JPH09194788A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JPH09194788A
JPH09194788A JP2342196A JP2342196A JPH09194788A JP H09194788 A JPH09194788 A JP H09194788A JP 2342196 A JP2342196 A JP 2342196A JP 2342196 A JP2342196 A JP 2342196A JP H09194788 A JPH09194788 A JP H09194788A
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JP
Japan
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weight
curable resin
acrylic resin
resin composition
parts
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JP2342196A
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English (en)
Inventor
Yumi Kakigi
由美 柿木
Masamitsu Ito
正光 伊藤
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高硬度で耐薬品性、耐候性、耐溶剤性、耐水
性および柔軟性に優れ、かつ基材との密着性が良好な塗
膜を形成し得る硬化性樹脂組成物の提供。 【解決手段】 (A)ヒドロキシ基含有ビニル系単量体
1〜60重量%と、加水分解シリル基含有ビニル系単量
体0.1〜20重量%と、共重合可能な他のビニル系単
量体20〜99.8重量%とからなるアクリル樹脂10
0重量部、および(B)特定シラン化合物の加水分解縮
合物(固形分)5〜200重量部を含有させて硬化性樹
脂組成物を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチック、金属、ステンレ
ス、ガラス、セラミックス等をコーティングするための
硬化性組成物として、テトラメトキシシランを用いた硬
化性組成物が提案されている(特開平6−306328
号公報等)。
【0003】しかしながら、かかる硬化性組成物は、従
来の硬化性樹脂組成物を用いて得られる塗膜に比べて耐
汚染性、耐擦傷性、耐溶剤性において優れてはいるが、
得られる膜厚が薄く、また柔軟性に欠けるために膜厚を
厚くすると加工時にクラックが発生することがある。
【0004】このため、上記硬化性組成物の欠点が改良
された膜厚の厚い柔軟性に富んだ塗膜が得られる硬化性
組成物がその後いくつか提案されてはいるが(特開平6
−340848号公報等)、耐薬品性、耐汚染性、耐擦
傷性が十分でなく、更なる改良が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、高硬度で耐薬品性、耐候性、耐溶剤性、耐水
性、柔軟性に優れ、基材との密着性が良好な塗膜を形成
し得る硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するために、鋭意検討を進めた結果、特定のア
クリル樹脂に、特定のシラン化合物の加水分解縮合物を
配合して得られた硬化性樹脂組成物が、上記の目的を達
成しうることを見い出し本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、(A)ヒドロシキシ
ル基含有ビニル系単量体(a−1)1〜60重量%と、
加水分解シリル基含有ビニル系単量体(a−2)0.1
〜20重量%と、共重合可能な他のビニル系単量体(a
−3)20〜98.9重量%とから得られるアクリル樹
脂100重量部、および(B)下記の一般式(I)
【化2】 で表わされるシラン化合物の加水分解縮合物(固形分)
5〜200重量部、を含有してなる硬化性樹脂組成物に
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるアクリル樹脂
(A)は、ヒドロキシル基含有ビニル系単量体(a−
1)、加水分解シリル基含有ビニル系単量体(a−2)
および共重合可能な他のビニル系単量体(a−3)から
なるものである。
【0009】本発明で用いられるヒドロキシル基含有ビ
ニル系単量体(a−1)としては、例えば2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロシキエチルビニルエーテル、N−
メチロール(メタ)アクリルアミド、東亜合成化学工業
(株)製品のアロニクス5700、4−ヒドロキシスチ
レン、日本触媒化学工業(株)製品のHE−10、HE
−20、HP−10およびHP−20(いずれも末端に
ヒドロキシル基を有するアクリル酸エステルオリゴマ
ー)、日本油脂(株)製品のブレンマーPP(ポリプロ
ピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーPE
(ポリエチレングリコールモノメタクリレート)、ブレ
ンマーPEP(ポリエチレングリコールポリプロピレン
グリコールメタクリレート)、ブレンマーAP−400
(ポリプロピレングリコールモノアクリレート)、ブレ
ンマーAE−350(ポリエチレングリコールのアクリ
レート)、ブレンマーNKH−5050(ポリプロピレ
ングリコールポリトリエチレンモノアクリレート)およ
びブレンマーGLM(グリセロールモノメタクリレー
ト)、ヒドロキシル基含有ビニル系化合物とε−カプロ
ラクトンとの反応により得られるε−カプロラクトン変
性ヒドロキシアルキルビニル系単量体等が挙げられる。
【0010】かかるε−カプロラクトン変性ヒドロキシ
アルキルビニル系単量体の例としては、下記一般式(I
I)で表わされる、ダイセル化学工業(株)製品のPl
accel FA−1,Placcel FA−2,P
laccel FA−3,Placcel FA−4,
Placcel FM−1,Placcel FM−
2,Placcel FM−3,Placcel FM
−4およびUCC社製品のTOME M−100,TO
MO M−201等が挙げられる。
【0011】
【化3】
【0012】上記のヒドロキシル基含有ビニル系単量体
(a−1)は、1種でまたは2種以上を併用して使用さ
れる。
【0013】ヒドロキシル基含有ビニル単量体(a−
1)は、アクリル樹脂(A)中の全単量体成分に対して
1〜60重量%、好ましくは20〜60重量%が使用さ
れる。単量体(a−1)の使用量が1重量%未満では、
硬化性樹脂組成物から得られる塗膜の膜厚が薄く、白化
したり、密着性が不十分となる傾向にあり、一方、単量
体(a−1)の使用量が60重量%を超えると得られる
硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が低下するようになる。
【0014】また、本発明で用いられる加水分解シリル
基含有ビニル系単量体(a−2)としては、重合性二重
結合と加水分解性シリル基とを有するものであれば、特
に制限はなく、その具体例としては、下記一般式(III)
〜(XIV) で表わされる化合物が挙げられるが、その他、
末端に加水分解シリル基をウレタン結合またはシロキサ
ン結合を介して有する(メタ)アクリレートなどであっ
てもよい。これら化合物のうち、一般式(VIII)および
(X)で示されるγ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシランおよびγ−メタクリロキシプロピルトリエト
キシシランを用いることが好ましい。
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】
【化13】
【0025】
【化14】
【0026】
【化15】
【0027】加水分解シリル基含有ビニル系単量体(a
−2)は、アクリル樹脂(A)中全単量体成分に対して
0.1〜20重量%、好ましくは3〜20重量%が使用
される。単量体(a−2)の使用量が0.1重量%未満
では硬化性が不十分となり、得られる塗膜の耐候性が低
下する傾向にあり、一方、単量体(a−2)の使用量が
20重量%を超えると得られる硬化性樹脂組成物の貯蔵
安定性が低下し、また、この硬化性樹脂組成物より形成
された塗膜の外観が悪くなるとともに、コストが増大す
るようになる。
【0028】また、本発明において用いられる共重合可
能な他のビニル系単量体(a−3)としては、ラジカル
重合可能な単量体であれば特に制限なく用いることがで
きる。具体的には、エチレン、プロピレン、クロロエチ
レン、1,1−ジクロロエチレン、1−ブテン、イソブ
テン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−ヘキセン、ビニルシクロヘキ
サン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセ
ン、ノルボルネン、スチレン、α−メチルスチレン、ジ
メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、α−ピネン、β−ピネン、インデンなどの炭化水素
系単量体類;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、
フェニルプロパジエンなどの共役ジエン類;1,5−ヘ
キサジエン、1,9−デカジエンなどの非共役ジエン
類;シクロペンタジエン、1,5−ノルボルナジエン、
1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジ
エン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−シクロオ
クタジエンなどの環状ジエン類;メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル
などのビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メ
タ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフル
フリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2
−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカル
ビノール(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリル酸などの(メタ)アクリル酸
および(メタ)アクリル酸エステル系単量体類;その
他、アクリルアミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル、
無水マレイン酸、メチルビニルケトン、N−ビニルカル
バゾール等のラジカル重合性単量体を挙げることができ
る。これらの単量体は1種または2種以上を併用しても
よい。
【0029】共重合可能な他のビニル単量体(a−3)
は、アクリル樹脂(A)中の全単量体成分に対して20
〜98.9重量%、好ましくは20〜70重量%の範囲
である。単量体(a−3)の使用量が20重量%未満で
は得られる硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性と、それを硬
化させて得られる塗膜の物性とのバランスが取りにく
く、一方、単量体(a−3)の使用量が98.9重量%
を超えると本発明の目的とする塗膜が得られなくなる。
【0030】アクリル樹脂(A)は、上記の単量体(a
−1),(a−2)および(a−3)からなる単量体混
合物を炭素数1〜4のアルコールもしくは該アルコール
を含む有機溶剤中において、ベンゾイルパーオキサイ
ド、アゾビスメチルブチロニトリル、アゾビスイソブチ
ロニトリル等のラジカル重合開始剤の存在下で60〜1
20℃に加熱し、6〜12時間反応させることにより得
ることができる。
【0031】本発明において用いられる炭素数が1〜4
のアルコールの具体例として、メタノール、エタノー
ル、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコールが挙
げられる。これらは1種または2種以上を併用してもよ
い。
【0032】また、上記のアルコールに添加して使用す
ることのできるその他の有機溶剤としては、トルエン、
キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、オクタンな
どの炭化水素類;2−ヘキシルアルコール、2−エチル
ブチルアルコール、n−デカノール、ベンジルアルコー
ルなどのアルコール類;エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
などのエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸
エステル類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、
アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、アセト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン類等が挙げられる。
これらの有機溶剤の使用量は、特に限定されないが、ア
ルコールに対して0〜50重量%の範囲であることが好
ましい。50重量%を超えると得られる硬化性樹脂組成
物の貯蔵安定性が低下する傾向にある。
【0033】溶液重合において使用される有機溶剤の使
用量は、単量体(a−1)〜(a−3)からなる単量体
混合物100重量部に対して30〜200重量部である
ことが好ましく、30重量部未満ではゲル化を起し易
く、一方、200重量部を超えると目的とする分子量が
得られなくなる。
【0034】また、溶液重合においては、アクリル樹脂
(A)の分子量を調節するために、必要に応じて、n−
ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n
−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等
の連鎖移動剤を用いることができる。
【0035】以上の構成により得られるアクリル樹脂
(A)においては、シラン化合物の加水分解縮合物
(B)との相溶性や得られる塗膜の性能を充分に得るた
めに、水酸基価が5〜200mgKOH/g、ガラス転
移温度が−10〜60℃および重量平均分子量が5,0
00〜50,000であることが好ましい。水酸基価が
5mgKOH/g未満では、得られる塗膜の膜厚が薄く
白化したり、密着性が不十分となる傾向にあり、一方、
200mgKOH/gを超えると得られる硬化性樹脂組
成物の貯蔵安定性が低下するようになる。ガラス転移温
度が−10℃未満では、得られる塗膜がべたつく傾向に
あり、60℃を超えると得られる塗膜がもろくなる傾向
を示す。重量平均分子量が5,000未満では、塗膜強
度が不十分となる傾向にあり、一方、50,000を超
えると本発明で使用するシラン化合物の加水分解縮合物
(B)との相溶性が低下する傾向を示す。より好ましく
は水酸基価が50〜200mgKOH/g、ガラス転移
温度が10〜60℃および重量平均分子量が10,00
0〜30,000となる範囲である。
【0036】本発明における上記一般式(I)で表わさ
れるシラン化合物の加水分解縮合物(B)(以下、成分
(B)と略記する。)は、テトラアルコキシシランの加
水分解縮合物である。
【0037】上記一般式(I)で表わされるテトラアル
コキシシランの具体例として、例えばテトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシ
ラン、オクチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリエト
キシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリブ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジ
メトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジブチ
ルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリ
エチルメトキシシラン、トリブチルメトキシシラン、ト
リメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、
トリブチルエトキシシラン等が挙げられる。これらの中
でも上記一般式(I)において、Rが炭素数1〜3の炭
化水素基であるテトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シランおよびテトラプロポキシシランを用いた場合、特
に高硬度を有する塗膜とすることができる。これらの中
でも特にテトラメトキシシランを用いた場合、極めて高
硬度の塗膜を得ることができる。
【0038】成分(B)の製法については特に限定され
ないが、例えば、まず、テトラアルコキシシランの部分
加水分解物を製造し、次いでそれをさらに加水分解して
縮合物とする方法等を用いて得ることができる。
【0039】テトラアルコキシシランの部分加水分解物
を得るための加水分解縮合反応自体は、公知の方法を用
いることができ、例えばテトラアルコキシシランの単量
体に所定量の水を加えて塩酸等の酸触媒の存在下に、副
生するアルコールを留去しながら、通常室温〜150℃
の範囲で反応させる。この反応の際、溶媒としてアルコ
ールを用いてもよい。この反応によりアルコキシシラン
が分解し、さらに縮合反応によりヒドロキシル基を2以
上有する液状のテトラアルコキシシラン・オリゴマー
(通常平均重合度2〜8程度、大部分は3〜7)が部分
加水分解縮合物として得られる。
【0040】加水分解の程度は、使用する水の量により
適宜調節することができる。テトラアルコキシシラン・
オリゴマーの加水分解の程度は通常20〜80%程度、
好適には30〜60%程度から選ばれる。20%未満で
は単量体の残存率が高くて生産性が低く、また、80%
を超えると得られるテトラアルコキシシラン・オリゴマ
ーがゲル化しやすくなる。
【0041】こうして得られたテトラメトキシシラン・
オリゴマーには単量体が通常2〜10%程度含有されて
いる。この単量体が含有されていると硬化性樹脂組成物
の貯蔵安定性が悪くなり、保存中に増粘し、塗膜形成が
困難となる場合があるので、単量体含有量が1重量%以
下、好ましくは0.3%重量以下になるように、単量体
を除去することが好ましい。この単量体の除去は、フラ
ッシュ蒸留、真空蒸留、またはイナートガス吹き込み等
により行うことができる。
【0042】次に、上記のテトラアルコキシシランの部
分加水分解縮合物(テトラアルコキシシラン・オリゴマ
ー)に、これを論理上100%加水分解し縮合させるに
必要な量(以下、加水分解100%当量と略記する。)
以上の水を添加する。すなわち、テトラアルコキシシラ
ンの部分加水分解縮合物におけるアルコキシ基を加水分
解し縮合するに必要な量以上の水を添加する。添加する
水の量は、加水分解100当量の1〜4倍であり、好ま
しくは1〜2部、特に好ましくは1〜1.5倍とするの
がよい。水の添加量が4倍を超えると得られる硬化性樹
脂組成物の貯蔵安定性を低下させる場合がある。
【0043】本発明においては、上記の水の添加により
加水分解縮合反応させる際には、さらに希釈剤および触
媒を添加することができる。希釈剤の添加は、得られる
硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性を向上させる効果があ
る。
【0044】希釈剤としては、メタノール、エタノー
ル、i−プロピルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、オ
クチルアルコール、アセチルアセトンアルコールなどの
アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレ
ングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリ
コール誘導体類;ベンゼン、ケロシン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル
などの酢酸エステル類;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトンなどの
ケトン類;エチルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサ
ン、フラン、テトラヒドロフランなどのエーテル類等が
使用できる。
【0045】これらの溶媒のうち、アルコール、特に炭
素数1〜4のメタノール、エタノール、i−プロピルア
ルコールまたはブチルアルコールが取り扱いが容易であ
り液での保存安定性がよく、また、得られる塗膜の特性
が優れていることから好ましい。さらに、これらのうち
メタノールまたはエタノールを用いることにより、極め
て高硬度の塗膜を容易に得ることができる。
【0046】また、希釈剤としてアルコール等の有機溶
媒を用いる場合、その配合量は、テトラアルコキシシラ
ンの部分加水分解縮合物100重量部に対して50〜5
000重量部、好ましくは100〜1000重量部の範
囲が好ましい。配合量が50重量部未満では硬化性樹脂
組成物の貯蔵安定性が低下し、ゲル化を起しやすく一
方、5000重量部を超えると塗膜厚さが極端に薄くな
る。
【0047】さらに、必要に応じて添加することができ
る触媒としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、リン酸など
の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラ
トルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸
など有機酸;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カルシウム、アンモニウムなどのアルカリ触媒;有機
金属、金属アルコキシド、例えばジブチルスズジラウリ
レート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジ
アセテートなどの有機スズ化合物;アルミニウムトリス
(アセチルアセトネート)、チタニウムテトラキス(ア
セチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビ
ス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプ
ロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウ
ムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウム
ビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)および
ジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルア
セトネート)などの金属キレート化合物;ホウ素ブトキ
シド、ホウ酸などのホウ素化合物等が挙げられる。これ
らの触媒の中でも硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性、およ
び得られる塗膜の硬度、可撓性等の性質が優れている点
からは、酢酸、マレイン酸、シュウ酸、フマル酸等の有
機酸、金属キレート化合物、ホウ素化合物および金属ア
ルコキシドのうち1種または2種以上を用いるのが好ま
しい。
【0048】これら触媒の添加量は、触媒としての機能
を発揮し得る量であれば特に制限されるものでないが、
通常、テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物1
00重量部に対し、0.1〜10重量部程度の範囲から
選択され、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0049】触媒の配合方法は、特に限定されず、例え
ば触媒を予め水に溶解させたものを用いたり、撹拌しな
がら配合する等の手段により一層均一な配合物とするこ
ともできる。なお、水その他溶媒により分解されやすい
触媒を用いる場合は、これをテトラエトキシシランの部
分加水分解縮合物と配合しておき、水その他溶媒と、使
用に際して配合することが好ましい。また、さらには触
媒を使用に際してその他の成分に添加することもでき
る。
【0050】本発明においては、テトラエトキシシラン
の部分加水分解縮合物に水および上記の希釈剤と触媒を
配合して得られる配合液は熟成させる必要がある。かか
る熟成工程を経ることにより、テトラエトキシシランの
部分加水分解縮合物の加水分解、縮合による部分架橋反
応が充分に進み、微小粒子が形成され、優れた特性を有
する硬化性樹脂組成物を得ることができる。
【0051】配合液の熟成は、液を放置すればよいが、
撹拌してもよい。放置時間は、上記の部分架橋反応が所
望の膜特性を得るのに充分な程度進行するに必要な時間
である。熟成時間は用いる希釈剤の種類および触媒の種
類にもよるが、例えば希釈剤としてメタノールまたはエ
タノールを用いた場合は、塩酸では室温で約1時間以
上、マレイン酸、また、アルミニウムトリス(アセチル
アセトネート)では数時間以上、好ましくは8時間〜2
日間程度で充分である。
【0052】熟成に要する時間はまた周囲の温度にも影
響を受け、極寒地では20℃付近まで加熱する等の手段
を採った方がよいこともある。一般に高温では熟成が速
く進むが100℃以上にも加熱するとゲル化が起こるの
で、せいぜい50〜60℃までの加熱が適切である。
【0053】配合液の熟成を充分に行なうことにより、
得られる塗膜の白化や、剥離を防止することができる。
一般に、加水分解による発熱が終った後放冷し室温に戻
して、部分架橋反応が終了する程度の時間放置すれば、
熟成は充分である。このように熟成を経た配合液(以
下、熟成物と略記する。)中には、慣性半径が10オン
グストローム以下の微小粒子である反応性超微粒シリカ
が形成される。これは例えば小角X線散乱等の手段によ
り容易に確認することができる。
【0054】また、配合液を熟成することにより得られ
る反応性超微粒シリカは、GPCで測定した重量平均分
子量が、標準ポリスチレン換算で1,000〜3,00
0程度のものである。また、これらのうち多くは重量平
均分子量が1,300〜2,000程度である。加水分
解100%当量の水を加えて加水分解縮合を行う際の条
件、特に希釈剤の有無および種類により得られる反応性
超微粒シリカの分子量は多少異なり、例えば希釈剤とし
てアルコール等の有機溶媒の存在下に加水分解を行った
場合、重量平均分子量は1,300〜1,800、好ま
しくは1,600〜1,800程度の範囲で安定に生成
できる。
【0055】以上述べたように、熟成を終えて得られる
反応性超微粒シリカは、その分子量に対し相対的に極め
て小さな慣性半径を有していることから、超緻密な構造
を取っていると推定される、特異な形態のシリカであ
る。また、この反応性超微粒シリカは、ヒドロキシル
基、アルコキシ基等の反応性官能基を多数有するもので
ある。例えば、テトメトキシシランのオリゴマーまたは
単量体を希釈剤としてエタノールの存在下に加水分解1
00%当量の水を加えて加水分解を行った場合、得られ
る反応性超微粒シリカは反応性官能基としてヒドロキシ
ル基、メトキシ基およびエトキシ基を有するものとな
る。例えばヒドロキシル基のモル数がメトキシ基および
エトキシ基の合計モル数に対し0.6倍あるいは0.7
倍、さらには0.8倍以上、また、エトキシ基のモル数
がメトキシ基の1.5倍、さらには2倍以上である反応
性超微粒シリカとすることもできる。このように多種多
量の反応性官能基を有し、反応性に富む反応性超微粒シ
リカを含有する熟成物を、成分(B)として上記のアク
リル樹脂(A)を配合して硬化性樹脂組成物とした場
合、架橋速度が速く、また、架橋密度も上がり、高硬度
等、極めて優れた特性を発現する塗膜を形成することが
できる。
【0056】本発明の硬化性樹脂組成物においては、成
分(B)がこのような微小粒子を形成しているため、成
膜に際しては成分間の架橋反応性が優れており、例えば
常温でも硬化可能であり、屋外での成膜も可能である。
【0057】本発明の硬化性樹脂組成物においては、成
分(B)として上記の熟成物が使用されるが、市販され
ているテトラエトキシシランの加水分解脱水縮合物、例
えば、コルコート(株)製品のメチルシリケート47お
よびエチルシリケート40、信越化学工業(株)製品の
AFP−1およびAFP−2、東芝シリコーン(株)製
品のTSR−165、日本ユニカー(株)製品のY−1
587およびFZ−3701、多摩化学工業(株)製品
のES−40、ES−45およびMTMS−A等も使用
することができる。
【0058】本発明の硬化性樹脂組成物は、上記のアク
リル樹脂(A)と、上記の成分(B)とを含有して構成
される。上記成分(B)の添加量は、アクリル樹脂
(A)(固形分)100重量部に対し、成分(B)(固
形分)5〜200重量部の範囲である。成分(B)が5
重量部未満では得られる塗膜の硬度が低く、また、20
0重量部を超えると、得られる塗膜にクラックが発生し
やすい傾向にある。また、上記のアクリル樹脂(A)お
よび成分(B)は、1種類でも、あるいは目的に応じて
2種以上を併用することも差し支えない。併用に際して
は、2種以上を予め配合しても、各々を、熟成を経た配
合後に添加してもよい。
【0059】また、上記成分(B)は、本発明の硬化性
樹脂組成物によって得られる塗膜において、塗膜中のS
iO2 換算濃度(理論値)が10〜65重量%の範囲と
なるように添加するのが好ましい。塗膜中のSiO2
算濃度が10重量%未満であると、得られる塗膜の硬度
が低下する傾向にあり、一方、65重量%を超えると得
られる塗膜にクラックが発生しやすくなる傾向を示す。
【0060】本発明の硬化性樹脂組成物においては、上
記の配合に際して、必要に応じて、溶媒、分散媒、硬化
触媒、その他の添加剤を併せて、また追って、添加する
ことができる。例えば成膜するに際し、特にスプレー
法、ディップ法による場合、塗工条件、膜厚等の目的膜
物性に応じた粘度、不揮発成分含有量を有するコーティ
ング液を調製するために、溶媒または分散媒の添加を行
うことができる。
【0061】溶媒としては、アクリル樹脂(A)と成分
(B)を製造する際に用いた有機溶剤をそのまま用いる
ことができる。また、アクリル樹脂(A)と成分(B)
の双方に相溶性を持つものが好適である。例えばアルコ
ール類、あるいはグリコール誘導体、炭化水素類、エス
テル類、ケトン類、エーテル類を1種または2種以上混
合して使用できる。
【0062】分散媒としては、例えば水−界面活性剤系
が好適であり、界面活性剤としてはアニオン、カチオン
またはノニオン性のものが一般的である。アニオン性界
面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸
エステル塩、リン酸エステル等が、カチオン性のものと
しては、1〜3級アミンの有機もしくは無機酸の塩、四
級アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン
塩等が、さらにはノニオン性のものとしては、ソルビタ
ンジアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステルの
エチレングリコール縮合物、脂肪族アルコールポリエチ
レングリコール縮合物、アルキルフェノールポリエチレ
ングリコール縮合物、ポリプロピレングリコールポリエ
チレングリコール縮合物等が挙げられる。
【0063】これらの界面活性剤は、上記熟成物に対し
て0.1〜5%程度使用するのが一般的であり、分散
(乳化)に際しては、適当量の水を用いて、ホモミキサ
ー、コロイドミル、超音波等、公知の方法によることが
できる。
【0064】なお、使用条件、アクリル樹脂(A)の種
類、使用量等によっては、官能基が多く、成膜後の硬化
速度向上のために触媒をさらに添加するのが望ましい場
合もあるが、一般には、配合物の熟成の際に添加した触
媒で充分である。
【0065】さらに、添加される触媒としては、上記の
配合物を得る際に用いたものが使用でき、その添加量
は、触媒としての機能を発揮し得る量であれば特に制限
されるものではないが、通常、アクリル樹脂(A)と成
分(B)との混合物100重量部に対し、0.01〜1
0重量部の範囲であり、好ましくは0.1〜2重量部で
ある。
【0066】本発明の硬化性樹脂組成物においては、さ
らに必要に応じて、酸化防止剤、黄変防止剤、顔料、レ
ベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、防曇剤等を添加する
ことができる。
【0067】このようにして得られた本発明の硬化性樹
脂組成物は、プラスチック、金属、セラミック等の基材
や線材に含浸法、スピンコーター法、スプレー法等の方
法で塗布され、あるいは粉体と混合して塗布される。
【0068】塗膜の硬化は、室温で硬化、または室温で
脱溶剤処理として1〜10分間放置後、20℃以上の温
度で加熱硬化する。加熱炉は、ガス炉、電気炉等の汎用
炉が使用できる。
【0069】また、本発明の硬化性樹脂組成物は、再塗
布性が良いため、用途によっては、乾燥後、さらに再塗
布し、乾燥してもよいが、本発明の硬化性樹脂組成物に
よれば、1回の塗布で10μm以上の膜厚を得ることが
できる。
【0070】
【実施例】以下、実施例により、さらに本発明を詳細に
説明する。なお、例中の部および%は特に断わりのない
限り重量部および重量%を示す。
【0071】(1)アクリル樹脂(A)の合成 合成例1 アクリル樹脂(A−1)の合成 温度計、還流冷却器、撹拌機、窒素ガス導入管を備えた
反応容器に、i−プロピルアルコール510部を仕込み
80℃に昇温した後、i−ブチルメタクリレート344
部、n−ブチルメタクリレート30部、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート196部およびγ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン30部に、アゾビスメチ
ルブチロニトリル6部を溶解させた単量体混合液を4時
間かけて反応容器中に滴下し、滴下終了後アゾビスイソ
ブチロニトリル1.2部を1時間おきに3回に分けて添
加し、重合を終了させた。得られた共重合体は水酸基価
が140mgKOH/g、GPCによる重量平均分子量
が17,500であった。次いで、この共重合体にi−
プロピルアルコールを90部加えて希釈し固形分含量が
49.6%のアクリル樹脂(A−1)溶液を得た。表1
に得られたアクリル樹脂(A−1)溶液の特性値を示
す。
【0072】合成例2〜7 アクリル樹脂(A−2)〜
(A−7)の合成 合成例1において、表1に示す化合物を用いる以外は、
合成例1と全く同様な方法を用いて、アクリル樹脂(A
−2)〜(A−7)溶液を得た。表1に得られたアクリ
ル樹脂(A−2)〜(A−7)溶液の特性値を示す。
【0073】合成例8 アクリル樹脂(A−8)の合成 合成例1において、初期のアゾビスメチルブチロニトリ
ル量を36部に変更し、表1に示す化合物を用いる以外
は、合成例1と全く同様な方法を用いて、アクリル樹脂
(A−8)溶液を得た。表1に得られたアクリル樹脂
(A−8)溶液の特性値を示す。
【0074】合成例9 アクリル樹脂(A−9)の合成 合成例1において、初期のアゾビスメチルブチロニトリ
ル量を3部に、重合温度を70℃に変更する以外は、合
成例1と全く同様な方法を用いて、アクリル樹脂(A−
9)溶液を得た。表1に得られたアクリル樹脂(A−
9)溶液の特性値を示す。
【0075】
【表1】
【0076】(2)成分(B)の合成 合成例10 (B−1)の合成 撹拌機と還流用コンデンサーおよび温度計を備えた50
0mlの四つ口丸底フラスコに、テトラメトキシシラン
234部とメタノール74部を加えて混合した後、0.
05%塩酸22.2部を加え、内温度65℃で2時間加
水分解反応を行った。
【0077】次いでコンデンサーを留出管に取り替え、
内温が130℃になるまで昇温し、メタノールを留出さ
せて、テトラメトキシシラン・オリゴマー(部分加水分
解縮合物)を得た。このテトラメトキシシラン・オリゴ
マーは、部分加水分解率が40%、オリゴマー重合度が
2〜8、重量平均分子量が550およびオリゴマー中の
単量体量が5%であった。
【0078】引き続き、そのテトラメトキシシラン・オ
リゴマーを130℃に加熱したフラスコに入れ、気化し
た単量体を不活性ガスと共に系外に排出しながら、15
0℃まで昇温し、3時間保持した。こうして得られたテ
トラメトキシシラン・オリゴマー中の単量体量は0.2
%であった。
【0079】次いで、そのテトラメトキシシラン・オリ
ゴマー30.8部にエタノール62.4部を添加した
後、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)0.
3部および脱塩素水6.57部を添加し、室温で1日間
放置して熟成し、反応性超微粒子シリカである成分(B
−1)分散液を得た。なお、水の添加量は、テトラメト
キシシラン・オリゴマーを理論上完全に加水分解するに
必要な量に対し114%であった。(B−1)の固形分
含量は22%、重量平均分子量は1,400であった。
【0080】[実施例1]上記合成例1で得られたアク
リル樹脂(A−1)溶液中の固形分100部に対して、
上記合成例10で得られた成分(B−1)の固形分が3
4部となるように(A−1)溶液と成分(B−1)を配
合して硬化性樹脂組成物を調製した。
【0081】次いで、その硬化性樹脂組成物にエタノー
ルを加えてフォードカップNo.4で12秒となるよう
に希釈した後、脱脂したアルミニウム板(日本テストパ
ネル工業(株)製品、A1050、板厚0.8mm)、
ガラス板のそれぞれに乾燥膜厚が40μmとなるように
スプレーで塗装して、120℃で30分間乾燥した。得
られた塗膜の物性の評価結果を表2に示す。
【0082】[実施例2〜3、比較例1〜8]実施例1
と同様な方法に従って、表2に示す量のアクリル樹脂
(A−2)〜(A−9)溶液と、成分(B−1)または
メチルシリケートとを配合し、希釈して、硬化性樹脂組
成物を調製した。次いで、その硬化性樹脂組成物を実施
例1と同様にしてアルミニウム板、ガラス板のそれぞれ
に塗装し、乾燥した。得られた塗膜性能の評価結果を表
2に示す。なお、比較例7はイソシアネート(スミジュ
ールN75)35部を配合して硬化性樹脂組成物を調製
した。また、比較例8は厚膜時クラックが発生したた
め、膜厚10μmの薄膜にて測定した。
【0083】
【表2】
【0084】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物によれば、高
硬度で耐薬品性、耐候性、耐溶剤性、耐水性、柔軟性に
優れ、基材との密着性が良好な塗膜を形成できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ヒドロシキシル基含有ビニル系単
    量体(a−1)1〜60重量%と、加水分解シリル基含
    有ビニル系単量体(a−2)0.1〜20重量%と、共
    重合可能な他のビニル系単量体(a−3)20〜98.
    9重量%とから得られるアクリル樹脂100重量部、お
    よび(B)下記の一般式(I) 【化1】 で表わされるシラン化合物の加水分解縮合物(固形分)
    5〜200重量部、を含有してなる硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)アクリル樹脂の水酸基価が5〜2
    20mgKOH/g、ガラス転移温度が−10〜60℃
    および重量平均分子量が5,000〜50,000であ
    ることを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)アクリル樹脂が炭素数1〜4のア
    ルコールもしくは該アルコールを含む有機溶剤を用いた
    溶液重合法により得られたものであることを特徴とする
    請求項1または2記載の硬化性樹脂組成物。
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