JP3626770B2 - 押出成形用複合アダプタ - Google Patents
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- Engineering & Computer Science (AREA)
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- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、多層フィルム製造装置、多層シート製造装置、多層ブロー成形機等に適用される押出成形用の複合アダプタに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図３に基づいて、３層構造を有する従来の複合アダプタについて説明する。
図示しない紙面後方の押出機から導管によって供給される溶融物２０Ａ，３０，２０Ｂは、複合アダプタ４内において、同じ厚さの溶融物４０，５０が、溶融物の層を挟んで上下に溶融物４０，４０の層が位置して層状に重ねられ、図示しない成形ダイへと矢印の如く導かれて所要の層構成を有する成形品が得られる。
このような同じ厚さの多層形成複合アダプタ４内では、如何なる層構成においても容易に多層成形が可能であり、合流直後でも各層の厚みに変化はなく、多層成形が容易に行なわれる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図４に示すような比較的薄い外層溶融物２００Ａ，２００Ｂと比較的厚い内層溶融物３００のように異なった厚さの多層成形では、合流直後５ａを過ぎたところから外層側２００は薄く、内層側１００は厚い層構成を成し、合流直後５ａの層構成比が変化する区間では、界面での応力状態が流動方向に変化するため、不安定な流れとなる。流動条件（流量，層構成等）や樹脂物性（粘弾性等）によっては、前記の層構成比が、界面での不安定流動（界面が波打って乱れた流れ）をひき起こす１つの要因となっていた。
このため、１つの複合アダプタ４では、広範囲な層構成を満たす多層成形が行なえず、所要の層構成に対応した複合ブロックを要するといった問題が生じていた。
このため本発明は、このような従来の複合アダプタにおける問題を解決して、いかなる厚さの層構成においても合流直後に層構成比が変化することなく安定した多層成形を可能にした押出成形用複合アダプタを提供しようとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、溶融物を導く複数個の導管と複数の溶融物を積層成形する成形ダイとの間に設けられ、前記導管と前記成形ダイの溶融物受入口とを連通させる複合アダプタにおいて、複数の溶融物が合流する直後の流路厚さを所要の層構成厚さに応じて調整しうる調整ブロックを組み込むとともに、外層が薄く、内層が厚い層構成では、前記調整ブロックを合流直後の流路厚さを狭くする方向に調整して合流時の外層が薄くなるようにし、かつ、外層が厚く、内層が薄い層構成では、前記調整ブロックを合流直後の流路厚さを厚くする方向に調整して、合流時の外層が厚くなるようにすることを特徴とするもので、これを課題解決のための手段とするものである。
【０００５】
【作用】
本発明では前記手段により、所要の層構成厚さに応じて調整ブロックを調整することで、界面での不安定流動を解消し、容易に広範囲な層形成を満たすことができる安定した多層成形が可能となる。
例えば、外層が薄く、内層が厚い層構成では、調整ブロックを合流直後の流路厚さを狭くする方向に調整して、合流時の外層が薄くなるようにする。
また外層が厚く、内層が薄い層構成では、調整ブロックを合流直後の流路厚さを厚くする方向に調整して、合流時の外層が厚くなるようにする。
【０００６】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図１は第１実施例を示し、複合アダプタは、固定ブロック１Ａ，１Ｂ，３と、これらの間に形成される傾斜通路にそれぞれ配置される菱形形状の調整ブロック２Ａ，２Ｂの５つのブロックから構成される。調整ブロック２Ａは、固定ブロック１Ａ及び３間で、また調整ブロック２Ｂは、固定ブロック１Ｂ及び３間でスライド可能である。
図１では、調整ブロック２Ａ，２Ｂを外層の流路厚さが狭くなるように調整された例を示している。同図に示すような外層２０Ａ，２０Ｂが薄く、内層３０が厚い層構成では、これらの層構成厚さに応じて調整ブロック２Ａ，２Ｂを外層の流路厚さを薄く調整すべく下方へスライドさせるので、合流直後に各層の厚みが変化することなく、安定した流れとなり、容易に多層成形が可能となる。調整ブロック２Ａ，２Ｂは固定ブロック１Ａ，１Ｂと固定ブロック３との間を自由にスライドできるものであり、自動調整、手動調整の双方が実施できるものである。
【０００７】
図２は、本発明の第２実施例の断面図を示す。図２では、調整ブロック２Ａ，２Ｂを外層の流路厚さが厚くなるように調整された例を示しており、図１とは逆に、外層２０Ａ，２０Ｂが厚く、内層３０が薄い層構成では、これらの層構成厚さに応じて調整ブロック２Ａ，２Ｂを外層の流路厚さを厚く調整すべく上方へスライドさせるので、この場合も合流直後に各層の厚みが変化することなく安定した流れとなり、容易に多層成形が可能となる。
なお、合流後に固定ブロック１Ａ，１Ｂと調整ブロック２Ａ，２Ｂとの間で流路厚さが変化する段差部があるが、合流直後の流れが定常的であり、段差部での層構成比の変化は小さいため界面での不安定流動は生じない。
調整ブロック２Ａ，２Ｂは固定ブロック１Ａ，１Ｂと固定ブロック３との間を自由にスライドできるものであり、自動調整、手動調整の双方が実施できるものである。
また調整ブロック２Ａ．２Ｂの移動量を任意に変えることにより厚みを変えた多層成形が可能となり、広範囲な層形成に対応できる。
【０００８】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如く本発明によれば、積層する各層の厚さに応じた流路を有する複数の複合アダプタを準備せずとも、１つの押出成形用複合アダプタによって如何なる層構成においても、合流直後の層構成比が変化することなく安定した多層成形が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例に係る複合アダプタの断面図である。
【図２】本発明の第２実施例に係る複合アダプタの断面図である。
【図３】従来の複合アダプタの断面図である。
【図４】従来の他の例を示す複合アダプタの断面図である。
【符号の説明】
１Ａ，１Ｂ，３ 固定ブロック
２Ａ，２Ｂ 調整ブロック
２０Ａ，２０Ｂ 外層溶融物
３０ 内層溶融物
【産業上の利用分野】
本発明は、多層フィルム製造装置、多層シート製造装置、多層ブロー成形機等に適用される押出成形用の複合アダプタに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図３に基づいて、３層構造を有する従来の複合アダプタについて説明する。
図示しない紙面後方の押出機から導管によって供給される溶融物２０Ａ，３０，２０Ｂは、複合アダプタ４内において、同じ厚さの溶融物４０，５０が、溶融物の層を挟んで上下に溶融物４０，４０の層が位置して層状に重ねられ、図示しない成形ダイへと矢印の如く導かれて所要の層構成を有する成形品が得られる。
このような同じ厚さの多層形成複合アダプタ４内では、如何なる層構成においても容易に多層成形が可能であり、合流直後でも各層の厚みに変化はなく、多層成形が容易に行なわれる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図４に示すような比較的薄い外層溶融物２００Ａ，２００Ｂと比較的厚い内層溶融物３００のように異なった厚さの多層成形では、合流直後５ａを過ぎたところから外層側２００は薄く、内層側１００は厚い層構成を成し、合流直後５ａの層構成比が変化する区間では、界面での応力状態が流動方向に変化するため、不安定な流れとなる。流動条件（流量，層構成等）や樹脂物性（粘弾性等）によっては、前記の層構成比が、界面での不安定流動（界面が波打って乱れた流れ）をひき起こす１つの要因となっていた。
このため、１つの複合アダプタ４では、広範囲な層構成を満たす多層成形が行なえず、所要の層構成に対応した複合ブロックを要するといった問題が生じていた。
このため本発明は、このような従来の複合アダプタにおける問題を解決して、いかなる厚さの層構成においても合流直後に層構成比が変化することなく安定した多層成形を可能にした押出成形用複合アダプタを提供しようとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、溶融物を導く複数個の導管と複数の溶融物を積層成形する成形ダイとの間に設けられ、前記導管と前記成形ダイの溶融物受入口とを連通させる複合アダプタにおいて、複数の溶融物が合流する直後の流路厚さを所要の層構成厚さに応じて調整しうる調整ブロックを組み込むとともに、外層が薄く、内層が厚い層構成では、前記調整ブロックを合流直後の流路厚さを狭くする方向に調整して合流時の外層が薄くなるようにし、かつ、外層が厚く、内層が薄い層構成では、前記調整ブロックを合流直後の流路厚さを厚くする方向に調整して、合流時の外層が厚くなるようにすることを特徴とするもので、これを課題解決のための手段とするものである。
【０００５】
【作用】
本発明では前記手段により、所要の層構成厚さに応じて調整ブロックを調整することで、界面での不安定流動を解消し、容易に広範囲な層形成を満たすことができる安定した多層成形が可能となる。
例えば、外層が薄く、内層が厚い層構成では、調整ブロックを合流直後の流路厚さを狭くする方向に調整して、合流時の外層が薄くなるようにする。
また外層が厚く、内層が薄い層構成では、調整ブロックを合流直後の流路厚さを厚くする方向に調整して、合流時の外層が厚くなるようにする。
【０００６】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図１は第１実施例を示し、複合アダプタは、固定ブロック１Ａ，１Ｂ，３と、これらの間に形成される傾斜通路にそれぞれ配置される菱形形状の調整ブロック２Ａ，２Ｂの５つのブロックから構成される。調整ブロック２Ａは、固定ブロック１Ａ及び３間で、また調整ブロック２Ｂは、固定ブロック１Ｂ及び３間でスライド可能である。
図１では、調整ブロック２Ａ，２Ｂを外層の流路厚さが狭くなるように調整された例を示している。同図に示すような外層２０Ａ，２０Ｂが薄く、内層３０が厚い層構成では、これらの層構成厚さに応じて調整ブロック２Ａ，２Ｂを外層の流路厚さを薄く調整すべく下方へスライドさせるので、合流直後に各層の厚みが変化することなく、安定した流れとなり、容易に多層成形が可能となる。調整ブロック２Ａ，２Ｂは固定ブロック１Ａ，１Ｂと固定ブロック３との間を自由にスライドできるものであり、自動調整、手動調整の双方が実施できるものである。
【０００７】
図２は、本発明の第２実施例の断面図を示す。図２では、調整ブロック２Ａ，２Ｂを外層の流路厚さが厚くなるように調整された例を示しており、図１とは逆に、外層２０Ａ，２０Ｂが厚く、内層３０が薄い層構成では、これらの層構成厚さに応じて調整ブロック２Ａ，２Ｂを外層の流路厚さを厚く調整すべく上方へスライドさせるので、この場合も合流直後に各層の厚みが変化することなく安定した流れとなり、容易に多層成形が可能となる。
なお、合流後に固定ブロック１Ａ，１Ｂと調整ブロック２Ａ，２Ｂとの間で流路厚さが変化する段差部があるが、合流直後の流れが定常的であり、段差部での層構成比の変化は小さいため界面での不安定流動は生じない。
調整ブロック２Ａ，２Ｂは固定ブロック１Ａ，１Ｂと固定ブロック３との間を自由にスライドできるものであり、自動調整、手動調整の双方が実施できるものである。
また調整ブロック２Ａ．２Ｂの移動量を任意に変えることにより厚みを変えた多層成形が可能となり、広範囲な層形成に対応できる。
【０００８】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如く本発明によれば、積層する各層の厚さに応じた流路を有する複数の複合アダプタを準備せずとも、１つの押出成形用複合アダプタによって如何なる層構成においても、合流直後の層構成比が変化することなく安定した多層成形が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例に係る複合アダプタの断面図である。
【図２】本発明の第２実施例に係る複合アダプタの断面図である。
【図３】従来の複合アダプタの断面図である。
【図４】従来の他の例を示す複合アダプタの断面図である。
【符号の説明】
１Ａ，１Ｂ，３ 固定ブロック
２Ａ，２Ｂ 調整ブロック
２０Ａ，２０Ｂ 外層溶融物
３０ 内層溶融物
Claims (1)
- 溶融物を導く複数個の導管と複数の溶融物を積層成形する成形ダイとの間に設けられ、前記導管と前記成形ダイの溶融物受入口とを連通させる複合アダプタにおいて、
複数の溶融物が合流する直後の流路厚さを所要の層構成厚さに応じて調整しうる調整ブロックを組み込むとともに、
外層が薄く、内層が厚い層構成では、前記調整ブロックを合流直後の流路厚さを狭くする方向に調整して合流時の外層が薄くなるようにし、かつ、
外層が厚く、内層が薄い層構成では、前記調整ブロックを合流直後の流路厚さを厚くする方向に調整して、合流時の外層が厚くなるようにすることを特徴とする押出成形用複合アダプタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12093994A JP3626770B2 (ja) | 1994-06-02 | 1994-06-02 | 押出成形用複合アダプタ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12093994A JP3626770B2 (ja) | 1994-06-02 | 1994-06-02 | 押出成形用複合アダプタ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07323463A JPH07323463A (ja) | 1995-12-12 |
| JP3626770B2 true JP3626770B2 (ja) | 2005-03-09 |
Family
ID=14798714
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12093994A Expired - Fee Related JP3626770B2 (ja) | 1994-06-02 | 1994-06-02 | 押出成形用複合アダプタ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3626770B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4643973B2 (ja) * | 2004-11-08 | 2011-03-02 | 富士フイルム株式会社 | ポンプの作動状態の検査方法 |
-
1994
- 1994-06-02 JP JP12093994A patent/JP3626770B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07323463A (ja) | 1995-12-12 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040601 |
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