に、散乱線補正処理が施され、これが記憶される(散乱線補正処理を含む図3に示す処理の実施)。
【0095】
次に、図9に移り、被検体のスキャン条件(すなわち、本方法においては「ビーム厚」)に応じて、散乱線補正済みの補正データファイルを補間して、被検体スキャンデータの実使用補正データファイルを推定する(図9ステップT2、上記第一の方法における記述参照)。また、被検体のスキャンデータに対しても、上記第四の方法と同様、散乱線補正処理を実施する。そして、このようにして取得された散乱線補正済みスキャンデータに対して、上で推定した散乱線補正済み既存数種の補正データファイルに基づく「実使用補正データファイル」を用いて感度補正を行う(図9ステップT5)。
【0096】
このような処理によれば、散乱線補正処理の簡素化を図ることが可能となる。つまり、本第五の方法によれば、種々に設定され得るビーム厚の適切な補正を実施する上で、ともに効果のあることが上記において指摘された上記第一の方法のおける補間処理と、上記第四方法における散乱線補正処理とを組み合わせて実施するから、散乱線補正処理が果たすべき役割を相対的に低下させることが可能となるのである。なお、このような散乱線補正処理の簡素化は、例えば散乱線補正の方式や補正処理の重さ・時間等により必要となる場合がある。
【0097】
また、上記第五の方法によれば、上と同様な理由により、散乱線補正の精度が低い場合等であっても、アーティファクトの少ない、精度の高い画像が得られる。
【0098】
以上説明したように、上記第一乃至第五の方法として述べた各種処理を実施することによれば、一種又は数種の補正データファイルを取得するのみで、種々に設定され得るビーム厚についての適切な実使用補正データファイルの取得が可能であるから、基本的に、どのようなビーム厚を設定することによっても、正確な感度補正を実施することが可能となる。
【0099】
またしたがって、本方法によれば、従来のように、予め使用し得るビーム厚が限定されるといったこともなく、自由にビーム厚の設定を行うことができ、結果、被検体Pに対し無用な被曝を強いるようなこともない。
【0100】
なお、上記第一乃至第三方法、及び第五方法においては、予め定められたビーム厚に関する補正データファイルが、「LL」から「SSS」に至る6種類のみ用意されるとしていたが、本発明は、このような形態に限定されるものでは勿論ない。補正データファイルは、基本的に、何種類準備しておいてもよい。また、補間処理を実施する第一実施形態を除く他の実施形態においては、「一種」のビーム厚さについての補正データファイルを取得さえしておけば、原理的には、対応可能である。
【0101】
ただ一般的に言えば、上記第一方法においては、補間処理を実施するため、どのようなビーム厚についても原理的には無限に対応可能であるから、用意する補正データファイルはより少なくてもよいが、上記第二及び第三方法においては、第一方法における補正データファイル数に比べて、より多くの補正データファイルを用意しておくことが好ましいとは言えよう。
【0102】
また、本発明は、いわゆるコーンビームX線CTスキャナに適用して最も好適なであるが、それに限定されることなく、従来の技術の項で述べた「マルチスライスX線CTスキャナ」に対しても適用可能であることは言うまでもない。
【0103】
さらに、上記第四及び第五方法で述べた、「散乱線補正処理」を実施する形態については、以下に述べる変形例の適用を行うとよい。
【0104】
(散乱線補正処理の適否判断)
本散乱線補正処理は、散乱線補正処理を応用する上記第四及び第五の方法について、設定されるビーム厚等の相違に応じ、散乱線補正処理を実施するか否か、あるいは実際に差し引く散乱線成分の多寡ないしは強弱(補正の程度の強弱)を決定することに特徴がある。
【0105】
散乱線量は、既に何度か述べたように、スキャン条件、特にビーム厚と被検体Pの直径に強く依存し、ビーム厚が大きくなればなるほど、また、被検体Pの直径が大きくなればなるほど、その量が大きくなる(図7(a)及び(b)、図8(a)及び(b)、再び参照)。
【0106】
ところで、このことを逆にいえば、ビーム厚や被検体サイズ(スキャン条件としては、アキシャル断面の撮影領域が対応する)が小さい場合には、散乱線の影響は然程大きくないことを意味する。
【0107】
したがって、上記ビーム厚や被検体サイズをパラメータとすれば、散乱線補正処理を実施するか否か、あるいは実際に差し引く散乱線成分の多寡ないしは強弱を決定することが可能であることがわかる。すなわち具体的には、ビーム厚又は被検体サイズが大きい場合には、散乱線量が増大するから、散乱線補正処理を実施し、あるいは実際に差し引く散乱線成分を多く、ないしは強くし、逆に、ビーム厚又は被検体サイズが小さい場合には、散乱線量が減少するから、散乱線補正処理を実施せず、あるいは前記差し引く散乱線成分を少なく、ないしは弱くする。
【0108】
なお、上記でいう「実際に差し引く散乱線成分の多寡ないしは強弱」の決定は、例えば純粋に算出され、あるいは推定される等した、いわば「生の」散乱線成分(上記特許第1631264号公報で言えば「散乱線強度データ」、特開平11−89827号公報で言えば、除去率乗算により求められる「推定された散乱線量」)に対し、適当な比例係数aを乗算することにより実施すればよい。なお、上記比例係数aは、上記説明から明らかなように、0<a<1の場合、あるいはa≧1の場合がありうる。
【0109】
このような処理によれば、散乱線補正の必要性が薄弱な条件で、散乱線補正をかけることに伴う弊害の発生を防ぐことができる。ここにいう「弊害」とは、単に散乱線補正処理に係る演算時間の長期化等が含まれる他、例えば図22に示すような場合が該当する。
【0110】
すなわち、この図において破線で示されるようなX線強度が検知される場合には、その裾野に広がる散乱線成分SDMを除去したとしても、正味のX線データP1を取得することが可能であるが、同図における実線で示されるような場合においては、正味のX線データP2に対し散乱線(の寄与する度合いの)量が相対的に多く、このまま散乱線成分SDMを除去したのでは、当該正味のX線データP2が殆ど“0”となってしまい、その値の取得が困難となるか、又は不可能となる。本散乱線補正処理によれば、このような「弊害」を除去することが可能となるのである。
【0111】
なお、上記パラメータにより散乱線補正処理を実施するか否か、あるいは実際に差し引く散乱線成分の多寡ないしは強弱を決定する際においては、検出されたX線データ全体に対する散乱線成分の寄与度が、5〜10%程度になることを目安とするとよい。
【0112】
また、上記では、ビーム厚「又は」被検体サイズに基づいて、散乱線補正処理の実施又は不実施等を決定していたが、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、上記ビーム厚及び被検体サイズ両者を有機的な関係にあるものと捕らえ、ビーム厚及び被検体サイズともに、第一の所定値及び第二の所定値(これらは散乱線補正処理の実施又は不実施を決定する分水嶺的性格を有する)以下である場合に限り、散乱線補正処理を不実施するといった処理を行うことが可能である。すなわち、この場合においては、ビーム厚が前記第一の所定値以下であっても被検体サイズが前記第二の所定値以上であれば、散乱線補正処理を実施する等といった処理となる。
【0113】
要するに本発明においては、ビーム厚及び被検体サイズの組み合わせ如何に応じて、散乱線補正処理の実施をするか否か、あるいは実際に差し引く散乱線成分の多寡ないしは強弱を決定することが可能である。
【0114】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されてもよい。
【0115】
【発明の効果】
本発明によれば、X線のビーム厚の設定の自由度を拡大し得るX線CTスキャナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るX線CTスキャナの構成例を示す概要図である。
【図2】図1に示すX線CTスキャナにおいて、データの流れを概念的に示す説明図である。
【図3】図1に示すX線CTスキャナにおいて、補正データファイル収集処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図1の記憶装置に記憶される複数の補正データファイルが対応する6種のビーム厚を示す図である。
【図5】図4に示す6種のビーム厚とX線検出器との関係を示す図である。
【図6】図4に示す6種のビーム厚にそれぞれ対応する6つの補正データファイルを示す説明図である。
【図7】本実施形態において、ビーム厚と散乱線量との関係を示す図である。
【図8】本実施形態において、被検体のサイズと散乱線量との関係を示す図である。
【図9】本実施形態において、被検体スキャン処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本実施形態において、スキャン条件設定ウインドウ(ビーム厚設定ウインドウ)を示す図である。
【図11】本実施形態において、被検体スキャン時のジオメトリを示す図である。
【図12】本実施形態において、設定されたビーム厚に対応する実使用補正データファイルの生成方法の第1の例を示す図である。
【図13】図12の補足図である。
【図14】本実施形態において、設定されたビーム厚に対応する実使用補正データファイルの生成方法の第2の例を示す図である。
【図15】本実施形態において、設定されたビーム厚に対応する実使用補正データファイルの生成方法の第3の例を示す図である。
【図16】本実施形態において、設定されたビーム厚に対応する実使用補正データファイルの生成方法の第4の例を示す図である。
【図17】本実施形態において、設定されたビーム厚に対応する実使用補正データファイルの生成方法の第5の例を示す図である。
【図18】本実施形態において、設定されたビーム厚に最も近いデータ厚の補正データファイルの判定法を示す図である。
【図19】特許第1631264号公報に開示される、散乱線補正処理を実施するための装置構成を示す説明図である。
【図20】特開平11−89827号公報に開示される、散乱線補正処理を実施するための装置構成を示す説明図である。
【図21】図20に示す装置構成におけるX線検出器よって取得されるX線成分の態様を示すグラフである。
【図22】散乱線補正処理を実施しない方が有利となる状況を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…X線CTスキャナ、
11…架台、
12…コンソール、
11a…空洞部11a、
11b…天板11b、
11c…回転リング、
111…X線管、
111a…X線発生装置、
112…X線検出器、
121…中央制御部、
127…入力部、
12D…画像表示部、
122…データ収集部、
124…メモリ、
125…再構成部、
126…データ処理部、
12M…記憶装置。

Claims (2)

  1. X線を被検体にばく射するX線管と、
    前記X線のビーム厚を絞る可変X線絞り装置と、
    前記被検体を透過したX線を検出するマトリクス状に配列された複数の検出素子を有するX線検出器と、
    複数のビーム厚に対応する複数の補正データファイルを記憶する記憶部と、
    前記ビーム厚を入力する入力部と、
    前記入力されたビーム厚より広く且つ最も近いビーム厚に対応する補正データファイルと、前記入力されたビーム厚より狭く且つ最も近いビーム厚に対応する補正データファイルとから補間により前記入力されたビーム厚に対応する補正データファイルを発生するとともに、前記発生した補正データファイルに基づいて前記X線検出器の出力を補正する補正部と、
    前記補正部の出力に基づいて前記被検体に関する画像データを再構成する再構成部と、
    前記記憶された複数の補正データファイルが対応する複数のビーム厚よりも多い段数で、前記X線のビーム厚を変化させるために、前記可変X線絞り装置を制御する制御部とを具備するX線CTスキャナ。
  2. X線を被検体にばく射するX線管と、
    前記X線のビーム厚を絞る可変X線絞り装置と、
    前記被検体を透過したX線を検出するマトリクス状に配列された複数の検出素子を有するX線検出器と、
    複数のビーム厚に対応する複数の補正データファイルを記憶する記憶部と、
    前記ビーム厚を入力する入力部と、
    前記入力されたビーム厚より広く且つ最も近いビーム厚に対応する補正データファイルを、前記入力されたビーム厚に対応する補正データファイルとして代用して前記X線検出器の出力を補正する補正部と、
    前記補正部の出力に基づいて前記被検体に関する画像データを再構成する再構成部と、
    前記記憶された複数の補正データファイルが対応する複数のビーム厚よりも多い段数で、前記X線のビーム厚を変化させるために、前記可変X線絞り装置を制御する制御部とを具備するX線CTスキャナ。
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