JP2001241484A - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents

減衰力調整式油圧緩衝器

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JP2001241484A
JP2001241484A JP2000054941A JP2000054941A JP2001241484A JP 2001241484 A JP2001241484 A JP 2001241484A JP 2000054941 A JP2000054941 A JP 2000054941A JP 2000054941 A JP2000054941 A JP 2000054941A JP 2001241484 A JP2001241484 A JP 2001241484A
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Japan
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bobbin
damping force
coil
valve
oil
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JP2000054941A
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English (en)
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Takashi Nezu
隆 根津
Tetsuo Kato
哲雄 加藤
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソレノイド駆動手段のボビンの移
動を抑え、かつ、プランジャ側からコイル側への油液の
漏洩を防止できるシール部材を備えた減衰力調整式油圧
緩衝器を提供する。 【解決手段】 第1固定鉄心101とコイルボビ
ン100との間に、それぞれを径方向に付勢する第1シ
ール110を設け、また、コイルボビン100とピスト
ンボルト6との間に、それぞれを軸方向に付勢する第2
シール111を設けた。第1シール110及び第2シー
ル111は、コイルボビン100を径方向及び軸方向に
それぞれ弾性的に支持し、コイルボビン100が低温時
に収縮しても、ソレノイドケース9内での移動を阻止
し、かつ、プランジャ59側からコイル73側への油液
の漏洩を防止でき、異音の発生やリード線の損傷を防止
して、安定した減衰力を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両の
懸架装置に装着される減衰力調整式油圧緩衝器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両の懸架装置に装着される
油圧緩衝器には、路面状況、走行状況等に応じて乗り心
地や操縦安定性を向上させるために減衰力を適宜調整で
きるようにした減衰力調整式油圧緩衝器がある。
【0003】減衰力調整式油圧緩衝器は、例えば、特開
平5−149364号公報に示されるように、油液を封
入したシリンダ内に中空のピストンロッドを連結したピ
ストンを摺動可能に嵌装してシリンダ内を2室に画成
し、ピストン部にシリンダ内の2室を連通させる主油液
通路及びバイパス通路を設け、主油液通路にはオリフィ
ス及びディスクバルブからなる減衰力発生機構を設け、
バイパス通路にはその通路面積を調整する減衰力調整弁
を設けた構成となっている。
【0004】そして、ピストンロッド内に設けられた比
例ソレノイド駆動手段を構成する油浸のプランジャの変
位によって減衰力調整弁を駆動し、減衰力調整弁によっ
てバイパス通路を開いてシリンダ内の2室間の油液の流
通抵抗を小さくすることにより減衰力を小さくし、ま
た、バイパス通路を閉じて2室間の流通抵抗を大きくす
ることにより減衰力を大きくする。このように、減衰力
調整弁の開閉により減衰力を適宜調整することができ
る。
【0005】また、比例ソレノイド駆動手段のボビンに
巻回されたコイルには、減衰力調整式油圧緩衝器の外部
の車両側等に設置されたコントローラ(電源供給部)か
らのリード線が、ピストンロッドの中空部を介して接続
され、当該接続部分にシリンダ内の油液が漏洩しないよ
うに、ピストンロッド開口端(ピストン側)とピストン
ロッド内のコイル側とを画成する画成部材との間でのみ
シールしている。
【0006】一般的に、比例ソレノイド駆動手段を構成
するボビンや固定鉄心等の複数の部材には、寸法公差の
バラツキがあったり、特に低温時等においては、樹脂製
のボビンやナイロン等の樹脂によってコーティングされ
たコイルが収縮するような場合がある。
【0007】上述のような従来の減衰力調整式油圧緩衝
器は、車両の走行条件や使用環境等(振動の大小、温度
変化等)、厳しい環境下で使用されることがしばしばあ
るが、この状態で、激しい振動が加わった場合等におい
ては、ボビンが軸方向あるいは径方向に移動して、異音
の発生、リード線の損傷、あるいは減衰力が変動してし
まうという問題や、前記樹脂の収縮により生じた隙間を
介してプランジャ側の油液がコイル側に漏洩するといっ
た問題が発生する虞があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
鑑みてなされたものであり、車両の走行条件や使用環境
等、厳しい環境下での使用においても、ボビンの移動を
抑えて、異音の発生、リード線の損傷を確実に防止して
安定した減衰力が得られると共に、プランジャ側の油液
がコイル側に漏洩するのを確実に防止し得る減衰力調整
式油圧緩衝器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、油液が封入されたシリンダ
と、該シリンダ内に摺動自在に設けられ前記シリンダ内
を上下2室に画成するピストンと、前記上下2室間を連
通させる油液通路と、該油液通路に設けられ前記ピスト
ンの摺動によって前記油液通路を流れる油液の流動を制
御して減衰力を調整する減衰力調整機構と、該減衰力調
整機構を駆動するソレノイド型駆動手段と、を備えた減
衰力調整式油圧緩衝器において、前記ソレノイド型駆動
手段を収容するケースと、該ケース内に設けられコイル
が巻回されたボビンと、該ボビンの内側に設けられ前記
コイルへの通電によって変位する油浸のプランジャと、
前記ボビンの軸方向両端部で弾性的に前記ボビンを支持
すると共に、前記ケース内で前記ボビンの前記プランジ
ャ側と前記コイル側との間を密封する少なくとも一対の
シール部材と、を設けたことを特徴とする。
【0010】このように構成したことにより、少なくと
も一対のシール部材がケース内でボビンを弾性的に支持
し、かつ、ボビンのプランジャ側とコイル側との間を密
封することができ、ボビンの移動を抑え、かつ、ボビン
のプランジャ側からコイル側への油液の漏洩を防止でき
る。
【0011】請求項2の発明は、上記請求項1の構成に
おいて、前記少なくとも一対のシール部材の一方は、前
記ボビンを径方向に弾性的に支持し、他方は前記ボビン
を軸方向に弾性的に支持することを特徴とする。
【0012】このように構成したことにより、ボビンが
軸方向及び径方向に移動することを防止することができ
る。
【0013】また、請求項3の発明は、上記請求項1ま
たは2の構成において、前記少なくとも一対のシール部
材のそれぞれを、前記ボビンの軸方向で、コイルが巻回
された部分の外側の位置に設けたことを特徴とする。
【0014】このように構成したことにより、シール部
材はコイルの径方向寸法の大小に影響を与えず、ソレノ
イド型駆動手段の望ましい推力を確保できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0016】本発明の一実施形態について、図1及び図
2を参照して説明する。
【0017】図1及び図2に示すように、本発明の減衰
力調整式油圧緩衝器1は、シリンダ2の外側に外筒3を
設けた二重筒構造となっており、シリンダ2と外筒3と
の間にリザーバ4が形成されている。シリンダ2内に
は、ピストン5が摺動可能に嵌装されており、このピス
トン5によってシリンダ2内がシリンダ上室2aとシリ
ンダ下室2bとの2室に画成されている。ピストン5に
は、略円筒状のピストンボルト6(ケース)が挿通され
てナット7によって固定されている。ピストンボルト6
の基端部に形成された大径部6aには、ピストンロッド
8の一端部に溶接されたソレノイドケース9(ケース)
が螺着され、ピストンロッド8の他端側は、シリンダ上
室2aを通り、シリンダ2及び外筒3の上端部に装着さ
れたロッドガイド10及びオイルシール11に挿通され
て、シリンダ2の外部へ延出されている。シリンダ2の
下端部には、シリンダ下室2bとリザーバ4とを区画す
るべースバルブ12が設けられている。
【0018】ピストン5には、シリンダ上下室2a、2
b間を連通させるための伸び側油路13及び縮み側油路
14が設けられている。ピストン5とナット7との間に
は、伸び側油路13の油液の流動を制御する伸び側減衰
力発生機構15が設けられている。ピストン5とピスト
ンボルト6の大径部6aとの間には、縮み側油路14の
油液の流動を制御する縮み側減衰力発生機構16が設け
られている。ベースバルブ12には、シリンダ下室2b
とリザーバ4とを連通させる油路17、18が設けら
れ、油路17のリザーバ4側からシリンダ下室2b側へ
の油液の流通のみを許容する逆止弁19が設けられ、さ
らに、シリンダ下室2b側の油液の圧力が所定圧力に達
したとき開弁して油路18を介してその油液をリザーバ
4側へ流すディスクバルブ20が設けられている。そし
て、シリンダ2内には油液が封入されており、リザーバ
4内には油液及び所定圧力のガスが封入されている。
【0019】伸び側減衰力発生機構15について説明す
る。ピストン5のシリンダ下室2b側の端面に、環状の
弁座21が突設され、弁座21に主ディスクバルブ22
(パイロット型減衰弁)が着座されている。ピストンボ
ルト6には、ピストン5とナット7との間に環状の固定
部材23が取付けられており、固定部材23の外周に可
動リング24が摺動可能に嵌合されている。固定部材2
3と可動リング24との間には、これらの間をシールす
ると共に、摺動を円滑にするためのフッ素樹脂製の滑動
リング25が介装されている。可動リング24は、固定
部材23とナット7との間にクランプされたディスク状
の板ばね26によって、主ディスクバルブ22に当接さ
れて、主ディスクバルブ22と固定部材23との間に、
その内圧を主ディスクバルブ22の閉弁方向に作用させ
る背圧室22Aが形成されている。背圧室22Aは、主
ディスクバルブ22に設けられた固定オリフィス27に
よって伸び側油路13に連通されている。また、背圧室
22Aは、ピストンボルト6の側壁に設けられた油路2
8、29によって、ピストンボルト6の内部に設けられ
た伸び側圧力制御弁30を介して、固定部材23の反対
側に連通され、固定部材23に設けられた逆止弁31
(ディスクバルブ)及び板ばね26に設けられた油路3
2(切欠)を介してシリンダ下室2bに連通されてい
る。
【0020】縮み側減衰力発生機構16について説明す
る。ピストン5のシリンダ上室2a側の端面に、環状の
弁座33が突設され、弁座33に主ディスクバルブ34
(パイロット型減衰弁)が着座されている。ピストンボ
ルト6には、その大径部6aとピストン5との間に環状
の固定部材35が取付けられており、固定部材35の外
周に可動リング36が摺動可能に嵌合されている。固定
部材35と可動リング36との間には、これらの間をシ
ールすると共に、摺動を円滑にするためのフッ素樹脂製
の滑動リング37が介装されている。可動リング36
は、固定部材35と大径部6aとの間にクランプされた
ディスク状の板ばね38によって、主ディスクバルブ3
4に当接されて、主ディスクバルブ34と固定部材35
との間に、その内圧を主ディスクバルブ34の閉弁方向
に作用させる背圧室39が形成されている。背圧室39
は、主ディスクバルブ34に設けられた固定オリフィス
40によって縮み側油路14に連通されている。また、
背圧室39は、ピストンボルト6の側壁に設けられた油
路41、42によって、ピストンボルト6の内部に設け
られた縮み側圧力制御弁43を介して、固定部材35の
反対側に連通され、固定部材35に設けられた逆止弁4
4(ディスクバルブ)及び板ばね38に設けられた油路
45(切欠)を介してシリンダ上室2aに連通されてい
る。
【0021】伸び側及び縮み側圧力制御弁30、43
(減衰力調整機構)について説明する。ピストンボルト
6内には、中央部に油路28、41が開口する小径ボア
46が形成され、その両側に油路29、42がそれぞれ
開口する大径ボア47、48が形成され、小径ボア46
と大径ボア47、48とのそれぞれの間の段部によって
環状の弁座49、50が形成されている。ピストンボル
ト6の小径ボア46内には、円筒状のスライダ51が摺
動可能に嵌装されており、スライダ51の両端部に形成
された小径部と小径ボア46との間に、それぞれ油路2
8、41に連通する環状の弁室52、53が形成されて
いる。スライダ51の両端部には、それぞれ、弁座4
9、50に離着座する副ディスクバルブ54、55が、
スライダ51に圧入されたリテーナ56、57によって
取付けられている。
【0022】ソレノイドケース9内には、比例ソレノイ
ド58(ソレノイド型駆動手段)が設けられており、比
例ソレノイド58は、略断面コ字形状の樹脂よりなるコ
イルボビン(ボビン)100と、コイルボビン100に
巻回されてナイロン等の樹脂によって固められたコイル
73と、コイルボビン100の内部に固定された第1固
定鉄心101と、第1固定鉄心101にフッ素樹脂製の
軸受け102を介して摺動自在に案内されたプランジャ
59と、プランジャ59に圧入固定された作動ロッド6
0と、ピストンボルト6の大径部6aに固定され、作動
ロッド60をフッ素樹脂製の軸受け103を介して摺動
自在に案内する第2固定鉄心104(ケース)とから大
略構成されている。
【0023】ここで、コイルボビン100の内側で、第
1固定鉄心101とプランジャ59との間、及び、第1
固定鉄心101と第2固定鉄心104との間は、スライ
ダ51の両端側の副ディスクバルブ54、55を介して
シリンダ2内と連通しており、プランジャ59は油液中
に浸って設けられている。
【0024】コイルボビン100の上端側には、リード
線74を収容するための収容部を形成する断面コ字形状
のフランジ部100aが設けられ、また、その内周側、
すなわち、第1固定鉄心101とコイルボビン100と
の間には、それぞれを径方向に付勢する(コイルボビン
を弾性的に支持する)と共に、プランジャ59側からピ
ストンロッド8の中空部側(コイル73側)への油液の
漏洩を防止する第1シール110(シール部材)を収容
する収容部105が設けられている。
【0025】また、コイルボビン100の下端側には環
状の凸部101bが形成され、これに対向するピストン
ボルト6の大径部6aには、コイルボビン100とピス
トンボルト6とをそれぞれ軸方向に付勢する(コイルボ
ビンを弾性的に支持する)と共に、プランジャ59側か
らピストンロッド8の中空部側(コイル73側)への油
液の漏洩を防止する第2シール111(シール部材)を
収容する収容部106が設けられている。
【0026】作動ロッド60の先端部は、スライダ51
の一端部に取付けられたリテーナ57に当接されてい
る。ピストンボルト6の大径ボア47には、その先端部
を閉塞する調整プラグ61及びロックナット62が螺着
されており、スライダ51の他端部に取付けられたリテ
ーナ56と調整プラグ61との間に介装された圧縮ばね
63と、比例ソレノイド58のプランジャ59の後端部
を押圧する圧縮ばね64のばね力によって、スライダ5
1が弾性的に保持されている。リテーナ56、57に
は、スライダ51の両側に形成された油室65、66間
を連通させて、スライダ51の両端部に作用する圧力を
バランスさせるための油路67、68が設けられてお
り、一方の油路67にはスライダ51の移動に適度な減
衰力を作用させるためのオリフィス67aが設けられて
いる。
【0027】ピストンボルト6の油室52、53内の小
径ボア46には、油室52、53内の部位にそれぞれ段
部69、70が設けられて、油室52、53内におい
て、スライダ51の段部71、72の受圧面積A1(ス
ライダ51に閉弁方向の推力を発生させる受圧面積)よ
りも副ディスクバルブ54、55の受圧面積A2(スラ
イダ51に開弁方向の推力を発生させる受圧面積)の方
が大きくなっている。
【0028】比例ソレノイド58のコイル73のリード
線74は、中空のピストンロッド8内を通って外部へ延
ばされており、その先端部に接続された端子から通電で
きるようになっている。そして、通常、スライダ51
は、圧縮ばね63、64によって両方の副ディスクバル
ブ54、55が弁座49、50から離座する位置に保持
されており、コイル73に通電することにより、比例ソ
レノイドによって通電電流に応じた方向及び推力で、副
ディスクバルブ54、55の一方を閉弁方向に、他方を
開弁方向に選択的に付勢するようになっている。なお、
スライダ51の初期位置は、調整プラグ61及びロック
ナット62によって調整することができる。
【0029】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。
【0030】ピストンロッド8の伸び行程時には、ピス
トン5の移動にともない、シリンダ上室2a側の油液が
加圧され、伸び側減衰力発生機構15の主ディスクバル
ブ22の開弁前(ピストン速度の低速域)においては、
伸び側油路13、主ディスクバルブ22の固定オリフィ
ス27、背圧室22A、油路28、伸び側圧力制御弁3
0、油路29、逆止弁31及び油路32を通ってシリン
ダ下室2b側へ流れる。そして、シリンダ上室2a側の
圧力が主ディスクバルブ22の開弁圧力に達すると(ピ
ストン速度の高速域)、主ディスクバルブ22が開いて
伸び側油路13からシリンダ下室2bへ油液が直接流れ
る。なお、ピストンロッド8がシリンダ2から退出した
分の油液がリザーバ4からべースバルブ12の油路17
の逆止弁19を開いてシリンダ下室2bへ流れる。
【0031】これにより、主ディスクバルブ22の開弁
前(ピストン速度の低速域)においては、固定オリフィ
ス27及び伸び側圧力制御弁30によって減衰力が発生
する。伸び側圧力制御弁30では、油室52内におい
て、スライダ51の段部71の受圧面積A1に対して副
ディスクバルブ54の受圧面積A2の方が大きいので、
これらの軸方向の受圧面積差によって、スライダ51に
副ディスクバルブ54の開弁方向の推力が生じる。これ
に対して、比例ソレノイド58によってスライダ51を
副ディスクバルブ54の閉弁方向に付勢して、コイル7
3への通電電流に応じて副ディスクバルブ54の開弁圧
力を調整することにより、主ディスクバルブ22の開弁
前(ピストン速度の低速域)における減衰力をピストン
速度にかかわらず直接制御することができる。
【0032】そして、副ディスクバルブ54の開弁圧力
を調整することにより、その圧力に応じて上流側の背圧
室22Aの圧力が調整され、背圧室22Aの圧力は、主
ディスクバルブ22のパイロット圧力としてその閉弁方
向に作用するので、副ディスクバルブ54の開弁圧力と
共に主ディスクバルブ22の開弁圧力を同様に調整する
ことができ、ピストン速度の高速域の減衰力を同時に調
整することができる。
【0033】また、ピストンロッド8の縮み行程時に
は、ピストン5の移動にともない、ベースバルブ12の
逆止弁19が閉じて、シリンダ下室2b側の油液が加圧
され、縮み側減衰力発生機構16の主ディスクバルブ3
4の開弁前(ピストン速度の低速域)においては、縮み
側油路14、主ディスクバルブ34の固定オリフィス4
0、背圧室39、油路41、縮み側圧力制御弁43、油
路42、逆止弁44及び油路45を通ってシリンダ上室
2a側へ流れる。そして、シリンダ下室2b側の圧力が
主ディスクバルブ34の開弁圧力に達すると(ピストン
速度の高速域)、主ディスクバルブ34が開いて縮み側
油路14からシリンダ上室2aへ油液が直接流れる。な
お、ピストンロッド8がシリンダ2内へ侵入した分の油
液がシリンダ下室2bからべースバルブ12の油路18
のディスクバルブ20を開いてリザーバ4へ流れる。
【0034】これにより、主ディスクバルブ34の開弁
前(ピストン速度の低速域)においては、固定オリフィ
ス40及び縮み側圧力制御弁43によって減衰力が発生
する。縮み側圧力制御弁43では、油室53内におい
て、スライダ51の段部72の受圧面積A1に対して副
ディスクバルブ55の受圧面積A2の方が大きいので、
その受圧面積差によって、スライダ51に副ディスクバ
ルブ55の開弁方向の推力が生じる。これに対して、比
例ソレノイド58によってスライダ51を副ディスクバ
ルブ55の閉弁方向に付勢して、コイル73への通電電
流に応じて副ディスクバルブ55の開弁圧力を調整する
ことにより、主ディスクバルブ34の開弁前(ピストン
速度の低速域)における減衰力をピストン速度にかかわ
らず直接制御することができる。
【0035】そして、副ディスクバルブ55の開弁圧力
を調整することにより、その圧力に応じて上流側の背圧
室39の圧力が調整され、背圧室39の圧力は、主ディ
スクバルブ34のパイロット圧力としてその閉弁方向に
作用するので、副ディスクバルブ55の開弁圧力と共に
主ディスクバルブ34の開弁圧力を同様に調整すること
ができ、ピストン速度の高速域の減衰力を同時に調整す
ることができる。
【0036】このようにして、ピストン速度の低速域か
ら高速域にわたって減衰力を調整することができ、その
調整範囲を広くすることができる。伸び側及び縮み側圧
力制御弁30、43によって、ピストン速度の低速域に
おいてもバルブ特性による適度な減衰力を得ることがで
きるので、ピストン速度の低速域における減衰力の不足
及び高速域における減衰力の過度の上昇を防止すること
ができる。また、路面からの突上げ等による急激な入力
によって、背圧室22A、39の圧力が急激に上昇した
場合、伸び側及び縮み側圧力制御弁30、43の副ディ
スクバルブ54、55が撓んでその外周部が弁座49、
50からリフトすることにより、背圧室22A、39の
圧力を油室65、66へ迅速にリリーフすることができ
るので、減衰力の急激な上昇を抑制することができ、車
両の乗り心地を向上させることができる。副ディスクバ
ルブ54、55は、従来から使用されているポペット弁
に比して、そのリフト量に対する開口面積が大きいた
め、スライダ51の移動量が小さくて済むので(通常
0.5mm程度)応答性に優れる。
【0037】油室52、53内におけるスライダ51の
段部71、72と副ディスクバルブ54、55との受圧
面積差によってスライダ51に生じる推力と、比例ソレ
ノイド58の推力とのバランスによって減衰力を制御し
ているので、受圧面積差を小さくすることにより、比例
ソレノイド58の負荷を軽減することができ、小型軽量
化を図ることができる。また、圧力制御弁である副ディ
スクバルブ54、55の開閉によって減衰力を直接制御
するので、可変オリフィスに比して各部の寸法公差によ
る影響が小さく、安定した減衰力を得ることができる。
【0038】スライダ51は、比例ソレノイド58のコ
イル73への通電電流によって、副ディスクバルブ5
4、55を共に開弁させる位置(伸び側及び縮み側共に
ソフト)、いずれか一方を閉弁させ他方を開弁させる位
置(伸び側ソフトかつ縮み側ハード、または、伸び側ハ
ードかつ縮み側ソフト)をとることができるので、いわ
ゆるスカイフック理論に基づくセミアクティブサスペン
ション制御に適した伸び側縮み側反転特性を得ることが
できる。
【0039】第1シール110及び第2シール111
は、コイルボビン100を径方向及び軸方向にそれぞれ
弾性的に支持すると共に、第1固定鉄心101とコイル
ボビン100との間、及び、コイルボビン100とピス
トンボルト6の大径部6aとの間を密封するようにして
おり、コイルボビン100や第1及び第2固定鉄心10
1、102等の部材の寸法公差のバラツキを吸収すると
共に、コイルボビン100等が低温時等において収縮し
ても、ソレノイドケース9内でのコイルボビン100の
移動を、軸方向及び径方向の何れにおいても阻止し、か
つ、プランジャ59側からコイル73側への油液の漏洩
を防止でき、異音を発生したり、リード線が損傷するこ
とを防止し、また、安定した減衰力を得ることができ
る。
【0040】また、コイル73への通電により発生する
磁路は、図2中太線矢印に示すように、ソレノイドケー
ス9、第1固定鉄心101、プランジャ59、第2固定
鉄心104及びピストンボルト6の大径部6aによって
形成され、第1及び第2シール110、111は、磁路
を形成しない位置に設置(磁路の外側に設置)されてい
る。したがって、第1及び第2シール110、111の
設置による比例ソレノイド58の推力への影響はなく、
第1及び第2シール110、111の設置によって、比
例ソレノイド58の推力が低下するようなことがない。
【0041】さらに、第1及び第2シール110、11
1は、コイルボビン100のコイル73が巻回された部
分の軸方向上下側(外側)に位置しており、コイル73
の径方向寸法の大小に影響を与えず、この場合において
も、第1及び第2シール110、111の設置によっ
て、比例ソレノイド58の推力が低下するようなことが
ない。したがって、コイルの大径化(比例ソレノイドの
推力増加)、あるいは減衰力調整式油圧緩衝器自体の小
径化等(設計自由度確保)に充分適応が可能である。
【0042】なお、上記実施形態では、第1固定鉄心1
01とコイルボビン100との間で径方向に付勢するシ
ール(第1シール)をコイルボビン100の上側に設
け、一方、ピストンボルト6の大径部6aとコイルボビ
ン100との間で軸方向に付勢するシール(第2シー
ル)をコイルボビン100の下側に設けたものを示した
が、別段これに限らず、第1固定鉄心101とコイルボ
ビン100との間で軸方向に付勢するシールをコイルボ
ビン100の上側に設け、一方、ピストンボルト6の大
径部6aとコイルボビン100との間で径方向に付勢す
るシールをコイルボビン100の下側に設けても構わな
い。
【0043】また、上記実施形態のように、コイルボビ
ン100等の樹脂製の部材の径方向寸法よりも軸方向寸
法の方が大きい場合には、軸方向の収縮率に対して径方
向の収縮率の方が小さい(コイルボビン100の軸方向
上下側で隙間ができ易い)ので、コイルボビン100の
軸方向上下側に、何れも軸方向に付勢するようにシール
部材を各々設けるようにしても良い。この場合、コイル
ボビン100の軸方向に対する移動をより確実に防止し
得、ひいては、さらに安定した減衰力を得ることができ
る。
【0044】さらに、上記実施形態では、ピストンロッ
ド−ピストン組立体に比例ソレノイドを内蔵したものを
示したが、別段これに限らず、本発明は、シリンダ上下
室をバイパスする油液通路をシリンダ外部に迂回させて
設け、シリンダ側面に比例ソレノイド等からなる減衰力
調整機構を設けたものに適用することもできる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の減衰力
調整式油圧緩衝器によれば、ソレノイド型駆動手段を収
容するケースと、ケース内に設けられコイルが巻回され
たボビンと、ボビンの内側に設けられコイルへの通電に
よって変位する油浸のプランジャと、ボビンの軸方向両
端部で弾性的にボビンを支持すると共に、ケース内でプ
ランジャ側とコイル側との間を密封する少なくとも一対
のシール部材とを設けたので、一対のシール部材は、ボ
ビンがケース内で移動することを確実に防止し、かつ、
プランジャ側とコイル側との間を確実に密封でき、異音
の発生やリード線の損傷、あるいは減衰力が変動してし
まうというという問題や、プランジャ側の油液がコイル
側へ漏洩する問題を確実に解消できる。
【0046】請求項2の減衰力調整式油圧緩衝器によれ
ば、少なくとも一対のシール部材の一方は、前記ボビン
を径方向に弾性的に支持し、他方は前記ボビンを軸方向
に弾性的に支持するようにしたので、シール部材は、ケ
ース内においてボビンが径方向及び軸方向に移動するこ
とを確実に防止することができる。
【0047】また、請求項3の減衰力調整式油圧緩衝器
によれば、請求項1または2において、少なくとも一対
のシール部材のそれぞれを、ボビンの軸方向で、コイル
が巻回された部分の外側の位置に設けたので、それぞれ
のシール部材は、コイルの径方向寸法の大小に影響を与
えず、ソレノイド型駆動手段の推力を望ましい値に保持
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の減衰力調整式油圧緩衝
器全体を示す縦断面図である。
【図2】 図1の要部を拡大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 減衰力調整式油圧緩衝器 2 シリンダ 5 ピストン 6 ピストンボルト(ケース) 8 ピストンロッド 9 コイルケース(ケース) 58 比例ソレノイド(ソレノイド型駆動手段) 59 プランジャ 73 コイル 100 コイルボビン(ボビン) 101 第1固定鉄心 104 第2固定鉄心(ケース) 110 第1シール(シール部材) 111 第2シール(シール部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H106 DA08 DA23 DB02 DB12 DB22 DB32 DC09 DD09 EE20 EE39 GA10 GC09 GD04 KK03 KK17 3J069 AA50 CC13 DD43 EE01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油液が封入されたシリンダと、該シリンダ
    内に摺動自在に設けられ前記シリンダ内を上下2室に画
    成するピストンと、前記上下2室間を連通させる油液通
    路と、該油液通路に設けられ前記ピストンの摺動によっ
    て前記油液通路を流れる油液の流動を制御して減衰力を
    調整する減衰力調整機構と、該減衰力調整機構を駆動す
    るソレノイド型駆動手段と、を備えた減衰力調整式油圧
    緩衝器において、 前記ソレノイド型駆動手段を収容するケースと、該ケー
    ス内に設けられコイルが巻回されたボビンと、該ボビン
    の内側に設けられ前記コイルへの通電によって変位する
    油浸のプランジャと、前記ボビンの軸方向両端部で弾性
    的に前記ボビンを支持すると共に、前記ケース内で前記
    ボビンの前記プランジャ側と前記コイル側との間を密封
    する少なくとも一対のシール部材と、を設けたことを特
    徴とする減衰力調整式油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】前記少なくとも一対のシール部材の一方
    は、前記ボビンを径方向に弾性的に支持し、他方は前記
    ボビンを軸方向に弾性的に支持することを特徴とする請
    求項1に記載の減衰力調整式油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】前記少なくとも一対のシール部材のそれぞ
    れを、前記ボビンの軸方向で、コイルが巻回された部分
    の外側の位置に設けたことを特徴とする請求項1または
    2に記載の減衰力調整式油圧緩衝器。
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