JPH09196106A - フロントフォーク - Google Patents

フロントフォーク

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JPH09196106A
JPH09196106A JP2044096A JP2044096A JPH09196106A JP H09196106 A JPH09196106 A JP H09196106A JP 2044096 A JP2044096 A JP 2044096A JP 2044096 A JP2044096 A JP 2044096A JP H09196106 A JPH09196106 A JP H09196106A
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JP
Japan
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air chamber
front fork
center rod
end side
communication hole
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JP2044096A
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English (en)
Inventor
Yasuo Mori
保生 森
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低速の小さいストロークでの伸縮時における
乗り心地の優先と、高速の大きいストロークでの圧縮時
における操縦安定性の優先と、を可能にすることに加え
て、特に、低速の大きいストロークでの圧縮時における
乗り心地の改善を可能にする。 【解決手段】 車体側チューブ2の上端側内に垂設され
るハウジング部材5の下端軸芯部(5a,5g)にエア
室A1とサブエア室A2との連通を可能にする連通孔5
eを形成すると共に、センターシリンダ3の上端に先端
部9aが上記連通孔5eに挿通されるセンターロッド9
を立設し、該センターロッド9の先端部9aの横断面積
を基端側軸部9bの横断面積より小さくするように設定
する一方で、センターロッド9の基端側軸部9bを気密
状態下に連通孔5eに挿通するように設定し、センター
ロッド9の先端部9aと基端側軸部9bとを連結する連
結部9cの横断面積を徐々に変化するように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動二輪車に架
装されるフロントフォークの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車に架装されるフロントフォー
クとしては、従来から種々の提案があるが、凡そ、車両
用の油圧緩衝器は、油の粘性を利用する減衰力の制御で
車両における乗り心地の改善を図るとしている。
【0003】しかし、一般に、所謂フィーリングからす
れば、懸架ばねによるばね力とエアチャンバによるばね
力とからなる合成のばね力を制御することで、車両にお
ける乗り心地の改善を図るのが好ましいとされていて、
このことは、自動二輪車に架装されるフロントフォーク
においても同様である。
【0004】そして、基本的には、フロントフォークが
ハンドルに連結されて前輪に支持されることを勘案する
と、乗り心地を優先させる上からは、懸架ばねによるば
ね力とエアチャンバによるばね力とからなる合成のばね
力が低目に設定される方が好ましいと言い得る。
【0005】しかし、ばね力を低く設定すると、フロン
トフォークを圧縮させ易くすることに繋り、例えば、急
ブレーキ時等にフロント側の荷重が過大になることで、
フロントフォークが大きく圧縮されて車体姿勢が前傾す
るノーズダイブ現象が発現され易くなる危惧がある。
【0006】そこで、フロントフォークが小さいストロ
ークで伸縮する場合には、低いばね力の発生状態になっ
て乗り心地を優先させるが、大きいストロークで伸縮す
る場合、特に、圧縮する場合には、高いばね力の発生状
態になって、例えば、上記したノーズダイブ現象を抑え
るようにする提案がなされている。
【0007】例えば、図6に示すフロントフォークは、
車軸側チューブたるアウターチューブ1の上端側内に車
体側チューブたるインナーチューブ2の下端側が摺動可
能に挿通されると共に、アウターチューブ1の軸芯部に
立設されインナーチューブ2の下端側内に延在されたセ
ンターシリンダ3の上端とインナーチューブ2の上端と
の間に配在されインナーチューブ2をアウターチューブ
1内から突出させるように附勢する懸架ばね4を有し、
インナーチューブ2内に油面Oを境にしてエアチャンバ
を構成するエア室A1と連通可能に区画されるサブエア
室A2を形成するハウジング部材5を有し、該ハウジン
グ部材5がインナーチューブ2の上端側内に垂設されて
なるとしている。
【0008】因に、該フロントフォークにあっては、イ
ンナーチューブ2の下端内周に減衰バルブ(図示せず)
を有しながらセンターシリンダ3の外周に摺接するピス
トン6を有しており、該ピストン6の下方であってアウ
ターチューブ1とセンターシリンダ3との間に形成され
る油室R1がセンターシリンダ3の下端に設けた連通孔
(図示せず)介して該センターシリンダ3内に連通する
としている。
【0009】そして、該センターシリンダ3内は、該セ
ンターシリンダ3の上端開口を介してインナーチューブ
2内に連通し、該インナーチューブ2の下端側の内周側
が上記油室R1に連通する油溜室R2に設定されてい
る。
【0010】また、該センターシリンダ3は、上端外周
に補助ピストン3aを有しており、該補助ピストン3a
は、シール7の配在下にインナーチューブ2の下端側の
内周に摺接している。
【0011】ところで、上記ハウジング部材5は、図示
する従来例において、下端部5aに絞り5bとチェック
弁5cを並列に有してなり、チェック弁5cによってエ
ア室A1側からのサブエア室A2側への連通を阻止しな
がら、絞り5bを介してエア室A1とサブエア室A2と
の連通を可能にするように設定されている。
【0012】そして、該ハウジング部材5は、下端部5
aがフロントフォークの大きいストロークでの圧縮時に
上昇して来る油面Oより下方の油中に没入されるように
設定されている。
【0013】因に、該ハウジング部材5にあっては、上
端外周に環状に形成の水平フランジ5dを有してなり、
該水平フランジ5dが車体側チューブ2の上端を閉塞す
るキャップ8と懸架ばね4の上端との間に挟持されるこ
とで、所定位置たるインナーチューブ2の上端側の内周
側に垂設されるとしている。
【0014】それ故、この図示した従来のフロントフォ
ークにあっては、これが小さいストロークで伸縮する場
合、即ち、圧縮する際には、懸架ばね4が圧縮されると
共に油溜室R2における油面Oが上昇してエア室A1の
容積が狭められ、反転して伸長する際には、懸架ばね4
が伸長されると共に上記油面Oが下降して、エア室A1
の容積が広げられることになる。
【0015】その結果、該フロントフォークが小さいス
トロークで伸縮される場合には、懸架ばね4によるばね
力とエア室A1で構成されるエアチャンバによるばね力
とからなる合成のばね力が低目に発現されることにな
り、自動二輪車における乗り心地を優先させることが可
能になる。
【0016】一方、該フロントフォークが大きいストロ
ークで伸縮、特に、圧縮する場合には、ハウジング部材
5の下端部5aが上昇して来る油面Oより下方の油中に
没入されて、エア室A1とサブエア室A2とを連通する
絞り5bにおける流路抵抗が大きくなり、この大きくな
った流路抵抗によって油溜室R2からの油がサブエア室
A2内に流入し難くなる。
【0017】それ故、このとき、サブエア室A2が実質
的に圧縮されなくなり、従って、エア室A1における圧
縮比率が高くなってエアチャンバによるばね力が高くな
り、その結果、上記した合成のばね力が高目に発現され
ることになり、前記したノーズダイブ現象の発現を抑制
するのに最適となるフロントフォークにおけるプログレ
ッシブ特性を保障し得ることになる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のフロントフォークにあっては、フロントフォー
クにおけるプログレッシブ特性を必ずしも保障できない
危惧があり、また、プログレッシブ特性が保障される場
合に、自動二輪車における乗り心地の悪化を招来させる
危惧がある。
【0019】即ち、先ず、上記した従来のフロントフォ
ークにあっては、これが低速で圧縮される場合には、エ
ア室A1とサブエア室A2とを連通させる絞り5bにお
ける流路抵抗が小さいが故に、エア室A1が圧縮される
だけでなく併せてサブエア室A2も所謂圧縮される状況
になる。
【0020】従って、該フロントフォークが大きいスト
ロークで圧縮されてハウジング部材5の下端部5aが油
中に没入される場合でも、低速で圧縮される限りには、
絞り5bを介しての油の流入でサブエア室A2も圧縮さ
れることになる。
【0021】それ故、該フロントフォークが低速で圧縮
される場合には、絞り5bにおける流路抵抗が大きくな
ってエア室A1とサブエア室A2との連通が遮断され、
サブエア室A2が実質的に圧縮されずエア室A1のみが
圧縮される場合に比較して、エアチャンバによるばね力
が言わば低目に維持されることになり、その結果、フロ
ントフォークにおけるプログレッシブ特性を保障し得な
いことになる。
【0022】一方、該フロントフォークが高速で圧縮さ
れる場合には、エア室A1とサブエア室A2とを連通さ
せる絞り5bにおける流路抵抗が大きくなるが故に、サ
ブエア室A2が圧縮され難くなるに対して、エア室A1
のみが圧縮され易くなる状況になる。
【0023】この現象は、該フロントフォークが高速で
圧縮される場合であり、その際のストロークが大きいか
否かには拘りないことから、該フロントフォークが高速
の小さいストロークで圧縮する場合にも、上記したフロ
ントフォークにおけるプログレッシブ特性が発現される
状況になり、その結果、自動二輪車における乗り心地が
悪化されることになる。
【0024】次に、上記フロントフォークが大きいスト
ロークで圧縮される場合には、ハウジング部材5の下端
部5aが油中に没入することで、エア室A1とサブエア
室A2との連通が遮断されるが、この場合に、エア室A
1とサブエア室A2との連通の遮断が言わば突然に発現
される状態になる。
【0025】従って、該フロントフォークが低速であっ
ても大きいストロークで圧縮される場合には、エアチャ
ンバによるばね力がエア室A1とサブエア室A2との連
通の遮断時に言わば突然に高くなる状態になり、このば
ね力の急激な変化が自動二輪車における乗り心地のフィ
ーリングを悪化させることになる。
【0026】さらに、上記フロントフォークにあって
は、以上の欠点を是正するために、例えば、エアチャン
バによるばね力の急激な変化を抑えるためにサブエア室
A2の容積を極めて小さく設定すると、フロントフォー
クにおけるプログレッシブ特性を保障し得ないことに繋
り、また、プログレッシブ特性を保障するために上記サ
ブエア室A2を大きく、即ち、長く設定すると、小さい
ストロークでの圧縮時にも高目のばね力が発生される状
態になり、乗り心地を悪化させ易くなることに繋ること
になる。
【0027】この発明は、前記した事情を鑑みて創案さ
れたもので、その目的とするところは、低速の小さいス
トロークでの伸縮時は勿論のこと、大きいストロークで
の圧縮時にその速度の高低に拘りなくフロントフォーク
におけるプログレッシブ特性の保障を可能にし、かつ、
自動二輪車における乗り心地の改善を可能にして、自動
二輪車への架装に最適となるフロントフォークを提供す
ることである。
【0028】
【問題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の構成を、車軸側チューブの上端側内に
車体側チューブの下端側が摺動可能に挿通されると共
に、車軸側チューブの軸芯部に立設され車体側チューブ
の下端側内に延在されたセンターシリンダの上端と車体
側チューブの上端との間に配在され車体側チューブを車
軸側チューブ内から突出させるように附勢する懸架ばね
を有し、車体側チューブ内に油面を境にしてエアチャン
バを構成するエア室と連通可能に区画されるサブエア室
を形成するハウジング部材を有し、該ハウジング部材が
車体側チューブの上端側内に垂設されてなるフロントフ
ォークにおいて、ハウジング部材の下端軸芯部にエア室
とサブエア室との連通を可能にする連通孔が形成される
と共に、センターシリンダの上端に先端部が上記連通孔
に挿通されるセンターロッドが立設され、該センターロ
ッドの先端部の横断面積が基端側軸部の横断面積より小
さくなるように設定される一方で、センターロッドの基
端側軸部が気密状態下に連通孔に挿通されるように設定
され、センターロッドの先端部と基端側軸部とを連結す
る連結部の横断面積が徐々に変化されるように設定され
てなるとする。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施の形態に基づ
いて、この発明を説明するが、図示する実施の形態に係
るフロントフォークにあっても、基本的には、前記した
従来例としての図6に示すフロントフォークと同様の構
成とされている。
【0030】それ故、図示する実施の形態において、そ
の構成が前記した従来のフロントフォークと同様である
部分については、要する場合を除いて、図中に同一の符
号を付するのみとしてその詳しい説明を省略し、以下に
は、この発明の実施の形態において特徴となるところを
中心に説明する。
【0031】即ち、図1に示すように、この発明の実施
の形態に係るフロントフォークは、ハウジング部材5の
下端軸芯部、即ち、図示する実施の形態にあっては、下
端部5aの軸芯部にエア室A1とサブエア室A2との連
通を可能にする連通孔5eが形成されてなると共に、セ
ンターシリンダ3の上端にセンターロッド9が立設され
てなるとし、該センターロッド9の先端部9aが上記連
通孔5eに挿通されてなるとしている。
【0032】そして、該センターロッド9は、先端部9
aの横断面積が基端側軸部9bの横断面積より小さくな
るように設定される一方で、センターロッド9の基端側
軸部9bが気密状態下に連通孔5eに挿通されるように
設定され、センターロッド9の先端部9aと基端側軸部
9bとの連結部9cの横断面積が徐々に変化されるよう
に設定されてなるとしている。
【0033】即ち、図示する状態は、フロントフォーク
が所謂1G状態におかれている状態であるが、このと
き、センターロッド9の先端部9aは、その横方向の断
面が、図2に示すように、切欠円の形状を呈するように
設定されてなるとするもので、この所謂切欠部分がある
ことで、連通孔5eを介してのエア室A1とサブエア室
A2との連通が許容されることになる。
【0034】これに対して、センターロッド9の基端側
軸部9bは、その横方向の断面が上記先端部9aと同一
径の円形となるように設定されてなるもので、これが連
通孔5eに挿通されるとき、気密状態となるように設定
されている。
【0035】尚、図示する実施の形態にあって、上記連
通孔5eの内周にはシール5fが配在されていて、該シ
ール5fの配在で上記基端側軸部9bとの間で所定の気
密性が保障されるとしているが、このようにシール5f
の配在で所定の気密性を保障する方策による場合には、
上記連通孔5eの径を基端側軸部9bの径よりやや大き
く設定し得て、特に、上記先端部9aが連通孔5eを挿
通するときに、接触抵抗の発生によって挿通性が阻害さ
れる弊害を可能な限りに除去できるようにし得る点で有
利となる。
【0036】一方、センターロッド9の連結部9cは、
相互間で小さい横断面積に設定される先端部9aと大き
い横断面積に設定される基端側軸部9bとを連結する部
位であって、両者間の横断面積が、例えば、リニアに徐
々に変化されるように機能する。
【0037】それ故、該連結部9cの形成で、センター
ロッド9の先端部9aが連通孔5eを言わば通過して、
その後にセンターロッド9の基端側軸部9bが連通孔5
eに挿通されることになる場合に、それまで連通孔5e
を介してエア室A1とサブエア室A2とが言わばフリー
な状態で連通されていたものが、基端側軸部9bの連通
孔5eへの挿通でいきなり遮断状態にされる不具合、即
ち、エア室A1とサブエア室A2との連通の遮断が言わ
ば突然に発現される状態になるを予め排除し得ることに
なる。
【0038】因に、図示する実施の形態にあって、該フ
ロントフォークが最圧縮状態になるときにも、センター
ロッド9の先端部9aがハウジング部材5の上端に衝突
されないように設定されていること勿論で、該フロント
フォークの最伸長時に、先端部9aが連通孔5eから逸
脱しないように設定されていることも勿論である。
【0039】また、センターロッド9の基端は、有孔の
鍔付キャップ状に形成されていて、センターシリンダ3
内と油溜室R2との連通を可能にしながら該センターシ
リンダ3の上端開口部に連設され、鍔部分が該センター
シリンダ3の上端に隣設されて懸架ばね4の下端を担持
するばね受に設定されている。
【0040】以上のように形成されたこの発明の実施の
形態に係るフロントフォークにあっては、その伸縮時に
は、インナーチューブ2の下端内周に有するピストン6
における減衰バルブ(図示せず)及びセンターシリンダ
3の下端に設けた連通孔(図示せず)を油が通過するこ
とになり、このとき、所定の伸側あるいは圧側の各減衰
力が発生されることになる。
【0041】そして、該フロントフォークが小さいスト
ロークで圧縮する際には、懸架ばね4が圧縮されると共
に油溜室R2における油面Oが上昇してエア室A1及び
サブエア室A2の容積が狭められ、反転して伸長する際
には、懸架ばね4が伸長されると共に油溜室R2におけ
る油面Oが下降して、エア室A1及びサブエア室A2の
容積が広げられることになる。
【0042】このとき、ハウジング部材5の下端部5a
に形成の連通孔5eにはセンターロッド9の先端部9a
が挿通されているのみで、従って、該連通孔5eを介し
てのエア室A1とサブエア室A2との連通が妨げられる
ことはない。
【0043】その結果、該フロントフォークにおける小
さいストロークでの伸縮時には、図3に示すように、懸
架ばね4の伸縮に伴うばね力aとエア室A1の広狭に伴
うばね力bとからなる合成のばね力cが低目に発現され
ることになり、自動二輪車における乗り心地を良好に保
つことを優先させることが可能になる。
【0044】一方、該フロントフォークが大きいストロ
ークで伸縮するとき、特に、圧縮する際には、上記連通
孔5eにセンターロッド9の連結部9cに引き続いてセ
ンターロッド9の基端側軸部9bが挿通されることにな
り、該基端側軸部9bの連通孔5eへの挿通で、エア室
A1とサブエア室A2との連通孔5eを介しての連通が
遮断される。
【0045】その結果、基端側軸部9bが連通孔5eに
挿通されるとき、エア室A1における圧縮比率が高くな
って、エアばねによるばね力が高くなり、上記した合成
のばね力が高目に発現されることになる(図3中のd線
参照)。
【0046】ただ、図示する実施の形態にあっては、上
記の高目の合成のばね力dが発現される前に、センター
ロッド9の連結部9cが連通孔5eに挿通されるので、
該連通孔5eにおける所謂有効な開口面積が、例えば、
リニアに徐々に変化されることになる。
【0047】その結果、それまで言わば低目であった合
成のばね力d1(図3参照)がいきなり、即ち、急激に
高目の合成のばね力dに変更されるのではなく、なだら
かに変更される(図3中のd2部分参照)ことになる。
【0048】以上のことから、該フロントフォークにお
ける大きいストロークでの圧縮時には、その圧縮速度の
高低に拘らず、高目の合成のばね力dの発現が可能にな
り、フロントフォークにおけるプログレッシブ特性を保
障し得るのは勿論のこと、その際に、急激なばね力の変
更が招来されないことになり、自動二輪車における乗り
心地を悪化させないことになる。
【0049】また、上記のプログレッシブ特性は、例え
ば、ハウジング部材5の大きさ、即ち、長さを小さくす
ると共に、センターロッド9の長さをも小さくしても、
容易に保障し得ることになり、従って、この限りでは、
フロントフォークにおける全体長さを短縮化できること
にもなる。
【0050】図4は、この発明の他の実施の形態に係る
フロントフォークの要部を示すが、この実施の形態にあ
っては、前記した実施の形態に比較して、ハウジング部
材5とセンターロッド9に変更がなされているとし、他
の構成については、前記した実施の形態と同様に構成さ
れてなるとしている。
【0051】従って、以下には、この実施の形態におい
て特徴となるところを中心に説明して、その構成が前記
した実施の形態と同様となる部分については、図中に同
一の符号を付するのみとして、その説明を省略する。
【0052】即ち、この実施の形態にあっては、ハウジ
ング部材5において、下端軸芯部を形成するについて、
前記した実施の形態における厚肉の下端部5aの形成に
代えて、ハウジング部材5の下端の軸芯部に筒状ガイド
部5gを形成するとし、該筒状ガイド部5gの内周側を
連通孔5eに設定するとしたものである。
【0053】次に、この実施の形態にあっては、センタ
ーロッド9において、先端部9aの横断面の形状が、図
5に示すように、所謂十字形に設定されてなるとし、先
端部9aの横方向の四方が連通孔5eの内周に対向する
傾向になるように設定したものである。
【0054】それ故、この実施の形態による場合には、
前記した実施の形態の場合に比較して、ハウジング部材
5において、重量の軽減化が可能になり、延ては、該フ
ロントフォークにおける重量の軽減化に寄与する点で有
利となる。
【0055】また、この実施の形態による場合には、セ
ンターロッド9において、所謂センタリング機能が発揮
されてバランス効果が得られることになり、従って、ハ
ウジング部材5において、前記した実施の形態の場合と
異なり、シール5fが不要とされ、その結果、ハウジン
グ部材5を形成する上で有利になり、所謂コストの低減
化に寄与し得る点でも有利となる。
【0056】尚、この実施の形態に係るフロントフォー
クにあっても、前記した実施の形態に係るフロントフォ
ークの場合と同様に、フロントフォークにおけるプログ
レッシブ特性を保障し得ると共に自動二輪車における乗
り心地を悪化させないこと勿論である。
【0057】
【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、懸
架ばねの配在下にエアチャンバを構成するエア室をサブ
エア室の配在下に有し、かつ、エア室とサブエア室とが
小さいストロークでの伸縮時に連通状態におかれるよう
に構成されたから、伸縮速度の高低に拘りなく、懸架ば
ねの伸縮に伴うばね力とエア室の広狭に伴うばね力とか
らなる合成のばね力が低目に発現されることになり、自
動二輪車における乗り心地を優先させる一方で、上記エ
ア室とサブエア室とが大きいストロークでの伸縮時、特
に、圧縮時には遮断状態におかれるように構成されたか
ら、伸縮速度の高低に拘りなく、上記した合成のばね力
が高目に発現されることになり、フロントフォークにお
けるプログレッシブ特性を保障し得て、例えば、自動二
輪車におけるノーズダイブ現象の発現を抑制することに
寄与し得ることになる。
【0058】そして、この発明にあっては、フロントフ
ォークにおけるプログレッシブ特性を保障するに際し
て、低目の合成のばね力が高目の合成のばね力に変更さ
れるときに、急激なばね力の変更が招来されずなだらか
に変更されるように構成されたから、圧縮速度の高低に
拘りなく、大きいストロークでの圧縮時に自動二輪車に
おける乗り心地のフィーリングを悪化させないことにな
る。
【0059】さらに、この発明にあっては、上記のプロ
グレッシブ特性を、例えば、ハウジング部材を小さい長
さにすると共にセンターロッドの長さをも小さくする場
合でも、容易に保障し得ることになり、従って、この限
りでは、フロントフォークにおける全体長さを短縮化で
きることになり、その結果、自動二輪車における前輪側
の車体姿勢を低くすることが可能になって、自動二輪車
における操縦安定性の向上にも寄与し得ることになる。
【0060】その結果、この発明によれば、低速の小さ
いストロークでの伸縮時は勿論のこと、大きいストロー
クでの圧縮時にはその圧縮速度の高低に拘りなくフロン
トフォークにおけるプログレッシブ特性の保障を可能に
し、かつ、自動二輪車における乗り心地の改善を可能に
し、自動二輪車への架装に最適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係るフロントフォー
クを一部断面で示す正面図である。
【図2】センターロッドの先端部の横断面を拡大して示
す図である。
【図3】フロントフォークのストロークとばね力との関
係を示す特性図である。
【図4】この発明の他の実施の形態に係るフロントフォ
ークを図1と同様に示す正面図である。
【図5】図4のセンターロッドの先端部の横断面を図2
と同様に示す図である。
【図6】従来のフロントフォークを図1と同様に示す正
面図である。
【符号の説明】
1 車軸側チューブたるアウターチューブ 2 車体側チューブたるインナーチューブ 3 センターシリンダ 4 懸架ばね 5 ハウジング部材 5a 下端軸芯部を構成する下端部 5e 連通孔 5g 下端軸芯部を構成する筒状ガイド部 9 センターロッド 9a 先端部 9b 基端側軸部 9c 連結部 A1 エア室 A2 サブエア室 O 油面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸側チューブの上端側内に車体側チュ
    ーブの下端側が摺動可能に挿通されると共に、車軸側チ
    ューブの軸芯部に立設され車体側チューブの下端側内に
    延在されたセンターシリンダの上端と車体側チューブの
    上端との間に配在され車体側チューブを車軸側チューブ
    内から突出させるように附勢する懸架ばねを有し、車体
    側チューブ内に油面を境にしてエアチャンバを構成する
    エア室と連通可能に区画されるサブエア室を形成するハ
    ウジング部材を有し、該ハウジング部材が車体側チュー
    ブの上端側内に垂設されてなるフロントフォークにおい
    て、ハウジング部材の下端軸芯部にエア室とサブエア室
    との連通を可能にする連通孔が形成されると共に、セン
    ターシリンダの上端に先端部が上記連通孔に挿通される
    センターロッドが立設され、該センターロッドの先端部
    の横断面積が基端側軸部の横断面積より小さくなるよう
    に設定される一方で、センターロッドの基端側軸部が気
    密状態下に連通孔に挿通されるように設定され、センタ
    ーロッドの先端部と基端側軸部とを連結する連結部の横
    断面積が徐々に変化されるように設定されてなることを
    特徴とするフロントフォーク
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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