JPH09199911A - 薄膜多層電極、高周波共振器及び高周波伝送線路 - Google Patents

薄膜多層電極、高周波共振器及び高周波伝送線路

Info

Publication number
JPH09199911A
JPH09199911A JP8009061A JP906196A JPH09199911A JP H09199911 A JPH09199911 A JP H09199911A JP 8009061 A JP8009061 A JP 8009061A JP 906196 A JP906196 A JP 906196A JP H09199911 A JPH09199911 A JP H09199911A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
dielectric
film
conductor
thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8009061A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Kobayashi
真人 小林
Yoshihiko Goto
義彦 後藤
Yukio Yoshino
幸夫 吉野
Yuzo Katayama
祐三 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP8009061A priority Critical patent/JPH09199911A/ja
Priority to US08/786,691 priority patent/US5920244A/en
Priority to KR1019970001877A priority patent/KR100297855B1/ko
Priority to DE69715693T priority patent/DE69715693D1/de
Priority to CA002195824A priority patent/CA2195824C/en
Priority to EP97101024A priority patent/EP0786822B1/en
Publication of JPH09199911A publication Critical patent/JPH09199911A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P3/00Waveguides; Transmission lines of the waveguide type
    • H01P3/02Waveguides; Transmission lines of the waveguide type with two longitudinal conductors
    • H01P3/08Microstrips; Strip lines
    • H01P3/088Stacked transmission lines
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/20Frequency-selective devices, e.g. filters
    • H01P1/201Filters for transverse electromagnetic waves
    • H01P1/203Strip line filters
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P7/00Resonators of the waveguide type
    • H01P7/10Dielectric resonators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/20Frequency-selective devices, e.g. filters
    • H01P1/201Filters for transverse electromagnetic waves
    • H01P1/203Strip line filters
    • H01P1/20327Electromagnetic interstage coupling
    • H01P1/20336Comb or interdigital filters
    • H01P1/20345Multilayer filters

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック基板などの誘電体基板上に形成す
ることができ、安価で信頼性の高い薄膜多層電極を提供
する。 【解決手段】 所定の誘電率を有する誘電体基板上に薄
膜導体と薄膜誘電体とを交互に積層することによって形
成された薄膜多層電極であって、薄膜多層電極を所定の
周波数で使用したときに、誘電体基板に生じる電磁界と
各薄膜誘電体に生じる電磁界とが互いに実質的に同相に
なるように、かつ各薄膜誘電体の膜厚が0.2μmから
2μmの間の値になるように、各薄膜誘電体の誘電率を
設定し、各薄膜導体のうち誘電体基板から最も離れて形
成される薄膜導体以外の各薄膜導体の膜厚を所定の周波
数における表皮深さより薄くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体基板上に形
成される高周波電磁界結合型の薄膜多層電極、上記薄膜
多層電極を用いた高周波共振器及び上記薄膜多層電極を
用いた高周波伝送線路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品の小型化が進む中、マイ
クロ波、準ミリ波又はミリ波などの高周波帯においても
高い誘電率を有する材料を用いることによって、高周波
共振器や高周波伝送線路の小型化がなされてきている。
しかしながら、誘電率を大きくすると、小型化は図れる
が、体積の立方根に反比例してエネルギー損失が増大す
るという問題点があった。
【0003】高周波共振器や高周波伝送線路のエネルギ
ー損失は、表皮効果による導体損失と、誘電体材料によ
る誘電体損失とに大きく分類することができる。近年の
誘電体材料は、高誘電率なものでも低損失な特性を有す
る材料が実用化されてきており、また、高周波帯におい
ては、表皮効果によって、導体表面において高周波電流
が集中するために、導体表面に近づくほど表面抵抗(表
皮抵抗ともいう。)が大きくなり、導体損失(ジュール
損失)が大きくなる。従って、最近では誘電体損失より
も導体損失の方が回路の無負荷Qにおいて支配的であ
る。ここで、表皮効果とは、導体の内部では導体の表面
から離れるに従って、高周波電流が指数関数的に減衰す
るという高周波信号の伝送に特有の現象である。この電
流が流れる導体の薄い領域を表皮深さと呼び、例えば銅
であれば1GHzのとき約2.2μmとなる。しかしな
がら、従来は、高周波応用部品の電極に用いられる導体
の膜厚は、電極を透過して失われる放射損失を回避する
ために、表皮深さよりも十分に厚い膜厚で構成されてい
た。また、金属メッキや金属の焼き付けの技術により電
極を作成する場合の基板や電極膜の表面粗さなどの問題
もあり、電極の厚さを表皮深さに比べて十分厚くするこ
とが損失を小さくすることに結び付いていた。しかし、
最近では鏡面に近い基板の上に膜厚精度のよい電極を成
膜する技術ができはじめており、電極を最適膜厚で構成
することが可能になってきている。
【0004】以上のような状況のもと、本出願人は、特
願平6−310900号等において、薄膜導体と薄膜誘
電体とを交互に積層した薄膜多層電極を提案した。当該
薄膜多層電極は誘電体基板上に形成されて、当該誘電体
基板の誘電率、各薄膜誘電体の誘電率と膜厚及び薄膜導
体の膜厚を所定の値に設定することにより、薄膜多層電
極を所定の周波数で使用したときに、表皮効果を大幅に
抑圧して、高周波における導体損失を小さくできるとい
うものである。例えば、Cuからなる薄膜導体とSiO
2からなる薄膜誘電体とをサファイヤ基板上に交互に形
成して、1GHz近辺の周波数で使用する場合では、当
該各薄膜誘電体の膜厚と当該各薄膜導体の膜厚とを、1
μmから2μmの間の値に設定することにより薄膜多層
電極の導体損失は低減することができる。サファイヤ基
板は上述のように薄い薄膜導体や薄膜誘電体を精度よく
形成する場合に一般的によく用いられる誘電体基板であ
るが、アルミナの単結晶を鏡面研磨することにより製造
されるので非常に高価である。また、最近では、高周波
共振器や高周波伝送線路の小型化の要求と低価格化の要
求がさらに強くなり、サファイヤ基板より高い誘電率を
有しかつ安価なセラミック基板を用いて薄膜多層電極を
形成する検討がされている。ここで、本明細書におい
て、セラミック基板とは、粉末の誘電体材料を所定の温
度で熱処理をすることにより焼結させた誘電体基板のこ
とをいい、上述のように粉末の誘電体材料を所定の温度
で熱処理をすることにより焼結させて製造するためにそ
の表面に多数の孔(以下、本明細書においてポアと言
う。)が存在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、比誘電
率の比較的低い薄膜誘電体を用いて、サファイヤ基板よ
り高い誘電率を有するセラミック基板上に、上述の薄膜
多層電極を形成した場合、セラミック基板の表面に存在
するポアの内部又は周辺で、薄膜誘電体の上下に形成さ
れた薄膜導体同士が短絡して、導体損失を低減させるこ
とができないという問題点があった。また、比誘電率の
比較的高い薄膜誘電体を用いて、上記セラミック基板上
に薄膜多層電極を形成した場合、薄膜誘電体の成膜に時
間がかかり安価に製造することができないという問題点
や、薄膜誘電体が剥がれたり、薄膜誘電体にひび割れが
生じたりして、信頼性が低下するという問題点があっ
た。さらに、以上のようにサファイヤ基板より高い誘電
率を有するセラミック基板上に、薄膜多層電極が形成で
きないので無負荷Qの高い高周波共振器を安価でかつ小
型にできないという問題点があった。また、上述の高い
誘電率を有するセラミック基板上に、薄膜多層電極が形
成できないので伝送損失の小さい高周波伝送線路を安価
でかつ小型にできないという問題点があった。
【0006】本発明の第1の目的は、以上の問題点を解
決して、セラミック基板などの誘電体基板の上に形成す
ることができ、信頼性が高く安価でしかも導体損失の小
さい薄膜多層電極を提供することにある。
【0007】また、本発明の第2の目的は、以上の問題
点を解決して、無負荷Qを高くでき、安価でかつ小型の
高周波共振器を提供することにある。
【0008】さらに、本発明の第3の目的は、以上の問
題点を解決して、伝送損失を小さくでき、安価でかつ小
型の高周波伝送線路を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の薄膜多層電極は、所定の誘電率を有する誘電体基板
上に薄膜導体と薄膜誘電体とを交互に積層することによ
って形成された薄膜多層電極であって、上記薄膜多層電
極を所定の周波数で使用したときに、上記誘電体基板に
生じる電磁界と上記各薄膜誘電体に生じる電磁界とが互
いに実質的に同相になるように、かつ上記各薄膜誘電体
の膜厚が0.2μmから2μmの間の値になるように、
上記各薄膜誘電体の誘電率を設定し、上記各薄膜導体の
うち上記誘電体基板から最も離れて形成される薄膜導体
以外の各薄膜導体の膜厚を上記所定の周波数における表
皮深さより薄くしたことを特徴とする。
【0010】また、請求項2記載の薄膜多層電極は、請
求項1記載の薄膜多層電極において、上記各薄膜誘電体
のうち少なくとも1つは、Al23,Ta25,SiO
2,Si34,MgOのうち少なくとも1つを含むこと
を特徴とする。
【0011】さらに、請求項3記載の薄膜多層電極は、
請求項1又は2記載の薄膜多層電極において、上記各薄
膜誘電体のうち少なくとも1つはTa25とSiO2
を含んでなり、上記Ta25と上記SiO2との比率を
変更することにより当該薄膜誘電体の誘電率を設定した
ことを特徴とする。
【0012】さらにまた、請求項4記載の薄膜多層電極
は、請求項1又は2記載の薄膜多層電極において、上記
各薄膜誘電体のうち少なくとも1つはTa25とAl2
3とを含んでなり、上記Ta25と上記Al23との
比率を変更することにより当該薄膜誘電体の誘電率を設
定したことを特徴とする。
【0013】また、請求項5記載の薄膜多層電極は、請
求項1又は2記載の薄膜多層電極において、上記各薄膜
誘電体のうち少なくとも1つはMgOとSiO2とを含
んでなり、上記MgOと上記SiO2との比率を変更す
ることにより当該薄膜誘電体の誘電率を設定したことを
特徴とする。
【0014】また、請求項6記載の薄膜多層電極は、請
求項1、2、3、4又は5記載の薄膜多層電極におい
て、上記薄膜多層電極は、所定の温度で熱処理をされる
ことにより焼結された誘電体基板上に形成されたことを
特徴とする。
【0015】また、請求項7記載の薄膜多層電極は、請
求項6記載の薄膜多層電極において、上記薄膜多層電極
は、(Zr,Sn)TiO4を主成分とする誘電体基板
上に形成されたことを特徴とする。
【0016】本発明に係る請求項8記載の高周波共振器
は、上記誘電体基板を挟設する2つの電極を備えた高周
波共振器であって、上記2つの電極のうちの少なくとも
一方は、所定の形状を有する、請求項1乃至7のうちの
1つに記載の薄膜多層電極であることを特徴とする。
【0017】本発明に係る請求項9記載の高周波伝送線
路は、上記誘電体基板を挟設する2つの電極を備えた高
周波伝送線路であって、上記2つの電極のうちの少なく
とも一方は、所定の長さと所定の幅を有する、請求項1
乃至7のうちの1つに記載の薄膜多層電極であることを
特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施の形態について説明する。なお、添付図面におい
て同一のものについては同一の参照符号を付す。
【0019】<第1の実施形態>図1は、本発明に係る
第1の実施形態のTMモード誘電体共振器装置の一部破
断斜視図である。ここで、図1は断面図ではないが薄膜
導体1乃至5,E1乃至E5には、薄膜誘電体30−1
乃至30−4,E30−1乃至E30−4と区別するた
めにハッチングを付して示している。
【0020】この第1の実施形態のTMモード誘電体共
振器装置は、薄膜導体1乃至5と薄膜誘電体30−1乃
至30−4とが交互に積層された構造を有する薄膜多層
電極6と、薄膜導体E1乃至E5と薄膜誘電体E30−
1乃至E30−4とが交互に積層された構造を有する薄
膜多層電極E6とによってセラミック基板10が挟設さ
れて構成されるTMモード誘電体共振器R1と、上記T
Mモード誘電体共振器R1を共振周波数で励振したとき
に発生する電磁界をケース40の内部に閉じ込めるため
の円筒形状のケース40とからなり、以下の特徴を有す
る。 (1)セラミック基板10は、(Zr,Sn)TiO4
焼結体からなり、比誘電率εm=38を有する。 (2)薄膜誘電体30−1乃至30−4,E30−1乃
至E30−4は、Ta−Si−O誘電体からなり、薄膜
誘電体30−k,E30−kの各膜厚を0.2μmから
2μmの間の所定の値に設定した。
【0021】以下、図面を参照して第1の実施形態のT
Mモード誘電体共振器装置について詳細に説明する。ま
ず最初に、セラミック基板10と薄膜誘電体30−1乃
至30−4,E30−1乃至E30−4の誘電体材料を
特定しないで、TMモード誘電体共振器装置の構成と、
TMモード誘電体共振器装置の共振周波数における薄膜
多層電極6,E6の動作原理を説明する。
【0022】当該TMモード誘電体共振器R1におい
て、薄膜多層電極6は、セラミック基板10の上面にそ
れぞれ所定の半径r1を有する円形の薄膜導体1乃至5
と、上記薄膜導体1乃至5と同じ半径r1を有する円形
の薄膜誘電体30−1乃至30−4とが、薄膜導体5が
セラミック基板10の上面に接するように交互に積層さ
れて形成される。これによって、それぞれ1つの薄膜誘
電体が1対の薄膜導体で挟設されてなる4個のTMモー
ドの誘電体共振器(以下、副TMモード共振器とい
う。)201乃至204が積層されている。図1におい
て、副TMモード共振器の参照符号を、その副TMモー
ド共振器の各薄膜誘電体30−1乃至30−4の後ろの
括弧の中に付している。ここで、副TMモード共振器2
01乃至204の共振周波数は全て等しくなるように設
定される。
【0023】また、薄膜多層電極E6は、セラミック基
板10の下面にそれぞれ所定の半径r1を有する薄膜導
体E1乃至E5と上記薄膜導体E1乃至E5と同じ半径
r1を有する薄膜誘電体E30−1乃至E30−4と
が、薄膜導体E5が上記セラミック基板10の下面に接
するようにかつ上記薄膜導体5と対向するように、交互
に積層されて形成される。これによって、それぞれ1つ
の薄膜誘電体が1対の薄膜導体で挟設されてなる4個の
副TMモード共振器211乃至214が積層されてい
る。ここで、副TMモード共振器211乃至214の共
振周波数は全て等しくなるように、かつ副TMモード共
振器201乃至204の共振周波数と副TMモード共振
器211乃至214の共振周波数とは等しくなるように
設定される。
【0024】さらに、薄膜導体5と薄膜導体E5とによ
ってセラミック基板10が挟設されてTMモードの共振
器(以下、主TMモード共振器という。)210が構成
される。ここで、主TMモード共振器210の共振周波
数は、副TMモード共振器201乃至204と副TMモ
ード共振器211乃至214の共振周波数と等しくなる
ように設定される。また、主TMモード共振器210
は、薄膜導体5の外周円と薄膜導体E5の外周円を厚さ
方向に結ぶセラミック基板10内の円周面で開放条件を
満足する。すなわち当該円周面は磁気壁である。さら
に、副TMモード共振器201乃至204の薄膜誘電体
30−1乃至30−4の円周面と副TMモード共振器2
11乃至214の薄膜誘電体E30−1乃至30−4の
円周面は、それぞれ開放条件を満足する磁気壁である。
【0025】ここで、特に第1の実施形態のTMモード
誘電体共振器装置においては、主TMモード共振器21
0を上記共振周波数で励振したときに生じる電磁界と各
副TMモード共振器201乃至204を上記共振周波数
で励振したときに生じる電磁界とが互いに実質的に同相
になるように、各薄膜誘電体30−1乃至30−4の膜
厚xa1乃至xa4と比誘電率εsを設定し、かつ主TMモ
ード共振器210の電磁界と各副TMモード共振器21
1乃至214を上記共振周波数で励振したときに生じる
電磁界とが互いに実質的に同相になるように、各薄膜誘
電体E30−1乃至E30−4の膜厚xae1乃至xae4
比誘電率εsを設定している。また、薄膜導体2乃至5
の各導体膜厚を、上記共振周波数の表皮深さδ0よりも
薄く、かつ上層ほど厚くなるように所定の膜厚に設定す
ることによって、互いに隣接する主TMモード共振器2
10と副TMモード共振器204,副TMモード共振器
204と副TMモード共振器203,副TMモード共振
器203と副TMモード共振器202,副TMモード共
振器202と副TMモード共振器201間で各電磁界を
互いに結合させる。これにより、主TMモード共振器2
10の共振エネルギーを副TMモード共振器204、2
03,202,201に一部移行させ、各薄膜導体1乃
至5においてそれぞれに高周波電流が流れるように構成
し、高周波による表皮効果を大幅に抑圧する。
【0026】また、同様に薄膜導体E2乃至E5の各導
体膜厚を設定することにより、主TMモード共振器21
0の共振エネルギーを副TMモード共振器214、21
3,212,211に一部移行させ、各薄膜導体E1乃
至E5においてそれぞれに高周波電流が流れるように構
成し、高周波による表皮効果を大幅に抑圧する。すなわ
ち、上記薄膜多層電極6,E6はそれぞれ、高周波電磁
界結合型の薄膜多層電極である。
【0027】さらに薄膜導体1,E1の各導体膜厚を、
薄膜導体1,E1の導体損失と放射損失の合計の損失が
最小になる膜厚である上記共振周波数の表皮深さδ0
π/2倍になるように薄膜導体1,E1を形成する。
【0028】そして、上記TMモード誘電体共振器R1
は、互いに対向する上端面と下端面を有し上記セラミッ
ク基板10の外周円と同じ内径を有する円筒形状のケー
ス40内に、セラミック基板10の側面と上記ケース4
0の内周面が接するように、かつ上記薄膜多層電極6の
上面と上記ケース40の上端面が所定の距離だけ離れ、
さらに上記薄膜多層電極E6の下面と上記ケース40の
下端面とが電気的に導通するように接して固定される。
以上のようにして、第1の実施形態のTMモード誘電体
共振器装置は構成される。
【0029】以上のように構成された第1の実施形態の
TMモード誘電体共振器装置の共振状態における薄膜多
層電極6,E6の動作について以下に説明する。
【0030】主TMモード共振器210が共振周波数を
有する高周波信号で励振されたとき、公知のように、主
TMモード共振器210はTMモードで共振する。この
とき、薄膜多層電極6の最下層に位置する薄膜導体5
は、上記主TMモード共振器210の共振エネルギーの
一部を上側の薄膜導体4に透過する。各薄膜導体1乃至
4はそれぞれ、より下側の薄膜誘電体を介して入射した
上記共振エネルギーの一部をより上側の薄膜導体に透過
する。これによって、上記副TMモード共振器201乃
至4は上記主TMモード共振器210と等しい周波数で
共振しており、各導体薄膜1乃至5の上側表面近傍と下
側表面近傍では互いに逆方向の対面する2つの高周波電
流(以下、対面する2つの高周波電流という。)が流れ
ている。すなわち、各薄膜導体2乃至5の膜厚が表皮深
さδ0よりも薄いために、対面する2つの高周波電流は
干渉し、一部を残して互いに相殺される。一方、各薄膜
誘電体30−1乃至30−4には、電磁界によって変位
電流が生じ、隣接する薄膜導体の表面に高周波電流を生
じさせる。さらに、上記各薄膜誘電体30−1乃至30
−4の各膜厚xa1乃至xa4を、上記主TMモード共振器
210と上記各副TMモード共振器201乃至204の
電磁界が実質的に同相になるように構成しているので、
上記各薄膜導体1乃至5に流れる高周波電流は実質的に
互いに同位相となる。これによって、上記各薄膜導体1
乃至5において同位相で流れる高周波電流は、実効的に
表皮深さを増大させる。
【0031】また、第1の実施形態においては、より上
層の薄膜導体ほど導体膜厚が厚く設定されており、より
上層の薄膜導体にゆくにつれて、高周波電流の振幅が増
加する。これによって、実効的に表皮深さを最も増加さ
せるように動作する。さらに、最上層の薄膜導体1は、
表皮深さよりも厚い表皮深さのπ/2倍に設定されてい
るので、薄膜導体自身の表皮深さを実効的に増加させる
ように動作する一方、上記共振エネルギーが自由空間に
放射されないように遮蔽している。以上のようにして、
薄膜多層電極6,E6の導体損失を1層の導体で形成し
た場合に比較して小さくできるので、原理的には、極め
て大きな無負荷QのTMモード誘電体共振器装置を実現
することができる。
【0032】上述したようにTMモード誘電体共振器R
1において、薄膜多層電極6の導体損失を低減するため
には、TMモード誘電体共振器R1の共振周波数すなわ
ち使用周波数において、セラミック基板10に生じる電
磁界と薄膜誘電体30−k(k=1,2,3,4、以下
本明細書において同様とする。)に生じる電磁界とが互
いに実質的に同相になるように、セラミック基板10の
比誘電率εmと薄膜誘電体30−kの比誘電率εsと薄膜
誘電体30−kの各膜厚xakを設定する必要がある。
【0033】我々の検討結果によると、使用周波数にお
いて、セラミック基板10に生じる電磁界と薄膜誘電体
30−kに生じる電磁界とが互いに実質的に同相になる
ように設定された各膜厚xakは、{(εm/εs)−1}
の逆数に比例する(例えば、特願平6−310900号
参照)。すなわち、セラミック基板10の比誘電率εm
を大きくすると膜厚xakは小さくなり、セラミック基板
10の比誘電率εmを小さくすると膜厚xakは大きくな
る。薄膜誘電体30−kの比誘電率をεs小さくすると
膜厚xakは小さくなり、薄膜誘電体30−kの比誘電率
εsを大きくすると膜厚xakは大きくなる。薄膜多層電
極E6においても同様である。従って、第1の実施形態
のTMモード誘電体共振器装置において、薄膜多層電極
6,E6の導体損失を小さくするためには、セラミック
基板10の比誘電率εmと薄膜誘電体30−k,E30
−kの比誘電率εsをどのように設定するかが重要であ
る。言い換えれば、薄膜多層電極6,E6の導体損失を
小さくするためには、セラミック基板10と薄膜誘電体
30−k,E30−kに用いる誘電体材料の選択が重要
な要素となる。
【0034】次に、第1の実施形態のセラミック基板1
0に用いた誘電体材料と薄膜誘電体30−1乃至30−
4,E30−1乃至E30−4に用いた誘電体材料につ
いて説明する。ここで、第1の実施形態において、TM
モード誘電体共振器R1の共振周波数f0は950MH
zに設定される。従って、薄膜多層電極6の使用周波数
は950MHzである。
【0035】第1の実施形態において、セラミック基板
10は、化学式(Zr,Sn)TiO4になるように調
合された粉末材料を、所定の形状に成形した後、135
0℃の温度で焼結させ、さらに所定の厚さhに切断され
た後、上面と下面とを研磨することにより形成される。
ここで、セラミック基板10は比誘電率εm=38を有
する。また、このようにして形成されたセラミック基板
10の表面には、一般的に良く知られたように多数のポ
アが存在する。本発明者らは、まず、TMモード誘電体
共振器R1の共振周波数f0=950MHzにおいて、
セラミック誘電体基板10に生じる電磁界と薄膜誘電体
30−kに生じる電磁界とが互いに同相になるときの、
薄膜誘電体30−kの比誘電率εsに対する薄膜誘電体
30−kの膜厚xakを計算により求めた。その結果のう
ち、薄膜誘電体30−1と薄膜誘電体30−4につい
て、図2のグラフに示す。ここで、図2には示されてい
ないが、薄膜誘電体30−2と薄膜誘電体30−3の膜
厚xakは薄膜誘電体30−1と薄膜誘電体30−4の膜
厚の間の値をとる。
【0036】本発明者らは、セラミック基板10上に、
二酸化けい素SiO2からなる薄膜誘電体30−kを用
いて薄膜多層電極6を形成することを試みた。図2に示
すように、セラミック基板10の比誘電率εm=38と
SiO2の比誘電率=4とを用いて計算をした結果、各
薄膜誘電体30−kの膜厚xakを0.1μmから0.2
μmの間の所定の値に設定すると、導体損失を低減でき
ることがわかった。しかしながら、このような薄い薄膜
誘電体30−kを用いて実際に薄膜多層電極6をセラミ
ック基板10の上面に形成すると、セラミック基板10
の上面に存在するポアの内部とその縁端部で、薄膜誘電
体30−kを介して隣接する薄膜導体k,k+1同士が
短絡して、導体損失を低減することができないことがわ
かった。
【0037】これは、ポアの内部とその縁端部において
は以下のような理由により隣接する薄膜導体k,k+1
が短絡するためと推定される。まず、セラミック基板1
0の上面には、薄膜導体5が例えばスパッタリング法を
用いて形成される。このとき、薄膜導体5はセラミック
基板10の上面に存在するポアの窪んだ表面に沿って形
成される。すなわち、薄膜導体5の上面には、セラミッ
ク基板10の表面と同様なポアが存在する。以上のよう
に表面にポアを有する薄膜導体5の上面に、薄膜誘電体
30−4を例えばスパッタリング法を用いて形成する
と、当該ポアの内部の表面には薄膜誘電体30−4が薄
く形成された部分と厚く形成された部分が存在する。す
なわち、当該ポアの内部の表面は、セラミック基板10
の厚さ方向に対して種々の角度を有する面の集合体と考
えることができる。また、薄膜誘電体30−kはスパッ
タリング法により、粒子状又は分子状の誘電体材料をセ
ラミック基板10の厚さ方向に堆積させることにより形
成される。従って、ポアの内部の表面において、セラミ
ック基板10の厚さ方向に垂直な面では所定の厚さに薄
膜誘電体30−4が形成されるが、セラミック基板10
の厚さ方向に垂直でない面では所定の厚さより薄く形成
される。
【0038】従って、例えばSiO2を用いて薄膜誘電
体30−4の膜厚xa4が0.1μmになるように形成し
ようとすると、ポアの内部のセラミック基板10の厚さ
方向に垂直でない面では所定の厚さである0.1μmよ
り薄く形成され、このような薄い薄膜誘電体30−4で
は、ポアの内部の表面を完全に覆うように薄膜誘電体3
0−4を形成することができないと推定される。これに
よって、ポアの内部では薄膜導体5が表面に露出した部
分が存在し、薄膜誘電体30−4の上面に形成される薄
膜導体4と薄膜導体5とが短絡するものと思われる。薄
膜誘電体30−1乃至30−3及び薄膜導体1乃至薄膜
導体4においても同様である。また、我々の検討の結果
では、ポアの縁端部ではさらに薄膜誘電体の膜厚は薄く
なることが確認されている。従って、ポアの縁端部にお
いても、薄膜導体5が表面に露出し易くなり、薄膜誘電
体30−4の上面に形成される薄膜導体4と薄膜導体5
とが短絡するものと思われる。これらのことをさらに詳
細に検討した結果、表面にポアが存在するセラミック基
板10上に薄膜多層電極6を形成する場合、薄膜誘電体
30−kの膜厚を0.2μm以上の値に設定することに
より、薄膜誘電体30−kを介して隣接する薄膜導体
k,k+1の間の短絡を防止できることがわかった。従
って、セラミック基板10上に形成する薄膜多層電極6
において、薄膜誘電体30−kの膜厚xakは0.2μm
以上に設定することが好ましい。
【0039】次に、本発明者らは、酸化タンタルTa2
5を用いて薄膜多層電極6をセラミック基板10上に
形成すること試みた。この場合、図2に示すように、各
薄膜誘電体30−kの膜厚xakを2μmから3μmの間
の所定の値に設定すると導体損失を低減することがで
き、セラミック基板10の上面に存在するポアの内部と
その縁端部においても薄膜導体k,k+1間において短
絡は発生しないことがわかった。しかしながら、このよ
うな厚さの薄膜誘電体30−kは、成膜に時間がかかる
上、薄膜誘電体30−kにひび割れ(以下、クラックと
いう。)が発生したり、薄膜誘電体30−kが剥がれ易
くなったり、セラミック基板10が反ったりする場合が
あり、薄膜多層電極6を長い期間にわたって使用する
と、時間の経過とともに導体損失が増大する等、信頼性
が良くないことがわかった。
【0040】この理由は、以下のように説明することが
できる。すなわち、一般的に、スパッタリング法や真空
蒸着法を用いて形成した薄膜誘電体30−kには、格子
欠陥などに起因すると思われる内部応力σが必ず存在す
る。ここで、内部応力σとは薄膜誘電体30−kの内部
にとった任意の単位面積の面を通して当該面の両側の誘
電体が相互に及ぼす力のことをいい、Pa等の圧力の単
位で表される。また、薄膜誘電体30−kの全応力S
は、薄膜誘電体30−kの膜厚xakと内部応力σとの積
に比例する。すなわち、全応力Sは次の数1で表され
る。ここで、全応力Sは薄膜誘電体30−kを1つの表
面層とみなしたときの、当該表面層に生じる表面張力に
相当し、N/mの単位で表される。
【0041】
【数1】S∝σ×xak
【0042】上述したように、薄膜誘電体30−kの全
応力Sは、薄膜誘電体30−kの膜厚xakに比例する。
すなわち、薄膜誘電体30−kの全応力Sは、薄膜誘電
体30−kの膜厚xakが大きくなる程大きくなる。従っ
て、薄膜誘電体30−kの膜厚xakが大きくなると全応
力Sが大きくなり、薄膜誘電体30−kにクラックが発
生したり、薄膜誘電体30−kが剥がれ易くなったり、
セラミック基板10が反ったりするものと考えられる。
さらに、詳細に検討をした結果、本発明者らは、薄膜誘
電体30−kの膜厚xakが2μm以下であると上述の現
象は発生しないことを確認した。従って、セラミック基
板10上に形成する薄膜多層電極6において、薄膜誘電
体30−kの膜厚xakは2μm以下に設定することが好
ましい。
【0043】上述したことから本発明者らは次のような
結論を得た。すなわち、 (1)表面にポアの存在するセラミック基板10上に薄
膜多層電極6を形成する場合、薄膜誘電体30−kの膜
厚を好ましくは0.2μmから2μmの間の値に設定す
ることにより、薄膜誘電体30−kを介して隣接する薄
膜導体k,k+1の間の短絡を防止でき、かつ薄膜誘電
体30−kのクラックの発生、薄膜誘電体30−kの剥
がれ又はセラミック基板10の反りを防止できる。
【0044】さらに、検討を進めて本発明者らは、次に
示す結果を得た。 (2)比誘電率εmが38のセラミック基板10の上に
形成される薄膜多層電極6を950MHz近辺の周波数
で使用する場合、薄膜誘電体30−kの比誘電率εs
4から23の範囲に設定することにより、薄膜誘電体3
0−kの膜厚xakを0.2μmから2μmの間の値に設
定することができ、かつ薄膜多層電極6の導体損失を低
減することができる。
【0045】そこで、本発明者らは、上述の(2)の条
件を満足する誘電体材料を探索した。その結果、Ta−
Si−O誘電体を見いだした。ここで、本明細書におい
て、Ta−Si−O誘電体とは、Ta25とSiO2
からなり、Ta25とSiO2の組成比を変更すること
により、当該誘電体材料の比誘電率を変更できる材料の
ことをいう。図3は、Ta−Si−O誘電体におけるT
25のモル比率に対するTa−Si−O誘電体の比誘
電率εrを示すグラフである。図3のグラフから明らか
なように、Ta25のモル比率が0から100%まで変
化することにより、Ta−Si−O誘電体の比誘電率ε
rは4から23までほぼ直線的に変化することがわか
る。すなわち、Ta25とSiO2の組成比を変更する
ことにより、Ta−Si−O誘電体の比誘電率εrを4
から23までの間の所定の値に設定することができる。
従って、第1の実施形態ては、Ta25とSiO2の組
成比を変更することにより薄膜誘電体30−kの比誘電
率εsを4から23までの間の所定の値に設定すること
ができ、薄膜誘電体30−kの膜厚xakを0.2μmか
ら2μmの間の値に設定することができる。
【0046】以上、薄膜多層電極6をもとに説明した
が、薄膜多層電極E6についても同様である。従って、
第1の実施形態においては、Ta−Si−O誘電体を用
いて薄膜誘電体30−k,E30−kを形成し、これに
よって、薄膜誘電体30−k,E30−kの膜厚xak
aekを0.2μmから2μmの間の値になるように設
定した。
【0047】以上の第1の実施形態のTMモード誘電体
共振器R1によれば、薄膜多層電極6,E6を備えたの
で、実効的に表皮深さを増大させ、導体損失及び表面抵
抗を従来に比較して大幅に低減することができる。これ
によって、極めて大きな無負荷QのTMモード誘電体共
振器を実現することができる。
【0048】以上の第1の実施形態のTMモード誘電体
共振器装置は、上記TMモード誘電体共振器R1を備え
ているので無負荷Qを高くすることができ、上記キャビ
ティー40を備えているので、放射損失が小さくでき無
負荷Qをさらに高くできるとともに、上記TMモード誘
電体共振器R1の電磁界が外部の回路の電磁界と結合す
ることを防ぐことができ、共振周波数を安定させること
ができる。
【0049】以上の第1の実施形態の薄膜多層電極6,
E6は、Ta−Si−O誘電体を用いて薄膜誘電体30
−k,E30−kを形成しているので、薄膜誘電体30
−k,E30−kの各膜厚xak,xaekを0.2μmか
ら2μmの間の値に設定することができる。
【0050】以上の第1の実施形態のTMモード誘電体
共振器装置において、薄膜誘電体30−k,E30−k
の各膜厚xak,xaekは、0.2μmから2μmの間の
値に設定されているので、薄膜導体間の短絡を防止する
ことができ薄膜多層電極6,E6の導体損失を低減する
ことができるとともに、信頼性の高い薄膜多層電極6,
E6を形成することができる。
【0051】以上の第1の実施形態のTMモード誘電体
共振器装置において、薄膜誘電体30−k,E30−k
に用いたTa−Si−O誘電体は、Ta25とSiO2
の組成比を変更することにより、Ta−Si−O誘電体
の比誘電率εrを4から23までの間の所定の値に設定
することができる。これによって、使用周波数におい
て、セラミック基板10に生じる電磁界と薄膜誘電体3
0−k,E30−kに生じる電磁界とが互いに実質的に
同相になるように、かつ薄膜誘電体30−k,E30−
kの各膜厚xak,xaekが0.2μmから2μmの間の
値になるように、薄膜誘電体30−k,E30−kの比
誘電率εsを設定することができる。
【0052】<第2の実施形態>図4は、本発明に係る
第2の実施形態のTMモード誘電体共振器装置の一部破
断斜視図である。ここで、図4は断面図ではないが薄膜
導体11乃至15,E11乃至E15には、薄膜誘電体
31−1乃至31−4,E31−1乃至E31−4と区
別するためにハッチングを付して示している。また、図
4において図1と同様のものには同様の符号を付してい
る。
【0053】この第2の実施形態のTMモード誘電体共
振器装置は、図1のTMモード誘電体共振器装置と比較
して以下の点が異なる。 (1)薄膜誘電体31−k,E31−kの各膜厚xak
aekは同一の値に設定され、かつ薄膜導体11乃至1
5,E11乃至E15の各導体膜厚は同一の値に設定さ
れる。 (2)薄膜誘電体31−k,E31−kは、Al−Ta
−O誘電体からなり、薄膜誘電体31−k,E31−k
の各膜厚xak,xaekを0.2μmから2μmの範囲の
所定の値に設定した。ここで、第2の実施形態では、薄
膜多層電極16,E16の半径r2を所定の値に設定す
ることにより、TMモード誘電体共振器R2の共振周波
数f0を2.6GHzに設定した。
【0054】以下、図面を参照して、第2の実施形態の
TMモード誘電体共振器装置について詳細に説明する。
まず、第2の実施形態においては、薄膜誘電体31−
k,E31−kの各膜厚xak,xaekは同一の値であ
り、かつ薄膜導体11乃至15,E11乃至E15の各
導体膜厚は同一の値であるという条件のもとで、セラミ
ック基板10に発生する電磁界と各薄膜誘電体31−
k,E31−kに生じる電磁界とが互いに実質的に同相
になるように膜厚xak,xaekと導体膜厚とを設定し
た。本発明者らの検討結果によれば、以上のように構成
された薄膜多層電極16,E16は、第1の実施形態の
薄膜多層電極6,E6に比較すると導体損失は大きくな
るが、例えば、表皮深さより十分厚い単層の電極に比べ
ると十分導体損失は小さくできることが確認されてい
る。
【0055】次に、第2の実施形態の薄膜誘電体31−
1乃至31−4,E31−1乃至E31−4に用いた誘
電体材料について説明する。ここで、セラミック基板1
0は、第1の実施形態と同様、化学式(Zr,Sn)T
iO4になるように調合された粉末材料を、所定の形状
になるように成形した後、1350℃の温度で焼結させ
た焼結体からなり、比誘電率εm=38を有する。ま
た、上述のように第2の実施形態において、TMモード
誘電体共振器R2の共振周波数f0は2.6GHzに設
定されているので、薄膜多層電極16,E16の使用周
波数は2.6GHzである。
【0056】図5は、セラミック基板10に生じる電磁
界と薄膜誘電体31−kに生じる各電磁界とが実質的に
同相になるように設定されたときの、薄膜誘電体31−
kの比誘電率εsに対する薄膜誘電体31−kの膜厚x
akを示すグラフである。ここで、薄膜誘電体31−kの
膜厚xakは、薄膜誘電体31−kに生じる各電磁界の位
相が実質的に同一になるように設定されている。図5の
グラフをもとに考察すると、比誘電率が4であるSiO
2を用いて薄膜誘電体31−kを構成すると、当該薄膜
誘電体31−kの膜厚xakは、略0.1μmになる。ま
た、薄膜誘電体31−kの膜厚xakを0.2から2.0
μmの範囲の値になるように設定するためには、薄膜誘
電体30−kの比誘電率εsを8から27の範囲内の所
定の値に設定する必要があることがわかる。
【0057】そこで、本発明者らは、上述の条件を満足
する誘電体材料を探索した結果、Al−Ta−O誘電体
を見いだした。ここで、本明細書において、Al−Ta
−O誘電体とは、酸化アルミニウムAl23とTa25
とからなり、Al23とTa25の組成比を変更するこ
とにより、当該誘電体材料の比誘電率を変更できる材料
のことをいう。図6は、Al−Ta−O誘電体における
Ta25のモル比率に対するAl−Ta−O誘電体の比
誘電率εrを示すグラフである。図6のグラフから明ら
かなように、Ta25のモル比率が0から100%まで
変化することにより、Al−Ta−O誘電体の比誘電率
εrは8から23までほぼ直線的に変化することがわか
る。すなわち、Al23とTa25の組成比を変更する
ことにより、Al−Ta−O誘電体の比誘電率εrを8
から23までの間の所定の値に設定することができる。
従って、第2の実施形態では、Al23とTa25の組
成比を変更することにより薄膜誘電体30−kの比誘電
率εsを8から23までの間の所定の値に設定すること
ができ、薄膜誘電体30−kの膜厚xakを0.2μmか
ら2μmの間の値に設定することができる。
【0058】以上の第2の実施形態では、薄膜誘電体3
1−k,E31−kの各膜厚xak,xaekは同一の値に
設定され、かつ薄膜導体11乃至15,E11乃至E1
5の各導体膜厚は同一の値に設定されているので、各膜
厚の計算時間を短くでき、薄膜多層電極16,E16を
形成する工程を簡単にできる。
【0059】以上の第2の実施形態のTMモード誘電体
共振器装置において、Al−Ta−O誘電体を用いて、
薄膜誘電体31−k,E31−kを形成しているので、
薄膜誘電体31−k,E31−kの各膜厚xak,xaek
を0.2μmから2μmの間の値に設定することができ
る。
【0060】以上の第2の実施形態のTMモード誘電体
共振器装置において、薄膜誘電体31−k,E31−k
の各膜厚xak,xaekは、0.2μmから2μmの間の
値に設定されているので、薄膜導体間の短絡を防止する
ことができ薄膜多層電極16,E16の導体損失を低減
することができるとともに、信頼性の高い薄膜多層電極
16,E16を形成することができる。
【0061】以上の第2の実施形態のTMモード誘電体
共振器装置において、薄膜誘電体31−k,E31−k
に用いたAl−Ta−O誘電体は、Al23とTa25
の組成比を変更することにより、Al−Ta−O誘電体
の比誘電率εrを8から23までの間の所定の値に設定
することができる。これによって、薄膜誘電体31−
k,E31−kに生じる各電磁界が互いに実質的に同相
になるように、かつ薄膜誘電体31−k,E31−kの
各膜厚xak,xaekが0.2μmから2μmの間の値に
なるように、薄膜誘電体31−k,E31−kの比誘電
率を設定することができる。
【0062】また、第2の実施形態において、薄膜誘電
体31−k,E31−kの膜厚xak,xaekを0.2μ
mから2.0μmの範囲の値になるように設定するため
には、薄膜誘電体31−k,E31−kの比誘電率εs
を8から27の範囲内の所定の値に設定すればよい。従
って、第2の実施形態では、比誘電率εr=23のTa2
5を単体で用いて薄膜誘電体31−k,E31−kを
構成してもよい。
【0063】<第3の実施形態>第3の実施形態のTM
モード誘電体共振器装置(図示せず)は、第2の実施形
態のTMモード誘電体共振器装置において、セラミック
基板10に代えてMgTiO3−CaTiO3−La23
焼結体であるセラミック基板を用い、Al−Ta−O誘
電体に代えてMgO−SiO2誘電体を用いて薄膜誘電
体31−k,E31−kを形成した以外は、第2の実施
形態と同様に構成される。ここで、MgTiO3−Ca
TiO3−La23焼結体であるセラミック基板の比誘
電率は21である。この場合、第2の実施形態と同様に
薄膜誘電体31−k,E31−kの膜厚xak,xaek
0.2μmから2μmの間の値に設定するためには、薄
膜誘電体31−k,E31−kの比誘電率εsを、4か
ら15の間の値に設定しなければならない。一方、Mg
O−SiO2誘電体は、MgOとSiO2の組成比を変更
することにより、その比誘電率を4から8の間で変化さ
せることができる。例えば、MgO:SiO2=1:1
に設定するとMgO−SiO2誘電体の比誘電率は5に
なり、MgO:SiO2=3:1に設定するとMgO−
SiO2誘電体の比誘電率は7になる。従って、セラミ
ック基板10としてMgTiO3−CaTiO3−La2
3焼結体を用いて、MgO−SiO2誘電体を用いて薄
膜誘電体31−k,E31−kを形成し、MgOとSi
2の組成比を変更することにより、薄膜誘電体31−
k,E31−kの膜厚xak,xaekを0.2μmから2
μmの間の値に設定することができる。また、この第3
の実施形態では、比誘電率εr=4のSiO2を単体で用
いて薄膜誘電体31−k,E31−kを形成してもよ
い。
【0064】以上の第3の実施形態においては、上述し
たように薄膜誘電体31−k,E31−kの膜厚xak
aekを0.2μmから2μmの間の値に設定するため
には、薄膜誘電体31−k,E31−kの比誘電率εs
は4から15の間の値であればよい。従って、第3の実
施形態では、比誘電率εrが8であるMgO単体又は比
誘電率εrが4であるSiO2単体で薄膜誘電体31−
k,E31−kを形成してもよい。また、比誘電率εr
が略7であるSi34で構成してもよい。
【0065】<第4の実施形態>図7は、本発明に係る
第4の実施形態である1/2波長線路型共振器を用いた
フィルタの斜視図である。
【0066】この第4の実施形態の1/2波長線路型共
振器は、薄膜導体21乃至25と薄膜誘電体32−1乃
至32−4とが交互に積層された薄膜多層電極26を用
いた電磁界結合型薄膜積層伝送線路を用いることを特徴
としている。当該電磁界結合型薄膜積層伝送線路におい
ては、その下面に接地導体111が形成されたセラミッ
ク基板100の上面に、最下層である薄膜導体25が接
するように薄膜多層電極26が形成される。これによっ
て、薄膜導体25と、接地導体111と、薄膜導体25
と接地導体111間に挟設されたセラミック基板100
とによってTEMモードのマイクロストリップ線路(以
下、主伝送線路という。)LN100が構成される一
方、当該主伝送線路LN100上に、それぞれ1つの薄
膜誘電体が1対の薄膜導体で挟設されてなる4個のTE
Mモードのマイクロストリップ線路(以下、副伝送線路
という。)LN1乃至LN4が積層されている。図7に
おいては、副伝送線路の参照符号を、その副伝送線路の
各薄膜誘電体に対して括弧の中に付している。
【0067】詳細に説明すると、図7に示すように、裏
面全面に接地導体111が形成されたセラミック基板1
00上に、長手方向の長さがλg/2(λgは管内波長
である。)である帯形状の薄膜導体25が形成される。
ここで、薄膜導体25と、接地導体111と、薄膜導体
25と接地導体111の間に挟設されたセラミック基板
100とによってマイクロストリップ線路にてなる主伝
送線路LN100が構成される。次いで、薄膜導体25
上に、薄膜誘電体32−4、薄膜導体24、薄膜誘電体
32−3、薄膜導体23、薄膜誘電体32−2、薄膜導
体22、薄膜誘電体32−1、薄膜導体21の順で積層
形成される。これによって、以下のように副伝送線路L
N1乃至LN4が構成されている。 (a)薄膜誘電体32−1が1対の薄膜導体21と薄膜
導体22によって挟設されて副伝送線路LN1が構成さ
れる。 (b)薄膜誘電体32−2が1対の薄膜導体22と薄膜
導体23によって挟設されて副伝送線路LN2が構成さ
れる。 (c)薄膜誘電体32−3が1対の薄膜導体23と薄膜
導体24によって挟設されて副伝送線路LN3が構成さ
れる。 (d)薄膜誘電体32−4が1対の薄膜導体24と薄膜
導体25によって挟設されて副伝送線路LN4が構成さ
れる。
【0068】ここで、特に、 (a)各薄膜誘電体32−1乃至32−4の膜厚xa1
至xa4と比誘電率εsを、主伝送線路LN100と各副
伝送線路LN1乃至LN4を伝搬するTEM波の位相速
度を互いに実質的に一致させるようにかつ各薄膜誘電体
32−1乃至32−4の膜厚xa1乃至xa4が0.2μm
から2μmの間の値になるように設定する。 (b)薄膜導体22乃至25の各導体膜厚を、使用周波
数の表皮深さδ0よりも薄く、かつ上層ほど厚くなるよ
うに所定の膜厚に設定する。 (c)薄膜導体1の導体膜厚を、薄膜導体1の導体損失
と放射損失の合計の損失が最小になる膜厚である使用周
波数の表皮深さδ0のπ/2倍になるように設定する。
【0069】さらに、セラミック基板100上に、入力
端子用導体112が、薄膜導体25の長手方向の一端と
所定のギャップg1だけ離れかつ電磁的に互いに結合す
るように近接して形成される一方、出力端子用導体11
3が、薄膜導体25の長手方向の他端と所定のギャップ
g2だけ離れかつ電磁的に互いに結合するように近接し
て形成される。なお、第4の実施形態においては、入力
端子用導体112と薄膜導体25の一端との結合と、出
力端子用導体113と薄膜導体25の他端との結合と
は、容量結合である。
【0070】以上のように構成された1/2波長線路型
共振器において、主伝送線路LN100が高周波信号で
励振されたとき、最下層の薄膜導体25は、当該高周波
信号のエネルギーの一部を上側の薄膜導体24に透過す
る。各薄膜導体21乃至24はそれぞれ、より下側の薄
膜誘電体を介して入射した高周波電力の一部をより上側
の薄膜導体に透過するとともに、当該高周波信号のエネ
ルギーの一部をより下側の薄膜誘電体を介してより下側
の薄膜導体に反射している。そして、隣接する2つの薄
膜導体によって挟設された各薄膜誘電体32−1乃至3
2−4内ではそれぞれ、上記反射波と透過波とが共振し
ており、各薄膜導体21乃至25の上側表面近傍と下側
表面近傍では互いに逆方向の対面する2つの高周波電流
(以下、対面する2つの高周波電流という。)が流れて
いる。すなわち、各薄膜導体22乃至25の膜厚が表皮
深さδ0よりも薄いために、対面する2つの高周波電流
は干渉し、一部を残して互いに相殺される。一方、各薄
膜誘電体32−1乃至32−4には、電磁界によって変
位電流が生じ、隣接する薄膜導体の表面に高周波電流を
生じさせる。さらに、上記各薄膜誘電体32−1乃至3
2−4の各膜厚xa1乃至xa4を、上記主伝送線路LN1
00と上記各副伝送線路LN1乃至LN4を伝搬する各
TEM波の位相速度が互いに実質的に一致するように構
成しているので、上記各薄膜導体21乃至25に流れる
高周波電流は実質的に互いに同位相となる。これによっ
て、上記各薄膜導体21乃至25において同位相で流れ
る高周波電流は、実効的に表皮深さを増大させる。
【0071】従って、1/2波長線路型共振器を高周波
信号で励振すると、高周波の電磁界エネルギーは、各隣
接する伝送線路の電磁界の結合によって、より上の伝送
線路に移行する一方、当該共振器の伝送線路の長手方向
に伝搬する。このとき、当該共振器は、実効的により大
きな表皮深さδ0を有して、言い換えれば、より小さい
表面抵抗Rsを有して、上記TEM波が伝搬して1/2
波長線路型共振器の両端部で反射するため、共振状態と
なる。
【0072】ここで、セラミック基板100は、第1と
第2の実施形態と同様、(Zr,Sn)TiO4からな
る。また、薄膜誘電体32−kは、第1の実施形態で用
いたTa−Si−O誘電体又は第2の実施形態で用いた
Al−Ta−O誘電体を用いて、薄膜誘電体32−kの
各膜厚xakが0.2μmから2.0μmの間の値になる
ように設定する。
【0073】以上のように構成された第4の実施形態の
1/2波長線路型共振器は、導体損失が小さい薄膜多層
電極26を備えているので、高い無負荷Qを有する。
【0074】<変形例>以上の第1と第2の実施形態及
び第4の実施形態では、(Zr,Sn)TiO4からな
るセラミック基板10,100を用いたが、本発明はこ
れに限らず、(Zr,Sn)TiO4を主成分とし、例
えば、焼結させる際に焼結を促進させたり、焼結温度を
下げる働きのある添加剤を含んでいてもよい。以上のよ
うに構成しても第1と第2及び第4の実施形態と同様に
動作して、同様の効果を有する。
【0075】以上の第1乃至第4の実施形態では、(Z
r,Sn)TiO4からなるセラミック基板10,10
0又はMgTiO3−CaTiO3−La23焼結体であ
るセラミック基板を用いたが、本発明はこれに限らず、
例えば、BaO−PbO−Nd23−TiO2などの他
のセラミック基板を用いて構成してもよい。以上のよう
に構成しても第1乃至第4の実施形態と同様に動作し
て、同様の効果を有する。
【0076】また、以上の第1乃至第4の実施形態で
は、Ta−Si−O誘電体、Al−Ta−O誘電体又は
MgO−SiO2混合誘電体を用いて薄膜誘電体30−
k,E30−k,31−k,E31−k,32−kを形
成した。しかしながら、本発明はこれに限らず、薄膜誘
電体の膜厚を0.2μmから2μmの範囲の値に設定す
ることができる、例えば、Si34−SiO2などの他
の誘電体材料を用いてもよい。以上のように構成しても
第1乃至第4の実施形態と同様に動作して、同様の効果
を有する。
【0077】以上の第1乃至第3の実施形態では、1つ
のTMモード誘電体共振器R1,R2を構成したが、本
発明はこれに限らず、2つ以上のTMモード誘電体共振
器を備えてフィルタを構成してもよい。以上のように構
成しても第1乃至第3と同様の効果を有する。
【0078】また、第4の実施形態では、薄膜多層電極
26を用いて1/2波長線路型共振器を構成したが、本
発明はこれに限らず、入力用伝送線路と電磁界結合型薄
膜積層伝送線路との間、並びに出力用伝送線路と電磁界
結合型薄膜積層伝送線路との間を比較的強い電磁結合で
結合させて伝送線路を構成してもよい。以上のように構
成することにより、当該電磁界結合型薄膜積層伝送線路
を損失が極めて低い伝送線路として用いることができ
る。
【0079】さらに、以上の第4の実施形態において
は、主伝送線路LN100はTEMモードの伝送線路と
しているが、本発明はこれに限らず、主伝送線路LN1
00はTEモードやTMモードなどの電磁波を伝搬させ
る伝送線路であってもよい。
【0080】
【実施例】次に、実施例について説明する。 <第1の実施例>第1の実施形態のTMモード誘電体共
振器R1を試作して評価した第1の実施例について説明
する。この第1の実施例において薄膜多層電極6,E6
における各膜厚は以下のように設定した。 (a)薄膜誘電体30−1,E30−1の膜厚xa1,x
ae1=0.89μm、 (b)薄膜誘電体30−2,E30−2の膜厚xa2,x
ae2=0.62μm、 (c)薄膜誘電体30−3,E30−3の膜厚xa3,x
ae3=0.51μm、 (d)薄膜誘電体30−4,E30−4の膜厚xa4,x
ae4=0.45μm、 (e)薄膜導体1,E1の導体膜厚=2.6μm、 (f)薄膜導体2,E2の導体膜厚=1.2μm、 (g)薄膜導体3,E3の導体膜厚=0.91μm、 (h)薄膜導体4,E4の導体膜厚=0.77μm、 (i)薄膜導体5,E5の導体膜厚=0.68μm。 また、薄膜多層電極6,E6の半径r1は15.0mm
に設定し、TMモード誘電体共振器R1の共振周波数f
0は第1の実施形態の950MHzとは異なる1900
MHzに設定した。
【0081】ここで、Ta−Si−O誘電体からなる薄
膜誘電体30−k,E30−kは、以下のようにしてT
25:SiO2=1:1になるように形成した。ま
ず、Ta25とSiO2とを1:1の混合比になるよう
に配合して混ぜ合わせた後、円柱形状に成型して所定の
温度で焼成することによりスパッタリングターゲットを
作成する。そして、当該ターゲットを用いてスパッタリ
ング法により薄膜誘電体30−k,E30−kを形成す
る。また、薄膜導体1乃至5,E1乃至E5は、Cuか
らなるスパッタリングターゲットを用いてスパッタリン
グ法により形成する。以上のようにして試作したTMモ
ード誘電体共振器R1の無負荷Q上昇率と薄膜誘電体3
0−kの成膜時間とを表1に示す。ここで、TMモード
誘電体共振器R1の無負荷Q上昇率は、上述の薄膜多層
電極6,E6に代えて、Cuからなり上記共振周波数の
表皮深さの3倍の厚さを有する単層の導体膜を形成した
TMモード誘電体共振器の無負荷Qを基準にして算出し
た。また、成膜時間は上層から第1層目の薄膜誘電体3
0−kを形成する時の成膜時間で表した。尚、表1には
比較のために、Ta25で薄膜誘電体30−k,E30
−1を形成した場合及びSiO2で薄膜誘電体30−
k,E30−kを形成した場合の無負荷Q上昇率と成膜
時間とを示している。
【0082】
【表1】 ────────────────────────────────── 薄膜誘電体30−k 無負荷Q上昇率 成膜時間 ,E30−kの材料 ────────────────────────────────── Ta−Si−O誘電体 2.1 150分 ────────────────────────────────── Ta25誘電体 2.1 270分 ────────────────────────────────── SiO2誘電体 1.4 40分 ──────────────────────────────────
【0083】表1から明らかなように、Ta−Si−O
誘電体を用いて薄膜誘電体30−k,E30−kを形成
することによりTMモード誘電体共振器R1を構成した
場合は、Ta25を用いて薄膜誘電体30−k,E30
−kを形成した場合に比較して、無負荷Q上昇率は同じ
値であるが成膜時間を短くでき、SiO2を用いて薄膜
誘電体30−k,E30−kを形成した場合に比較し
て、成膜時間は長くなるが無負Q上昇率は高くできる。
これは、第1の実施形態の説明において上述したよう
に、Ta25を用いて薄膜誘電体30−k,E30−k
を形成すると膜厚xakを厚く設定する必要があるためで
あり、SiO2を用いて薄膜誘電体30−kを形成した
場合には、薄膜誘電体30−kを介して隣接する薄膜導
体k,k+1の間で短絡が生じて、無負荷Q上昇率を十
分高くすることができないことによると推定される。
【0084】<第2の実施例>第2の実施形態のTMモ
ード誘電体共振器R2を試作して評価した第2の実施例
について説明する。この第2の実施例において、薄膜誘
電体31−k,E31−kと薄膜導体11乃至15との
各膜厚は以下のように設定した。ここで、第2の実施例
では、第2の実施形態の説明で上述したように、薄膜誘
電体31−k,E31−kの各膜厚xak,xaekはすべ
て同一の値に設定し、薄膜導体11乃至15の各導体膜
厚はすべて同一の値に設定した。 (a)薄膜誘電体31−k,E31−kの膜厚xak,x
aek=1.0μm、 (b)薄膜導体11乃至15の導体膜厚=0.76μ
m。 また、薄膜多層電極16の半径r2は11mmに設定
し、TMモード誘電体共振器R2の共振周波数f0
2.6GHzに設定した。
【0085】ここで、Al−Ta−O誘電体からなる薄
膜誘電体31−k,E31−kは、第1の実施例と同様
に、以下のようにしてTa25:Al23=3:1にな
るように形成した。まず、Ta25とAl23とを3:
1の混合比になるように配合して混ぜ合わせた後、円柱
形状に成型して所定の温度で焼成することによりスパッ
タリングターゲットを作成し、当該ターゲットを用いて
薄膜誘電体31−k,E31−kを形成する。また、薄
膜導体1乃至5は、以下のようにして、Ti/Cuから
なる薄膜導体1乃至5を形成した。
【0086】まず、セラミック基板10の上面にスパッ
タリング法によりTi膜を、20nm以上の厚さ、好ま
しくは略40nmの厚さに形成する。そして、上記Ti
膜の上面にCuを所定の膜厚になるように形成して、T
i膜とCu膜からなる薄膜導体5を形成する。そして、
薄膜誘電体31−4を形成した後、薄膜誘電体31−4
の上面にスパッタリング法によりTi膜を、20nm以
上の厚さ、好ましくは略40nmの厚さに形成して、当
該Ti膜の上面にCuを所定の膜厚になるように形成
し、Ti膜とCu膜からなる薄膜導体4を形成する。以
下同様にして、薄膜導体1,2,3を形成する。第2の
実施例においては、Ti膜によって、セラミック基板1
0及び薄膜誘電体31−kと、Cu膜とを強固に接着す
ることができる。また、薄膜多層電極E16において、
薄膜導体E1乃至E5も同様にして形成する。
【0087】以上のようにして試作した第2の実施例の
TMモード誘電体共振器R2の無負荷Q上昇率と薄膜誘
電体31−k,E31−kの成膜時間とを表2に示す。
ここで、TMモード誘電体共振器R2の無負荷Q上昇率
は、上述の薄膜多層電極16,E16に代えて、Cuか
らなり上記共振周波数の表皮深さの3倍の厚さを有する
単層の導体膜を形成したTMモード誘電体共振器の無負
荷Qを基準にして算出した。また、成膜時間は薄膜誘電
体31−k,E31−kを形成する時の成膜時間であ
る。尚、表2には比較のために、Ta25で薄膜誘電体
31−k,E31−kを形成した場合及びSiO2で薄
膜誘電体31−k,E31−kを形成した場合の無負荷
Q上昇率と成膜時間とを示している。
【0088】
【表2】 ────────────────────────────────── 薄膜誘電体31−k 無負荷Q上昇率 成膜時間 ,E31−kの材料 ────────────────────────────────── Al−Ta−O誘電体 1.8 120分 ────────────────────────────────── Ta25誘電体 1.8 210分 ────────────────────────────────── SiO2誘電体 1.2 30分 ──────────────────────────────────
【0089】表2から明らかなように、Al−Ta−O
誘電体を用いて薄膜誘電体31−k,E31−kを形成
することによりTMモード誘電体共振器R2を構成した
場合は、Ta25を用いて薄膜誘電体31−k,E31
−kを形成した場合に比較して、無負荷Q上昇率は同じ
値であるが成膜時間を短くでき、SiO2を用いて薄膜
誘電体31−k,E31−kを形成した場合に比較し
て、成膜時間は長くなるが無負Q上昇率は高くできる。
また、第2の実施例のTMモード誘電体共振器R2は、
第1の実施例のTMモード誘電体共振器R1に比較し
て、無負荷Q上昇率が低くなっているが、これは、上述
したように、第2の実施例の薄膜多層電極16,E16
においては、薄膜誘電体31−k,E31−kの各膜厚
ak,xaekは同一の値であり、かつ薄膜導体11乃至
15の各導体膜厚は同一の値であるという条件のもと
で、セラミック基板10に生じる電磁界と各薄膜誘電体
31−k,E31−kに生じる電磁界とが互いに実質的
に同相になるように膜厚xak,xaekと導体膜厚とを設
定したことによる。以上のように構成された薄膜多層電
極16,E16は、第2の実施形態の説明において上述
したように、第1の実施例の薄膜多層電極6,E6に比
較すると導体損失は若干大きくなるが、例えば、表皮深
さより十分厚い単層の導体に比べると十分導体損失を小
さくできることを示している。
【0090】
【発明の効果】本発明に係る請求項1記載の薄膜多層電
極は、所定の誘電率を有する誘電体基板上に薄膜導体と
薄膜誘電体とを交互に積層することによって形成された
薄膜多層電極であって、上記薄膜多層電極を所定の周波
数で使用したときに、上記誘電体基板に生じる電磁界と
上記各薄膜誘電体に生じる電磁界とが互いに実質的に同
相になるように、かつ上記各薄膜誘電体の膜厚が0.2
μmから2μmの間の値になるように、上記各薄膜誘電
体の誘電率を設定し、上記各薄膜導体のうち上記誘電体
基板から最も離れて形成される薄膜導体以外の各薄膜導
体の膜厚を上記所定の周波数における表皮深さより薄く
している。これによって、誘電体基板上に形成すること
ができ、安価で信頼性の高いしかも導体損失の小さい薄
膜多層電極を提供できる。
【0091】また、請求項2記載の薄膜多層電極は、請
求項1記載の薄膜多層電極において、上記薄膜誘電体の
うち少なくとも1つは、Al23,Ta25,Si
2,Si34,MgOのうち少なくとも1つを含んで
いるので、上記誘電体基板に生じる電磁界と上記各薄膜
誘電体に生じる電磁界とが互いに実質的に同相になるよ
うに、かつ上記各薄膜誘電体の膜厚が0.2μmから2
μmの間の値になるように、上記各薄膜誘電体の誘電率
を設定できる。
【0092】さらに、請求項3記載の薄膜多層電極は、
請求項1又は2記載の薄膜多層電極において、上記各薄
膜誘電体のうち少なくとも1つはTa25とSiO2
を含んでいるので、上記Ta25と上記SiO2との比
率を変更することにより上記誘電体基板に生じる電磁界
と上記各薄膜誘電体に生じる電磁界とが互いに実質的に
同相になるように、かつ上記各薄膜誘電体の膜厚が0.
2μmから2μmの間の値になるように、上記各薄膜誘
電体の誘電率を設定できる。
【0093】さらにまた、請求項4記載の薄膜多層電極
は、請求項1又は2記載の薄膜多層電極において、上記
薄膜誘電体のうち少なくとも1つはTaとAl
とを含んでいるので、上記Taと上記Al
との比率を変更することにより上記誘電体基板に生
じる電磁界と上記各薄膜誘電体に生じる電磁界とが互い
に実質的に同相になるように、かつ上記各薄膜誘電体の
膜厚が0.2μmから2μmの間の値になるように、上
記各薄膜誘電体の誘電率を設定できる。
【0094】また、請求項5記載の薄膜多層電極は、請
求項1又は2記載の薄膜多層電極において、上記薄膜誘
電体のうち少なくとも1つはMgOとSiO2とを含ん
でいるので、上記MgOと上記SiO2との比率を変更
することにより上記誘電体基板に生じる電磁界と上記各
薄膜誘電体に生じる電磁界とが互いに実質的に同相にな
るように、かつ上記各薄膜誘電体の膜厚が0.2μmか
ら2μmの間の値になるように、上記各薄膜誘電体の誘
電率を設定できる。
【0095】また、請求項6記載の薄膜多層電極は、請
求項1、2、3、4又は5記載の薄膜多層電極におい
て、上記薄膜多層電極は、所定の温度で熱処理をされる
ことにより焼結された誘電体基板上に形成されているの
で、上記誘電体基板と上記薄膜多層電極とを備えた共振
器、フィルタ又は伝送線路等を安価に構成できる。
【0096】また、請求項7記載の薄膜多層電極は、請
求項6記載の薄膜多層電極において、上記薄膜多層電極
は、比較的誘電率の大きい(Zr,Sn)TiO4を主
成分とする誘電体基板上に形成されているので、上記誘
電体基板と上記薄膜多層電極とを備えた小型の共振器、
フィルタ又は伝送線路等を安価に構成できる。
【0097】本発明に係る請求項8記載の高周波共振器
は、所定の形状を有する、請求項1乃至7のうちの1つ
に記載の薄膜多層電極を備えているので、無負荷Qを高
くでき、安価でかつ小型にできる。
【0098】本発明に係る請求項9記載の高周波伝送線
路は、所定の幅と所定の長さを有する、請求項1乃至7
のうちの1つに記載の薄膜多層電極を備えているので、
伝送損失を小さくでき、安価でかつ小型にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態のTMモード誘
電体共振器装置の一部破断斜視図である。
【図2】 セラミック基板10に生じる電磁界と薄膜誘
電体30−kに生じる各電磁界とが実質的に同相になる
ように設定されたときの、薄膜誘電体30−kの比誘電
率εsに対する薄膜誘電体30−kの膜厚xakを示すグ
ラフである。
【図3】 Ta−Si−O誘電体におけるTa25のモ
ル比率に対する比誘電率εrを示すグラフである。
【図4】 本発明に係る第2の実施形態のTMモード誘
電体共振器装置の一部破断斜視図である。
【図5】 セラミック基板10に生じる電磁界と薄膜誘
電体31−kに生じる各電磁界とが実質的に同相になる
ように設定されたときの、薄膜誘電体31−kの比誘電
率εsに対する薄膜誘電体31−kの膜厚xakを示すグ
ラフである。
【図6】 Al−Ta−O誘電体におけるTa25のモ
ル比率に対する比誘電率εrを示すグラフである。
【図7】 本発明に係る第4の実施形態である1/2波
長線路型共振器を用いたフィルタの斜視図である。
【符号の説明】
LN1乃至LN4…副伝送線路、 R1,R2…TMモード誘電体共振器、 1乃至5,E1乃至E5,11乃至15,E11乃至E
15,21乃至25…薄膜導体、 6,E6,16,E16,26…薄膜多層電極、 10,100…セラミック基板、 30−1乃至30−4,E30−1乃至E30−4,3
1−1乃至31−4,E31−1乃至E31−4,32
−1乃至32−4…薄膜誘電体、 40…ケース、 LN100…主伝送線路、 111…接地導体、 201乃至204,211乃至214…副TMモード共
振器、 210…主TMモード共振器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 祐三 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の誘電率を有する誘電体基板上に薄
    膜導体と薄膜誘電体とを交互に積層することによって形
    成された薄膜多層電極であって、 上記薄膜多層電極を所定の周波数で使用したときに、上
    記誘電体基板に生じる電磁界と上記各薄膜誘電体に生じ
    る電磁界とが互いに実質的に同相になるように、かつ上
    記各薄膜誘電体の膜厚が0.2μmから2μmの間の値
    になるように、上記各薄膜誘電体の誘電率を設定し、 上記各薄膜導体のうち上記誘電体基板から最も離れて形
    成される薄膜導体以外の各薄膜導体の膜厚を上記所定の
    周波数における表皮深さより薄くしたことを特徴とする
    薄膜多層電極。
  2. 【請求項2】 上記各薄膜誘電体のうち少なくとも1つ
    は、Al23,Ta25,SiO2,Si34,MgO
    のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1
    記載の薄膜多層電極。
  3. 【請求項3】 上記各薄膜誘電体のうち少なくとも1つ
    はTa25とSiO2とを含んでなり、上記Ta25
    上記SiO2との比率を変更することにより当該薄膜誘
    電体の誘電率を設定したことを特徴とする請求項1又は
    2記載の薄膜多層電極。
  4. 【請求項4】 上記各薄膜誘電体のうち少なくとも1つ
    はTa25とAl23とを含んでなり、上記Ta25
    上記Al23との比率を変更することにより当該薄膜誘
    電体の誘電率を設定したことを特徴とする請求項1又は
    2記載の薄膜多層電極。
  5. 【請求項5】 上記各薄膜誘電体のうち少なくとも1つ
    はMgOとSiO2とを含んでなり、上記MgOと上記
    SiO2との比率を変更することにより当該薄膜誘電体
    の誘電率を設定したことを特徴とする請求項1又は2記
    載の薄膜多層電極。
  6. 【請求項6】 上記薄膜多層電極は、所定の温度で熱処
    理をされることにより焼結された誘電体基板上に形成さ
    れたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載
    の薄膜多層電極。
  7. 【請求項7】 上記薄膜多層電極は、(Zr,Sn)T
    iO4を主成分とする誘電体基板上に形成されたことを
    特徴とする請求項6記載の薄膜多層電極。
  8. 【請求項8】 上記誘電体基板を挟設する2つの電極を
    備えた高周波共振器であって、 上記2つの電極のうちの少なくとも一方は、所定の形状
    を有する、請求項1乃至7のうちの1つに記載の薄膜多
    層電極であることを特徴とする高周波共振器。
  9. 【請求項9】 上記誘電体基板を挟設する2つの電極を
    備えた高周波伝送線路であって、 上記2つの電極のうちの少なくとも一方は、所定の幅と
    所定の長さを有する、請求項1乃至7のうちの1つに記
    載の薄膜多層電極であることを特徴とする高周波伝送線
    路。
JP8009061A 1996-01-23 1996-01-23 薄膜多層電極、高周波共振器及び高周波伝送線路 Pending JPH09199911A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8009061A JPH09199911A (ja) 1996-01-23 1996-01-23 薄膜多層電極、高周波共振器及び高周波伝送線路
US08/786,691 US5920244A (en) 1996-01-23 1997-01-22 Thin-film multilayered electrode, high-frequency resonator, and high-frequency transmission line
KR1019970001877A KR100297855B1 (ko) 1996-01-23 1997-01-23 박막다층전극,고주파공진기및고주파전송선로
DE69715693T DE69715693D1 (de) 1996-01-23 1997-01-23 Dünnfilm-Mehrschichtelektrode, Hochfrequenzresonator, und Hochfrequenzübertragungsleitung
CA002195824A CA2195824C (en) 1996-01-23 1997-01-23 Thin film multilayered electrode, high-frequency resonator, and high-frequency transmission line
EP97101024A EP0786822B1 (en) 1996-01-23 1997-01-23 Thin-film multilayered electrode, high-frequency resonator, and high-frequency transmission line

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8009061A JPH09199911A (ja) 1996-01-23 1996-01-23 薄膜多層電極、高周波共振器及び高周波伝送線路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09199911A true JPH09199911A (ja) 1997-07-31

Family

ID=11710109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8009061A Pending JPH09199911A (ja) 1996-01-23 1996-01-23 薄膜多層電極、高周波共振器及び高周波伝送線路

Country Status (6)

Country Link
US (1) US5920244A (ja)
EP (1) EP0786822B1 (ja)
JP (1) JPH09199911A (ja)
KR (1) KR100297855B1 (ja)
CA (1) CA2195824C (ja)
DE (1) DE69715693D1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001133641A (ja) * 1999-11-05 2001-05-18 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 光導波路素子
JP2011081356A (ja) * 2009-08-25 2011-04-21 Hoya Corp マスクブランク、転写用マスクおよびこれらの製造方法
JP2011232152A (ja) * 2010-04-27 2011-11-17 Kyocera Corp 厚さ測定方法

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3085205B2 (ja) * 1996-08-29 2000-09-04 株式会社村田製作所 Tmモード誘電体共振器とこれを用いたtmモード誘電体フィルタ及びtmモード誘電体デュプレクサ
JPH11177310A (ja) * 1997-10-09 1999-07-02 Murata Mfg Co Ltd 高周波伝送線路、誘電体共振器、フィルタ、デュプレクサおよび通信機
EP0917237B1 (en) * 1997-10-21 2005-09-14 Murata Manufacturing Co., Ltd. Thin-film multilayered electrode, high-frequency transmission line, high-frequency resonator, and high-frequency filter
JP3750335B2 (ja) * 1998-01-05 2006-03-01 株式会社村田製作所 帯域阻止誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサおよび通信機装置
JP3391272B2 (ja) * 1998-09-01 2003-03-31 株式会社村田製作所 高周波用低損失電極
US6738600B1 (en) * 2000-08-04 2004-05-18 Harris Corporation Ceramic microelectromechanical structure
FR2866120B1 (fr) * 2004-02-06 2006-11-17 Commissariat Energie Atomique Ligne de transmission et cavite resonante de haute frequence utilisant de telles lignes de transmission, notamment pour la resonance magnetique nucleaire
JP5085014B2 (ja) * 2005-05-26 2012-11-28 株式会社ジャパンディスプレイイースト 半導体装置の製造方法及び半導体装置
DE102007045234A1 (de) * 2007-09-21 2009-04-09 Spinner Gmbh Anordnung für eine verlustminimierte Beeinflussung des Ausbreitungsverhaltens einer HF-Signalwelle
JP6907602B2 (ja) 2016-03-22 2021-07-21 Tdk株式会社 誘電体薄膜及び電子部品
JP6885110B2 (ja) * 2016-03-22 2021-06-09 Tdk株式会社 誘電体膜および電子部品
US11626228B2 (en) * 2016-12-22 2023-04-11 Rogers Corporation Multi-layer magneto-dielectric material

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2769148A (en) * 1951-03-07 1956-10-30 Bell Telephone Labor Inc Electrical conductors
BE507158A (ja) * 1951-03-07
US2831921A (en) * 1952-09-11 1958-04-22 Bell Telephone Labor Inc Loaded laminated conductor
JP2845640B2 (ja) * 1991-05-30 1999-01-13 松下電器産業株式会社 高周波フィルタ
US5356843A (en) * 1992-09-10 1994-10-18 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Dielectric ceramic compositions and dielectric resonators
RU2139613C1 (ru) * 1993-08-27 1999-10-10 Мурата Мануфакчуринг Ко., Лтд. Тонкопленочный многослойный электрод, связанный по высокочастотному электромагнитному полю, высокочастотная линия передачи, высокочастотный резонатор, высокочастотный фильтр, высокочастотный полосовой режекторный фильтр и высокочастотное устройство
US5428326A (en) * 1993-12-29 1995-06-27 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Fast turn-on, temperature stable dielectric resonator oscillator
JP3362535B2 (ja) * 1994-12-14 2003-01-07 株式会社村田製作所 高周波電磁界結合型薄膜積層電極、高周波伝送線路、高周波共振器、高周波フィルタ、高周波デバイス及び高周波電磁界結合型薄膜積層電極の膜厚設定方法
JPH08191208A (ja) * 1995-01-06 1996-07-23 Murata Mfg Co Ltd 高周波共振器の共振周波数調整方法
JP3475555B2 (ja) * 1995-03-02 2003-12-08 株式会社村田製作所 Tmモード誘電体共振器、tmモード誘電体共振器装置及び高周波帯域通過フィルタ装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001133641A (ja) * 1999-11-05 2001-05-18 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 光導波路素子
JP2011081356A (ja) * 2009-08-25 2011-04-21 Hoya Corp マスクブランク、転写用マスクおよびこれらの製造方法
JP2011232152A (ja) * 2010-04-27 2011-11-17 Kyocera Corp 厚さ測定方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR100297855B1 (ko) 2001-08-07
CA2195824A1 (en) 1997-07-24
EP0786822A3 (en) 1998-04-08
DE69715693D1 (de) 2002-10-31
EP0786822A2 (en) 1997-07-30
KR970060571A (ko) 1997-08-12
EP0786822B1 (en) 2002-09-25
CA2195824C (en) 2000-09-12
US5920244A (en) 1999-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09199911A (ja) 薄膜多層電極、高周波共振器及び高周波伝送線路
WO1995006336A1 (fr) Electrode multicouche a couches minces utilisee pour le couplage de champs electromagnetiques a hautes frequences
JP3967786B2 (ja) 薄膜音響共振子用共振音響アイソレータ
EP1158671B1 (en) Acoustic mirror materials for acoustic devices
US6750740B2 (en) High efficiency interdigital filters
EP1376744B1 (en) High efficiency coupled line filters
JP2002532889A (ja) 誘電バラクタを備えた電気的チューナブルフィルタ
JP2003508942A (ja) 電圧により調整可能なコプレーナ型移相器
JP3087651B2 (ja) 薄膜多層電極、高周波伝送線路、高周波共振器及び高周波フィルタ
CA2372103A1 (en) Tunable microwave devices
MXPA97004058A (es) Electrodo de pelicula delgada, de multiples capas, linea de transmision de alta frecuencia, resonador de alta frecuencia y filtro de alta frecuencia
JP2860018B2 (ja) 誘電体フィルタ
JP3478244B2 (ja) 同軸共振器、フィルタ、デュプレクサおよび通信装置
JPH1013112A (ja) 高周波共振器及びその作製方法
US6052043A (en) Thin-film multilayered electrode, high-frequency transmission line, high-frequency resonator, and high-frequency filter
JP4535267B2 (ja) 電子部品
JP3475555B2 (ja) Tmモード誘電体共振器、tmモード誘電体共振器装置及び高周波帯域通過フィルタ装置
JPH11195909A (ja) 薄膜多層電極、高周波伝送線路、高周波共振器、および高周波フィルタ
JPH10290109A (ja) 誘電体多層基板、マイクロ波および/またはミリ波用フィルタならびにそれらの製造方法
JPH08191208A (ja) 高周波共振器の共振周波数調整方法
JP2003133820A (ja) 人工誘電体及びこれを用いた共振器
JPH09326608A (ja) 薄膜多層電極、高周波伝送線路、高周波共振器及び高周波フィルタ
JP4493368B2 (ja) 可変容量素子
JP3377932B2 (ja) 高周波用多層配線基板の製造方法
WO2002056409A1 (fr) Circuit haute-frequence