JPH09192535A - ワニス含浸トランス部材からのpcb含有再生絶縁油の除去方法 - Google Patents

ワニス含浸トランス部材からのpcb含有再生絶縁油の除去方法

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JPH09192535A
JPH09192535A JP1011996A JP1011996A JPH09192535A JP H09192535 A JPH09192535 A JP H09192535A JP 1011996 A JP1011996 A JP 1011996A JP 1011996 A JP1011996 A JP 1011996A JP H09192535 A JPH09192535 A JP H09192535A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PCBを含有する絶縁油を使用したワニス含
浸トランスを対象としてトランス部材より絶縁油ととも
にPCBを検出されない程度まで除去し、当該物を有価
物として処理する。 【解決手段】 PCBを含有する再生絶縁油を使用した
ワニス含浸トランス部材から予め吸引ないし滴下抜油し
た後、トランス部材を真空加熱炉に入れ、加温、減圧す
ることによりトランスの構成部材から絶縁油とともにP
CBを蒸発除去し、PCB含有絶縁油の除去されたトラ
ンス部材を有価物として利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PCB(ポリ塩素
化ビフェニル)を含有する再生絶縁油(以下、単に絶縁
油と称する。)を使用した配電用柱上トランスの廃棄処
理技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PCBは優れた電気絶縁特性を有するも
のであるため、過去において電気絶縁体として広く利用
されていた。また熱媒体、感圧紙などとしても広く利用
されていた。しかしながら、PCBは使用後廃棄されて
も分解せず、大気・水・土壌などを汚染し、食品を介し
て人体に入り、人体でも分解されにくく排泄も遅いため
蓄積する。また1969年に食用米ぬか油の製造工程で
PCBが油に混入し、多数の中毒患者が発生する事件が
あり、現在、PCBの製造は禁止されている。
【0003】従来、使用済みの配電用柱上トランスは、
傾倒抜油した後、有価物として処理業者により鉄類、銅
類が回収され、有効再利用されてきた。その分解、解体
にはトランスを原形のまま焼却し、残存する鉄類、銅類
を回収していたが、PCBを含有している絶縁油を使用
したトランスについては安全な処理方法が確立されるま
で使用者の責任として保管することが義務づけられてい
る。その量が膨大なために早期の処理方法の確立が要望
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、PC
Bを含有する絶縁油を使用したワニス含浸トランスを対
象としてトランス部材より絶縁油とともにPCBを検出
されない程度まで除去し、当該物を有価物として処理す
る技術を提供することにある。本発明はまた、この処理
技術における最適運転条件について提示することによ
り、複雑な操作を必要とせずかつ効率的にトランス部材
より絶縁油とともにPCBを除去する技術を提供するこ
とにある。本発明はさらに、PCBが大気に放出される
ことなく安全にかつ安定に処理を行なえる処理技術を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決する本
発明は、PCBを含有する絶縁油を使用したワニス含浸
トランス部材からのPCB含有絶縁油の除去方法であっ
て、当該トランス部材から予め吸引ないし滴下抜油した
後、トランス部材を真空加熱炉に入れ、加温、減圧する
ことによりトランスの構成部材から絶縁油とともにPC
Bを蒸発除去し、PCB含有絶縁油の除去されたトラン
ス部材を有価物として利用することを特徴とする。
【0006】また、本発明の上記除去方法において、前
記真空加熱炉が、温度190〜210℃、真空度0.0
5Torr以下に設定され、この設定条件下に10時間
以上保持されることが望ましい。
【0007】本発明の上記除去方法においてはさらに、
前記真空加熱炉が、その排気系に冷却手段および気液分
離手段を備えてなり、前記真空加熱炉においてトランス
の構成部材より蒸発除去された絶縁油およびPCBは、
当該冷却手段を通過することにより冷却液化され、さら
に気液分離されることにより、大気中にPCBが放出さ
れないものである。
【0008】さらに本発明の上記除去方法において、前
記ワニス含浸トランス部材を原姿のまま前記したような
真空加熱炉における処理を行ない、その後、処理された
ワニス含浸トランス部材を解体し、紙・木類からなる部
材を、他の部材と分離した後、再度真空加熱処理を行う
ようにしている。この場合、PCBないし絶縁油の除去
が比較的困難なこれらの材質からなる部材においても良
好な除去が行なえかつ解体処理時の安全性が確保される
故に望ましいものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0010】本発明は、配電用柱上ワニス含浸トランス
を処理対象物として、真空加熱分離方式によりトランス
部材よりPCBを絶縁油とともに蒸発除去し、トランス
部材を有価物として有効利用するものである。
【0011】本発明の除去方法においては、まず、配電
用柱上ワニス含浸トランスの廃物からできる限りPCB
を含有する絶縁油を吸引ないし滴下抜油する。例えばワ
ニス含浸トランスの廃物を原姿のままポンプ等の吸引装
置によりある程度PCB含有絶縁油を抜油した後、さら
に傾倒して滴下抜油する。滴下抜油処理の条件として
は、特に限定されるものではないが、約30〜50℃、
代表的には例えば約40℃にて、12〜24時間、代表
的には例えば約16時間程度保持することが好ましい。
なお、上記ではトランスの廃物を原姿のまま処理するこ
とを例示したが、トランスを構成する部材を一部ないし
全部解体して処理することも可能である。
【0012】続いて、このようにして、PCBを含有す
る絶縁油を吸引ないし滴下抜油されたトランスないしト
ランス部材を真空加熱炉に入れ、加熱、減圧することに
よりトランス部材に残留する絶縁油およびPCBを蒸発
除去する。真空加熱炉における処理条件は、特に限定さ
れるものでなく、鉄類、銅類、磁器類、紙木類等のトラ
ンス構成部材に残留するPCB量を例えば底質調査法
(昭和63年、環水管127号、定量下限値0.05m
gPCB/kg部材)を準用して測定することによっ
て、これらの部材でほぼ定量下限値未満となる条件を適
宜採用すればよい。しかし、トランスを原姿のまま処理
し、鉄類、銅類、磁器類、ガスケットの各部材における
PCB残量を定量下限値未満で、除去率として99%以
上を可能とする条件としては、真空加熱炉を温度190
〜210℃、真空度0.05Torr以下に設定し、ト
ランス中心部の温度が前記設定温度に達してから10時
間程度保持することが好ましい。なお、保持時間をより
延長化して10時間以上とすれば、PCB除去率がより
高まることが期待できるが、例えば40時間を越えて処
理しても、処理時間が延長化されて処理効率が低下する
割に除去率の向上があまり期待できない。ゆえに、10
〜12時間程度の処理で十分である。
【0013】なお、ワニス含浸トランス部材を原姿のま
ま上記のような条件下で真空加熱処理を行なった場合、
紙・木類からなる部材については、定量下限値未満から
数mg/kg程度の残留PCBが観測されるため、真空
加熱処理後に解体し、鉄類、銅類、磁器類、ガスケット
と分離した後再度真空加熱処理することにより、確実に
残留PCB量を定量下限値未満にすることが可能であ
る。このように、一度真空加熱処理した後にトランス部
材を解体すれば、PCBは99%以上除去されているた
め作業の安全性は十分に確保できる利点がある。
【0014】あるいはまた、真空加熱処理に先立ち、ト
ランスを解体し、紙・木類からなる部材を裁断処理すれ
ば、上記処理条件によって真空加熱処理することによ
り、これらの部材についても残留PCB量を定量下限値
未満にすることが可能である。
【0015】さらに、金属・磁器類からなる部材のみを
対象として絶縁油およびPCBの除去を行なうことを目
的とするならば、真空保持時間は10時間以下でも十分
に目的を達成し得る。
【0016】そして、このようにして真空加熱炉におい
て蒸発除去された絶縁油およびPCB成分は、その排気
系において冷却、好ましくは冷却コンデンサ等の冷却手
段を持って冷却して凝縮させ、その後、気液分離手段に
より排気ガスから捕集分離回収することにより、大気中
にPCBを放出させることなく、安全かつ安定に処理を
行なうことができる。なお、気液分離装置としては、特
に限定されるものではないが、好ましくは例えば、ジグ
ザク分離板、充填層等を有するミストセパレータ、静電
集塵方式のミストコレクター、さらに活性炭その他の吸
着剤を配してなる吸着装置等を多段に配して、気液分離
することが好ましい。
【0017】尚、上述の各例は本発明の好適な実施の形
態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0019】図1は、本発明に係る真空加熱分離方式に
よるトランス部材よりのPCBの除去方法の一実施例に
おける処理プロセスを装置工程と共に示すフロー図であ
る。
【0020】この実施例においては、供試トランスを原
姿のまま処理するものであり、図1に示すように、前処
理設備、真空加熱分離設備、絶縁油回収設備及び排気安
全対策設備とから成り、そこで以下の前処理工程と、常
圧加熱工程と、真空加熱分離工程及び強制冷却工程とが
実施される。
【0021】(i)前処理工程 供試トランス1から吸引ポンプ2を用いてPCBの含ま
れている絶縁油をある程度抜油し、絶縁油回収容器3
(例えば、ドラム缶)に回収する。次いで、供試トラン
ス1をトランス固定台27に固定し、105度に傾倒さ
せ、供試トランス1に残留する絶縁油を同様に回収容器
4に滴下抜油する。さらにトランス固定台27ごと供試
トランス1をコンディショニング室5に入れ、例えば室
温を約40℃まで上げてこれを16時間程度保持し、P
CBの含まれている絶縁油をできる限り滴下除去し、回
収容器6に回収する。
【0022】(ii)常圧加熱工程 上述の前処理を行なった供試トランス1を、真空加熱分
離設備の真空加熱炉7にトランス台ごと搬入し、部材中
に残留するPCBを含有する絶縁油と共に蒸発除去す
る。この実施例においては、減圧分離に先立って、温度
の上昇を早め真空加熱時間を短縮するため常圧にて加熱
する。例えば、常圧で110℃程度まで炉内温度を上昇
させる。そして、炉内が所定温度に達した後、これを一
定時間例えば30分保持する。尚、真空加熱炉7におい
ても、供試トランス1が傾倒保持されて滴下除去された
絶縁油が、回収容器8に回収される構成とされている。
【0023】因みに、この実施例に係る装置において
は、この真空加熱炉7より導出される排気系9には、真
空加熱炉7側より順に遮断弁10、冷却コンデンサ1
1、ミストセパレータ12、真空ポンプ13、作動油ミ
ストセパレータ14が設けられている。さらに冷却コン
デンサ11には、底部ドレン排出弁15を有して延長さ
れた管路16により回収容器17に接続されており、ま
たその冷媒管路は、冷却装置18を有する循環管路19
に接続されている。またミストセパレータ12にも同様
に、底部ドレン排出弁20を有して延長された管路21
により回収容器22に接続されている。そして、これら
の部材により絶縁油回収設備を構成している。尚、図中
の符号28,29は加熱装置である。
【0024】さらに、排気系9には、前記作動油ミスト
セパレータ14より先に排気安全対策設備として、静電
ミストセパレータ23および活性炭吸着装置24が配置
されており、大気中へ放出される排気ガス中にPCBが
残留しないように配慮してある。
【0025】また、排気系9のミストセパレータ12と
真空ポンプ13との間から分岐した循環管路は、切替弁
25、冷却ガス循環ブロワ26を有して真空加熱炉7へ
と延長されている。 (iii) 真空加熱分離工程 真空加熱炉7における絶縁油およびPCBの除去操作
は、トランス1を真空加熱炉7に装入後、炉内が所定の
温度条件および真空度に達するまで加熱、減圧を行な
い、トランス1の中心部温度が所定温度となったところ
から所定時間真空加熱を行う。例えば、真空ポンプを運
転し、発火防止のため7torrまで減圧した時点で炉
内温度を110℃から上昇させるとともに炉内圧力をさ
らに減圧させる。そして、炉内圧力が0.05torr
以下で供試トランス1のコイル表面近傍の温度が200
℃、かつその温度と鉄心・コイル間中心部との温度差が
10℃以下に達した時点から10時間保持(真空保持時
間という)する。この際に冷却コンデンサ出口温度を5
℃以下に保ち蒸発してくる絶縁油およびPCBを冷却回
収する。
【0026】(iv)強制冷却工程 真空加熱終了後、炉内圧力が500torrになるまで
炉内に窒素ガスを吹き込み、炉内とコンデンサ間を強制
循環して冷却時間を早くするための強制冷却を行い、供
試トランス1の温度を60℃以下になるまで冷却する。
【0027】以上のような構成を有する装置を用いて、
以下に示すような実験を行なった。 (1)最適絶縁油除去条件の選定 PCB除去試験に先立ち、絶縁油の除去状況を把握する
ことによりPCB除去条件を選定するため実トランスを
用いての試験を行ない以下の結果を得た。
【0028】i)加熱温度の影響 20kVAワニスレストランスを用いて、真空度は0.
05Torr以下、真空保持時間を10時間に固定し、
真空加熱温度を180℃、190℃および200℃と変
化させて試験を行なった。この試験で得た絶縁油を除去
しにくい部材である紙・木類製部材の残留絶縁油量の結
果を表1に示す。この表より、真空加熱温度が180℃
より200℃に向って上昇するほど残留絶縁油量は減少
している。なお、加熱温度が220℃になるとトランス
部材の紙・紙類に炭化の現象が観察されることにより、
最適な真空加熱温度は200℃付近であることが明らか
となった。本発明に係る装置の運転条件は、温度測定の
バラツキ等を考慮して190〜210℃の範囲が最適で
ある。
【0029】
【表1】
【0030】ii)真空加熱時間の影響 20kVAワニスレストランスを用いて真空度は0.0
5Torr以下、真空加熱温度を200℃に固定し、真
空保持時間を2時間および10時間で試験を行なった結
果を表2に示す。この表より、金属・磁器類の残留絶縁
油量は真空保持時間が2時間でも10時間でも大きな差
はないが、紙・木類は真空保持時間の影響を大きく受
け、真空保持時間が長いほど残留絶縁油量が少なくなっ
た。これより、トランスを解体することなく、紙・木類
の残留絶縁油量をできる限る少なくするように考慮する
と真空保持時間は10時間程度が最適とみなせる。しか
し、トランス部材を一部解体したり、金属・磁器類のみ
を対象として絶縁油の除去を行なうことを目的とするな
らば、真空保持時間は10時間以下でも十分に目的を達
成し得る。
【0031】
【表2】
【0032】iii)トランス容量の影響 真空度は0.05Torr以下、真空加熱温度を200
℃、真空保持時間を10時間で固定し、20kVA、7
5kVAおよび100kVAのワニスレストランスを用
いてトランス容量が絶縁油の除去率に与える効果につい
て試験を行なった結果を表3に示す。この表より、残留
絶縁油量はトランス容量で大きな差は無いことが明らか
であり、容量の異なるトランスでも同一条件にて処理が
可能であることが明らかとなった。
【0033】
【表3】
【0034】iV)考察 これらの結果より、ワニスレストランスに関し、トラン
スを解体することなく、絶縁油とともにPCBを除去す
るための条件としては、真空加熱温度は190〜210
℃の範囲、圧力は0.05Torr以下で、トランス中
心部の温度が約190℃になってから10時間程度保持
することが最良であるとの結論を得、ワニス含浸トラン
スにおいても同様の条件が適当であるとの推測されたの
で、以下の実験ではこの条件にて試験した。 (2)トランス部材からのPCB除去試験結果 図1に示すシステムを用いて上記条件の下、20kVA
のワニス含浸トランスを真空加熱処理した際の各部材に
残留したPCB量を測定した。得られた結果を表4に示
す。この表より明らかなごとく、ワニス含浸トランスを
原姿のまま処理すると、残留PCB量は、鉄類、銅類、
磁器類およびガスケットはすべて定量下限値未満である
が、紙類の絶縁紙で定量下限値未満から3.3mg/k
g、木類で定量下限値未満から0.15mg/kgとな
り、紙・木類以外は原姿のまま真空加熱処理することに
より、定量下限値未満とすることが可能であることが確
認された。
【0035】さらに、トランスからコイル部を取り出し
液体窒素により冷却凍結した後、三方向より2.5トン
のプレスを掛け、絶縁紙に微細なクラックを発生させた
もの(三方向加圧処理品)およびコイル部を解体し、部
材にばらしたもの(切り出し品)ならびに紙・木類につ
いては5mm角まで裁断したもの(切り出し品裁断品)
についても同様に真空加熱処理した。得られた結果を同
様に表4に示す。これにより、紙・木類についても、切
り出し品裁断品まで処理して真空加熱処理することによ
り残留PCB量を定量下限値未満とすることが可能であ
ることが確認された。
【0036】
【表4】
【0037】(3)システムの安全性確認 図1に示すシステムにおいて、排気中のPCB量を活性
炭吸着装置の出口および入口付近で、排気全量を液体酸
素による低温捕集法により凝縮捕集し測定した。その結
果、両者とも検出限界値未満(0.0001mg/m3
N未満)であり、システムの安全性は確保されているこ
とが明らかとなった。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、P
CB含有絶縁油を用いたワニス含浸トランスから予め吸
引ないし滴下抜油した後、トランス部材を真空加熱炉に
入れ、加温、減圧することによりトランスの構成部材か
ら絶縁油とともにPCBを蒸発除去処理することによ
り、安全にトランス部材に残留しているPCBをほとん
ど除去できるものである。さらに、真空加熱炉を温度1
90〜210℃、真空度0.05Torr以下に設定
し、この設定条件下に10時間以上保持すれば、より確
実にワニス含浸トランス部材からPCBを除去できるも
のである。さらに、本発明において、前記真空加熱炉が
その排気系に冷却手段および気液分離手段を備えてな
り、前記真空加熱炉においてトランスの構成部材より蒸
発除去された絶縁油およびPCBは、当該冷却手段を通
過することにより冷却液化され、さらに気液分離される
ことにより、大気中にPCBを放出することなく安全に
処理を実行できるものである。また、さらにトランスの
すべての部材について残留PCB量を定量下限値未満と
することを要求されるならば、部材のうちの紙・木類の
みを解体・裁断し、真空加熱処理することによりすべて
の部材についてPCB量は定量下限値未満とすることが
可能であるが、一旦原姿のままで真空加熱処理を行なっ
た後に、解体処理を行ない、紙・木類の部材について再
度真空加熱処理を行なう態様とすれば、解体処理時の安
全性が確保されるゆえに望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空加熱分離方式によるトランス
部材よりのPCBの除去方法の一実施例における処理プ
ロセスを装置工程と共に示すフロー図である。
【符号の説明】
1 トランス 5 コンディショニング室 7 真空加熱炉 9 排気系 10 遮断弁 11 冷却コンデンサ 12 ミストセパレータ 13 真空ポンプ 14 作動油ミストセパレータ 23 静電ミストセパレータ 24 活性炭吸着装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PCBを含有する再生絶縁油を使用した
    ワニス含浸トランス部材からのPCB含有再生絶縁油の
    除去方法であって、当該トランス部材から予め吸引ない
    し滴下抜油した後、トランス部材を真空加熱炉に入れ、
    加温、減圧することによりトランスの構成部材から絶縁
    油とともにPCBを蒸発除去し、PCB含有絶縁油の除
    去されたトランス部材を有価物として利用することを特
    徴とするワニス含浸トランス部材からのPCB含有再生
    絶縁油の除去方法。
  2. 【請求項2】 前記真空加熱炉が、温度190〜210
    ℃、真空度0.05Torr以下に設定され、この設定
    条件下に10時間以上保持されることを特徴とする請求
    項1に記載のワニス含浸トランス部材からのPCB含有
    再生絶縁油の除去方法。
  3. 【請求項3】 前記真空加熱炉が、その排気系に冷却手
    段および気液分離手段を備えてなり、前記真空加熱炉に
    おいてトランスの構成部材より蒸発除去された絶縁油お
    よびPCBは、当該冷却手段を通過することにより冷却
    液化され、さらに気液分離されることにより、大気中に
    PCBが放出されないことを特徴とする請求項1または
    2に記載のワニス含浸トランス部材からのPCB含有再
    生絶縁油の除去方法。
  4. 【請求項4】 前記ワニス含浸トランス部材を原姿のま
    ま前記したような真空加熱炉における処理を行ない、そ
    の後、処理されたワニス含浸トランス部材を解体し、紙
    ・木類からなる部材を、他の部材と分離した後、再度真
    空加熱処理を行なうものである請求項1から3のいずれ
    かに記載のワニス含浸トランス部材からのPCB含有再
    生絶縁油の除去方法。
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