JPH10176730A - 減衰力可変制御式緩衝器 - Google Patents

減衰力可変制御式緩衝器

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JPH10176730A
JPH10176730A JP33418196A JP33418196A JPH10176730A JP H10176730 A JPH10176730 A JP H10176730A JP 33418196 A JP33418196 A JP 33418196A JP 33418196 A JP33418196 A JP 33418196A JP H10176730 A JPH10176730 A JP H10176730A
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JP
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pressure
damping force
oil chamber
valve
shock absorber
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JP33418196A
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Hiroyuki Maeda
裕幸 前田
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸/圧比の逆転現象による乗り心地の悪化を
防止できる減衰力可変制御式緩衝器を提供する。 【解決手段】 シリンダ70内をピストン90により伸
側油室70aと圧側油室70bとに画成し、余剰作動油
を貯留する貯留室70cを有し、作動油の流動抵抗を制
御弁110により変化させることにより減衰力を可変制
御するようにした減衰力可変制御式緩衝器120におい
て、上記圧側油室70bの圧力が所定値以上のときに該
圧側油室70bの圧力を上記貯留室70c側に逃がすこ
とにより圧側油室70bの圧力を所定値以下に調整する
圧側圧力調整弁66を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行条件等に応じ
て減衰力を可変制御するようにした減衰力可変制御式油
圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車や自動二輪車では、路面状
態や走行条件等によって減衰力を自由に可変制御する減
衰力可変制御式油圧緩衝器を採用する場合がある。この
種の緩衝器として、従来、図8に示すように、伸張行
程,圧縮行程とも同一方向に作動油を流すようにしたい
わゆる還流式のものがある。この油圧緩衝器100は、
ピストン101により伸側油室101aと圧側油室10
1bとに画成されたシリンダ102と外筒103との間
にピストンロッド104の進入体積に相当する量以上の
作動油を貯留する貯留室105を設け、上記伸側油室1
01aと貯留室105とを迂回通路106により連通す
るとともに、該迂回通路106に作動油の流動抵抗を可
変制御する制御バルブ107を介設した構成となってい
る(例えば、特願平3−193489号参照)。
【0003】このような緩衝器では、作動油の流れが圧
縮行程,伸張行程とも同一方向であることから、減衰力
の伸/圧比は、制御バルブの作動圧力が一定の場合に
は、伸側,圧側の受圧面積比、即ち(ピストン面積−ロ
ッド面積)/ロッド面積により一義的に決定される。通
常、上記減衰力の伸/圧比は乗り心地の向上を図る観点
から1.0以上(伸>圧)となるように設定するのが望
ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記緩衝器で
は、上記ピストン径,ピストンロッド径は、配置スペー
ス上の制約,あるいはサスペンション型式,強度上の要
請から設定されている。例えば、ストラット型サスペン
ションのように強度が要求される場合にはピストンロッ
ド径を大きくする設定することとなる。
【0005】ところが、上記従来の緩衝器では、ピスト
ンロッド径を大きくするとそれだけ伸側の受圧面積が小
さくなることから、上記減衰力の伸/圧比が1.0以下
(伸<圧)と上記望ましい状態の逆になる場合がある。
その結果、乗り心地が悪化するという問題が生じる。ま
たダンパタイプの場合等においてピストンロッド径を小
さくすると圧側の受圧面積に対して伸側の受圧面積が大
きくなり、伸減衰力が過大になることもある。
【0006】本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされ
たもので、圧減衰力又は伸減衰力の過多を改善して乗り
心地を向上できる減衰力可変制御式緩衝器を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、シリ
ンダ内をピストンにより伸側油室と圧側油室とに画成
し、余剰作動油を貯留する貯留室を有し、作動油の流動
抵抗を制御バルブにより変化させることにより減衰力を
可変制御するようにした減衰力可変制御式緩衝器におい
て、上記圧側油室の圧力が所定値以上のときに該圧側油
室の圧力を上記貯留室に逃がすことにより圧側油室の圧
力を所定値以下に調整する圧側圧力調整弁を備えたこと
を特徴としている。
【0008】請求項2の発明は、請求項1と同様の減衰
力可変制御式緩衝器において、伸側油室の圧力が所定値
以上のときに該伸側油室の圧力を上記圧側油室に逃がす
ことにより伸側油室の圧力を所定値以下に調整する伸側
圧力調整弁を備えたことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1ないし図6は、請求項1
の発明の一実施形態による減衰力可変制御式緩衝器を説
明するための図であり、図1は本実施形態の緩衝器が採
用された懸架装置の模式図、図2は緩衝器の断面模式
図、図3,図4は緩衝器の制御バルブ部分の断面側面
図,断面平面図、図5は緩衝器のパイロット弁部分を示
す図、図6は緩衝器の減衰力特性を示す図である。
【0010】図において、1は本実施形態の緩衝器12
0が採用された懸架装置であり、該懸架装置1は、車輪
2が軸支されたサスペンションアーム3を車体4により
上下揺動自在に枢支し、該サスペンションアーム3と車
体との間にコイルスプリング5及び緩衝器120を介設
して構成されている。
【0011】上記緩衝器120は、下端部が上記サスペ
ンションアーム3に連結されたシリンダ70内をピスト
ン90により伸側油室70aと圧側油室70bとに画成
してなり、該ピストン90に接続されたピストンロッド
10の上端部が上記車体4に連結されている。上記ピス
トン90には圧側油室70bから伸側油室70aへの作
動油の流れのみを許容し、逆方向の流れを阻止する一方
向弁90aが配設されている。
【0012】また上記懸架装置1には、ピストン90の
相対移動により発生する減衰力を可変制御する減衰力制
御バルブ110と、上記ピストン90のシリンダ70に
対する相対移動速度や位置及び車両の走行速度,操舵
角,加減速度等の走行条件を示すデータを検出する各種
センサ11と、上記走行条件に応じて上記制御バルブ1
10を予め設定された減衰特性パターンに基づいて制御
する制御装置(コントローラ)12とが設けられてい
る。ここで上記減衰力特性としてユーザの好みのものを
手動スイッチ等により上記制御装置12に適宜入力する
ようにしても良い。なお、13は上記制御装置12と制
御バルブ110とを接続する電気配線である。
【0013】上記シリンダ70の外周にはこれを囲むよ
うに外筒71が装着されている。該シリンダ70,及び
外筒71の上端はロッドガイド71aにより閉塞されて
おり、下端はベース板71bで閉塞されている。上記外
筒71とシリンダ70とで形成された空間が上記ピスト
ンロッド10のシリンダ内進入体積に相当する量以上の
作動油を貯留する貯留室70cとなっている。なお、こ
の貯留室70c内には所定圧力のガスが充填されてい
る。
【0014】上記シリンダ70と外筒71との間にはガ
イドパイプ72が軸方向に挿入配置されている。このガ
イドパイプ72の上端開口は上記ロッドガイド71aに
形成された環状の連通孔72aを介して上記伸側油室7
0aに連通しており、下端開口はガイド部材74の導入
孔74aに連通している。
【0015】上記ガイド部材74は、シリンダ軸方向に
見て外表面が円弧状に形成された板状のものであり、上
記ガイドロッド71aを装着する前に該ガイド部材74
及びガイドパイプ72をシリンダ70と外筒71との間
に挿入することにより、支持ボディ73の支持片73a
によって保持されている。なお、この支持ボディ73は
筒状をなしており、外筒71にシリンダ軸と直角方向に
向けて挿入されて溶接固定されている。
【0016】上記減衰力制御バルブ110は、上記外筒
71の外面下部に取り付けられたいわゆる外付けタイプ
のもので、圧縮行程,伸張行程の何れにおいてもシリン
ダ70内の作動油が上記ガイドパイプ72,導入孔74
a制御バルブ110の主弁18,導出孔74bを経て上
記貯留室70cに流れるようになっている。
【0017】上記減衰力制御バルブ110は、以下の手
順で組み立てられたものである。まず、上記支持ボディ
73内に、外周面,内周面にゴム製のシール75a,7
5bが焼き付け固定されたシール部材75を挿入し、該
シール部材75の円弧状の内表面を上記ガイド部材74
の円弧状の外表面に当接させる。そして、外ボディ15
に内ボディ17を螺挿し、これに主弁18,中間ボディ
16,パイロット弁35,リニアソレノイド44等を予
め組み付けたサブアッシーユニットを上記支持ボディ7
3内に外側から挿入する。さらに、該支持ボディ73に
蓋ボディ92を螺装することにより内ボディ17の先端
を上記シール部材75に圧着させる。
【0018】上記内ボディ17の軸心にはスライド孔1
7aが形成されており、該スライド孔17a内に上記主
弁18が軸方向にスライド可能に装填されている。また
該内ボディ17には上記ガイド部材74の導入孔74a
と導出孔74bとを連通する主油路19が形成されてお
り、該主油路19の開口19aは上記主弁18により開
閉される。
【0019】上記主弁18は後部に凹室18aを有し、
先端部にテーパ状に形成されたシール面18bが上記開
口19aの周縁(弁座)に当接するように構成されてお
り、該主弁18のシール面18bの先端面部分にシリン
ダ70内の圧力がガイドパイプ72を介して作用する。
【0020】上記主弁18の凹室18a内には、樹脂製
又は金属製で筒状の防振リング22の先端部が相対的に
軸方向にスライド可能に挿入されており、該防振リング
22の後端フランジは上記中間ボディ16の前面に当接
している。また上記凹室18aの底部にはスペーサ26
が配設されている。上記防振リング22の後端フランジ
と上記底部のスペーサ26内に形成された穴18dの底
面との間には、該スペーサ26を介在させて該防振リン
グ22を上記中間ボディ16の前面に押圧固定するとと
もに、上記主弁18を前方に付勢する二重コイルバネ2
3が縮装されている。
【0021】上記二重コイルバネ23は、上記スペーサ
26を挟んで直列に重ねられた大,小コイルバネ24,
25で構成されている。該大コイルバネ24の前端は、
上記スペーサ26の前フランジ26aに後方から当接し
ており、上記小コイルバネ25の後端はスペーサ26の
内底に、また、その前端は主弁18の穴18dにそれぞ
れ当接している。ここで、主弁18の全閉状態では、上
記スペーサ26の前フランジ26aと凹室18aの底面
との間には若干の隙間が開くように上記コイルバネ寸法
が設定されている。
【0022】このようにして、上記主弁18の凹室18
a,穴18d,上記防振リング22,及び中間ボディ1
6の前面で囲まれた空間が副油室31となっている。上
記穴18dはこれに螺挿されたノズル76を介して上記
ガイド部材74の導入孔74aに連通している。また上
記スペーサ26には、上記穴18dと上記凹室18a内
とを連通する連通穴26bが形成されており、これによ
り上記副油室31内にシリンダ内の圧力が導入されるよ
うになっている。
【0023】上記副油室31はパイロット弁35を介し
てパイロット通路36に連通しており、該パイロット通
路36は上記主油路19に連通している。上記パイロッ
ト通路36は、パイロット弁35の下流側から半径方向
に伸びる複数の放射路部39と、該各放射路部39をつ
なぐ環状部40とで構成されており、該環状部40が主
油路19に連通している。
【0024】上記パイロット弁35は、中間ボディ16
の軸心部分に弁室41を凹設し、該弁室41内に弁体4
2を軸方向にスライド可能に配設するとともに、該弁体
42をこれの弁軸42dに装着されたプランジャ43を
介してリニヤソレノイド44により閉方向に付勢するよ
うに構成されている。
【0025】図5(a)〜図5(c)に示すように、上
記弁室41の底壁41cの上面(後面)には環状の開口
溝(弁孔)41aが凹設され、下面(前面)には3つの
略楕円状の凹溝41bが凹設されており、該凹溝41b
及び上記開口溝41aを介して上記弁室41と副油室3
1とが連通可能となっている。
【0026】上記弁体42は、円盤部42aの下面(前
面)に環状の凸部42bを一体に突設するとともに、該
弁体42の下面(前面)側から上面(後面)側に連通す
る3つの略楕円状の貫通穴42cを形成した構造のもの
である。該弁体42の上昇(後退)により、上記凸部4
2bと上記開口溝41aの周縁部(弁座)との間にパイ
ロット開口が形成され、該パイロット開口を通って流れ
る作動油の流れ方向は、該弁体42の移動方向と交差す
るようになっている。ここで上記弁座及び凸部42bの
下面(受圧面)は弁体42の移動方向bと直交してい
る。これによりパイロット弁35の同一ストロークにお
ける実質的開口面積を大きくすることができるので、走
行状態の変化に対する応答性を向上できるとともに、パ
イロット弁35の振動を低減できる。
【0027】上記リニヤソレノイド44は、上記外ボデ
ィ15に内蔵されており、励磁されるとその励磁力に対
応した前向き(閉方向)の力をプランジャ43を介して
上記弁体42に付与する。上記励磁力を制御することに
より、上記パイロット弁35の開き始める副油室31の
内圧が変化するようになっており、この励磁力の制御が
減衰力可変手段として機能する。なお、上記励磁力は上
記電気配線13を介してリニヤソレノイド44に伝達さ
れる電流の大きさによって制御される。
【0028】ここで上記リニヤソレノイド44への電力
供給が停止されると、弁体42は副油室31内の圧力に
より、弁体42の円盤部42aの後端面がスペーサ44
bの前端面に当接するまで上昇する。この場合、図5
(b)に二点鎖線で示すように、上記円盤部42aの外
周面により上記パイロット通路36の放射路部39が閉
じられる。
【0029】一方、上記中間ボディ16には上記円盤部
42aにより放射路部39が閉じられた場合の、副油室
31内の圧力を所定圧に調整するための圧力調整弁50
が設けられている。該圧力調整弁50は、上記弁室41
の円盤部42aより前側部分と上記パイロット通路36
の環状部40内とを連通する連通穴50a内にボール5
0bを配設し、該ボール50bを付勢ばね50cで閉方
向に付勢した構造のものである。
【0030】上記主弁18の後端面,主弁挿入穴17a
の内周面,上記パイロット弁35の底壁41c,及び上
記凹室18a内にスライド自在に挿入された上記防振リ
ング22で囲まれた空間がダンピング室54となってお
り、該ダンピング室54の容積は、上記主弁18の進退
移動、つまり該主弁18の開度に伴って変化するように
なっている。
【0031】上記主弁18の凹室18aと上記防振リン
グ22の外周面との隙間でもってオリフィスが形成され
ており、上記主弁18の開度の変化に伴ってダンピング
室54の容積が変化すると、作動油が上記オリフィスを
介して副油室31とダンピング室54との間を流動し、
この際に主弁18に働く主弁減衰力が発生する。このよ
うにして上記主弁18の振動を抑制するダンピング機構
が構成されている。
【0032】そして上記シリンダ70,外筒71の下端
部に配設されたベース板71bには、図2に示すよう
に、圧側油室70bと貯留室70cとを連通する補給通
路63及び逃げ通路65が形成されており、該補給通路
63には貯留室70cから圧側油室70bへの作動油の
流れのみを許容するチェック弁64が配設されている。
【0033】また、上記逃げ通路65には、圧側油室7
0bから上記貯留室70cへの作動油の流れのみを許容
し、該圧側油室70b内の圧力を所定圧以下に調整する
圧力調整弁66が配設されている。この圧力調整弁66
は、上記逃げ通路65を開閉するボール67と、該ボー
ル67を閉方向に付勢する付勢ばね68とから構成され
ている。この付勢ばね68の付勢力は、圧縮行程におい
て上記制御バルブ110により発生する減衰力が最大減
衰力の例えば40%程度に達したときに上記逃げ通路6
5を開くように設定されている(図6参照)。
【0034】次に、上記緩衝器120の動作について説
明する。路面の凸部等により上記車輪2が突き上げられ
て緩衝器120が圧縮行程になると、ピストンロッド1
0,及びピストン90がシリンダ70内に図1,図2の
下方に相対的に進入することとなり、ピストンロッド1
0の進入体積分だけシリンダ内容積が減少し、また一方
向弁90aが設けてあることから、圧側油室70b及び
伸側油室70aが昇圧し、このシリンダ内圧力がガイド
パイプ72,導入孔74aを介して主弁18に作用する
とともに、オリフィス76を通って副油室31に導入さ
れ、該副油室31も昇圧する。
【0035】上記副油室31の内圧により上記弁体42
に作用する開方向力が上記リニヤソレノイド44による
付勢力を越えると該弁体42が開口溝41aを開き、副
油室31の内圧が低下し、主弁18は導入孔74aの圧
力により押し開かれ、これにより作動油は上記ピストン
ロッド進入体積相当分だけガイドパイプ72,制御バル
ブ110を通り、貯留室70cに流入し、この際に、上
記シリンダ内圧力×ピストンロッド断面積に相当するダ
ンパ圧減衰力が発生する。
【0036】上記車輪2が下降し、緩衝器120が伸張
する場合には、ピストン90は相対的に上向きに引き上
げられる。この場合一方向弁90aが閉じるので伸側油
室70aが昇圧し、この伸側圧力がガイドパイプ72,
導入孔74aを介して主弁18に作用するとともに、オ
リフィス76を通って副油室31に導入され、該副油室
31も昇圧する。
【0037】上記副油室31の内圧により弁体42に作
用する開方向力がリニヤソレノイド44による付勢力を
越えると上記弁体42が開口溝41aを開き、副油室3
1の内圧が低下し、主弁18は導入孔74aの圧力によ
り押し開かれ、これにより作動油は伸側油室70aから
貯留室70cに流入し、この際に上記伸側圧力×(ピス
トン面積−ピストンロッド面積)に相当する伸ダンパ減
衰力が発生する。なお、圧側油室7b内には貯留70c
内の作動油がチェック弁64を通って補給される。
【0038】ここで図6は、上記緩衝器120における
減衰力と上記リニアソレノイド44に供給する電流ひい
ては減衰力との関係を示し、上記リニアソレノイド44
に供給する電流(減衰力)を0〜100%の範囲で加減
してその付勢力を変化させることにより任意の減衰力が
得られることを示している。例えば上記電流を小さくす
るほどピストン速度が低い状態で減衰力が頭打ちとな
り、大きくするほどピストン速度が高くなるまで減衰力
が増加する。
【0039】そして本実施形態では、圧側油室70bと
貯留室70cとを連通する逃げ通路65を設け、圧縮行
程において上記制御バルブ110により発生する最大減
衰力の例えば40%程度において上記逃げ通路65を開
く圧力調整弁66を配設している。そのため例えば上記
ニリアソレノイド44への供給電流が100%に設定さ
れている場合でも、圧側の減衰力が40%程度になると
圧力調整弁66が逃げ通路65を開き、圧減衰力はピス
トン速度が増加しても40%以上には増加しない。一
方、伸側の減衰力はピストン速度の増加に応じて100
%まで増加する。
【0040】このように本実施形態では、圧側油室70
bの圧力が所定圧(例えば減衰力40%に対応する圧
力)を越えると該圧側油室70bの作動油を貯留室70
cに逃がすようにしたので、ピストン速度が低い領域
(立ち上がり域)での減衰力を確保したままでピストン
速度が高い領域での減衰力が過剰になるのを回避でき、
特にピストンロッド径を大きく設定した場合の減衰力の
伸/圧比の逆転による乗り心地の悪化を回避できる。
【0041】図7は、請求項2の発明に係る第2実施形
態による減衰力可変制御式緩衝器を説明するための概略
構成図である。図中、図2と同一符号は同一又は相当部
分を示す。
【0042】本実施形態の緩衝器80は、シリンダ70
内をピストン90より伸側油室70aと圧側油室70b
とに区分けするとともに、該シリンダ70の外側に外筒
71を配設して貯留室70cを形成し、上記外筒71の
外壁下部に減衰力制御バルブ110を配設して構成され
ており、基本的な構造は上記第1実施形態と同様であ
る。
【0043】そして本実施形態では、上記ピストン90
に、伸側油室70aと圧側油室70bとを連通する逃げ
通路65が形成されており、該逃げ通路65に上記伸側
油室70aの圧力が所定圧を越えたときに上記逃げ通路
65を開いて伸側油室70aの作動油を圧側油室70b
に逃がす圧力調整弁66が配設されている。
【0044】本第2実施形態では、伸側油室70aの圧
力が所定圧を越えると該伸側油室70aの圧力を圧側油
室70b側に逃がすようにしたので、例えば上記ニリア
ソレノイド44への供給電流が100%に設定されてい
る場合でも、伸側の減衰力は40%程度になると圧力調
整弁66が逃げ通路65を開き、伸減衰力はピストン速
度が増加しても40%以上には増加しない。一方、圧側
の減衰力はピストン速度の増加に応じて100%まで増
加する。そのため車輪2が路面の凹部に落ち込む場合等
の伸時に、低速域での減衰力を確保したままで、高速域
での減衰力が過剰になるのを回避できる。
【0045】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明に係る減衰
力可変制御式緩衝器によれば、圧側油室の圧力が所定値
以上のときに該圧側油室の圧力を貯留室側に逃がす圧側
圧力調整弁を設けたので、制御バルブによる圧減衰力が
所定値に達した時点で上記圧側圧力調整弁が開き、圧減
衰力はそれ以上に増加しない。従ってピストンロッドを
大径に設定した場合でも、圧縮行程における立ち上がり
時の減衰力を確保したままで高速域での減衰力が過剰に
なるのを回避でき、伸減衰力より圧減衰力が大きくなる
のを回避して乗り心地を向上できる効果がある。
【0046】請求項2の発明では、伸側油室の圧力が所
定値以上のときに該伸側油室の圧力を圧側油室に逃がす
伸側圧力調整弁を備えたので、伸行程における立ち上が
り時の減衰力の確保したままで高速域での減衰力が過剰
になるのを回避できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明に係る第1実施形態による減衰
力可変制御式緩衝器が採用された懸架装置の模式図であ
る。
【図2】上記緩衝器の断面図である。
【図3】上記緩衝器の減衰力制御バルブの断面側面図で
ある。
【図4】上記減衰力制御バルブの断面平面図である。
【図5】上記減衰力制御バルブのパイロット弁部分を示
す図である。
【図6】上記緩衝器の減衰力とピストン速度との関係を
示す特性図である。
【図7】請求項2の発明のに係る第2実施形態による減
衰力可変制御式緩衝器を示す概略構成図である。
【図8】従来の一般的な減衰力可変制御式緩衝器を示す
概略構成図である。
【符号の説明】
66 圧力調整弁 70 シリンダ 70a 伸側油室 70b 圧側油室 70c 貯留室 80,120 減衰力可変制御式緩衝器 90 ピストン 110 減衰力制御バルブ(制御弁)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内をピストンにより伸側油室と
    圧側油室とに画成し、余剰作動油を貯留する貯留室を有
    し、作動油の流動抵抗を制御バルブにより変化させるこ
    とにより減衰力を可変制御するようにした減衰力可変制
    御式緩衝器において、上記圧側油室の圧力が所定値以上
    のときに該圧側油室の圧力を上記貯留室に逃がすことに
    より圧側油室の圧力を所定値以下に調整する圧側圧力調
    整弁を備えたことを特徴とする減衰力可変制御式緩衝
    器。
  2. 【請求項2】 シリンダ内をピストンにより伸側油室と
    圧側油室とに画成し、余剰作動油を貯留する貯留室を有
    し、作動油の流動抵抗を制御バルブにより変化させるこ
    とにより減衰力を可変制御するようにした減衰力可変制
    御式緩衝器において、上記伸側油室の圧力が所定値以上
    のときに該伸側油室の圧力を上記圧側油室に逃がすこと
    により伸側油室の圧力を所定値以下に調整する伸側圧力
    調整弁を備えたことを特徴とする減衰力可変制御式緩衝
    器。
JP33418196A 1996-12-13 1996-12-13 減衰力可変制御式緩衝器 Withdrawn JPH10176730A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100757810B1 (ko) 2003-02-10 2007-09-11 주식회사 만도 감쇠력 가변형 쇽 업소버
JP2010508491A (ja) * 2006-11-02 2010-03-18 コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー 比例制御弁
JP2012233589A (ja) * 2007-05-18 2012-11-29 Enfield Technologies Llc 電子制御バルブおよびそれを含むシステム

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