JP3406786B2 - 誘電体磁器の製造方法 - Google Patents

誘電体磁器の製造方法

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、低温での焼成が可
能な誘電体磁器の製造方法に関するものであり、特に、
銅を配線とする高周波で用いられるマイクロ波、ミリ波
用の配線基板や、マイクロ波、ミリ波領域で用いられる
誘電体共振器、誘電体導波路、誘電体アンテナに用いら
れる誘電体磁器の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来技術】近年、高度情報化時代を迎え、情報伝送は
より高速化・高周波化が進行する傾向にある。自動車電
話やパーソナル無線等の移動無線、衛星放送、衛星通信
やCATV等のニューメディアでは、機器のコンパクト
化が推し進められており、これに伴い誘電体共振器等の
マイクロ波用回路素子に対しても小型化が強く望まれて
いる。 【0003】このようなマイクロ波用回路素子の大きさ
は、使用電磁波の波長が基準となる。比誘電率εrの誘
電体中を伝播する電磁波の波長λは、真空中の伝播波長
をλ0 とするとλ=λ0 /(εr)1/2 となる。したが
って、回路素子は、使用される回路用基板の誘電率が大
きい程、小型になる。 【0004】よって、上述した高誘電率化等の要求を満
足するため、例えば、特開平6−132621号公報に
示すように、樹脂中に無機誘電体粒子を分散したもの
や、特開平6−260035号公報に示されるように、
高誘電率フィラーとガラスとの複合材料からなるガラス
セラミック回路用基板等が提案されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−132621号公報に示された回路基板では、焼成
温度が400℃程度であり銅等を配線導体として用いて
の多層化、微細な配線化ができないという問題があっ
た。 【0006】また従来のガラスセラミック材料は、その
ほとんどが誘電率が10より低く、また誘電正接も10
GHzのマイクロ波領域においては20×10-4以上と
大きく、高周波用の機器の小型化のための高誘電率化、
低誘電正接化の点では充分に検討されていない。 【0007】従って、本発明は、800〜1000℃で
の焼成が可能であり、特に30GHz以上の高周波領域
において高い比誘電率と、低い誘電正接を有する誘電体
磁器の製造方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
を鋭意検討した結果、ZnTiO3 に対して、B2 3
を添加することにより、ZnTiO3 から生成するZn
を主とする液相とB(ホウ素)成分による液相反応が生
じ、800〜1000℃以下の温度で焼成でき、しかも
を焼成によって、結晶相として、少なくともZnとTi
を含むイルメナイト型結晶相を主体とする結晶相を析出
させることにより、高い比誘電率と低い誘電正接を得る
ことができることを知見し、本発明に至った。 【0009】 【0010】即ち、本発明の誘電体磁器の製造方法は
ZnTiO90〜99.9重量%と、 0.0
1〜10重量%からなる組成物を所定形状に成形した
後、非酸化性雰囲気中、800℃〜1000℃で焼成す
ることを特徴とする。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器の製造方法に
より得られた誘電体磁器は、ZnTiO90〜99.
99重量%と、B0.01〜10重量%とから構
成されるものである。ここで、組成を上記のように限定
したのは、B量が0.01重量%より少ないか、
言い換えれば、ZnTiOの量が99.99重量%よ
り多いと、800〜1000℃の温度で磁器が十分に緻
密化することができず、この組成物を用いて作製される
磁器特性において、磁器緻密化しないため誘電率が低
下し、また誘電正接は増大し、Bの量が10重量
%より多いか、言い換えればZnTiOの量が90重
量%より少ないと、700℃以下の低温で液相が流失し
磁器の形状を損ない製品形状を保てず、また磁器特性の
点から誘電率は15より低くなり、同時に、30〜60
GHzの高周波領域における誘電正接が15×10−4
以上と高くなる。上記組成物の望ましい範囲はZnTi
97〜99.9重量%、B0.1〜3重量%
である。 【0012】また、この誘電体磁器は、800〜100
0℃の温度範囲での焼成によって相対密度95%以上ま
で緻密化することができ、これによって形成される磁器
は、図1の磁器組織の概略図に示すように、主としてイ
ルメナイト型結晶相1を主体とする結晶相と、ZnとB
を含有する非晶質の粒界相2とから構成されている。イ
ルメナイト型結晶とは、FeTiOで代表される三方
格子に属する結晶構造を呈し、本発明の磁器では、前記
FeがZnに置き換わったものと推定される。磁器中の
結晶相としては、上記イルメナイト型結晶相以外に、T
iO結晶相(ルチル、アナターゼ)3やスピネル型結
晶相(例えば、ZnTiO)4等の副結晶相が析出
してもよい。 【0013】このように本発明によれば、磁器中に、少
なくともZnとTiを含むイルメナイト型結晶相を主体
とする結晶相を析出させることにより比誘電率を15〜
30の間で調整でき、低い誘電正接を得ることができる
のである。 【0014】また、上記磁器を製造する方法としては、
出発原料として、B2 3 、ZnTiO3 を前述した組
成を満足するように混合する。出発原料としては、各金
属の酸化物粉末のほかに、焼結過程で酸化物を形成し得
る炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩等の形態で添加できる。な
お、調合組成において、B2 3 、ZnTiO3 の酸化
物原料粉末は分散性を高め高い誘電率や低い誘電正接を
得るために2.0μm以下、特に1.0μm以下の微粉
末であることが望ましい。 【0015】上記のような割合で添加混合した混合粉末
に適宜バインダ−を添加した後、例えば、金型プレス、
冷間静水圧プレス、押し出し成形、ドクターブレード
法、圧延法等により任意の形状に成形後、N2 、Ar等
の非酸化性雰囲気中において800℃〜1000℃、特
に900〜1000℃の温度で0.1〜5時間焼成する
ことにより相対密度95%以上に緻密化することができ
る。この時の焼成温度が800℃より低いと、磁器が十
分に緻密化せず、1000℃を越えると緻密化は可能で
あるが、銅導体を用いることが出来なくなるためであ
る。 【0016】本発明の上記方法によれば、ZnTiO3
とB2 3 を組み合わせることにより、ZnTiO3
ら生成するZnを主とする液相とB(ホウ素)成分のよ
り活性な液相反応が生じる結果、10重量%以下のB2
3 量で磁器を緻密化することができる。そのために、
誘電正接を増大させる要因となる粒界の非晶質相の量を
最小限に押さえることができる。このため高周波領域に
おいてより低い誘電正接を得ることができるのである。 【0017】本発明の誘電体磁器の製造方法により得ら
れた誘電体磁器は、800〜1000℃で焼成可能であ
ることから、特に金、銀、銅などを配線する配線基板の
絶縁基板として用いることができる。かかる磁器組成物
を用いて配線基板を作製する場合には、例えば、上記の
ようにして調合した混合粉末を公知のテープ成形法、例
えばドクターブレード法、圧延法等に従い、絶縁層形成
用のグリーンシートを作製した後、そのシートの表面に
配線回路層用として、金、銀および銅のうちの少なくと
も1種の金属、特に、銅粉末を含む導体ペーストを用い
て、グリーンシート表面に配線パターンにスクリーン印
刷法、グラビア印刷法等によって回路パターン状に印刷
し、場合によってはシートにスルーホールやビアホール
形成後、上記導体ペーストを充填する。 【0018】その後、複数のグリーンシートを積層圧着
した後、上述した条件で焼成することにより、配線層と
絶縁層とを同時に焼成することができる。 【0019】以下、本発明を次の例で説明する。 【0020】 【実施例】 実施例1 平均粒径が1μm以下のB2 3 、平均粒径が1μm以
下のZnTiO3 を表1の組成に従い混合した。そし
て、この混合物に有機バインダー、可塑剤、トルエンを
添加し、ドクターブレード法により厚さ300μmのグ
リーンシートを作製した。そして、このグリーンシート
を5枚積層し、50℃の温度で100kg/cm2 の圧
力を加えて熱圧着した。得られた積層体を水蒸気含有/
窒素雰囲気中で、700℃で脱バインダーした後、乾燥
窒素中で表1の条件において焼成して多層基板用磁器を
得た。 【0021】得られた焼結体について誘電率、誘電正接
を以下の方法で評価した。測定は、形状直径1〜5m
m、厚み2〜3mmの試料を切り出し、60GHzにて
ネットワークアナライザー、シンセサイズドスイーパー
を用いて誘電体円柱共振器法により行った。測定では、
NRDガイド(非放射性誘電体線路)で、誘電体共振器
の励起を行い、TE021,TE031モードの共振特
性より誘電率、誘電正接を算出した。測定の結果は表1
に示した。また、X線回折測定から、磁器の構成相を同
定し、試料No.3についてX線回折チャートを図2に示
した。 【0022】また、比較例として、ZnTiO3 に代わ
り、SrTiO3 、CaTiO3 を用いて同様に焼結体
を作製し評価した(試料No.15、16)。 【0023】 【表1】 【0024】表1の結果から明らかなように、結晶相と
して、イルメナイト型結晶相(ZnTiO3 )結晶相が
主として析出した本発明の磁器は、いずれも誘電率が1
5〜30、60GHzでの誘電正接が15×10-4以下
の優れた値を示した。 【0025】これに対して、B2 3 量が0.01重量
%未満である試料No.1では、焼成温度を1300℃ま
で高めないと緻密化することができず、本発明の目的に
適さないものであった。一方、B2 3 量が10重量%
を越える試料No.14は液相量が多いため焼成温度も低
く、誘電率が11と低く、また誘電正接が10GHzで
30×10-4と高くなった。 【0026】なお、本発明品の磁器のガラスに対して、
X線マイクロアナライザーによって分析した結果、いず
れもガラス相中からZnおよびB元素が検出された。 【0027】また、比較例として、SrTiO3 やCa
TiO3 を用いた試料No.15、16では、誘電正接が
高く60GHzでは測定不可能であった。 【0028】実施例2 上記実施例1中のNo.4の磁器を用いて、直径1〜30
mm、厚み2〜15mmの円柱サンプルa)を作製した
(図中、)。また比較として汎用品のコージェライト
系ガラスセラミックス(硼珪酸ガラス75重量%、Al
2 3 25重量%)(図中、)、汎用の低純度アルミ
ナ(Al2 3 95重量%、CaO、MgO5重量%)
(図中、)を用い同様にしてサンプルを作製した。作
製したサンプルを1GHz、10GHz、20G
Hz、30GHz、60GHzの高周波、マイクロ波、
ミリ波領域において、誘電体円柱共振器法により誘電率
と誘電正接を測定した。結果を図3、4にそれぞれ示し
た。汎用品のコージェライト系ガラスセラミックスは
誘電率が5とかなり低く、汎用の低純度アルミナは誘
電率は9と低いことがわかる。これに対して、本発明品
は誘電率が29と高い値であった。汎用品のガラスセ
ラミックスは低周波領域において誘電正接は7×10
-4と低いが、高周波領域になるに従い特性が劣化してし
まい20GHz以上では20×10-4以上になってしま
う。また、汎用の低純度アルミナは60GHzで40
×10-4と高くなった。一方、本発明品は、60GH
zでの高周波領域においても誘電正接は15×10-4
下と低いものであった。 【0029】 【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の誘電体磁器
の製造方法によれば、誘電体磁器が800〜1000℃
の温度で緻密化できることから、金、銀、銅などの配線
と同時に焼成することができる。しかも、上記組成物を
焼成して得られる磁器は、30GHz以上の高周波帯に
おいて高い誘電率と低い誘電正接を示すために、マイク
ロ波、ミリ波用回路素子等において小型化が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の誘電体磁器の組織の概略図である。 【図2】本発明の誘電体磁器(試料No.3)のX線回折
チャート図である。 【図3】本発明品および従来品の誘電率の測定周波数と
の関係を示した図である。 【図4】本発明品および従来品の誘電正接の測定周波数
との関係を示した図である。 【符号の説明】 1 イルメナイト型結晶相結晶相 2 非晶質相 3 TiO2 相 4 Zn2 TiO4

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】ZnTiO90〜99.99重量%と、
    0.01〜10重量%とからなる組成物を所定
    形状に成形後、非酸化性雰囲気中、800℃〜1000
    ℃で焼成することを特徴とする誘電体磁器の製造方法。
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