JPH09199373A - 薄膜コンデンサ - Google Patents
薄膜コンデンサInfo
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- JPH09199373A JPH09199373A JP2608796A JP2608796A JPH09199373A JP H09199373 A JPH09199373 A JP H09199373A JP 2608796 A JP2608796 A JP 2608796A JP 2608796 A JP2608796 A JP 2608796A JP H09199373 A JPH09199373 A JP H09199373A
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- dielectric
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 誘電体薄膜にかかる電界強度を緩和してリー
ク電流を抑え、破壊電圧を高める。 【解決手段】 基板1上に配設された下部電極2上に誘
電体薄膜3を配設し、さらに誘電体薄膜3上に上部電極
4を配設してなる、エアブリッジ構造を有する薄膜コン
デンサにおいて、上記誘電体薄膜3上に、その平面形状
に対応するように上部電極4を配設して、誘電体薄膜3
と上部電極4との間に段部が形成されないようにすると
ともに、少なくとも、上部電極4のエッジ部4e近傍
の、誘電体薄膜3及び上部電極4の露出面を、誘電体薄
膜3を構成する誘電体よりも破壊電圧の高い材料(保護
膜)5で覆う。
ク電流を抑え、破壊電圧を高める。 【解決手段】 基板1上に配設された下部電極2上に誘
電体薄膜3を配設し、さらに誘電体薄膜3上に上部電極
4を配設してなる、エアブリッジ構造を有する薄膜コン
デンサにおいて、上記誘電体薄膜3上に、その平面形状
に対応するように上部電極4を配設して、誘電体薄膜3
と上部電極4との間に段部が形成されないようにすると
ともに、少なくとも、上部電極4のエッジ部4e近傍
の、誘電体薄膜3及び上部電極4の露出面を、誘電体薄
膜3を構成する誘電体よりも破壊電圧の高い材料(保護
膜)5で覆う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサに関
し、詳しくは、基板上に形成された下部電極上に誘電体
薄膜を形成し、さらにその上に上部電極を形成してな
る、モノリシックICやハイブリッドICなどに用いら
れる薄膜コンデンサに関する。
し、詳しくは、基板上に形成された下部電極上に誘電体
薄膜を形成し、さらにその上に上部電極を形成してな
る、モノリシックICやハイブリッドICなどに用いら
れる薄膜コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】誘電体薄膜を用いた薄膜コンデンサは、
モノリシックICやハイブリッドICなどに広く用いら
れている。そして、この薄膜コンデンサの容量を上げる
方法として、次のような方法が一般に知られている。 誘電体薄膜の誘電率を上げる。 MIMキャパシタ面積を大きくする。 誘電体薄膜の膜厚を薄くする。 ところで、上記の方法は素子の面積の増大を招くこと
になるためコスト的に不利であり、また、上記の方法
はリーク電流の増加及び耐圧の劣化を招くという問題点
がある。
モノリシックICやハイブリッドICなどに広く用いら
れている。そして、この薄膜コンデンサの容量を上げる
方法として、次のような方法が一般に知られている。 誘電体薄膜の誘電率を上げる。 MIMキャパシタ面積を大きくする。 誘電体薄膜の膜厚を薄くする。 ところで、上記の方法は素子の面積の増大を招くこと
になるためコスト的に不利であり、また、上記の方法
はリーク電流の増加及び耐圧の劣化を招くという問題点
がある。
【0003】そこで、上記の誘電体薄膜の誘電率を上
げる方法が着目され、種々の技術が開発されている。そ
して、酸化シリコンや窒化シリコンなどの従来から広く
用いられてきた誘電体薄膜以外に、チタン酸ストロンチ
ウムやチタン酸ストロンチウムバリウムなどの高誘電率
材料を採用することが検討されるに至っている。
げる方法が着目され、種々の技術が開発されている。そ
して、酸化シリコンや窒化シリコンなどの従来から広く
用いられてきた誘電体薄膜以外に、チタン酸ストロンチ
ウムやチタン酸ストロンチウムバリウムなどの高誘電率
材料を採用することが検討されるに至っている。
【0004】ところで、チタン酸ストロンチウムやチタ
ン酸ストロンチウムバリウムなどの高誘電率材料を用い
た薄膜コンデンサとしては、例えば、図5に示すような
構造のものが一般的に用いられている。すなわち、この
薄膜コンデンサは、基板21上に配設された下部電極2
2上にチタン酸ストロンチウムやチタン酸ストロンチウ
ムバリウムなどの高誘電率材料からなる誘電体薄膜23
を配設し、さらに誘電体薄膜23上に上部電極24を配
設することにより形成されている。しかし、この構造の
薄膜コンデンサにおいては、上部電極24の引出し部分
24aと下部電極22のエッジ部22eとの間の部分3
0でリーク電流が発生しやすく、破壊電圧も低いという
問題点がある。
ン酸ストロンチウムバリウムなどの高誘電率材料を用い
た薄膜コンデンサとしては、例えば、図5に示すような
構造のものが一般的に用いられている。すなわち、この
薄膜コンデンサは、基板21上に配設された下部電極2
2上にチタン酸ストロンチウムやチタン酸ストロンチウ
ムバリウムなどの高誘電率材料からなる誘電体薄膜23
を配設し、さらに誘電体薄膜23上に上部電極24を配
設することにより形成されている。しかし、この構造の
薄膜コンデンサにおいては、上部電極24の引出し部分
24aと下部電極22のエッジ部22eとの間の部分3
0でリーク電流が発生しやすく、破壊電圧も低いという
問題点がある。
【0005】そこで、このリーク電流を抑え、破壊電圧
を上げる目的で、図6に示すように上部電極24の引出
し部分(引出し電極部)24aをエアブリッジ構造と
し、かつ、下部電極22、誘電体薄膜23及び上部電極
24などの露出部分を保護膜25で被覆するようにした
薄膜コンデンサが提案、実施されている。この薄膜コン
デンサにおいては、上部電極24がエアブリッジのポス
ト部24p及びブリッジ部24bを経て所定の位置まで
引き出されるように構成されている。なお、図6におい
て図5と同一符号を付した部分は、図5と同一の部分を
示している。
を上げる目的で、図6に示すように上部電極24の引出
し部分(引出し電極部)24aをエアブリッジ構造と
し、かつ、下部電極22、誘電体薄膜23及び上部電極
24などの露出部分を保護膜25で被覆するようにした
薄膜コンデンサが提案、実施されている。この薄膜コン
デンサにおいては、上部電極24がエアブリッジのポス
ト部24p及びブリッジ部24bを経て所定の位置まで
引き出されるように構成されている。なお、図6におい
て図5と同一符号を付した部分は、図5と同一の部分を
示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図6に示すよ
うなエアブリッジを用いた薄膜コンデンサにおいても、
リーク電流の低減や高耐圧化は、必ずしも十分に達成さ
れていないのが実情である。
うなエアブリッジを用いた薄膜コンデンサにおいても、
リーク電流の低減や高耐圧化は、必ずしも十分に達成さ
れていないのが実情である。
【0007】この薄膜コンデンサの電流のリーク及び電
圧破壊の機構を解析するために、誘電体薄膜周辺の構造
を模式的に示す図7をモデルにして、有限要素法で誘電
体薄膜の電位を計算すると、図8に示すようになる。な
お、計算条件は、次の通りである。 誘電体薄膜の膜厚 :100nm 誘電体薄膜の比誘電率εr:200 保護膜の比誘電率εr :7 印加電圧 :10V
圧破壊の機構を解析するために、誘電体薄膜周辺の構造
を模式的に示す図7をモデルにして、有限要素法で誘電
体薄膜の電位を計算すると、図8に示すようになる。な
お、計算条件は、次の通りである。 誘電体薄膜の膜厚 :100nm 誘電体薄膜の比誘電率εr:200 保護膜の比誘電率εr :7 印加電圧 :10V
【0008】なお、図8では上部電極24のエッジ部2
4e周辺を拡大して示している。図8からわかるように
上部電極24のエッジ部24e付近などで電位線Aが密
集しており、強い電場が発生していることがわかる(電
位線Aの間隔は66.7kVである)。例えば、誘電体
薄膜23にかかる電界強度(エッジ部周辺を除く)が1
MV/cmのときに、上部電極24のエッジ部24e付
近において誘電体薄膜23にかかる電界強度はおよそ3
MV/cm程度になる。なお、このような構造の薄膜コ
ンデンサに対して高い電圧をかけると、上部電極24の
エッジ部24e付近で誘電体薄膜23の溶断が発生す
る。これは誘電体薄膜23の、上部電極24のエッジ部
24eに近い部分において高電界が発生し、誘電体薄膜
23が耐えきれずに電流が流れ出すことによるものであ
る。
4e周辺を拡大して示している。図8からわかるように
上部電極24のエッジ部24e付近などで電位線Aが密
集しており、強い電場が発生していることがわかる(電
位線Aの間隔は66.7kVである)。例えば、誘電体
薄膜23にかかる電界強度(エッジ部周辺を除く)が1
MV/cmのときに、上部電極24のエッジ部24e付
近において誘電体薄膜23にかかる電界強度はおよそ3
MV/cm程度になる。なお、このような構造の薄膜コ
ンデンサに対して高い電圧をかけると、上部電極24の
エッジ部24e付近で誘電体薄膜23の溶断が発生す
る。これは誘電体薄膜23の、上部電極24のエッジ部
24eに近い部分において高電界が発生し、誘電体薄膜
23が耐えきれずに電流が流れ出すことによるものであ
る。
【0009】このように、単にエアブリッジ構造とした
だけでは、十分にリーク電流を抑え、かつ、破壊電圧を
大きくすることはできず、誘電体薄膜の有する特性を生
かしきれない(誘電率の大きさに見合うだけ容量密度を
高くすることができない)のが実情である。
だけでは、十分にリーク電流を抑え、かつ、破壊電圧を
大きくすることはできず、誘電体薄膜の有する特性を生
かしきれない(誘電率の大きさに見合うだけ容量密度を
高くすることができない)のが実情である。
【0010】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、誘電体薄膜にかかる電界強度を緩和してリーク電流
を抑え、破壊電圧を高めることが可能な薄膜コンデンサ
を提供することを目的とする。
り、誘電体薄膜にかかる電界強度を緩和してリーク電流
を抑え、破壊電圧を高めることが可能な薄膜コンデンサ
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の薄膜コンデンサは、基板上に配設された下
部電極と、前記下部電極上に配設された誘電体薄膜と、
前記誘電体薄膜上に配設された、引出し部分がエアブリ
ッジ構造を有する上部電極とを備えてなる薄膜コンデン
サにおいて、前記誘電体薄膜と前記上部電極との間に段
部が形成されないように、前記誘電体膜上に、その平面
形状に対応するように前記上部電極を配設し、かつ、少
なくとも、上部電極のエッジ部近傍の、前記誘電体薄膜
及び前記上部電極の露出面を、前記誘電体薄膜を構成す
る誘電体よりも破壊電圧の高い材料で覆ったことを特徴
としている。
に、本発明の薄膜コンデンサは、基板上に配設された下
部電極と、前記下部電極上に配設された誘電体薄膜と、
前記誘電体薄膜上に配設された、引出し部分がエアブリ
ッジ構造を有する上部電極とを備えてなる薄膜コンデン
サにおいて、前記誘電体薄膜と前記上部電極との間に段
部が形成されないように、前記誘電体膜上に、その平面
形状に対応するように前記上部電極を配設し、かつ、少
なくとも、上部電極のエッジ部近傍の、前記誘電体薄膜
及び前記上部電極の露出面を、前記誘電体薄膜を構成す
る誘電体よりも破壊電圧の高い材料で覆ったことを特徴
としている。
【0012】また、前記上部電極のエッジ部近傍の、前
記誘電体薄膜及び前記上部電極の露出面を覆う、前記誘
電体薄膜を構成する誘電体よりも破壊電圧の高い材料が
空気であることを特徴としている。
記誘電体薄膜及び前記上部電極の露出面を覆う、前記誘
電体薄膜を構成する誘電体よりも破壊電圧の高い材料が
空気であることを特徴としている。
【0013】本発明の薄膜コンデンサにおいては、誘電
体膜上に、その平面形状に対応するように上部電極を配
設するとともに、少なくとも、上部電極のエッジ部近傍
の、誘電体薄膜及び上部電極の露出面を、誘電体薄膜を
構成する誘電体よりも破壊電圧の高い材料で覆うように
しているので、誘電体薄膜と上部電極との間に段部が形
成されなくなり、誘電体薄膜にかかる電界強度が緩和さ
れるとともに、電界が集中する部分が、より破壊電圧の
高い材料により覆われるため、リーク電流を抑制して、
破壊電圧を高くすることが可能になる。
体膜上に、その平面形状に対応するように上部電極を配
設するとともに、少なくとも、上部電極のエッジ部近傍
の、誘電体薄膜及び上部電極の露出面を、誘電体薄膜を
構成する誘電体よりも破壊電圧の高い材料で覆うように
しているので、誘電体薄膜と上部電極との間に段部が形
成されなくなり、誘電体薄膜にかかる電界強度が緩和さ
れるとともに、電界が集中する部分が、より破壊電圧の
高い材料により覆われるため、リーク電流を抑制して、
破壊電圧を高くすることが可能になる。
【0014】したがって、破壊電圧が従来と同じ程度で
よい場合には、誘電体薄膜の膜厚を薄くして単位面積当
たりの容量を増加させることが可能になり、素子面積を
減少させてコストを低減させることが可能になる。な
お、誘電体薄膜及び上部電極の露出面を、誘電体薄膜を
構成する誘電体よりも破壊電圧の高い材料で覆う場合の
態様としては、例えば、窒化シリコンなどからなる保護
膜を露出面に形成する方法などが例示される。
よい場合には、誘電体薄膜の膜厚を薄くして単位面積当
たりの容量を増加させることが可能になり、素子面積を
減少させてコストを低減させることが可能になる。な
お、誘電体薄膜及び上部電極の露出面を、誘電体薄膜を
構成する誘電体よりも破壊電圧の高い材料で覆う場合の
態様としては、例えば、窒化シリコンなどからなる保護
膜を露出面に形成する方法などが例示される。
【0015】また、空気は、その破壊電界が1MV/c
m程度であるため、誘電体薄膜として、破壊電圧値が1
MV/cm以下のものを用いた場合には、上部電極のエ
ッジ部近傍の、誘電体薄膜及び上部電極の露出面を覆う
ように空気を存在させる(空気層を設ける)ことによっ
ても、破壊電圧を高くする効果が得られる場合がある。
この場合、事実上、露出面を覆うための保護膜などを設
ける必要がなくなり有利である。
m程度であるため、誘電体薄膜として、破壊電圧値が1
MV/cm以下のものを用いた場合には、上部電極のエ
ッジ部近傍の、誘電体薄膜及び上部電極の露出面を覆う
ように空気を存在させる(空気層を設ける)ことによっ
ても、破壊電圧を高くする効果が得られる場合がある。
この場合、事実上、露出面を覆うための保護膜などを設
ける必要がなくなり有利である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
1,図2及び図3に基づいて説明する。
1,図2及び図3に基づいて説明する。
【0017】図1は本発明の実施の形態にかかる薄膜コ
ンデンサを示す断面図であり、図2はその要部を模式的
に示すモデルである。
ンデンサを示す断面図であり、図2はその要部を模式的
に示すモデルである。
【0018】この薄膜コンデンサは、図1に示すよう
に、基板1上に配設された下部電極2上にチタン酸スト
ロンチウムやチタン酸ストロンチウムバリウムなどの高
誘電率材料からなる誘電体薄膜3を配設し、さらに誘電
体薄膜3上に、誘電体薄膜3との間に段部が形成されな
いように、誘電体薄膜3の平面形状に対応するように上
部電極4を配設するとともに、下部電極2、誘電体薄膜
3及び上部電極4のそれぞれの接合部を含む外周面を、
誘電体薄膜3を構成する誘電体(チタン酸ストロンチウ
ムなど)よりも破壊電圧の高い材料からなる保護膜(窒
化シリコン膜など)5で被覆することにより形成されて
いる。
に、基板1上に配設された下部電極2上にチタン酸スト
ロンチウムやチタン酸ストロンチウムバリウムなどの高
誘電率材料からなる誘電体薄膜3を配設し、さらに誘電
体薄膜3上に、誘電体薄膜3との間に段部が形成されな
いように、誘電体薄膜3の平面形状に対応するように上
部電極4を配設するとともに、下部電極2、誘電体薄膜
3及び上部電極4のそれぞれの接合部を含む外周面を、
誘電体薄膜3を構成する誘電体(チタン酸ストロンチウ
ムなど)よりも破壊電圧の高い材料からなる保護膜(窒
化シリコン膜など)5で被覆することにより形成されて
いる。
【0019】この薄膜コンデンサの電流のリーク及び電
圧破壊の機構を解析するために、誘電体薄膜周辺の構造
を模式的に示す図2をモデルにして、有限要素法で誘電
体薄膜の電位を計算してみると、図3に示すようにな
る。なお、計算条件は、次の通りである(前述の従来例
の場合と同じ)。 誘電体薄膜の膜厚 :100nm 誘電体薄膜の比誘電率εr:200 保護膜の比誘電率εr :7 印加電圧 :10V
圧破壊の機構を解析するために、誘電体薄膜周辺の構造
を模式的に示す図2をモデルにして、有限要素法で誘電
体薄膜の電位を計算してみると、図3に示すようにな
る。なお、計算条件は、次の通りである(前述の従来例
の場合と同じ)。 誘電体薄膜の膜厚 :100nm 誘電体薄膜の比誘電率εr:200 保護膜の比誘電率εr :7 印加電圧 :10V
【0020】図3より、誘電体薄膜3中では、電位線A
の特定の部分への極端な集中はなく、電界強度がほぼ均
一になっていることがわかる(電位線Aの間隔は66.
7kVである)。したがって、従来の薄膜コンデンサの
場合(図8参照)よりも誘電体薄膜3の破壊電圧が高く
なる。
の特定の部分への極端な集中はなく、電界強度がほぼ均
一になっていることがわかる(電位線Aの間隔は66.
7kVである)。したがって、従来の薄膜コンデンサの
場合(図8参照)よりも誘電体薄膜3の破壊電圧が高く
なる。
【0021】なお、上記の薄膜コンデンサにおいては、
電界の集中する部分に、酸化シリコン、窒化シリコンな
どの破壊電圧が高い材料からなる保護膜5を設けるよう
にしているので、特に効果的に破壊電圧を向上させるこ
とができる。また、破壊電圧値が、空気の破壊電界であ
る1MV/cm以下のものを用いた場合には、電界の集
中する部分に空気を存在させる(空気層を設ける)だけ
で、特に保護膜を設けないようにすることも可能であ
る。
電界の集中する部分に、酸化シリコン、窒化シリコンな
どの破壊電圧が高い材料からなる保護膜5を設けるよう
にしているので、特に効果的に破壊電圧を向上させるこ
とができる。また、破壊電圧値が、空気の破壊電界であ
る1MV/cm以下のものを用いた場合には、電界の集
中する部分に空気を存在させる(空気層を設ける)だけ
で、特に保護膜を設けないようにすることも可能であ
る。
【0022】
【実施例】以下、GaAsモノリシックICに用いられ
る薄膜コンデンサの製造方法と、得られた薄膜コンデン
サの特性を示して、本発明をさらに詳しく説明する。
る薄膜コンデンサの製造方法と、得られた薄膜コンデン
サの特性を示して、本発明をさらに詳しく説明する。
【0023】[製造方法] 図4(a)に示すように、表面に絶縁膜(酸化シリコ
ン、窒化シリコンなど)(図示せず)が形成されたGa
As基板1上に、下部電極(例えば、Pt(100n
m)/Ti(50nm)の複合薄膜電極)2を設ける。
なお、下部電極2のパターニングには例えばリフトオフ
プロセスを用いることが可能である。なお、この場合、
電極表面は、ヒロックや結晶粒による凹凸を抑え、でき
るだけ平滑にすることが望ましい。 続いて、図4(b)に示すように、下部電極2上に、例
えば、RFスパッタリング法により、比誘電率が200
の酸化タンタルを100nmの膜厚となるように成膜し
て、誘電体薄膜3を形成する。なお、誘電体薄膜3の構
成材料としては、酸化タンタルの他にもチタン酸ストロ
ンチウム、チタン酸ストロンチウムバリウムなどの種々
の材料を用いることが可能である。また、誘電体薄膜3
の成膜方法としては、RFスッパタリング法の他にも、
MOCVD法、レーザーアブレーション法などの種々の
方法を用いることが可能である。 それから、図4(c)に示すように、誘電体薄膜3上
に、リフトオフプロセスにより、上部電極(例えばAu
(200nm)/Ti(50nm)複合薄膜電極)4を
パターニングした後、上部電極4をマスクとして機能さ
せ、反応性イオンエッチング(RIE)、イオンミリン
グなどの方法により誘電体薄膜3をエッチングして、そ
の不要部分3aを除去する(図4(d))。なお、上述の
ようにリフトオフプロセスを用いて上部電極4を形成す
ることをせずに、上部電極用の電極膜(図示せず)を形
成してこれをエッチングすることにより上部電極4を形
成し、そのまま続けて誘電体薄膜3をエッチングするよ
うに構成してもよい。 次いで、図4(e)に示すように、上部電極4上にエア
ブリッジのポスト部4p(図4(g))を形成するため
に、レジスト6をパターニングする。 そして、図4(f)に示すように、メッキのための導電
層(例えばAu(100nm)/Ti(500nm))
7をスパッタリング法などの方法により成膜した後、ブ
リッジ部4b(図4(g))を形成するために、レジスト
8をパターニングする。 それから、Auの電界メッキを施すことにより、図4
(g)に示すように、エアブリッジのポスト部4p及びブ
リッジ部4bを形成する。そして、レジスト6(図4
(e))、レジスト8(図4(f))及び不要な導電層7を
除去した後、保護膜5として窒化シリコン膜をCVD法
により成膜し、パターニングを施すことにより、本発明
の一実施の形態にかかる薄膜コンデンサを得る。
ン、窒化シリコンなど)(図示せず)が形成されたGa
As基板1上に、下部電極(例えば、Pt(100n
m)/Ti(50nm)の複合薄膜電極)2を設ける。
なお、下部電極2のパターニングには例えばリフトオフ
プロセスを用いることが可能である。なお、この場合、
電極表面は、ヒロックや結晶粒による凹凸を抑え、でき
るだけ平滑にすることが望ましい。 続いて、図4(b)に示すように、下部電極2上に、例
えば、RFスパッタリング法により、比誘電率が200
の酸化タンタルを100nmの膜厚となるように成膜し
て、誘電体薄膜3を形成する。なお、誘電体薄膜3の構
成材料としては、酸化タンタルの他にもチタン酸ストロ
ンチウム、チタン酸ストロンチウムバリウムなどの種々
の材料を用いることが可能である。また、誘電体薄膜3
の成膜方法としては、RFスッパタリング法の他にも、
MOCVD法、レーザーアブレーション法などの種々の
方法を用いることが可能である。 それから、図4(c)に示すように、誘電体薄膜3上
に、リフトオフプロセスにより、上部電極(例えばAu
(200nm)/Ti(50nm)複合薄膜電極)4を
パターニングした後、上部電極4をマスクとして機能さ
せ、反応性イオンエッチング(RIE)、イオンミリン
グなどの方法により誘電体薄膜3をエッチングして、そ
の不要部分3aを除去する(図4(d))。なお、上述の
ようにリフトオフプロセスを用いて上部電極4を形成す
ることをせずに、上部電極用の電極膜(図示せず)を形
成してこれをエッチングすることにより上部電極4を形
成し、そのまま続けて誘電体薄膜3をエッチングするよ
うに構成してもよい。 次いで、図4(e)に示すように、上部電極4上にエア
ブリッジのポスト部4p(図4(g))を形成するため
に、レジスト6をパターニングする。 そして、図4(f)に示すように、メッキのための導電
層(例えばAu(100nm)/Ti(500nm))
7をスパッタリング法などの方法により成膜した後、ブ
リッジ部4b(図4(g))を形成するために、レジスト
8をパターニングする。 それから、Auの電界メッキを施すことにより、図4
(g)に示すように、エアブリッジのポスト部4p及びブ
リッジ部4bを形成する。そして、レジスト6(図4
(e))、レジスト8(図4(f))及び不要な導電層7を
除去した後、保護膜5として窒化シリコン膜をCVD法
により成膜し、パターニングを施すことにより、本発明
の一実施の形態にかかる薄膜コンデンサを得る。
【0024】上記の方法により作製した薄膜コンデンサ
においては、図3に示すように、誘電体薄膜3にかかる
電界強度はどの場所においてもほぼ均一(例えば、この
実施例では1MV/cm)となり、薄膜コンデンサとし
ての耐圧を向上させることができる。
においては、図3に示すように、誘電体薄膜3にかかる
電界強度はどの場所においてもほぼ均一(例えば、この
実施例では1MV/cm)となり、薄膜コンデンサとし
ての耐圧を向上させることができる。
【0025】なお、前述の従来例の場合には、誘電体薄
膜23にかかる電界強度(エッジ部周辺を除く)が1M
V/cmのときに、上部電極24のエッジ部24e周辺
において誘電体薄膜23にかかる電界強度はおよそ3M
V/cm程度になるので、本発明によれば、耐電圧を従
来より3倍程度向上させることが可能になる。
膜23にかかる電界強度(エッジ部周辺を除く)が1M
V/cmのときに、上部電極24のエッジ部24e周辺
において誘電体薄膜23にかかる電界強度はおよそ3M
V/cm程度になるので、本発明によれば、耐電圧を従
来より3倍程度向上させることが可能になる。
【0026】なお、この実施例の薄膜コンデンサにおい
ては、保護膜5である窒化シリコンにかかる電界強度は
上部電極4のエッジ部4eの周辺で1.7MV/cm程
度であるが、破壊電界が5MV/cm程度の窒化シリコ
ン膜を形成することは可能であり、特に問題はない。
ては、保護膜5である窒化シリコンにかかる電界強度は
上部電極4のエッジ部4eの周辺で1.7MV/cm程
度であるが、破壊電界が5MV/cm程度の窒化シリコ
ン膜を形成することは可能であり、特に問題はない。
【0027】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、基板の構造や材質、下部電極、上部電
極、誘電体薄膜及び保護膜の厚みや具体的な形状、構成
材料の種類、あるいはそれらの形成方法、さらには、エ
アブリッジ構造の形成方法などに関し、発明の要旨の範
囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能で
ある。
ものではなく、基板の構造や材質、下部電極、上部電
極、誘電体薄膜及び保護膜の厚みや具体的な形状、構成
材料の種類、あるいはそれらの形成方法、さらには、エ
アブリッジ構造の形成方法などに関し、発明の要旨の範
囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能で
ある。
【0028】
【発明の効果】上述のように、本発明の薄膜コンデンサ
においては、誘電体薄膜と上部電極との間に段部が形成
されないように、誘電体膜上に、その平面形状に対応す
るように上部電極を配設するとともに、少なくとも、上
部電極のエッジ部近傍の、誘電体薄膜及び上部電極の露
出面を、誘電体薄膜を構成する誘電体よりも破壊電圧の
高い材料で覆うようにしているので、複雑な製造工程を
必要とせず、コストの増加を招いたりすることなしに、
リーク電流の低減及び高耐圧化を実現するとともに、
単位面積当たりの容量を増加させることが可能にな
る。
においては、誘電体薄膜と上部電極との間に段部が形成
されないように、誘電体膜上に、その平面形状に対応す
るように上部電極を配設するとともに、少なくとも、上
部電極のエッジ部近傍の、誘電体薄膜及び上部電極の露
出面を、誘電体薄膜を構成する誘電体よりも破壊電圧の
高い材料で覆うようにしているので、複雑な製造工程を
必要とせず、コストの増加を招いたりすることなしに、
リーク電流の低減及び高耐圧化を実現するとともに、
単位面積当たりの容量を増加させることが可能にな
る。
【0029】そして、上記の効果が得られることか
ら、パワーを要する回路への適用が可能になり、また、
上記の効果が得られることから、チップ面積の縮小に
よるコストの低減を実現することが可能になる。
ら、パワーを要する回路への適用が可能になり、また、
上記の効果が得られることから、チップ面積の縮小に
よるコストの低減を実現することが可能になる。
【図1】本発明の一実施の形態にかかる薄膜コンデンサ
の構造を示す断面図である。
の構造を示す断面図である。
【図2】図1の薄膜コンデンサの要部を模式的に示した
モデルである。
モデルである。
【図3】図2のモデルから、有限要素法により求めた誘
電体薄膜の電位を示す図である。
電体薄膜の電位を示す図である。
【図4】(a)〜(g)は、本発明の一実施例にかかる薄膜
コンデンサの製造方法の各工程を示す図である。
コンデンサの製造方法の各工程を示す図である。
【図5】従来の薄膜コンデンサを示す図である。
【図6】従来のエアブリッジ構造を有する薄膜コンデン
サを示す図である。
サを示す図である。
【図7】図6の薄膜コンデンサの要部を模式的に示した
モデルである。
モデルである。
【図8】図7のモデルから、有限要素法により求めた誘
電体薄膜の電位を示す図である。
電体薄膜の電位を示す図である。
1 基板 2 下部電極 3 誘電体薄膜 4 上部電極 4e 上部電極のエッジ部 4b エアブリッジのブリッジ部 4p エアブリッジのポスト部 5 保護膜 6 レジスト 7 導電層 8 レジスト
Claims (2)
- 【請求項1】 基板上に配設された下部電極と、 前記下部電極上に配設された誘電体薄膜と、 前記誘電体薄膜上に配設された、引出し部分がエアブリ
ッジ構造を有する上部電極とを備えてなる薄膜コンデン
サにおいて、 前記誘電体薄膜と前記上部電極との間に段部が形成され
ないように、前記誘電体膜上に、その平面形状に対応す
るように前記上部電極を配設し、かつ、 少なくとも、上部電極のエッジ部近傍の、前記誘電体薄
膜及び前記上部電極の露出面を、前記誘電体薄膜を構成
する誘電体よりも破壊電圧の高い材料で覆ったことを特
徴とする薄膜コンデンサ。 - 【請求項2】 前記上部電極のエッジ部近傍の、前記誘
電体薄膜及び前記上部電極の露出面を覆う、前記誘電体
薄膜を構成する誘電体よりも破壊電圧の高い材料が空気
であることを特徴とする請求項1記載の薄膜コンデン
サ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2608796A JPH09199373A (ja) | 1996-01-19 | 1996-01-19 | 薄膜コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2608796A JPH09199373A (ja) | 1996-01-19 | 1996-01-19 | 薄膜コンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09199373A true JPH09199373A (ja) | 1997-07-31 |
Family
ID=12183839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2608796A Withdrawn JPH09199373A (ja) | 1996-01-19 | 1996-01-19 | 薄膜コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09199373A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002025854A (ja) * | 2000-07-04 | 2002-01-25 | Alps Electric Co Ltd | 薄膜キャパシタ素子 |
-
1996
- 1996-01-19 JP JP2608796A patent/JPH09199373A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002025854A (ja) * | 2000-07-04 | 2002-01-25 | Alps Electric Co Ltd | 薄膜キャパシタ素子 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030401 |