JPH09194848A - 流動床乾燥分級機及びその操業方法 - Google Patents

流動床乾燥分級機及びその操業方法

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JPH09194848A
JPH09194848A JP646496A JP646496A JPH09194848A JP H09194848 A JPH09194848 A JP H09194848A JP 646496 A JP646496 A JP 646496A JP 646496 A JP646496 A JP 646496A JP H09194848 A JPH09194848 A JP H09194848A
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横溝正彦
Yoshiaki Nakajima
中嶋義明
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コークス炉に装入する石炭の乾燥分級装置に
おいて、石炭を微粉砕させずに急速加熱し或いは、加熱
炭のコークス炉への輸送中の蒸発量を低減させる為の石
炭温度低減を1基の装置にて達成するものである。 【解決手段】 コークス炉に装入する石炭の横長型流動
床による乾燥分級において、石炭移動方向の出口近傍の
分散板に段差を付け低め且つプレナム室及びフリーボー
ド部を対応して仕切り、その段差の前側と後段とで供給
するガス量及び/又は温度を変化させ、石炭の乾燥と冷
却機能又は石炭の乾燥と急速加熱の機能を兼ね備えるこ
とを特徴とする流動床乾燥分級装置と操業方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コークス炉用石炭
の水分乾燥及び/又は加熱装置として用いる流動床乾燥
分級装置、及びその操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コークス炉に装入する石炭の付着水分を
乾燥して、コークス炉での乾留時間を短縮する操業は既
に多く開示されている。
【0003】石炭を乾燥すると、微粉部分が急激に発塵
し易くなる。それは、粗粒炭の周囲に付着していた微粉
炭及び/又は微粉炭同志が凝集して形成していた擬似粒
子が水分の低下に伴い崩壊し発塵し易くなるためであ
る。
【0004】水分乾燥機としては、ドラム式乾燥機や円
筒型ドラム内に細いチューブを配設し、そのチューブ内
に過熱蒸気を通しその外側を包むドラムとの間に石炭を
装入しドラム全体を回転させることにより水分乾燥及び
加熱する方式や、逆にチューブ内に石炭を通し外側に過
熱蒸気を通して加熱する方式、或いは40m以上の垂直
上向きの気流塔による乾燥予熱装置など、石炭付着水分
の乾燥や予熱に関する技術は様々に提案されている。
【0005】また発塵原因となる微粉部分と粗粉炭とに
分離し、微粉部分を粗粉炭と別なルートにて処理する方
法は、既に多く提案されている。特開昭57−5358
7号公報には、水分調整と分離する技術が述べられ、特
開昭58−80387号公報には、水分含有率を3重量
%以下に調整した乾燥炭を微粉炭と粗粉炭に分離する技
術が提案されている。
【0006】しかし、乾燥加熱した石炭のコークス炉へ
の搬送中の発塵には、単純な微粉炭の発塵のみならず、
乾燥後の石炭に残留付着する水分が搬送過程で蒸発し、
これに同伴されて微粉炭が発塵するケースのあることが
著者らの調査で明らかになってきた。この水分蒸発を防
止する方法として、乾燥分級機を出た後の70〜100
℃前後の石炭を冷却し、温度を下げて搬送中の残留水分
の蒸発を低く抑えることが有効であり、分級機の後段に
石炭粒子冷却機を別個に設置することが必要となる。特
開平7−82568号公報では、石炭を乾燥した後にコ
ークス炉への搬送工程での蒸発抑制の目的で、石炭を冷
却する方法を提案している。
【0007】一方、石炭付着水分を乾燥する際に急激に
加熱すると、石炭粒子の熱割れを起こす場合がある。石
炭粒子の層状に形成されたミクロな層間に滲み込んだ水
分が、急激な加熱により膨張し石炭粒子を破壊すること
があるからである。これも発塵に対して悪影響をもたら
すものであり、過剰な微粉砕を避けなければならない。
そこで、乾燥加熱プロセスとしてはまず100℃前後ま
で1,000℃/分未満の低速昇温で昇温し、内部水分
を拡散現象で粒子表面に移動蒸発させ、同時に微粉炭を
分離して残った粗粒炭を、後段にて急速に昇温する装置
に分ける必要があった。
【0008】コークス炉用炭を分級機能付き気流乾燥機
にて乾燥し、装入炭に含まれるある粒子径以下の微粉炭
を除去した後、粗粒炭のみを残して加熱する方法は、特
開平7−109465号公報に提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、水分含
有率をある値以下に調整した乾燥炭を、微粉炭と粗粒炭
に分離する乾燥分級機を出た後に、石炭温度を低下させ
る方法として、特開平7−82568号公報では、石炭
粒子冷却装置を独立に設けることを提案している。ま
た、特開平7−109465号公報には、石炭粒子をま
ず加熱乾燥し、乾燥後の粒子内部水分を拡散現象で粒子
表面に移動蒸発させた上で、微粉炭を分離して残った粗
粒炭を、後段にて急速に昇温する方法を提案し、乾燥機
の後段に乾燥機と別個に石炭加熱機を設けることを提案
している。
【0010】これらの方法は、いずれも石炭乾燥及び分
級装置の後に、独立した冷却機又は加熱機を設ける方法
であるが、既設設備の周辺に石炭乾燥機を設けるケース
の多い現実の工場においては、敷地余裕の無いことが多
く、また設備費が嵩むために設備の効率化が不可欠な課
題であった。
【0011】本発明は、それらの課題を解決する方法を
提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】下部のプレナム室から、
分散板を介して上部のフリーボード部に加熱した気体を
吹き込み、分散板上に供給したコークス炉用原料石炭を
流動化させ横方向に移動させながら乾燥、分級する流動
床乾燥分級機において、出口端部の分散板の高さを低く
して段差を設けるとともに、石炭が移動可能にプレナム
室及びフリーボード部に前記段差位置に仕切板を設けた
ことを特徴とするものである。
【0013】また、段差位置に仕切板を設け分割された
前段部を乾燥・分級部とし、後段を冷却・分級部とした
ことを特徴とする流動床乾燥分級機である。
【0014】流動床乾燥分級機の分散板の段差位置に設
けた仕切板により分割された前段部を乾燥・分級部と
し、後段を高温加熱部としたことを特徴とする流動床乾
燥分級機である。
【0015】下部のプレナム室から、分散板を介して上
部のフリーボード部に加熱した気体を吹き込み、分散板
上に供給したコークス炉用原料石炭を流動化させ横方向
に移動させながら乾燥、分級する流動床乾燥分級機の操
業方法において、流動床乾燥分級機の分散板の出口部を
低くして段差を設け、該段差位置に設けた仕切板により
分割された前段部でコークス炉用石炭原料にプレナム室
から加熱した低湿度気体を供給して乾燥、分級し、段差
位置において乾燥後の石炭を移動落下させ、段差位置後
段で常温低湿度気体を供給して冷却、分級することを特
徴とする操業方法である。
【0016】下部のプレナム室から、分散板を介して上
部のフリーボード部に加熱した気体を吹き込み、分散板
上に供給したコークス炉用原料石炭を流動化させ横方向
に移動させながら乾燥、分級する流動床乾燥分級機の操
業方法において、流動床乾燥分級機の分散板の出口部を
低くして段差を設け、該段差位置に設けた仕切板により
分割された前段部でコークス炉用石炭原料にプレナム室
から加熱した低湿度気体を供給して乾燥、分級し、段差
位置において乾燥後の石炭を移動落下させ、段差位置後
段で常温低湿度気体を供給して高温加熱することを特徴
とする操業方法である。
【0017】また、フリーボード部と分級室とを独立に
設けた装置においては、分級室はフリーボード部の一部
分の断面積及び/又は高さを変形させたものであり、本
発明でのフリーボード部には分級室を含むものとする。
【0018】なお、ここでは冷却及び分級部に用いる常
温低湿度気体は、空気或いは窒素や蒸気などの不活性ガ
スを用いる。乾燥及び加熱に用いる加熱した低湿度気体
は、高い顕熱を有する燃焼排ガスを用いる。
【0019】石炭を昇温しながら水分乾燥を目的とする
前段の乾燥工程においては、低湿度で且つ石炭の変質を
起こさない様に含有酸素が5%未満の燃焼排ガスが好ま
しい。
【0020】前段にて石炭が100℃以上に加熱された
場合、後段の冷却工程では、石炭の風化現象(石炭粒子
の酸化による劣化)を防止する意味で含有酸素が5%未
満のガスが好ましく、石炭が100℃未満に加熱されて
いる場合には常温空気でも良い。また後段で高温加熱を
する工程では供給ガス温度が300℃を越えることか
ら、自然発火や炭塵爆発を防止する目的から、含有酸素
濃度が1%未満のガスが良い。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明による、流動床分級機
の構造と運転方法を図1を用いて詳細に説明する。
【0022】コークス炉操業においては、石炭の水分乾
燥とそれに伴って増加する石炭搬送中の発塵やコークス
炉に装入する際のキャリーオーバー抑制の観点から、微
粉炭の分級とその回収は重要な技術課題となりつつあ
る。
【0023】しかし、発塵原因には、石炭に残留付着す
る水分が搬送過程で蒸発し、これに同伴されて微粉炭が
発塵するケースのあることが明らかになってきた。水分
蒸発の防止対策としては、乾燥分級機を出た後の石炭温
度を低く抑えることが有効でありまた、非微粘結炭と言
われる石炭の粘結性改善方法として、数1,000℃/
分以上の速度で400℃付近まで急速加熱する技術が近
年研究されているが、課題の1つとして、石炭の細粒化
を増加させずに急速加熱する技術がのぞまれてきた。
【0024】本発明は、これらの多機能性を1基の流動
床乾燥加熱分級機によって実現する技術を提案するもの
である。
【0025】本発明では、流動化部2の床面である分散
板8の石炭移動方向の出口端部に段差を設け低くする。
この段差は石炭の流動状態での流動化物の層厚に等しい
かそれ以上の落差が好ましい。その理由は、流動化部の
層内では粒子はガス流により前後左右に激しく撹拌混合
されながら移動しているが、その逆向きの移動つまり逆
混合現象を絶ち切るために段差が必要だからである。
【0026】また、この段差によって流動化物は、移動
方向に向け放出されることになり、石炭粒子群がガスに
より揉み洗われ易い現象が発生する。これによって、後
段部での冷却分級部或いは高温加熱部での微粉部分の分
離が容易になる効果が得られる。
【0027】この段差部において、下部から供給するガ
スの温度及び/又は湿度を前段及び後段で分離調整でき
る様に、プレナム室4を長手方向に仕切り、同時にフリ
ーボード部3もプレナム室4に対応して同様に仕切る。
プレナム室4の仕切りは完全に前段と後段で仕切板7で
仕切るが、フリーボード部3は粒子流動化部2での石炭
移動を考慮して、流動状態での層厚部分は残してその上
部だけを仕切板12で仕切る形とする。
【0028】つまり、プレナム室4に投入したガスがそ
れに対応する分散板を通過し粒子を流動化させ、フリー
ボード部の対応する室を通過して排出される構造とする
のである。
【0029】ここで重要なことは、フリーボード部3の
仕切りを粒子層内に到達するレベルまで調整することで
ある。粒子層と仕切板12との間のギャップが大きいと
フリーボード部で各室間でのガス流通性が高まり、仕切
る効果が小さくなる。逆に粒子層内に挿入する深さが深
い場合は流動化している粒子の移動性が阻害される。従
って、流動化した粒子層の厚みが500mm程度の場合
には、仕切板はフリーボード部天井から分散板より50
0mm上のレベル迄の長さにしておくのが好ましい。
【0030】これにより流動床に投入するガス量を石炭
の移動方向(つまり流動化部の長手方向)で独立して調
整が可能となる。つまり、出口近くの室では分級機出口
における石炭に期待する性状に設定することができる
し、入口近くの室では水分乾燥速度を制御する為、或い
は水分が高く流動化させる為にガス流速を特に高めたい
場合など、任意のニーズに対応して適正なガス流速を流
動床の長手方向に形成することが可能になる。図中1は
流動層への石炭投入口、5は高温低湿度ガス供給ダク
ト、6は常温低湿度供給ダクト、10は分級室、11は
流動層からの粗粒炭排出口を示す。
【0031】前段にて水分乾燥し80℃前後に昇温させ
た石炭の温度を、乾燥機からコークス炉への搬送中の蒸
発を抑制するために乾燥機出口石炭温度を30℃以下に
低下させると共に微粉部分を分離する場合には、流動床
後段のプレナム室に吹き込むガスは常温空気を用いるこ
とができる。
【0032】前段で200℃程度のガスで付着水分を乾
燥し、微粉炭部分は既にガス流にのせて系外に排出した
後、残存する粗粒炭例えば0.3mm以上粒子のみを
1,000℃/分以上の速度で昇温させる場合、流動化
部での粒子層厚を薄くし600℃未満のガスをプレナム
室から供給し、急速加熱することが可能となる。
【0033】また、それぞれの排ガスは仕切られたフリ
ーボード部を通過しフリーボード部毎に設けられた排気
管により温度及び/又は湿度レベルの異なる排気ガスを
回収することが可能となる。
【0034】
【実施例】
[実施例1]以上の技術について、実施例に従って具体
的に述べる。
【0035】付着水分9%のコークス炉用原料石炭26
0t/hを、水分3%まで乾燥するプロセスを検討し
た。基本的プロセスは発塵とキャリーオーバー要因とな
る微粉部分を分離し、その微粉炭には粗粉炭とは別個に
バインダーを添加するものとし、粗粒炭はバインダー無
添加のままコークス炉に搬送するものとした。装置を設
置するのは既設のコークス炉周辺であり敷地には十分な
余裕は確保できない状態であった。
【0036】乾燥分級設備は、乾燥機、分級機、微粉炭
集塵機、微粉炭と粗粒炭の搬送装置等で構成することと
したが、設備費の低減を考慮し、流動床乾燥分級機を選
択することにした。
【0037】水分を3%迄低下させるには、供給ガス温
度を200℃とし床面積70m2 として、石炭温度を9
0℃程度まで昇温する。しかし、この状態で系外に排出
すると、残留する3%の石炭付着又は包蔵水分の蒸発が
コークス炉への搬送過程で発生することが判明した。石
炭粉を30℃まで降温すれば殆ど蒸発によるトラブルを
引き起こすことは無い。
【0038】そこで、本発明の出口端部の分散板8の高
さを低く段差を設け、更にプレナム室4及びフリーボー
ド部3の段差位置に仕切板を設け前段部で乾燥分級し、
後段部で冷却分級する流動床乾燥分級機を導入した。
【0039】まず、幅5m長さ14mの流動床を石炭移
動方向の10mのところで、床面つまり分散板全幅にわ
たり400mmの落差で低く設定した。400mmは流
動化部での石炭流動状態での計画した石炭層厚に匹敵し
ている。
【0040】プレナム室には前段と後段を完全に仕切
り、フリーボード部は分散板上40mmのみ開口しその
上部を仕切るものとした。
【0041】石炭は、流動床に投入されるとバブリング
しながら出口方向に移動していく。流動層厚400mm
の中で粒子は激しく揉まれ、前進と後退及び上下運動を
繰り返しながら、200℃のガス流から熱を受け水分
3.9%まで乾燥し擬似粒子を崩壊していく。特に0.
1mm以下の微粒子は飛散し易く、水分が蒸発し拘束力
を失い擬似粒子が崩壊するとガス流により同伴され分級
されていく。この点での石炭微粒子温度は、80℃であ
った。
【0042】そして、分散板に落差のついた部位に来る
と、分散板レベルに追従して低い位置に移動し、この落
差を境に高温ガス流から隔絶される。そして、落差の後
段の低いレベルの分散板から供給される常温空気により
35℃迄冷却された。この段差位置にて粒子層は400
mm分だけ低い位置に落ちる時に、流動状態に乱れが生
じ、ガスによる揉み洗い現象が強まり、微粉部分のガス
流による同伴が強化された。
【0043】石炭は熱を空気に伝え低温化すると共に一
部の付着水分を蒸発させ3%まで低水分化し擬似粒子の
崩壊を強め、一方空気は熱を受け昇温して、湿分を増し
た状態で微粉炭を同伴して排出していく。
【0044】ここでは、後段の冷却分級部での層厚は前
段と同じ400mmとし、床面積は20m2 に設定し
た。
【0045】以上の方法により、冷却機を設置する設備
費と敷地が節減でき、また乾燥炭搬送過程での蒸発と発
塵を抑制できた。乾燥炭搬送過程での集塵ダクトやブロ
ワーを増強せずに、従来設備にて対応する効果を得た。
【0046】[実施例2]次に、同じく粒子径分布の広
いコークス炉用原料石炭を水分0%、200℃まで乾燥
予熱する装置を検討した。石炭を平均温度200℃まで
加熱する技術は最近では気流塔式加熱機など知られてい
る。しかし、気流加熱塔により、急速加熱すると石炭粒
子は包蔵する水分の急激な膨張により、熱割れ現象を起
こし細粒化し、コークス炉での装入嵩密度の低下やキャ
リーオーバー及び/又はコークス炉への搬送中の発塵要
因となる。また気流塔式加熱装置では、石炭粒子とガス
の接触時間が制御しにくく、45mの塔高の装置でも
1.5秒程度しか接触できない。粒子径分布の大きい石
炭を対象にする場合、粗粒子中の水分の蒸発・昇温が不
充分になる。
【0047】そこで、最初に長さの長い矩形流動床に2
00℃未満のガスを供給することなどにより100℃/
分以下の昇温速度でマイルドに昇温し、付着水分と石炭
粒子の層状構造に滲みこんだ水分を蒸発拡散現象により
乾燥させ、水分がゼロになった状態で加熱することによ
り粒子毎のばらつきの少ない加熱が可能になることが判
った。
【0048】装置的には、1段目の乾燥装置は乾燥の速
い微粉炭がガス流によって分離していく流動床にし、こ
の流動床の出口以降に、気流加熱塔を設ける方法が考え
られた。が、低費用で狭い敷地で装備できる装置を指向
して、本発明の装置を適用することにした。
【0049】床面の幅5m、石炭供給部から出口までの
長さ15mの処理能力200t(石炭)/hの流動床の
石炭供給部から10mの位置で、全幅にわたって500
mmの落差で床面を低位に下げる構造にした。この落差
の部位を境に、前段と後段でプレナム室とフリーボード
部を仕切った。プレナム室は、ガスの流通が無い様に完
全な仕切りを設け、フリーボード部は石炭流動化部での
石炭の移動が可能なように、高さ500mmだけ開口し
てその上部のみを仕切った。
【0050】前段では、石炭を100℃/分未満の低速
で加熱するために150℃のガスを供給し、後段では石
炭を200℃に加熱できる様に400℃の温度のガスを
供給した。その結果、流動床10mまでは石炭は30℃
/分の低速昇温し水分1%未満、温度95℃まで乾燥
し、排ガス温度も110℃程度に低下した。
【0051】一方、段差以降では流動化部の粒子層厚を
薄く200mmに下げたことにより石炭の昇温速度は1
00℃/分に上昇し、各粒子径とも200℃±10℃の
範囲に加熱することができた。
【0052】また排気ガス温度と湿度に着目すると、後
段で回収したガスは温度は225℃と高く、同伴した微
粉炭を除去すると湿度の低い再利用性に富むガスとして
回収できた。前段の回収ガスは、湿度高く温度が低いこ
とから含有微粉炭を回収した後、系外に排出するフロー
とした。
【0053】[実施例3]次に、同じく水分9%、常温
で粒子径分布の広いコークス炉用原料石炭を水分0%、
400℃まで予熱する装置を検討した。
【0054】非微粘結炭の改質効果を享受する目的で、
400℃への昇温を目指したが、此の温度領域では石炭
の軟化溶融域に近接していることから、過昇温は石炭劣
化をもたらす。故に、昇温し易い微粉炭は昇温途中で分
離し、粗粒炭に水分を介して付着している微粉炭や、微
粉炭同志が擬似粒子化している量を、可能な限り減少さ
せることが不可欠であった。
【0055】そこで、設備効率から本発明の段差付き流
動床乾燥加熱分級機を導入した。床面の幅4m、石炭供
給部から出口までの長さ20mの処理能力200t(石
炭)/hの流動床の石炭供給部から15mの位置で、全
幅にわたって350mmの落差で床面を低位に下げる構
造にした。この落差の部位を境に、前段と後段でプレナ
ム室とフリーボード部を仕切った。プレナム室は、ガス
の流通が無い様に完全な仕切りを設け、フリーボード部
は石炭流動化部での石炭の移動が可能なように、高さ3
50mmだけ開口してその上部のみを仕切った。
【0056】前段では、石炭層厚を350mmとし、2
00℃/分未満の低速で加熱するために150℃のガス
を供給し、後段では石炭を400℃に加熱できる様に5
00℃の温度のガスを供給した。その結果、流動床15
mまでは石炭は30℃/分の低速昇温し水分1%未満、
温度95℃まで乾燥し、排ガス温度も110℃程度に低
下した。
【0057】一方、段差以降では流動化部の粒子層厚を
薄く50mmに下げたことにより石炭は1,500℃/
分で昇温し、各粒子径とも400℃±10℃の範囲に加
熱することができた。
【0058】また、前段において約4分間の滞留時間の
中で0.1mm未満の微粉炭13%程度が、ガス流とと
もに飛散し分級されたが、段差以降の後段においても更
に5%の微粉炭を分離回収した。前段で回収した微粉炭
温度は、110℃と低温であり後段で回収した微粉炭は
400℃の高温であった。110℃の回収微粉炭は、温
度は400℃に達せずそのままコークス炉に装入するこ
とはしなかったが、分離してバインダーを添加すること
により改質してからコークス炉に装入する方法を採用し
た。
【0059】このように分散板に段差付き床面を採用し
て、低速昇温乾燥工程と1,000℃/分以上の高速加
熱工程とを1基の流動床により達成することができた。
【0060】
【発明の効果】以上の発明により以下の効果を得ること
ができた。
【0061】流動床式乾燥分級機において、途中の床面
に段差を設けプレナム室及びフリーボード部を仕切り、
温度レベルの異なるガスを供給することにより、乾燥分
級炭の冷却及び/又は急速加熱を可能ならしめた。これ
により、従来技術では多額の設備費と広い敷地面積を要
した装置が、コンパクトな敷地と低コストで達成できた
ことに加え、発塵防止など工業的に大きな成果をえるこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による流動床乾燥分級機断面概略図。
【図2】後段で冷却する場合の床長手方向での石炭水分
と温度の変化を示す図。
【図3】後段で冷却する場合の床長手方向での供給ガス
温度と排ガス温度の変化を示す図。
【図4】後段で急速加熱する場合の床長手方向での石炭
水分と温度の変化を示す図。
【図5】後段で急速加熱する場合の床長手方向での供給
ガス温度と排気ガス温度の変化を示す図。
【符号の説明】
1…流動層への石炭投入口 2…粒子流動化部 3…フリーボード部 4…プレナム室 5…高温低湿度ガス供給ダクト 6…常温低湿度ガ
ス供給ダクト 7…空気室仕切板 8…分散板 9…ガス排出量調整ダンパー 10…分級室 11…流動層からの粗粒炭排出口 12…フリーボー
ド部仕切板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部のプレナム室から、分散板を介して
    上部のフリーボード部に加熱した気体を吹き込み、分散
    板上に供給したコークス炉用原料石炭を流動化させ横方
    向に移動させながら乾燥、分級する流動床乾燥分級機に
    おいて、出口端部の分散板の高さを低くして段差を設け
    るとともに、石炭が移動可能にプレナム室及びフリーボ
    ード部に前記段差位置に仕切板を設けたことを特徴とす
    る流動床乾燥分級機。
  2. 【請求項2】 流動床乾燥分級機の分散板の段差位置に
    設けた仕切板により分割された前段部を乾燥・分級部と
    し、後段を冷却・分級部としたことを特徴とする請求項
    1記載の流動床乾燥分級機。
  3. 【請求項3】流動床乾燥分級機の分散板の段差位置に設
    けた仕切板により分割された前段部を乾燥・分級部と
    し、後段を高温加熱部としたことを特徴とする請求項1
    記載の流動床乾燥分級機。
  4. 【請求項4】 下部のプレナム室から、分散板を介して
    上部のフリーボード部に加熱した気体を吹き込み、分散
    板上に供給したコークス炉用原料石炭を流動化させ横方
    向に移動させながら乾燥、分級する流動床乾燥分級機の
    操業方法において、流動床乾燥分級機の分散板の出口部
    を低くして段差を設け、該段差位置に設けた仕切板によ
    り分割された前段部でコークス炉用石炭原料にプレナム
    室から加熱し低湿度気体を供給して乾燥、分級し、段差
    位置において乾燥後の石炭を移動落下させ、段差位置後
    段で常温低湿度気体を供給して冷却、分級することを特
    徴とする流動床乾燥分級機の操業方法。
  5. 【請求項5】 下部のプレナム室から、分散板を介して
    上部のフリーボード部に加熱した気体を吹き込み、分散
    板上に供給したコークス炉用原料石炭を流動化させ横方
    向に移動させながら乾燥、分級する流動床乾燥分級機の
    操業方法において、流動床乾燥分級機の分散板の出口部
    を低くして段差を設け、該段差位置に設けた仕切板によ
    り分割された前段部でコースク炉用石炭原料にプレナム
    室から加熱した低湿度気体を供給して乾燥、分級し、段
    差位置において乾燥後の石炭を移動落下させ、段差位置
    後段で高温低湿度気体を供給して高温加熱することを特
    徴とする流動床乾燥分級機の操業方法。
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