JPH09193656A - 車両用サンバイザの製造方法 - Google Patents

車両用サンバイザの製造方法

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勝 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サンバイザ本体の表板部及び背板部の外表面
に凹みを形成することなく、前記表板部と背板部とを結
合する補強リブを形成する。 【解決手段】 一対の成形型2が型開きされた状態でパ
リソン11を挿入して型締めする。両成形型2のうち、少
なくとも一方の成形型2の型面3に対し進退可能に組付
けられたリブ成形用圧着部材8を前進させてパリソン11
を押付けることで、同パリソン11の内部を部分的に圧着
する。圧着部材8を成形型2の型面3と略同一面をなす
位置まで後退させてパリソン11をエアブロ−すること
で、両成形型2の型面3に接して平滑な表板部15、背板
部16及び周壁部17を備えた中空のサンバイザ本体14を成
形すると同時に、パリソン11の圧着部において、表板部
15と背板部16とを結合する補強リブ18を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は熱可塑性合成樹脂
のブロ−成形によって中空のサンバイザ本体を製造する
車両用サンバイザの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱可塑性合成樹脂のブロ−成形
によって表板部、背板部及び周壁部を備えた中空のサン
バイザ本体を形成すると強度的に弱いものとなる。この
ため、従来、図10に示すように、一対の成形型102 の
型面103 には、同成形型102 と一体状に圧着部108 が突
設され、その圧着部108 によってパリソン111 の内部を
部分的に圧着し、この状態を保ってパリソン111 をエア
ブロ−することで、サンバイザ本体114 を成形すると同
時に補強リブ118 を形成する方法が知られている。ま
た、このような製造方法によって製造された車両用サン
バイザには、例えば、実開昭58-18814号公報に開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記製造方
法によって成形されたサンバイザ本体114 において、図
9に示すように、サンバイザ本体114 の表板部115 及び
背板部116 の外表面には、補強リブ118 の部分において
凹み110 が形成される。このため、サンバイザ本体114
を外装皮によって被覆したとしても、前記凹み110 によ
って手触りが悪くなるという問題点があった。
【0004】この発明の目的は、前記従来の問題点に鑑
み、サンバイザ本体の表板部及び背板部の外表面に凹み
を形成することなく、前記表板部と背板部とを結合する
補強リブを形成することができる車両用サンバイザの製
造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明に係る車両用サンバイザの製造方法
は、サンバイザ本体に対応するキャビティを構成する一
対の成形型が型開きされた状態で熱可塑性合成樹脂のパ
リソンを挿入して型締めし、前記両成形型のうち、少な
くとも一方の成形型の型面に対し進退可能に組付けられ
たリブ成形用圧着部材を前進させて前記パリソンを押付
けることで、同パリソンの内部を部分的に圧着し、その
後、前記圧着部材を成形型の型面と略同一面をなす位置
まで後退させて前記パリソンをエアブロ−することで、
前記両成形型の型面に接して平滑な表板部、背板部及び
周壁部を備えた中空のサンバイザ本体を成形すると同時
に、前記パリソンの圧着部において、前記表板部と背板
部とを結合する補強リブを形成する。
【0006】また、請求項2の発明に係る車両用サンバ
イザの製造方法は、請求項1に記載の車両用サンバイザ
の製造方法において、縦・横両方向のうち、少なくとも
一方に沿って板状をなす所要数の板材によって構成され
た圧着部材を用いて、表板部と背板部とを結合する補強
リブを形成する。
【0007】請求項3の発明に係る車両用サンバイザの
製造方法は、請求項2に記載の車両用サンバイザの製造
方法において、縦・横両方向の板材によって略格子状に
構成された圧着部材を用いて、表板部と背板部とを結合
する略格子状の補強リブを形成する。
【0008】したがって、サンバイザ本体の表板部及び
背板部の外表面に凹みを形成することなく、その外表面
を平滑面に形成することができるとともに、表板部と背
板部とを結合する補強リブによってサンバイザ本体の強
度を高めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)この発明の実施の形態1を図1〜図5
にしたがって説明する。図3の(A)において、パリソ
ンを押出すダイヘッド1の下方には、図示しない開閉駆
動機構によって開閉動作される左右の両金型台5が配設
されており、これら金型台5の対向面にはサンバイザ本
体に対応するキャビティ4を構成するための型面3をそ
れぞれ有する一対の成形型2が取付けられている。
【0010】前記一対の成形型2にはパリソン11を押付
けてその内部を部分的に圧着するリブ成形用圧着部材8
が進退可能に組付けられている。図1と図2に示すよう
に、前記圧着部材8は金型台5に固定された駆動手段と
してのシリンダ6によって進退動作される可動プレ−ト
7の一側面に突設され、成形型2に貫設された摺動孔に
進退可能に嵌挿されている。そして、図3の(B)に示
すように、可動プレ−ト7の進退動作に基づいて圧着部
材8が成形型2の型面3より突出してパリソン11を押付
けながらそのパリソン11の内部を部分的に圧着する前進
端位置と、図1に示すように、成形型2の型面3と略同
一面をなす後進端位置との範囲において進退されるよう
になっている。
【0011】また、この実施の形態1において、圧着部
材8は、図2に示すように、可動プレ−ト7の一側面に
突設された縦・横両方向の複数枚の板材8a,8bによって
格子状に形成されている。さらに、前記圧着部材8の縦
板材8aと横板材8bとによって囲まれた各室がそれぞれ連
通するように、縦板材8a又は横板材8bの一部が欠除され
ており、前記圧着部材8によってパリソン11の内部を部
分的に圧着したときには、前記欠除部によってパリソン
11の内部が上端から下端にわたって連通されるようにな
っている。
【0012】すなわち、この実施の形態1において、ま
ず、図3の(A)に示すように、両成形型2が型開きさ
れ、これら成形型2の型面3と略同一面をなす後退端位
置に圧着部材8が配置された状態のもとで、ダイヘッド
1からパリソン11が押出され、同パリソン11が両成形型
2の間に挿入される。
【0013】次に、図3の(B)に示すように、両成形
型2が型締めされ、これら成形型2の型面3に対し圧着
部材8が前進され、その圧着部材8によってパリソン11
の外周面が押付けられる。そして、前記圧着部材8が前
進端位置まで前進されることで、パリソン11の内部が部
分的に圧着される。
【0014】その後、図1に示すように、圧着部材8が
成形型2の型面3と略同一面をなす後退端位置まで後退
されたところで、エア吹込口(図示しない)よりエアを
パリソン11の内部に吹込んでエアブロ−することで、両
成形型2の型面3に接して平滑な表板部15、背板部16及
び周壁部17を備えた中空のサンバイザ本体11が成形され
ると同時に、前記パリソン11の圧着部において表板部15
と背板部16とを結合する補強リブ18が略格子板状に形成
される。
【0015】最後に、前記両成形型2が型開きされ、こ
れら成形型2から前記サンバイザ本体14が脱型され同サ
ンバイザ本体14の周縁部の不要部分12が切込み部13にお
いて除去されることで、図4と図5に示すサンバイザ本
体14が製造される。なお、前記サンバイザ本体14の周縁
の切込み部13は、一方(図1において右側)の成形型2
の型面3周縁に形成された切込み刃9によって形成され
る。
【0016】前記したように製造されるサンバイザ本体
11において、その表板部15と背板部16の外表面は凹みが
形成されることなく平滑面に形成される。さらに、表板
部15と背板部16とに結合された補強リブ18が略格子板状
に形成されるため、サンバイザ本体14の強度が良好に高
められる。
【0017】(実施の形態2)次に、この発明の実施の
形態2を図6にしたがって説明すると、この実施の形態
2においては、両成形型のうち、少なくとも一方の成形
型2に進退可能に組付けられる可動プレ−ト7の一側面
に対し、サンバイザ本体14の長手方向に直交する方向の
多数の縦板材8aを縦横に配列して突設することで圧着部
材8を構成した。その他の構成は実施の形態1と同様に
構成される。
【0018】したがって、図6に示すこの実施の形態2
の圧着部材8を用いてサンバイザ本体14をブロ−成形す
ることで、実施の形態1とほぼ同様にして表板部と背板
部との外表面は凹みが形成されることなく平滑面に形成
され、表板部と背板部とを結合する補強リブはサンバイ
ザ本体14の長手方向に直交する縦方向に板状をなし、か
つ縦横に配列されて多数形成されるため、サンバイザ本
体14の強度が高められる。
【0019】(実施の形態3)次に、この発明の実施の
形態3を図7にしたがって説明すると、この実施の形態
3においては、両成形型のうち、少なくとも一方の成形
型2に進退可能に組付けられる可動プレ−ト7の一側面
に対し、サンバイザ本体14の長手方向に平行する方向の
多数の横板材8bを縦横に配列して突設することで圧着部
材8を構成した。その他の構成は実施の形態1と同様に
構成される。
【0020】したがって、図7に示す実施の形態3の圧
着部材8を用いてサンバイザ本体14をブロ−成形するこ
とで、実施の形態1とほぼ同様にして表板部と背板部と
の外表面は凹みが形成されることなく平滑面に形成さ
れ、表板部と背板部とを結合する補強リブはサンバイザ
本体14の長手方向に平行する横方向に板状をなしかつ縦
横に配列されて多数形成されるため、サンバイザ本体14
の強度が高められる。
【0021】(実施の形態4)次に、この発明の実施の
形態4を図8にしたがって説明すると、この実施の形態
4においては、両成形型のうち、一方の成形型2に進退
可能に組付けられる可動プレ−ト7の一側面に対し、サ
ンバイザ本体の長手方向に直交する方向の多数の縦板材
8aを縦横に配列して突設することで圧着部材8を構成し
た。また、他方の成形型2に進退可能に組付けられる可
動プレ−ト7の一側面に対しては、サンバイザ本体の長
手方向に平行しかつ前記各縦板材8aに十字状に交差する
方向の多数の横板材8bを縦横に配列して突設することで
圧着部材8を構成した。その他の構成は実施の形態3と
同様に構成した。
【0022】したがって、図8に示す実施の形態4の圧
着部材8を用いてサンバイザ本体をブロ−成形すること
で、実施の形態1とほぼ同様にして表板部と背板部との
外表面は凹みが形成されることなく平滑面に形成され、
表板部と背板部とを結合する補強リブは十字状に交差し
て多数形成されるため、サンバイザ本体の強度が高めら
れる。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
サンバイザ本体の表板部と背板部とを結合する補強リブ
によってサンバイザ本体の強度を高めることができるば
かりでなく、表板部と背板部との外表面に凹みを成形す
ることなく、その外表面を平滑面に形成することがで
き、手触りの良いサンバイザ本体をブロ−成形によって
容易に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示すもので、成形型
が型締めされてパリソンがエアブロ−された状態を示す
断面図である。
【図2】同じく可動プレ−トとその一側面に突設された
圧着部材を示す斜視図である。
【図3】同じく成形型の間にパリソンが挿入された後、
型締めされる工程を順に示す断面図である。
【図4】同じくサンバイザ本体を破断して示す斜視図で
ある。
【図5】同じく図4のV−V線に基づくサンバイザ本体
の断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2に用いる可動プレ−ト
と圧着部材を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態3に用いる可動プレ−ト
と圧着部材を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態4に用いる可動プレ−ト
と圧着部材を部分的に示す斜視図である。
【図9】従来の方法によってブロ−成形されたサンバイ
ザ本体を示す斜視図である。
【図10】同じく成形型の間にパリソンが挿入された
後、型締めされてエアブロ−される工程を順に示す斜視
図である。
【符号の説明】
2 成形型 3 型面 4 キャビティ 7 可動プレ−ト 8 リブ成形用圧着部材 11 パリソン 14 サンバイザ本体 15 表板部 16 背板部 17 周壁部 18 補強リブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンバイザ本体に対応するキャビティを
    構成する一対の成形型が型開きされた状態で熱可塑性合
    成樹脂のパリソンを挿入して型締めし、 前記両成形型のうち、少なくとも一方の成形型の型面に
    対し進退可能に組付けられたリブ成形用圧着部材を前進
    させて前記パリソンを押付けることで、同パリソンの内
    部を部分的に圧着し、 その後、前記圧着部材を成形型の型面と略同一面をなす
    位置まで後退させて前記パリソンをエアブロ−すること
    で、前記両成形型の型面に接して平滑な表板部、背板部
    及び周壁部を備えた中空のサンバイザ本体を成形すると
    同時に、前記パリソンの圧着部において、前記表板部と
    背板部とを結合する補強リブを形成することを特徴とす
    る車両用サンバイザの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用サンバイザの製
    造方法において、縦・横両方向のうち、少なくとも一方
    に沿って板状をなす所要数の板材によって構成された圧
    着部材を用いて、表板部と背板部とを結合する補強リブ
    を形成することを特徴とする車両用サンバイザの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の車両用サンバイザの製
    造方法において、縦・横両方向の板材によって略格子状
    に構成された圧着部材を用いて、表板部と背板部とを結
    合する略格子状の補強リブを形成することを特徴とする
    車両用サンバイザの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009069789A1 (ja) * 2007-11-30 2009-06-04 Kyoraku Co., Ltd. 中空二重壁パネル及びそれを用いて作られた車両用内装パネル
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