JP5268343B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明は、患者等被検体の断層像を撮影するためのX線CT(Computed Tomography)装置に関する。
X線CT装置は、撮影条件として設定可能なX線管電圧毎に、画像再構成処理の前処理で用いられる補正データ等の画像再構成に用いる変数(以下、画像再構成変数を呼ぶ)が記憶されているのが一般的である。また、画像再構成変数のフォーマットは定められたフォーマットで構成されていた。
また、X線投影データは、全て又は一部の画像再構成変数のデータをX線投影データの付帯情報として付してデータファイルを作成し、独立したX線投影データとしてDVDなどのメディア又はネットワークを介して、他のX線CT装置に転送していた。
ところで、X線CT装置は、X線吸収係数の分布を示すCT値の断層像を画像化してきたが、X線CT装置の機能に対する要望が多様化して来ている。最近では、各元素のX線吸収係数のX線管電圧依存性を用いて、各元素の分布を画像化する技術、いわゆるデュアルエネルギー撮影(Dual Energy Scan)と呼ばれる技術も望まれて来ている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−6531号公報
例えば、上述のデュアルエネルギー撮影のように、撮影中にX線管電圧条件が変化する場合について、画像再構成変数のデータの最適な取り扱い方法が要求される。即ち、撮影条件の変化う過渡状態では多くの状態が存在する等の理由により、多くの画像再構成変数のデータを持つ必要があることが想定され、そのような多くの画像再構成変数に対応した画像再構成変数の取り扱いには、大掛かりなソフトウエアの変更の必要があるという問題点があった。
また、各撮影条件に用いられる補正データの種類が増加すると、日常における補正データを収集する校正作業、保守点検時の校正作業の長時間化するという問題点もあった。
そこで、本発明の目的は、X線CT装置の画像再構成処理において、X線管電圧条件の変化等、多数の異なる撮影条件に対応し、容易に画像再構成変数を用いた処理が可能なX線CT装置を提供することにある。
本発明の第1の観点のX線CT装置によれば、
被検体の断層像を撮影するためのX線CT装置であって、所定の撮影条件について、複数の条件を設定可能な撮影条件設定手段と、前記撮影条件を用いて、X線発生装置とX線検出器とを有する回転部を回転させながら、被検体を走査してX線投影データを収集するX線データ収集手段と、前記複数の条件によって異なる画像再構成変数であって、少なくとも代表的な条件に対応する画像再構成変数が前記X線投影データ収集手段で収集したデータのセットに付帯して記憶された記憶部と、少なくとも前記代表的な条件以外の条件を含む前記X線データ収集に用いた撮影条件に対応する画像再構成変数に基づく前記X線投影データの画像再構成処理を含む画像再構成部とを含む処理を行う画像再構成手段とを備えることを特徴とするX線CT装置、というものである。
また、本発明の第2の観点のX線CT装置によれば、第1の観点において、
前記画像再構成手段は、前記代表的な条件及び前記代表的な条件以外の条件を含む前記X線データ収集に用いた撮影条件に対応する画像再構成変数に基づく前記X線投影データの画像再構成処理を含む画像再構成部とを含む処理を行うことを特徴とするX線CT装置、というものである。
また、本発明の第3の観点のX線CT装置によれば、第1又は第2の観点において、
前記所定の撮影条件は、X線管電圧条件であり、前記X線データ収集部は、複数のX線管電圧条件を用いてX線投影データを収集するものであり、前記代表的な条件は、前記X線データ収集に用いた複数のX線管電圧条件であることを特徴とするX線CT装置、というものである。
また、本発明の第4の観点のX線CT装置によれば、第2の観点のX線CT装置において、
前記所定の撮影条件は、X線管電圧条件であり、前記X線データ収集部は、複数のX線管電圧条件を用いてX線投影データを収集するものであり、前記代表的な条件は、前記X線データ収集に用いた複数のX線管電圧条件であり、前記代表的な条件以外の条件は、前記複数のX線管電圧条件の切り替えに伴う過渡区間の条件を含むことを特徴とするX線CT装置、というものである。
また、本発明の第5の観点のX線CT装置によれば、第1から第4の何れかの観点のX線CT装置において、
前記画像再構成部は、前記代表的な条件に対応する画像再構成変数から算出又は選択して、前記代表的な条件以外の条件に対応する画像再構成変数を求め、当該画像再構成変数を用いて、前記代表的な条件以外の条件に対応する画像再構成変数を用いた処理を行うことを特徴とするX線CT装置、というものである。
また、本発明の第6の観点のX線CT装置によれば、第5の観点のX線CT装置において、
前記画像再構成部は、前記求められた画像再構成変数を、前記データのセットに追加して記憶部に記憶させることを特徴とするX線CT装置、。
また、本発明の第7の観点のX線CT装置によれば、第1から第4の何れかの観点のX線CT装置において、
前記画像再構成部は、前記代表的な条件に対応する画像再構成変数を用いた処理により得られたX線投影データから算出又は選択して、前記代表的な条件以外の条件に対応する画像再構成変数を用いた処理により得られたX線投影データを得ることにより、前記代表的な条件以外の条件に対応する画像再構成変数を用いた処理を行うことを特徴とするX線CT装置、というものである。
また、本発明の第8の観点のX線CT装置によれば、第5から第7の何れかの観点のX線CT装置において、
前記記憶部は、前記代表的な条件以外の条件に対応し、前記算出の算出条件を記憶することを特徴とするX線CT装置、というものである。
また、本発明の第9の観点のX線CT装置によれば、第1から第4の観点のX線CT装置において、
前記画像再構成部は、前記撮影条件の範囲及び該撮影条件の範囲に対応する画像再構成変数を記憶し、前記撮影条件の範囲に含まれる前記代表的な条件以外の条件に対応する画像再構成変数を、記憶した当該範囲に対応する画像再構成変数より求めることを特徴とするX線CT装置、というものである。
また、本発明の第10の観点によれば、第1から第9の何れかの観点のX線CT装置において、
前記画像再構成変数が、画像再構成の前処理に用いられる補正データであることを特徴とするX線CT装置、というものである。
また、本発明の第11の観点のX線CT装置によれば、第1又は第2の観点のX線CT装置において、前記撮影条件がX線管電圧、X線焦点位置、ガントリ回転速度、及びコリメータの開口幅から選ばれることを特徴とするX線CT装置、というものである。
また、本発明の第12の観点のX線CT装置によれば、
第1の観点に記載のX線CT装置に用いられるX線投影データを含むデータファイルであって、前記X線投影データと前記複数の撮影条件に対応する画像再構成変数とを含むことを特徴とするデータファイル、というものである。
本発明のX線CT装置によれば、X線管電圧条件の変化等、多数の異なる撮影条件に対応し、容易に画像再構成変数を用いた処理が可能なX線CT装置を実現できる効果がある。
<X線CT装置の全体構成>
図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置100の構成ブロック図である。このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付けるキーボード又はマウスなどの入力装置2と、撮影条件の設定、画像再構成処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で収集したX線投影データを収集するデータ収集バッファ5とを具備している。さらに、操作コンソール1は、投影データから画像再構成した断層像を表示するモニタ6と、プログラムやX線投影データ又はX線断層像を記憶する記憶装置7とを具備している。撮影テーブル10は、被検体HBを乗せて走査ガントリ20の開口部に出し入れするクレードル12を具備している。クレードル12は撮影テーブル10に内蔵するモータで昇降及びテーブル直線移動される。
走査ガントリ20のガントリ回転部15は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、ビーム形成X線フィルタ28と、多列X線検出器24と、データ収集装置(DAS:Data Acquisition System)25とを具備している。ガントリ回転部15はベアリングを介して回転可能になっている。不図示の回転モータが回転すると、不図示のベルトを介して回転がガントリ回転部15に伝えられ、ガントリ回転部15が回転する。さらに、走査ガントリ20は、被検体HBの体軸の回りに回転しているガントリ回転部15を制御する回転部コントローラ26と、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10とやり取りする制御コントローラ29とを具備している。ビーム形成X線フィルタ28は撮影中心である回転中心に向かうX線の方向にはフィルタの厚さが最も薄く、周辺部に行くに従いフィルタの厚さが増し、X線をより吸収できるようになっているX線フィルタである。
中央処理装置3は、撮影条件設定部31、画像再構成部32を有している。
撮影条件設定部31は、X線CT装置100の各種撮影条件(X線管電流、X線管電圧、コリメータ開口幅、ガントリ回転速度、各種画像再構成条件など)が設定される。撮影条件の入力は、入力装置2から入力される。また、撮影条件設定部31により設定された条件に基づく信号が、制御コントローラ29に送信され、画像再構成条件については画像再構成部32に送られる。
記憶装置7には、前記X線投影データ収集手段で収集したX線投影データに、代表的な条件に対応する画像再構成変数が付帯したデータのセット、X線投影データを画像再構成して得られた断層像データ等が記憶されている。
画像再構成部32は、前処理として、例えば、X線投影データに対し、オフセット補正、X線投影データの対数変換、X線散乱補正、X線検出器の感度補正、ビームハードニング補正等を含む処理を行う。これら補正に用いる補正データは、例えばX線管電圧の違いにより異なるデータとなる。オフセット補正とは、DASに起因したノイズ除去を行うための補正である。X線散乱補正は、検出されたX線のうち、散乱X線の影響を低減するための補正である。感度補正とは、X線検出器面内で発生する感度のばらつきを低減するための補正である。ビームハードニング補正は、同一材質でも透過厚さによりX線吸収が変化し、CT画像上のCT値(輝度)が変わってしまう現象で、特に被検体HBを透過した放射線のエネルギー分布が高エネルギー側に偏る、いわゆるビームハードニングの影響の補正を、X線投影データのスライス方向、チャネル方向に対して行う補正である。
本実施形態においては、画像再構成部32によって、前記代表的な条件及び前記代表的な条件以外の条件を含む前記X線データ収集に用いた撮影条件に対応する画像再構成変数に基づく前記X線投影データの画像再構成処理を行う。
画像再構成部32は、ビームハードニング処理された投影データを受け、その投影データに基づいて画像を再構成する。投影データは、周波数領域に変換する高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)がなされて、それに再構成関数Kernel(j)を重畳し、逆フーリエ変換する。そして、画像再構成部32は、再構成関数Kernel(j)を重畳処理した投影データに対して、三次元逆投影処理を行い、被検体HBの体軸方向(Z方向)ごとに断層像(xy平面)を求める。画像再構成部32は、この断層像を記憶装置7に記憶させる。
<X線CT装置の動作フローチャート>
図2は、本実施形態のX線CT装置100についての動作の概要を示すフローチャートである。
ステップP1では、被検体HBをクレードル12に乗せ、位置合わせを行う。ここでは、クレードル12の上に乗せられた被検体HBは各部位の基準点に走査ガントリ20のスライスライト中心位置を合わせる。そして、スカウト像収集を行う。スカウト像撮影では、X線管21と多列X線検出器24とを固定させ、クレードル12を直線移動させながらX線投影データのデータ収集動作を行う。ここでは、スカウト像は通常0度,90度のビュー角度位置で撮影される。図2中の右側は、0度で胸部付近のを撮影したスカウト像41の例である。このスカウト像41上から断層像の撮影位置を計画できる。
ステップP2では、スカウト像41上に撮影する断層像の位置、大きさを表示させながら撮影条件設定を行う。スカウト像41中に示した点線は、断層像画像の位置である。本実施形態では、コンベンショナルスキャン、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンなどの複数のスキャンパターンを有している。コンベンショナルスキャンとは、クレードル12をz軸方向に所定の間隔で移動するごとにX線管21及び多列X線検出器24を回転させてX線投影データを取得するスキャン方法である。ヘリカルスキャンとは、X線管21と多列X線検出器24とが回転しながらクレードル12を一定速度で移動させ、X線投影データを収集する撮影方法である。可変ピッチヘリカルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21及び多列X線検出器24を回転させながらクレードル12の速度を可変させてX線投影データを収集する撮影方法である。ヘリカルシャトルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21及び多列X線検出器24を回転させながらクレードル12を加速・減速させて、z軸の正方向又はz軸の負方向に往復移動させてX線投影データを収集するスキャン方法である。これらの複数の撮影を設定すると、1回分の全体としてのX線線量情報の表示を行う。
断層像の撮影条件設定においては、X線CT装置100の自動露出機構を用いることにより、被検体HBの被曝を最適化することもできる。また、この断層像撮影条件設定において、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像撮影のために、X線管21の低いX線管電圧、例えば80kV、の撮影条件と、高いX線管電圧、例えば140kV、の撮影条件とを設定できる。
ステップP3ないしステップP9では、断層像撮影を行う。ステップP3において、X線データ収集を行う。ここでヘリカルスキャンによってデータ収集を行う場合には、ガントリ回転部15を被検体HBの回りに回転させ、かつ、撮影テーブル10上のクレードル12を直線移動させながら、X線投影データのデータ収集動作を行う。そして、ビュー角度viewと、検出器列番号jと、チャネル番号iとで表わされるX線投影データD0(view,j,i)(j=1〜ROW,i=1〜CH)にz方向座標位置Ztable(view)を付加させる。このようにヘリカルスキャンにおいては、一定速度の範囲のX線投影データ収集を行う。
ステップP4ないしステップP9では、画像再構成部32を用いた画像再構成処理を行う。
ステップP4では、X線投影データD0(view,j,i)に対して前処理を行い、投影データに変換する。具体的には、オフセット補正を行い、対数変換を行い、X線線量補正を行い、そして感度補正を行う。
ステップP5では、がビームハードニング補正を行う。ここでは、前処理された投影データD1(view,j,i)に対して、ビームハードニング補正を行う。このとき、検出器の各j列ごとに独立したビームハードニング補正を行なえるため、撮影条件でX線管21の管電圧が異なっていれば、列ごとの検出器のX線エネルギー特性の違いを補正できる。本実施形態では、被検体HBのプロファイル面積、楕円率などに応じて、ビームハードニング補正の処理を変更する。
ステップP6では、zフィルタ重畳処理を行う。ここでは、ビームハードニング補正された投影データD11(view,j,i)に対して、z方向(列方向)のフィルタをかけるzフィルタ重畳処理を行う。
ステップP7では、再構成関数重畳処理を行う。すなわち、X線投影データを周波数領域に変換するフーリエ変換(Fourier Transform)を行い、再構成関数を掛け、逆フーリエ変換する。
ステップP8では、三次元逆投影処理を行う。ここでは、再構成関数重畳処理した投影データD3(view,j,i)に対して、三次元逆投影処理を行い、逆投影データD3(x,y,z)を求める。画像再構成される画像はz軸に垂直な面である。xy平面に三次元画像再構成される。以下の再構成領域Pはxy平面に平行なものとする。
ステップP9では、後処理を行う。逆投影データD3(x,y,z)に対して画像フィルタ重畳、CT値変換などの後処理を行い、断層像Gを得る。
ステップP10では、画像再構成された断層像を表示する。断層像の例として、図2の右側に断層像Gを示す。
以下に、代表的な条件以外の条件に対応した画像再構成変数の求め方について、実施例を用いて詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1は、いわゆるデュアルエネルギー撮影において複数のX線管電圧を用いて収集したX線投影データに対し、各X線管電圧により異なるビームハードニング補正等の前処理を行ったX線投影データを加重加算することにより、記憶部に記憶された前処理用の補正用補正データとは異なる補正データを用いた前処理を行う例である。ここで、前処理用の補正データは、本発明の「画像再構成変数」の一例である。
本実施例においては、上述のX線CT装置において、中央処理部3にデュアルエネルギー像再構成部(図示せず)をさらに備えたものを使用することができる。デュアルエネルギー像再構成部は、低いX線管電圧及び高いX線管電圧による投影データ又は断層像から、原子の分布に関連したX線管電圧依存情報の二次元分布断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像を画像再構成する。
まず、デュアルエネルギー撮影において、2種類のX線管電圧で連続して撮影した場合をの流れを示す。
図3(a)においては、複数のz方向座標位置におけるコンベンショナルスキャンによる“デュアルエネルギー撮影を示している。
この撮影方法は、あるz軸方向座標位置z=z1において、低いX線管電圧LkVで360度1回転分のX線データ収集を行い、続けて高いX線管電圧HkVで360度1回転分のX線データ収集を行う。これをz軸方向座標位置z=z2,z=z3においても同様に繰り返す。
図4は、図3(a)におけるX線データ収集を説明するフローチャートである。
ステップD1では、X線管電圧80kV(kV1)にてスキャンし、X線データ収集し始める。
ステップD2では、そのままX線管電圧が80kVで一定のビュー角度(360*t7/t0度)に来たかを判断し、YESであればステップD3へ行き、NOであればステップD2をもう一度繰り返す。
ステップD3では、X線管電圧上昇率(kV2−kV1)/t6で上昇させながらX線データ収集を行う。
ステップD4では、X線管電圧が140kV(kV2)まで到達したかを判断し、YESであればステップD5へ行き、NOであればステップD4をもう一度繰り返す。
ステップD5では、X線管電圧140kV(kV2)にてスキャンし、X線データ収集する。
ステップD6では、720度(2回転)のビュー角度に来たかを判断し、YESであれば終了し、NOであればステップD5をもう一度繰り返す。
このデュアルエネルギー撮影においては、各断層像Gの撮影は1回転t0秒、例えば1回転が0.35秒で撮影した場合、2回転で2*t0秒=0.70秒となり、0.7秒間でX線管電圧kV1と、k2Vの撮影が行われる。0.7秒であればかなり体動は押さえられ、断層像Gの位置合わせ、投影データの位置合わせは問題なく行われると期待できる。
この場合のX線管電圧が80kV(kV1)から140kV(kV2)に上昇するまでの時間t6は、例えばt6=0.1秒程度と考えられるが、X線管21の高圧発生器の性能に依存するため装置により異なる。
ここで、X線管電圧が一定の80kV(kV1)と140kV(kV2)との部分は、各々80kV,140kVの補正データで処理を行えば良いが、80kVから140kVまで連続的に変化している過渡区間は、各々のX線管電圧に対応した前処理補正データがない。 しかしながら正確な画像再構成を行うためには、80kV(kV1)から140kV(kV2)まで連続的にX線管電圧が変化している部分も適切な補正データを用いて補正する必要がある。
本実施例においては、上記で得られたX線投影データファイルに対し、X線管電圧80kV(kV1)に対応した補正データと、X線管電圧140kV(kV2)に対応した補正データが付帯される。
そして、X線管電圧80kV(kV1)からX線管電圧140kV(kV2)のX線管電圧80kV(kV1)、のX線投影データに対しては、それに対応した補正データ、過渡区間に相当するX線投影データに対しては、X線管電圧の閾値(例えば110kV)を設定し、X線管電圧の閾値より低いX線管電圧のX線投影データに対しては、X線管電圧80kV(kV1)に対応した補正データ、X線管電圧の閾値より高いX線管電圧のX線投影データに対しては、X線管電圧140kV(kV2)に対応した補正データを用いた補正処理を行う。
前処理に用いられる補正データとしては、X線管電圧の影響を大きく受け、X線管電圧毎にデータを有するものとして、ビームハードニング補正用データ、X線散乱補正用データ、及びX線検出器感度補正用データなどが挙げられる。
(実施例2)
通常X線CT装置においては、X線管電圧に依存する前処理の補正データは、すべてのX線管電圧において持っているわけではなく、予め約3〜4種類のX線管電圧の補正データを持っている。
例えば図3(b)の場合は、80kV,100kV,120kV,140kVにおいて、補正データを持っている場合の1つのz軸方向座標位置でのスキャンタイミングの詳細を示している。
ここでのデュアルエネルギー撮影は、1スキャンに掛かる時間を、t0〜t7までの時間に分割して以下のように定めた。
t0:データ収集系が1回転する時間、t0=t7+t2となる
t1:X線管電圧が80kV(kV1)から100kVに上昇するまでの時間
t2:X線管電圧が80kV(kV1)から110kVに上昇するまでの時間
t3:X線管電圧が100kVから120kVに上昇するまでの時間
t4:X線管電圧が110kVから140kV(kV2)に上昇するまでの時間
t5:X線管電圧が120kVから140kV(kV2)に上昇し、スキャン終了までの時間
t6:X線管電圧が80kV(kV1)から140kV(kV2)に上昇するまでの時間
t7:スキャン開始からX線管電圧が80kV(kV1)である時間
そこで、本実施例においては、実施例1における、過渡区間について80kVと140kVの補正データを用いる方法に置き換えて、80kVと140kVの間の、100kVと120kVに対応する補正データを用いる。
即ち、本実施例においては、前記X線投影データファイルに対し、X線管電圧80kV(kV1)に対応した補正データと、X線管電圧100kV(kV1)に対応した補正データと、X線管電圧120kV(kV1)に対応した補正データと、X線管電圧140kV(kV2)に対応した補正データが付帯される。
そして、X線管電圧80kV(kV1)からX線管電圧140kV(kV2)のX線管電圧80kV(kV1)、のX線投影データに対しては、それに対応した補正データ、過渡区間に相当するX線投影データに対しては、X線管電圧の閾値(例えば110kV)を設定し、X線管電圧の閾値より低いX線管電圧のX線投影データに対しては、X線管電圧100kV(kV1)に対応した補正データ、X線管電圧の閾値より高いX線管電圧のX線投影データに対しては、X線管電圧120kV(kV2)に対応した補正データを用いた補正処理を行う。
(実施例3)
本実施例においては、kV1とkV2の各kVに対応する補正データを用いて補正した後のX線投影データを加重加算することによって、過渡区間に対応する補正後のX線投影データを得る方法である。
X線管電圧kVで収集されたチャネルch,列row,ビューviewのX線投影データをD(kV,ch,row,view)として、このX線投影データを前処理した結果をPrep_D(kV,ch,row,view)とする。このとき記憶装置にには、X線管電圧kVの補正データが記憶装置に存在せずに、X線管電圧kV1,kV2のX線管電圧に補正データが記憶装置に存在しているとする。また、kV1<kV<kV2であるとする。また、X線管電圧kV1,kV2の各補正データで前処理を行ったX線投影データをPrep_D(kV1,ch,row,view)、Prep_D(kV2,ch,row,view)とする。
この場合に、X線管電圧kVの前処理されたX線投影データPrep_D(kV,ch,row,view)は、以下の(数式1)で表される。
・・・(数式1)
このように、X線管電圧kV1,kV2の各補正データで補正されたそれぞれのX線投影データの加重加算処理を行うことによって、X線管電圧kVに対応する前処理後のX線投影データPrep_D(kV,ch,row,view)が得られる。この、前処理後のX線投影データPrep_D(kV,ch,row,view)は、kVに対応する補正データを用いた前処理であると見なすことができる。
なお、このときの加重係数w1,w2の例は、以下の(数式2),(数式3)のようになる。
・・・(数式2)
・・・(数式3)
X線管電圧kVで収集されたX線投影データは、kVの近傍のX線管電圧kV1、kV2で収集され、それぞれの補正データで補正されたX線投影データを加重加算処理することで補正することができる。その処理の例を次に示す。またその処理位置(SH1〜SH3)は図3(b)に示される。
処理1(SH1):X線管電圧が80kVから100kVの間は、80kVと100kVの前処理されたX線投影データを加重加算処理する。
処理2(SH2):X線管電圧が100kVから120kVの間は、100kVと120kVの前処理されたX線投影データを加重加算処理する。
処理3(SH3):X線管電圧が120kVから140kVの間は、120kVと140kVの前処理されたX線投影データを加重加算処理する。
具体的には、105kVのX線管電圧の場合は、100kVと120kVの補正データで前処理されたX線投影データにより、105kVの前処理されたX線投影データPrep_Dを以下の(数式4)のように求められる。
・・・(数式4)
図5に、X線管電圧kVに対応する、画像再構成部32を用いて補正データが記憶装置に記憶されていないX線投影データの前処理を含む画像再構成処理を示すフローチャートである。
ステップM1では、ビュー番号j=1とする。
ステップM2では、jビューのX線投影データを読み込む、及びそのX線投影データの付帯情報よりX線管電圧kVを読み込む。
ステップM3では、X線管電圧kVに対応する補正データは記憶装置にあるかを判断し、YESであればステップM4へ行き、NOであればステップM10へ行く。
ステップM4では、X線管電圧kVの補正データより前処理を行う。
ステップM5では、j=Nビューかを判断し、YESであればステップM6へ行き、NOであればステップM9へ行く。
ステップM6では、再構成関数重畳処理を行う。
ステップM7では、三次元逆投影処理を行う。
ステップM8では、後処理を行う。
ステップM9では、j=j+1とし、ステップM2に戻る。
ステップM10では、X線管電圧kVより低いX線管電圧kV1の補正データはあるかを判断し、YESであればステップM11へ行き、NOであればステップM15へ行く。
ステップM11では、低いX線管電圧kV1の補正データを読み込み、jビューのX線投影データの前処理を低いX線管電圧kV1で行う。
ステップM12では、X線管電圧kVより高いX線管電圧kV2の補正データはあるかを判断し、YESであればステップM13へ行き、NOであればステップM15へ行く。
ステップM13では、高いX線管電圧kV2の補正データを読み込み、jビューのX線投影データの前処理を高いX線管電圧kV2で行う。
ステップM14では、X線管電圧kV1で補正された前処理結果Prep1,X線管電圧kV2で補正された前処理結果Prep2を加重加算処理してX線管電圧kVでの前処理結果Prep_Dとして求める。この後、ステップM5に行く。つまり、上記(数式2),(数式3),(数式4)に示された処理が行われる。
ステップM15では、データ収集異常とし、終了する。
ステップM2で示したように、画像再構成部32では、X線投影データの付帯情報にX線管電圧kVの情報を持たせている。データ収集時にリアルタイムで各ビューのX線管電圧を記録しているため、正しい前処理が行うことができる。
以上のように、上昇中のX線管電圧kVに対して補正データを持つ近傍のX線管電圧kV1,kV2を探し、低いX線管電圧kV1において前処理されたX線投影データPrep_D(kV1,ch,row,view)と、高いX線管電圧kV2において前処理されたX線投影データPrep_D(kV2,ch,row,view)とを求める。そして画像再構成変数処理部39は、(数式2),(数式3)による加重係数w1,w2を変化させるだけで、X線管電圧kVの前処理されたX線投影データを求めることができる。
(実施例4)
本実施例は、記憶部に記憶された複数のX線管電圧に対応する画像再構成変数とは異なるX線管電圧に対応する画像再構成変数を求め、その画像再構成変数を用いてX線投影データの処理を行う例である。
図6(a)は、各X線管電圧における画像再構成変数群Par(kVi)を概念的に示したものである。
このときの補正データ処理部39は、X線管電圧kV1,kV2,kV3,及びkV4の補正データPar(kV1)、Par(kV2i)、Par(kV3)、及びPar(kV4)を予め有する。
一方、X線管電圧が撮影中に変化する場合は、このX線管電圧に対応する補正データを必要に応じて増やすことにより、断層像の画質は向上する。このときの画像再構成部32には、画像再構成変数追加ツール、又は画像再構成変数構成編集ツールが存在し、追加されたX線管電圧に対応するの補正データを求める。例えば、補正データの構成に変更があった場合、追加されたX線管電圧の補正データを、X線投影データから収集又は既存の補正データから算出、選択して補正データを求める。このように、最適な補正データ収集は、その時々で補正データのポイントが適宜変化させられることで行うことができる。
また、同じソフトウェアを持つX線CT装置でX線投影データを用いる場合は、X線投影データに前処理で用いたすべての補正データを付加させておけば、最適な補正データ条件下で前処理を行うことができる。
例えば、図6(b)に示すように、新たなX線管電圧kV5が追加された場合は、その新たなX線管電圧の補正データが画像再構成変数群に追加されることになる。
また、図6(c)は、X線管電圧を横断して共通な補正データが存在する場合を示す。
画像再構成部32は、X線管電圧kV1の補正データが、X線管電圧kV2,X線管電圧kV3,X線管電圧kV4と共通する場合に、ソフトウェアの設定ファイル上で“X線管電圧kV1に同じ”と記述する。このように、補正データの設定は、補正データ処理部39のソフトウェアが設定ファイルを解釈できれば、単純化できる。
また、さらに便利にするためには、X線管電圧の補正データが、画像再構成上の変数をX線管電圧に依存しない形で設定ファイルに追加できればよい。
例えば図6(d)は、補正データを、X線管電圧に依存しない画像再構成変数、又はX線管電圧の補正データとして用いる場合を示している。この場合、追加した新しい補正を画像再構成上で動作させ、まずX線管電圧に依存させない形で動作させる。そして、多少ともX線管電圧に依存する現象が見えたら、X線管電圧ごとに異なる補正データを微調整して行けば良い。
以上のような補正データ設定ファイルCDR、及びその設定ファイルを解釈するソフトウェアを用いた具体的な例を示す。
例えば、図7(a)は、デュアルエネルギー撮影において、X線管電圧を1スキャン中に変化させる場合を示す。このとき1スキャンは、2回転又は2回転弱のX線データ収集で行われる。またこの場合、X線管電圧は低い管電圧80kVから始まり、スキャンの途中で高いX線管電圧140kVに連続的に変化している。
図7(b)は、この場合に用いられる補正データ設定ファイルCDRの例である。図7(b)中の(*1)は、通常の撮影で用いられる補正データを示している。X線管電圧の変化しいない部分の80kV,100kV,120kV,140kVは、(*1)を用いることで、前処理が行われる。
X線管電圧の変化していく過渡区間については、(*2)の部分に90kV,110kV,130kVの補正データを追加している。また、X線管電圧は連続的に変化しているので、81kV,82kV,83kV…というような値を取る。このため(*3)には、追加された補正データの間の値を補間処理又は加重加算処理して求めるために用いられる補間モード又は加重加算モード(算出条件)を示している。
このように、各X線管電圧に対応した前処理は、追加した補正データに加えて、補間処理又は加重加算処理を行うことで精度が上がる。また、補正データ処理部39のソフトウェアは、この補正データ設定ファイルCDRを解釈し、構造を常に理解して、画像再構成変数や補正データの増減を認識し、それらがどの撮影条件に適用されるかを認識するようにさせておく。
図8に別の補正データ設定ファイルCDRを示す。
デュアルエネルギー撮影におけるX線投影データの構造は、図8(a)のようなX線投影データに加えて、80kVと140kVのX線管電圧に対応した補正データに加え、追加されたX線管電圧kV1からX線管電圧kVNまでの補正データを含めたX線投影データファイルとして持っていれば良い。
図8(b)では、補正データ設定ファイルCDRの変形例を示す。
図7(b)においては、各X線管電圧に各画像再構成変数又は各補正データを示す各欄に変数を1つ1つ入れていた。例えばビームハードニング補正係数を示すBHC係数の場合、X線管電圧80kVにおいては、b10,b11,b12,b13というビームハードニング補正係数が入っている。100kVにおいては、b20,b21,b22,b23というビームハードニング補正係数が入っている。これに対して図8(b)中の、[120,130;b1i]と記載されている場合は、「120kVから130kVまでb10,b11,b12,b13のビームハードニング補正係数を用いる。」というように解釈するような記号上の規則、文法を定めておけば良い。このようにして、補正データ設定ファイルCDRは、より簡単に補正データを記載することもできる。
予め収集されていないX線管電圧に対して、X線管電圧の補正データ及び画像再構成変数が加重加算処理により求められるわけではないが、一部のものについては加重加算処理により求めることができる。その例を以下に示す。
図9は、各々のX線管電圧におけるビームハードニング補正曲線を示している。
例えば、X線管電圧90kVにおけるビームハードニング補正係数は、予め求めたX線管電圧80kVと100kVとの曲線から、図9に示すあたりと予想される。
この関係を多項式形式で表現すると、このビームハードニング補正された投影データは、X線管電圧80kVの場合が(数式5)のようになり、X線管電圧100kVの場合が(数式6)のようになる。
・・・(数式5)
・・・(数式6)
(数式5),(数式6)より以下の(数式7)が予測される。
・・・(数式7)
以上の関係から、ビームハードニング補正係数は、(数式8),(数式9),(数式10)で表現できると予測される。
・・・(数式8)
・・・(数式9)
・・・(数式10)
これらの関係式から、ビームハードニング補正係数の補間値は、予測することができる。kの例としては、k=1/2が考えられ中間値をとる。
このような補間方法は、ビームハードニング補正係数のように変数だけの加重加算処理、補間処理で補正データが求められるものと、実際に前処理を行って、その前処理の結果を加重加算処理又は補間処理で行うものとがある。
図10は、この両者を用いた処理を行うフローチャートの例である。
ステップM21では、ビュー番号j=1とする。
ステップM22では、jビューのX線投影データを読み込む、及びそのX線投影データの付帯情報よりX線管電圧kVを読み込む。
ステップM23では、X線管電圧kVに対応する補正データはあるかを判断し、YESであればステップM24へ行き、NOであればステップM31へ行く。
ステップM24では、X線管電圧kVの補正データより前処理を行う。
ステップM25では、j=Nビューかを判断し、YESであればステップM26へ行き、NOであればステップM30へ行く。ただし、Nは360度1回転のビュー数とする。
ステップM26では、再構成関数重畳処理を行う。
ステップM27では、三次元逆投影処理を行う。
ステップM28では、後処理を行う。
ステップM29では、画像表示を行う。
ステップM30では、j=j+1とし、ステップM22に戻る。
ステップM31では、X線管電圧に加重加算して良い変数かを判断し、YESであればステップM32へ行き、NOであればステップM36へ行く。
ステップM32では、加重加算又は補間処理の方法を読み込む。
ステップM33では、近傍のX線管電圧の変数より加重加算処理を行う。
ステップM34では、ステップM33で求めた変数の他に新たな変数はあるかを判断し、YESであればステップM35へ行き、NOであればステップM25へ戻る。
ステップM35では、ステップM33で求めた変数を登録する。
ステップM36では、近傍のX線管電圧の変数より前処理を行い、その結果を加重加算処理する。この処理の後、ステップM25へ戻る。

以上のように求められた補正データを用いて、前処理を行う。
(実施例5)
実施例5においては、ビームハードニング補正における補正データが変更になった場合に、ソフトウェアがその変更を自動認識する実施例を示す。
上記ビームハードニング補正は下記のように三次多項式で表現できる。
・・・(数式11)
これを下記の(数式12)のように、四次式もしくはそれ以上の補正式でビームハードニング補正を行うと、より精度が上がる場合がある。
・・・(数式12)
(数式11)の場合は補正係数データとして、(B,B,B)、(数式12)の場合は、(B,B,B,B)のようなベクトル形式で持つことになる。
図11では、ビームハードニング補正の次数を認識する処理の流れを示す。
各ステップ処理の流れは以下の通りになる。
ステップB1では、補正データ処理部39がビームハードニング補正係数データの個数を数える。
ステップB2では、補正データ処理部39は、ビームハードニング補正係数データは3個かを判断し、YESであればステップB3へ行き、NOであればステップB4へ行く。
ステップB3では、ビームハードニング処理部33は、三次多項式のビームハードニング補正を行う。
ステップB4では、補正データ処理部39が、補正係数データは4個かを判断し、YESであればステップB5へ行き、NOであればステップB6へ行く。
ステップB5では、ビームハードニング処理部33は、四次多項式のビームハードニング補正を行う。
ステップB6では、ビームハードニング補正係数エラーとしてエラー処理を行う。
なお、この場合は、三次多項式と四次多項式の場合を想定しているが、五次以上のビームハードニング補正係数データが与えられた場合に、五次以上の多項式で補正が行えるようにすればなお一層、汎用性が得られる。
このように補正データ処理部39は、ソフトウェアが補正データの意味する補正を自動認識することで、正しく補正を行うことができる。
(実施例6)
実施例6においては、走査ガントリ20のガントリ回転速度として補正データのないガントリ回転速度を用いて撮影を行い、最も近いガントリ回転速度の補正データを用いて画像再構成を行う場合の実施例を示す。
図12は、補正データのないガントリ回転速度s1′と補正データのあるガントリ回転速度s1,s2の関係を示す図である。図12に示すように、ガントリ回転速度s1,s2に対応し、各X線検出器構成、各X線ビーム開口、X線焦点の大きさ、複数のある各々のビーム形成フィルタに対応する補正用ファントムX線データ、補正用空気X線投影データ、ビームハードニング補正データ等補正データが予め補正データ収集モードにおいて収集されているとする。これに対し、s1とs2の間のガントリ回転速度であるs1′では、補正データを持っていない。このとき、X線投影データビュー数はガントリ回転速度s1の場合と、ガントリ回転速度s1′で同じであるとする。
この場合、ガントリ回転速度s1′s1,s2では、回転速度がそれぞれ異なるため、走査ガントリ20の回転振動、又はX線管21と多列X線検出器24との回転系のたわみによる変形などにより、補正データが異なる。
走査ガントリ20の回転振動、又はX線管21と多列X線検出器24とを支えるガントリ回転部15のたわみによる変形の違いを考慮すると、本来であればガントリ回転速度s1′での補正データを収集しなければならないことになる。しかし、このガントリ回転速度の違いは、画質に与える影響が少ない。このため、臨床的に画質の差が許容範囲内であると判断されれば、ガントリ回転速度s1′の補正データは、ガントリ回転速度s1の補正データで代用することができる。
ガントリ回転速度に対応した補正データは、ガントリ回転速度s1,s2の間で断層像Gの画質評価を行っておくことで、どの範囲までがガントリ回転速度s1の補正データで代用し、どの範囲までがガントリ回転速度s2の補正データで代用できるかを定める。このようにして1つの補正データの用いられる範囲をできるだけ広く取り、補正データの種類をより少なくすることができる。
なお、この場合のX線投影データでは、ガントリ回転速度s1′のX線投影データにガントリ回転速度s1の補正データを付帯させておくことで、画像再構成処理において画像再構成可能である。
図13では、ガントリ回転速度s1の補正データを用いて、ガントリ回転速度s1′の画像再構成を行う処理の流れを示す。
ステップV1では、撮影条件設定画面において、ガントリ回転速度s1を設定する。
ステップV2では、スキャンを開始する。
ステップV3では、補正データ処理部39は、ガントリ回転速度s1′のX線投影データにガントリ回転速度s1の補正データを添付する。
ステップV4では、スキャン終了し、X線投影データ収集を完了する。
ステップV5では、画像再構成を開始する。
ステップV6では、ガントリ回転速度s1の補正データで補正を行い、画像再構成を行う。
ステップV7では、画像再構成終了後、断層像Gを表示する。
なお、この場合の撮影条件は、ガントリ回転速度がs1とs1′と異なることがわかっているので、ガントリ回転速度s1の補正データをガントリ回転速度s1′の補正データ用に一部変更、修正、補正を行うことも技術的には可能である。
(実施例7)
実施例7においては、ガントリ回転速度がスキャン中に変化し、そのような変化しているガントリ回転速度の補正データのない撮影条件でX線投影データを収集して画像再構成を行う実施例を示す。
図14(a)及び(b)では、ガントリ回転速度s3,s4で、予め補正データ収集モードにおいて補正データが収集されている前提である。そして、図14(a)は、ガントリ回転速度が正弦波で変化する例をEX1とEX2とで表している。図14(b)は、ガントリ回転速度が上昇していく例を示す。
例えば、心臓の撮影を行った場合は、通常、被検体は息止めをするために心拍が撮影開始時に比べ、撮影が進むにつれ上昇する場合が多い。例えば、心拍数の上昇は、60bpm(beat per minute)から70bpmに上昇したりする。
この場合、最適なガントリ回転速度は、心拍が上がるにつれ最適なガントリ回転速度も速くなる。同期が取れた画質の良い断層像Gは、図14(b)のように、ガントリ回転速度を変化させることで、撮りやすくなる。
なお、このガントリ回転速度がs3′〜s4′で変化している場合のX線投影データでは、図14(c)に示すように、ガントリ回転速度s3の補正データ、及びガントリ回転速度s4のX線投影データに対しては、ガントリ回転速度s3からガントリ回転速度s3′までであれば、ガントリ回転速度s3の補正データを選択して利用することができる。また、ガントリ回転速度s4からガントリ回転速度s4′までであれば、ガントリ回転速度s4の補正データを選択することができる。
一方、ガントリ回転速度s3′からガントリ回転速度s4′までは、ガントリ回転速度s3′〜s4′の補正データを、ガントリ回転速度s3とガントリ回転速度s4との補正データに基づいて求める。そして、この補正データに基づいて画像再構成部34は、画像再構成を行う。この補正データの求め方は、後述する。
図15では、ガントリ回転速度s3,s4の補正データを用いて、ガントリ回転速度s3′〜s4′の補正データを求めて画像再構成を行う処理の流れを示す。
ステップV11では、撮影条件設定画面において、ガントリ回転速度を設定する。
ステップV12では、スキャンを開始する。
ステップV13では、ガントリ回転速度s3,s4の補正データをX線投影データに添付する。
ステップV14では、スキャンを終了し、X線投影データ収集を完了する。
ステップV15では、画像再構成を開始する。
ステップV16では、ガントリ回転速度s3,s4の補正データから、ガントリ回転速度s3′〜s4′の補正データを求める。
ステップV17では、ガントリ回転速度s3,s4の補正データ及びガントリ回転速度s3′〜s4′の補正データを用いて画像再構成を行う。
ステップV18では、画像再構成を終了後、断層像Gを表示する。
次に、補正データのないガントリ回転速度に対応する補正データの求め方について、ガントリ部分のたわみの補正データを例に説明する。
まず、ガントリのたわみについて説明する。図16(a)では、図示のような構造のガントリ回転部分の場合のX線発生装置であるX線管21と多列X線検出器24を走査ガントリ20の回転部15において回転させた場合のたわみを示している。
この場合に、ガントリ回転部15は、z方向の回転軸を中心にz方向に垂直なxy平面内において回転を行う。この回転により、X線管21と多列X線検出器24とは、遠心力により回転動作の外の方向にたわんでずれる。
X線管21と多列X線検出器24とは、遠心力により、z方向へのたわみによるずれEzと、xy平面内でのたわみによるずれExが発生している。いずれのたわみも正弦関数(sin関数)で近似して表される。
上述のステップV16において、ガントリ回転速度s3,s4の補正データから、ガントリ回転速度s3′〜s4′の補正データを求めることができる。例えば、ガントリ回転部15のたわみは、図16(b)のように、ガントリ回転速度s3でのガントリ回転部15のたわみE3、ガントリ回転速度s4でのガントリ回転部15のたわみE4とする。このときに、ガントリ回転速度s3′〜s4′でのガントリ回転部15のたわみEは以下のように求められる。
まず、ガントリ回転速度s3でのガントリ回転部15のたわみE3は、(数式13)で示される。
・・・(数式13)
また、ガントリ回転速度s4でのガントリ回転部15のたわみE4は、(数式14)で示される。
・・・(数式14)
ガントリ回転速度をs3′のとき、定数kは、(数式15)のように定められる。ただし、0≦k≦1とする。
・・・(数式15)
このときのガントリ回転部15のたわみEは、以下の(数式16)のように予測される。
・・・(数式16)
ただし、A、B、cosαは以下の(数式17)〜(数式19)とする。
・・・(数式17)
・・・(数式18)
・・・(数式19)
以上より、(数式16)でわかるように、補正データ処理部39は、ガントリ回転速度s3′〜s4′におけるガントリ回転部15のたわみEを、ガントリ回転速度s3,s4におけるガントリ回転部15のたわみによる位置ずれの補正データより、求めることができる。
(実施例8)
実施例8においては、フライングX線焦点(フォーカス)、又はウォブル(Wobble)などの名称で呼ばれるxy平面内の空間分解能を上げる技術を用いた際の補正データに関する実施例を示す。フライングX線焦点(フォーカス)撮影、又はウォブル撮影とは、一般的にX線焦点位置をxy平面内において、チャネル方向又はZ方向に位置を移動させてX線断層像撮影を行うことである。
X線焦点位置の制御は、X線焦点位置をX線投影データのビュー単位で切り換えたり、複数ビューごとにX線焦点位置を切り換えたりする。このときにX線焦点位置を図17(a)では、X線焦点位置F1からX線焦点位置F2へ素早く切り換えているため、矩形型制御のX線焦点制御となっている。図17(b)では、X線焦点を切り換える際に、チャネル方向に連続的に各X線焦点位置を移動させているため、台形型制御のX線焦点位置制御となっている。図17(c)では、X線焦点を切り換える際に、チャネル方向に正弦波(sin波)型制御のX線焦点位置制御となっている。
このように、いずれの場合においても、X線焦点をチャネル方向に移動させることで、画像再構成中心画素を通るX線ビームはX線焦点位置F0,F1,F2でX線ビームの半分の幅ごとに、画像再構成中心画素を通る位置をずらすことができる。図18(a)はこの様子を示す。
これにより、画像再構成領域Pの画像再構成中心画素は、サンプリング定理によりX線ビーム幅の半分の画素まで分解することができ、高分解能化が実現できる。また、X線焦点位置を移動させた場合は、前処理及びビームハードニング補正を行う必要がある。
例えば、図18(b)に示すように、X線焦点位置がF1→F0→F2とチャネル方向に移動した場合は、ビーム形成X線フィルタ28を通るX線の透過経路も異なるために、多列X線検出器24の各チャネルの感度を補正する空気補正データやビームハードニング補正係数も異なってくる。
例えば、このX線焦点位置F1,F2の空気補正データがわかっている場合、補正データ処理部39は、X線焦点位置F0の空気補正データを、これらの空気補正データに基づいて求めることができる。
各X線投影データの対数変換後では、線型性を保つことができるので、X線焦点位置F0の空気補正データは、以下の(数式20)のように求めることができる。ただし、X線焦点位置F1の対数変換後の空気補正データ分布をprfF1(ch)、X線焦点位置F2の対数変換後の空気補正データ分布をprfF2(ch)、X線焦点位置F0の対数変換後の空気補正データ分布をprfF0(ch)とする。定数kは、0≦k≦1とし、(数式21)で定められる。
・・・(数式20)
・・・(数式21)
このようにして、補正データ処理部39は、X線焦点位置の左右端位置F1,F2の補正データより、各X線焦点位置の補正データを予測して求めることができる。
尚、この場合、3次元逆投影処理において、各X線焦点位置から定まるX線透過方向上で断層像上の各画素に対応するX線投影データを抽出し、そのX線東亜k方向に対応した逆投影方向にX線投影データを断層像上の各画素に逆投影する3次元逆投影処理を行うことが好ましい。また、この場合、各X線焦点位置情報を用いて画像再構成処理を行うこととなる。
<焦点の位置測定方法>
各焦点位置の補正は、左右端のX線焦点位置より求めることができるため、左右端位置F1、F2の求め方を以下に示す。
図19(a)では、X線焦点位置F1及びF2の位置をわかりやすくするために、図上では過大にずらして書いている。実際には、例えばX線焦点サイズをチャネル方向0.5mm×z方向0.5mmとすると、X線焦点位置F1,F2はチャネル方向に例えば±0.5mm、又は±0.25mm程度ずらした位置となる。
このときの照射範囲は、図19(a)で示すようにd2/d1倍のずれとなって、多列X線検出器24の面に照射される。図19(b)は、このX線検出器のある列のX線検出器出力のプロファイルを示したものである。
ここでは、各X線検出器位置F1,F0,F2におけるX線検出器出力プロファイルのずれがチャネル方向にあることを示している。図19(c)は、図19(b)のX線検出器プロファイルの左端部分を拡大して示した図である。
ここでのプロファイルの端点は、各X線検出器の出力値c0より求められた、その半値c0/2で定めている。つまり端点は、ピーク値の半値幅FWHM(Full Width Half Maximum)で定める。xlF2はX線焦点位置F2の場合におけるX線検出器プロファイルより定まるFWHMの左端位置、xlF0はX線焦点位置F0の場合におけるX線検出器プロファイルより定まるFWHMの左端位置、xlF1はX線焦点位置F1の場合におけるX線検出器プロファイルより定まるFWHMの左端位置である。この場合、X線焦点F0の位置は、以下のF2からF0の距離FD20(数式22)と,F1からF0の距離FD10(数式23)とより求められる。
・・・(数式22)
・・・(数式23)

このようにして、X線焦点位置は多列X線検出器24の面に照射されるX線の影から求めることもできる。
図20は、このX線焦点位置の求め方を示すフローチャートである。
ステップV31では、スキャンを開始する。
ステップV32では、補正データ処理部39は、X線検出器の左右端でX線プロファイルの左右端が測定できる所はあるかを判断し、YESであればステップV33へ行き、NOであればステップV37へ行く。
ステップV33では、補正データ処理部39は、X線検出器プロファイルのピーク値c0を探す。
ステップV34では、X線検出器プロファイルのピーク値の半値c0/2(FWHM)を求める。
ステップV35では、補正データ処理部39は、X線検出器プロファイル左右端のFWHMの位置xlF(左端位置),xrF(右端位置)を求める。
ステップV36では、補正データ処理部39は、X線焦点左右端F1,F2から、その時のX線焦点間距離を求める。
ステップV37では、前後のビューよりX線焦点位置を予測する、又はX線発生装置から求められるX線焦点位置を用いる。
このフローチャートにおいて、撮影中のX線検出器プロファイルからX線焦点位置F0を求めるようにしている。この場合、被検体が大きすぎてX線検出器面全体を覆ってしまった場合は、X線検出器プロファイルの左右端が正しく求められない。この対処として、補正データ処理部39は、前後のビューで測定されたX線焦点位置より、この場合のX線焦点位置を予測しても良い。
もうひとつの方法として、X線焦点位置を制御できるX線管において、X線発生装置の電子ビーム位置制御用グリッドの制御電圧値よりX線焦点位置を予測することもできる。こうして得られた、各X線焦点位置は、三次元逆投影処理においても必要である。
尚、本実施例においては、空気補正データの例を用いて説明したが、X線焦点位置の変化によって変化する画像再構成変数としては、ビームハードニング補正データ等の他の前処理用補正データに適用してもよい。
(実施例9)
実施例9は、照射するX線を成形するコリメータの開口幅によって補正データが異なる場合の例である。
その場合、代表的な開口幅の補正データとして補正データ1を記憶し、その補正データ1が開口幅1から開口幅2の範囲に共通の使用するとのデータ設定を[開口1,開口2;補正データ1]のように設定することで、開口幅1から開口幅2の含まれる如何なる開口幅について、補正データと取り出すことができる。
尚、各開口幅毎の補正データがある場合は、それぞれの開口幅に対し、それぞれの補正データを使用するようなデータ設定に変更できることが好ましい。
上述の実施例によれば、多数の異なる撮影条件に対応し、容易に画像再構成変数を用いた画像再構成処理を行うことができる。また、各撮影条件に用いられる補正データの種類も多様化しており、日常における補正データを収集する校正作業、保守点検時の校正作業の長時間化となっている現状において、数少ない補正データで様々な撮影条件に適した画像再構成を行うことができため、校正作業のさらなる長期化を防ぐことができる。
尚、上記実施例では、医用X線CT装置を元について記載されているが、産業用X線CT装置、又は、他の装置と組み合わせたX線CT−PET装置,X線CT−SPECT装置などにおいても利用できる。
本発明の一実施形態にかかるX線CT装置100の構成ブロック図である。 本実施形態のX線CT装置100についての動作の概要を示すフローチャートである。 (a)は、複数のz方向座標位置におけるコンベンショナルスキャンによるデュアルエネルギー撮影を示す図である。 (b)は、1つのz方向座標位置におけるコンベンショナルスキャンによるデュアルエネルギー撮影の時間分解図を示す。 デュアルエネルギー撮影におけるX線データ収集のフローチャートである。 複数のX線管電圧値を持ったX線投影データの画像再構成処理のフローチャートである。 (a)は、従来の各X線管電圧における画像再構成変数群を示す図である。 (b)は、X線管電圧の方向に補正データ、画像再構成変数が追加可能な構造を持つ画像再構成変数群を示す図である。 (c)は、X線管電圧を横断した共通変数を持つ画像再構成変数群を示す図である。 (d)は、X線管電圧の変数の方向に補正データ、画像再構成変数が追加可能な構造を持つ画像再構成変数群を示す図である。 (a)は、X線管電圧の変化した撮影を示す図である。 (b)は、補正データ設定ファイルCDRの例を示す図である。 (a)は、X線管電圧が変化する場合のX線投影データのフォーマットを示す図である。 (b)は、補正データ設定ファイルCDRの変形例を示す図である。 複数のX線管電圧値における補正曲線を示す図である。 加重加算処理で求められる変数と加重加算処理で求められない変数が混在する処理のフローチャートである。 ビームハードニング補正の次数を認識する処理のフローチャートである。 補正データのないガントリ回転速度s1′と補正データのあるガントリ回転速度s1,s2の関係を示す図である。 ガントリ回転速度s1の補正データを用いてガントリ回転速度s1′の画像再構成を行うフローチャートである。 (a)は、補正データのないガントリ回転速度s3′,s4′と補正データのあるガントリ回転速度s3,s4の関係を示す図である。 (b)は、ガントリ回転速度が上昇して行く場合を示す図である。 (c)は、ガントリ回転速度の変化する場合のX線投影データフォーマットを示す図である。 ガントリ回転速度が変化する場合の画像再構成を行うフローチャートである。 (a)は、ガントリ回転部15の回転中のたわみを示す図である。 (b)は、ガントリ回転速度s3,s4のガントリ回転部15のたわみE3,E4より予測されるガントリ回転速度s3′〜s4′でのガントリ回転部15のたわみEを示す図である。 (a)は、矩形型制御のX線焦点位置制御を示す図である。 (b)は、台形型制御のX線焦点位置制御を示す図である。(c)は、正弦波型制御のX線焦点位置制御を示す図である。 (a)は、X線焦点位置による断層像Gの高分解能化を示す図である。 (b)は、X線焦点の中心位置とX線焦点F1,F2の位置関係を示す図である。 (a)は、xy平面内における各X線焦点位置を示す図である。 (b)は、各X線焦点位置におけるX線検出器出力プロファイルのずれを示す図である。 (c)は、拡大されたX線検出器出力プロファイルを示す図である。 X線焦点位置が変化する場合の画像再構成を行うフローチャートである。
符号の説明
1 … 操作コンソール
2 … 入力装置
3 … 中央処理装置
5 … データ収集バッファ
6 … モニタ
7 … 記憶装置
12 … クレードル
15 … 回転部
20 … 走査ガントリ
21 … X線管
22 … X線コントローラ
23 … コリメータ
24 … 多列X線検出器
25 … データ収集装置(DAS)
26 … 回転部コントローラ
28 … ビーム形成X線フィルタ
29 … 制御コントローラ
31 … 撮影条件設定部
32 … 画像再構成部
G … 断層像

Claims (12)

  1. 被検体の断層像を撮影するためのX線CT装置であって、
    所定の撮影条件について、複数の条件を設定可能な撮影条件設定手段と、
    前記撮影条件を用いて、X線発生装置とX線検出器とを有する回転部を回転させながら、被検体を走査してX線投影データを収集するX線データ収集手段と、

    前記複数の条件によって異なる画像再構成変数であって、少なくとも代表的な条件に対応する画像再構成変数が前記X線投影データ収集手段で収集したデータのセットに付帯して記憶された記憶部と、

    少なくとも前記代表的な条件以外の条件を含む前記X線データ収集に用いた撮影条件に対応する画像再構成変数に基づく前記X線投影データの画像再構成処理を含む画像再構成部とを含む処理を行う画像再構成手段と

    を備えることを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記画像再構成手段は、前記代表的な条件及び前記代表的な条件以外の条件を含む前記X線データ収集に用いた撮影条件に対応する画像再構成変数に基づく前記X線投影データの画像再構成処理を含む画像再構成部とを含む処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記所定の撮影条件は、X線管電圧条件であり、
    前記X線データ収集部は、複数のX線管電圧条件を用いてX線投影データを収集するものであり、
    前記代表的な条件は、前記X線データ収集に用いた複数のX線管電圧条件である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線CT装置。
  4. 前記所定の撮影条件は、X線管電圧条件であり、
    前記X線データ収集部は、複数のX線管電圧条件を用いてX線投影データを収集するものであり、
    前記代表的な条件は、前記X線データ収集に用いた複数のX線管電圧条件であり、
    前記代表的な条件以外の条件は、前記複数のX線管電圧条件の切り替えに伴う過渡区間の条件を含む
    ことを特徴とする請求項2に記載のX線CT装置。
  5. 前記画像再構成部は、前記代表的な条件に対応する画像再構成変数から算出又は選択して、前記代表的な条件以外の条件に対応する画像再構成変数を求め、当該画像再構成変数を用いて、前記代表的な条件以外の条件に対応する画像再構成変数を用いた処理を行うことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のX線CT装置。
  6. 前記画像再構成部は、前記求められた画像再構成変数を、前記データのセットに追加して記憶部に記憶させることを特徴とする請求項5に記載のX線CT装置。
  7. 前記画像再構成部は、前記代表的な条件に対応する画像再構成変数を用いた処理により得られたX線投影データから算出して、前記代表的な条件以外の条件に対応する画像再構成変数を用いた処理により得られたX線投影データを得ることにより、前記代表的な条件以外の条件に対応する画像再構成変数を用いた処理を行うことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のX線CT装置。
  8. 前記記憶部は、前記代表的な条件以外の条件に対応した画像再構成変数を記憶することを特徴とする請求項5又は6に記載のX線CT装置。
  9. 前記画像再構成部は、前記撮影条件の範囲及び該撮影条件の範囲に対応する画像再構成変数を記憶し、前記撮影条件の範囲に含まれる前記代表的な条件以外の条件に対応する画像再構成変数を、記憶した当該範囲に対応する画像再構成変数より求めることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のX線CT装置。
  10. 前記画像再構成変数が、画像再構成の前処理に用いられる補正データであることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載のX線CT装置。
  11. 前記撮影条件がX線管電圧、X線焦点位置、ガントリ回転速度、及びコリメータの開口幅から選ばれることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線CT装置。
  12. 請求項1に記載のX線CT装置に用いられるX線投影データを含むデータファイルであって、前記X線投影データと前記複数の撮影条件に対応する画像再構成変数とを含むことを特徴とするデータファイル。
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