JP3950716B2 - X線ct装置、及びその制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線CT装置、及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在X線CT装置は、データ収集、前処理、フィルタ処理、逆投影処理及び後処理の過程を経て画像を再構成するフィルタ補正逆投影(filtered back projection)法のものが主流になっている。
【0003】
従来の逆投影処理については、例えば特開平8−187241号公報や米国特許第5,414,622号に開示がある。
【0004】
これらの逆投影処理では、ビュー角度viewと検出器チャネルchとで表されるファンビームによる投影データD0(view,ch)を、再構成領域を構成する画素の座標(x、y)上に投影する演算を行って、画素投影データD2(x,y)を求め、画像再構成に用いる全ビューの画素投影データD2(x,y)を加算して、逆投影データD3(x,y)を求めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来例による逆投影データD3を得る方法では、X線焦点と再構成平面までの距離を求める計算を高速にするために、arctanのルックアップテーブルLUTを用いる場合が多い。この場合はX線焦点とX線検出器との位置関係が正常にアラインメントされていること、つまり、円弧状のX線検出器の中心線(1/4chずらしを行っている場合は、1/4chずれた中心線上にX線焦点がくることが前提となる。図20に正常に位置関係がアラインメントされたX線焦点とX線検出器とを示す。
【0006】
同図において、2000はX線焦点、2001はX線検出器、2001a,2001bはX線検出器2001におけるリファレンスチャネル、2002a、2002bは夫々リファレンスチャネル2001a,2001bに照射されるX線を示す。
【0007】
リファレンスチャネル2001a,2001bは夫々X線検出器2001におけるチャネルのうち両端のチャネルであって、X線焦点2000から照射されたX線を、被検体を透過することなく検出する。そして、夫々のリファレンスチャネル2001a,2001bが同じX線量を検出した場合、X線焦点2000の位置、X線検出器2001の位置は夫々正常にアラインメントされていることになる。また、このときX線2002aの長さ(X線焦点2000からリファレンスチャネル2001aまでの直線距離)とX線2002bの長さ(X線焦点2000からリファレンスチャネル2001bまでの直線距離)は同じになる。しかし上述のアラインメントを厳密に行うことは手間であり、困難なものとなっている。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、所定の位置からのX線管の位置のずれを求め、求めたずれに基づいて軸投影データD1、画素投影データD2を補正するX線CT装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するために、例えば本発明のX線CT装置は以下の構成を備える。
【0010】
すなわち、X線を照射するX線管と、当該X線管により照射されたX線を検出する検出器とを備え、当該検出器により検出されたX線量に応じた、ビュー角度と当該検出器のチャネルとで表される投影データD0を出力するガントリと、
前記ガントリにより得られる前記投影データD0を再構成領域の基準軸上に投影して軸投影データD1を求め、更に前記再構成領域を構成する画素の座標上に前記軸投影データD1を投影して画素投影データD2を求める軸投影データ・画素投影データ計算手段を備え、画像再構成に用いる全てのビューに対して当該軸投影データ・画素投影データ計算手段により求めた夫々の画素投影データD2を加算することで逆投影データD3を求める操作コンソールとで構成されているX線CT装置であって、
所定の位置からの前記X線管の位置のずれ量を示す情報を求めるずれ量計測手段と、
前記ずれ量計測手段により求めたずれ量を示す情報を用いて、前記軸投影データ・画素投影データ計算手段により求めた軸投影データD1、画素投影データD2を補正する補正手段と
を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の目的を達成するために、例えば本発明のX線CT装置の制御方法は以下の構成を備える。
【0012】
すなわち、X線を照射するX線管と、当該X線管により照射されたX線を検出する検出器とを備え、当該検出器により検出されたX線量に応じた、ビュー角度と当該検出器のチャネルとで表される投影データD0を出力するガントリと、
前記ガントリにより得られる前記投影データD0を再構成領域の基準軸上に投影して軸投影データD1を求め、更に前記再構成領域を構成する画素の座標上に前記軸投影データD1を投影して画素投影データD2を求める軸投影データ・画素投影データ計算手段を備え、画像再構成に用いる全てのビューに対して当該軸投影データ・画素投影データ計算手段により求めた夫々の画素投影データD2を加算することで逆投影データD3を求める操作コンソールとで構成されているX線CT装置の制御方法であって、
所定の位置からの前記X線管の位置のずれ量を示す情報を求めるずれ量計測工程と、
前記ずれ量計測工程で求めたずれ量を示す情報を用いて、前記軸投影データ・画素投影データ計算工程で求めた軸投影データD1、画素投影データD2を補正する補正工程と
を備えることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付した図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って、詳細に説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態におけるX線CT装置の基本構成を示すブロック図である。このX線CT装置100は操作コンソール1と撮影テーブル10と、ガントリ20とを具備している。
【0015】
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付ける入力装置2と、後述の逆投影処理等を実行する中央演算装置3と、制御信号などを撮影テーブル10やガントリ20とやりとりする制御インターフェース4と、ガントリ20で取得した投影データD0を収集するデータ収集バッファ5と、投影データD0から再構成したX線CT画像(X線断層像)を表示するCRT6と、プログラムやデータやX線CT画像を記憶する記憶装置7とを具備している。
【0016】
テーブル装置10は、被検体を乗せてガントリ20のボア(中空洞部)に出し入れするクレードル12を具備している。クレードル12は、テーブル装置10に内蔵されるモータで駆動される。
【0017】
ガントリ20は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、検出器24と、DAS(Data Acquisition System)25と、被検体の体軸の周りにX線管2などを回転させる回転コントローラ26とを具備している。
【0018】
図2は、記憶装置7に記憶されているルックアップテーブル31の概念図である。
【0019】
このルックアップテーブル31には、−45°≦view<45°のビュー角度範囲内の各ビュー角度view毎に、軸投影データD1の投影軸上(基準軸上)の座標ptと、軸投影データD1(view,pt)を求めるための投影データD0のアドレス、すなわちチャネル番号ch(pt)と、補間計数k1(pt)、k2(pt)とが予め設定されている。
【0020】
なお、Δviewは、ビュー角度のステップ角度(隣接するビュー間のビュー角度差)である。また、Peは、ptの最大値であり、図6を参照して後述する。
【0021】
図3は記憶装置7に記憶されているルックアップテーブル32の概念図である。
【0022】
このルックアップテーブル32には、−45°≦view<45°のビュー角度範囲内の各ビュー角度view毎に、画素投影データD2のy座標と、1つの軸投影データD1から1つの画素投影データD2(y,x)を求めるためのパラメータ、距離係数R(y)、サンプリングピッチΔpt、サンプリング点数str_pt、開始アドレスstr_x、終了アドレスend_xとが予め算出されてルックアップテーブルLUTに設定されている。これらのパラメータについては、図11を参照して後述する。なお、Yeは図11に示すように、再構成領域Rfのy座標の最大値である。
【0023】
図4は、X線管100の動作の概略の流れを示すフローチャートである。ステップS1では、X線管21と検出器24とを撮影対象の周りに回転させながらビュー角度viewと検出器チャネルchとで表される投影データD1(view,ch)を収集する。
【0024】
ステップS2では、投影データD0(view,ch)に対して、前処理(オフセット補正、DASゲイン補正、感度補正など)を行う。
【0025】
ステップS3では、前処理した投影データD0(view,ch)に対して、フィルタ処理を行う。すなわち、フーリエ変換し、フィルタ(再構成関数)を掛け、逆フーリエ変換する。
【0026】
ステップS4では、フィルタ処理した投影データD0(view,ch)に対して後述の逆投影処理を行い、逆投影データD3(x,y)を求める。このこの逆投影処理については図5を参照して後述する。
【0027】
ステップS5では、逆投影データD3(x,y)に対して後処理(Ring Fix、IBO、ANR)を行い、CT画像を得る。
【0028】
図5は逆投影処理(ステップS4)の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
【0029】
ステップS51では、画像再構成に必要な複数のビュー中の1つのビュー角度viewに着目する。
【0030】
ステップS52では、着目したビュー角度viewが、−45°≦view<45°または135°≦view<225°ならばステップS53へ進み、そうでないならば(45°≦view<135°または225°≦view<315°ならば)ステップS56へ進む。
【0031】
ステップS53では、ビュー角度viewに対応するルックアップテーブル31を参照し、まず、Pt=0のチャネル番号ch(pt)からch(0)を得て、フィルタ処理済みの投影データD0(view,ch(0)+1)およびD0(view,ch(0))を取り出す。また、補正係数k1(pt)、k2(pt)からk1(0)、k2(0)を読み出す。そして、次式により軸投影データD1(view,0)を算出し、記憶装置7に記憶する。
【0032】
D1(view,0)=k1(0)×D0(view,ch(0)+1)+k2(0)×D0(view,ch(0))なお、あるptに対するch(pt)が設定されていない場合、このptをスキップして次のptに進む。
【0033】
また、135°≦view<225°では、ビュー角度view=view-180に対応するルックアップテーブル31を参照する。
【0034】
図6は上述のステップS53における処理の内容を説明する図である。ステップS53における処理は、検出器24の円弧状の形状に応じて円弧状の幾何学的位置に並ぶ投影データD0(view,ch)から、x軸方向に平行でアイソセンタICを通る直線y=Ye/2の投影軸上に並ぶ軸投影データD1(view,pt)を求める演算に相当する。
【0035】
軸投影データD1(view,0)の位置は、図7に示すように、ビュー角度view=45−Δviewの時に規定される位置である。なお、ファンビームの方向がy軸方向に平行な場合をview=0°とし、ビュー角度のステップをΔviewとする。
【0036】
軸投影データD1(view,Pe)の位置は、図8に示すように、ビュー角度view=−45°の時に規定される位置である。なお、ここでは、検出器24は1000チャネルとしている。
【0037】
図6から図8を参照すれば判るように、1つのビューでは、ファンビームに入る投影軸部分とファンビームに入らない軸投影部分とが存在する。ファンビームに入らない軸投影部分に相当するptについては、ルックアップテーブル31のch(pt)を設定しない。
【0038】
図5に戻り、ステップS54では、ビュー角度viewに対応するルックアップテーブル32を参照し、まず、y=0のΔpt、str_pt 及び str_x を得て、x=str_xとし、記憶装置7から軸投影データD1(view,str_pt)を取り出す。また、変換係数R(y)を読み出す。そして、次式により画素投影データD2(view,str_x,0)を算出する。
【0039】
D2(view,str_x,0)=R(0)×D1(view,str_pt)
そして、記憶装置7に記憶しているD2(x,y)に加算する。
【0040】
D2(str_x,0)=ΣD2(view,str_x,0)
尚、この式においてΣはviewについて加算することを意味する。同様に、x=str_x+1〜end_xについて、次式により画素投影データD2(view,x,0)を算出し、記憶装置7に記憶している画素投影データD2(x,0)に加算する。
【0041】
D2(view,x,0)=R(0)×D1(view,str_pt+(x-str_x)×Δpt)
D2(x,0)=ΣD2(view,x,0)
尚、この式においてΣはviewについて加算することを意味する。次に同様に、y=1〜Yeについて、次式により画素投影データD2(view,x,y)を算出し、記憶装置7に記憶している画素投影データD2(x,y)に加算する。
【0042】
D2(view,x,y)=R(0)×D1(view,str_pt+(x-str_x)×Δpt)
D2(x,y)=ΣD2(view,x,y)
尚、この式においてΣはviewについて加算することを意味する。また、135°≦view<225°では、ビュー角度view=view−180°に対応するルックアップテーブル32を参照する。
【0043】
図9は、上記ステップS54における処理の内容を説明する図である。投影軸y=Ye/2上の軸投影データD1からx軸に平行な直線に沿って画素投影データD2を求めていくことを、Y=0〜Yeについて繰り返していく。
【0044】
図10は記憶装置7の画素投影データ記憶部70の概念図である。x軸に平行な直線に沿って画素投影データD2が加算されていくことが、Y=0〜Yeについて繰り返されていく。
【0045】
図5に戻り、ステップS55では、画像再構成に必要な全てのビューについて上記ステップS51からステップS59を繰り返して以内ならば、ステップS51に戻り、画像再構成に必要な全てのビューについて上記ステップS51からステップS59を繰り返したならばステップS62へ進む。
【0046】
ステップS56では、45°≦view<135°の範囲ならビュー角度view=view−90°に対応するルックアップテーブル31を参照し、225°≦view<315°の範囲ならビュー角度view=view−270°に対応するルックアップテーブル31を参照する。そしてステップS53と同様に、pt=0〜Peについて、次式により軸投影データD1(view,pt)を算出する。
【0047】
D1(view,pt)=k1(pt)×D0(view,ch(pt)+1)+k2(pt)×D0(view,ch(pt))
なお、あるptに対するch(pt)が設定されていない場合、このptをスキップして次のptに進む。
【0048】
図11は、上記ステップS56における処理の内容を説明する図である。ステップS56における処理は、検出器24の円弧状の形状に応じて円弧状の幾何学的位置に並ぶ投影データD0(view,ch)から、y軸方向に平行でアイソセンタICを通る直線x=Xe/2の投影軸上に並ぶ軸投影データD1(view,pt)を求める演算に相当する。
【0049】
図5に戻り、ステップS59では、45°≦view<135°の範囲ならビュー角度view=view−90°に対応するルックアップテーブル32を参照し、225°≦view<315°の範囲ならビュー角度view=view−270°に対応するルックアップテーブル32を参照する。その際、y→x、R(y)→R(x)、str_x→str_y、end_x→end_yと読み替え、x=0からx=Xeまで、y=str_yからend_yについて、次式により画素投影データD2(view,x,y)を算出し、記憶装置7に記憶している画素投影データD2(x,y)に加算する。
【0050】
D2(view,x,y)=R(y)×D1(view,str_pt+(y-str_y)×Δpt)
D2(x,y)=ΣD2(view,x,y)
尚、この式においてΣはviewについて加算することを意味する。図12は、上記ステップS59における処理の内容を示す説明図である。投影軸x=Xe/2上の軸投影データD1からy軸に平行な直線に沿って画素投影データD2を求めていくことを、x=0からXeについて繰り返していく。
【0051】
図13は、記憶装置7の画素投影データ記憶部70の概念図である。y軸に平行な直線に沿って画素投影データD2が加算されていくことが、x=0からXeについて繰り返されていく。
【0052】
図5に戻り、ステップS62では、画素投影データ記憶部70に得られたデータを逆投影データD3(x,y)として出力する。そして、逆投影処理を終了する。
【0053】
以上説明した逆投影処理により、逆投影処理の簡単化及び高速化が可能となる。また、前記ステップS59でパラメータの読み替えが必要になるが、1つの画素投影データ記憶部70だけですむ。
【0054】
以上のようにすることで、逆投影処理の簡単化及び高速化が可能となる。また、前記ステップS59でパラメータの読み替えが必要になるが、1つの画素投影データ記憶部70だけですむ。
【0055】
ところで、一般にガントリに搭載するX線管は消耗品であって、必然、交換する作業が行われる。このとき、交換するX線管は同一仕様のものを用いることになるが製造段階のばらつきで、X線管によるX線が発生する位置(焦点位置)をあわせるアラインメント作業が必要となる。
【0056】
しかし、このずれ量を何らかの手段で検出し、この検出結果を用いて上記で説明した画素投影処理、軸投影処理(軸投影データD1を求める処理)のパラメータを適合させることで、上記のずれ量を吸収して軸投影データD1、画素投影データD2を得、そしてX線断層像を再構成することができる。
【0057】
従って、以下では、軸投影データD1、画素投影データD2の夫々を得る場合について、ずれ量の検出にかかる方法と、画素投影処理、もしくは軸投影処理に適合させるための方法(これらの方法をあわせて以下、ずれ補正処理と呼称する)について説明する。
【0058】
<ずれ補正処理>
図21は検出器との位置関係が正常にアラインメントされていないX線管(X線焦点)を用いた場合に、正常な画素投影データD2、軸投影データD1を得る方法の原理を説明する図である。ここで正常な画素投影データD2、軸投影データD1とは、検出器との位置関係が正常にアラインメントされたX線焦点とこの検出器により得られる投影データD0に基づいて得られる画素投影データD2、軸投影データD1を指す。
【0059】
同図Rfは上述の再構成領域である。なお同図において再構成領域Rfの中心を原点Oとし、x、y軸を図のように定義する。同図において2101は検出器2103との位置関係が正常にアラインメントされたX線焦点A、2102は検出器2103との位置関係が正常にアラインメントされていないX線焦点で、X線焦点2102の位置はX線焦点2101の位置から中心線AOに垂直にΔdだけずれたところにある。また、2101aはX線焦点2101から検出器2103中の注目チャネル2103aに対して照射されるX線、2102aはX線焦点2102から検出器2103中の注目チャネル2103aに対して照射されるX線である。
【0060】
検出器2103との位置関係が正常にアラインメントされたX線焦点2101から注目チャネル2103aに対して照射されたX線2101aはx軸と点2104で交差するので、注目チャネル2103aにより得られる投影データD0により求められる軸投影データD1は点2104におけるものとなる(軸投影データD1を求める方法は上述の通り)。
【0061】
一方、検出器2103との位置関係が正常にアラインメントされていないX線焦点2102から注目チャネル2103aに対して照射されたX線2102aはx軸と点2105で交差するので、注目チャネル2103aにより得られる投影データD0により求められる軸投影データD1は点2105におけるものとなる(軸投影データD1を求める方法は上述の通り)。
【0062】
しかし、注目チャネル2103aにより得られるべき正常な軸投影データD1は点2104におけるものである。よって、X線焦点2102と検出器2103により得られる投影データD0から正常な軸投影データD1を得るためにはこの場合、点2104における軸投影データD1を点2105における軸投影データD1とする(言い換えれば、点2104における軸投影データD1をx軸の+の方向に、点2104,2105間の距離DIS1(ずれ)だけシフトする)ずれ補正処理が必要となる。
【0063】
よって、X線焦点2102と検出器2103により正常な軸投影データD1を得るためには、X線焦点2102から照射され、点2104を通過したX線を検出するチャネルにより得られる投影データD0を用いて点2104における軸投影データD1を求め、求めた軸投影データD1をx軸の+の方向に距離DIS1だけシフトする処理を行う必要がある。またその場合には予め、距離DIS1を求める必要がある。
【0064】
一方、y=Ye/2(y=r1−r2)を例に取ると、X線焦点2102と検出器2103によりy=r1−r2における正常な画素投影データD2を得る際にも同様に、点2106における画素投影データD2をx軸の+の方向に点2106,2107間の距離DIS2(ずれ)だけシフトするずれ補正処理が必要となる。又、その場合には、距離DIS2を求める必要がある。図23にr1、r2の定義を示す。
【0065】
以下では、距離DIS1、DIS2を求める方法(すなわち、ずれを求める方法)を図22を用いて説明する。図22はDIS1、DIS2を求める方法を説明する図である。尚、図21と同じ部分については同じ番号を付けている。同図において2201は検出器2103の中心点とX線焦点2102とを結ぶ補助線である。また、βはy軸と補助線2201とがなす角度で、ガントリ回転部を制御する制御系がガントリ回転モータのエンコーダ信号回転ゼロ点位置より求めることができる。また、X線焦点2102の位置はX線焦点2101の位置から中心線AOに垂直に微小な距離Δdだけずれており、X線焦点2101とX線焦点2102とを結ぶ線分と補助線2201とがなす角度はほぼ90°である。これは、X線焦点位置のずれがX線管取り付け台に平行にずれるため、X線焦点と検出器の回転方向に生じることに起因する。
【0066】
また、Δdを求める(計測する)方法については特には限定しないが、一例を図24に示し以下説明する。図21と同じ部分については同じ番号を付けている。2401は治具でおかれたガントリ回転センターピン(所定の被写体)であって、X線焦点2101と検出器2103の回転軸上におかれている。具体的には図25に示すように、撮影テーブル10の一端にセンターピン2401を備えるファントム2501を設け、センターピン2401の位置が、X線焦点2101と検出器2103が回転する回転軸に位置するようにファントム2501をテーブル10の一端に設ける。
【0067】
図24に戻って、この状態でX線焦点2101からX線を照射すると、センターピン2401を透過したX線を検出するチャネル(x0)は、検出器2103の中央の位置となる。しかし、X線焦点2102からX線を照射すると、センターピン2401を透過したX線を検出するチャネル(x1)は検出器2103の中央よりもずれた位置にある。よってこのずれ(Δx)と、R1,R2の比を用いてΔdを求めることができる。なお、R1,R2は予め計測されているもの、または予め設計されたものとする。
【0068】
また図21において、X線焦点2101と検出器2103までの距離をfdd、X線2101aにおいてX線焦点2101からx軸までの距離をdと定義する。また、角度δを、X線焦点2101とX線焦点2102とを結ぶ線分と、X線2101aと90°の角度を成す線分とがなす角度と定義する。
【0069】
以上の定義に基づいてDIS1は以下のようにして求めることができる。
【0070】
DIS1=((fdd-d)/fdd)×Δd×cosδ×1/cos(β+δ) (式1)
よって、(式1)を用いてDIS1を求め、上述の方法により求めた軸投影データD1をDIS1だけシフト(補正)することで、検出器2103との位置関係が正常にアラインメントされていないX線焦点を用いても正常な軸投影データD1を得ることができる。
【0071】
次に、DIS2を求める方法について以下、説明する。図22に示した状態において、新たに2つのパラメータr1,r2を設定する。図23にr1,r2の定義を示す。図22に示した状態において、X線焦点2101とx軸との距離がr1,X線焦点2101とy=Ye/2(y=r1−r2)との距離がr2となる。尚、以下の説明ではy=r1−r2のところで行うが、yは0〜Yeの値のいずれでも良い。この場合、DIS2は上述のDIS1を用いて以下のようにして求めることができる。
【0072】
DIS2={fdd×cos(β+δ)-r2}/{fdd×cos(β+δ)-r1}×DIS1 (式2)
よって、(式2)を用いてDIS2を求め、上述の方法により求めた画素投影データD2をDIS2だけシフト(補正)することで、検出器2103との位置関係が正常にアラインメントされていないX線焦点を用いても正常な画素投影データD2を得ることができる。
【0073】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では,−45°≦view<45°のビュー角度範囲及びview=135°から225°の範囲ついての画素投影データD2の加算と、view=45°から135°の範囲およびview=225°から315°の範囲についての画素投影データD2の加算とを別個に行い、最後に両方の和を加算して逆投影データD3(x,y)を求める。
【0074】
図14及び図15は、第2の実施形態に係る逆投影処理を示すフローチャートである。図14のステップS141では、画像再構成に必要な複数のビュー中の1つのビュー角度viewに着目する。
【0075】
ステップS142では、着目したビュー角度viewが、−45°≦view<45°または135°≦view<225°ならばステップS143へすすみ、そうでないならば(45°≦view<135°または225°≦view<315°ならば)ステップS146へすすむ。
【0076】
ステップS143では、ビュー角度viewに対応するルックアップテーブル31を参照し、pt=0〜Peについて、次式により軸投影データD1(view、pt)を算出する。
【0077】
D1(view,pt)=k1(pt)×D0(view,ch(pt)+1)+k2(pt)×D0(view,ch(pt))
なお、あるptに対するch(pt)が設定されていない場合、このptをスキップして次のptに進む。また、135°≦view<225°では、ビュー角度view=view−180°に対応するルックアップテーブル31を参照する。
【0078】
ステップS144では、ビュー角度viewに対応するルックアップテーブル32を参照し、y=0からy=Yeの範囲で、x=str_xからx=end_xについて、次式により画素投影データD2(view,x,y)を算出し、記憶装置7内の図16に示す画素投影データ第1記憶部71に記憶している画素投影データD2(x,y)に加算する。
【0079】
D2(view,x,y)=R(y)×D1(view,str_pt+(x-str_x)×Δpt)
D2(x,y)=ΣD2(view,x,y)
尚、この式においてΣはviewについて加算することを意味する。なお、135°≦view<225°では、ビュー角度view=view−180°に対応するルックアップテーブル32を参照する。
【0080】
図16は画素投影データ第1記憶部71の概念図である。x軸に平行な直線に沿って画素投影データD2が加算されていくことが、y=0からYeについて繰り返されていく。
【0081】
ステップS145では、画像再構成に必要な全てのビューについて上記ステップS141からステップS149を繰り返していないならば前記ステップS141に戻り、画像再構成に必要な全てのビューについて上記ステップS141からステップS149を繰り返したならば図15のステップS151へ進む。
【0082】
ステップS146では、45°≦view<135°の範囲ならビュー角度view=view−90°に対応するルックアップテーブル31を参照し、225°≦view<315°の範囲ならビュー角度view=view−270°に対応するルックアップテーブル31を参照する。そして、前記ステップS143と同様に、pt=0からPeについて、次式により軸投影データD1(view,pt)を算出する。
【0083】
D1(view,pt)=k1(pt)×D0(view,ch(pt)+1)+k2(pt)×D0(view,ch(pt))
なお、あるptに対するch(pt)が設定されていない場合、このptをスキップして次のptに進む。
【0084】
ステップS147では、現在のviewをview’に保存する。ステップS148では、45°≦view<135°の範囲ならビュー角度view=view−90°とし、225°≦view<315°の範囲ならビュー角度view=view−270°とする。
【0085】
ステップS149では、ビュー角度viewに対応するルックアップテーブル32を参照し、y=0からy=Yeの範囲で、x=str_xからend_xについて、次式により画素投影データD2(view,x,y)を算出し、記憶装置7内の図17に示す画素投影データ第2記憶部72に記憶している画素投影データD2(x,y)に加算する。
【0086】
D2(view’,x,y)=R(y)×D1(view’,str_pt+(x-str_x)×Δpt)
D2(x,y)=ΣD2(view’,x,y)
尚、この式においてΣはview’について加算することを意味する。図17は、画素投影データ第2記憶部72の概念図である。x軸に平行な直線に沿って画素投影データD2が加算されていくことが、y=0からYeについて繰り返されていく。
【0087】
図15のステップS151では、図18に示すように、画素投影データ第2記憶部72のデータを90°回転処理する。ステップS152では、画素投影データ第1記憶部71のデータに、画素投影データ第2記憶部72のデータを加算する。ステップS153では、画素投影データ第1記憶部71に得られたデータを逆投影データD3(x,y)として出力する。そして、逆投影処理を終了する。
【0088】
以上の第2の実施形態のX線CT装置によれば,逆投影処理の簡単化及び高速化が可能となる。また、別個の画素投影データ第1記憶部71、画素投影データ第2記憶部72を用いるが、前記ステップS149おいてパラメータの読み替えが不要になる。
【0089】
なお、以上説明した方法を用いて求めた軸投影データD1、画素投影データD2に対して第1の実施形態で説明したずれ補正処理を行うことで、最終的に出力する正常な軸投影データD1、もしくは逆投影データD3が得られる。
【0090】
[第3の実施形態]
上述の第1及び第2の実施形態では、2つの投影データD0から1つの軸投影データD1を補間演算して算出したが、第3の実施形態では、3つの投影データD0から1つの軸投影データD1を補間演算で算出する。この場合、図19に示すようにルックアップテーブル31’を用い、次式により軸投影データD1を算出する。
【0091】
D1(view,pt)=k1(pt)×D0(view,ch(pt)+2)+k2(pt)×D0(view,ch(pt)+1)+k3(pt)×D0(view,ch(pt))
以上の第3の実施形態のX線CT装置によれば、逆投影処理の簡単化及び高速化が可能となる。また、精度を高められる。
【0092】
なお、以上説明した方法を用いて求めた軸投影データD1に対して第1の実施形態で説明したずれ補正処理を行うことで、最終的に出力する正常な軸投影データD1が得られる。
【0093】
【発明の効果】
以上の説明により、本発明によって、X線管の位置が所定の位置からずれていても、このX線管と検出器により得られる軸投影データD1、画素投影データD2を、前記ずれを用いて補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるX線CT装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】記憶装置7に記憶されているルックアップテーブル31の概念図である。
【図3】記憶装置7に記憶されているルックアップテーブル32の概念図である。
【図4】X線管100の動作の概略の流れを示すフローチャートである。
【図5】逆投影処理(ステップS4)の詳細な流れを示すフローチャートである。
【図6】ステップS53における処理の内容を説明する図である。
【図7】軸投影データD1(view,0)の位置を説明する図である。
【図8】軸投影データD1(view,Pe)の位置を説明する図である。
【図9】ステップS54における処理の内容を説明する図である。
【図10】記憶装置7の画素投影データ記憶部70の概念図である。
【図11】ステップS56における処理の内容を説明する図である。
【図12】ステップS59における処理の内容を説明する図である。
【図13】記憶装置7の画素投影データ記憶部70の概念図である。
【図14】本発明の第2の実施形態における逆投影処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施形態における逆投影処理を示すフローチャートである。
【図16】記憶装置7の画素投影データ第1記憶部71の概念図である。
【図17】記憶装置7の画素投影データ第2記憶部72の概念図である。
【図18】画素投影データ第2記憶部72のデータを90°回転する処理を説明する図である。
【図19】ルックアップテーブル31’の概念図である。
【図20】正常に位置関係が粗引見とされたX線焦点とX線検出器とを示す図である。
【図21】検出器との位置関係が正常にアラインメントされていないX線管(X線焦点)を用いた場合に、正常な逆投影データD3、軸投影データD1を得る方法の原理を説明する図である。
【図22】DIS1、DIS2を求める方法を説明する図である。
【図23】r1,r2の定義を示す図である。
【図24】Δdを求める方法の一例を説明する図である。
【図25】センターピンを設定する方法を説明する図である。

Claims (19)

  1. X線を照射するX線管と、当該X線管により照射されたX線を検出する検出器とを備え、当該検出器により検出されたX線量に応じた、ビュー角度と当該検出器のチャネルとで表される投影データD0を出力するガントリと、
    前記ガントリにより得られる前記投影データD0を再構成領域の基準軸上に投影して軸投影データD1を求め、更に前記再構成領域を構成する画素の座標上に前記軸投影データD1を投影して画素投影データD2を求める軸投影データ・画素投影データ計算手段を備え、画像再構成に用いる全てのビューに対して当該軸投影データ・画素投影データ計算手段により求めた夫々の画素投影データD2を加算することで逆投影データD3を求める操作コンソールと
    を有するX線CT装置であって、
    前記軸投影データD1は、ビュー角度viewに応じて、再構成中心を通り互いに直交する2つの投影軸上のいずれか一方に投影することにより求められ、前記画素投影データD2は、前記それぞれの投影軸に軸投影されたデータD1をそれぞれ投影して求められたものであり、
    前記X線CT装置は、所定の位置からの前記X線管の位置のずれ量を示す情報を求めるずれ量計測手段を含み、
    前記軸投影データ・画素投影データ計算手段は、前記投影データD0及び前記ずれ量計測手段により求めたずれ量を示す情報を用いて、ずれ量が補正された軸投影データD1及び画素投影データD2を求める手段を含むことを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記ずれ量計測手段は、所定の被写体を備えるファントムを備え、前記X線管と前記検出器の回転軸上に設置された前記ファントムに対して前記X線管から照射され、前記検出器により検出されたX線のうち、前記ファントムを透過したX線を検出するチャネルの、前記検出器の中央のチャネルからの位置ずれを求め、求めた当該位置ずれを用いて前記ずれ量を示す情報を求めることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記補正手段が軸投影データD1を補正する場合、前記検出器の注目チャネルに対して前記X線管の位置から照射するX線が前記基準軸と交差する点における軸投影データD1を、前記注目チャネルに対して前記所定の位置から照射するX線が前記基準軸と交差する点における軸投影データD1に補正計算を行った後に置き換えることを特徴とする請求項1または2に記載のX線CT装置。
  4. 前記補正手段は、前記検出器の注目チャネルに対して前記X線管の位置から照射するX線が前記基準軸と交差する第1の点と、前記注目チャネルに対して前記所定の位置から照射するX線が前記基準軸と交差する第2の点との間の距離を求め、前記第1の点における軸投影データD1を前記第2の点における軸投影データD1に補正計算を行った後に置き換えることを特徴とする請求項3に記載のX線CT装置。
  5. 前記補正手段が画素投影データD2を補正する場合、前記検出器の注目チャネルに対して前記X線管の位置から照射するX線が前記再構成領域における注目軸と交差する点における画素投影データD2を、前記検出器の注目チャネルに対して前記所定の位置から照射するX線が前記注目軸と交差する点における画素投影データD2に補正計算を行った後に置き換えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のX線CT装置。
  6. 前記補正手段は、前記検出器の注目チャネルに対して前記X線管の位置から照射するX線が前記注目軸と交差する第1の点と、前記注目チャネルに対して前記所定の位置から照射するX線が前記注目軸と交差する第2の点との間の距離を求め、前記第1の点における画素投影データD2を前記第2の点における画素投影データD2に補正計算を行った後に置き換えることを特徴とする請求項5に記載のX線CT装置。
  7. X線を照射するX線管と、当該X線管により照射されたX線を検出する検出器とを備え、当該検出器により検出されたX線量に応じた、ビュー角度と当該検出器のチャネルとで表される投影データD0を出力するガントリと、前記ガントリにより得られる前記投影データD0を再構成領域の基準軸上に投影して軸投影データD1を求め、更に前記再構成領域を構成する画素の座標上に前記軸投影データD1を投影して画素投影データD2を求める軸投影データ・画素投影データ計算手段を備え、画像再構成に用いる全てのビューに対して当該軸投影データ・画素投影データ計算手段により求めた夫々の画素投影データD2を加算することで逆投影データD3を求める操作コンソールと
    を有するX線CT装置の制御方法であって、
    前記軸投影データD1は、ビュー角度viewに応じて、再構成中心を通り互いに直交する2つの投影軸上のいずれか一方に投影することにより求められ、前記画素投影データD2は、前記それぞれの投影軸に軸投影されたデータD1をそれぞれ投影して求められたものであり
    前記X線CT装置は、所定の位置からの前記X線管の位置のずれ量を示す情報を求めるずれ量計測工程を含み、
    前記軸投影データ・画素投影データ計算手段は、前記投影データD0及び前記ずれ量計測手段により求めたずれ量を示す情報を用いて、ずれ量が補正された軸投影データD1及び画素投影データD2を求める工程を含むことを特徴とするX線CT装置の制御方法。
  8. 前記ずれ量計測工程では、所定の被写体を備えるファントムを用いて、前記X線管と前記検出器の回転軸上に設置された前記ファントムに対して前記X線管から照射され、前記検出器により検出されたX線のうち、前記ファントムを透過したX線を検出するチャネルの、前記検出器の中央のチャネルからの位置ずれを求め、求めた当該位置ずれを用いて前記ずれ量を示す情報を求めることを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置の制御方法。
  9. 前記補正工程において軸投影データD1を補正する場合、前記検出器の注目チャネルに対して前記X線管の位置から照射するX線が前記基準軸と交差する点における軸投影データD1を、前記注目チャネルに対して前記所定の位置から照射するX線が前記基準軸と交差する点における軸投影データD1に補正計算を行った後に置き換えることを特徴とする請求項7または8に記載のX線CT装置の制御方法。
  10. 前記補正工程では、前記検出器の注目チャネルに対して前記X線管の位置から照射するX線が前記基準軸と交差する第1の点と、前記注目チャネルに対して前記所定の位置から照射するX線が前記基準軸と交差する第2の点との間の距離を求め、前記第1の点における軸投影データD1を前記第2の点における軸投影データD1に補正計算を行った後に置き換えることを特徴とする請求項に記載のX線CT装置の制御方法。
  11. 前記補正工程において画素投影データD2を補正する場合、前記検出器の注目チャネルに対して前記X線管の位置から照射するX線が前記再構成領域における注目軸と交差する点における画素投影データD2を、前記検出器の注目チャネルに対して前記所定の位置から照射するX線が前記注目軸と交差する点における画素投影データD2に補正計算を行った後に置き換えることを特徴とする請求項7〜10の何れか一項に記載のX線CT装置の制御方法。
  12. 前記補正工程では、前記検出器の注目チャネルに対して前記X線管の位置から照射するX線が前記注目軸と交差する第1の点と、前記注目チャネルに対して前記所定の位置から照射するX線が前記注目軸と交差する第2の点との間の距離を求め、前記第1の点における画素投影データD2を前記第2の点における画素投影データD2に補正計算を行った後に置き換えることを特徴とする請求項11に記載のX線CT装置の制御方法。
  13. X線を照射するX線管と、当該X線管により照射されたX線を検出する検出器とを備え、当該検出器により検出されたX線量に応じた、ビュー角度と当該検出器のチャネルとで表される投影データD0を出力するガントリと、
    前記ガントリにより得られる前記投影データD0を再構成領域の基準軸上に投影して軸投影データD1を求め、更に前記再構成領域を構成する画素の座標上に前記軸投影データD1を投影して画素投影データD2を求める軸投影データ・画素投影データ計算手段を備え、画像再構成に用いる全てのビューに対して当該軸投影データ・画素投影データ計算手段により求めた夫々の画素投影データD2を加算することで逆投影データD3を求める操作コンソールと
    を有するX線CT装置の制御方法を実行するプログラムであって、
    前記軸投影データD1は、ビュー角度viewに応じて、再構成中心を通り互いに直交する2つの投影軸上のいずれか一方に投影することにより求められ、前記画素投影データD2は、前記それぞれの投影軸に軸投影されたデータD1をそれぞれ投影して求められたものであり、
    前記プログラムは、所定の位置からの前記X線管の位置のずれ量を示す情報を求めるずれ量計測プログラムを含み、
    前記軸投影データ・画素投影データ計算手段は、前記投影データD0及び前記ずれ量計測手段により求めたずれ量を示す情報を用いて、ずれ量が補正された軸投影データD1及び画素投影データD2を求めるプログラムを含むことを特徴とするプログラム。
  14. 前記ずれ量計測工程では、所定の被写体を備えるファントムを用いて、前記X線管と前記検出器の回転軸上に設置された前記ファントムに対して前記X線管から照射され、前記検出器により検出されたX線のうち、前記ファントムを透過したX線を検出するチャネルの、前記検出器の中央のチャネルからの位置ずれを求め、求めた当該位置ずれを用いて前記ずれ量を示す情報を求めることを特徴とする請求項13に記載のX線CT装置の制御方法を実行するプログラム。
  15. 前記補正工程において軸投影データD1を補正する場合、前記検出器の注目チャネルに対して前記X線管の位置から照射するX線が前記基準軸と交差する点における軸投影データD1を、前記注目チャネルに対して前記所定の位置から照射するX線が前記基準軸と交差する点における軸投影データD1に補正計算を行った後に置き換えることを特徴とする請求項13または14に記載のX線CT装置の制御方法を実行するプログラム。
  16. 前記補正工程では、前記検出器の注目チャネルに対して前記X線管の位置から照射するX線が前記基準軸と交差する第1の点と、前記注目チャネルに対して前記所定の位置から照射するX線が前記基準軸と交差する第2の点との間の距離を求め、前記第1の点における軸投影データD1を前記第2の点における軸投影データD1に補正計算を行った後に置き換えることを特徴とする請求項15に記載のX線CT装置の制御方法を実行するプログラム。
  17. 前記補正工程において画素投影データD2を補正する場合、前記検出器の注目チャネルに対して前記X線管の位置から照射するX線が前記再構成領域における注目軸と交差する点における画素投影データD2を、前記検出器の注目チャネルに対して前記所定の位置から照射するX線が前記注目軸と交差する点における画素投影データD2に補正計算を行った後に置き換えることを特徴とする請求項13〜16の何れか一項に記載のX線CT装置の制御方法を実行するプログラム。
  18. 前記補正工程では、前記検出器の注目チャネルに対して前記X線管の位置から照射するX線が前記注目軸と交差する第1の点と、前記注目チャネルに対して前記所定の位置から照射するX線が前記注目軸と交差する第2の点との間の距離を求め、前記第1の点における画素投影データD2を前記第2の点における画素投影データD2に補正計算を行った後に置き換えることを特徴とする請求項17に記載のX線CT装置の制御方法を実行するプログラム。
  19. 請求項13乃至18のいずれか1項に記載のプログラムを格納し、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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