JP2004251364A - フロントフォーク - Google Patents

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Tadashi Hara
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Abstract

【課題】大きいストロークでの圧縮作動時に高い減衰力の発生を可能にすると共に、組立時における作業性を低下させないようにする。
【解決手段】リザーバ室Rに臨在されて上昇する油面Oに併せて上昇する可動遮蔽体10と、この可動遮蔽体10の最上昇時に閉塞される流路Lと、この流路Lに並列する減衰手段Vとを有してなり、流路Lが可動遮蔽体10の下降時に上方にある作動油の下方への自由流れを許容し、可動遮蔽体10が外周と外筒2の内周との間における作動油の自由流れを許容してなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フロントフォークに関し、特に、大きいストロークでの圧縮作動時に高い減衰力を発生し得るようにしたフロントフォークの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
二輪車の前輪側に架装されるフロントフォークとしては、従来から種々の提案があるが、その中に、大きいストロークでの圧縮作動時に高い減衰力を発生し得るようにした提案がある。
【0003】
すなわち、このフロントフォークは、圧縮作動時に内筒と外筒の間に画成されるリザーバ室における油面の上昇に併せて上昇するフロートを有してなるが、このフロートの上昇が阻止された以降には、油面の下方の作動油がフロートの外周と外筒の内周との間に出現している隙間を通ることになる、すなわち、作動油の流路がフロートによって絞られる状況になり、高い減衰力の発生状況が現出されるとしている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
それゆえ、この提案によれば、フロントフォークが大きいストロークで圧縮作動して最圧縮状態に近づくような場合には、高い減衰力の発生によって、二輪車における、たとえば、急制動時のノーズダイブを阻止することが可能になる。
【0005】
ちなみに、フロントフォークが小さいストロークで圧縮作動するときには、比較すれば、低い減衰力の発生によって、二輪車における乗り心地を良好に保つことが可能なる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001‐280399号公報(請求項1,段落0011)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したフロントフォークにあっては、その組立時における作業性が低下される不具合がある。
【0008】
すなわち、上記のフロントフォークにあって、フロートによって作動油の流路を絞る状況を効果的に発現させるには、フロートの外周と外筒の内周との間に出現する隙間を可能な限りにいわゆる狭くする必要がある。
【0009】
一方、フロートは、内筒と外筒との間に画成されるリザーバ室における油面の上昇に併せて上昇する、すなわち、作動油は、言うなれば、フロートの下方にあることになる。
【0010】
このことからすると、フロントフォークの組立時にフロートの上方から、すなわち、外筒の上端から外筒内に注がれる作動油は、フロートの外周と外筒の内周との間に出現している隙間を介してフロートの下方に流入することになる。
【0011】
それゆえ、この隙間が効果的な流路の絞りを具現化するように狭く設定されていればいる程、フロートの下方に作動油を流入させるのが容易でなく、いわゆる溢れ出ないように配慮しながら作動油を注入しなければならなくなる。
【0012】
その結果、上記したフロントフォークにあっては、二輪車に架装されて圧縮作動する際には所定の減衰力を発生し得る反面、その組立時における作業性が低下されることになる。
【0013】
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、圧縮作動時における所定の減衰力発生を可能にするのはもちろんのこと、組立時における作業性を低下させずして、その汎用性の向上を期待するのに最適となるフロントフォークを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、この発明によるフロントフォークの構成を、基本的には、内筒と外筒の間に画成されるリザーバ室に臨在されると共に圧縮作動時にリザーバ室で上昇する油面に併せて上昇する可動遮蔽体と、この可動遮蔽体の最上昇時に閉塞される流路と、この流路に並列して作動油の通過時に減衰力を発生する減衰手段とを有してなり、流路が可動遮蔽体の下降時に上方にある作動油の下方への自由流れを許容すると共に、可動遮蔽体の外周と外筒の内周との間における作動油の自由流れが許容されてなるとする。
【0015】
それゆえ、フロントフォークの圧縮作動時に可動遮蔽体が上昇して流路を閉塞する場合には、以降、減衰手段による高い減衰力の発生が可能になり、可動遮蔽体が上昇しても流路を閉塞しない場合には、減衰手段による高い減衰力の発生がなく、その限りでは、低い減衰力発生に止まる。
【0016】
このとき、軸芯部に内筒をシリンダにするダンパが収装されてなる場合には、フロントフォークの圧縮作動時に、このダンパによって所定の減衰力が発生される。
【0017】
また、可動遮蔽体が下降しているときの流路は、開放されていて作動油の自由流れ、すなわち、抵抗のない通過を許容し、したがって、この流路の上方の作動油、すなわち、外筒の上端から注がれる作動油は、開放されている流路を通過して流路の下方に流入し得る。
【0018】
そして、可動遮蔽体の外周と外筒の内周との間における作動油の自由流れが許容されることで、上記の流路を通過して流路の下方に流入した作動油が可動遮蔽体の下方に流入し得る。
【0019】
そして、上記した構成において、より具体的には、可動遮蔽体は、環状に形成されると共に、作動油の比重より小さい比重の材質で形成され、あるいは、作動油の比重より大きい比重の材質で形成されてなるとする。
【0020】
それゆえ、可動遮蔽体が環状に形成されることで、これを内筒における上端ヘッド部の外周に介装し得ることになり、また、油面の昇降に併せた可動遮蔽体の昇降が実現可能になる。
【0021】
そして、可動遮蔽体が作動油の比重より小さい比重の材質で形成される場合には、リザーバ室における油面の上昇時に併せて上昇することになり、フロントフォークの圧縮ストロークに依存した減衰力の発生状況になる。
【0022】
これに対して、可動遮蔽体が作動油の比重より大きい比重の材質で形成される場合には、リザーバ室における油面の上昇時に必ずしも上昇せず、油面の上昇速度が速くなる場合に併せて上昇することになり、フロントフォークの圧縮速度に依存した減衰力の発生状況になる。
【0023】
ちなみに、可動遮蔽体が作動油の比重と同じ比重の材質で形成されるときは、比重が大きくなる場合に比較して、可動遮蔽体を油面の上昇速度に併せて上昇させることが容易になる。
【0024】
また、流路は、内筒における上端ヘッド部に形成されてなるとする。
【0025】
それゆえ、内筒における上端ヘッド部が内筒の上端を封止しながら軸芯部へのロッド体の貫通を許容するロッドガイドを有してなる場合には、このロッドガイドに流路を形成することが可能になり、また、内筒における上端ヘッド部が内筒の上端部をプレス成形で形成する場合には、プレス成形前に流路を形成することが可能になる。
【0026】
さらに、減衰手段は、内筒における上端ヘッド部の外周と外筒の内周との間に出現する隙間とされ、あるいは、内筒における上端ヘッド部に形成されたオリフィスもしくはチョークとされてなるとする。
【0027】
それゆえ、内筒における上端ヘッド部がロッドガイドを有してなる場合には、隙間形成やチョークの形成が可能になり、内筒における上端ヘッド部が内筒の上端部をプレス成形で形成する場合には、オリフィスの形成が容易になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるフロントフォークにあっては、図1に示すところでもあるが、凡そこの種のフロントフォークがそうであるように、内筒1と、外筒2と、懸架バネ3とを有してなり、さらに、図示する実施形態では、軸芯部にダンパ4を収装してなる。
【0029】
そして、この発明によるフロントフォークにあっては、可動遮蔽体10と、流路Lと、減衰手段Vとを有してなるとしている。
【0030】
少し説明すると、先ず、内筒1は、図示する実施形態では、後述するダンパ4におけるシリンダを形成するもので、したがって、上端ヘッド部1aは、図示するところでは、内筒1の上端部の内周に螺着されて軸芯部にロッド体を貫通させるロッドガイド11を有してなるとしている。
【0031】
これに対して、外筒2は、図示する実施形態では、車輪側チューブとされており、図示する上端側が図中に架装線図で示す車体側チューブ5の下端側内に出没可能に挿通されてなるとしている。
【0032】
ちなみに、上記した外筒2と前記した内筒1の間は、図示する実施形態では、リザーバ室Rとされていて、後述するダンパ4の伸縮作動時にこのダンパ4における作動油の給排を可能するとしている。
【0033】
そして、このリザーバ室Rは、後述する可動遮蔽体10を臨在させると共に、フロントフォークの通常の伸縮作動時にはこの可動遮蔽体10に接触させることなく、この可動遮蔽体10の下方に油面Oを位置決めるとしている。
【0034】
懸架バネ3は、下端が前記したロッドガイド11にバネシート3aの介在下に担持されると共に、上端が図示しない車体側チューブ5の上端側に係止されるとしており、車輪側チューブたる外筒2を車体側チューブ5内から突出させるように附勢して、このフロントフォークを伸長させるとしている。
【0035】
ダンパ4は、フロントフォークの伸縮作動時に伸縮作動して、所定の大きさの減衰力を発生するとしており、図示するところでは、正立型に設定されていて、車輪側チューブたる外筒2の軸芯部に配在される内筒1たるシリンダ内に車体側チューブ5の軸芯部に垂設されるロッド体たるピストンロッド41の図中で下端側となる先端側が出没可能に挿通されてなるとしている。
【0036】
そして、このダンパ4にあっては、ピストンロッド41の下端となる先端に連設されたピストン42がシリンダ内に伸側油室R1と圧側油室R2とを画成している。
【0037】
そしてまた、このダンパ4にあっては、シリンダ内でピストン42が摺動するときに、このピストン42に配在の減衰バルブ(符示せず)で、また、図示しないが、シリンダの下端内部に配在のベースバルブ部における減衰バルブで所定の減衰力が発生されるとしている。
【0038】
なお、シリンダ内の圧側油室R2は、上記のベースバルブ部を介してシリンダと外筒1との間に画成されるリザーバ室Rに連通されてなるとしている。
【0039】
それゆえ、このダンパ4を有するフロントフォークにあっては、車体側チューブ5に対して車輪側チューブたる外筒1が出没する伸縮作動時にダンパ4が伸縮作動して、所定の減衰作用が実現されることになる。
【0040】
のみならず、ダンパ4の圧縮作動時には、圧側油室R2からの作動油、すなわち、ダンパ4からの作動油が上記したベースバルブ部を介してリザーバ室Rに流出し、それゆえ、リザーバ室Rにおける油面Oが上昇し、この油面Oの上昇に呼応して可動遮蔽体10が上昇し得ることになる。
【0041】
つぎに、このフロントフォークにあって、可動遮蔽体10は、前記したように、内筒1と外筒2の間に画成されるリザーバ室Rに臨在されると共に、この発明では、大きいストロークでの圧縮作動時にリザーバ室Rで上昇する油面Oに併せて上昇するとしている。
【0042】
このとき、可動遮蔽体10は、図示する実施形態にあって、環状に形成されていて、内筒1における上端ヘッド部1aの外周に昇降可能に介装されるとし、しかも、内筒1の上端に担持されるとしている。
【0043】
可動遮蔽体10が環状に形成されることで、内筒1における上端ヘッド部1aの外周への昇降可能な介装が容易になると共に、油面Oの昇降で、あるいは、油面Oが昇降する際の流動抵抗で、可動遮蔽体10の油面Oの昇降に併せた昇降が実現可能になる。
【0044】
ところで、この可動遮蔽体10が介装される上端ヘッド部1aについてだが、図示する実施形態では、内筒1の上端部の内周にロッドガイド11を螺着させており、このロッドガイド11の外周に可動遮蔽体10を昇降可能に介装するとしている。
【0045】
一方、可動遮蔽体10は、作動油の比重より小さい比重の材質で形成され、あるいは、作動油の比重より大きい比重の材質で形成され、さらには、作動油の比重と同じ比重の材質で形成されるとする。
【0046】
そして、可動遮蔽体10が作動油の比重より小さい比重の材質で形成される場合には、リザーバ室Rにおける油面Oの上昇時に併せて上昇し得ることになり、フロントフォークの圧縮ストロークに依存した減衰力発生を可能にし得ることになる。
【0047】
これに対して、可動遮蔽体10が作動油の比重より大きい比重の材質で形成される場合には、リザーバ室Rにおける油面Oの上昇時に必ずしも上昇せず、油面Oの上昇速度が速くなる場合の流動抵抗によって併せて上昇し得ることになり、フロントフォークの圧縮速度に依存した減衰力発生を可能にし得ることになる。
【0048】
ちなみに、可動遮蔽体10が作動油の比重と同じ比重の材質で形成される場合には、作動油の比重より大きい場合に比較して、油面Oの上昇速度に併せた上昇が容易になる。
【0049】
流路Lは、上記の可動遮蔽体10が油面Oの上昇で最上昇するときに、この最上昇した可動遮蔽体10で閉塞される(図1中の破線図参照)としているが、この流路Lについては、図示する実施形態では、この可動遮蔽体10が介装されるロッドガイド11に形成されてなるとしている。
【0050】
このとき、ロッドガイド11は、軸芯部にロッド体たるピストンロッド41を貫通させるいわゆる本体部分の上端部に厚肉のフランジを形成する拡径部を有しており、この拡径部にここを上下方向に切り欠いて形成した複数の通孔11aを周方向に適宜の間隔で有している。
【0051】
また、この拡径部には、下端面から外周面を覆うと共に外周が外筒2の内周に近接する断面ほぼ凹状のガイド12が連繋されており、しかも、このガイド12の内周側端が上記の通孔11aに対向するように位置決められている。
【0052】
それゆえ、このガイド12の内周側端は、言わばロッドガイド11の外周との間に環状の隙間12aを形成することになり、この隙間12aが上記の通孔11aに対向すると共に、下方にある可動遮蔽体10に対向するとしている。
【0053】
その結果、図示する実施形態では、この隙間12aと上記の通孔11aが前記したロッドガイド11に形成される流路Lを構成することになり、上記の可動遮蔽体10が最上昇するときには、上記の隙間12aを閉塞することで流路Lを閉塞することになる。
【0054】
減衰手段Vは、上記した流路Lに並列されていて、作動油の通過時に減衰力を発生するもので、前記した可動遮蔽体10が流路Lを閉塞して、この流路Lにおける作動油の通過を阻止する状況になると、作動油の通過を許容して所定の減衰力を発生させるとしている。
【0055】
そして、この減衰手段Vは、基本的には、前記したロッドガイド11の外周と外筒2の内周との間に出現する隙間、すなわち、環状隙間とされているが、図示する実施形態では、前記したガイド12の外周と外筒2の内周との間に出現する環状隙間(符示せず)とされている。
【0056】
したがって、この実施形態の場合には、ロッドガイド11の外周径についてもそうであるが、上記のガイド12の外周径についての寸法選択で、所望の減衰力を発生する減衰手段Vを具現化できることになる。
【0057】
そして、この減衰手段Vが上記の環状隙間であること、および、この減衰手段Vがフロントフォークの大きいストロークでの圧縮作動時に機能することを鑑みると、この減衰手段Vで発生される減衰力は、極めて高いものになり、したがって、このフロントフォークを架装する二輪車における、たとえば、急制動時のノーズダイブを効果的に阻止することが可能になる。
【0058】
図2に示すところは、他の実施形態を示すものであるが、ロッドガイド11に流路Lとなる通孔11bが形成されると共に、減衰手段Vとしてのオリフィス11cが形成されてなるとしている。
【0059】
このとき、通孔11bがいわゆる内周側に位置決められて可動遮蔽体10による閉塞を可能にすると共に、オリフィス11cがいわゆる外周側に位置決められて可動遮蔽体10に閉塞されないように配慮されている。
【0060】
それゆえ、この実施形態にあっても、大きいストロークでフロントフォークが圧縮作動するときには、可動遮蔽体10が油面Oの上昇時に上昇して流路Lを閉塞し、減衰手段Vによる高い減衰力を発生することになる。
【0061】
ちなみに、この実施形態にあって、ロッドガイド11に形成される減衰手段Vとしてのオリフィス11cは、所定の高い減衰力の発生を可能にする限りには、図示しないが、これに代えて、チョークとされても良い。
【0062】
図3に示すところは、さらに他の実施形態を示すものであるが、この実施形態では、内筒1の上端ヘッド部1aが内筒1のプレス成形時に折り曲げ形成されるとしている。
【0063】
そして、このプレス成形で折り曲げ形成された上端ヘッド部1aがその上端部外周を外筒2の内周に接触させながら、流路Lと減衰手段Vとを有してなるとしている。
【0064】
すなわち、このプレス成形で折り曲げ形成された上端ヘッド部1aに形成された通孔1bが上記の流路Lとされ、この通孔1bの外周側に形成のオリフィス1cが減衰手段Vとされている。
【0065】
このとき、通孔1bが内周側に位置決められて可動遮蔽体10による閉塞を可能にすると共に、オリフィス1cが外周側に位置決められて可動遮蔽体10に閉塞されないように配慮されている。
【0066】
また、この実施形態にあっては、内筒1の上端ヘッド部1aの外周に介装される可動遮蔽体10は、同じくこの上端ヘッド部1aの外周に嵌装されるスナップリング13に係止されるとしている。
【0067】
それゆえ、この実施形態にあっても、大きいストロークでフロントフォークが圧縮作動するときには、可動遮蔽体10が油面Oの上昇時に上昇して流路Lを閉塞し、減衰手段Vによる高い減衰力を発生する。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明にあっては、フロントフォークの圧縮作動時に可動遮蔽体が上昇して流路を閉塞することで、以降、減衰手段による高い減衰力の発生が可能になり、可動遮蔽体が上昇しても流路を閉塞しない場合には、減衰手段が機能せずして、低い減衰力発生に止まる。
【0069】
また、可動遮蔽体が下降しているときの流路は、開放されていて作動油の抵抗のない通過を許容するから、この流路の上方の作動油、すなわち、このフロントフォークの組立時に外筒の上端から注がれる作動油が開放されている流路を通過して流路の下方に流入し得る。
【0070】
さらに、可動遮蔽体の外周と外筒の内周との間における作動油の自由流れが許容されるから、上記の流路を通過して流路の下方に流入する作動油、すなわち、このフロントフォークの組立時に外筒の上端から注がれる作動油が所定位置たる可動遮蔽体の下方、すなわち、リザーバ室に簡単に流入し得ることになる。
【0071】
そして、請求項2の発明にあっては、可動遮蔽体が環状に形成されることで、これを内筒における上端ヘッド部の外周に介装するのが容易になり、また、油面の昇降に併せた可動遮蔽体の昇降を実現容易にする。
【0072】
そして、可動遮蔽体が作動油の比重より小さい比重の材質で形成される場合には、リザーバ室における油面の上昇時に併せて上昇することになり、フロントフォークの圧縮ストロークに依存した減衰力の発生状況を具現化できる。
【0073】
これに対して、可動遮蔽体が作動油の比重より大きい比重の材質で形成される場合には、リザーバ室における油面の上昇時に必ずしも上昇せず、油面の上昇速度が速くなる場合に併せて上昇することになり、フロントフォークの圧縮速度に依存した減衰力の発生状況を具現化できる。
【0074】
さらに、可動遮蔽体が作動油の比重と同じ比重の材質で形成されるときは、比重が大きくなる場合に比較して、可動遮蔽体を油面の上昇速度に併せて上昇させることが容易になる。
【0075】
また、請求項3の発明にあっては、上端ヘッド部が軸芯部へのロッド体の貫通を許容するロッドガイドを有してなる場合には、このロッドガイドに流路を形成することが可能になり、また、上端ヘッド部が内筒の上端部をプレス成形で形成する場合には、プレス成形前に流路を形成することが可能になる。
【0076】
さらに、請求項4の発明にあっては、内筒における上端ヘッド部がロッドガイドを有してなる場合には、隙間形成やチョークの形成が可能になり、内筒における上端ヘッド部が内筒の上端部をプレス成形で形成する場合には、オリフィスの形成が容易になる。
【0077】
そしてさらに、請求項5の発明にあっては、軸芯部にダンパが収装されてなることで、フロントフォークの伸縮作動時はもちろんのこと、フロントフォークの圧縮作動時に、所定の減衰力発生が可能なる。
【0078】
その結果、この発明によれば、圧縮作動時におけるストローク位置に依存した減衰力発生を可能にするのはもちろんのこと、組立時における作業性を低下させずして、その汎用性の向上を期待するのに最適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態によるフロントフォークの要部を示す部分縦断面図である。
【図2】他の実施形態によるフロントフォークの要部を示す部分半截縦断面図である。
【図3】他の実施形態によるフロントフォークの要部を図2と同様に示す図である。
【符号の説明】
1 内筒
1a 上端ヘッド部
1b,11a,11b,12a 通孔
1c,11c オリフィス
2 外筒
3 懸架バネ
3a バネシート
4 ダンパ
5 車体側チューブ
10 可動遮蔽体
11 ロッドガイド
12 ガイド
13 スナップリング
41 ピストンロッド
42 ピストン
D ダンパ
L 流路
O 油面
R リザーバ室
R1 伸側油室
R2 圧側油室
V 減衰手段

Claims (5)

  1. 内筒と外筒の間に画成されるリザーバ室に臨在されると共に圧縮作動時にリザーバ室で上昇する油面に併せて上昇する可動遮蔽体と、この可動遮蔽体の最上昇時に閉塞される流路と、この流路に並列して作動油の通過時に減衰力を発生する減衰手段とを有してなり、流路が可動遮蔽体の下降時に上方にある作動油の下方への自由流れを許容すると共に、可動遮蔽体の外周と外筒の内周との間における作動油の自由流れが許容されてなることを特徴とするフロントフォーク
  2. 可動遮蔽体が環状に形成されると共に作動油の比重より小さい比重の材質で形成され、あるいは、作動油の比重より大きい比重の材質で形成されてなる請求項1に記載のフロントフォーク
  3. 流路が内筒における上端ヘッド部に形成されてなる請求項1に記載のフロントフォーク
  4. 減衰手段が内筒における上端ヘッド部の外周と外筒の内周との間に出現する隙間とされ、あるいは、内筒における上端ヘッド部に形成されたオリフィスもしくはチョークとされてなる請求項1に記載のフロントフォーク
  5. 軸芯部に内筒をシリンダにするダンパが収装されてなる請求項1に記載のフロントフォーク
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020100793A1 (ja) * 2018-11-15 2020-05-22 Kybモーターサイクルサスペンション株式会社 緩衝器
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