JPH09195034A - 光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子の製造方法

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JPH09195034A
JPH09195034A JP127196A JP127196A JPH09195034A JP H09195034 A JPH09195034 A JP H09195034A JP 127196 A JP127196 A JP 127196A JP 127196 A JP127196 A JP 127196A JP H09195034 A JPH09195034 A JP H09195034A
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JP
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substrate
etching
optical element
manufacturing
film
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JP127196A
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Minoru Otani
実 大谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面粗さの大きい基板を用いた場合でも超高反
射鏡を製造することができる光学素子の製造方法を提供
する。 【解決手段】基板上に1層以上の薄膜をコーティングす
ることにより光学素子を製造する方法であって、基板及
び1層以上の薄膜の内、それらの少なくとも1つの表面
をエッチングする工程と、このエッチングした表面上に
次の薄膜層をコーティングする工程とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、散乱ロスの少ない
光学素子の製造方法ならびに散乱ロスを低減させる光学
素子の製造方法に関するもので、特に超高反射鏡の製造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来超高反射鏡の反射率は、He−Ne
レーザーの反射鏡として真空蒸着法では99.9%〜9
9.95%程度が限界とされていた。
【0003】イオンビームスパッタ法を用い、表面粗さ
0.1nmの基板に99.99984%の反射率を85
0nmの波長で達成したという報告(G.Rempe,
Optics Letter vol 17,No5,
p363−365,1992)がある。
【0004】超高反射鏡の製造では、表面粗さが0.1
nm以下の超平滑基板を用いることが一般的となってお
り、粗さによる散乱ロスをいかに小さくするかが高反射
膜を製作するポイントとなっている。
【0005】従って、プラスチック基板や一般研磨の表
面粗さの大きい基板を用い、かつ一般的な真空蒸着法を
用いて99.9%以上の反射率をもつ超高反射鏡を製造
することは、散乱ロスが大きいため不可能とされてい
た。
【0006】真空蒸着以外の製造方法として、前述のイ
オンビームスパッタと同類の製法であるスパッタリング
法(RF,DC)を用いると、真空蒸着膜より緻密で膜
自体の散乱ロスの小さい膜製造が可能であることが知ら
れている。しかし、どの膜製法でも基板の粗さに膜粗さ
が依存するため、粗さの大きい基板では散乱ロスの小さ
い膜製造は難しいとされていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】膜製作面積や生産性を
考慮した場合、真空蒸着法が最も有利であるが、真空蒸
着法では、イオンビームスパッタ程度の超高反射鏡がで
きないという問題点があった。
【0008】また、散乱ロスの小さい光学素子、特に超
高反射鏡を製造するためには基板表面粗さを小さくする
ために精密研磨をしなければならずコストが高いという
欠点があった。
【0009】また、一般研磨基板やプラスチック基板の
ような表面粗さの大きい基板では、99.9%以上の高
反射鏡は製造できないという欠点があった。
【0010】従って、本発明は上述した課題に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、表面粗さ
の大きい基板を用いた場合でも超高反射鏡を製造するこ
とができる光学素子の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し目
的を達成するために、本発明に係わる光学素子の製造方
法は、基板上に1層以上の薄膜をコーティングすること
により光学素子を製造する方法であって、前記基板及び
前記1層以上の薄膜の内、それらの少なくとも1つの表
面をエッチングする工程と、前記エッチングした表面上
に次の薄膜層をコーティングする工程とを具備すること
を特徴としている。
【0012】また、本発明に係わる光学素子の製造方法
は、基板上に2層以上の薄膜をコーティングすることに
より光学素子を製造する方法であって、前記基板の表面
をエッチングする工程と、前記2層以上の薄膜の内、そ
れらの少なくとも1つの表面をエッチングする工程と、
前記エッチングした薄膜の表面上に次の薄膜層をコーテ
ィングする工程とを具備することを特徴としている。
【0013】また、この発明に係わる光学素子の製造方
法において、前記薄膜のコーティングを真空蒸着により
行う場合には、前記エッチングは、イオンビーム照射に
より行われることを特徴としている。
【0014】また、この発明に係わる光学素子の製造方
法において、前記薄膜のコーティングをスパッタリング
により行う場合には、前記エッチングは、逆スパッタに
より行われることを特徴としている。
【0015】また、この発明に係わる光学素子の製造方
法において、前記薄膜の表面をエッチングする工程にお
いては、前記薄膜表面を1nm以上エッチングすること
を特徴としている。
【0016】また、この発明に係わる光学素子の製造方
法において、前記基板は、光学ガラス又は金属材料又は
プラスチックからなることを特徴としている。
【0017】また、この発明に係わる光学素子の製造方
法において、前記光学素子が超高反射鏡であることを特
徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】(第1の実施形態)He−Neレーザー用
(波長633nm)の超高反射鏡を以下の(A)〜
(D)の4種類の製法で石英基板上に製作し、その反射
率を減衰時間法(Applied Optics,vo
l.23,No.8,p1238−1245,198
4,Dana Z Anderson;Mirror
reflectometer based on op
tical cavity decay time)に
よって測定した。
【0020】(A)真空蒸着法による従来技術の膜製作 (B)本発明の、エッチング工程を有する真空蒸着法に
よる膜製作 (C)スパッタリング法による従来技術の膜製作 (D)本発明の、エッチング工程を有するスパッタリン
グ方による膜製作 反射鏡の膜構成は各製法ですべて16(TiO2/Si
O2)TiO2構成であり、各層の光学膜厚はすべてλ/
4(λ=633nm)であり、基板温度200°Cで製
作した。
【0021】真空蒸着法の膜製作で用いた装置の模式図
を図1に示す。また、各製法の製作条件を以下に示す。 真空蒸着: SiO2膜;ガス圧(酸素導入) 3x10-5torr 蒸着レート 0.5nm/s TiO2膜;ガス圧(酸素導入) 7x10-5torr 蒸着レート 0.3nm/s スパッタリング: 方式;RFスパッタ SiO2膜;ガス圧(Ar+20%O2) 3x10-3torr 蒸着レート 0.3nm/s TiO2膜;ガス圧(Ar+50%O2) 4x10-3torr 蒸着レート 0.2nm/s 本実施形態では、エッチングは基板表面と各層の膜製作
直後の膜表面を各層毎に行った。
【0022】真空蒸着の場合は、イオンビーム照射によ
り基板表面を約150nm、膜表面を約10nmエッチ
ングした。イオンビーム照射条件はArイオンを用い加
速電圧0.8KVで行った。
【0023】スパッタリングの場合は、逆スパッタによ
り基板表面を約150nm、膜表面を約10nmエッチ
ングした。
【0024】基板は合成石英材料を用い、表面粗さ1オ
ングストロームrms以下の超平滑研磨を行ったもの
と、表面粗さ5〜8オングストロームrms程度の一般
研磨を行った基板を用いた。超平滑研磨基板を用いた反
射鏡の反射率測定結果を図2に、一般研磨基板を用いた
結果を図3に示す。
【0025】図2及び図3に示すように従来のエッチン
グを行わない通常の膜製作方法で製作した反射鏡に比
べ、本発明の様に次の層を成膜する前に基板表面および
各層の表面をエッチングすることにより反射率が増加し
ていることが確認された。
【0026】また、高屈折率材料としてZrO2、Ta2
5を用いた膜構成でもほぼ同様の結果が得られた。
【0027】膜のエッチング深さと反射率の関係は、エ
ッチング深さが1nm以上で反射率増加効果が大きいこ
とが確認された。
【0028】また、基板のみのエッチングでもエッチン
グ無しのサンプルに比べ反射率増加の効果があった。
【0029】(第2の実施形態)プラスチック基板にH
e−Neレーザー用高反射鏡を真空蒸着法により製作し
た。ポリカーボネート製基板(PC)にSiOをアンダ
ーコートしアルミニウム金属膜を製作し、そのうえに誘
電体多層膜を製作して反射率を増加させた膜構成とし
た。
【0030】誘電体多層膜はTiO2とSiO2の交互2
5層膜とした。SiO膜は抵抗加熱源により光学膜厚2
50nm、Al(アルミニウム)膜は150nm、誘電
体膜厚はすべて163nmとした。
【0031】基板温度は無加熱で行った。膜構成は以下
のような構成である。
【0032】基板/SiO/Al/12(TiO2/S
iO2)/TiO2 エッチングはイオンビーム照射によりSiO膜を50n
m行い、誘電体膜であるTiO2膜、SiO2膜はそれぞ
れ10nmエッチングした。上記膜構成の膜厚はエッチ
ング後の膜厚を示している。イオンビーム条件はArイ
オンを用い加速電圧0.5KVで行った。エッチング処
理の反射率に与える効果を測定した結果を図4に示す。
【0033】この結果から、従来のエッチングを行わな
い製法でのプラスチック基板上高反射膜の反射率に比
べ、薄膜のエッチング工程を薄膜製作工程に設けること
により反射率が高くなることが明らかとなった。
【0034】これらの原因は、エッチングにより薄膜の
表面粗さが低下し、散乱ロスが低下したものと考えられ
る。薄膜のエッチング有無の2種類のサンプルの表面粗
さを原子間力顕微鏡;AFM(Atomic Forc
e Microscopy)を用いて測定した結果エッ
チングすることにより表面粗さは数10%から数分の一
に低下していることが明らかとなった。
【0035】なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範
囲で上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能で
ある。
【0036】例えば、上記の実施形態では、多層の薄膜
の夫々の表面をエッチングする様に説明したが、多層の
薄膜のうちの少なくとも1つの薄膜の表面をエッチング
するだけでも反射率の増加の効果は得られる。また、基
板の表面をエッチングするだけでもある程度の効果は得
られる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
薄膜を製作後、次の薄膜をコーティングする前に、薄膜
表面をエッチングする工程を設けることにより、散乱ロ
スの小さい光学素子、特に超高反射鏡を製造することが
可能となった。
【0038】真空蒸着法で散乱ロスの小さい光学素子を
製造する場合は、真空蒸着装置内のイオンビーム照射に
より薄膜表面を製作後エッチングすると良い。
【0039】スパッタリング法で製造する場合は、膜製
作後逆スパッタにより薄膜表面をエッチングすると良
い。
【0040】薄膜表面のエッチング深さは1nm以上で
あると反射率増加効果が大きい。
【0041】基板表面だけあるいは膜表面だけのエッチ
ングでも効果がある。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で用いられる真空蒸着法によ
り光学素子を製作する装置の模式図である。
【図2】超平滑研磨基板を用いたときの各製造方法での
反射率の測定結果を示した図である。
【図3】一般研磨基板を用いたときの各製造方法での反
射率の測定結果を示した図である。
【図4】プラスチック基板を用いたときの薄膜のエッチ
ングが反射率に与える影響を示した図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバー 2 蒸発源 3 基板ホルダー 4 イオンガン 5 膜厚制御装置 6 排気ポンプ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に1層以上の薄膜をコーティング
    することにより光学素子を製造する方法であって、 前記基板及び前記1層以上の薄膜の内、それらの少なく
    とも1つの表面をエッチングする工程と、 前記エッチングした表面上に次の薄膜層をコーティング
    する工程とを具備することを特徴とする光学素子の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 基板上に2層以上の薄膜をコーティング
    することにより光学素子を製造する方法であって、 前記基板の表面をエッチングする工程と、 前記2層以上の薄膜の内、それらの少なくとも1つの表
    面をエッチングする工程と、 前記エッチングした薄膜の表面上に次の薄膜層をコーテ
    ィングする工程とを具備することを特徴とする光学素子
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記薄膜のコーティングを真空蒸着によ
    り行う場合には、前記エッチングは、イオンビーム照射
    により行われることを特徴とする請求項1または2に記
    載の光学素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記薄膜のコーティングをスパッタリン
    グにより行う場合には、前記エッチングは、逆スパッタ
    により行われることを特徴とする請求項1または2に記
    載の光学素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記薄膜の表面をエッチングする工程に
    おいては、前記薄膜表面を1nm以上エッチングするこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    光学素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板は、光学ガラス又は金属材料又
    はプラスチックからなることを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記光学素子が超高反射鏡であることを
    特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光学
    素子の製造方法。
JP127196A 1996-01-09 1996-01-09 光学素子の製造方法 Withdrawn JPH09195034A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001061065A1 (en) * 2000-02-15 2001-08-23 Korea Institute Of Science And Technology Method of depositing an io or ito thin film on polymer substrate
JP2014086579A (ja) * 2012-10-19 2014-05-12 Applied Materials Inc 真空チャンバ用反射部材

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