JPH09193228A - 複層シート又は複層フィルムの成形方法 - Google Patents

複層シート又は複層フィルムの成形方法

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JPH09193228A
JPH09193228A JP8010335A JP1033596A JPH09193228A JP H09193228 A JPH09193228 A JP H09193228A JP 8010335 A JP8010335 A JP 8010335A JP 1033596 A JP1033596 A JP 1033596A JP H09193228 A JPH09193228 A JP H09193228A
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正太郎 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形ダイ装置で複層シート又は複層フィルムを
成形する際に各層の樹脂流用に大きな差があっても、各
層、特に層厚の極めて薄い層の幅方向の厚みを均一化で
きる。 【解決手段】複数のマニホールド12、14、16に供
給された溶融樹脂を、それぞれの流路20、22、24
を介して合流部18に合流し、合流部18で各溶融樹脂
を複層状に重ね合わせてスリット30から冷却ドラム3
6上に押出して複層シート28を成形する際に、スキン
層28Aを形成する樹脂流量がコア層28B、28Cを
形成する樹脂流量合計の1/25以下である場合には、
合流部18直前において、スキン層28Aの樹脂の溶融
粘度がスキン層28Aに隣接するコア層28Bの樹脂の
溶融粘度に対して1.5倍以上3倍以下の溶融粘度比に
なるように調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複層シート又は複層
フィルムの成形方法に係り、特に複層シート又は複層フ
ィルムが極めて薄い層と厚い層とから成る場合に各層の
幅方向の層厚分布を均一にする複層シート又は複層フィ
ルムの成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複層シート又は複層フィルム(以下、複
層シートの例で説明する)ダイ装置を複数のマニホール
ドを備えたダイ装置で押出し成形する場合、複層シート
を構成する各層のシート幅方向の厚みを均一化して押し
出すことが、高品質、高歩留りの複層シートを製造する
上で重要になる。
【0003】複層シート又は複層フィルムの成形方法に
関する従来技術としては、例えば、特開昭62−149
411号公報の共押出シートの製造法がある。これは、
フィードブロック法による複層シートの成形を開示した
もので、成形ダイ装置の前で複層シートを構成する各層
の合流を行う際に、隣接樹脂の溶融粘度比を2以上にす
ることが記載されている。
【0004】また、本出願人が提案した特公昭62−4
3846号公報のフィルムの製造方法には、溶液製膜法
において、高粘度層(3000〜10000pois
e)を低粘度層(1〜3000poise)で包むよう
に押し出すことが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
62−149411号公報の共押出シートの製造法は、
複層シートを構成する各層のシート幅方向の厚みを均一
化するものではなく、粘度差により複層シートのなかの
一部の層のシート幅方向への広がりを制御して複層シー
トの耳部に含まれる樹脂の種類を少なくすることにより
耳部の再利用を図ろうとするものである。
【0006】一方、特公昭62−43846号公報のフ
ィルムの製造方法は、各層の樹脂流量に大きな差がある
場合、即ち、複層シート又は複層フィルムが極めて薄い
層と厚い層から成る場合には、薄い層の幅方向の厚みを
均一化することができないという欠点がある。本発明は
このような事情に鑑みてなされたもので、成形ダイ装置
で複層シート又は複層フィルムを成形する際に各層の樹
脂流用に大きな差があっても、各層、特に層厚の極めて
薄い層の幅方向の厚みを均一化できる複層シート又は複
層フィルムの成形方法を提案することを目的とする。
【0007】なお、ここで述べるフィルム成形には、押
出ラミネートによるフィルム成形を含むものとする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
する為に、複数のマニホールドに供給された溶融樹脂
を、それぞれの流路を介して合流部に合流し、該合流部
で各溶融樹脂を複層状に重ね合わせてスリットから外部
に押出して複層シート又は複層フィルムを成形する複層
シート又は複層フィルムの成形方法に於いて、前記複層
シート又は複層フィルムの各層のうちの1層を形成する
樹脂流量が他層を形成する樹脂流量合計の1/25以下
である場合には、前記合流部直前において、前記1層の
樹脂の溶融粘度が該1層の樹脂に隣接する前記他層の樹
脂の溶融粘度に対して1.5倍以上3倍以下の溶融粘度
比になるように調整することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る複層シート又は複層フィルムの成形方法の好ましい実
施の形態について詳説する。図1は本発明に係る複層シ
ート又は複層フィルムの成形方法を適用する成形ダイ装
置10の側面断面図である。
【0010】図1に示すように、成形ダイ装置10は、
主として、粘度等の性質の異なる複数の溶融樹脂を押出
す複数の押出機(図示せず)からそれぞれの溶融樹脂が
供給されるマニホールド12、14、16、複数の溶融
樹脂を複層状に重ね合わせる合流部18、各マニホール
ド12、14、16と合流部18とをそれぞれ繋ぐ複数
の流路20、22、24が形成された成形ダイ装置本体
26と、合流部18で重ね合わされた複層シート28全
体の厚みであるスリット30の開度を調整する調整ボル
ト32とで構成される。そして、成形ダイ装置10で複
層シート28を成形する場合、それぞれのマニホールド
12、14、16に供給された溶融樹脂を、それぞれの
流路20、22、24を介して合流部18に合流し、該
合流部18で各溶融樹脂を複層状に重ね合わせてスリッ
ト30から回転する冷却ドラム36上に押し出す。この
成形においてマニホールド12、14、16で前記流路
20、22、24の幅方向に拡流してシート状の流れを
形成すると共に、複層シート28の全体の厚みはスリッ
ト30の開度をスリット調整ボルト32で調整すること
により行う。
【0011】そして、上記成形ダイ装置10で複層シー
ト又は複層フィルムを成形する際に、各層の樹脂に大き
な樹脂流量差がある場合、換言すると、極めて薄い層
(以下、スキン層という)と厚い層(以下、コア層とい
う)から成る複層シート又は複層フィルムの場合には、
各層、特にスキン層の幅方向の厚みを均一化することは
極めて困難である。たとえ、所望の押出し仕様に最適設
計した成形ダイ装置であっても押出し条件(樹脂流量、
樹脂温度、樹脂種類等)を変更した時に、同一の成形ダ
イ装置で対応することは不可能であった。
【0012】本発明者は、各層の樹脂に大きな樹脂流量
差がある場合の各層の幅方向における層厚の均一化につ
いて鋭意研究を重ねた結果、スキン層とその他のコア層
との樹脂流量比が所定以下である場合には、成形ダイ装
置10における合流部18直前のスキン層と該スキン層
に隣接するコア層の溶融粘度比を一定の範囲で調整する
ことにより各層、特にスキン層の幅方向の層厚み分布を
均一化できることを見いだした。即ち、スキン層の樹脂
流量がコア層の樹脂流量合計の1/25以下である場合
には、合流部18直前におけるスキン層を形成する樹脂
の溶融粘度がスキン層に隣接するコア層を形成する樹脂
の溶融粘度に対して1.5倍以上3倍以下の溶融粘度比
になるように調整する。本発明において、複層シート又
は複層フィルムが3層の場合には、スキン層は上層、中
間層、下層のいずれでも良く、スキン層が中間層の場合
には、高粘度状態のスキン層を低粘度状態のコア層で挟
むことにより本発明を達成することができる。また、ス
キン層が上層又は下層の場合には、2層のコア層のうち
スキン層に隣接するコア層が前記溶融粘度比の条件を満
足することが必要である。
【0013】次に、上記の如く構成した複層シートの成
形ダイ装置10を用いて本発明の複層シート又は複層フ
ィルムの成形方法について説明する。成形する複層シー
トは、上層にスキン層、中間層及び下層にコア層から構
成される例で説明すると共に、スキン層の樹脂流量はそ
の他のコア層の樹脂流量合計の1/25以下の場合であ
る。
【0014】先ず、成形ダイ装置10の各マニホールド
12、14、16には、溶融樹脂を押出す複数の押出機
(図示せず)からそれぞれの溶融樹脂が供給される。こ
の供給において、マニホールド16に供給されるスキン
層用の溶融樹脂の樹脂流量は、マニホールド12、14
に供給されるコア層用の樹脂流量合計の1/25以下に
設定される。
【0015】次に、各マニホールド12、14、16に
供給された各溶融樹脂は、それぞれの流路を通って合流
部18に至り、合流部18で各溶融樹脂を複層状に重ね
合わせられる。この合流部18の直前において流路24
を流れるスキン層用の溶融樹脂の溶融粘度が流路22を
流れるコア層用の溶融樹脂の溶融粘度に対して1.5倍
以上3倍以下の溶融粘度比になるように設定する。設定
の溶融粘度比を得る方法としては、異なる粘度を有する
原料樹脂の中から前記溶融粘度比になる樹脂を選択して
もよいし、又は、各マニホールド12、14、16或い
は各流路20、22、24を加熱する加熱手段を設け
て、合流部18直前における各溶融樹脂の樹脂温度を調
整してもよい。
【0016】ところで、このスキン層と該スキン層に隣
接するコア層の溶融粘度比の関係において、溶融粘度比
を1.5倍以下に設定すると、スキン層の幅方向中央部
が厚く、両端部が薄くなる傾向が大きい。即ち、各層を
形成する樹脂流量に差が小さい時、即ち各層の厚みが同
程度である場合には溶融粘度が同じでも厚み分布が発生
しにくく、各層の境界面の安定性の点から厚みムラをな
くすためには各層の溶融粘度を同じにすることが好まし
い。しかし、各層の厚み差が大きくなるに従って、成形
ダイ装置10のダイ幅(複層シート28の幅方向に同
じ)方向の圧力バランスが崩れ、通常はダイ幅方向の中
央部に比べて両端部の圧力が低くなり、各層の溶融粘度
を同じにしたのでは特にスキン層の層厚分布が大きくな
る。この傾向は、スキン層の溶融樹脂の溶融粘度が小さ
い場合に特に顕著である。その結果、スキン層は中央部
が厚く、両端部が薄い層厚分布となる。一方、溶融粘度
比を3倍以上に設定すると、合流部18での各層の境界
面、特にスキン層とコア層との境界面が不安定になり微
細な凸凹状の厚みムラが大きくなる。
【0017】最後に、合流部18で複層状に重ね合わさ
れた各溶融樹脂は、スリット30から冷却ドラム36上
に押し出される。この場合、複層シート28の全体の厚
みが1〜200μ、好ましくは10〜100μになるよ
うにスリット開度を設定することがよい。これにより、
複層シートの幅方向に渡って各層の厚み、特にスキン層
の厚みも均一化できると共に、各層の境界面に微細な凸
凹状の厚みムラも発生しない。このように、本発明によ
れば、成形ダイ装置10で複層シート28を成形する際
に各層の樹脂流用に大きな差があっても、各層、特にス
キン層の幅方向の厚みを均一化できる。
【0018】従って、複層シート又は複層フィルムの幅
方向に渡って各層の厚みを均一にできるので、高品質な
複層シート又は複層フィルムを安定して製造することが
できる。また、複層シート又は複層フィルムの幅方向両
端である耳部の裁断量が減少するので歩留りが向上す
る。また、製造ロットの変更により押出し条件が変わっ
ても同一の成形ダイ装置を使用することができるので、
生産性が向上すると共に、装置スペースも小さくでき
る。更には、非常に薄い層を有する複層シート又は複層
フィルムの製造も可能になった。
【0019】
【実施例】以下に本実施の形態で説明した成形ダイ装置
を用いて3層から成る複層シートを成形した実施例を説
明する。本実施例ではスキン層とコア層の溶融粘度比を
得る方法として、異なる粘度を有する原料樹脂の中から
前記溶融粘度比になる樹脂を選択して行った。選択した
樹脂の溶融粘度は表1の通りである。
【0020】
【表1】 ここで、樹脂の溶融粘度は、いずれも剪断速度1000
sec-1、樹脂温度300°Cにおいて、キャピラリー
レオメータ(L/D=10)で測定した数値である。ま
た、中間層には、層厚の識別が容易になるように色味顔
料を添加して着色した。
【0021】また、複層シートを構成する3層の樹脂構
成或いは樹脂流量等の押出し条件については、表2に示
すように、本実施例、比較例(1)、比較例(2)及び比較例
(3)の4つの試験区について行った。
【0022】
【表2】 表2において、本実施例は、本発明の方法に従って条件
を設定したものであり、3層から成る複層シート28の
うち、スキン層である上層28A(図2参照)を形成す
る上層樹脂は、溶融粘度が1200poiseのローデ
ンシチィーポリエチレン(LDPE1)を用い、樹脂流
量は15kg/時間とした。コア層である中間層28B
を形成する中間層樹脂とコア層である下層28Cを形成
する下層樹脂は、溶融粘度が600poiseのローデ
ンシチィーポリエチレン(LDPE2)を用い、流量は
200kg/時間とした。即ち、スキン層の樹脂流量と
コア層の樹脂流量合計との比を1:27に設定すると共
に、合流部18直前でのスキン層の溶融粘度がスキン層
に隣接するコア層の溶融粘度に対して2倍の溶融粘度比
になるように設定したものである。
【0023】比較例(1)は、上層、中間層、下層を形成
する樹脂ともに、溶融粘度が600poiseのローデ
ンシチィーポリエチレン(LDPE2)を用い、樹脂流
量は上層を15kg/時間、中間層と下層を200kg
/時間とした。即ち、スキン層の樹脂流量とコア層の樹
脂流量合計との比を1:27に設定し、合流部18直前
でのスキン層の溶融粘度がスキン層に隣接するコア層の
溶融粘度に対して1倍の溶融粘度比になるように設定
し、溶融粘度比が本発明の下限である溶融粘度比1.5
より小さくなるようにしたものである。
【0024】比較例(2)は、上層を形成する上層樹脂は
溶融粘度が2000poiseのローデンシチィーポリ
エチレン(LDPE3)を用い、樹脂流量を15kg/
時間とした。また、中間層、下層を形成する中間層樹脂
と下層樹脂は共に、溶融粘度が600poiseのロー
デンシチィーポリエチレン(LDPE2)を用い、樹脂
流量は共に200kg/時間とした。即ち、スキン層の
樹脂流量とコア層の樹脂流量合計との比を1:27に設
定し、合流部18直前でのスキン層の溶融粘度がスキン
層に隣接するコア層の溶融粘度に対して3.3倍の溶融
粘度比になるように設定し、溶融粘度比が本発明の上限
である溶融粘度比3より大きくなるようにしたものであ
る。
【0025】比較例(3)は、上層、中間層、下層を形成
する樹脂ともに、溶融粘度が600poiseのローデ
ンシチィーポリエチレン(LDPE2)を用い、樹脂流
量は上層が50kg/時間、中間層、下層は共に200
kg/時間とした。即ち、スキン層の樹脂流量とコア層
の樹脂流量合計との比を1:8に設定し、本発明の樹脂
流量比1/25以下を越えるようにした。また、合流部
18直前でのスキン層の溶融粘度がスキン層に隣接する
コア層の溶融粘度に対して1倍の溶融粘度比になるよう
に設定し、溶融粘度比が本発明の下限である溶融粘度比
1.5より小さくなるようにしたものである。
【0026】その他の押出し条件であるダイ幅1000
mm、ライン速度150m/分は、本実施例、比較例
(1)、比較例(2)及び比較例(3)ともに同じとした。ま
た、成形ダイ装置10による押出し試験は、次の通りお
こなった。即ち、本実施例、比較例(1)、(2)、(3)に示
す押出し条件で、3層の溶融樹脂を押出して複層シート
28を形成する。次に、複層シート28全体の厚みが複
層シート28の幅方向で均一になるようにスリット30
開度を調整ボルト32で調整した。その後、再度、本実
施例、比較例(1)、比較例(2)及び比較例(3)に示す押出
し条件で複層シート28を成形した。そして、本実施
例、比較例(1)、比較例(2)及び比較例(3)で成形された
各複層シート28の断面を顕微鏡で観察しながら複層シ
ート28を構成する各層28A、28B、28Cの幅方
向の厚み分布を測定して厚み分布を評価すると共に、合
わせて厚みムラを評価した。
【0027】上記の条件にて実施した評価結果を表3に
示す。
【0028】
【表3】 表3の評価結果から分かるように、本実施例の場合、複
層シート28を構成する各層ともに厚み分布が±1μと
非常に小さく、顕微鏡による断面写真でも図2に示すよ
うに各層28A、28B、28Cとも複層シート28の
幅方向において均一な厚みを得ることができた。また、
断面写真から分かるように、各層の境界面に厚みムラが
発生しなかった。
【0029】これに対し、樹脂流量比は本実施例と同様
に1/26であるが、溶融粘度比が1で本発明の溶融粘
度比の下限1.5以下である比較例(1)の場合は、コア
層の厚み分布は本実施例と同等であったが、スキン層で
ある上層の厚み分布が±3μと大きかった。また、断面
写真の図3から分かるように、各層が下側にやや湾曲し
て成形されると共に、上層は中央部が厚く両端部が薄い
厚み分布を示し、スキン層の両端部まで溶融樹脂が広が
っていない状態であった。
【0030】また、樹脂流量比は本実施例と同様に1/
26であるが、溶融粘度比が3.3で本発明の溶融粘度
比の上限3以上である比較例(2)の場合は、スキン層の
厚み分布が±2μと比較例(1)に比べて小さかったもの
の、断面写真の図4から分かるように、スキン層とコア
層の境界面には凸凹状の厚みムラが発生していた。ま
た、溶融粘度比が1で本発明の溶融粘度比の下限1.5
以下であるが、樹脂流量比を1/8にして本発明の樹脂
流量比1/25以下より大きくした比較例(3)の場合に
は、特に図示しなかったが、各層ともに厚み分布は均一
になっており、各層の境界面に厚みムラも発生しなかっ
た。しかし、樹脂流量比が1/25より大きい場合に、
溶融粘度比を大きくしていくと厚みムラが発生し易くな
る傾向がある。このことから樹脂流量比が1/25以下
の場合に限定して溶融粘度比を1.5以上3以下にする
ことが必要である。
【0031】上記した評価結果から分かるように、スキ
ン層の樹脂流量がコア層の樹脂流量合計の1/25以下
である場合には、合流部直前におけるスキン層を形成す
る樹脂の溶融粘度がスキン層に隣接するコア層を形成す
る樹脂の溶融粘度に対して1.5倍以上3倍以下の溶融
粘度比になるように調整することにより、各層の幅方向
の厚みを均一化でき、しかも各層の境界面に厚みムラの
ない複層シートを成形することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複層シー
ト又は複層フィルムの成形方法によれば、シート又はフ
ィルムの幅方向に渡って複層シート又は複層フィルムを
構成する各層の厚みを均一にできる。従って、高品質、
高歩留りの複層シート又は複層フィルムを製造すること
ができる。また、製造ロットの変更により押出し条件が
変わっても同一の成形ダイ装置を使用することができる
ので、生産性が向上すると共に、装置スペースも小さく
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の複層シート又は複層フィルム
の成形方法を適用する成形ダイ装置の側面断面図
【図2】図2は、本実施例における複層シートの断面図
で耳部カット後、厚み方向に拡大した図
【図3】図3は、比較例(1)における複層シートの断面
図で耳部カット後、厚み方向に拡大した図
【図4】図4は、比較例(2)における複層シートの断面
図で耳部カット後、厚み方向に拡大した図
【符号の説明】
10…成形ダイ装置 12、14、16…マニホールド 18…合流部 20、22、24…流路 28…複層シート 30…スリット 32…スリット調整ボルト 36…冷却ドラム
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のマニホールドに供給された溶融樹脂
    を、それぞれの流路を介して合流部に合流し、該合流部
    で各溶融樹脂を複層状に重ね合わせてスリットから外部
    に押出して複層シート又は複層フィルムを成形する複層
    シート又は複層フィルムの成形方法に於いて、 前記複層シート又は複層フィルムを構成する各層のうち
    の1層を形成する樹脂流量が他層を形成する樹脂流量合
    計の1/25以下である場合には、前記合流部直前にお
    いて、前記1層の樹脂の溶融粘度が該1層の樹脂に隣接
    する前記他層の樹脂の溶融粘度に対して1.5倍以上3
    倍以下の溶融粘度比になるように調整することを特徴と
    する複層シート又は複層フィルムの成形方法。
  2. 【請求項2】前記溶融粘度比の調整は、異なる溶融粘度
    を有する原料樹脂の中から前記溶融粘度比になる樹脂を
    選択することにより行うことを特徴とする請求項1の複
    層シート又は複層フィルムの成形方法。
  3. 【請求項3】前記溶融粘度比の調整は、前記合流部直前
    における前記各層を形成する樹脂の温度を変えることに
    より行うことを特徴とする請求項1の複層シート又は複
    層フィルムの成形方法。
  4. 【請求項4】前記複層シート又は複層フィルムは、複層
    ポリオレフィン樹脂のシート又はフィルムであることを
    特徴とする請求項1の複層シート又は複層フィルムの成
    形方法。
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