JP4036491B2 - 流動床乾燥分級高温加熱機及びその操業方法 - Google Patents

流動床乾燥分級高温加熱機及びその操業方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コークス炉用石炭の水分乾燥及び加熱装置として用いる流動床乾燥分級高温加熱機、及びその操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コークス炉に装入する石炭の付着水分を乾燥して、コークス炉での乾留時間を短縮する操業は既に多く開示されている。
【0003】
石炭を乾燥すると、微粉部分が急激に発塵し易くなる。それは、粗粒炭の周囲に付着していた微粉炭及び/又は微粉炭同志が凝集して形成していた擬似粒子が水分の低下に伴い崩壊し発塵し易くなるためである。
【0004】
水分乾燥機としては、ドラム式乾燥機や円筒型ドラム内に細いチューブを配設し、そのチューブ内に過熱蒸気を通しその外側を包むドラムとの間に石炭を装入しドラム全体を回転させることにより水分乾燥及び加熱する方式や、逆にチューブ内に石炭を通し外側に過熱蒸気を通して加熱する方式、或いは40m以上の垂直上向きの気流塔による乾燥予熱装置など、石炭付着水分の乾燥や予熱に関する技術は様々に提案されている。
【0005】
また発塵原因となる微粉部分と粗粉炭とに分離し、微粉部分を粗粉炭と別なルートにて処理する方法は、既に多く提案されている。特開昭57−53587号公報には、水分調整と分離する技術が述べられ、特開昭58−80387号公報には、水分含有率を3重量%以下に調整した乾燥炭を微粉炭と粗粉炭に分離する技術が提案されている。
【0006】
しかし、乾燥加熱した石炭のコークス炉への搬送中の発塵には、単純な微粉炭の発塵のみならず、乾燥後の石炭に残留付着する水分が搬送過程で蒸発し、これに同伴されて微粉炭が発塵するケースのあることが著者らの調査で明らかになってきた。この水分蒸発を防止する方法として、乾燥分級機を出た後の70〜100℃前後の石炭を冷却し、温度を下げて搬送中の残留水分の蒸発を低く抑えることが有効であり、分級機の後段に石炭粒子冷却機を別個に設置することが必要となる。特開平7−82568号公報では、石炭を乾燥した後にコークス炉への搬送工程での蒸発抑制の目的で、石炭を冷却する方法を提案している。
【0007】
一方、石炭付着水分を乾燥する際に急激に加熱すると、石炭粒子の熱割れを起こす場合がある。石炭粒子の層状に形成されたミクロな層間に滲み込んだ水分が、急激な加熱により膨張し石炭粒子を破壊することがあるからである。これも発塵に対して悪影響をもたらすものであり、過剰な微粉砕を避けなければならない。そこで、乾燥加熱プロセスとしてはまず100℃前後まで1,000℃/分未満の低速昇温で昇温し、内部水分を拡散現象で粒子表面に移動蒸発させ、同時に微粉炭を分離して残った粗粒炭を、後段にて急速に昇温する装置に分ける必要があった。
【0008】
コークス炉用炭を分級機能付き気流乾燥機にて乾燥し、装入炭に含まれるある粒子径以下の微粉炭を除去した後、粗粒炭のみを残して加熱する方法は、特開平7−109465号公報に提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように、水分含有率をある値以下に調整した乾燥炭を、微粉炭と粗粒炭に分離する乾燥分級機を出た後に、石炭温度を低下させる方法として、特開平7−82568号公報では、石炭粒子冷却装置を独立に設けることを提案している。また、特開平7−109465号公報には、石炭粒子をまず加熱乾燥し、乾燥後の粒子内部水分を拡散現象で粒子表面に移動蒸発させた上で、微粉炭を分離して残った粗粒炭を、後段にて急速に昇温する方法を提案し、乾燥機の後段に乾燥機と別個に石炭加熱機を設けることを提案している。
【0010】
これらの方法は、いずれも石炭乾燥及び分級装置の後に、独立した冷却機又は加熱機を設ける方法であるが、既設設備の周辺に石炭乾燥機を設けるケースの多い現実の工場においては、敷地余裕の無いことが多く、また設備費が嵩むために設備の効率化が不可欠な課題であった。
石炭を平均温度200℃まで加熱する技術は最近では気流塔式加熱機など知られている。しかし、気流加熱塔により、急速加熱すると石炭粒子は包蔵する水分の急激な膨張により、熱割れ現象を起こし細粒化し、コークス炉での装入嵩密度の低下やキャリーオーバー及び/又はコークス炉への搬送中の発塵要因となる。
また気流塔式加熱装置では、石炭粒子とガスの接触時間が制御しにくく、45mの塔高の装置でも1.5秒程度しか接触できない。粒子径分布の大きい石炭を対象にする場合、粗粒子中の水分の蒸発・昇温が不充分になる。
また、非微粘結炭と言われる石炭の粘結性改善方法として、数1,000℃/分以上の速度で400℃付近まで急速加熱する技術が近年研究されているが、課題の1つとして、石炭の細粒化を増加させずに急速加熱する技術がのぞまれてきた。此の温度領域では石炭の軟化溶融域に近接していることから、過昇温は石炭劣化をもたらす。
【0011】
本発明は、それらの課題を解決する方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
下部のプレナム室から、分散板を介して上部のフリーボード部に加熱した気体を吹き込み、分散板上に供給したコークス炉用原料石炭を流動化させ横方向に移動させる流動化部の途中の分散板の高さを前記石炭の流動化状態での層厚以上の落差で低くして段差を設けるとともに、石炭が移動可能にプレナム室及びフリーボード部に前記段差位置に仕切板を設け、かつ該仕切板により分割された前段部を乾燥・分級部とし、後段を高温加熱部としたことを特徴とする流動床乾燥分級高温加熱機である。
【0016】
下部のプレナム室から、分散板を介して上部のフリーボード部に加熱した気体を吹き込み、分散板上に供給したコークス炉用原料石炭を流動化させ横方向に移動させる流動化部の途中の分散板の高さを前記石炭の流動化状態での層厚以上の落差で低くして段差を設け、該段差位置に設けた仕切板により分割された前段部でコークス炉用石炭原料にプレナム室から加熱した低湿度気体を供給して乾燥、分級し、段差位置において乾燥後の石炭を移動落下させ、段差位置後段で高温低湿度気体を供給して高温加熱することを特徴とする流動床乾燥分級高温加熱機の操業方法である。
【0017】
また、フリーボード部と分級室とを独立に設けた装置においては、分級室はフリーボード部の一部分の断面積及び/又は高さを変形させたものであり、本発明でのフリーボード部には分級室を含むものとする。
【0018】
なお、ここで乾燥及び加熱に用いる加熱した低湿度気体は、高い顕熱を有する燃焼排ガスを用いる。
【0019】
石炭を昇温しながら水分乾燥を目的とする前段の乾燥工程においては、低湿度で且つ石炭の変質を起こさない様に含有酸素が5%未満の燃焼排ガスが好ましい。
【0020】
後段で高温加熱をする工程では供給ガス温度が300℃を越えることから、自然発火や炭塵爆発を防止する目的から、含有酸素濃度が1%未満のガスが良い。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明による、流動床乾燥分級高温加熱機の構造と運転方法を図1を用いて詳細に説明する。
【0022】
コークス炉操業においては、石炭の水分乾燥とそれに伴って増加する石炭搬送中の発塵やコークス炉に装入する際のキャリーオーバー抑制の観点から、微粉炭の分級とその回収は重要な技術課題となりつつある。
【0023】
しかし、発塵原因には、石炭に残留付着する水分が搬送過程で蒸発し、これに同伴されて微粉炭が発塵するケースのあることが明らかになってきた。水分蒸発の防止対策としては、乾燥分級機を出た後の石炭温度を低く抑えることが有効でありまた、非微粘結炭と言われる石炭の粘結性改善方法として、数1,000℃/分以上の速度で400℃付近まで急速加熱する技術が近年研究されているが、課題の1つとして、石炭の細粒化を増加させずに急速加熱する技術がのぞまれてきた。
【0024】
本発明は、これらの多機能性を1基の流動床乾燥加熱分級機(流動床乾燥分級高温加熱機)によって実現する技術を提案するものである。
【0025】
本発明では、流動化部2の床面である分散板8の石炭移動方向の出口部に段差を設け低くする。この段差は石炭の流動状態での流動化物の層厚以上の落差としている。その理由は、流動化部の層内では粒子はガス流により前後左右に激しく撹拌混合されながら移動しているが、その逆向きの移動つまり逆混合現象を絶ち切るために段差が必要だからである。
【0026】
また、この段差によって流動化物は、移動方向に向け放出されることになり、石炭粒子群がガスにより揉み洗われ易い現象が発生する。これによって、後段部での高温加熱部での微粉部分の分離が容易になる効果が得られる。
【0027】
この段差部において、下部から供給するガスの温度及び/又は湿度を前段及び後段で分離調整できる様に、プレナム室4を長手方向に仕切り、同時にフリーボード部3もプレナム室4に対応して同様に仕切る。プレナム室4の仕切りは完全に前段と後段で仕切板7で仕切るが、フリーボード部3は粒子流動化部2での石炭移動を考慮して、流動状態での層厚部分は残してその上部だけを仕切板12で仕切る形とする。
【0028】
つまり、プレナム室4に投入したガスがそれに対応する分散板を通過し粒子を流動化させ、フリーボード部の対応する室を通過して排出される構造とするのである。
【0029】
ここで重要なことは、フリーボード部3の仕切りを粒子層内に到達するレベルまで調整することである。粒子層と仕切板12との間のギャップが大きいとフリーボード部で各室間でのガス流通性が高まり、仕切る効果が小さくなる。逆に粒子層内に挿入する深さが深い場合は流動化している粒子の移動性が阻害される。従って、流動化した粒子層の厚みが500mm程度の場合には、仕切板はフリーボード部天井から分散板より500mm上のレベル迄の長さにしておくのが好ましい。
【0030】
これにより流動床に投入するガス量を石炭の移動方向(つまり流動化部の長手方向)で独立して調整が可能となる。つまり、出口近くの室では分級機出口における石炭に期待する性状に設定することができるし、入口近くの室では水分乾燥速度を制御する為、或いは水分が高く流動化させる為にガス流速を特に高めたい場合など、任意のニーズに対応して適正なガス流速を流動床の長手方向に形成することが可能になる。図中1は流動層への石炭投入口、5は高温低湿度ガス供給ダクト、6は常温低湿度供給ダクト、10は分級室、11は流動層からの粗粒炭排出口を示す。
【0032】
前段で200℃程度のガスで付着水分を乾燥し、微粉炭部分は既にガス流にのせて系外に排出した後、残存する粗粒炭例えば0.3mm以上粒子のみを1,000℃/分以上の速度で昇温させる場合、流動化部での粒子層厚を薄くし600℃未満のガスをプレナム室から供給し、急速加熱することが可能となる。
【0033】
また、それぞれの排ガスは仕切られたフリーボード部を通過しフリーボード部毎に設けられた排気管により温度及び/又は湿度レベルの異なる排気ガスを回収することが可能となる。
【0034】
【実施例】
参考例1]
以上の技術について、実施例に従って具体的に述べる。
【0035】
付着水分9%のコークス炉用原料石炭260t/hを、水分3%まで乾燥するプロセスを検討した。基本的プロセスは発塵とキャリーオーバー要因となる微粉部分を分離し、その微粉炭には粗粉炭とは別個にバインダーを添加するものとし、粗粒炭はバインダー無添加のままコークス炉に搬送するものとした。装置を設置するのは既設のコークス炉周辺であり敷地には十分な余裕は確保できない状態であった。
【0036】
乾燥分級設備は、乾燥機、分級機、微粉炭集塵機、微粉炭と粗粒炭の搬送装置等で構成することとしたが、設備費の低減を考慮し、流動床乾燥分級機を選択することにした。
【0037】
水分を3%迄低下させるには、供給ガス温度を200℃とし床面積70m2 として、石炭温度を90℃程度まで昇温する。しかし、この状態で系外に排出すると、残留する3%の石炭付着又は包蔵水分の蒸発がコークス炉への搬送過程で発生することが判明した。石炭粉を30℃まで降温すれば殆ど蒸発によるトラブルを引き起こすことは無い。
【0038】
そこで、本発明の出口部の分散板8の高さを低く段差を設け、更にプレナム室4及びフリーボード部3の段差位置に仕切板を設け前段部で乾燥分級し、後段部で冷却分級する流動床乾燥分級機を導入した。
【0039】
まず、幅5m長さ14mの流動床を石炭移動方向の10mのところで、床面つまり分散板全幅にわたり400mmの落差で低く設定した。400mmは流動化部での石炭流動状態での計画した石炭層厚に匹敵している。
【0040】
プレナム室には前段と後段を完全に仕切り、フリーボード部は分散板上40mmのみ開口しその上部を仕切るものとした。
【0041】
石炭は、流動床に投入されるとバブリングしながら出口方向に移動していく。流動層厚400mmの中で粒子は激しく揉まれ、前進と後退及び上下運動を繰り返しながら、200℃のガス流から熱を受け水分3.9%まで乾燥し擬似粒子を崩壊していく。特に0.1mm以下の微粒子は飛散し易く、水分が蒸発し拘束力を失い擬似粒子が崩壊するとガス流により同伴され分級されていく。この点での石炭微粒子温度は、80℃であった。
【0042】
そして、分散板に落差のついた部位に来ると、分散板レベルに追従して低い位置に移動し、この落差を境に高温ガス流から隔絶される。そして、落差の後段の低いレベルの分散板から供給される常温空気により35℃迄冷却された。この段差位置にて粒子層は400mm分だけ低い位置に落ちる時に、流動状態に乱れが生じ、ガスによる揉み洗い現象が強まり、微粉部分のガス流による同伴が強化された。
【0043】
石炭は熱を空気に伝え低温化すると共に一部の付着水分を蒸発させ3%まで低水分化し擬似粒子の崩壊を強め、一方空気は熱を受け昇温して、湿分を増した状態で微粉炭を同伴して排出していく。
【0044】
ここでは、後段の冷却分級部での層厚は前段と同じ400mmとし、床面積は20m2 に設定した。
【0045】
以上の方法により、冷却機を設置する設備費と敷地が節減でき、また乾燥炭搬送過程での蒸発と発塵を抑制できた。乾燥炭搬送過程での集塵ダクトやブロワーを増強せずに、従来設備にて対応する効果を得た。
【0046】
[実施例
次に、同じく粒子径分布の広いコークス炉用原料石炭を水分0%、200℃まで乾燥予熱する装置を検討した。石炭を平均温度200℃まで加熱する技術は最近では気流塔式加熱機など知られている。しかし、気流加熱塔により、急速加熱すると石炭粒子は包蔵する水分の急激な膨張により、熱割れ現象を起こし細粒化し、コークス炉での装入嵩密度の低下やキャリーオーバー及び/又はコークス炉への搬送中の発塵要因となる。また気流塔式加熱装置では、石炭粒子とガスの接触時間が制御しにくく、45mの塔高の装置でも1.5秒程度しか接触できない。粒子径分布の大きい石炭を対象にする場合、粗粒子中の水分の蒸発・昇温が不充分になる。
【0047】
そこで、最初に長さの長い矩形流動床に200℃未満のガスを供給することなどにより100℃/分以下の昇温速度でマイルドに昇温し、付着水分と石炭粒子の層状構造に滲みこんだ水分を蒸発拡散現象により乾燥させ、水分がゼロになった状態で加熱することにより粒子毎のばらつきの少ない加熱が可能になることが判った。
【0048】
装置的には、1段目の乾燥装置は乾燥の速い微粉炭がガス流によって分離していく流動床にし、この流動床の出口以降に、気流加熱塔を設ける方法が考えられた。が、低費用で狭い敷地で装備できる装置を指向して、本発明の装置を適用することにした。
【0049】
床面の幅5m、石炭供給部から出口までの長さ15mの処理能力200t(石炭)/hの流動床の石炭供給部から10mの位置で、全幅にわたって500mmの落差で床面を低位に下げる構造にした。この落差の部位を境に、前段と後段でプレナム室とフリーボード部を仕切った。プレナム室は、ガスの流通が無い様に完全な仕切りを設け、フリーボード部は石炭流動化部での石炭の移動が可能なように、高さ500mmだけ開口してその上部のみを仕切った。
【0050】
前段では、石炭を100℃/分未満の低速で加熱するために150℃のガスを供給し、後段では石炭を200℃に加熱できる様に400℃の温度のガスを供給した。その結果、流動床10mまでは石炭は30℃/分の低速昇温し水分1%未満、温度95℃まで乾燥し、排ガス温度も110℃程度に低下した。
【0051】
一方、段差以降では流動化部の粒子層厚を薄く200mmに下げたことにより石炭の昇温速度は100℃/分に上昇し、各粒子径とも200℃±10℃の範囲に加熱することができた。
【0052】
また排気ガス温度と湿度に着目すると、後段で回収したガスは温度は225℃と高く、同伴した微粉炭を除去すると湿度の低い再利用性に富むガスとして回収できた。前段の回収ガスは、湿度高く温度が低いことから含有微粉炭を回収した後、系外に排出するフローとした。
【0053】
[実施例
次に、同じく水分9%、常温で粒子径分布の広いコークス炉用原料石炭を水分0%、400℃まで予熱する装置を検討した。
【0054】
非微粘結炭の改質効果を享受する目的で、400℃への昇温を目指したが、此の温度領域では石炭の軟化溶融域に近接していることから、過昇温は石炭劣化をもたらす。故に、昇温し易い微粉炭は昇温途中で分離し、粗粒炭に水分を介して付着している微粉炭や、微粉炭同志が擬似粒子化している量を、可能な限り減少させることが不可欠であった。
【0055】
そこで、設備効率から本発明の段差付き流動床乾燥加熱分級機を導入した。床面の幅4m、石炭供給部から出口までの長さ20mの処理能力200t(石炭)/hの流動床の石炭供給部から15mの位置で、全幅にわたって350mmの落差で床面を低位に下げる構造にした。この落差の部位を境に、前段と後段でプレナム室とフリーボード部を仕切った。プレナム室は、ガスの流通が無い様に完全な仕切りを設け、フリーボード部は石炭流動化部での石炭の移動が可能なように、高さ350mmだけ開口してその上部のみを仕切った。
【0056】
前段では、石炭層厚を350mmとし、200℃/分未満の低速で加熱するために150℃のガスを供給し、後段では石炭を400℃に加熱できる様に500℃の温度のガスを供給した。その結果、流動床15mまでは石炭は30℃/分の低速昇温し水分1%未満、温度95℃まで乾燥し、排ガス温度も110℃程度に低下した。
【0057】
一方、段差以降では流動化部の粒子層厚を薄く50mmに下げたことにより石炭は1,500℃/分で昇温し、各粒子径とも400℃±10℃の範囲に加熱することができた。
【0058】
また、前段において約4分間の滞留時間の中で0.1mm未満の微粉炭13%程度が、ガス流とともに飛散し分級されたが、段差以降の後段においても更に5%の微粉炭を分離回収した。前段で回収した微粉炭温度は、110℃と低温であり後段で回収した微粉炭は400℃の高温であった。110℃の回収微粉炭は、温度は400℃に達せずそのままコークス炉に装入することはしなかったが、分離してバインダーを添加することにより改質してからコークス炉に装入する方法を採用した。
【0059】
このように分散板に段差付き床面を採用して、低速昇温乾燥工程と1,000℃/分以上の高速加熱工程とを1基の流動床により達成することができた。
【0060】
【発明の効果】
以上の発明により以下の効果を得ることができた。
【0061】
流動床乾燥分級高温加熱機において、流動化部の途中の床面に段差を設けプレナム室及びフリーボード部を仕切り、温度レベルの異なるガスを供給することにより、乾燥分級炭の急速加熱を可能ならしめた。これにより、従来技術では多額の設備費と広い敷地面積を要した装置が、コンパクトな敷地と低コストで達成できたことに加え、発塵防止など工業的に大きな成果をえることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による流動床乾燥分級高温加熱機断面概略図。
【図2】 後段で冷却する場合の床長手方向での石炭水分と温度の変化を示す図。
【図3】 後段で冷却する場合の床長手方向での供給ガス温度と排ガス温度の変化を示す図。
【図4】 後段で急速加熱する場合の床長手方向での石炭水分と温度の変化を示す図。
【図5】 後段で急速加熱する場合の床長手方向での供給ガス温度と排気ガス温度の変化を示す図。
【符号の説明】
1…流動層への石炭投入口 2…粒子流動化部
3…フリーボード部 4…プレナム室
5…高温低湿度ガス供給ダクト 6…常温低湿度ガス供給ダクト
7…空気室仕切板 8…分散板
9…ガス排出量調整ダンパー 10…分級室
11…流動層からの粗粒炭排出口 12…フリーボード部仕切板

Claims (2)

  1. 下部のプレナム室から、分散板を介して上部のフリーボード部に加熱した気体を吹き込み、分散板上に供給したコークス炉用原料石炭を流動化させ横方向に移動させる流動化部の途中の分散板の高さを前記石炭の流動化状態での層厚以上の落差で低くして段差を設けるとともに、石炭が移動可能にプレナム室及びフリーボード部に前記段差位置に仕切板を設け、かつ該仕切板により分割された前段部を乾燥・分級部とし、後段を高温加熱部としたことを特徴とする流動床乾燥分級高温加熱機。
  2. 下部のプレナム室から、分散板を介して上部のフリーボード部に加熱した気体を吹き込み、分散板上に供給したコークス炉用原料石炭を流動化させ横方向に移動させる流動化部の途中の分散板の高さを前記石炭の流動化状態での層厚以上の落差で低くして段差を設け、該段差位置に設けた仕切板により分割された前段部でコースク炉用石炭原料にプレナム室から加熱した低湿度気体を供給して乾燥、分級し、段差位置において乾燥後の石炭を移動落下させ、段差位置後段で高温低湿度気体を供給して高温加熱することを特徴とする流動床乾燥分級高温加熱機の操業方法。
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