JPH1013112A - 高周波共振器及びその作製方法 - Google Patents

高周波共振器及びその作製方法

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JPH1013112A
JPH1013112A JP8165541A JP16554196A JPH1013112A JP H1013112 A JPH1013112 A JP H1013112A JP 8165541 A JP8165541 A JP 8165541A JP 16554196 A JP16554196 A JP 16554196A JP H1013112 A JPH1013112 A JP H1013112A
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electrode
conductor
layer
dielectric
frequency resonator
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JP8165541A
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Yasuhiro Sugaya
康博 菅谷
Junichi Kato
純一 加藤
Shunichiro Kawashima
俊一郎 河島
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型のマイクロ波共振器では、中心導体の導
体損失で全損失特性が支配されてしまう。一方、導体損
失を低減する手段として提案されている多層電極は、特
にその構造を内部に取り込むには作製方法が困難とな
る。 【解決手段】 多層電極の向きをストリップライン側面
方向に平行に構成する多分割電極にすることによって、
縁端部分の消費電力を低減する構成及び1〜2μmオー
ダーの導体層、誘電体層の積層化を2層流ダイコーター
をはじめとするシート工法で実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波の高周
波帯に於いて用いられる複合電極を備えた共振器並び
に、上記共振器を備えた高周波テ゛ハ゛イスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車電話、携帯電話等、マイク
ロ波領域の電磁波を利用する通信の普及にともない、機
器や機器を構成する共振器等の誘電体部品の小型化が求
められている。このような誘電体部品を小型化するに
は、誘電体の比誘電率が高く、マイクロ波領域で低損失
である事が重要であるとともに、電極に於いては高い導
電率を有する導体が必要で、Cu,Au,Agあるいは
それらの合金を使用する必要がある。しかし、現行で
は、このような高導電率の電極を用いた共振器でも、全
損失に対して占める割合に於いて誘電体材料による誘電
体損失と比較して電極で失われる導体損失が支配的であ
り、それ故共振器の厚みを薄くすると急激に全体損失が
増加し、如何にマイクロ波、ミリ波等の高周波領域で
は、電極で失われる導体のジュール熱を抑えるかが問題
となっていた。
【0003】この状況に対し、磁気ヘッド等の磁性体の
分野では、導体である金属磁性体膜の厚み方向に、使用
周波数の表皮深さに対応した膜厚毎に、絶縁体層を挿入
し、ジュール熱である渦電流損失を抑制する構成、技術
が既に採用されている。その結果、高周波領域において
も実効透磁率が低下しない効果が実証されている。
【0004】一方、本発明に係わる高周波共振器の分野
では、電極構造を改良する事で同一形状サイズでより低
損失な無負荷Qを得る事が出来る構造として、特開平4
−43703号公報で提案されている対称型ストリップ
ライン共振器が紹介されている。これは、トリプレート
型ストリップライン共振器に於いて、中心ストリップラ
イン電極が、上下の接地導体と平行に複数枚、誘電体を
介して互いに所定の間隔を隔てて積層状に配置せしめた
ことを特徴としている。ここで、各ストリップ導体の膜
厚は、使用周波数に於ける表皮深さの3倍もしくはそれ
以上であることが望ましいとしている。よって、使用周
波数に於いて電流が流れうる表皮部分を拡大してストリ
ップ導体の実効的厚みを増大させることを目的としてい
る。
【0005】その他に、特開平7−336113号公報
で電極の最適膜厚を規定し提案した高周波電極がある。
これは、マイクロ波で用いる共振器や伝送線路に於い
て、中心導体の膜厚を好ましくは使用周波数に於ける表
皮深さのπ/2倍の厚みにすることによって、電極の表
面と裏面で反射される電磁波が強めあって電極内部の電
流密度分布が表皮効果だけを考慮したときの急激な減衰
を緩和することを目的とし、その結果表面抵抗が低減さ
れるとしている。
【0006】さらに、1995年電子情報通信学会総合
大会C−137,138で、導体層を絶縁層を挿入して
積層化する事によって、導体薄膜と誘電体薄膜を電磁気
的に結合させた結合薄膜多層電極をTMモードの共振器
や平行平板型TEM波伝送線路あるいは開放型半波長線
路共振器に用いることを提案している。この構造によ
り、電極の厚み方向の表皮効果による電流集中を緩和で
き、実効導電率の上昇した電極として動作して、共振器
としての導体損失を低減できるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
対称型ストリップライン共振器及び電極の最適膜厚を規
定した単層導体の高周波電極からなる共振器について
は、導体損失の低減率は、通常の10〜20μm厚の単
層導体からなるストリップライン電極の共振器と比較し
て小さく、抜本的な共振器の低損失化は実現されていな
いという問題点があった。一方、表皮効果による電流集
中を緩和できる事を提案した結合薄膜多層電極は、縁端
効果の少ないTMモードの共振に於いて、最適な導体層
及び絶縁層の膜厚による電極厚み方向の積層化により、
層数に応じた大きな低損失効果化が実現できるものの、
ストリップラインやマイクロストリップライン等の線路
形状からなる電極に於いてこの構造を適用すると、縁端
に電流が集中する縁端効果によって、多層電極による低
損失効果が低減されてしまう問題があった。さらに、多
層電極の成膜技術としては、各導体層の共振モードを結
合させることができる薄膜多層電極の場合、導体層及び
誘電体層の厚みは何れも、1〜数μmのオーダーの厚み
であり、現行ではコストのかかる薄膜プロセスしか多層
製膜化技術としては考えられていないと推測され、例え
ばトリプレート型の伝送線路やストリップライン共振器
のように、内部導体としてこの構造を実現するために
は、非常にコストのかかる高い技術が必要と考えられ
る。多層電極構造を外部導体として用いる平行平板型伝
送線路のような場合においても、量産性を必要とされる
高周波フィルター等の電子部品に適用する事は困難であ
ると考えられ、もっと安価に量産できるプロセスが求め
られている。
【0008】本発明の目的は、ストリップライン等の縁
端効果の大きい高周波共振器に対し、導体薄膜の多層化
による低損失化効果をより有効に適用できる電極構造を
有する小型で低損失な高周波共振器全般を提供すること
であり、さらには、従来の薄膜多層化プロセスでは量産
化が困難と考えられるこれらの発明実施品を安価に量産
化することを可能ならしめる作製方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1に本発明は、平面状又は板状の接地電極であ
る第1の電極と、誘電体層と導体層とが交互に積層され
た多層部と導体とを有し、前記導体に前記多層部が形成
されている第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の
電極とを電気的に分離する誘電体であって、前記第1の
電極に設けられた分離部とを備え、前記多層部の一部又
は全部の各層の面は、前記第1の電極における前記分離
部が設けられた面に対して実質的に垂直となることを特
徴とする高周波共振器である。
【0010】なお、前記多層部における誘電体層と導体
層はそれぞれ複数あり、その複数の導体層の全部又は一
部の各層の厚みは、前記高周波共振器を伝搬する電磁波
の周波数で規定される導体の表皮深さの2倍より薄いと
してもよい。
【0011】また、前記第2の電極の導体は、前記第1
の電極における前記分離部が設けられた面に対して実質
的に垂直となる第1及び第2の面を有し、前記多層部
は、前記第1及び第2の面の各々に形成されているとし
てもよい。
【0012】また、前記第2の電極の導体は、前記第1
の電極における前記分離部が設けられた面に対して実質
的に水平となる第3及び第4の面を更に有し、前記多層
部は、前記第1、第2、第3及び第4の面の各々に形成
されているとしてもよい。
【0013】また、前記多層部の各層は単層膜であり、
前記多層部により形成される前記第1及び第2の面の各
々の多層膜の深さは、前記第1の面と前記第2の面との
間の長さの1/20以内であるとしてもよい。
【0014】また、前記分離部は平面状又は板状であ
り、前記第1の電極は前記分離部の一方の面に設けら
れ、前記第2の電極は、前記一方の面とは反対の位置に
ある前記分離部の他方の面に設けられているとしてもよ
い。
【0015】また、前記第2の電極は前記分離部の内部
に位置するとしてもよい。
【0016】また、前記第1の電極は、平面状の誘電体
層と平面状の導体層が交互に積層された電極であり、前
記平面状の誘電体層と平面状の導体層はそれぞれ複数あ
り、接地される前記平面状の導体層以外の前記第1の電
極の複数の導体層の各層の厚みは、前記高周波共振器を
伝搬する電磁波の周波数で規定される導体の表皮深さの
2倍より薄いとしてもよい。
【0017】また、前記分離部は誘電率が40以上の誘
電体であり、前記誘電体層の誘電率は前記分離部の誘電
率よりも小さいとしてもよい。
【0018】更に、前記第2の電極の各誘電体層の厚み
は7μm以下であるとしてもよい。
【0019】請求項11に記載の本発明は、請求項1に
記載の高周波共振器の作製方法であって、粒径が0.5
μm以下の粉体を含むセラミックスラリーのシート化塗
装で前記誘電体層を形成し、その誘電体層と前記導体層
とを熱転写によって交互に積層し、その積層された誘電
体層及び前記導体層を同時焼成することによって前記多
層部を作製することを特徴とする高周波共振器の作製方
法である。
【0020】請求項12に記載の本発明は、請求項1に
記載の高周波共振器の作製方法であって、粒径が1μm
以下の粉体により構成される導体ペーストを含む導体ペ
ーストスラリーのシート化塗装で前記導体層を形成し、
その導体層と前記誘電体層とを熱転写によって交互に積
層し、その積層された導体層及び前記誘電体層を同時焼
成することによって前記多層部を作製することを特徴と
する高周波共振器の作製方法である。
【0021】なお、前記誘電体層及び前記導体層の2種
類のスラリーをキャリアフィルム上に、ダイで2カ所か
ら同時に吐出さしめてシート化塗装を行い、それらのシ
ートを熱転写によってその2層構造単位で積層してゆく
工程及び、それらを同時焼成することによって一体積層
電極化させるとしてもよい。
【0022】請求項14に記載の本発明は、請求項4に
記載の高周波共振器の作製方法であって、導体箔に対
し、誘電体膜と導体膜を交互にコーティングしていくこ
とによって前記多層部を構成するとしてもよい。
【0023】なお、前記誘電体層をディップコーティン
グ、前記導体層をメッキで作製するとしてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図2は、本発明に係わる第1の実施の
形態の1/2波長マイクロストリップライン共振器の斜
視図である。本実施の形態に於いては、図2に示すよう
に、母体基板1に厚みが1mmであるAl2O3(ε=10)、誘
電体膜(誘電体層2)にSiO2(ε=4.4)、導体層3にAuを
用い、共振周波数f0が1.9[GHz] になるように構成し
た。
【0025】断面が2mm×0.3mmであるAu板
(導体6)の側壁面上に誘電体膜SiO2(ε=4.4)(誘電体
層2)及び導体膜Au(導体層3)からなる多層膜を電子
ビーム蒸着法により成膜して、長さが30mmとなるよ
うなストリップライン形状に加工した後、この多層電極
4を厚みが1mmでAl2O3(ε=10)の母体基板1上に、多
層電極4の積層面が垂直になるように低融点ガラスを用
い、溶着させた。
【0026】母体基板1の裏側には、表皮深さに対し十
分に厚い20μm厚のAg膜で構成された接地電極5を
形成した。
【0027】図3に示すように、12層の導体層の左右
両端にある導体層3の膜厚がそれぞれ3μmに、それ以
外の膜厚が1μm±0.3μmになるように、そして、1
2層の誘電体層2の各々の膜厚が3μm±0.5μmにな
るように成膜した。薄膜の導体層3の膜厚は、電磁波の
使用周波数で規定される導体の表皮深さの約0.5から
2倍の範囲となっている。
【0028】このような構成を持つ1/2波長マイクロ
ストリップライン共振器によれば、膜厚300μmの単
層のストリップライン導体膜を有する同構造の共振器の
無負荷Q値が約270であるのに対し、本実施の形態の
共振器の無負荷Q値は、約310であり、より低損失で
ある事が確認される。
【0029】なお、図4に示すように、接地電極5の面
と平行な方向に同じ膜厚分布を有する多層化したストリ
ップライン電極(10層の導体層3aと10層の誘電体
層2aからなる多層膜を厚膜300μmの導体6aと母
体基板1の界面に形成)を本実施の形態と同様の構成を
持つ1/2波長マイクロストリップライン共振器で作製
したところ、無負荷Q値の値は約305であり、同様の
低損失化効果が確認された。これは、表皮深さとほぼ同
じオーダーの厚みを有する導体3aを絶縁層を介在させ
て多層化することにより、各導体層3aに効果的に電磁
波を浸入させ、且つそれぞれ一体となって同位相で共振
する事を可能ならしめるためだと考えられる。
【0030】また、縦分割数を倍の24層にしたとこ
ろ、無負荷Q値は315であり、少しの上昇は見られる
ものの殆ど変わらない結果となった。このことは、線路
側面領域の一部のみを縦分割領域に施せば、ほぼ期待さ
れる低損失効果が実現できることを意味する。
【0031】次に、本実施の形態で構成したマイクロス
トリップライン共振器が、多層電極4の厚み方向に多層
化したストリップライン電極を有する共振器と同等もし
くはそれ以上の低損失化効果を持つことについて述べ
る。
【0032】マイクロストリップライン電極の場合、そ
の性格上電流分布は、図1に示すように縁端側面部分に
集中する。導体損の原因となる消費電流についてみれ
ば、幅サイズに対し縁端部の領域1%だけで全消費電流
の約30%の割合、縁端領域5%(ストリップライン幅
長さの1/20の深さ)だけで全消費電流の約50%を
占める。従って、縁端側面部分に限った縁端方向への電
極多分割化によって緩和される表皮効果の度合いは、各
導体膜の表皮抵抗を考慮すると電極全領域を厚み方向に
多層化した電極と同等もしくはそれ以上の効果を示すと
考えられる。
【0033】尚、第1の実施の形態に於いて、マイクロ
ストリップライン共振器を用いているが、本発明はこれ
に限らず、スロットライン共振器、コプレーナライン共
振器等の共振器、あるいは伝送線路で構成してもよい。 (実施の形態2)図5は本発明に係わる第2の実施の形
態の1/2波長マイクロストリップライン共振器の斜視
図である。本実施の形態に於いても、母体基板1に厚み
が1mmであるAl2O3(ε=10)、誘電体膜(誘電体層2,
8)にSiO2(ε=4.4)、導体層3,7にAuを用い、共振周
波数f0が1.9[GHz]になるように構成した。
【0034】第1の実施の形態と同様に、ストリップラ
イン電極(導体6)の厚みを300μmと厚くして、縁
端部分の側壁方向の多層化の成膜を電子ビーム蒸着にて
行った。12層の導体層3と12層の誘電体層2から構
成され、導体層3の膜厚は1μm±0.3μm(左右両端
層のみ約3μm)、誘電体層2は2〜3μmとなるよう
に成膜した。
【0035】更に、接地電極5aにおいては、電極面に
平行な方向に膜厚分布で5層の導体層7、4層の誘電体
層8の多層電極構造を、同様に電子ビーム蒸着法にて形
成した。接地電極5aのそれぞれの膜厚は同様に、導体
層7は1μm±0.3μm、誘電体層8は3μm±0.5
μmとし、接地側の最下層の導体層7のみを約3μmと
した。
【0036】このような構成を持つ1/2波長マイクロ
ストリップライン共振器によれば、膜厚300μmの単
層のストリップライン導体膜を有する同構造の共振器の
無負荷Q値が約270であるのに対し、本実施の形態の
共振器の無負荷Q値は、約325であり、接地電極構造
を多層化していない第1の実施の形態の場合よりもさら
に低損失である事が確認される。 (実施の形態3)図6は本発明に係わる第3の実施の形
態1/4波長トリプレート型ストリップライン共振器の
斜視図である。母体基板1aにBi-Ca-Zn-Nb系材料(ε=9
1)、誘電体膜(誘電体層2b)にBi-Ca-Nb系材料(ε= 5
8)、多層電極層4bにAg板(幅20mm、厚み300
μmの導体6b)を中心とするAg導体を用いて、共振
周波数f0が1.9[GHz]に、誘電体基板(母体基板1a)の
厚みが1.2mmになるように構成した。
【0037】これらの共振器を構成する上で必要となる
各誘電体(母体基板1a及び多層電極4b内の誘電体層
2b)スラリー、Ag導体シートの作製手順及びこれら
の積層、焼成方法については後述する。
【0038】本ストリップライン共振器に於いて、誘電
体基板(母体基板1a)及び電極導体(導体層3b)の
材質としては、従来から公知のものが何れも使用可能で
あるが、特に誘電体基板(母体基板1a)に関しては、
誘電体損及び放射損を低減するため、比誘電率が40以
上で、tanδ の小さい材質を用いて形成する事が望まし
い。更に、誘電体膜と電極との同時焼成によって共振器
を構成する場合、その誘電体膜は、焼成温度が1000
℃以下で高密度に焼結できる誘電体材料が望ましい。導
体(導体6b,導体層3b)の材質としては、例えばC
u,Ag又はAu等の高導電性を有する導体が望ましい
が、より好ましくは、誘電体材料と大気中で同時焼成可
能であるAgが望ましい。
【0039】多層電極4bを構成する導体薄膜(導体層
3b)及び誘電体薄膜(誘電体層2b)は、何れもスラ
リーあるいはペーストからドクターブレード法にてシー
トを形成する方法もしくはスクリーン印刷の方法を用い
る事ができる。
【0040】尚、導体層3bのスクリーン印刷による作
製方法に於いては、カレンダー処理を施した細いワイヤ
ーからなるスクリーンを用い、熱転写用フィルム上に通
常より低濃度の微粒子(粒子径 0.1〜0.4μm)からなる
Agペーストを用いて印刷する事によって、焼成後約1
μmの薄い導体層3bを形成する事ができる。一方、誘
電体スラリーに於いては、粉砕粒径を0.5μm以下のサイ
ズを用いる事が2〜3μmのシートを形成する上で適当
であった。粉砕粒径が細かいスラリーを用いたシートほ
ど、より表面粗さの少ない平滑で、厚みが均一になる傾
向が確認され、一方0.5μm以上の平均粒径を有する
粉体を用いたスラリーでは、焼き上がりの表面粗さが
0.4μm以上となり均一な膜厚を得ることはできなか
った。同様に、Agペーストの粒子径に於いても、平均
粒子径が1μm以上の粉体を用いた場合は、2μm以下
の導体層3bを形成することが困難であり、所々で断線
領域も観察された。本実施の形態の場合、図3同様に、
接地電極5の面に垂直な多分割電極は、12層の導体層
3b、12層の誘電体層2bから構成され、導体層3b
の膜厚は1〜2μm、誘電体層2bは2〜3μmとし
た。
【0041】このような構成を持つトリプレート型スト
リップライン共振器によれば、使用周波数に対する表皮
深さに対し十分に厚い単層のストリップライン導体膜を
有する同構造の共振器の無負荷Q値が約150であるの
に対し、本実施の形態の共振器の無負荷Q値は、約18
5であり、より低損失である事が確認される。
【0042】さらに、本実施の形態のように、シートプ
ロセスの適用により誘電体層2bに例えば Bi-Ca-Zn-Nb
材の様な高誘電率91の材料を用いることができるの
で、ストリップライン長さを短くすることができ、共振
器の厚みのみならず面積の小型化にも非常に有効な作製
方法と考えることができる。 (実施の形態4)図7に第4の実施の形態1/4波長ト
リプレート型ストリップライン共振器の図を示す。接地
電極5bは、4層の導体層7a及び4層の誘電体層8a
の横積層による多層電極構造である。図8に多層電極4
cの拡大図を示す。多層電極4cは、内部中心導体(導
体6c)であるストリップライン電極の周囲に、7層の
導体層9及び7層の誘電体層10の横積層と、4層の導
体層11及び4層の誘電体層12の縦分割層とによる多
層電極構造をとる。
【0043】本実施の形態に於いては、第3の実施の形
態と同様に、母体基板1bにBi-Ca-Zn-Nb系材料(ε=91)
のスラリー、誘電体膜(誘電体層8a,10,12)に
Bi-Ca-Nb系材料(ε=58)のスラリー、導体膜(導体層7
a,9,11)にAgペーストを用い、共振周波数f0
1.9 [GHz]、誘電体基板(母体基板1b)の厚みが1.2mm
になるように構成した。
【0044】これらのスラリーを図9、10に示す2層
流用ダイコーター15内に各スラリーを同時に注入させ
てフィルム上に2層シートを作製した。この2層シート
を熱転写にて2層構造単位で、7層の導体層9、7層の
誘電体層10からなる複合ストリップライン電極(多層
電極4c)用のシート及び4層の導体層7a、4層の誘
電体層8aからなる接地電極5b用の多層電極シートを
それぞれ作製した後、それぞれ所定のストリップライン
形状及び接地電極形状に加工した。
【0045】但し、中心ストリップライン複合電極の中
心導体領域6cには、厚み20μmのAg導体シートを
用いて、上記多層電極層4cに熱転写で積層することに
よって構成した。この接地電極5bの面に平行な積層多
層電極シートを所定のストリップライン形状に加工した
後、上下面を含む側面4面を上記ダイコーターで作製し
た2層シートで巻く工程を加え、これらを母体基板1b
のグリーンシートで挟んでプレス圧50[Kg/cm2]で圧着す
る工程で図8に示す多層電極構造を実現した。多層電極
層4cは、7層の導体層9、7層の誘電体層10から構
成され、導体層9の膜厚は、1μm±0.3μm(最外郭
層のみ約3μm)、誘電体層は2〜3μmとなるように成
膜した。
【0046】更に、接地電極5bにおいては電極面に平
行な方向に膜厚分布で4層の導体層7a、4層の誘電体
層8aの多層電極構造を、同様にシートプロセスにて形
成した。導体層7aのそれぞれの膜厚は同様に1μm±
0.3μm、誘電体層8aは3μm±0.5μmとし、接
地側の最下層の導体層7aのみ約3μmとした。
【0047】次に、多層の接地電極5bを含む誘電体基
板 (Bi-Ca-Zn-Nb-O)グリーンシートで、上記中心複合電
極を含む基板グリーンシート(Bi-Ca-Zn-Nb-O) を積層し
て共振器の形状を形成した。
【0048】このプロセスによれば、従来の単層塗布と
比較し、均一な厚みで且つ超平滑な塗布層を実現する事
が容易となり、本実施の形態で求められるような1〜3
μmオーダーでの正確な制御された膜厚で構成された誘
電体膜、導体膜を作製する事ができる。
【0049】尚、導体層の界面での表面粗さは電極の表
皮抵抗の値を上昇させるが、本実施の形態のようなダイ
コーターを用いた導体膜であれば、表面粗さが10nm
オーダーとなり、表面粗さによる表皮抵抗のの上昇を無
視する事ができ、導体損失を抑制する上で有利となる。
【0050】図7に示すこのような構成を持つトリプレ
ート型ストリップライン共振器によれば、使用周波数に
対する表皮深さに対し十分に厚い単層のストリップライ
ン導体膜及び接地電極導体膜を有する同構造の共振器の
無負荷Q値が約150であるのに対し、本実施の形態の
共振器の無負荷Q値は、約190であり、より低損失で
ある事が確認された。接地電極も多層電極化した事によ
って無負荷Q値の低損失化効果がより明確となっている
のが実施の形態3の結果と比較することによって、確認
される。
【0051】通常、トリプレート型共振器のようにスト
リップラインが内部電極である場合、蒸着等の薄膜工程
で膜形成した多層電極を適用する事はプロセス上困難で
あるが、本実施の形態では、導体層及び誘電体層をダイ
コーターを用いたシート化塗装で形成し、それぞれを熱
転写で積層して、母体であるBi系セラミックシートで挟
み込んで900℃で同時焼成して作製するため容易に一
体構造を形成することが可能となる。
【0052】以上の実施の形態に於いては、高誘電率材
としては、Bi系材料のみを記したが、Ba−Nd−T
i材、Ca系、TiO2系等公知の高誘電率材及びこれ
らの誘電体材料に低融点ガラスを加えた混合材料を用い
てもかまわない。
【0053】なお、本実施の形態では、多層電極4c
は、接地電極5bの面に対して垂直となる導体層11と
誘電体層12を有するとしたが、多層電極4cは、接地
電極5bの面に対して水平となる導体層9と誘電体層1
1を有し、導体層11と誘電体層12は有さないとして
もよい。 (実施の形態5)図11は、本発明に係わる第5の実施
の形態の1/2波長マイクロストリップライン共振器の
斜視図である。本実施の形態に於いては、母体基板1に
厚みが1mmであるAl2O3(ε=10)、誘電体膜(誘電体層
8,13)にSiO2(ε=4.4)、導体層7,14にAgを用
い、共振周波数f0が1.9[GHz]になるように構成した。
【0054】図12に示すように、本実施の形態のスト
リップライン電極(多層電極4d)は、幅2mm、長さ
28mm、厚み100μmのAg箔(導体6d)を母体
として、それを誘電体膜(誘電体層13)と導体膜(導
体層14)が交互に外側に覆っていく多層電極構造を有
する。
【0055】作製方法として、本実施の形態ではエトキ
シシラン((C2H5O)4Si)液に上記Ag箔(導体6d)を
ディップコーティングして900℃で熱処理することに
よって、厚み0.6〜1.3μmのSiO2膜(誘電体層1
3)を作製し、しかる後にその外側に厚みが約1μmと
なるようなAgメッキ(導体層14)処理を施し、これ
らを繰り返す事によって多層電極を構成した。尚、最外
郭の導体層14のみ約3μmとなるようにした。その結
果、図12に示す導体6d、6層の導体層14及び6層
の誘電体層13から構成される、接地電極5aに対し垂
直及び平行に多層化した積層電極(多層電極4d)が得
られ、これを接地電極としてAgペーストを焼き付けて
いるAl2O3 基板(母体基板1)上に低融点ガラスを用い
て溶着させた。
【0056】このような構成を持つ1/2波長マイクロ
ストリップライン共振器によれば、膜厚100μmのA
g箔単層のストリップライン導体膜を有する同構造の共
振器の無負荷Q値が約265であるのに対し、本実施の
形態の共振器の無負荷Q値は約325であり、より低損
失である事が確認される。このことは、電流分布が比較
的平坦な領域(縁端側面から離れた線路中心部)での厚
み方向の多層化(横積層)による表面領域での電流集中
緩和、及び縁端側面領域での幅方向の多層化(縦分割
層)による電流集中緩和効果がそれぞれ相補的に機能し
て、ストリップ電極全体に流れる実効導電性を最大限に
引き出していると見られる。
【0057】なお、導体、誘電体交互の積層膜のコーテ
ィング法としては、本実施の形態の方法に限定されるも
のではなく、蒸着法、プラズマ溶射法等の方法によって
導体膜、誘電体膜をコーティングしてもよい。
【0058】
【実施例】次に、上記の第3及び第4の実施の形態を具
体的に示した実施例を記載する。
【0059】第3及び第4の実施の形態に係わる構成要
素、各誘電体(母体基板と多層電極内の誘電体層)スラ
リー、Ag導体シートの作製手順及びこれらの積層、焼
成方法を述べる。多分割電極を構成する誘電体薄膜の作
製方法は、出発原料として、主成分はBi23,CaC
3,Nb25 、副成分はCuOを用い、これらの組成
のモル比がBiO2/3,CaO,NbO5/2 のそれぞれ
が47.35, 21.05, 31.58であり、CuOを主成分の0.
1wt% となるように秤量した後、ポリエチレン製のボー
ルミルにこれらの粉体を入れ、安定化ジルコニア製の玉
石及び純水を加え17時間湿式混合し、800℃で仮焼
した後さらに前記ボールミルで80時間湿式粉砕を行
い、これらを乾燥させた後、酢酸ブチル、ポリビニルブ
チラールを加えてグリーンシート用スラリーをまず作製
した。粉砕粒径のサイズは、0.3μmであった。このスラ
リーを用いてギャップ20μmからなるドクターブレー
ドを用いて熱転写用フィルム上にシートを形成した。一
方、導体薄膜用スラリーは、粒子径が0.4μmからなるA
g粉にエチルセルロース系ビヒクルを混合してなるAg
ペーストを更にブチルカルビトールアセテートで2倍に
希釈して作製し、同様にギャップ15μmからなるドク
ターブレードを用いて熱転写用フィルム上にシートを形
成した。60℃にて前記フィルム上に作製した誘電体層
上にこの導体シートを熱転写して積層を行い、導体12
層、誘電体12層からなる多層電極シートを形成した。
これを、幅20mmのAg板の左右の面に、プレス圧5
0[Kg/cm2]にて圧着した後、所定のストリップライン形
状電極形状(長さ30mm、厚み300μm)に加工
し、これらを母体の誘電体基板の基となるグリーンシー
トで挟んだ。なお、母体のグリーンシートは、ほぼ誘電
体薄膜のグリーンシートと同様の方法で作製されるが、
出発原料にZnOを加え、組成がBi14(Ca0.75Zn
0.258Nb1280 となるように秤量して以下同様に作
製した。これらの導体層を含むグリーンシートを厚み方
向にプレス圧50[Kg/cm2]にて圧着した後、大気中600
℃でバインダーを焼却させた後、900℃、2時間で同
時焼結させた。その結果、誘電率が91で、1GHzで
の誘電体のQ値(Qd)が2500となる誘電体(Bi-Ca
-Zn-Nb-O)が形成される。
【0060】
【発明の効果】本発明の高周波共振器に於いては、入射
される電磁波が励起する電極内部の電流密度が、表皮効
果による表面近傍のみに偏在化するのを防ぎ、緩やかな
勾配でもってより広い領域で分布することを可能ならし
めることによって、非常に小型で且つ低損失な特性を実
現できる。特に従来、線路導体を有するマイクロ波共振
器に於いて、縁端電流集中効果によって多層電極構造に
よる表皮効果緩和の影響がトータルの消費電力の低減に
は現れにくい問題があったが、本発明では、電極厚み方
向のみならず、垂直方向にも多分割電極構造を適用する
ことによって、電極側面領域で効果的に幅広い電流分布
を実現させて、トータルの導体損失を低減させられる。
また本発明では、従来では2層流用ダイコーター及び微
粒径の粉末から構成されるスラリーの採用によって数μ
m以下の薄膜作製を実現できる。従って、本発明の作製
方法によれば、構成上では任意のセラミック組成を正確
に選択できることから、共振器の小型化に有利な高誘電
率の誘電体材料を母体とする共振器を容易に作製でき
る。また、マイクロストリップライン共振器等の構成で
は、母体となる誘電体の高誘電率化によって、放射損失
を無視できるレベルに低減できる。一方、作製方法にお
いては、シートプロセス、特にダイコーターを用いた2
層同時シート化塗装することによって、より厳密な膜厚
制御がなされ且つ表面粗さの小さい多分割電極及び多層
電極の量産化を容易に実現でき、本発明目的の小型低損
失高周波共振器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるマイクロストリップライン電極
が1/2波長で共振した場合の、線路内の各長手方向位
置での電流振幅の幅方向依存性を示した図である。
【図2】本発明に係わる第1の実施の形態の多分割電極
を有するマイクロストリップライン共振器の図である。
【図3】本発明に係わる第1の実施の形態のマイクロス
トリップライン電極に於ける多分割電極の断面図であ
る。
【図4】本発明に係わる第1の実施の形態で述べられて
いる比較例としての多層電極を有するマイクロストリッ
プライン共振器の図である。
【図5】本発明に係わる第2の実施の形態の多層電極か
らなる接地電極及び、それに対し垂直な多分割電極を有
するマイクロストリップライン共振器の図である。
【図6】本発明に係わる第3の実施の形態の高誘電率材
を母体とする多分割電極からなるトリプレート型ストリ
ップライン共振器の図である。
【図7】本発明に係わる第4の実施の形態の高誘電率材
を母体とする多層導体を有する多分割電極を線路電極と
するトリプレート型ストリップライン共振器の図であ
る。
【図8】本発明に係わる第4の実施の形態の中心線路電
極に於ける多層導体を有する多分割電極の断面図であ
る。
【図9】本発明に係わる第4の実施の形態の多分割電極
及び多層電極を作製するのに用いた2層流用ダイコータ
ーの図である。
【図10】本発明に係わる第4の実施の形態の多分割電
極及び多層電極を作製するのに用いた2層流用ダイコー
ターの断面図である。
【図11】本発明に係わる第5の実施の形態の多層、多
分割電極を有するマイクロストリップライン共振器の図
である。
【図12】本発明に係わる第5の実施の形態のマイクロ
ストリップライン電極の断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b:母体基板 2,2a,2b:誘電体層 3,3a,3b:導体層 4,4a,4b,4c:多層電極(マイクロストリップ
ライン電極) 5,5a:接地電極 6,6a,6b,6c,6d:導体(Ag板,Ag箔) 7,7a:導体層 8,8a:誘電体層 9:導体層 10:誘電体層 11:導体層 12:誘電体層 13:誘電体層 14:導体層 15:2層流用ダイコーター

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面状又は板状の接地電極である第1の
    電極と、 誘電体層と導体層とが交互に積層された多層部と導体と
    を有し、前記導体に前記多層部が形成されている第2の
    電極と、 前記第1の電極と前記第2の電極とを電気的に分離する
    誘電体であって、前記第1の電極に設けられた分離部と
    を備え、 前記多層部の一部又は全部の各層の面は、前記第1の電
    極における前記分離部が設けられた面に対して実質的に
    垂直となることを特徴とする高周波共振器。
  2. 【請求項2】 前記多層部における誘電体層と導体層は
    それぞれ複数あり、 その複数の導体層の全部又は一部の各層の厚みは、前記
    高周波共振器を伝搬する電磁波の周波数で規定される導
    体の表皮深さの2倍より薄いことを特徴とする請求項1
    に記載の高周波共振器。
  3. 【請求項3】 前記第2の電極の導体は、前記第1の電
    極における前記分離部が設けられた面に対して実質的に
    垂直となる第1及び第2の面を有し、 前記多層部は、前記第1及び第2の面の各々に形成され
    ていることを特徴とする請求項2に記載の高周波共振
    器。
  4. 【請求項4】 前記第2の電極の導体は、前記第1の電
    極における前記分離部が設けられた面に対して実質的に
    水平となる第3及び第4の面を更に有し、 前記多層部は、前記第1、第2、第3及び第4の面の各
    々に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の
    高周波共振器。
  5. 【請求項5】 前記多層部の各層は単層膜であり、 前記多層部により形成される前記第1及び第2の面の各
    々の多層膜の深さは、前記第1の面と前記第2の面との
    間の長さの1/20以内であることを特徴とする請求項
    3又は4に記載の高周波共振器。
  6. 【請求項6】 前記分離部は平面状又は板状であり、 前記第1の電極は前記分離部の一方の面に設けられ、 前記第2の電極は、前記一方の面とは反対の位置にある
    前記分離部の他方の面に設けられていることを特徴とす
    る請求項3、4又は5に記載の高周波共振器。
  7. 【請求項7】 前記第2の電極は前記分離部の内部に位
    置することを特徴とする請求項3、4又は5に記載の高
    周波共振器。
  8. 【請求項8】 前記第1の電極は、平面状の誘電体層と
    平面状の導体層が交互に積層された電極であり、 前記平面状の誘電体層と平面状の導体層はそれぞれ複数
    あり、 接地される前記平面状の導体層以外の前記第1の電極の
    複数の導体層の各層の厚みは、前記高周波共振器を伝搬
    する電磁波の周波数で規定される導体の表皮深さの2倍
    より薄いことを特徴とする請求項6又は7に記載の高周
    波共振器。
  9. 【請求項9】 前記分離部は誘電率が40以上の誘電体
    であり、前記誘電体層の誘電率は前記分離部の誘電率よ
    りも小さいことを特徴とする請求項1から8のいずれか
    に記載の高周波共振器。
  10. 【請求項10】 前記第2の電極の各誘電体層の厚みは
    7μm以下であることを特徴とする請求項1から9のい
    ずれかに記載の高周波共振器。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の高周波共振器の作製
    方法であって、粒径が0.5μm以下の粉体を含むセラ
    ミックスラリーのシート化塗装で前記誘電体層を形成
    し、その誘電体層と前記導体層とを熱転写によって交互
    に積層し、その積層された誘電体層及び前記導体層を同
    時焼成することによって前記多層部を作製することを特
    徴とする高周波共振器の作製方法。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の高周波共振器の作製
    方法であって、粒径が1μm以下の粉体により構成され
    る導体ペーストを含む導体ペーストスラリーのシート化
    塗装で前記導体層を形成し、その導体層と前記誘電体層
    とを熱転写によって交互に積層し、その積層された導体
    層及び前記誘電体層を同時焼成することによって前記多
    層部を作製することを特徴とする高周波共振器の作製方
    法。
  13. 【請求項13】 前記誘電体層及び前記導体層の2種類
    のスラリーをキャリアフィルム上に、ダイで2カ所から
    同時に吐出さしめてシート化塗装を行い、それらのシー
    トを熱転写によってその2層構造単位で積層してゆく工
    程及び、それらを同時焼成することによって一体積層電
    極化させることを特徴とする請求項11又は12に記載
    の高周波共振器の作製方法。
  14. 【請求項14】 請求項4に記載の高周波共振器の作製
    方法であって、導体箔に対し、誘電体膜と導体膜を交互
    にコーティングしていくことによって前記多層部を構成
    することを特徴とする高周波共振器の作製方法。
  15. 【請求項15】 前記誘電体層をディップコーティン
    グ、前記導体層をメッキで作製することを特徴とする請
    求項14に記載の高周波共振器の作製方法。
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